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2008年12月

2008年12月31日 (水)

ご飯給食を週4回に 文科省、23年ぶりに目標見直し

 学校給食でご飯を出す目標値が、週4回に増えそうだ。23年前に決められた「3回」が全国平均で達成されたことが分かり、文部科学省は今月、引き上げる方針を示した。ただ、パンに比べてご飯はコストがかかり、一部の地域では給食費の値上げにつながる可能性もある。滞納が問題になり、不況が深刻さを増すなか、国が一律に回数を決めることに対して、困惑の声も上がる。

 戦後にコッペパンと脱脂粉乳を中心に始まった学校給食で、「米飯給食」が正式に導入されたのはコメ余りが深刻な問題となっていた1976年。当時は週0.6回が平均値。85年には平均1.9回になったが「日本の伝統的食習慣を教えるため」として、「週3回」が目標とされた。

 近年は食育基本法の制定や食への関心の高まり、学校で伝統文化や郷土の産品を教えようという声などを背景に、米飯給食は増え続けている。目標を決めて以来、回数は伸び、この秋、07年は3回を達成したことが速報値で分かった。「日本一」を掲げて助成制度を導入した山形県や週4回を達成した高知県など、農産物の産地を中心に3.1回以上の府県が26に及ぶ。

 これを受け文科省は、給食での地場産物活用を論議してきた協力者会議で、中間まとめ案に「週3回を達成していない学校は早急に週3回以上を目指し、達成している学校は週4回程度を目標にする」と盛り込むことを提案した。

 これに対し、会議では、炊いたり容器を洗ったりするコスト面から異論が出された。

 現在週2回の堺市の担当者は「全校で委託炊飯なので、米飯1人分で炊飯加工賃含めて10円ほど高くなる。最近は小麦の値上がりで原料の価格差は縮まったが、それでも米飯はパンより高く、回数増で給食費を上げることになりかねない」と発言。自校での炊飯設備を入れると、水道や電気設備工事も含め多額の費用がかかるという。

 全国で最も少ない週2.5回の神奈川県。川崎市に聞くと、「昨年度まで週2回だったが、今年度からなんとか月1回分を増やした。炊飯設備も増やしたいがコストを考えると極めて厳しい」と話す。

 「地場産物の活用」「伝統的な食生活」という観点からも意見が出た。

 埼玉県は、学校給食用のパンやうどんに県産の小麦を使っている。米をやめて小麦に変えた農家や加工業者もいる。「地場産物の活用が目標なら、それは米だけではない。そもそも国が全国一律、半強制的にやらせるようなことは困る」と話す。

 こうした意見を受け、文科省では「地域の実情に応じて」といった言葉を入れて年度内にまとめる予定だ。

2008年12月30日 (火)

スーパー16歳の地図

 ここに登場する3人は、各界で来年、ブレーク間違いなしの16歳。物心ついたころからインターネットに接してきた彼らにとって、ネットはいわば人生を切り開くための「地図」だ。普段、どんなふうにデジタルの世界を楽しんでいるのか? 来年の抱負と合わせて聞いてみた。

□吉田えり(プロ野球選手)

■武器のナックルを研球

 パソコンは自分の部屋にあるのでよく使います。父にナックルボールの握り方が説明してあるサイトを教えてもらって、研究をしています。投手の動画を見てフォームの研究も。野球について調べることが多いですね。

 ニュースサイトも野球中心。女子野球のニュースは特にチェックします。ただ、球団や選手のことは調べても、自分の記事はあまり見ないかな。

 野球のこと以外でパソコンを使うとしたら、ゲームですね。ゲームが好きで、携帯電話のゲームとかもよくやるので。

 あと携帯電話のメールをよく使います。友達と連絡するのになくてはならないもの。ドラフトで指名される前には友達や知り合いの人から励ましのメールがたくさん来て、すごく励みになりました。決まった後は、「おめでとう」メールがたくさん来てうれしかった。私も学校の友達に指名されたことをメールで報告しました。

 来年の目標は、まずマウンドに立つこと。そのためには、男性選手以上に練習を積むなど、努力を重ねていきたいと思います。

【プロフィル】吉田えり

 よしだ・えり 平成4年1月17日、川崎市生まれ。小2で野球を始める。女子硬式野球のクラブチームを経て、11月、来春発足する関西独立リーグのドラフト会議で神戸9クルーズから7位指名され、日本初の女子プロ野球選手に。155センチ、50キロ。右アンダースローからくり出すナックルが武器。

□里見香奈(女流棋士)

■キラリっ娘ブログ連載

 小学校3年のとき、父が「家で将棋が指せるように」とインターネットを教えてくれました。おもしろくて毎日2、3局は指しました。全国の人たちと指せるのがうれしくて…。

 3年前から関西将棋会館道場の職員の方の勧めで、井道(千尋1級)さん、室田(伊緒初段)さんの3人で「キラリっ娘のそよ風日記」というブログを開いています。

 倉敷藤花(くらしきとうか)戦で初めて体験した検分(対局会場の下見)や専用の控室を用意された話をしたり、おいしいコーヒー味の豆乳を紹介したり。将棋で負けて落ち込んでいても、コメントでたくさんの方から励ましをいただいて元気になれます。

 学校の家庭科のことで、衣服や料理のことをネットで調べたりもします。料理は作るより食べるほうが好きですけど。

 ニュースもときどき見ますが、悲しい事件が多いのが気になります。明るいニュースがもっとあるといいですね。

 来年は課題の序中盤の内容をよくすること。しっかりと勝ちきれるようにして、「女流名人戦」なども目標にしたいです。

【プロフィル】里見香奈(女流棋士)

 さとみ・かな 平成4年3月2日生まれ。島根県出雲市在住、県立大社高2年。森●二九段門下。愛称「出雲のイナズマ」。幼稚園のころ将棋を覚え、女流育成会を経て中学1年で女流プロ2級。11月に史上3番目の若さで初タイトル倉敷藤花を獲得した。

 ●=奚に隹

□宇佐美貴史(ガンバ大阪ユース)

■情報はロスなく集める

 インターネットは、パソコンではなく、いつもは携帯電話を使って接続しています。

 主に利用するのは、スポーツニュース系のサイト。いろんなスポーツのニュースがある中でも気にかかるのはやっぱり、(自分がしている)主にサッカーのニュースですね。

 チェックするのは、国内のJリーグの情報だけでなく、いろんな国のリーグの情報なども見るようにしています。

 来年はこれまで所属していたG大阪のユースチーム(18歳以下)から、(アジア王者となってクラブワールドカップにも出場した)トップチームの選手になります。

 やはり目標は、トップのゲームにできるだけ早く出場できるようにすることです。

 今のうちからしっかりと目標を持って練習などをやっていきたいと思っています。

【プロフィル】宇佐美貴史

 うさみ・たかし 平成4年5月6日生まれ、京都府出身。今年は“プラチナ世代”とも言われるU16(16歳以下)日本代表の主力選手として、アジア選手権4強入りに貢献。来年にはU17W杯が控える。ポジションはFW、MF。178センチ、68キロ。

新教育の森:様変わり、中学校の給食事情 おかずをネット予約、前払いで督促不要

 好みのおかずを選べる。夜中でもネットで予約できる。最近の中学校の学校給食は、以前とは様変わりしている。ただし、給食費は前払いで、納付しないと食べられない。多忙な保護者に配慮し、給食費督促の必要もないという。

 ◆ボックスランチ導入

 「初めは味にばらつきがあり、まずいと感じる日もあった。3カ月たち、今は毎日おいしく感じます」

 今年10月から給食を始めた東京都狛江市教育委員会の学校給食担当者は話す。ボックスランチと呼ばれ、民間業者が調理して弁当箱に詰めたもので1食300円。AとBの2種類があり、片方は卵を全く使わないアレルギー対応のメニューになっている。

 10月のある日のメニューは「鮭(さけ)のムニエルのトマトソースかけ」と「魚のホイル蒸し」。どちらも魚を使ったのは「魚は肉と比べて人気がなく、片方を肉にすると肉だけに選択が偏るため」(市教委)だという。

 生徒はボックスランチを食べてもいいし、自宅から弁当を持参してもよい。日によって給食を食べる人数が異なるため、事前に食材の量を確定せねばならず、最低7日前に予約が必要だ。保護者は事前に18回分5500円(手数料込み)を払い込む。入金確認後に予約可能となり、食べる日とメニューに印をつけたマークシートを学校に持参するか、パソコンや携帯電話からアクセスするネット上で予約する仕組みだ。

 前払い制は未納を防ぐ強力な手段だ。市教委は「給食費督促の負担がないので学校現場も歓迎している」と話す。

 東京都国分寺市や東久留米市など最近給食を始めた自治体の多くは、民間業者が作った前払い方式の弁当を配っている。最大の利点は、各校に調理室を設置して独自に調理するより費用が安いこと。配膳(はいぜん)の手間がないため、昼食時間が短い中学校のカリキュラムにも合う。

 「各校で調理したできたての食事を食べるのが理想だけれど、給食だけにお金をかけるわけにはいかない。民間業者の弁当を食べるのは、合理的な結論だと思う」。2年後から全市で順次、弁当形式の給食を導入する神奈川県相模原市で「市立中学校給食あり方懇話会」委員を務めた近藤郁恵さん(48)はいう。

 近藤さんは現在、中学1年生の娘に毎日弁当を作って持たせている。「3人目の子どもなので、弁当作りには慣れている。でも、働く母親としては、給食があると助かるのが本音。自分で作るとどうしても、子どもの嗜好(しこう)に合わせてしまう。給食だと食材も多様で栄養バランスも計算しつくされているので、期待できます」

 ◆親の愛情弁当も併用

 小学校は全員に給食を供給するのが一般的だが、なぜ最近の中学は希望者にしか出さないのだろう。相模原市教委学校保健課の三樹隆久さんはいう。「本当は全員に給食を出すほうがシステムを構築しやすい。でもこれまで弁当を作ってきた親の愛情も尊重したい。食材への不安から自分で作りたいという保護者もおり、業者と保護者の弁当併用になるのです」

 ◇実施率にばらつき、神奈川県と大阪府10%台 自治体に重い財政負担 調理は業者でも、必要な配膳室・人件費・委託費

 小学校の給食は全国でほぼ100%、全員に供給されているが、中学の実施率は都道府県によってバラバラだ。文部科学省の調査によると06年現在、100%実施は富山県と愛知県。多くの県は90%台で、50%以下は兵庫県や三重県など5県ある。中でも神奈川県(12・7%)と大阪府(10・2%)が際立って低い。

 文科省学校健康教育課は「学校給食法は、小中学校で給食を出すように努めることを定めている。国としては完全給食を望むが、判断するのは学校設置者の自治体」と語る。材料費は保護者、調理の委託費や栄養士の人件費は自治体が持つと決まっており、大きな財政負担に足踏みする自治体も少なくない。

 全国最低の大阪府は、高度成長期に学校建設に追われたことと、市町村の財政難が原因と見ている。府内では昼食を持参しない子もおり、欠食が問題化している。府は、府公立中学校スクールランチ等推進協議会を設け、市町村への財政支援も念頭に、給食のあり方を検討し始めた。

 神奈川県も横浜市や川崎市など大きな自治体が軒並み、給食を提供していない。横浜市は「中学生ともなれば、どういう栄養を取るのか自分で選択してほしい」と話す。

 給食実施にはいくらかかるのか。中学校30校で業者弁当を導入する相模原市では、初期投資として各校への配膳室設置で9億円を負担する。さらに毎年給食を続けるための人件費や委託費に年10億5000万円を見込んでいる。各校に調理室を作り、できたての食事を出す「自校方式」を望む市民の声は強いが、調理室設置には1校あたり3億円計90億円もかかり、現実的ではないという。

 ◆あえて自校式を選択

 一方で、92年度から12年間かけ全中学27校に給食室と食堂を建設したのは千葉県船橋市だ。自校式への要望が強いうえ、市内の交通事情が悪く、弁当輸送方式では給食の時間に間に合わない恐れもあって決断した。自宅から弁当も持参できるが、給食人気は高く摂取率は97%にも上る。市栄養士の水野昌代さんは「食堂で教員も異学年も一緒に席につくので、リラックスした雰囲気で食事が楽しめる」と話している。

 ◇冷め切って薄味だけど、評判まあまあ 汁物なし/予約忘れても予備あり−−業者弁当
 業者の作る弁当は好評なのか。予約し忘れたら、どうなるのか。00年度からボックスランチ型の給食を出している東京都立川市で、ある中学を訪ねた。

 「いただきます」。生徒たちが6人ずつ、机を向かい合わせに並べ直して、昼食が始まった。献立はフライドチキンに野菜のクリームあえ、ゆでた温野菜だった。汁物は運ぶのが難しいため、みそ汁やスープは一切出ないが、生徒たちは「気にならない」と慣れた様子だった。

 骨付きの鶏肉にかぶりつくのが恥ずかしいのか、はしで肉をほぐしていた女子生徒は「毎日食べてるけど、味はまあまあ」。別の男子生徒は「おかずが冷えていて冬は悲しい」。食中毒防止のため、副菜は急速冷却して詰めており、湯気のたつ食べ物は望めない。健康的な薄い味付けだが、「物足りない」との声もあり、ご飯用のふりかけを持参する男子も目立った。

 友達からフライドチキンをもらって食べていた男子は予約を忘れたのだという。「うっかり忘れが時々ある。でも誰かがおかずを分けてくれます」。各校には2食分、業者の作った弁当の予備が配達されているため、現金265円を払って予約なしで当日食べることもできる。自宅からの弁当組は2割程度で、コンビニ弁当組は見かけなかった。

 立川市では5300円のランチカードを購入し、学校に備え付けた予約機で予約する仕組みだ。システムが老朽化し、管理や保全に手間がかかるのが課題だという。一方これまで8年間、給食費未納による欠損はゼロだという。

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 ◇中学の給食実施状況(%)
北海道  96.1

青森   81.5

岩手   80.8

宮城   92.4

秋田   97.7

山形   66.9

福島   91.3

茨城   99.1

栃木   99.4

群馬   98.9

埼玉   99.5

千葉   98.4

東京   86.6

神奈川  12.7

新潟   94.3

富山  100

石川   90.5

福井   95.0

山梨   97.9

長野   99.0

岐阜   99.5

静岡   96.6

愛知  100

三重   41.8

滋賀   48.0

京都   62.8

大阪   10.2

兵庫   45.1

奈良   69.2

和歌山  50.4

鳥取   77.0

島根   91.6

岡山   93.3

広島   62.0

山口   89.8

徳島   97.8

香川   97.3

愛媛   98.6

高知   57.0

福岡   59.3

佐賀   74.5

長崎   78.1

熊本   99.5

大分   96.5

宮崎   97.9

鹿児島  99.6

沖縄   99.4

〓〓〓〓〓〓

平均   79.9

 (06年文科省調べ)

内定取り消し続出 各大学が「留年・出直し就活」支援

 世界的な金融危機で、大学生の就職内定取り消しが相次ぐ中、留年することで、改めて「新卒」として出直し、就職活動を目指す学生に授業料を減免するなどの形で支援する動きが各大学に広がっている。大学生にとって、厳しい年末年始になりそうだが、各大学では「学生の不安が少しでも軽くなれば」と話している。

 就職活動は新卒が有利とされるため、内定を取り消された学生の中にはあえて1年間留年して、「もう一度、新卒として就職活動したい」という希望も想定される。今回の措置は、そうした学生の希望に応えるものだ。

 青山学院大学(東京都渋谷区)では、来春から1年間だけの特別措置として、卒業要件を満たしながら、内定を取り消された学生の在学を認め、1年間の学費を減免する方針を打ち出した。減免率などは今後検討する。

 同大では、経営破綻(はたん)や業績不振などを理由に、8人が内定を取り消された。うち5人は就職活動を再開しているが事態は深刻だ。同大は「学生の希望に沿えるように全力で取り組みたい」としている。

 学生1人が内定を取り消されたという工学院大学(東京都新宿区)。ほかにも学生4人が内定辞退を企業から促されており、留年を希望する学生に対する授業料減免の検討を始めた。「留年を勧めるわけではないが、学生の不安を少しでも軽減させたい」

 湘南工科大(神奈川県藤沢市)でも、同様の特別措置を検討。内定を取り消された学生はこれまでに出ていないが、「先手を打って学生をバックアップしたい。4年間学んできた学生にとって不利益にならないようにしたい」という。

 一方、内定を取り消された高校生や専門学校生、短大生への支援を打ち出しているのは、長崎ウエスレヤン大学(長崎県諫早市)。内定を取り消された高校生らが入学試験で合格した場合、授業料を半額免除する奨学金制度を創設した。文科省も「こうした奨学金制度は聞いたことがない」としている。

2008年12月29日 (月)

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

 むかしから学習は読み・書き・そろばん!
 近年見直されている作文添削で正しい日本語表現と基礎学力(読解力)の養成を!

 ココロと言葉の作文教室 も・の・か・き・名・人

※中学受験・AO入試をお考えの保護者様は是非一度ご覧ください。

関西私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

【古典個展】立命館大教授・加地伸行 「知識」より「知恵」の生活

 歳末である。日本人の習慣で御用納(ごようおさ)めは掃除。

 街頭ではビルの前の道路を女子社員が箒(ほうき)で掃除している。

 それ見てすぐ分かった。このお嬢さん、多分、家では箒で掃除したことなんかないことが。

 もっとも、近ごろは電気掃除機だから、本人に罪はない。

 この女子社員、箒を力まかせに掃くものだから、枯れ葉をうまく寄せられないでいる。それだめ。

 老人の私が子どものころ、「ほうきほさき、つえてもと」と習ったものだ。

 箒は穂先きに力を入れて掃き寄せるのがコツ。お嬢さんのように箒の穂の腰のところを曲げて強く掃いてはだめという教えである。

 確かに、箒は穂先きで軽くさっさっと掃けば、よく掃き寄せられる。濡(ぬ)れ落ち葉だって掃き寄せられるのである。

 或(あ)る戦闘的女性評論家は、定年退職後の男性を濡れ落ち葉に喩(たと)え、奥さんにべったりくっついていてだめだと評したが、あの女性評論家、多分、箒なんて持ったことないのだろう。

 そうそう、「つえてもと」とは「杖手元(つえてもと)」のこと。箒を使うときの知恵の逆で、杖のときは、持つ手元をしっかりと握(にぎ)れという知恵だ。杖は先端よりも把(と)っ手のほうが大事。

 こういう知恵は子どものころ、なんとなく親や大人から学んだが、国語の時間でも学んだ。小学校教科書に、自然科学者の寺田寅彦(とらひこ)の文章が出ていて、そこから「きもとたけうら」という知恵を教えられ、今も覚えている。

 昔は、木や竹を割ることが家事の一つであった。木は薪(たきぎ)に、竹は細工物(さいくもの)に使っていたからである。

 木は適当な長さに切ってから立てて、斧(おの)で割るが、そのときの立てかたにおいて、木の根元側のほう(形で分かる)を上にする。するとパンと割れる。

 竹のときは、その逆で、竹の先端側のほう(「うら」あるいは「うれ」と言う)を上にする。バリッと割れる。それが「竹を割ったような気性(きしょう)」という形容となったのだろう。

 このような生活体験的知恵は、機械化の進むなかで、急速に消えていっている。もちろんそれに替(か)わる知恵は出てくる。例えば、パソコンを使うときの裏技(うらわざ)などというものがそれに当たるのかもしれない。

 しかし、それは知恵と言うよりも知識であろう。知恵の場合、まずことばにリズムがあり、覚えやすく、歌うような感じで心をつかむ。

 「ほうきほさき、つえてもと」−どことなく語呂(ごろ)もいい。「きもとたけうら」もそうだ。また中身も対照的。

 学校制度が普及する以前、人々はまず実務に入った。実務の世界は経験・知恵がものを言う。そのような生活を経てから学問・知識を求めても遅くない。

 ところが、今は知識の勉強ばかりするため、頭でっかちになる。しかもそれで一人前になったつもりとなるから、知恵はからきしない頼りない卒業生の山。

 今日の小学校から大学に至るまで、まずは合宿や生活体験、農作業や林業の手伝い…といったことを教育課程の中に据えなくては、空(から)学問に終わる。『論語』学而篇に曰(いわ)く「行(おこ)ないて余力(よりょく)あらば、則(すなわ)ち以(もっ)て文(学問)を学べ」と。

ブラジル人学校、消えゆく生徒 失業の親、学費払えず

 日本の学校になじめずブラジル人学校に通う子どもたちが、その居場所も次々に奪われている。製造業の現場を支えてきた日系ブラジル人労働者たちが「派遣切り」などで職を失い、授業料を払えなくなっているからだ。冬休みが終わって新学期を迎える時、友だちはどれだけ減っているのだろうか。

■日本語不自由、公立校に行けず

 1歳から中学生まで50人のブラジル人が通う滋賀県愛荘町のサンタナ学園で25日、クリスマスパーティーが開かれた。日系ブラジル人2世の中田ケンコ校長(52)の発案で、学校に来られなくなった子も集まり、久しぶりに70人以上が顔を合わせた。

 暗い表情だった子も、ケーキやプレゼントを前にして笑顔を取り戻した。「また来るからね」。そう言って帰っていった。だが、小学生の年代の男の子が泣きながら漏らした言葉が中田校長の胸に突き刺さった。「お父さんの仕事さえ見つかったら、すぐに学校に来られるのに」

 大手製造業の工場が立ち並ぶ滋賀県には、近畿で最も多くのブラジル人が住む。県内四つのブラジル人学校には今夏に602人が通っていたが、今月18日時点で2割減の470人に。ブラジル人学校を去ると、日本語が不自由で公立校に転入できす、就学しなくなる子が多いという。

 サンタナ学園では11月ごろから、送迎や給食の費用込みで3万5千円の月謝を払えなくなり、通学をやめる子どもが増えた。今年1月に18人でスタートした小学3・4年のクラスは8人に。さらに3人が年明けの新学期から来なくなる。工場で働く親の仕事がなくなるためだ。

 「払ったら食べられない。食べたら払えない」。親たちの悲痛な声が届く。クリスマス会を終えた中田校長は「次にこの子たちの笑顔に会えるのはいつなのか」と表情を曇らせた。

■通学児、3カ月で半減

 幼稚園児と小学生が通う岡山県総社市のブラジル人学校「エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ」。今月から通えなくなったアマンダ・サユリ・シルベストリさん(9)はうつむいた。「家で勉強していても、わからないことを先生に聞けない。友だちにも会えないし、つまらない」

