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2008年5月 1日 (木)

進むモラル低下 高校授業料滞納6億円

都道府県立、増加傾向
 全国の都道府県立高校で2007年3月末時点の授業料滞納額が、約5億8952万円に上ることが読売新聞の調査でわかった。23の道府県が「過去5年間で滞納件数が増加している」と回答しており、17倍に急増したところもあった。

 滞納の理由については、「保護者の経済的な理由」を挙げた自治体が6割、「モラル低下」を挙げた自治体が4割だったが、急増の要因としてモラル低下を指摘する声も目立った。

 今月中旬、47都道府県教委に、都道府県立高校の授業料の滞納状況を尋ねたところ、07年3月末時点で滞納があったのは計37都道府県。大阪府(2億5177万円)が最も多く、北海道(9515万円)、神奈川県(4123万円)が続いた。授業料を徴収できるのは原則過去5年分のため、調査時点の滞納額はこの5年間に徴収できなかった授業料の残高がおおむね反映されている。全日制高校の年間授業料は、11万1600〜14万4000円だった。

 過去5年間の滞納額の傾向については、「かなり増加した」が11道県、「やや増加した」が12府県。03年度に滞納が10件だった長野県は、06年度には172件に膨らんでいた。一方、「減った」と回答した自治体は七つ。滞納が始まった時期では、1997年度以降としたところが24道県と最も多かった。

 滞納の主な理由を尋ねたところ、6割が「リストラなど保護者の経済的な問題」、4割が「納入意思が低いなどの保護者としての規範意識」と答えた。ただ、滞納件数が5年間で4倍に増えた静岡県教委の担当者は「経済的な理由もあるが、保護者のモラルの低下により滞納となるケースが増加している」と感想を寄せ、「クラブ活動費を払ったので、授業料は支払えないと断られた」(長野県教委)など、身勝手な保護者の事例も確認された。

 滞納対策として、「財産の差し押さえなど支払いを求める法的措置」をとっているのは、北海道や福島、広島など6道県。一方、宮城、千葉など14道府県は「長期にわたって滞納が続いた場合に出席停止または退学処分にする」と答えた。滞納額が最も多かった大阪府では、06年度までの3年間で長期滞納者約870人を退学処分にしていた。

[解説]生徒への配慮必要
 学校給食費や認可保育園の保育料滞納問題に続き、都道府県立高校でも授業料の滞納が増加していることが、読売新聞の調査で明らかになった。深刻なのは、親のモラル低下が原因と見られるケースが目立ってきていることだろう。

 義務教育の小中学校とは違い、高校の授業料は学校施設の使用料などとして徴収される。それゆえ、条例などに規定を設けることにより、滞納世帯の生徒を出席停止処分や退学処分にすることもできる。

 2006年度だけで419人の長期滞納者の退学処分を行った大阪府教委は、「各校が一人ひとりの生徒に学校に通う意思があるかを確認した上で総合的に判断している」と説明している。一方、今月中旬には、千葉県立八千代西高校で入学金を払っていない新入生を入学式に出席させなかったことが発覚した。生徒の人格を傷つけるような結果を招くことだけは絶対に避けなければならない。

 経済的な困窮が理由で滞納が生じている世帯には、授業料減免や奨学金の制度があることを周知することも大切だ。滞納の理由を見極めるとともに、生徒の気持ちに配慮したきめ細かな対応が自治体に求められている。

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