物価上昇、国産に切り替え…県内7市が給食費値上げ
小麦や乳製品、油脂など食材の値上げを背景に、県内の小中学校で4月から給食費を上げる例が相次いでいる。中国製ギョーザ中毒事件などを受けて安価な中国産食材から割高な国産品への切り替えが進む現状もあり、調理の現場は、食材購入や調理方法でも工夫を強いられている。
小中学校の学校給食費は、市町村の学校や給食センターごとに異なり、センター職員や保護者、関係者でつくる委員会や、学校長などが決めている。信濃毎日新聞が県内19市の教育委員会を通じて集計したところ、小諸、大町、塩尻の3市で全校が、松本、上田、伊那、飯山の4市で一部の学校が、4月から値上げする予定。値上げ幅は1食当たり3−32円程度とみられる。
県学校給食会が供給するパン用小麦粉は4月から、前年比約28%増の25キロ当たり3735円となった。県の入札で決まる牛乳価格で、1本(200ミリリットル)当たりの保護者負担額は本年度41円39銭。4年前に比べて約5円アップしている。
こうした状況に、4月中は価格を据え置く市の中にも「来年度に値上げを予定」「1学期はひとまず様子を見る」との回答があった。
一方、給食作りの現場は、栄養バランスの維持と国産品の確保に、栄養士らが四苦八苦している。
給食費を「当面、据え置く」とした長野市。第2学校給食センターの4月分の食材の入札価格は、昨年同期比で、ヒマワリ油が約30%、チーズが約56%、みそ、しょうゆ、豆腐など大豆製品が約10%上がった。パンは1個当たり2−3円値上がりした。
「子どもにとっては大事な成長期。献立の工夫でなんとか、しのぐしかない」と栄養士の清水智子さん。本年度、デザートがつく「お楽しみ献立」や、コッペパンよりも加工賃がかかる「ねじりパン」や「まるパン」などの献立回数を減らす方向だ。
4月から1食当たりの給食費を一律20円上げ、小学校で280円、中学校で320円とする塩尻市。塩尻西小学校は昨秋以降、魚の切り身をちくわに、サラダのハムをかまぼこに、ソースカツ丼のカツをチキンに変更するなど工夫を重ねる。栄養士の北浜喜久子さん(58)は「アレルギーの子もおり、添加物や農薬に不安の多い食品は避けたい。今後国産品が品薄にならないか」と心配する。
中国製ギョーザ中毒事件を受け、伊那市手良小は、中国産のマッシュルームやキクラゲなどを、国産のキノコに変更した。松本市では、中国産冷凍食品を急きょ、別メニューに替える学校があった。安全で少しでも安い食材を確保するため、地元の生産者グループと連携する学校も現れている。
塩尻西小の児童の父親(44)は「食料自給率や農業保護の問題について真剣に考える時。この機会に子どもと話し合いたい」と言った。


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