 9月に24人いた児童が今月22日には10人になった。運営するNPO法人ももたろう海外友好協会の枝松孝典理事長(42)は「刻一刻と状況は悪化しており、年明けには児童がいなくなるかもしれない」と危機感を募らせる。

 日本の学校になじめず未就学となる子どもをなくそうと今年4月に設立。ブラジル人教員3人がポルトガル語や母国の歴史など、日本人ボランティアが算数や社会などを教えている。月3万円の授業料と、市の助成金や寄付で運営している。

 児童の親の大半は、派遣社員などの非正規労働者。10月から「授業料や給食費が払えない」との連絡が相次いだ。地元には、水島コンビナートにある自動車関連企業の下請け工場が多い。秋以降、非正規労働者の「雇い止め」や中小企業の廃業が相次いだ。ブラジル人労働者は4月の662人から今月18日時点で618人に減った。

 学校は、通えなくなった子どもに日本人ボランティアの授業だけでも無料で受けられるようにしてきた。今後、ブラジル政府に教員や教科書の支援を要請するという。

■国内に100校、半分は私塾

 日系外国人の2世と3世には90年以降、就労制限のない在留資格が認められ、法務省の統計では在日ブラジル人は91年の11万9千人から07年には31万7千人に増えた。不況下で失業し、子どもがブラジル人学校に通えなくなるケースは各地で相次いでいる。

 海外日系人協会(横浜市)には、日系のブラジル人やペルー人から「会社をクビになり寮を出て行けと言われた」「子どもをブラジル人学校から退学させた」などの電話相談が1日40〜50件寄せられ、昨秋の5割増。言葉の壁から非正規雇用者が多く、不況下では真っ先に切られやすい。

 同協会などによると、ブラジル人学校は国内に約100校。税制上の優遇や公的支援がある各種学校の認可を受けられているのはごく少数で、大半は私塾。運営費の多くを授業料でまかない、保護者の負担が大きい。

 日系ブラジル人のリリアン・テルミ・ハタノ甲南女子大准教授によると、ブラジル人学校は日本の学校になじめない子どもの受け皿になってきた。「日本社会がブラジル人の子どもの教育を置き去りにしてきたつけが、今になって表れている」と指摘する。

    ◇

 海外日系人協会はブラジル人・ペルー人学校などを支援する緊急募金を始めた。郵便振替で、口座名は「財団法人海外日系人協会」、口座は「00100・5・703428」。通信欄に「在日日系人緊急支援募金」と記す。問い合わせは同協会(045・211・1780)へ。午前9時半から午後5時半まで。29日〜1月4日は休み。

2008年12月28日 (日)

関東私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

【主張】学力テスト 結果隠さず上位を見習え

 秋田県の寺田典城知事が、全国学力テストの市町村別の結果を公表した。市町村教育委員会は反発しているが、本来、教委や学校は自らの成績を積極的に公表するのが筋であり、知事の判断は当然である。

 秋田県は10月に情報公開請求に伴い、市町村別成績について市町村名を塗りつぶした形で開示した。知事は市町村名を含め成績を積極的に公表するよう促していたが、各教委は反対し知事の判断で公表に踏み切った。

 都道府県別で成績トップクラスの秋田は、ほとんどの市町村が全国平均を上回っている。

 山間部の町村の成績も良い。理数教科の少人数学習などが効果をあげているようだ。授業が上手なベテラン教師の配置を工夫し、各地で若手教師の指導にも努めているという。

 こうした成績上位の取り組みを学べるのは、全国規模の学力テストの大きな効用だ。

 隣の自治体、学校と比べ成績が悪ければ授業を見直さねばならない。親も結果を知り学校との連携が欠かせない。「公教育はプライバシーを除いて公開が基本」などとした寺田知事の見解に賛成する人は多いだろう。結果を隠しては反省も改善策も生まれない。

 学力テストでは、大阪府の橋下徹知事が一部反対する自治体を除いて市町村別成績を開示した。大阪の成績が2年連続で低迷したことに危機感を持ち、学力向上策を打ち出している。

 鳥取県では市町村、学校別結果開示に向け情報公開条例改正案が可決された。埼玉県では情報公開審査会が開示すべきだとの答申を出した。両県知事は積極的な成績公表の必要性を訴えている。

 昭和30年代の学力テストは競争や序列化を招くなどとして日教組が反対闘争を展開し中止となった。教育界は運動会の徒競走順位をつけないような横並び、悪平等の体質が根強く残る。

 秋田県横手市の教育長は「勝った負けたの話になり、子供への影響が心配」などと反対しているというが、教育で競い合うことは悪いことではない。競争から目をそらしては改善など望めない。

 成績公表の流れに対し、文部科学省は30年代の反省などをいまも理由にあげ、市町村、学校別の結果公表を禁じる通知を改めて出した。時代遅れの教育観を改め、原則公表とすべきだ。

検定GO!:ご当地編 くまもと「水」

 世界には安全な飲み水が手に入らない人がたくさんいます。どのくらいの人が困っているでしょう?

ア 約1万人

イ 約1億人

ウ 約11億人

 (第1回検定問題より)

==============

 《くまもと「水」検定》

 【目的】日本一の地下水都市・熊本の知られざる水の魅力、水の課題などを検定で楽しく学んでもらう/出題形式・選択式/受検料・無料/問い合わせ・熊本市水保全課096・328・2436(解答はウ)

全国学力調査、秋田県内15教委「不参加も」

 全国学力調査の市町村別の結果が公表された秋田県で、県内25市町村教育委員会のうち、少なくとも15の教委が、来年度の参加について、見合わせを含めて検討することが26日分かった。朝日新聞が各教委に取材したところ、寺田典城知事が文部科学省の実施要領に反する形で公表に踏み切ったことへの反発が強く、態度を硬化させていた。

 不参加を含めて検討すると答えたのは15市町村。小・中学校とも1校の藤里町教委の古川弘昭教育長は「(町の成績が公表されると)次はどの子の成績がどうだ、という話にならないか。子どもたちを見る周りの目が心配だ」。大館市教委の仲沢鋭蔵教育長は「実施要領を無視された。県や県教委を信用できない」と話した。

 井川町や能代市など、すでに参加を決めていた教委も、「公表で事情が変わった」として再検討する。いずれの教委も年明け以降、、参加、不参加を決めるという。

 これまで学力調査に不参加だったのは、愛知県犬山市だけ。文科省は来年1月下旬までに各都道府県教委を通じて、全国の市町村教委の意向を聞くことにしている。

 また、塩谷文科相は26日、会見で「公開で何をしようとしているのか。知事が教育的にこういうことでやりたいというなら、教育委員会と話をすればいい。無視して独断で発表したのはやっぱり問題じゃないですか」と批判した。

元審議監に退職金返納命令 大分教員汚職

 大分県教育委員会は、教員汚職事件で収賄罪に問われて執行猶予付きの有罪が確定した二宮政人元教育審議監(62)に対し、県条例に基づき退職金の返納命令を出した。

 二宮元審議監は退職した平成18年11月に3000万円台とみられる退職金を受け取った。条例では、在職期間中の犯罪で禁固刑以上の有罪が確定すれば、退職後でも退職金の返納を請求できる。返納期限は県教委が今後送付する納入通知書の発行日から15日以内という。

 二宮元審議監は11月6日に大分地裁で懲役1年6月、執行猶予4年と追徴金100万円の判決を受け、確定した。

2008年12月27日 (土)

全国学力テスト:結果公開に「対抗する法を」−−塩谷文科相

 秋田県の寺田典城知事が全国学力テストの市町村別平均正答率などを公表したことについて、塩谷立文部科学相は26日の閣議後会見で「情報がどんどん公開されると(市町村教委の)参加が少なくなることも考えられる。情報公開条例に対抗するためには法律みたいなものを作らないといけないのかなと思う」と述べ、データ開示に対する法的規制も視野に入れるべきだとの考えを示した。

 寺田知事は25日、07年と08年に実施された全国学力テストの市町村別結果を全国で初めて公表。「公教育はプライバシーを除き公開が基本」と述べた。文科省は24日、都道府県教委による市町村・学校別結果公表を禁止する09年度の実施要項を発表したばかりだった。

益川効果、入学志願者プラス 京産大、倍増の学科も

 京都産業大(京都市北区)は26日、「益川効果」に沸いた1年の仕事を締めくくった。職員らは学内を掃除するなどして、新年5日から受け付けが始まる一般入試の出願に備えた。

 10月7日、理学部の益川敏英教授のノーベル物理学賞受賞が決まって以来、職員らは記者会見や記念講演の手配に走り回った。受験生へのアピール度が高まったのか、11月下旬にあった公募推薦入試では理系3学部すべてで志願者が増加。特に理学部物理科学科は昨年(128人)のほぼ倍となる251人が志願した。同大学入学センターの林秀美課長は「少子化や理系離れのなかで益川先生の受賞がプラスに働いた。来年も波に乗りたい」と期待を込める。

全国学力テスト公開巡り文部科学相が不快感

 全国学力テストの市町村別の平均正答率を秋田県の寺田知事が公開した問題で、塩谷文部科学相は26日、閣議後の記者会見で、「大変遺憾。教育委員会の意に反した知事独自の判断のようだが、教育にプラスに働くとは思えず理解できない」と不快感を示した。

18人が内定取り消し 福岡市が市内の大学を調査

 福岡市は26日、同市内にある全11大学で22日現在、計18人の学生が企業から就職の内定を取り消されたとの調査結果を発表した。

 同市は来年2月、福岡商工会議所と共同で大学3年生ら平成22年春の卒業予定者向けに会社合同説明会を開催予定だが、会場内に21年の卒業予定者を対象とした「緊急採用コーナー」も設置することを決めた。

利益相反:大学医学部「指針」33% 文科省、研究の信頼性確保促す

 公正な臨床研究を進めるため、利益相反に関する指針を整備した医学部のある大学は約3割にとどまることが文部科学省の調査で分かった。また企業から使途を定めず支給される「奨学寄付金」を申告対象にするとした大学は67%だった。文科省は患者の安全確保や研究の信頼性を損ねないよう、大学に指針作りを促した。

 利益相反は、大学の医師や研究者が企業から研究費や報酬などを受けている状態。調査は11月、医学部のある国公私立の79大学を対象に実施し全大学が回答した。

 その結果、利益相反のための指針を持っていたのは33%、08年度中に策定予定と答えたのが37%、今後策定または未定が30%だった。国立大(42大学)は53%が策定済みだが、私立大(29大学)は14%、公立大(8大学)は皆無だった。

 利益相反の申告対象者に、研究を支援する分担研究者を含めたのは56%、研究者の家族は48%にとどまった。研究仲間や家族を隠れみのにすることも指摘されており、対象範囲が広い方がより公正さが担保される。

 厚生労働省は、研究者の利益相反を審査する委員会が学内に未設置の場合、10年度以降、所属する研究者からの同省研究費への申請を受け付けないことを決めている。

 調査をまとめた曽根三郎・徳島大教授は「利益相反自体が悪いのではなく、説明不足で弊害や研究への不信が起きることが問題。指針を作ってほしい」と話す。

知事の独自判断でHPに公表 秋田県の学力テスト結果

 秋田県は25日、県内25市町村の全国学力調査の科目別平均正答率を、県のホームページで公開した。これまでに県教育委員会が情報公開請求に対し、市町村名を伏せた形で結果を開示していたが、今回は、寺田知事自らの判断で公開に踏み切った。それだけに県内の市町村教委は強く反発し、県教委内からも戸惑いの声があがった。

 公表されたのは、07、08年度の小6と中3の結果。寺田知事は25日の記者会見で、「公教育はプライバシーを除いて公開が原則だ」などと公表理由を述べた。

 文部科学省は、知事や都道府県教委に、市町村や学校が分かる形で開示しないよう求めており、来年度の実施要領でも、この方針の踏襲を決めたばかりだった。一方で、市町村教委が自らの結果を公表することは認めていた。秋田県内で、自主的に正答率の公表を決めた自治体はないものの、県教委は10月、情報公開条例に基づく請求に、市町村名が分からないように成績を開示していた。

 しかし、今回の公開は、あくまで知事の独自判断によるもの。このため、北林真知子・県教育委員長は「大変驚いている」。また、小中学校がともに1校という県内自治体は6あり、事実上学校の特定につながるとして市町村教委側の批判は強い。

 学力調査の公開議論は、文科省と、一部知事との間で対立が激しくなっていた。寺田知事は「私の責任で公表せざるをえない」と発言するなど公開積極派だった。

 文科省の方針が変わらない中、鳥取県では今月18日に来年度以降、市町村別、学校別の結果を条件付きで開示するよう条例が改正されるなど、公開の流れは強まっている。

「心病む先生」15年連続増

 昨年度の休職 過去最多4995人

 2007年度にうつ病などの心の病で休職した公立学校の教員は、前年度より320人増えて過去最悪の4995人にのぼることが25日、文部科学省のまとめで分かった。

 心の病による休職者はこれで15年連続の増加。教員の間にじわじわと広がる心の病に、文科省は危機感を募らせている。

 文科省が公立の小中高校の教員91万6000人余りを対象に調べたところ、昨年度中に病気で休職したのは、全教員の0・88%にあたる8069人だった。このうち、心の病が原因だったのは4995人。病気休職中の教員の6割を占めた。心の病の教員は、調査項目に加わった1979年度は664人だった。ここ2年間は伸び率が鈍化しているが、94年度以降は毎年、数百人単位で増加している。

 こうした傾向について、文科省は、〈1〉部活動の指導や報告書の作成に追われて多忙〈2〉教員の立場が昔ほど強くなくなった〈3〉同僚との人間関係の希薄さ――などが原因と分析。同省が今年10月、外部に委託してまとめた報告で、「気持ちがしずむ」などのうつ病の症状を訴える教員の割合は一般企業の2・5倍だった。

 一方、わいせつ行為や飲酒運転などで懲戒処分となった教員は、1万2887人だった。北海道で今年1月に起きた時限ストによる処分者1万1899人を除くと988人で、7年ぶりに1000人を下回った。わいせつ行為で懲戒処分などを受けた教員は164人(前年度比26人減)。教え子や卒業生が被害者だったケースが45%を占めた。

 総務省は25日、2007年度中に懲戒処分を受けた地方公務員は2万326人(前年度比1万2735人増)だったと発表した。2万人超は1984年度以来で、北海道教職員組合の時限ストライキ参加者約1万2500人への戒告などで大幅増となった。休職などの分限処分は過去最多の2万2686人(同840人増)で、処分理由は精神疾患など「心身の故障」が97%を占めた。

関西私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

2008年12月26日 (金)

授業料支払い困難者に給付 神大付属中高、金融危機の影響で

 私立神奈川大付属中・高校(横浜市)は25日、金融危機による景気悪化の影響で授業料の支払いが困難となった生徒に対し、授業料3カ月程度を給付すると発表した。

 同校によると、生徒は中高合わせて約1300人。12月までの学費未納者が6人に上り、緊急支援を決めた。対象は授業料を3カ月以上未納した生徒で、中学で5人、高校で15人の生徒の救済を見込んでいるという。

育休中の給付金、現役時の5割前倒し支給 厚労省方針

 厚生労働省は10年度から、現在は育児休業中に賃金の3割、復職後に2割分がまとめて支払われる育児休業給付を、前倒しして育休中に5割支給する方針を決めた。少子化対策の一環で、育休中の所得保障を厚くする。来年の通常国会に、雇用保険法改正案などを提出する予定だ。

 労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会が25日まとめた報告書に盛り込まれた。

 育児休業給付は、子どもが原則1歳になるまで支給される基本給付と、復職6カ月後に受け取る一時金に分かれている。一時金は本来は賃金の1割だが、07年の法改正で09年度までは暫定的に2割となっている。新たな法改正でこれを延長したうえで、基本給付に統合させる。

 改正法案には、09年度から雇用保険の加入要件を「1年以上の雇用見込み」から「6カ月以上」に緩和することも盛り込む。厚労省の推計では、パートや派遣など非正社員1732万人(07年)のうち、約1千万人が雇用保険に加入していないが、今回の法改正で150万人程度が新たに加入対象になる。

 景気悪化を受け、3年間の暫定措置として失業給付も拡充する。雇用情勢が特に悪い地域や、中高年より給付期間が短い若年層を対象に、失業手当の給付日数を60日間延長。3年未満で雇い止めされた非正社員にも、解雇や倒産による離職者と同じ水準に給付を手厚くする。

 また、09年度に限り、家計の負担軽減のため、雇用保険料率を1.2%(労使折半)から0.8%に引き下げる。月給40万円の世帯だと、保険料は月2400円から1600円になり、年間で9600円の負担減になる。

家族で漢検に挑戦 増加

 家庭内の会話も盛んに

 漢字の読み書き、使い方などをどれだけ身に着けているか測る日本漢字能力検定(漢検)を、家族で受検するケースが増えている。学力向上だけでなく、家庭内での会話を増やすことにも一役買っているようだ。

 漢検は1975年に始まり、年3回実施。10級から1級まで12段階に分かれ、3歳から90歳代まで幅広い年代の人が受検している。今年度は志願者数が270万人を超えた。主催する日本漢字能力検定協会(京都市)によると、現在では4割以上の大学・短大が入試の際、漢検を資格の一つとして評価している。

 その一方で漢検は近年、基礎学力を身に着けるだけでなく、家族で漢字を学ぶ機会としても注目されている。

 「いつもおばあちゃんと一緒に勉強したよ」「孫と受検するのを楽しみにしていました」と口々に話すのは、京都市立御所南小2年の平田美桜(みお)さん(8)と祖母の静子さん(77)だ。二人は今年10月、それぞれ9級と3級を受検した。1月に静子さんが問題集を買ってあげてから、「二人で問題を出し合ったりして勉強を続けてきました」とにっこりする。

 同市立京都御池中3年の今井健太さん(15)も、父の淳宏さん(48)と一緒に3級を受検した。「受検の1週間前には、父と漢字の話を盛んにしていました」と健太さんは話す。同中は、御所南小と近くの高倉小とともに中高一貫教育を行うほか、地域ぐるみで様々な活動に取り組んでおり、漢検受検もその一環だという。

 同協会は、9年前から同一家族内の3人以上6人以下が受検し合格した場合、申請すれば個別の合格証書のほか、家族に対しても「家族合格表彰状」を贈る「家族受検表彰制度」を設けている。開始以来、毎年申請数が増えており、昨年度は2000件を突破した。今井さん親子も、「来年は母親も一緒に3人で受検を」と意気込んでいる。

 同協会では「親子の会話が少なくなっている中、家族で取り組むことで会話を増やし、一緒に学ぶ喜びも味わってほしい」と話している。

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全国学力テスト:秋田が開示 全国初「市町村別」

 秋田県の寺田典城知事は25日、07年と08年に実施した全国学力テストの市町村別結果を公表した。

 文部科学省によると、都道府県による自治体名も含めた全面公表は全国初。

 公表したのは、2カ年の全25市町村ごとの小中学生4分類の平均正答率など。寺田知事は「公教育はプライバシーを除いて公表が基本。有益な情報が独占されていて、県民や一般の先生さえ知らないのは残念だ」とした。県教委は情報公開請求に対し10月、市町村名を黒塗りにした形で市町村別の平均正答率などを開示していた。

 秋田県は過去2カ年の全国学力テストで平均正答率は小学生は国語、算数の4分類すべてでトップ、中学生も好成績だった。

 鳥取県では今月18日に09年度以降は市町村別、学校別の結果を条件付きで開示する条例が成立した。また、埼玉県情報公開審査会も24日「開示すべきだ」と県教委に答申した。

検定過程の透明化など報告 教科書検定審

 小中高校で使う教科書発行の手続きである検定作業の見直しを検討していた文部科学相の諮問機関「教科用図書検定調査審議会」は25日、検定過程の透明化策などをまとめた報告書を塩谷立文科相に提出した。教科書の質・量の充実についても、記述量の制限撤廃などを盛り込んだ。来年度の検定から適用される。

 報告書では、検定終了後に審議内容や決定事項の概要などを公表することや、検定委員の所属部会、教科書調査官の職歴などを明らかにすることを盛り込んだ。審議の公開自体は見送った。

 教科書では、学習指導要領の枠を超えた「発展的学習」の記述について、小中学校で全体の1割程度、高校で2割程度としていた現行の分量制限をなくす。新指導要領に基づく教科書は分厚くなる。さらに、「(内容が)不必要に重複していないこと」とした基準を外し、下の学年の内容を反復学習しやすくする。

 昨年、高校日本史教科書の沖縄戦集団自決の記述をめぐり、検定過程の不透明さが問題となるなど、原則非公開の審議には、「密室審議」との批判があり、見直しが検討されていた。

教員採用試験:08年度公立校倍率、14年ぶり低水準

 08年度公立学校教員採用試験の倍率は6・5倍(前年度比0・8ポイント減)で、14年ぶりの低水準となったことが24日、文部科学省の調査で分かった。団塊世代の大量退職に伴い採用が増えているため。高校の採用者数は5年ぶりに増え、3139人(22・5%増)となった。

 採用者数は01年度から増加傾向が続き、今春採用者を選考した08年度試験は2万4850人(9・7%増)だった。一方、受験者数は前年度比2・4%減の16万1300人。倍率は00年度(13・3倍)をピークに低下傾向が続き、08年度は94年度(6・2倍)以来の低水準だった。学校種別では▽小学校4・3倍(前年度比0・3ポイント減)▽中学校9・1倍(0・7ポイント減)▽高校10・8倍(3・4ポイント減)−−などだった。

教科書検定の過程、一部を事後公開 審議会が答申

 文部科学相の諮問機関、教科用図書検定調査審議会(検定審)は25日、都内で総括部会を開き、教科書の検定過程の一部を事後的に公開することや、教科書に盛り込む内容の制限を外すことを盛り込んだ報告書を答申した。

 報告書は、検定の議事概要や、検定に深くかかわる文科省の教科書調査官の名前、職歴、調査意見書を公開することなどを明記した。しかし、「静かな環境での自由な議論のため」という理由で審議は非公開を維持。議事概要や意見書の公開も検定終了後とし、概要には個々の意見のやりとりは盛り込まないとしている。

 また、報告書は、検定基準について学習指導要領の枠を超えた「発展的な学習内容」を制限するような記述を削除するなど、「教科書の質と量の充実」を求めた。レイアウトや題材の創意工夫の必要性なども盛り込んだ。

