「教育委員、勉強が必要」全国の委員長が役割議論
大分県教育委員会の教員採用を巡る汚職事件では、教委事務局の不正を見抜けなかった教育委員会がクローズアップされた。
教育行政では自治体の最高意思決定機関であるにもかかわらず、影の薄さがつきまとう。今月19日には全国の教育委員長が文部科学省に集まり、教育委員の役割を改めて議論した。
会議には、都道府県と政令市の教育委員長ら64人が出席した。鈴木前文科相は冒頭、教委事務局について「教員出身者で占められており、外部の論理が通用しにくい」と指摘。その上で、「教育委員が住民の目線で指揮を執ってほしい」と指導力の強化を求めた。
64人が6グループに分かれて行った討議では、過去の教委のあり方を顧みる意見が相次いだ。「事務局の提案を承認するだけの存在に成り下がってはいけない」「われわれ自身が相応の勉強をすることが必要だ」と語気を強める教育委員長もいた。
読売新聞が47都道府県の教委に教育委員長の職業や職歴(9月19日現在)を聞いたところ、最も多かったのは会社社長や金融機関の元幹部など地域経済界の有力者で14人。続いて大学教授など学識経験者が11人。元高校長など教員経験者も9人いた。
「府教委は最悪だ。教育委員はお飾り」。大阪府の橋下徹知事は8月末、全国学力テストで大阪の結果が低迷したのを受け、府教委を痛烈に批判した。学力向上に役立っていないというのが理由だった。
また、どの自治体でも、教委事務局を統べる教育長がおり、教育委員長と実質的に並び立つ存在になっている。この教育長について、北海道中頓別町は今月2日、全国で初めて非常勤にできるよう条例を改正した。教委主導で物事が決まっていけば、事務局の長は非常勤でも困らないとの判断からだ。
元鳥取県知事の片山善博・慶応大教授(地方自治論)は「教委は地域の教育行政全般をリードする重要な役割を担っている。事務局の提案をうのみにせず、自分で判断できるように、委員自身がもっと勉強することが必要だ」と指摘する。
教育委員長 合議制で意思決定する教育委員会の議長役。地方教育行政法で原則5人と定める委員の中から、互選で選ばれる。教委が決めるものは、学校の統廃合や新設、教職員の人事など。教育予算についても、知事や市町村長に意見する役割を担う。


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