「先生の心の健康」対策不十分…文科省調査
全国教委 7割認める
全国の教育委員会で、教員のメンタルヘルス対策の効果が上がっていると感じている教委は約2割にとどまることが、文部科学省が業者に委託して行った調査でわかった。
精神的な問題を抱えて休職する教師は増え続けており、専門家は精神的な変調が早めに発見できる環境作りが大切と訴えている。
調査は06年11月から今年3月にかけて、全国の473市教委に対し、メンタルヘルスの方法や課題などを尋ねた。
それによると、心の健康を維持するために特別な対策が必要かどうかについては、「必要」が79%、「まあ必要」が20%で、大半の教委が対策の重要性を認識していた。しかし、実際の取り組み状況については、「十分に取り組んでいる」はわずか1%、「まあ取り組んでいる」も18%しかなかった。これに対し、「不十分」は26%、「あまり十分とは言えない」が48%で、7割以上で有効な対策が講じられていない現状が浮き彫りになった。
対策内容(複数回答)を聞くと、「定期健康診断における問診」37%、「ポスターなどによるPR」33%、「管理職に対するメンタルヘルス研修」25%――が上位に並んだ。こうした対策について、「効果があった」と回答したのは全体の23%しかなく、「どちらとも言えない」が36%、「効果がない」が32%を占めた。
また、現状のまま推移した場合、うつ病などの精神的な問題を抱える教員数が将来、どう変化するかとの問いには、「大幅に増加」が11%、「やや増加」が60%に上った。さらに、子供たちへの悪影響についても98%の教委が「ある」と回答した。
文科省によると、精神性疾患で休職している教師数は1997年には1609人だったが、その後増え続け、2006年度は4675人に上った。有効な対策を打つことは、都道府県教委にとって喫緊の課題になっている。
慶応大の伊藤美奈子教授(臨床心理学)は「精神的な問題で長期休職者を出さないためには、深刻な状態になる前に、本人や周囲の人が気づいて対応することが最も大切。教師はまじめで弱音を吐かない傾向があるので、気軽に悩みを相談できる場を学校内外に作っていくことが効果的」と指摘している。


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