 文科省は26日から1月24日までホームページなどで意見を受け付ける。

学力テスト、市町村名 来年も公表禁止

 文科省 知事へのデータ提供制限

 文部科学省は24日、結果の公表方法が問題となっていた来年度実施の全国学力テストの実施要領を発表した。

 公表方法は、今月15日に専門家会議が出した結論を踏まえて変更せず、これまで通り、都道府県教育委員会が市町村名や学校名を明らかにしたり、市町村教委が学校名を明らかにしたりして結果を公表することを禁じた。これにより来年4月の試験も今年と同様の方法で行われる。

 新実施要領はこのほか、各市町村や各学校が結果を多面的に分析して活用することを明記。都道府県教委が知事などからデータの提供を求められた場合などを想定し、「提供先が実施要領の趣旨を順守するよう適切な措置を講ずる」という項目も新たに加え、公表される可能性のある場合はデータを提供しないよう各教委に求めた。

2008年12月25日 (木)

卒業認定の厳格化を答申 中教審、学士課程めぐり

 大学の学部(学士課程)の教育水準の向上を検討していた中央教育審議会(中教審)は24日の総会で、成績評価や卒業認定について厳格に判断することなどを求めた報告をまとめ、塩谷立文部科学相に答申した。具体的には、学内で統一した評価基準をつくり、学力を的確に把握するよう促している。

 「大学全入時代」を迎えた一方、約半数の私大が定員割れし、地方の小規模大学を中心に経営難が深刻化するなど、大学の抱える課題は多い。学生の学力低下も指摘されており、中教審では平成19年3月から議論を進めていた。

 答申は、大学を取り巻く環境が急激に変化していることを踏まえ、「質の維持、向上の努力を怠るなら、淘汰(とうた)は避けられない」と厳しく指摘。「入りにくく、出やすい」とされる日本の大学に対し、卒業評価の厳格化を求めた。

 その上で、具体策として大学内で学力測定の統一した評価基準を策定、公表することや、客観性のある試験の実施などを挙げている。さらに、学力評価が甘いとされる推薦入試やAO(アドミッション・オフィス)入試にも厳格な学力把握の措置を求めた。

 さらに、学生の職業観や勤労観をはぐくむキャリア教育についても、教育課程の中に位置づけることを盛り込んでいる。

 これとは別に、大学教育をめぐっては、鈴木恒夫前文科相が9月、教育制度の再構築や質保証の対策など中長期的な大学のあり方について、中教審に諮問している。

合格祈願:食品メーカー、手堅い人気で受験生「応援」戦争過熱

 受験シーズンを前に、食品メーカーが競って受験生応援商品を発売する。桜の花をデザインしたり、「大吉」のおみくじをつけたりと趣向はさまざまだが、ここ数年、縁起をかつぐ受験生に根強い人気。消費低迷の中、手堅く稼げる商品として定着しつつある。

 応援商品のはしりは、ネスレのチョコレート「キットカット」。九州の方言「きっと勝つとぉ(きっと勝つよ)」に響きが似ていることから話題になり、ネスレは03年の冬からマフラーとのセットなどの応援商品を毎年販売。キットカットは「4人に1人がお守り代わりに持っていくほどの人気」(広報担当者)となり、07年の売上高は02年の約1・5倍に伸びたという。この冬は金星をつかむとの思いを込め、サツマイモの人気品種「なると金時」のクリームを練り込んだ「大学いも味」(希望小売価格136円)を29日に発売する。

 04年から受験の応援商品を販売する永谷園も、「お茶づけの素」の増量サービスとして、パッケージ裏面に「大吉」「大大吉」のおみくじがついた「カレー茶づけ」1袋が入った商品を22日に発売する(同231円)。カレーは「受かれー」の語呂合わせだそうだ。ポッカコーポレーションは15日、紅白柄に満開の桜をデザインしたスープ2種(同241円)を発売する。永谷園やポッカは夜食需要を見込んでおり、「受験生に夜食で食べてもらって、売り上げは堅調」(永谷園広報室)と今年も期待している。

橋下知事、例外規定撤回「当たり前」 学力調査実施要領

 全国学力調査の実施要領で、「市町村別や学校別の成績はいらない」という都道府県教委にデータを提供しないようにするための例外規定が撤回されたことについて、大阪府の橋下徹知事は24日、定例会見で「都道府県教委がデータを求めないことはあり得ず当たり前だ」と話した。

 実施要領には、都道府県教委などが知事部局などにデータを提供する場合、「提供先で実施要領の趣旨が守られることを前提とする」との文言が入った。橋下知事はこれについても「僕をターゲットとしている」と触れ、「僕は実施要領には一切縛られない。予算編成権に基づいて来年度のデータも府教委からもらう」と強調。「実施要領で予算編成権を縛ろうというのは言語道断」と批判した。

 一方で、成績の悪い子を調査当日だけ休ませるなどの細工をした教員は厳重に処分し、過度な競争や序列化を招かないようにすべきだとの考えも示した。来年度の結果の公表については、まず情報公開条例の枠組みで考えるとしつつ、市町村や学校での学力向上の取り組みが停滞すれば、「一気に公表するという政治判断もある」と話した。

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「平成21年を基礎科学力強化年に」 文科相表明

 子供たちの「理数離れ」を防ぎ、基礎科学力を向上させていこうと、塩谷立文部科学相は24日の閣議後会見で、平成21年を「基礎科学力強化年」と位置づけ、若手研究者の支援や研究環境の整備、創造的な人材の育成を目指す「基礎科学力強化総合戦略構想」を明らかにした。

 益川敏英・京都大名誉教授らノーベル賞受賞者らを招いて開かれた懇談会での助言を踏まえたもので、基礎科学力を強化するため、国を挙げてのシステム構築を目指す。

 構想では、第三者による「基礎科学力強化委員会(仮称)」を科学技術・学術審議会内に設置。また中長期的な計画については、省内での調整機関として「基礎科学推進連絡調整会議」も設置するとしている。

 構想の柱は、研究者の支援▽研究環境の整備▽創造的人材の育成−の3本。若手研究者の育成を重視し、研究機関や企業から正規採用されずに研究を続けるポストドクター(ポスドク)の実態改善なども検討される。

 さらに、子供たちの「理数離れ」を防ぐための理数教育の充実も図る。来春には子供たちがノーベル賞受賞者と触れあう機会なども設けていく予定だ。

合格への花道:語源で学ぶ英語 レントゲンの「ray」

 レントゲンのことをX-rayと言いますが、rayはラテン語radius 「光線」から来た単語です。X-rayはドイツの物理学者レントゲン博士が発見したのですが、最初その性質がはっきり分からなかったため、数学で未知の数を表すXを用いて仮の名前としてX-rayとしたものが定着しました。「レーダー(radar)」は、Radio Detecting And Ranging「無線探知測定」の略です。「ラジウム(radium)」は、「放射性を帯びた金属」の意味の造語です。放射線状に広がっていく光線は、根っこの広がりを連想させます。ですからradi-で「根」という意味にもなります。

<問題>

次の英文はどういう意味でしょうか?

(1)The problem of how to dispose of radioactive waste requires immediate attention.

(2)This city is famous for radial roads leading out of the city center.

(3)In this area, it is a good idea to put antifreeze in the radiator in winter.

(4)This dress is made from a rayon fabric.

(5)The Food and Drug Administration has made the decision to irradiate fresh produce and not label it.

(6)A radiant smile brightens the face, while an unattractive smile can detract from it.

(7)The medical breakthroughs radically changed worldwide health care.

(8)Smallpox was eradicated in the last century.

<解説>

(1)radioactiveは、radio-「放射の、放射能」+-active「活動的な」から「放射性の、放射能のある」になりました。上記の例文は「放射性廃棄物をどのように処理するかという問題は急務である」という意味です。

(2)「半径」はradiusで、その形容詞形がradial「放射状の、半径の」です。学校の幾何の問題では半径は必ずRと表記されていますね。上記の例文は「この町は、町の中心部から延びている放射状の道路で有名です」という意味です。

(3)radiateは「(光、熱など)を放射する」で、radiatorは「放射する物、人」の1意味です。そこから「放熱器、ラジエーター」の意味が出てきました。車のラジエーターとは冷却水や潤滑油の冷却に用いられるもので、主に著しく熱を発生する装置、エンジンやギヤボックスなどの放熱用に使用されています。上記の英文は「この地域では、冬にラジエーターに不凍液を入れるのがよい」。

(4)レーヨン(rayon)は絹に似せて作った再生繊維のことです。一昔前は人絹(じんけん)と呼ばれていました。ray-「光線(光沢があり、光が放射状に広がるから)」+cotton「綿」から作られた語です。nylon「ナイロン」もcottonの-onを借用した語です。上記の英文は「このドレスはレーヨン地で作られている」という意味です。

(5)ir-「in-の変形」+-radiate「放射する」から、「放射線を当てる」の意味になりました。また、faces irradiated with joy「喜びに輝く顔」というような使い方もできます。「顔に光を当てる」というイメージですね。上記の例文は「食品医薬品局は、生の農作物に放射線を当て、それを表示しないという決定を行った」という意味です。

(6)radiantは「光を放つ」から「幸福や愛に満ちあふれ、その様子から顔に幸せがあふれ出ている」の意味でも使います。上記の例文は「あふれんばかりの笑顔は顔を明るくし、魅力のない笑顔は顔を損なってしまう」という意味です。

(7)radicalは、ラテン語radix「根、根本」からできた単語で「根こそぎの」→「根本的な」という意味です。上記の例文は「医療における大躍進は世界の医療サービスを抜本的に変えた」という意味です。

(8)e-「(=ex)外」+-radi-「根」+-cate「動詞化」より、「根こそぎにする」が原義です。root〜outという熟語も同じような意味です。上記の英文は「天然痘は前世紀に根絶された」という意味です。

大学生の学習目標「学士力」規定を 中教審が答申

 大学教育のあり方を議論していた中央教育審議会(山崎正和会長)は24日、「学士課程教育の構築に向けて」と題した答申を塩谷文科相に出した。大学生が共通で身につけるべき学習成果を「学士力」と規定し、大学が参考にできる指針を示していくよう国に求めたことなどが柱だ。高等専門学校の教育の充実を求める答申も出した。

 答申は、「大学全入時代」が迫る中、日本の大学が与える学位(学士)の質を保ち、国際的な通用性を高めることが狙い。知識・理解▽汎用的技能▽態度・志向性▽統合的な学習経験と創造的思考力の4分野で、コミュニケーションの能力や自己管理力など計13項目を学士力の指針として列挙。大学には、学位の授与を厳格化し、水準を確保していくことなどを求めた。

 答申では分野別の質保証の仕組みづくりも国に促した。文科省はすでに、日本学術会議に分野別の到達目標の設定などについて審議を依頼している。今後は学士力の指針などを参考に、各大学で学習成果を重視した教育を進めることが期待されている。

 大学入試をめぐっては、推薦入試や、面接などを重視して選抜するAO入試が広がり、学生の学力不足を指摘する声が強まっている。今回の答申では、大学の入り口段階での対応策として、高校段階でどれだけ学力が身についているかを客観的に把握するための「高大接続テスト(仮称)」の検討も進めるよう提言した。

 高専教育の答申には、地域の産業界との連携促進や、大学に編入する学生が増えていることへの対応などを盛り込んだ。

 一方、塩谷文科相はこの日、学校でのキャリア教育や職業教育をどう進めていくかを新たに中教審に諮問した。

京大生に「出汁」伝授

 料亭若旦那らが食育

 京料理にも使われる日本料理の基本「出汁(だし)」を味わい、学ぶユニークな食育体験会が今月15、16日、京都大学で開かれた。

 京都の老舗料亭の若旦那(だんな)たちも協力。単なる出汁の作り方にとどまらず、世界の中での日本料理の位置や京料理の特長など、日本の食文化の豊かさを次世代を担う大学生たちに伝えた。

 昆布をたっぷり使った出汁が、カップにつがれる。「何か足りない」「昆布くさい」。試飲した学生たちの間から感想が漏れる。使ったのは、北海道産の高級品の利尻昆布。だが、それだけでは物足りない。「ではカツオ節を入れましょう」。講師の一人、萬重(まんしげ)の若主人、田村圭吾さん(38)が、カツオ節を鍋にたっぷりと入れる。熟成に半年もかける「本枯れ節」を削ったものだ。鍋から香りが立ち上り、学生たちを包む。カップに注がれた出汁は、豊かな味わいで、そのままでも十分おいしい。「このうまみがわかるのも、子どものころから食べ慣れているから。日本の文化を知っていることは、国際人として外国人と交わる上でとても大切」と、田村さんは自らの経験を交えながら学生たちに語りかけた。

 体験会は、農学研究科の「味の素」食の未来戦略講座などが主催した。今年度前期の1年生対象の食体験セミナーが好評だったため、全学生向けに企画した。「本物を味わい、自分なりの味の『座標軸』を持ってほしい」と、企画した山崎英恵さん(38)は狙いを説明する。2日間で約200人が参加した。

 体験会では、出汁の背景にある地理や歴史など文化的な側面も強調した。

 魚三楼(うおさぶろう)の主人の荒木稔雄さん(48)は〈1〉日本料理は出汁がしっかりとしているため、野菜中心で低カロリーでもおいしい料理ができる〈2〉京都の水はミネラル分が少なく、出汁のうまみをより多く引き出す――ことなどを解説した。参加者は4グループに分かれて、料亭の材料選びや出汁の取り方の工夫などを聞き、試飲した。

 学生たちは「本物の味が体験できた」「素材選びから調理、盛りつけまで、プロの細やかな仕事が見られた」と、京都ならではの伝統の技に感心しきりだった。

2008年12月24日 (水)

新学習指導要領案:英語授業「英語で」 高校も脱「ゆとり」へ

 文部科学省は22日、高校の新学習指導要領案を公表した。英語はコミュニケーション能力重視へ方針転換し、授業を英語で行うことを基本とする。各教科で小中学校の内容を復習する機会の設置を促進し、基礎学力不足の生徒への対応を充実させる。小中の新指導要領(3月告示)に続き、前回改定で削られた内容の復活などが進み、脱「ゆとり教育」への見直しが完了する。

 高校の指導要領の全面改定は10年ぶりで、13年度入学生から適用する。卒業に必要な単位数は現行と同じ74。だが、授業時数は標準の週30単位時間(全日制)を超えてもよいことを明記、各校に積極的に増やすよう促す。

 英語は、文法・訳読中心の指導からの脱却を強調。単語は現行より500語多い1800語を指導し、中高で計3000語に達する。78年改定時の水準に戻る。

 小中の新要領で理数中心に内容が増え、中学に移行した要素も多くあった分、高校では前回改定で削られた「複素数の図表示(数学3)」などが復活し、「アモルファス(化学)」など新たな事項も追加。「総合的な学習の時間」は2単位に減らしてもよいこととした。

小3の担任教諭、女児の胸触る 「故意ではない」

 宮崎県日南市の市立小学校の3年生のクラスで、複数の女児が担任の男性教諭(33)から胸を触られたなどと訴えていることが分かった。教諭が教室内でデジタルカメラを使って女児1人の下着を撮影していたことも判明。教諭はいずれも「故意ではない」と説明しているが、女児らは「体を触られるのが嫌だった」と話しているという。

 学校は今月16日の保護者会で謝罪。教諭に対しては担任を外し、自宅待機を命じた。市教委から報告を受けた県教委が処分を検討している。

 校長によると、11月22日にクラスの男女6人の児童が絵の指導を受けようと同市内の教諭宅を訪問した際、1人の女児の胸を触った。教諭は「児童を肩車したり、ひざにのせたりしてじゃれ合った時に、手が胸に当たった」と話しているという。

 12月初め、保護者からの連絡で、学校側が児童にアンケートをし、教諭から事情を聴いて問題が発覚。教諭は普段から自宅や教室で児童とじゃれ合っていたといい、少なくとも3人の女児が「触られた」と答えたという。

 この過程で、教諭が以前、昼休みの教室で女児1人の下着をデジタルカメラで撮影していたことも判明した。教諭は学級通信などの写真のために児童の様子を動画機能で撮影していたとして、「女児が転んでスカートがめくれたのが偶然に写った」と釈明しているという。

指導要領案、高校も「脱ゆとり」英語授業は英語で

 理数、2012年度から先行実施

 文部科学省は22日、1999年以来となる高校の学習指導要領改定案を発表した。

 理科と数学では、難しい内容に踏み込まないよう設けられていた「歯止め規定」を撤廃。学校や教師の判断で高度な授業ができるよう改められた。英語も教える単語数を1300語から1800語に増やし、「授業は英語で行うのが基本」との強化策を打ち出した。今年3月の小中学校の改定に続き、「ゆとり教育」からの転換を目指す内容になっている。

 今回の高校改定案は、文科相の諮問機関「中央教育審議会」が1月に示した答申に沿って策定。文科省が国民に意見を公募した上で、来年3月までに告示する。実施は2013年4月の予定だが、理科と数学は12年4月から前倒しで実施する。

 ゆとり教育を目指した99年改定の現行指導要領では、授業数は全日制30コマ(1コマ50分)を標準としていたが、改定案では必要に応じて30コマ以上行うことができるとした。上限は示さず、「夏季、冬季などの休業日に授業を設定できる」ともした。

 教科別では、理科と数学、英語で「脱ゆとり」を鮮明にした。理数の現指導要領では、「因数分解は複雑なものに深入りしない」「素粒子研究が宇宙の始まりの研究と結びついてきたことには簡単に触れる程度とする」――などの歯止め規定が目立ったが、これを全廃。学校や教師の裁量で高度な学習に踏み込むことを可能にした。

 英語は「聞く」「話す」にも力を入れるとして、新科目「コミュニケーション英語1」「同2」「同3」を新設。さらに「授業を実際のコミュニケーションの場とする」と明記し、英語を使って授業を行う方針を初めて示した。教師側も英会話力を高めることが求められる。

 一方、「生徒の理解に応じた英語を用いる」とのただし書きも付けており、どの程度、英語で授業するかは現場の判断に任せるという。

 英単語も標準学習モデルを1300語から1800語に増加。詰め込み教育批判があった78年改定以前の水準に戻るという。この結果、中学と合わせると高校卒業までに計3000語を学ぶことになる。

 「言語活動の充実」とのスローガンも新たに加え、文系教科だけでなく、数学、理科などにも授業に論述や討論などを取り入れ、日本語の表現力を高めるよう求めた。また、学習レベルが追いつかない生徒のために、主な教科で中学の学習内容を復習する授業を行うよう促した。

 地理歴史では、複数の自治体から日本史必修化を求める要望があったが、中教審の結論通り見送られた。中学で日本史が必修科目であることを考慮した結果とみられる。韓国が領有権を主張している「竹島」には触れなかった。

 学習指導要領 学校教育法施行規則に基づき、文部科学相が、小中高校と特別支援学校について、必修科目や指導内容、授業時間数などを定めて告示する。教科書の内容にも影響する。ほぼ10年に1度見直されており、今回は教育基本法改正後、初めての見直し。ゆとり教育に移行した前回の改定では、高校卒業単位が80単位以上から74単位以上に見直された。

「院内学級」 復学の不安を払拭、子供たちサポート

「一日も早く退院」気力与える場

 病気やけがで入院している子供のために、病院の中に設けられた教育施設が、院内学級だ。日々、病と闘っている子供たちが、先生や仲間とふれあいながら勉強に励み、病気の克服に欠かせない存在となっている。だが、最近の少子化に加え、医療技術の進歩で長期の入院児童が減り、院内学級の存続を危ぶむ声も上がっている。小児医療の基幹センターとして知られる千葉県北西部の松戸市立病院を訪ねた。

 小児病棟内の一室に、「ひまらや学級」と名付けられた院内学級小学部がある。12月初旬、5時間目の授業「ひまらやタイム」が行われていた。

 「年賀状を書いたことないから、うまく書けない。先生、お手本書いてよ」

 「遠方からお見舞いに来てくれる担任の先生にお礼の気持ちを込めて丁寧に書いてごらん。とても喜んでくれるよ」

 9月から入院中の3年生の男児が、年賀状の下書きに四苦八苦している。隣では5年生の女児が百人一首を暗唱。書道に励む3年生の男児や、2学期の思い出を作文にする2年生の女児の姿があった。どの子からも強い熱意が伝わってくる。担任の小河徹晃教諭は、一人一人の進み具合を確認しながら、声をかけていた。

 ひまらや学級には現在、この3人のほかに、この日体調を崩して欠席した6年生の女児ら2人を合わせた5人が学んでいる。3週間入院して、この日退院した5年生の女児は「院内学級のおかげで、みんなと勉強できて楽しく過ごせた。元の学校に戻るのもあまり不安がない」と笑顔をみせた。

 ひまらや学級は、近隣の松戸市立上本郷小学校の分校として、昭和49年に開校。平成19年度は55人が学んだ。在籍期間は、病状によって3日から1年間とさまざまだ。

 授業は、入院前に通っていた学校の担任と常に連絡を取り合いながら、それまで使っていた教科書や教材を使う。基本的に一般学級と学習内容は変わらない。

 19年4月に赴任してきた小河教諭は、授業中に騒ぐ、真剣に取り組まない、といった児童に対し、「外に出て行け」と容赦(ようしゃ)なく叱(しか)り飛ばすという。「自分は病気だから、と甘えてほしくない。復学したときに困るのは自分自身であることを自覚させたい」

 一時期は10人以上の児童がいたこともある学級だが、現在は5人程度にとどまっている。小河教諭は「病気、復学といった不安を取り除くのが院内学級の役目。一日も早く退院するんだ、という気力を与える場として、これからも子供と保護者をしっかり支えていきたい」と話している。

 ■少子化で減少傾向

 厚生労働省の平成17年度調査によると、全国の病院で院内学級を持つ小児病棟の割合は26%にとどまり、13年度の30%に比べ、減少傾向にある。

 以前は、小児がんといった難病で長期入院を余儀なくされたことによる学習の遅れや、心理面での負担を憂慮した保護者らから、院内学級の設置を要望する声が多く上がり、各自治体の国公立病院を中心に次々と置かれた経緯があった。

 しかし、最近の少子化で入院する子供の数そのものが少なくなっていることや、それ自体は歓迎すべきことだが医療技術の進歩により入院期間が短くなる傾向にあることから、子供が集まらず院内学級の閉鎖が相次いでいる。

 院内学級へ転入するためには、主治医から学習を許可されることが条件となる。原則的には、在学していた小中学校からの転校手続きが必要だ。

 入院中の子供とその保護者にとっては、元の学校に籍がなくなり、先生やクラスメートとのつながりが切れ、孤立してしまうケースもある。このため、学校と連絡を密接に取ることや、子供のスムーズな復学につなげる支援態勢が課題となっている。

生活危機:08世界不況 内定取り消し者、留年容認 青学大、授業料半額以下

 青山学院大は、就職の内定を取り消された来春卒業予定の学生について、希望すれば単位をすべて取り終えていても特例として留年を認めることを決めた。卒業した場合、来春以降の就職活動で新卒扱いされず、不利になる恐れがあるため。

 青学大によると、内定を取り消された来春の卒業予定者は22日現在8人。7人が内定先企業の経営破綻(はたん)で、1人が業績悪化が理由だった。

 授業料については、単位不足による留年の場合で半額程度のため、半額以下にすることを検討している。

英語で授業…「正直、無理」 高いハードルに先生困った

 「英語の授業は英語で行うことを基本に」。22日公表された、13年度からの高校学習指導要領改訂案でこんな方針が示された。文科省は「難しい内容は日本語でもいい」「生徒の理解に応じて配慮を」と言うが、それでもハードルは高い。学校現場でうまく生かせるのだろうか。

 「What was Matilda’s wish?」(マチルダの願いは何でしたか)「To live with Miss Honey」(ミス・ハニーと一緒に暮らすことです)

 東京都目黒区にある、都立国際高校の1年生「総合英語」。児童文学に沿って英語だけのやりとりが続く。文中の「will」の意味を教員が尋ねると、すぐ「遺言です」と答えが返った。記者が同席したなかで、唯一聞いた日本語。今回の改訂案をすでに具現化したような授業だ。

 同高では、英語関連の授業はほぼ英語だけで進める。2年の高橋ひかるさん(17)は「生の英語を学べるのが楽しい。最初はきつかったけど、どんどん耳が慣れてきて今は当たり前になった」。

 全国英語教育研究団体連合会(全英連)の会長でもある塩崎勉校長は今回の方針を歓迎する。「英語で授業をしたら生徒が分からなくなると言う人がいるが、それは違う。言葉は使うもので、多用すれば生徒の意識も変わる」

 ただ、同高は外国語や国際理解の教育を強く打ち出し、いわば政策的につくられた学校だ。全校生徒約720人のうち、帰国子女と外国人が半数を占める。生徒は様々、学校にも様々な層がある中で、学校現場では「荷が重い」と受け止める向きが多い。

 関東の県立高校の英語教員は率直に「無理」と言い切る。入試の志願者は定員を若干上回る程度で、アルファベットをやっと読める程度の生徒も入ってくる。中学の3年間で「英語は敵」と思うほど嫌いになった生徒もいる。

 この教員が授業で心がけるのは「自信を持たせること」だ。少しずつでも単語を覚え、簡単な和訳ができれば学ぶ喜びを感じられる。そんなところに、いきなり英語で話しかけたのでは……。

 教える側も力が問われる。生徒に教えながら自分も英会話学校で学ぶ、こんな「ダブルスクール」も増えそうだ。

 横浜市の私立高校の男性教員(33)は3年前から週1回、英会話スクールの「イーオン」に通う。元々リスニングが苦手だった。レッスンを受けていると、学生時代に習った内容が実際の会話表現とギャップがあると感じる。

 最初はレッスンの自己紹介で職業を言うのが嫌だった。思い直して続け、生徒から「発音うまくなったね」と言われた。英語での授業は「理解できたら生徒は自信を持てると思う」から賛成だが、自分が英語で進められるのは一つの授業でまだ30分程度だ。

 文科省が強い方針に踏み出したのは、和訳や作文偏重だった英語教育への反省がある。経団連が00年に出した意見書「グローバル化時代の人材育成について」で「小中高で英会話を重視」「生きた英語に」と財界の要望をうたったことも底流にある。

 今春公表され、11年度から本格実施される小学校の新学習指導要領でも、小学5、6年生で週1コマの「外国語活動」(英語)を必修化することが示されている。「英語の授業は英語で」も、その流れの中にある。

 文科省は今回、教える英単語の数をどこまで増やすかを議論し「中国の指導要領にあたるものでは3千語、韓国も2800〜3千語」という実情などを踏まえ、「高校で4割増の1800、中高合わせて3千語」とはじき出した。

 英語の授業については「まず先生が使うのが第一歩」という。文科省の幹部は「専門として英語を教えているんだから、能力は高いはず。先生がパニックになるようなことはないだろう」。教員が本当に対応できるのかという点については、内部でほとんど議論にならなかったという。

犬山市教委長を解任

 全国学力テストに全国で唯一、2年連続で不参加だった愛知県犬山市教育委員会で22日、不参加の立場をとってきた丹羽俊夫委員長の解任動議が出され、丹羽委員長を除く5人の委員の投票の結果、4対1の賛成多数で解任が可決された。

 丹羽委員長は委員としてとどまるが、4人の委員が解任賛成に回ったことで、来年度の学力テストに参加する可能性が高まった。後任委員長は、来年1月に選出される。

【高校新指導要領】総則 日本人育成の基盤「道徳心」養う

■総則

 〈教育課程編成の方針〉

 1 生きる力をはぐくむことを目指し、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得。これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくむ。言語活動を充実するとともに家庭との連携を図りながら学習習慣が確立するよう配慮しなければならない。

 2 道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏(い)敬(けい)の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心をもち、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、個性豊かな文化の創造を図るとともに、公共の精神を尊び、民主的な社会及び国家の発展に努め、他国を尊重し、国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。

 3 体育・健康に関する指導は、生徒の発達の段階を考慮して、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。食育の推進並びに体力の向上に関する指導、安全に関する指導、心身の健康の保持増進に関する指導については保健体育科はもとより家庭科、特別活動などにおいても適切に行うよう努める。

 4 地域や学校の実態等に応じて就業やボランティアにかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし、勤労の尊さや創造することの喜びを体得させ、望ましい勤労観、職業観の育成や社会奉仕の精神の涵養(かんよう)に資するものとする。

 〈各教科・科目及び単位数〉

 卒業までに履修させる単位数は74単位以上。1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位とする。

 〈各教科・科目の履修等〉

 ◯すべての生徒に履修させる「必修教科・科目」は次のとおり。

 ▽国語は「国語総合」▽地理歴史は「世界史A」「世界史B」のうちから1科目並びに「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」のうちから1科目▽公民は「現代社会」又は「倫理」「政治・経済」▽数学は「数学I」▽理科は「科学と人間生活」「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうちから2科目(うち1科目は「科学と人間生活」とする)又は「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうちから3科目。

 ▽保健体育は「体育」「保健」▽芸術は「音楽I」「美術I」「工芸I」「書道I」のうちから1科目▽外国語は「コミュニケーション英語I」(英語以外の外国語を履修する場合は学校設定科目として設ける1科目とし、その標準単位数は3単位とする)▽家庭は「家庭基礎」「家庭総合」「生活デザイン」のうちから1科目▽情報は「社会と情報」「情報の科学」のうちから1科目。

 〈授業時数等〉

 ◯全日制課程における週当たりの授業時間数は30単位時間を標準とする。ただし必要がある場合には増加することができる。

 ◯10分間程度の短い時間を単位として特定の各教科・科目の指導を行う場合、担当する教師がその指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されているときは、その時間を当該各教科・科目の授業時数に含めることができる。

 〈教育課程編成・実施にあたって配慮すべき事項〉

 ◯学校や生徒の実態等に応じ必要がある場合には、例えば次のような工夫を行い、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るようにする(▽単位数を標準単位数の標準の限度を超えて増加して配当する▽学校設定科目等を履修させた後に必修教科・科目を履修させるようにする)。

 ◯全教師が協力して道徳教育を展開するため、指導の方針や重点を明確にして学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育について、その全体計画を作成する。

 ◯生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として教育課程との関連が図られるよう留意すること。地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。

全国学力テスト:愛知・犬山市教委、反対の委員長解任 5人中「賛成」4人

 全国で唯一、全国学力テストに参加していない愛知県犬山市の教育委員会は22日、参加を目指す委員が反対派の丹羽俊夫委員長の解任動議を提出し、賛成多数で可決された。丹羽氏が独断でテストに関する意見書を文部科学省に出したことを理由に挙げているが、解任は賛成派が教委内で多数を占めたことを意味し、テスト参加にさらに近づいた。

 丹羽氏が出した意見書は、来春の学力テストを全員参加でなく「抽出にすべきだ」などという内容。22日の委員会で、学力テストに反対の瀬見井久教育長は「意見書は教育長の委任事項で、委員会に諮る必要はない」と説明したが、6委員のうち4人が「委員長名で提出したのは独断的だ」と納得せず、丹羽氏の解任を要求。同氏を除く5人による採決の結果、賛成4、反対1で可決され、丹羽氏は委員長を辞任した。

 犬山市教委は昨年は全会一致、今年は賛成多数で不参加を決めてきた。しかし、田中志典市長が参加に向けた環境を整えつつあり市長は丹羽氏の委員長解任について「私も直前に(意見書提出を)聞き、委員すべての同意が必要と思った」とコメントした。

国立大定員、316人増 総数9万6272人

 文部科学省は22日、09年度の国立大学の入学定員を発表した。医学部の定員増などの影響で、学部の定員総数は9万6272人と前年度よりも316人増えた。大学院の定員総数は5万7456人で、前年度より295人増。ただ、博士課程は73人減の1万4116人となり、07年度以来3年連続の減員となった。

奨学金滞納、校名公表に基準「延滞率」平均の2倍超

 大学生らに奨学金を貸与する事業を行う独立行政法人「日本学生支援機構」は22日、奨学金の返済が滞っている卒業生が多い学校の名前を公表する際の基準案をまとめた。

 学校全体の「延滞率」が平均の2倍を超えた学校を公表する内容だ。来年2月までに学校側と調整し、早ければ2011年度末から公表を始める。

学生支援機構
 延滞率は、卒業後3年以内で奨学金の返済義務のある者の合計人数のうち、年度末時点で1日でも滞納している人数の割合とする。各校の延滞率から、大学、短期大学、大学院、高等専門学校、専修学校専門課程の種類別に平均値を算出し、この2倍を超えていた学校は、同機構のホームページに学校名と延滞率、延滞者数を記載する。

 小規模校は奨学生が少なく、わずかな延滞者数の違いで延滞率が大きく変わるため、一定規模以上の学校だけを対象にする案もあったが、「小規模校は逆に延滞者をなくすのも容易なはずだ」という観点から全学校を対象にすることにした。

 延滞金は年々増加しており、3か月以上延滞がある奨学生に対する債権の合計は、2003年度末は1564億円だったのが、07年度末は2253億円に上っている。このため、同機構は「機構に推薦している学校にも返済の責任を持ってもらいたい」として学校名の公表を決めた。

 奨学金制度 成績優秀な学生を経済的に支援する制度で、日本学生支援機構のほか私大なども独自に設けている。同機構の奨学金は貸与のため、返済義務がある。無利息と利息付きの2種類があり、無利息には、「高校成績表の各科目平均が5段階で3・5以上もしくは大学成績が学部内上位3分の1以内」「家計の年収998万円以下(私大・自宅通学の場合)」などの条件がある。利息付きでも、「平均以上の成績」「家計1344万円以下(同)」であることが必要だ。

2008年12月23日 (火)

公立復権への期待 高校の新しい学習指導要領案

 文部科学省が高校の新しい学習指導要領案を公表した。

 小中学校に続いてゆとり教育の見直しが図られ、理数教科はじめ各教科で学力充実の工夫がみられる。実際の授業に生かさねばならない。

 約10年前の前回改定で、小中学校では学習量が3割削減された。高校にはそれまで中学で学んでいた内容も持ち上がり、学習内容が質量ともに減った。

 ゆとり教育のしわ寄せは大学教育にも及んだ。本来、高校で学ぶべき内容について補習講義を行う大学が少なくない。学力低下の批判を受け、高校も学力向上に取り組み始めている。

 しかし、文科省が昨年発表した高校3年生対象の抽出学力調査では、数学や国語の古典などで苦手分野が目立ち、「この程度はできるはず」という予想正答率を大幅に下回った。

 各種のアンケートで生徒の勉強への意欲が薄いという深刻な結果もある。受験勉強以外にいかにしてやる気を引き出すか、小中学校以上に高校は課題が多い。

 新指導要領案では数学や理科で前回改定で消えた内容を復活したほか、数学で統計に関する内容を必修化するなど生活に生かせる内容を充実した。理科離れに対応し、最新の科学の魅力に触れる機会も増やそうとしている。

 また英語教育の見直しも新指導要領の特徴だ。単語数を中国、韓国の英語教育並みに増やし、授業を英語で行うという。

 いくら勉強しても、しゃべれない日本の英語教育がどこまで変わるか、なによりも教師の指導力が問われる。

 高校は選択科目が多く、生徒の進路や学校の特色に合った時間割をつくる自由度が高い。一方で受験に関係ない必修科目を履修していなかった未履修が発覚する問題も起きた。

 公教育に期待されているのは受験技術ではない。新指導要領案では公共の精神や自他の生命を尊重する精神など道徳教育充実も明確にされた。高校時代は知徳体を徹底して鍛える貴重な時期だ。

 日本史の必修化は見送られたが、学校独自の科目を設定でき、神奈川県では県立高校で郷土史を含めた「日本史」の新科目をつくり必修にする。魅力ある授業づくりを競ってほしい。公立高の活躍は地域活性化にもつながる。

 公立復権への期待は高い。

新教育の森:実験、観察に工夫 体感すれば面白い 理科充実のため…知恵絞る先生たち

 充実を求める声が多い理科教育。今月1日の「新教育の森」でも、ノーベル賞受賞者の指摘を基に教科書と入試の両面から改善策を探ったが、現場の理科の先生たちもただ黙って手をこまねいているわけではない。

 ◆教員グループで勉強会

 どうすれば「面白い」「役立つ」と感じさせる授業ができるか。実験や授業の方法について勉強会を開いている教員のグループも少なくない。

 中でも、1954年設立の「科学教育研究協議会(科教協)」は全国最大規模で、毎年開かれる全国大会には小中高、大学の教員ら約1000人が参加する。11月、メンバーの一人で「おもしろ理科こばなし」(星の環会)などの編著がある茨城県小美玉市立玉里東小の宮内主斗(きみと)教諭(45)の5年生の授業をのぞかせてもらった。

 テーマは「てこのはたらき」。児童はそれまでの授業で、力点や支点、作用点といった用語や、棒が水平につりあう場合の重りと支点からの位置の関係についての基礎知識は学んでいる。

 冒頭、宮内教諭はくぎ抜きを児童に見せた。「10キロの力を加えると、くぎ抜きの先では何キロの力になるか」。授業の課題だ。「えーっ」。それまでは真っすぐな棒だけで学んでおり、子どもたちは折れ曲がったくぎ抜きに戸惑いを見せた。

 ◆くぎ抜き試し「すげえ」

 先生は水が入った重さ約10キロのバケツを男児に持たせ、「10キロ」を実感させた上で、全員にノートに意見を書くよう指示。数分後、「迷っている人?」と尋ねると全員が手を挙げた。「どこが支点か分からない」という児童も。そんな中、女児が正解を導き出した。「80キロ。くぎ抜きを真っすぐな棒と仮定しました」。しかし、「大きすぎるから80グラムかも。でも80グラムだと軽すぎるような……」と自信ない様子だ。

 ある男児も「どうやって確かめればいいか分からない」と首をかしげた。「実は先生の体重は80キロです。持ち上げてみて」。クラス一の力持ちという男児が指名されたが、持ち上がらない。「80キロ」は出せない。

 先生は隣の図工室から縦1・5メートル、横30センチの大きな板を持ってきた。十数本のくぎが刺さっている。全員にペンチで引っ張らせてみる。びくともしない。くぎ抜きの登場。すーっと抜けるくぎに「80キロ」を体感した子どもたちは「すげえ」を連発した。

 先生は再び、図工室に消えた。戻ってきた先生が手にしていたのは銀色の鉄パイプ。直径5センチ、長さ90センチで、「これをくぎ抜き(の柄)に差し込んで10キロの力で引いたらどれぐらいの力が出るかな?」。支点からの距離は約4倍になる。今度は指先で押す程度でくぎが抜けた。計算して出てきた答えは「300キロ」。「すごいなー」と歓声が上がり、授業は終わった。

 ◆疑問抱く感覚を大切に

 宮内教諭は「ある子が『80キロは大きすぎるのでは』と疑問を抱いていたが、あの感覚が大切。答えが合ったということだけでなく、理屈と体感がぴったり合って『あーなるほど』と感じられることを目指しています」と話す。鉄パイプを使う手法は、2年前に科教協の勉強会で、ある理科教員が紹介した事例を取り入れたものだった。

 ◇足りない準備、時間少ない予算−−材料はホームセンター、100円ショップで自費購入

 11年度完全実施となる小学校の新学習指導要領では、改善事項の一つとして「理科の充実」が挙げられている。授業を年間20〜10コマ増やし、観察や実験を充実させ、日常生活と関連づけて教えることが求められている。宮内教諭のような授業が期待されているが、簡単ではない。

 今年8月に全国の公立小の理科教師を対象に科学技術振興機構(JST)などが実施した調査によると、実験や観察を行う上で障害になるものとして最も回答が多かったのが「準備や片付けの時間が不足」(約7割)。教員は報告書作成など事務作業の増加や保護者対応などで慢性的に時間不足に陥っている。

 次に多かったのが「備品不足」(約5割)。実験、観察用の教材費を自己負担したことがある先生は43%に上る。中学の理科教員の調査では、その割合が75%に達する。

 宮内教諭が授業で使った鉄パイプはホームセンターで1本約500円で自腹で購入した。後で校費で賄ってもらうことになったが、学校の予算は年度当初に決まっており、「自腹で買ったものは領収書を持って行っても経費として認めてもらえないケースがほとんど」(複数の教員)という。

 毎月有志の教員らで実験方法などを研究しているNPO「ガリレオ工房」理事長を務める滝川洋二・東大特任教授も「みんな100円ショップなどで自腹を切って材料をかき集め、知恵を絞って工夫しながらやっている」と話す。

 学校の理科の予算はどれぐらいなのか。JSTの調査では、小学校1校あたり約15万円(実験用スタンドのような備品と、ビーカーなどの消耗品の合計)だったが、備品費0円の学校も3割あった。

 文部科学省は来年度予算案の概算要求で25億円の理科教育設備整備費を要求し、財務省原案では20億円が計上された。だが、これだけでは十分ではない。高校で27年間教えた経験を持つ滝川教授は「実験を増やせと言っても、時間的余裕や予算がなければ、現場の先生には厳しい」と指摘する。

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「高校英語、英語で教えるべし」学習指導要領の改訂案

 文部科学省は22日、13年度の新入生から実施する高校の学習指導要領の改訂案を発表した。「英語の授業は英語で行うのが基本」と明記し、教える英単語数も4割増とする。理数でも前回抜いた項目を復活。卒業必要単位数を74のままとしつつ、全体で学力向上を目指す内容だ。義務教育の学習が不十分であれば、改めて高校で学び直すことも初めて盛り込んだ。

 高校の指導要領改訂は03年度以来10年ぶり。理数は前倒しで12年度から実施する。

 高校の改訂案では英語で教える標準的な単語数が1300語から1800語に増加。同様に増える中学とあわせて3千語となる。中高で2400語だった前回改訂の前をさらに上回り、「中国や韓国の教育基準並みになる」という。

 改訂案は「授業は英語で」を初めてうたった。長年の批判を踏まえ「使える英語」の習得を目指すという。文科省は「難しい文法までは英語で教えなくてもよい」というが、生徒や教員が対応できるか、教員養成のあり方とともに議論を呼びそうだ。

 数学と理科は「ゆとり路線」下の前回改訂で中学から高校に移した項目の多くを再び中学に戻す。空いた分、前回高校から削った項目を入れたり新しく加えたりする。

 国・数・英では選択科目を再編し、広く基礎的内容を学ぶよう必修の共通科目を設けた。「義務教育内容の確実な定着」も配慮事項として掲げ、数学Iでは中学の因数分解や不等式を再び扱う。

 全日制では週の授業時数が標準の30単位を超えても良いことを明記。「○○は扱わない」といった歯止め規定も削除する。教科書の内容に上限を設けるのをやめるのと合わせ、指導要領が「最低基準」であることを強調する狙いがある。

 教育基本法の改正を受け、公共の精神の育成や伝統の尊重も随所に記載。外交問題になった竹島に関しては記述されていない。

 文科省は同日、特別支援学校の指導要領改訂案も発表した。

通信制高に生徒会、ネット授業仲間「集まる場に」

 不登校やひきこもりの経験がある生徒の多い私立京都美山高校通信制(京都市上京区)で22日、生徒会が結成された。

 インターネットによる授業が中心で、互いに顔を合わせる機会が限られる中、積極的に学校にかかわろうと1か月かけて準備。メールを使った選挙で執行役員に決まった7人は、「いつかは文化祭を」と夢を膨らませている。

 同校通信制は2003年に開設され、現在は10〜50歳代の215人が在籍。約7割が不登校やひきこもりを経験しているという。

 自宅パソコンなどでネットを使った双方向授業や録画授業を受講するため、生徒同士が会うのは年3回程度の対面授業の時だけ。専用掲示板などで親しくなった生徒が11月、「みんなが集まれるイベントを」と呼びかけたのを機に、自分たちで活動する第一歩にと、生徒会づくりを決めた。

 今月19日、執行役員に立候補した2、3年生の男女7人が、「学校の様子をどんどん発信していく」「卒業式を盛り上げたい」といった公約の演説を収録し、ネットで配信。全生徒によるメールでの投票の結果、全員が信任され、22日に大野実校長から認証書を受け取った。

 会長に選ばれた3年河野典久さん(17)(京都市)は、以前通っていた高校ではクラスに溶け込めず、今年2月に編入した。「生徒はみんな、いろいろな経験をしているだけに、思いやりがあって優しい。大好きなこの学校のために、何ができるか考えたい」と話す。

 準備に協力した磯田安宏教諭(30)は「生徒会結成が刺激になって、ほかの生徒たちの活動も広がれば」と期待している。

2008年12月22日 (月)

大麻防止へ関関同立がスクラム

 関西大、関西学院大、同志社大、立命館大の4大学の学長が出席した定例の学長懇談会が20日、京都市中京区の立命館大朱雀キャンパスで開かれ、一連の学生による大麻所持事件を受け、薬物乱用防止に向けて4大学がスクラムを組み、協働の取り組みを進めていくことで一致した。 

 関大の河田悌一、関学の杉原左右一、同志社の八田英二、立命館の川口清史の各学長と、学生支援にあたる副学長らも出席。各大学の状況などが報告され、事態を重く受け止めて、しっかりとしたアクションプランをつくり、協働して対処していくことで一致した。具体的な内容については来年春をめどに4大学で協議するという。

 一連の学生による大麻事件では関大、関学、同志社の3大学で学生が逮捕されている。立命館大では逮捕者は出ていないが「同じように取り組んでいかなければならない」としている。

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非常勤講師の増員に58億円

 来年度から先行実施が始まる新学習指導要領への対応で、小中学校に非常勤講師を1万4000人配置する事業に58億円を計上。社会人や教員OBを活用し、少人数指導などに充てる。

 また、これまでの文部科学省のモデル事業の無駄が行政支出総点検会議などで指摘されたことを受け、6事業(08年度予算計205億円)を143億円の補助事業に一本化。自治体がニーズに応じて6種から選択する仕組みにした。私学助成は前年度比1%減の4456億円。大学改革関連では、就職活動での内定取り消し問題への対応や学力向上策を含む大学生支援事業に110億円を計上した。

人権侵害を認定、鳥取盲学校に再発防止を警告 “酔っぱらい授業”問題

 鳥取県立盲学校で無資格の実習助手による単独授業や「酔っぱらい」授業が行われていた問題で、鳥取県弁護士会人権擁護委員会は20日、生徒の教育権に重大な侵害があったとして盲学校に警告と勧告、県教委に勧告などを行った。

 警告・勧告書では、昭和40年以来続いてきた無資格助手の単独授業は、生徒の教育を受ける権利への重大な侵害と認定。実習助手が15歳の女子生徒に「毛深い」と発言したこと、恐喝被害を受けた生徒に「脅かされて頭が冴えたかな」と発言したことには、盲学校が教職員の人権侵害発言を防止する監督、指導義務を怠ったと指摘した。

 一方、臨時任用の実習助手=3月末に退職=が授業中に居眠りしたことと、芋焼酎入りのチョコレートを食べて授業したことは生徒との信頼を損ねる問題で、教育を受ける権利の侵害と指摘。ただし、実習助手が酔っていたかどうかまでの認定はできないとした。

 調査チームの安田寿朗弁護士は「中継ぎ要員である臨時任用を何年も雇い続けてきたのは県教委の体制の問題」と指摘している。

 今年3月31日に鳥取盲学校専攻科理療科の生徒(35)と別の生徒の保護者(51)が同委員会に人権救済を申し立てていた。

国際生物学五輪:日本代表に高校生4人選出

 国際生物学オリンピック日本委員会は、来年7月に日本で初めて開かれる同オリンピックに日本代表として出場する高校生4人を選出した。今後、大学の教員らから強化トレーニングを受け、茨城県つくば市で開かれる本大会に臨む。

 日本代表は、千葉県立船橋高2年、大月亮太さん▽兵庫県・灘高1年、中山敦仁さん▽東京都・桜蔭高1年、谷中綾子さん▽同2年、山川眞以さん。全国から2482人の応募があり、3回の選考試験を経て選ばれた。

軍手だって、いろいろ 「華やかな街」学生の思い

 信州大繊維学部感性工学科の学生ら9人が、カラフルな軍手700組を作り、地元・長野県上田市の中心商店街で20日、買い物客に無料で配った。

 学生たちは普段、商店街の空き店舗を借りてプリント衣料の店を運営している。味気ない軍手も工夫次第でおしゃれになると考え、チェックやドットの柄、花、雪の結晶など10種類を作った。

 冬になり、商店街には不況と寒風が吹き付けるが、同学科4年の佐々木克也さん(23)は「軍手で人は暖かく、街は華やかになってほしい」。

赤ちゃんのことを学ぼう 東京で「入門講座」

 乳幼児の発育について学ぶ「保育および育児支援のための『新・赤ちゃん学』入門講座」(産経新聞社、日本赤ちゃん学会共催、島津製作所協力、アートコーポレーション協賛)の東京会場での第5回講座が20日、東京都千代田区の島津製作所東京支社のイベントホールで開かれ、保育士ら約80人が参加した。

 埼玉大学の志村洋子教授が、「赤ちゃんと保育環境」をテーマに講演し、保育園で実施した音環境の調査結果などを紹介。続いて埼玉療育園の下川英子音楽療法士は、「赤ちゃんと遊び」と題し、音や楽器を使って子供とコミュニケーションを図る方法を説明した。

2008年12月21日 (日)

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

 むかしから学習は読み・書き・そろばん!
 近年見直されている作文添削で正しい日本語表現と基礎学力(読解力)の養成を!

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オリコ:学費ローン、医師の卵は出世払い! 高収入期待、最大2000万円を無担保で

 信販大手のオリエントコーポレーションが、私立大学の医・歯学部の学生向けに無担保で最大2000万円を融資する学費ローン商品を開発した。国立や他学部に比べて学費負担が重い私大の医・歯学部は、一般家庭の学生があきらめがちだが、高収入が期待できる医師・歯科医の「出世払い」を“担保”とする考えだ。

 オリコの学費ローンの実質年率は固定金利型で年4・8%以上。合格証明書や在学証明書などを添付した上で、電子メールや郵送で申し込めるため、来店が不要。1000万円までなら、在学中は利息だけの支払いも可能という。融資は学費として直接大学に振り込まれる仕組みで、神奈川歯科大学(神奈川県横須賀市)が来年2月から導入することを決めたほか、現在5大学と協議している。

 私立大の医・歯学部の卒業までの学費は2000万〜6000万円。ほかにも寄付金などがかかるケースも多く、日本学生支援機構(旧日本育英会)や各大学独自の奨学金制度だけでは不十分なのが現状だ。学費の安い国公立大は募集人数が少ないため、金銭的な理由で医師への道をあきらめる学生も少なくない。みずほ銀行や三井住友銀行など1000万円以上の教育ローンを設定している大手銀行もあるが不動産などの担保が必要だ。

「関関同立」、薬物乱用防止めざし連携 学長が合意

 大学生の薬物乱用事件が相次ぐなか、関西大、関西学院大、同志社大、立命館大の4学長が20日、立命館大(京都市)であった懇談会で、薬物乱用防止や啓発に向けて連携することで合意した。今後、各大学の担当者が具体策を検討するという。

 関西大と同志社大では、学生(当時)が大麻取締法違反の罪などで有罪判決を受けている。両大学は、ほかに検挙された学生らについても退学や停学処分にしている。

【教え育てる】早稲田実業学校初等部校長 多宇邦雄

 保護者の感動を呼ぶ「学習発表会」

 4年生の1クラスの児童36人が、舞台の上で声をそろえて朗読します。

 「ごんは、ひとりぼっちの小ぎつねで…夜でも昼でも、辺りの村へ出てきて、いたずらばかりしていました」

 新美南吉の名作『ごんぎつね』。聴いているのは4年生から6年生までの児童たち。毎年2月に行う恒例の「学習発表会」の一コマです。

 物語は進んで、クライマックス。

 「兵十は火なわじゅうを取って…今、戸口を出ようとするごんをドンとうちました」

 「ドン」のところでは、36人が息をそろえて舞台の床を踏み鳴らします。

 「…兵十は、火なわじゅうをばたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました」

 ゆったりと、青い煙が漂いながら消えていくかのように朗読は終わります。舞台には大道具小道具の類など、一切ありません。児童たちの澄んだ声が響いているだけです。

 この間25分。聴衆の児童たちは身じろぎ一つしません。涙を流している子もいます。

 早実初等部の学習発表会は国語と音楽で学んだ作品を中心に声と歌で表現し、全体で合唱することのうれしさ、声の響き、深み、音色などを味わいます。そして、学びの中にある面白さ、楽しさ、喜びなどを追求して、児童は心豊かに成長していきます。

 発表会の2日目は保護者の皆さんをお招きしますが、会場はいつも感動に包まれます。それほどに児童たちが声のみでつくりだす世界は迫力たっぷりなのです。

 私たちは、この学習発表会は1年間の学習の成果が表れる場だと考えています。児童はたった1回の音声に気持ちを込めて、どう読んで表現するのか、また次の人へと進む際に、その「間」の取り方が大切なことを学びます。

 話を『ごんぎつね』に戻せば、4年生は3学期の国語の授業の3週間をこの勉強に当てます。そして、一文字もおろそかにせず、きっちりと物語の世界を理解し、頭の中ですべての場面をイメージして、言葉の意味をしっかりと理解します。そうすることで初めて、誰もが感動する朗読を舞台上でできるのです。

 初等教育の基本は、子供たち一人一人がもっている能力を引き出すこと。そのためには課題を粘り強く追求させるこのような学習も大切だと、私たちは信じています。

検定GO!:ご当地編 唐津・呼子イカ

 世界で一番イカを食べるといわれているのは、どこの国?

A 日本

B アメリカ

C インド

D スイス

 (公式テキストより)

==============

 《唐津・呼子イカ検定》

 【目的】水産・観光振興や交流による学習/出題形式・選択式/受検料・3000円/問い合わせ・唐津・呼子イカ検定実行委員会0955・74・3355(解答はA)

スズキ、南米系児童の教育支援計画…親失職で退学増加

 外国人労働者が多い浜松市に本社を置く自動車メーカー「スズキ」が、景気悪化の影響で近くの各種学校に通えなくなる南米系の子供たちの授業料を肩代わりする計画を進めている。

 失職する親が相次ぎ、退学者が増加傾向にあるためだ。

 スズキも派遣労働者の削減を予定するが、「従業員の子供かどうかに関係なく支援したい」としている。早ければ年明けに事業をスタートさせる。

 支援対象は、日本語や母国語の学習を支援する浜松市の「ムンド・デ・アレグリア」(喜びの世界)。外国人の採用を担当した元スズキ社員が2003年、個人で開校。04年に各種学校になり、スズキなど地元企業が毎年、2000万円程度の寄付を行ってきた。

 学校には現在、ペルーやブラジル出身の派遣労働者らの子供101人(4〜17歳)が通う。授業料は月1万5000〜2万円だが、「親が職を失い、払えなくなった」として10、11月に計12人が退学。失職した10人の親からも、年明け以降は払えなくなるとの申し出があるという。

 同社は来年3月までに、浜松市に隣接する磐田市の工場などで派遣労働者600人を削減する予定。

2008年12月20日 (土)

デザート誤配で児童がじんましん発症、入院

 仙台市教育委員会は19日、給食献立表の記載ミスから小麦アレルギーのある市立小学校の児童1人に小麦を含むデザートを誤配し、これを食べた児童がじんましんを発症、体調不良を訴えて入院していたと発表した。児童は既に退院し、症状も治まっているという。

 市教委によると、18日の献立ではチョコムースかホワイトチョコムースを選ぶことになっていた。児童の保護者と栄養士が事前に確認して児童は小麦の入っていないチョコムースを食べる予定だったが、給食の際に教室に配られた児童の献立表には誤った注意書きが記載されていたという。  仙台市では先月にも別の市立小学校で、給食センターが小麦アレルギーの児童2人に小麦を含む給食を誤配。うち1人が急性のアレルギー反応を起こして一時、呼吸困難になる事故があった。

携帯電話:小中学校への持ち込み、文科相「禁止」 全国調査後に結論

 塩谷立文部科学相は19日の閣議後会見で、小中学校への携帯電話持ち込みについて「禁止の方向で考えるような状況だと考えている」と述べた。文科省は全国の都道府県教育委員会を通じて、携帯電話に関するルールの実態を調査中で、結果を踏まえて国としての方向性を示す方針。

 塩谷文科相は「政府の教育再生懇談会の提言も禁止の方向でまとまりそうだ」とした上で、「調査結果をしっかり把握して検討するが、私自身は禁止すべきだと思っている」と述べた。高校への持ち込みのルール策定は都道府県が主体になるとして、「地方と連携しながら状況を把握したい」とした。

 全国学力テストに関して萩生田光一政務官が18日の会見で「市町村と話がつくのなら(都道府県が市町村別データを)公表していくこともあっていい」と述べたことについては、「違う方向を向いているような話は初めて聞いた。(政務官と)よく話をしていきたい」とした。

 市町村別データを開示する県情報公開条例の改正案が成立した鳥取県から、近く事情を聴く方針も示した。

駒大、理事長を解任 資産運用で154億円損失

 駒沢大学(東京都世田谷区)が資産運用で始めたデリバティブ取引で約154億円の損失を出した問題で、同大は18日、臨時理事会を開き、宮本延雄理事長を解任した。巨額の損失を出した経営責任を問われた。また、総長、学長ら4人の常任理事も辞意を表明した。

 大学の資産の運用に関する失敗で、トップが解任される事態は、極めて異例だ。

 駒大は損失穴埋めのため、キャンパスの土地建物や、野球部のグラウンドを担保に110億円の銀行融資も受けている。デリバティブ取引は理事会も了承したうえで行われており、大学側は先月17日に外部の弁護士をトップにした調査委員会を設置し、関係者から取引の経緯などを聞いていた。

 理事会関係者によると、今月16日付でまとまった調査委の報告書は、22人の理事のうち、理事長と、4人の常任理事の責任を「解任相当」と指摘。報告書を受けて開かれた18日の臨時理事会で理事長の解任手続きが取られた。宮本理事長は「損失を出す結果になって申し訳なく思っている」と話した。

 常任理事らも辞意を表明したが、「入試などを控えた時期に、学校法人の役員や、大学のトップが多数不在になるのは避けるべきだ」との判断から、当面留任することになった。ただ、入試や卒業式などが終わった後、任期途中で辞任する考えという。理事長代行は、常任理事でもある大谷哲夫総長が当面務めることになった。報告書は近く、文部科学省に提出する。

 このほか、理事会では、取引相手の外資系金融機関側を提訴すべきだという意見が出され、議論されたという。

 駒大は昨年7月以降、三つの金融機関と「通貨スワップ」などの取引を始めたが、金融危機の影響で評価損が拡大、今年10月末の解約処理などで154億5千万円の損失を出した。

 同大の昨年度末の資産総額は約940億円。現金預金は127億円だった。同大は「毎年の返済は減価償却額の範囲で可能であり、教育や研究への影響はない」としている。

 デリバティブ取引をめぐっては、南山大学などを経営する南山学園(名古屋市)が約34億円、愛知大学(愛知県豊橋市)が約28億円の損失を出したことが明らかになっている。

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関西大が来年度から全学で薬物教育

 関西大(大阪府吹田市)は19日、学生らによる大麻取締法違反事件の報告書を公表した。再発防止策として、来年度から薬物をテーマにした教育プログラムを全学共通科目として新設する。再発防止対策本部は解散し、新たに副学長らを中心とする薬物対策委員会が発足。継続的に薬物防止のための啓発活動を行っていく。

全国学力テスト:大阪の市町村別データ公表、「一つの選択肢」−−文科省政務官

 文部科学省の萩生田光一政務官は18日の会見で、大阪府が全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の市町村別の結果を公表したことについて「市町村がきちんと同じ問題意識を持って公表のあり方に話がつくのであれば、一つの選択肢として公表していくこともあっていいのかなと思う」と述べた。文科省のテスト実施要領は、都道府県教委による市町村名や学校名を明らかにした結果公表を禁じているが、政務官自ら異論を唱えた形だ。

 会見に先立ち、萩生田政務官は、希望する都道府県教委には市町村別データを提供しない方向で検討している文科省を「ばか」と批判した橋下徹・大阪府知事と面会した。面会について「紳士的な話し合いだった」と語り、「現場の声を聞いて、公表のメリット、デメリットを検討する価値があると思う」と述べ、橋下知事に理解を示した。

祈りの火、新チャペルに 福岡・西南学院大

 クリスマスを前に西南学院大(福岡市早良区)のチャペルで18日午前、学生ら約500人によるキャンドルサービスがあった。一人ひとりの手に持ったろうそくに火がともされ、礼拝堂の中は柔らかな明かりに包まれた。

 点灯に合わせてハンドベルの演奏や賛美歌の合唱が行われ、壇上に設けられた「平和」や「希望」を願うろうそくも厳かに輝いた。今春にチャペルが新装されてから初のキャンドルサービスだった。

理科への興味 実験で

 学習意欲「最低」返上へ対策

 中学生が理科を敬遠する傾向が、10日に公表された国際教育到達度評価学会の「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」で裏付けられた。テストの成績は上位だったものの、学習意欲は最低水準。有効な手だてを講じることが教育界に求められている。

 調査は2007年春に実施、テストと同時に学習意欲などについて尋ねた。

 それによると、「勉強が楽しい」と回答した中学生の割合は、理科では59%。国際水準より19ポイントも低かった。小学校の時は興味があっても、中学になるとがくんと落ちるデータが出た。

 「対策は小学生時代から」と話すのは、東京・北区の区立赤羽小の渥美恵子教諭。「ただ学習内容を面白く理解するだけでなく、理科の授業の特徴である実験に興味を持たせることが一番。物事を深く考えさせるには、イメージを広げることができる実体験が必要」と強調する。

 同校では実験の準備など教師の手伝いをする理科支援員がおり、効率よくたくさんの実験を授業時間内にこなして、児童たちの興味を引き立てる試みをしている。目をらんらんと輝かす児童たち。渥美教諭は中学生になると、急に興味を失うとのデータが出たことが信じられないという。

 多くの高校受験を控えた中学では、理科実験を重視せず、実質的に「暗記科目」として扱う傾向が強いとの指摘もある。福岡教育大の安藤秀俊准教授(理科教育学)は数年前、神奈川県内の中学理科教員130人を対象にアンケートをしたところ、半分の教員が実験を行っておらず、「実験させるよりも知識を覚え込ませた方がいい」との回答が目立った。

 さらにTIMSSで日本の中学生は、「理科は日常生活で役立つか」という問いに対し、役立つとしたのは53%。国際平均より31ポイントも低かった。これについて、科学教育の普及を進めるNPO法人「ガリレオ工房」の滝川洋二理事長は「現在の学習指導要領では授業時間や内容が少なく、学んだことがどう社会で役立つかを伝える授業ができていない」と分析する。

 「理科は、物理、化学、生物、地学とそれぞれに専門性が高く、全分野に精通している教員は少ない」。こう指摘するのは、全国中学校理科教育研究会の中村日出夫顧問。特に地学に苦手意識が抜けない教員が目立つといい、中村さんは教員自身が学び直すことの必要性を訴えている。

メリット少なく3学期制に戻す 来春から大阪・四條畷市

 小中学校の年間課程を前後期に分ける2学期制を平成17年度から導入していた大阪府四條畷市が平成21年度から3学期制に戻すことが18日、分かった。年間授業時間を増やすことができるメリットがあるとしていたが「定期試験までの期間が長く、かえって子供たちが勉強しない」といった苦情が保護者や教職員から相次いでいた。市教委は「子供たちや保護者に不安を与え申し訳ない」としている。

 同市では市立田原中で平成17年度から2学期制を導入。その後、市内の全中学校4校と小学校1校の計5校で2学期制を取り入れた。3学期制に比べ、始業式などの学校行事が減る分、年間授業時間が20〜30時間ほど増えるため、ゆとりを持った学校運営ができることが導入の理由だった。

 しかし、現場の教職員や保護者からは不評で、導入直後から苦情が殺到。「1学期の期末試験や通知票がなくなったので不安に思う児童生徒が増えた」「試験までの期間が長く逆に子供が勉強しなくなった」といった不満が出たほか「他の学校と学期制が異なるので試験期間中にクラブの公式試合が行われることもある」といった意見もあった。

 市教委内部からも「導入を急ぎすぎた」という声があがり、今月11日の臨時教育委員会で3学期制に戻すことを決定。21年度から実施することにした。

 文部科学省によると、18年度に全国の公立小中学校に行った調査では小学校の18・1%、中学校19・9%で2学期制を導入している。大阪府教委によると府内では平成19年度、四條畷市のほかにも東大阪市、高槻市、大阪狭山市などの小学校103校と中学校49校で取り入れているが、一度導入した2学期制をとりやめるのは、四條畷市が府内で初めてだという。

 教育評論家の尾木直樹・法政大学教授は「2学期制は授業数を増やしたい学校側の意向で始まったが、授業時間増だけであれば、ほかにも工夫する方法があるはず。3学期制に戻す自治体が出ていることは、2学期制が日本の風土にあっていないと考えられる。これからも2学期制を取りやめる自治体が増えるのではないか」と話している。

全国学力テスト:「学校別開示」条例を改正 鳥取、都道府県で初

 鳥取県情報公開条例の改正案が18日、県議会本会議で賛成多数で可決、成立し、09年度以降、同県で全国学力テストの市町村別、学校別データが開示されることになった。学校別まで開示対象にするのは都道府県レベルでは全国初。データ利用について開示請求者に一定の制限を設けており、県と県教委は今後、ガイドラインを策定するが、罰則はない。

 改正条例は、県内実施の学力テストについて「10人以下の学級のデータを除いて開示」とする条項が、全国学力テストに適用されると明記。開示請求者へは「特定の学校または学級が識別されて学校の序列化、過度の競争等が生じることがないようにデータを使用しなければならない」と配慮規定を設けた。

 ガイドラインで「配慮を欠いた不適正な使用」を例示する方針で、山田修平教育委員長は具体例として「ランク付けしたデータをインターネットで公表する場合」を挙げている。県は違反すれば、データの使用中止を要請する。文部科学省の専門家検討会議は、来年度も市町村別、学校別公表禁止を継続する見解をまとめている。

育休、専業主婦の夫にも 厚労省、改正案提出へ

 厚生労働省は18日、専業主婦がいる家庭の従業員も育児休業が取れるようにするなど、父親の育児参加の促進策を盛り込んだ育児・介護休業法改正案を来年の通常国会に提出する方針を固めた。来週にも開かれる労働政策審議会(厚労相の諮問機関)が、こうした方針を盛り込んだ報告書を取りまとめる方針。

 育休は原則として子どもが「1歳になるまで」の間に1回取れる。ただ、労使協定があれば専業主婦(夫)がいる家庭の従業員を育休の対象外にできる規定があり、75%の事業所が適用している。改正案では、この規定を廃止。また、母親と父親の両方が育休を取る場合は、育休が取れる期間を「1歳2カ月」まで延長できるようにする。

 厚労省の07年度調査によると、40歳以下の男性社員の3割が育休を取りたいと考えているが、実際の取得率は1.56%。厚労省は法改正により、男性の希望をかなえるとともに、女性に偏っている育児・家事の負担の軽減にもつなげたい考えだ。

都内の学習塾、失業した派遣社員ら最大100人採用

 都内を中心に学習塾を展開する「学究社」(東京都新宿区)は今月24日から、雇用調整などにより失業した派遣社員らを期間限定の社員として採用する。

 雇用期間は最長4か月間で、人数は最大で100人を予定している。

 対象は、今年10月以降に、企業の倒産や不況に伴う契約打ちきりによって職を失った派遣社員や請負社員、期間従業員ら。年齢や職歴などは問わないという。業務は同社の学習塾での受け付けや事務作業で、月給は約20万円となる見込み。住居は自身で用意する必要がある。同社の河端真一社長(57)は「子どもたちの間では、リストラに走る企業への不信感が高まっている。貢献できることはないかと考えた」としている。

2008年12月19日 (金)

株式会社設立の大学、初の募集停止 経営難のLCA、廃校も

 構造改革特区制度を利用して、株式会社が設立したLCA大学院大学(大阪市、学長・山崎正和中央教育審議会会長)が平成21年度の学生募集を停止することが17日、分かった。学生数が定員を大幅に割り込み、経営難に陥っていた。特区制度を利用して株式会社が設立した大学の募集停止は初めて。

 LCA大は、経営コンサルティング会社「日本エル・シー・エー」(東京)の子会社が18年に開設。大卒者を対象にした2年制で、平日夜や土日の講義で企業経営を教えている。

 文部科学省によると、一学年の定員70人に対し、19年度の入学者は14人、今年度は8人と大幅に割り込んでいた。同社は20年3月末で約1億8000万円の債務超過。親会社も7月末に債務超過を公表し、事業見直しを進めていた。

 在校生が卒業する22年3月末までは講義を続ける方針だが、その後は廃校の可能性もあるという。文科省によると、株式会社設立の大学は財産的な基盤が弱いため、大幅な定員割れが経営に直接影響するおそれがあるという。

 特区制度による規制緩和で、株式会社の学校設立を認めた背景には、新規参入による競争で教育の質を高めようという狙いがあったが、現状はこうして設立された大学の多くで学生の確保に苦しんでいるという。

携帯電話:小中学生「不要」 持ち込み禁止促す−−教育再生懇・提言の素案

 政府の教育再生懇談会(座長、安西祐一郎・慶応義塾塾長)は、子どもの携帯電話利用に関する提言の素案をまとめた。「小中学生が携帯電話を持たないよう保護者や学校が協力する」とし、通話機能に限った携帯電話の促進や、小中学校への原則持ち込み禁止を促している。

 素案は、携帯電話が「子どもの生活習慣を乱れさせ、対人関係の希薄化を招いている」として、利用制限の必要性を強調。原則的には必要ないとしたうえで、安全確保のため持つ場合は▽有害サイトに接続できないフィルタリングサービスの利用▽情報を適切に利用するリテラシー教育の徹底▽家庭内でのルール作り▽小中学校への持ち込み禁止など教育委員会によるルール作り−−を提言した。

 また双方向のやりとりができるサイトでいじめやトラブルが起きていることを問題視。ネット接続できない機能限定型の携帯の普及をめざし、携帯電話事業者による販路開拓も促している。

 再生懇は今年5月の第1次報告で携帯電話の使用制限をうたい、具体策を練っていた。提言は来月、麻生太郎首相に提出する。

 また再生懇は18日、教科書の質と量の充実を求める第2次報告を首相に提出した。国語と理科、英語はページ数の2倍増を目指し、分量制限の撤廃や教科書検定の審査基準見直しを提言。さらに「考える力をつける題材の提供」が必要として、英字新聞や文豪の名文からの引用を具体策としてあげた。

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小中学校に非常勤講師1万人 理数授業増加へ対応

 小中学校の算数・数学と理科で来春から授業時間と内容が大幅に増えることに対応するため、文部科学省と財務省は16日、授業支援の非常勤講師を学校現場に配備できるよう、約1万人分の予算をつける方向で調整に入った。

 算数・数学と理科は国際的な学力調査でも思うような結果が出ず、教育の重点項目の一つになっている。新たに配備する非常勤講師は退職した教員を中心に活用することが考えられており、経験を踏まえてわかりやすい授業を展開したり、正規の教員と組んで少人数の授業やチームティーチングを進めたりすることが期待されているという。

 「ゆとり教育」への批判から学力向上の姿勢を明確にした新学習指導要領は、小学校で11年春、中学校で12年春に全面実施の予定だが、文科省は算数・数学と理科については来春から前倒し実施する。小学校では各学年で授業時間が週1コマ増え、中学でも1年数学や3年理科で週1コマ程度増える。

 文科省はこうした措置の「円滑な実施」のためとして、非常勤講師を配置する予算を求めていた。厳しい財政状況のなか、財務省と調整した結果、予算措置は「1人当たり週12時間教えると計算して非常勤講師約1万4千人分」の56億円程度とし、このうち約1万人分を理数教育に回す方向になった。残りの約4千人分は、外国人の子どもへの日本語指導や食の教育、特別支援教育などのために活用するという。

 文科省は、正規教員についても定員の1500人増を求めていたが、結局約800人の純増でまとまる方向だ。

教科書ページ倍増 教育再生懇報告

「携帯禁止」は来月提言

 政府の教育再生懇談会(安西祐一郎座長)は18日午前、首相官邸で会合を開き、教科書の質・量の充実などを求める第2次報告を麻生首相に提出した。

 国語、理科、英語のページ倍増を目指し、予算の確保や学習指導要領の範囲外の記述の割合に関する上限の撤廃などを提言している。

 報告は、ページ倍増に向け、小中学校で教科書全体の1割、高校で2割までと定めている学習指導要領の範囲外の記述に関する上限撤廃を求めた。数学・算数の練習問題の充実なども提案した。一方で、教科書の過剰な装丁や不要な挿絵の抑制を要請した。

 このほか、教科書採択に関し、教育委員会が採択前に検討する期間をより長くするべきだとした。

 報告は「ゆとり教育の見直し」に対応するもので、文部科学相の諮問機関「教科用図書検定調査審議会」も教科書の充実などを求める報告を25日に正式決定する予定だ。文科省は教科書検定の基準や規則を見直し、来年度に検定対象となる小学校の教科書から報告内容を反映させたい考えだ。

 また、懇談会は第2次報告とは別に、小中学校への携帯電話の持ち込みの原則禁止を打ち出す提言案をまとめた。子供の携帯電話利用を「社会全体で取り組む課題だ」と指摘し、保護者には「家庭内ルール」の創設、電話会社には学校などへの公衆電話の設置を求めている。さらに、通話先の限定やGPS(全地球測位システム)などに機能を限定した携帯電話を推奨している。来年1月に首相に報告される見通しだ。

【教育】文科省無駄遣い撲滅は大幅修正 自民部会、腰砕けに

 自民党文部科学部会は、文科省の複数の事業廃止や予算削減を求めた同党の無駄撲滅プロジェクトチームの報告書案について、対象に挙げられた16項目のうち13項目で「抜本的な削減」を「見直し」に改めるなど大幅に修正することを決めた。

 報告書案は各府省を対象に、公開討論会などでの意見も反映させて作成したが、成案化するには党の関係各部会の了承を得る必要がある。このため同チームは文科部会の指示通り修正し、近く党政務調査会に提出する。来年度予算編成に向けた歳出の「無駄撲滅」は、教育・科学技術分野では族議員の反発で腰砕けになった形だ。

 予算の大幅な削減を「見直し」に修正するのは、平成20年度予算で計200億円を計上した農山漁村での子どもの生活体験など各種モデル事業。同チームは「成果の検証が不足している」と指摘していた。

 このほか同チームが「全国の教員を国が集めて研修を行う必要性は乏しい」として予算削減や法人の廃止を求めた独立行政法人教員研修センターについては「必要性は高いが、経費削減に努める」と修正した。

2008年12月18日 (木)

ケアマネ研修受講試験、201人を誤って「合格」 埼玉

 ケアマネジャー(介護支援専門員)への入り口となる実務研修受講試験を実施している埼玉県社会福祉協議会は17日、今年10月の試験で合格とした1627人のうち、協議会側のミスにより、実際には201人が不合格だったと発表した。対象の受験生に合格取り消しの連絡を始めており「多大な迷惑をかけ深くおわびします」と謝罪している。

 試験は10月19日に独協大学(埼玉県草加市)など県内3カ所で行われ、5511人が受験した。このうちの3669人が社会福祉士、介護福祉士ら有資格者向けの試験区分を受けたが、この区分で本来は20問中14問以上正答しなければならない分野について1問も解答しなくても合格するようになっていた。採点処理する電算機に基準合格点を誤って入力したのが原因という。

 「基準に達していないのに合格した」という問い合わせが県に寄せられ、誤りが判明した。委託した情報処理業者と同協議会で採点結果と合格基準の照合作業を行っていなかったという。

株式会社大学 募集停止

 大阪・LCA大 経営難、廃校を視野

 構造改革特区制度を利用して株式会社が設立した大阪市の「LCA大学院大学」(学長・山崎正和中央教育審議会会長)が、来年度の学生募集を停止する方針であることが17日、明らかになった。

 学生数が定員を大幅に割り込み、経営難が続いているためで、廃校を視野に入れた対応だ。

 LCA大は、2006年に経営コンサルティング会社「日本エル・シー・エー」(東京・東上野)の子会社が開校した。大卒者を対象に2年間、平日夜や土日に講義を行い、実践的な企業経営を教えている。定員は140人で、学生には会社員が多い。

 ただ、学生数は開校以来、定員に届かず、現在は24人だ。また、7月には親会社が債務超過を公表し、経営陣の交代を機に大学運営を含む事業見直しを進めており、この中で来年度の学生募集の停止を決めた。

 LCA大は「現時点で廃校を決めたわけではない」とし、在学生が卒業する10年3月末までは講義を続ける方針だ。しかし、この時期までに資金が調達できなければ廃校とする方向で検討している。

 大学では「運営のコストは覚悟していたが、親会社の経営悪化や学生の集まりの悪さについては、読みが甘かった」としている。

 文部科学省は18日、特区内の規制緩和の全国拡大を検討する政府の「評価調査委員会」に、こうした状況を報告する予定だ。

 私立学校を設置できるのは学校法人に限られているが、03年から特区での株式会社による学校設立が認められた。株式会社立の学校は現在、大学6、高校21、中学1、小学1校で、これまで廃校したところはない。

【主張】教育再生 道徳教育拡充に踏み出せ

 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)が第2次報告で、豊かな情操や道徳心の育成につながる題材を教科書に増やすよう提言する。道徳、情操教育の充実は、学力向上とともに公教育再生のカギである。提言を教科書づくりにぜひとも反映させてほしい。

 道徳教育の充実は中央教育審議会などで過去に何度も議論されながら、教育現場にはなかなか反映されない。小中学校で週1時間ある道徳の授業は生徒指導や別の教科に流用されてきた。一部教職員組合の反対で道徳の授業が行われていない学校さえあった。

 いじめ問題や少年非行の低年齢化など公教育の危機の中で、規範意識や公共心をはぐくむ教育の充実は欠かせない。再生懇談会の前身の教育再生会議は昨年、徳育の教科化を提言した。形骸(けいがい)化した道徳教育の現状を変えるねらいがあったからだ。

 道徳教育に対しては「価値観の押しつけ」といった反対が根強い。教科化すれば、教科書がつくられ、教材が充実し、指導法の研究が進むことが期待できるが、新しい学習指導要領では教科化は見送られた。

 文部科学省は、教科化を含め道徳教育充実策を引き続き検討するとしたが、決め手を欠いている。教科化についてはその後、真剣に議論されておらず残念だ。

 再生懇談会は2次報告で教科書を質量とも充実させることを打ち出し、学力面では国語、理科などでページ数倍増を提案する。

 教育基本法改正をふまえ、国語や音楽などの教科書に日本の伝統文化や自然に関する記述を増やすことも提言する。道徳の授業だけでなく各教科を通じて道徳教育充実を図ることは有効だ。

 小学生の国語の教科書をみても、ゆとり教育で教科書は極めて薄い。かつては教えられていた偉人伝や古典などが消えている。

 親から子へ語り継がれてきた文化や人物の歴史を知ることは、国やふるさと、自分の生き方を自然に考えるきっかけになるはずだ。授業が待ち遠しくなるような教科書で子供たちの心をとらえる授業をしてほしい。

 再生懇談会の報告は5月の1次報告以来だ。学力、生徒指導両面で私学人気は高まり、公立復活、公教育再生というにはまだ課題が多い。首相の主導で積極的な提言が今後も期待される。

漢字能力検定:繰り上げ実施、静岡の中学81人失格

 11月実施の漢字能力検定(漢検、日本漢字能力検定協会主催)を団体受検した静岡県掛川市立東中学(浅井正人校長)が検定日を1日繰り上げて実施し、受検した生徒81人が失格になっていたことが16日、明らかになった。同校は受検者と保護者に謝罪し、来年1月に再受検の機会を設けるという。

 同校によると、11月8日の土曜日に同校を準会場として実施する予定だったが、「生徒の部活動で受検者が集まりにくい」などの理由で7日に実施したという。浅井校長は「生徒たちに申し訳ない。協会に失格は取り消してもらえなかった」と話している。

愛知大も運用損28億円 「新キャンパス計画影響なし」

 学校法人愛知大学(愛知県豊橋市)が、資金運用のために始めたデリバティブ(金融派生商品)の取引で28億円の損失を出していたことが16日、分かった。数百億円かけて名古屋市笹島地区に12年春に新キャンパスを開く計画に影響はないという。

 大学によると、損失を出したのは07年に始めた「通貨スワップ」と呼ばれる取引。同大の場合、円―米ドル間で取引をしており、円高の進行で損失がふくらむ可能性が高くなったため解約を決めた。

 法人の08年3月現在の総資産は約545億円。03年度から始めた外国債券の購入など資金運用では35億円の利益を上げたという。

 八木隆明事務局長は「新キャンパスは予定通り12年4月に開校できる。現在の施設や教育内容が変わることもない」と話している。

 学校関係によるデリバティブ取引を巡っては、南山大学や高校などを運営する学校法人南山学園(名古屋市)が34億円の損失を出したことがすでに明らかになっている。

入試数学 出題の舞台裏

 作成者自らマークシート批判

 大学の入学試験の数学の問題作りを数多く手がけた桜美林大の芳沢光雄教授が「出題者心理から見た入試数学」を出版した。

 受験生の興味を集めそうなのは、整数やグラフ、図形など、入試問題の裏に隠された出題者の意図を紹介した部分。芳沢教授は「受験生の意外な弱点を明らかにした。試行錯誤して考えることが大切」と助言する。

 マークシート問題では、考えなくても正答を出す裏技があること、設問が複数ある問題では最初の問題が解けなくても解答できる「並列式」があることも紹介。入試数学の問題点を浮かび上がらせる。

 一方で、のしかかるプレッシャーの大きさ、分野を超えた融合問題の良問作りの難しさなど、出題者の悩みも率直に吐露する。

 出題者が舞台裏を明かすのは異例だが、現場の教師たちの反応は好意的だ。

 広島県の盈進(えいしん)高校の重冨哲寛(しげとみよしひろ)教諭は「大学入試は大学と高校の接点。入試が抱える問題点は、高校教育のあり方も考えさせる」と評価。北海道帯広三条高校の吉田亮介教諭は「出題者の狙いを知る上で有意義。生徒の意識を高めるのに役立つ」と語る。

 日本大学習志野高校の押野貴秀教諭は「マークシートは採点しやすさを優先しているという大学側の都合も正直に語っている。受験指導の立場からも勉強になった」と強調する。

 芳沢教授は「一番言いたかったのは、マークシート方式主流の入試数学の改革。数学は本来、試行錯誤しながら考えて、一歩一歩説明するもの。論理的な思考、記述を求める数学の問題を出題しないと理工離れ、学力低下を助長するだけ」と改革を訴える。

 こうした危機感を背景に、最近は基礎的事項の証明を求める入試問題が増えてきた。例えば、「円周率は3・05より大きいことを証明せよ」という2003年の東京大の入試問題は、「考えさせる良問」と本の中でも紹介している。

 今年のノーベル物理学賞を受賞した益川敏英・京都産業大教授も、安易なマークシート受験は「考えない人間を作る『教育汚染』だ」と批判した。芳沢教授は「入試数学に切り込むことこそ、学力の向上の根幹」と話す。

2008年12月17日 (水)

常用漢字191字の字体案決定 文化審議会

 漢字使用の目安となる「常用漢字表」(1945字)の改定作業を進めている文化審議会の漢字小委員会が16日開かれ、追加候補191字の字体について事務局案を了承した。前回、議論になった「しんにゅう」の点表記は2点となり、既存の常用漢字の1点と混在することになった。

 小委では、新たに加わる「謎」「遜」「遡」の3字のしんにゅうについて、複数の委員が「子供が混乱する」などとして1点表記を主張。しかし、「常用漢字表内での整合性にこだわる必要はない」とする意見が押し切り、最終的に印刷標準字体を採用した。

 ただし、手書きでは1点を許容し、「餌」「餅」の「しょくへん」についても「食」表記を認める。また、「曽」「麺」「痩」の3字については、簡易慣用字体も示す。

 文化審議会は来年1月末に新常用漢字表の素案を策定し、3月にも一般から意見を公募。平成22年の告示を目指している。

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全国学力テスト:国語B、正答率訂正

 文部科学省は15日、8月に公表した08年度全国学力テストの結果を一部訂正した。中学3年の国語B(活用)の平均正答率が0・1ポイント上がり61・6%となった。658校の1577人が実際は後日に受けていたことが判明し、集計対象から外すなどしたため。

図書館活用で学力アップ 文科省、全国学力調査分析

 小6と中3を対象にした全国学力調査をめぐり、成績が向上した学校を文部科学省の専門家会議が分析したところ、「授業で学校図書館を活用する」「地域への学校公開日を設ける」といった取り組みに力を入れているところが目立った。国語に力を入れた学校で算数・数学の学力が向上する傾向は、今回も改めて確認された。

 全国学力調査は国語と算数・数学の2教科について、07年4月に第1回、今年4月に第2回を実施。専門家会議が15日公表した分析報告では、各教科のA問題(知識中心)、B問題(活用中心)について、今年の調査で高学力層(全国で成績が上から4分の1)が前回より10ポイント以上増えたり、低学力層(下から4分の1)が10ポイント以上減ったりした学校の取り組みを07年度と08年度で比べた。

 最も顕著なのは「学校図書館を活用した授業」。課題解決の資料を図書館で探す「調べ学習」などで、例えば算数の「知識」問題で高学力層が増えた学校群では、実践している割合が前回07年調査より11.6ポイント増の68.6%。同じく算数の「活用」問題で低学力層が減った学校群では8.6ポイント増の71.8%だった。自分で考えて学習に取り組む姿勢が養われ、成績の向上につながったとみられる。

 中学では「学校公開」の取り組みが目立つ。地域の人の授業参観など「学校公開日」を設けているところは、国語の活用問題で高学力層が増えた学校で7.7ポイント、数学の活用問題で高学力層が増えた学校では9.6ポイントの増。学校を外部に開くことが、教員の指導や子どもの学ぶ意欲に好影響を与えているようだ。

 一方、国語と算数・数学の関連では、例えば小6算数の「活用」問題で低学力層が減った学校群では、国語で「書く習慣をつける」取り組みをしているところが83.3%(前回比5.5ポイント増)。「読む習慣をつける」取り組みをしているところが81.1%(5.3ポイント増)だった。国語学習で出題内容を読み解く力が向上するとみられる。

学力テスト「従来の公表法維持を」

 全国学力テストの結果公表を巡る問題で、文部科学省の専門家会議は15日、現在の実施要領のうち、都道府県教委が市町村別や学校別の成績を公表しないよう求めた点については維持していくべきだとする見解を示した。文科省は、これを基に来年度の全国学力テストの実施要領を年内にも作成する。

 同省は過度な競争を招くことを理由に、都道府県教委に対し、市町村や学校の名前が分かる形で成績を公表しないよう実施要領で求めている。しかし、一部自治体が情報公開請求に基づいて成績を公表するなど自治体によって対応が分かれたため、専門家会議で公表のあり方を検討していた。

 同省の全国調査では、都道府県教委のうち11教委が「市町村別の公表を検討すべきだ」としていたが、専門家会議は、ほとんどの市町村が現行の公表方法を支持していたことを重視し、現状を維持するべきだとした。

 その上で、大阪府では情報公開請求を受けた橋下徹知事の判断により、府教委から知事部局に成績が渡り、市町別の結果公表につながった点などを踏まえ、「関係機関への提供も含め、実施要領に基づいた情報管理を徹底する」と求めた。

 さらに、情報公開請求があった場合に開示せざるを得ないとして、都道府県教委が文科省に対し、市町村別順位が分かる資料の提供を求めないケースでは、その要請を尊重していくことも確認した。

 家庭内コミュニケーションで学力向上

 家庭でのコミュニケーションが豊富だと、学力も向上する――。今年4月に実施した全国学力テストの結果からそんな傾向が浮かび上がったことが15日、文部科学省の分析で分かった。

 同省で、全国学力テストと同時に行った学習状況調査の結果を分析したところ、学力の高い子供ほどきちんとした学習習慣が身に着いていた。その学習習慣に与える影響度合いを数値化したところ、「生活習慣」が3、「家庭でのコミュニケーション」が1・9、海や山で親と子供が一緒に遊ぶ「体験的活動の経験」が1・6との結果になった。数値が高いほど関連があり、生活習慣ほどではないが、家庭でのコミュニケーションなども学力に影響していることが判明した。

 朝ごはんを食べ、早寝早起きすることが学力向上につながることは、すでに指摘されている。同省では「一家だんらんの場で学校での出来事を話すことも学習習慣を身に着けさせ、学力向上に寄与しているのでは」と分析している。

「内定取り消しは問題」文科相、大学団体と対策協議へ

 大学生や高校生の就職内定取り消しが相次いでいる問題で、塩谷立文部科学相は16日の閣議後会見で、国公私立大学の各団体でつくる「就職問題協議会」との会議を19日に緊急開催することを明らかにした。

 大学生の内定取り消しの実態把握に努めるとともに、今後の対策について協議する。さらに高校や専修学校の各団体とも年明け以降、同様の協議を行う予定。

 塩谷文科相は「確かに現在の経済状況が厳しいのはわかるが、内定取り消しは問題がある。各大学も再就職先のあっせんなど、きめ細かく指導してもらいたい」と述べた。

 全国のハローワークが11月25日時点で取りまとめた内定取り消し状況は、大学・専修学校生302人、高校生29人の計331人。

全国学力テスト:学校別公表の禁止継続を 序列化警戒、検討会議が見解

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の分析・活用方法などを議論する文部科学省の専門家検討会議は15日、都道府県教育委員会が市区町村・学校別の結果を公表することを禁じた実施要領の方針を「来年度以降も維持すべきだ」とする見解をまとめた。文科省は見解に沿って年内にも実施要領を作成し、各教委に通知する。

 実施要領は、都道府県教委が市区町村名や学校名を明らかにして結果を公表することや、市区町村教委が学校名を明らかにして結果を公表することを禁じている。検討会議は「序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮すべきだ」として、基本方針を維持するのが妥当と判断した。

 また、文科省がどんな資料を都道府県教委に提供するかについては「弾力的な対応を可能とする」ことを求めた。教委側が求めない資料は提供しない措置をとれるようにすることが狙い。教委が知事部局へ情報を渡したくない場合や、情報公開請求への対応で困難が予想される場合は、資料を受け取らないことも可能になる。

 市区町村別の結果を巡っては今年、大阪府や秋田県で一律公表に踏み切る動きがあった。文科省は、新たな方針に沿えば「(了承した市区町村については実名で成績を公表した)大阪府の対応は適切ではないことになる。(市町村名を伏せた)秋田県の対応は実施要領が認める範囲内」としている。

 市区町村教委や学校が自らの結果を公表することは認められている。検討会議は「(市区町村教委や学校が)調査結果の一層の活用に取り組むよう促すべきだ」とし、教育改善につなげる狙いで独自公表することを是認する姿勢を改めて明確にした。

全国学力調査 来年度もデータ公表自粛求める 文科省

 小6と中3を対象に実施している全国学力調査をめぐり、文部科学省は15日、来年度実施分についても、都道府県や市町村の教育委員会に対し、従来通り市町村名や学校名を示したデータ公表を行わないよう求める方針を固めた。同省が設置した専門家検討会議の報告書を受けたもので、「市町村別や学校別のデータが明らかになれば序列化や過度な競争を招く」という声を踏まえたという。

ネットの危険を疑似体験

 岩手で教育ルネサンスフォーラム

 携帯電話やインターネットをめぐるトラブルが子供たちの間で急増する中、ネットの危険性を疑似体験しながら学ぶ試みが、岩手県発で全国に広がっている。同県北上市内で6日、教育関係者や一般市民約80人が参加して、教育ルネサンス実践フォーラム「ネットの危険を確かめる」が開かれた。

 この日、参加者たちは、会場に特設されたパソコンや携帯電話を操作した。アダルトサイトに接続すると、最初に「18歳以上ですか」と表示される。質問に「はい」「いいえ」のどちらで答えても、高額な利用料金が表示される。こんな実体験をした後、アダルトサイトが不正請求の温床になっている実態の説明を聞いた。また、占いサイトでは生年月日などの個人情報が外部に流出する危険性があること、学校裏サイトと呼ばれるネット掲示板がいじめの場になっていることも学んだ。

 この教材は岩手県立総合教育センターが2年前に開発。今年3月、インターネット活用教育実践コンクールで文部科学大臣賞を受賞している。

 一定の範囲に限定された通信環境で、本物のインターネットと同じ体験ができるのが特徴。中高生の間に広まる自己紹介用ホームページ「プロフ」や日記形式の「ブログ」、ネットオークション、チャットも用意されている。当初は、パソコンのみだったが、無線LAN対応の携帯電話を組み合わせることで、携帯でも体験できるようになった。

 同センターはこれまで、県内外119か所で研修や授業を行い、教職員や児童生徒約7700人が受けた。教材はインターネットで無償提供しており、東京都や鹿児島県などでも活用されている。

 同センター情報教育担当の鈴木利典主任研修主事は「情報モラルを教えようとしても、言葉だけでは実感できない難しさがあった。携帯禁止が難しいのであれば、危険性を十分に理解した上で使っていくことが必要だ」と説明している。

2008年12月16日 (火)

関東私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

2008年12月15日 (月)

自殺予防“虎の巻” 子供のサイン見逃すな 教師が取るべき対応列挙

 子供の自殺を防ごうと、文部科学省の有識者会議が、子供たちが自殺直前に示すサインや、サインに気づいた教師の取るべき対応を示した教師向けマニュアルの素案をまとめた。教師向けとしては初めてで、現場の教師には心強い“虎の巻”となりそうだ。文科省は来春、全国の小中高校に配布を予定している。

 マニュアルは「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」(座長、高橋祥友・防衛医大教授)がまとめた。

 平成19年の小中高校生の自殺者数は274人(警察庁まとめ)と、毎年300人前後で推移している。こうした状況を踏まえて、文科省は、どんな教師でもいち早く子供の変化を見つけることができるようなマニュアル作りを進めていた。

 素案では「自殺する直前には、救いを求める必死の叫びをあげている」と指摘し、自殺する直前の子供に表れるサイン(兆候)として、「これまで関心のあった事柄に興味を失う」「急に成績が落ちる」といったポイントを列挙=表。教師が目を向けるべき子供の変化を示している。

 その上で、そういった危険を示す子供への接し方として、一人にしない▽心配していることを言葉で伝える▽よく話を聞く−といった対処法を伝授。「一人で抱え込まない」など、教師が陥りやすい点にもアドバイスを盛り込んでいる。

 さらに、実際に子供が自殺してしまったときの校長や担任教師が取るべき対応として、遺族や子供たちへの配慮に加え、「プライバシーに配慮して、一貫した情報発信を心がける」といった適切なマスコミ対応なども挙げている。

 同会議では、今年度中の完成を目指している。座長の高橋教授は「子供の自殺の要因はいじめに限らず、複雑。少しでも理解できるようなマニュアルにしたい」と話している。

自殺直前の子供にみられるサイン例

 ・これまで関心のあった事柄に興味を失う

 ・いつもなら楽々できる課題が達成できない

 ・成績が急に悪くなる

 ・不安やイライラが増し、落ち着きがない

 ・身だしなみを気にしなくなる

 ・不眠や食欲不振などの身体の不調を訴える

 ・別れの用意をする

 ・過度に危険な行為に及ぶ

 ・実際に自傷行為に及ぶ

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関西私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

あきらめなかった夢 73歳ヤエコさん、教壇に

 ヤエコさんは今、73歳。家庭の事情で高校を中退して働きながらも、教師になりたいという夢をあきらめなかった。64歳で定時制高校に進学し、大学も卒業した。そして今春、母校の高校の教壇に非常勤講師として立ち始めた。今の気持ちはルンルン♪

 京都府立鳥羽高定時制(京都市南区)の非常勤講師に採用されたのは京都市南区の中村八重子さん。今は週3日教壇に立ち、孫のような年頃の生徒らに国語を教える。

 3年生の国語の授業中、「先生、ペン忘れた。貸してぇー」。遅刻しながらもそう言って教室に入ってきた生徒には、説明をいったん中断してペンを渡す。どんな生徒にも丁寧に接する。「定時制にはいろんな環境の生徒が来る。仕事を終えてから登校する生徒も多い。人として尊敬しなければいけないと思っています」

 中村さんは、学びたくても学べない時期を過ごした。文学が好きで教師になるのが夢だったが、中学を卒業する頃、父が経営する会社が倒産。家計を支えるため、高校を中退して就職した。62歳で退職するまで40年以上も、建築会社の経理担当などとして働き続けた。

 けれど、夢はあきらめなかった。「いつか大学に行く」。生活に追われてくじけそうになっても、自分に言い聞かせてきた。

 64歳で鳥羽高定時制に入学し、10代の生徒に交じって授業を受けた。母の介護も抱えていたが、授業は休まなかった。クラスメートにはすぐに「ヤエコさん」と慕われるようになった。携帯電話のメールの方法を教えてもらった級友とは今でも「メル友」だ。

 卒業後は立命館大学に進んだ。森鴎外を研究しながら高校教諭の免許を取得した。

 卒業前に府教委へ送った経歴書が、当時鳥羽高定時制の副校長をしていた北林雅俊さん(57)の目にとまった。同校で教育実習をした中村さんの前向きで温かい姿が印象に残っていた。「その物腰に人生がにじみ出ていた。子どもたちが彼女の生き方に共感し、目標としてくれたらいいと思った」。北林さんは採用したわけを明かす。

 中村さんは、北林さんから非常勤講師の話を持ちかけられると、迷うことなく応じた。「天にも昇る気持ち。ルンルンだった」と振り返る。

 授業を欠席しがちな生徒を見ると「もったいない」と思う。しかし、頭ごなしにはしからない。「自分も幸せでない時期があったからこそ、今の幸せが分かる。生徒には希望を捨てなければ大丈夫と伝えたい」

 今の目標は「1年でも長く教壇に立つこと」。学校近くに一人暮らし。授業を午後10時ごろに終えると、近所のサウナで一日の疲れを癒やすのが一番の楽しみだ。

2008年12月14日 (日)

絵本で教える「生と死」 子供への押しつけは「×」

 □聖路加国際病院・細谷亮太副院長 「オススメの一冊」を聞く

 人生に必ず訪れる「最期」。もし親しい人の最期に子供が遭遇した際、どう接してやればいいのだろう。聖路加国際病院(東京)の副院長・小児総合医療センター長、細谷亮太さん(60)は、がんなど厳しい病を患った子供やその家族に、絵本を効果的に用いて「死」を語ってきた。『ぼくのいのち』など自ら絵本作品を手がける細谷さんに「生と死」をテーマにした絵本を紹介してもらった。

 「死」とはどういうことかを分かりやすく伝えてくれる絵本として、細谷さんがまず薦めるのが『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ作)だ。

 あらすじはこうだ。周囲から慕われていたアナグマは最期を知り、「長いトンネルのむこうに行くよ」と書き残して亡くなる。仲良しの動物たちは当初、悲しかったが、アナグマが残していった思い出を一つ一つ思い起こしていき、悲しみを乗り越えていく…。

 作中、アナグマは最期に際し夢を見ながら、高齢で動かなくなっていた手足さえも動かせるようになり、ついには地面から浮いて自由になったように感じた−と書かれている。

 かつて細谷さんは、インフルエンザ脳症のため、かろうじて人工呼吸器で生命をつないでいる2歳の弟を前にした姉(8)と兄(6)にこの絵本を読み聞かせ、弟の死が近いことを伝えようとした。

 2人は「今はベッドの上だけど、天国では手も足も動かせるようになって元気になるんだ」「苦しい思いをしないで天国に行けるんだね」と話し、子供なりに弟の死後のことまで気を配りながら、死の意味を理解したようだったという。

 こうした「死の受容」という重いテーマとは反対に、「生」について示唆に富むのが『はいいろねずみのフレイシェ』(アンケ・デ・フリース作)だ。フレイシェは身体の色が曇り空と同じ色という理由で自分が好きになれなかった。赤などの色を身体に塗るが、周囲にからかわれる。ところが、川に落ちてすっかりきれいに色を落とすと、ねずみ仲間がやってきて「つやつや」だとほめ、互いに友だちになった。

 細谷さんは「この絵本からは、生きるとは自分自身のあるがままを受け入れることだ、というメッセージが受け取れる」という。「学力で劣ってもスポーツでまさることがある。個性こそ人間らしさ。自分を好きになることが大切ということを、日ごろから知っておきたい」

 生物全般への生命賛歌の絵本もある。『ずーっと ずっと だいすきだよ』(ハンス・ウイルヘルム作)は、ペットの犬が老いて死ぬまでを描き、「生物には必ず自然現象として寿命があることを伝えている」(細谷さん)。

 半面、厳しい闘病を経て命を紡ぐ大切さを説く絵本は『チャーリー・ブラウンなぜなんだい?』(チャールズ・M・シュルツ作)だ。白血病を患う女の子が困難な治療を受け、頭髪が抜けるなどの副作用も克服しながら病を乗り越えていく姿を温かく見守る級友との心の通い合いを描く。「絶望的な病でも治療の選択肢はあり、患者も周囲も希望をもって闘病することの重要さを訴えている」

 こうした死生観に関する絵本は「押しつけがましく読ませるようなやり方は、好ましくない」と細谷さん。「むしろ本棚にさりげなく置き、自然に『出合う』のがいい」という。

 細谷さん自身、小児科医として働く傍ら、翻訳や作品を手がけてきた。「命は空気のように薄くなって初めてありがたさに気付く。勝ち負けがすべてであるかのような時代にあって、いかに自分の命を大切に生きるかが重要。絵本を通じて知っていってもらいたい」と話している。

全国学力テスト:大阪の男性、結果「非開示違法」と提訴

 全国学力テストをめぐり、大阪府の市町村別平均正答率などの開示を求めた大阪府茨木市の地方公務員の男性(57)が12日、全面非開示とした大阪府教委と一部非開示とした橋下徹知事を相手に、処分取り消しを求め、大阪地裁に提訴した。男性は「全データを公開したうえで大阪の教育について議論すべきだ」と話している。

 訴状によると、府教委は9月、「公開すると市町村教委との信頼関係が損なわれる」などとして全市町村の結果と学校別データを非開示とした。橋下知事は10月、「市町村の判断を無視して開示はできない」との理由で、自主的に公開した自治体のデータだけ開示した。

12月13日は「双子の日」 福岡の小学校なぜか13組

 13日は「双子の日」とされる。双子が生まれる確率は100分の1だが、福岡県八女市の全校児童430人の上妻小学校には13組もいる。なぜこれだけそろったのかは分からないが、今村辰子校長は「よく似たかわいい顔がたくさん並んで登校してくるのを見ると、幸せな気持ちになります」とほほ笑む。

 上妻小には各学年に1〜4組の双子が在籍している。今年3月に1組が卒業したが、代わりに3組が入学してきて過去最高の13組になった。

 1年生の伊藤魁星君と龍星君の兄弟はクラスが同じ。「顔、体形、声まで、すごく似ています」と担任の教諭。入学当初は白と青の上履きの色で見分けていた。だが、2学期になると2人とも足が大きくなり、校内では裸足で過ごすことが多くなったため遠目には判別できなくなった。

 2年生以上の双子はクラスを分けているが、それでも配慮が必要だ。双子の一人のテストを行い採点を済ませても、もう一人が同じテストを受ける前だと返却できない。宿題の分量も差が出ないよう、担任同士が相談して毎日同じぐらいに調整しているという。

 同校の児童でつくる少年野球チーム「ネイビーキャップス」には3組の双子が在籍する。6年生の奥勝義君と竜義君はともにピッチャー。双子のカッちゃん、タッちゃんが主人公の野球漫画「タッチ」さながらだが、漫画と違って継投することもある。

 母美香さん(41)は「おしめも授乳も手間は倍。赤ん坊のころは親の手を借りながら必死に育てた」と振り返る。2人へのお下がりを考えて、4歳年上の長男には色違いの服を2着ずつ買ったという。

 チームの監督を務める檀英俊さん(42)は、5年生のショート貴俊君とサード俊輝君の父親でもある。「双子同士の競争意識は練習や試合で見ていても強く感じる」

 兄の貴俊君が「野球も学力テストもマラソンも、いつも弟には勝ちたいと思っている。そういう『ライバル』がいるから頑張れる」と言うと、弟の俊輝君も「僕もそう思う」と口をそろえる。ただし、三遊間のゴロをどちらが取るかは、あうんの呼吸で分かるそうだ。

 多胎の研究をしている石川県立看護大学の大木秀一教授(公衆衛生学)によると、都道府県別で双子や三つ子などの多胎出産数を比較した場合、最も多いのは京都府の1千件の出産で14.3回。福岡県は11.7回で、全国平均の11.3回とほぼ同レベル。上妻小と校区が接する小学校は5校あるが、双子は0〜5組で、児童数で比較するとほぼ平均的だ。上妻小は非常にまれなケースといえる。

 なぜなのか。大木教授は「食べ物や飲み水で双子が増えることは考えにくく、小学校区という特定地域で多胎が増える理由は分からない」と首をひねる。「多胎出産は遺伝するので、この地域に双子の家系が多い可能性はある」と大木教授はみているが、同校の卒業生でもある檀監督は「自分が在籍していたころは数えるほどだった。自分の親類にもいない」という。

 ともあれ、双子たちは自然豊かな八女の地ですくすくと育っている。今村校長は「双子でも、高学年になるにつれ個性が豊かになってくる。それぞれの良さを大切にしてほしい」と成長を見守っている。

 〈双子の日〉1874(明治7)年12月13日、太政官指令で多胎児のきょうだいの順番を「先に生まれた方を兄、姉とする」と定めたことが由来とされる。記念日を独自に「認定」している民間の「日本記念日協会」によると、「ふたごの日」としては双子グッズの専門店が申請した2月5日が登録されている。

【教え育てる】青山学院初等部長 飛田浩昭

 ■礼拝通じ「感謝」の心 「正しい教育」が責務

 「お父さん、お母さん、自分を初等部に入れてくれてありがとう」

 うちの子供からこう言われました、と打ち明けてくださった保護者の方が何人かおられました。昨年、卒業を目前に控えた6年生の保護者との懇談の席での話です。さらに続けて、「私たちは、子供を通して『感謝』という気持ちを学びました」と。

 それは私たち青山学院初等部の教員にとって、自分たちの教育の正しさを再確認することでもありました。

 初等部の毎日は朝の礼拝で始まります。午前8時20分、始業のチャイムと同時に児童たちは礼拝堂へ。オルガンの前奏とともに、全員が手を合わせ、目を閉じ、頭を垂れて祈りの姿勢をとると、礼拝堂内は静寂に包まれます。この静けさが精神的な落ち着きになって、児童の充実した一日につながっていくのです。

 礼拝の最大の目的は、「感謝」の気持ちをもつこと、そして神様を「讃美」することですが、初等部の児童の家庭の多くはクリスチャンではありません。クリスチャンはむしろ少数派ですが、礼拝は6年間、欠かすことなく続けられます。その結果、「感謝」の気持ちが児童一人一人の心にしっかりと植えつけられ、冒頭の言葉となって、その口から発せられたのです。

 さらにその言葉が両親の心を打ち、キリストの教えへの理解を促すとすれば、それはまさに青山学院の目的である「キリスト教信仰にもとづく教育」の理念の実現といえるでしょう。

 青山学院初等部は昭和12年4月、青山学院緑岡小学校として開設されました。当時の院長、阿部義宗先生の「小さいときからキリスト教にふれて育った人たちが、青山学院の精神や考え方が身についた人となる」という信念にもとづいていました。

 しかし、戦雲急を告げる時代、キリスト教を教えることはできなかったため、初代校長の米山梅吉先生は毎週月曜日の朝礼で、一つのことだけを話し続けられました。それは聖書の聖句「人びとにしてほしいとあなたがたの望むことを、人びとにもそのとおりにせよ」を読むことでした。

 初等部の教員は今、8割方がクリスチャンですが、学校では「キリスト教の香りがする教師」でありたいと願っています。そして「正しい教育」をすることが、私たちの責務だと信じています。

検定GO!:ご当地編 久留米ほとめき人

 中村八大の作曲した曲が第1回レコード大賞を受賞しています。どの曲ですか。

A こんにちは赤ちゃん

B 上を向いて歩こう

C 遠くへいきたい

D 黒い花びら

 (第2回検定問題より)

==============

 《久留米ほとめき人検定》

 【目的】久留米を来訪する方々への「もてなしの心」を育てる/出題形式・選択式/受検料・無料/問い合わせ・久留米観光コンベンション国際交流協会0942・31・1717(解答はD)

「上りチョウシ」を身につけて 銚子電鉄が合格祈願切符

 銚子電鉄の合格祈願切符の販売が始まった。上下・往復の硬券1枚ずつの3枚組み計720円に加え、今回は五角形型絵馬を台紙にあしらった。合格したあかつきには、銚子電鉄に乗って「絵馬の奉納」に来てほしいとの願いを込めたという。

 合格祈願切符販売は4年前から。「上り調子(銚子)」「本調子(本銚子)に」など駅名で語呂合わせした。台紙中央の小さな絵馬を切り取って、最もふさわしい切符1枚を張って身につけ、本番の試験では「上り調子」や「本調子」などと心の中で3回繰り返すことも呼びかけている。

 仲ノ町、観音、笠上黒生、犬吠、外川の各駅などで売られている。郵送希望の場合は代金と郵送料(4セットまで120円)を現金書留にし、〒288・0056の銚子市新生町2の297、銚子電鉄乗車券係まで。問い合わせは同電鉄(0479・22・0316)へ。

2008年12月13日 (土)

【大分教員汚職】人事管理を新課で一元化 汚職事件受け大分県教委

 大分県教育委員会は12日、臨時会を開き、義務教育課など3課に分かれている人事管理を一元的に行う「教育人事課」を来年1月に新設することを決めた。特定の担当者に権限が集中したことが教員汚職事件の温床になったとの指摘を受け、一元化により透明性を高めるのが狙い。

 県教委によると、現在は総務課が県教委、義務教育課が小中学校、高校教育課が県立学校と特別支援学校の人事を担当している。

 教育人事課は課長の下に3部門の人事班を設置し、各人事班の調整役として「人事管理監」のポストを新設する。県教委と教職員の人事交流も促進する方針。

 一連の汚職事件を受けて県教委調査班が取りまとめた再発防止策に基づく取り組み。

大分県教委の教員採用汚職:佐伯市の校長・教頭昇任、教組が推薦リスト

 大分県佐伯市の武田隆博教育長は11日、教職員の管理職昇任試験前に同市校長会と県教職員組合佐伯支部から「推薦リスト」が提出されていたことを市議会一般質問で明らかにした。大分県の教員汚職事件では、昇任試験に絡んで佐伯市内の元教頭2人=ともに懲戒免職=が贈賄罪で起訴されている。今年度の試験では、リスト提出はなかった。

 事件を受け、県教委の改革担当プロジェクトチームが8月末にまとめた調査報告書は、昇任試験で不正が行われた背景として「校長会や教組支部役員らが、候補者リストを教育事務所などに持参していた」と指摘しており、その結果を裏付ける形になった。

 武田教育長によると、リストの提出は、教育長就任後の05〜07年度の3年間。校長会は校長と教頭、教組支部は教頭の候補者氏名と所属学校名が記されていた。事件後、校長会は「疑われることはやめたい」として提出せず、教組支部からも提出されていない。

 自身も校長会長を務めたことがある武田教育長や校長会関係者によると、リストは毎年作られ、年齢や指導力、企画力などの経験などで順番に並べられたという。関係者は「(県教委に推薦する)教育長も全員を知っているわけではないし、参考資料だ」と言う。武田教育長も「(学校から上がってくる)願書との照合に使った。県に推薦する際は、主体的、総合的に考えた」と述べ、リストは決定に影響していないとの考えを強調した。

 教組佐伯支部はリスト提出を認めたうえで「教頭にふさわしいとして推薦した。受験者全員を組織として公平公正に推薦しており、口利きではない」としている。

関東私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

書いて実感 ネット中傷

 模擬掲示板 高校生「嫌な気分」

 インターネット上の掲示板に悪口を書かれたら、どんな気持ちになるか――。

 生徒自身に実際に悪口を書き込ませ、「情報モラル」について考える授業が帝塚山学院泉ヶ丘高校(堺市)で行われている。中高生向けの「学校裏サイト」が広がる中、相手の顔が見えないためにエスカレートしやすい「ネットいじめ」に歯止めをかける取り組みだ。

 「キーボードと画面ばかり見てたら、忘れがちやけど、人間を相手にしているんやで」。先月行われた高校1年の「情報A」の授業。ひときわ大きな声で訴える糸川潔教諭(51)に生徒31人の視線が集まった。

 利用するのは、糸川教諭が考案した「模擬掲示板システム」。書き込み方法や見た目は通常の掲示板と同じだが、ネットとは接続されておらず、文章の送信作業を行うと、その文章が目の前のパソコン画面にだけ表示される仕組みだ。

 「○○は虫けら」「○○の顔は吐き気がするほどひどい顔。死ね」――。糸川教諭は実際にあった書き込みを参考に用意した文章を配り、各自に打ち込むよう呼びかけた。生徒らが書き込み、送信キーを押すと、その内容が画面に現れた。

 「自分の名前が入っていたらどんな気持ちになる? 画面の向こうに生身の人間がいることをわかっといてや」。糸川教諭はそう繰り返した。授業後、田口湧基さん(15)は「嫌な気分になった。学校に行けなくなる気持ちも分かる気がした」と話した。

 糸川教諭はこれまで、文書作成や表計算、ネットでの検索などパソコンの利用法を教えてきた。ところが、ネットやメールでのいじめが全国で頻発したことから、「便利さの裏にある危険な面も教えないと」と思うようになったという。

 文部科学省によると、全国で3万8000件以上の裏サイトが確認され、半数で個人を中傷する言葉が書き込まれていた。同省が11月に発表した「2007年度問題行動調査」でも、いじめの件数自体は前年度より約2割減少したにもかかわらず、ネットいじめは1000件以上増えて5899件に上った。

 「全国webカウンセリング協議会」(東京都)の安川雅史理事長は「書くことへの罪の意識を持ちにくいのが掲示板の特徴で、言葉の残酷さを実体験させるのは有効な方法。ネットいじめはどこでも起こりうるという危機感を持つことが大切だ」と話している。

高卒認定試験、最高齢は79歳 第2回、5496人合格

 文部科学省は12日、11月に実施した平成20年度第2回高校卒業程度認定試験(旧大検)で5496人が合格したと発表した。平均年齢は20.5歳で、最高齢者は79歳だった。

 合格者は男性が3020人、女性が2476人。少年院などの矯正施設での受験者は73人が合格した。

 最終学歴別でみると、高校中退が58%を占め、全日制の高校生19%、定時制・通信制の高校生9%、中卒8%だった。

 20年度の合格者は8月の第1回試験と合わせて1万1052人で、19年度より180人増加。矯正施設での受験者は計174人が合格した。

教科書検定:制度改定案了承 一学説の断定認めず−−教科書審の合同部会

 文部科学省は11日、教科書検定制度の透明化などを盛り込んだ制度改定案をまとめ、教科用図書検定調査審議会の合同作業部会で了承された。案には「定説とされる学説が確定していない場合、複数学説の一つのみを断定的に記述すること」を認めないことなどが新たに明記された。

 「公正・中立な記述」の基本方向に関し、新学習指導要領に「愛国心」について記載されていることを挙げ「これらの方針や目標を踏まえバランス良い考え方を身につけられるような教科書」が求められると例示した。

 沖縄戦の集団自決を巡る06年度検定では、「軍の強制」の記述に文科省が検定意見を付けたが、学説が確定していないことなどが背景にあった。例示には、歴史認識などを巡る記述に対し、文科省の意向をより強く反映させていく狙いもあるとみられる。

江藤元参事に有罪判決 大分県教委汚職

 大分県教育委員会の一連の汚職事件で、3件計610万円分の収賄罪に問われている元県教委義務教育課参事、江藤勝由被告(53)=懲戒免職=に対し、大分地裁(宮本孝文裁判長)は12日、懲役3年執行猶予5年、追徴金610万円(求刑懲役3年、追徴金610万円)を言い渡した。宮本裁判長は「採用試験などの公正さがゆがめられた。社会の失望は大きい」と指摘した。

 8人が起訴された一連の事件で判決を受けたのは、いずれも有罪判決が確定した浅利幾美・元小学校長(53)と二宮政人・元県教委教育審議監(62)に次いで3人目。

 江藤元参事は、教員採用試験や校長・教頭昇任試験の実務を担当し、試験の得点改ざんの実行役を務めたとされる。公判では、上司だった二宮元審議監や現職の教育審議監、富松哲博被告(60)=起訴休職、収賄罪で公判中=から特定の受験者を合格させるよう指示されたと供述した。

 公判で弁護側は「県教委に横行した口利きの実態がなければ、採用試験の得点を操作してわいろを受け取ることもなかった」と述べ、事件は組織的な不正の一端にすぎないと主張して情状酌量を求めた。これに対し検察側は、口利きにより採用や昇任がゆがめられてきた県教委の体質が事件の背景にあるとしながらも、江藤元参事について「上司の指示とは別に個人的に受験者を優遇しており、罪は軽減されない」と指摘した。

 判決によると、江藤元参事は07年度の教員採用試験で、元義務教育課参事、矢野哲郎(53)、妻かおる(51)両被告=いずれも懲戒免職、贈賄罪で公判中=の長女の合格に便宜を図った謝礼として商品券100万円分を受け取った。08年度の採用試験では、浅利元校長の長男と長女に関して商品券100万円分と現金300万円を受け取った。

 また、08年度の校長・教頭昇任試験で合格に便宜を図った謝礼などとして、元小学校教頭の渡辺洋一(50)、広瀬忍(50)両被告=いずれも懲戒免職=と元小学校長=起訴猶予=の3人から商品券計110万円分を受け取った。

園児の3割、視力「1.0未満」…外遊びしないから?

 視力が「1・0未満」の幼稚園児が3割に迫ることが11日、文部科学省の学校保健統計調査でわかった。ぜんそくの園児の割合も2・7%に上り、ともに調査項目に加わって以来、最高を更新。

 視力の低下はテレビやゲーム機器、ぜんそくはハウスダストなどの影響とみられ、同省は「外で遊ばず、家にいる時間が長いのが要因」と分析している。

 調査は、今年4〜6月に健康診断を受けた全国の幼稚園児と小中高校生から、約330万人のデータを抽出した。

 それによると、視力が「1・0未満」の園児の割合は、前年度比2・7ポイント増の28・9%で、視力調査が始まった1979年度(16・5%)の2倍近くとなった。子供の視力の低下傾向は続いており、「1・0未満」の小学生は29・9%(前年度比1・8ポイント増)、中学生も52・6%(同1・4ポイント増)と、ともに過去最高。今回の調査では、視力低下の低年齢化がさらに進行していることを裏付けている。

 一方、ぜんそくの園児の割合は、2・7%(同0・4ポイント増)と67年度以来で最も高かった。小学生(3・9%)より割合は低いものの、この10年で倍増しており、中学生(3%)に迫る勢いで増加した。

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「小中学生は携帯不要」 長野市長「困った社会だ」

 長野市の鷲沢正一市長は11日の定例記者会見で、小中学校への携帯電話の持ち込み問題に関連し「小中学生が携帯電話を使う必要性は全くない。学校を出て家に帰ってから使うことも反対」と述べた。

 鷲沢市長は理由を「いろいろな面で危険性が大きく、コミュニケーションにマイナスになる」と説明。「デパートやスーパーが『携帯電話に小遣いを吸い上げられた』と嘆いている。携帯電話一人勝ちの世界になって、困った社会だ」と述べた。

 携帯電話をめぐっては、大阪府の橋下徹知事が公立小中学校への持ち込みを禁じるアピールを発表。各地の知事や市長から発言が相次いでいる。

市岐阜商移管問題:立命館移管、市議会は不採択

 岐阜市議会は11日、学校法人「立命館」(京都市)が岐阜市に提案していた市立岐阜商業高(市岐阜商)の立命館への移管に反対する市民が提出した「市岐阜商の当面の存続を求める請願」を採択し、移管派の「立命館の誘致を求める請願」を不採択とした。少子化による生徒減が予想される中、細江茂光市長自らが、財政的な理由と有名私立学校への移管による効果をうたって推進。学校再編の選択肢として注目されていたが、細江市長は方針転換を迫られることになった。

 市によると今年3月、市教委が市岐阜商について「廃止もやむを得ない」との結論を出し、6月に細江市長が「移管は最善の選択」と表明した。

教科書検定の「公開」など大筋了承 審議会部会

 文部科学相の諮問機関・教科用図書検定調査審議会(検定審)は11日、総括部会を開き、教科書検定の議事概要や文科省の教科書調査官の意見書を検定終了後に公開すること、学習指導要領の枠を超える「発展的な学習内容」を教科書に盛り込む制限枠を外すことなどを盛り込んだ報告案を大筋で了承した。25日に検定審本体の会合で正式決定する予定だ。

 検定に透明性をもたせる議論は、高校日本史で沖縄戦の集団自決に関して「日本軍の強制」の記述を軒並み削らせた過程が不透明だという批判が発端となって始まった。これまで表に出なかった調査官の意見書や検定審の議事概要を事後的に公表する方向になったが、審議自体は非公開のままで、すべての検定作業が終わってからでないとわからない状態は解消されていない。

 これに対し、子どもと教科書全国ネット21や日本出版労働組合連合会など5団体は、「検定過程の密室性という問題をなんら解決していない」などとして白紙撤回を求める共同声明を発表。塩谷文科相に要請文を送った。

 「発展学習」はこれまで、教科書に盛り込む分量について「義務教育1割、高校2割程度」として運用されていたが、来年度の検定からこの上限を外す。

「オノ・ヨーコ展」学生が企画…学習院女子大

 「観客参加型」の5作品

 学習院女子大学(東京・新宿区)で、学生たちが企画運営するオノ・ヨーコ「平和の鐘」展が10月下旬から開かれている。作者のコンセプト(概念)を基に学生が展示作品を制作した。先月はオノさんも講演に訪れ、多くの学生と交流した。

 同大は今年、短大から4年制になって開学10周年を迎えた。そこで国際文化交流学部の清水敏男教授(美術評論家)が学生と相談し、記念事業として学習院で学んだ先輩にも当たるオノさんの個展を企画した。

 「4年前に美術館でオノ・ヨーコ展を見た学生たちの反応がとても良く、オノさんとも『いつかやりましょう』と話していた」と清水教授。学部生と大学院生の約30人が実行委員会を作り、オノさん側の了解も得た。

 展示制作、広報、子供向け教育プログラム、関連行事を学生が分担。美術や音楽など文化事業を運営する「アートマネジメント」に関心を持つ学生も多く、貴重な実地体験になった。

 実行委員長の大学院1年、酒匂(さこう)まどかさんは「観客が参加することで完成する作品です」と説明する。木に願いを書いた紙片を結び付ける「Wish Trees」(願いの木)、壊れたカップやポットを観客が直す「Mend Piece」など展示作品は五つ。「平和の鐘」は永井和子学長の助言で、かつて女子中・高等科で使われ、オノさんも聴いた鐘を利用した。

 先月26日には約800人を集めた講演会を開いた。「みんなが自分らしく生き、それに充実感を覚えていれば世界は平和になる」。個人と社会のつながりへの想像力を促したオノさんは、「幸せって何ですか」といった学生の率直な質問にも、「一番大事なのは自分がしたいと思うことをして、それに罪悪感を感じないこと」などと語った。

 広報の大学院1年、安達桃代さんは「ヨーコさんや実行委員の思いを私が代弁するのかと思うと、大変なプレッシャーだった。初めての体験で学んだことは数え切れません」と話していた。1月25日まで。一般公開は日曜と祝日(23、28日と1月1、4日を除く)。

2008年12月12日 (金)

「志学」で職業教育日本一へ 大阪府教委

 大阪府教育委員会は、キャリア教育や道徳教育を専門的に行う独自の授業「志(こころざし)学」を平成23年度からすべての府立高校で実施する方針であることが11日、分かった。橋下徹知事が学力向上と並ぶ教育施策の柱に位置づける「職業教育日本一」を実現するための取り組み。公立小中学校にも同様の授業を導入し、小中高一貫のキャリア教育を目指す。

 府教委によると、「志学」の授業は各校が独自に設けている「学校設定教科」の枠内で実施。21年度からの2年間にいくつかの学校で試行的に授業を行い、教材やカリキュラムを開発する。内容は、希望する仕事に応じた職場体験などが検討されている。

 あわせて小中学校でも「志や夢をはぐくむ」との目標を据えた授業を導入。総合学習の時間などを利用し、人間関係を築くための体験活動などを行う。

 これらのプランは、12月末に策定される今後10年間の教育施策の基本方針「『大阪の教育力』向上プラン」に盛り込まれる見通し。府教委高等学校課は「規範意識を身につけ、将来について考える機会を小中高校を通じて設けることで、子供たちの自立を促したい」としている。

 橋下知事はこれまで、学力向上の重要性を訴える一方で「これからは『いい学校を出ていい会社に…』という時代ではない。進学以外のさまざまなルートを用意できるようにしたい」と主張していた。

東京外国語大:円高で私費留学生30人に奨学金−−国立大初

 東京外国語大(亀山郁夫学長)は10日、円高による外国人留学生の生活苦を和らげるため、私費留学生30人に10万円の奨学金を支給することを決めた。早稲田大なども留学生対象の緊急支援策を決めているが、国立大では初めてという。

 東京外大の留学生は57カ国505人。学生全体の13%を占め、国立大では最も比率が高い。奨学金の対象は、対円の為替レートの下落率が大きい韓国やインドネシア、ユーロ圏からの私費留学生118人。本人の申請に基づいて学部生と院生から15人ずつ選び、来年3月までに支給する。財源には寄付金を積み立てた基金を充てるという。

「なぜ見せたくない」ロンブー淳、PTAとラジオで議論

 PTAとロンドンブーツが初対話――。日本PTA全国協議会が保護者らを対象に行う意識調査で5年連続「子どもに見せたくないテレビ番組」第1位の「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)。司会のお笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の一人、田村淳さんがDJを務めるラジオ番組に、同協議会の加藤秀次専務理事がゲスト出演し、丁々発止の議論をした。ラジオ番組は11日夜9時から放送される。

 番組は文化放送の「News CLUB」で、番組の企画に協議会側が応じ、8日に収録が実現した。田村さんは「過激な番組は他にもあるのに、なぜそれほどこの番組を見せたくないのか」と質問。加藤さんは、多人数で一人を攻撃したりセックスの話が出てきたりする点などを挙げ、「家族でテレビを見ていて、父親が突然せき払いし、母親が台所へ立つような番組は困ることを知ってほしい」と答えた。

 話がはずみ、田村さんが「PTAと言えば取り締まり、みたいなイメージが変わった。僕なりの『子どもとメディア論』を話したい」と持ちかけると、加藤さんは「(PTAの)全国大会などでパネリストに来ていただきたい」と快諾した。

 約1時間半の収録を終えて、田村さんは「お互いに言い分は分かったという感じ。でも番組内容を変えるとか、『和解』にまでは至っていません」。

室温36度「我慢実験」、生徒37人缶詰め…長崎の中学

 長崎県大村市立西大村中(川端利長校長)で今年8月、同市教委が窓を閉め切った会議室に生徒37人を集め、扇風機だけで暑さに耐えて授業を受けることが出来るかどうか調査していたことが分かった。

 室温は36度に達し、女子生徒1人が体調不良を訴えたという。

 市教委によると、西大村中は校舎の耐震化工事で、教室の窓が開けられなくなるため、クーラー設置を市教委に要望。しかし市教委は「予算がない」と扇風機で代用できるかどうか調べることにした。夏休み中の8月8日、部活動で登校していた生徒らに協力を求め、教室と同じ広さの会議室で室温の推移を測定した。

 午後1時50分頃、生徒を室内に入れ、扇風機5台を回したが、1人が「息苦しい」と訴えたため、50分間予定していた調査を約30分で中止したという。

 その後、市教委は耐震化工事で余った予算からクーラーのレンタル料約900万円を工面。8月末から1か月半の間、1〜3年生の教室などに22基設置した。

 10日の市議会一般質問で「人体実験では」と指摘を受けた松本崇市長は「健康、安全、人権を最優先すべきだった」と謝罪した。

【教育】国際数学・理科教育動向調査 日本の子供の弱点浮かぶ

 小学4年と中学2年を対象に基礎学力を測る「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」では、どんな問題が出題されたのか。学校生活や日常場面で計算力などを問う問題が出題され、ほとんどの問題は国際平均を上回ったが、算数・数学で文章題が苦手な傾向や理科で混ざった物質を取り出す実験の記述問題に苦戦するなど、日本の子供の学力の弱点が浮かんだ。

 【小4算数】猫の体重は?文章題苦手

 1位香港(607点)、2位シンガポール(599点)に対し、4位の日本は568点と離された。

 「4」→「9」、「5」→「11」、「8」→「17」の数の変化の「きまり」(2倍にして1をたす)を書かせる問題は正答率38%で国際平均(同15%)を大幅に上回った。4年前の前回調査ではこの問題の成績が悪かったが今回は11ポイントアップした。

 単純な計算はできる日本の子供たちも文章題になると苦手な傾向は変わらず、体重57キロの子供が、猫を抱えて体重計が62キロのとき、猫の体重を問う問題は正答率83%。国際平均(同60%)を上回ったものの、台湾(同95%)と差があった。40人のクラスの男女の数を示した円グラフ、棒グラフから人数の差を読み取る問題は正答率41%でシンガポール(同63%)との差が大きい。

 【小4理科】ヒマワリの成長は…推論記述に課題

 日本は548点で4位に落ちた。トップのシンガポール(587点)と比べ、差が大きい。

 金属の定規の端をロウソクで熱し、バターではり付けた豆が落ちる順番を聞き、熱の伝わり方を問う実験の問題は正答率92%。ガが卵から成虫になるイラストで「幼虫」「さなぎ」など成長段階を聞く飼育・観察の問題も93%といずれもトップの成績。

 だが、原因を推論して記述する問題には課題が。例えば「たろうさん」「はなこさん」2人の子供が育てたヒマワリのイラストをみて、成長の違いからその原因を書かせる問題は正答率49・2%で国際平均63・5%と比べ低い。正答例は「たろうさんは日にあてて育てた」などだが、「たろうさんは−」という主語を省いた解答が×になるケースがあり、主語、述語がはっきりしない日本語特有の事情も。

 【中2数学】値段の方程式…応用問題に難

 日本は570点で5位。台湾(598点)、韓国(597点)、シンガポール(593点)の上位3位から開きがある。

 図形の角度を求める問題は、直角三角形や二等辺三角形の角度の性質を応用し、難易度が高い問題とされたが正答率71%でシンガポール(同75%)などとともに国際平均(同32%)を大幅に上回った。

 やはり文章題は苦手。「ペン1本は鉛筆1本の値段より1ゼッド高い」「ペン2本と鉛筆3本で17ゼッド」の条件から「ペン1本と鉛筆2本で何ゼッドか」を求める方程式の応用問題は正答率42%。国際平均(同18%)を上回ったが、台湾、韓国(同68%)と比べるとできが悪い。「60ゼットのコートが30%引き」で割引額を聞く問題も正答率50%で、上位のリトアニア(同68・4%)、シンガポール(同67・3%)と差がでた。

 【中2理科】食塩どう取り出す…記述できず

 日本は554点。シンガポール(567点)、台湾(561点)に続き3位。前回(552点、6位)から順位をあげたものの得点はあまり変わらない。

 成績が悪かったのは混合物から物質を取り出す実験方法を聞いた化学の問題。袋からこぼれた食塩が砂や落ち葉と混ざったことを想定し、食塩だけを取り出す方法を記述するものだが、正答率は21・5%にとどまった。国際平均は11・5%と難問だったが、韓国(同42・9%)やシンガポール(同37・9%)と比べると低い。

 環境分野でも課題があり、地球温暖化に関する問題は授業などで取り上げる機会が多く、正答率が上がったが、タンカーなどから海への石油流出に対処するための科学技術について書く記述式問題は、正答率12・6%(国際平均17・2%)と低かった。

2008年12月11日 (木)

密室に生徒37人入れ耐暑実験 市「冷房必要か調べた」

 長崎県大村市教育委員会が今年8月、市立西大村中学校(川端利長校長)で、閉め切った会議室に生徒37人を集め、どれほどの暑さまで耐えて授業が受けられるか調査をしていたことがわかった。室温は36度に達していた。校舎の耐震化工事で窓を開けられず、教室へのクーラー設置を要望していた同校の実態を調べる狙いがあった、と市教委は説明する。だが、暑さのために気分が悪くなった生徒もおり、保護者の間から疑問の声が出ている。

 10日の市議会一般質問で村崎浩史議員が指摘。市側が事実関係を認め、謝罪した。

 市教委などによると調査は8月8日午後1時50分ごろ、部活動で登校中の生徒を集めて実施した。授業1コマ分50分間の予定で、室内に扇風機5台を置き、市教委の担当者が室温を2回測定した。不調を訴える生徒も出て、30分ほどで打ち切ったという。

 関係者によると、同席した川端校長は調査の冒頭に、「我慢するな。きつかったら会議室から出なさい」と生徒に伝えた。1人が「息苦しい」と訴えたため、校長が打ち切ろうとしたが、室内にいた市教委の担当者は「もう少し時間をください」と校長に続けるよう求めたという。

 耐震化工事は7月に始まり、同校の要望は騒音や粉じん防止のためだった。調査後、市教委が「暑い」と判断。8月下旬〜10月上旬のクーラーレンタル使用料として約900万円を予算化し、22の部屋に設置した。

 議会では、松本崇・大村市長が「市教委は財政を心配してクーラーより扇風機を使った方がよいと考えたのだろうが、不適切な結果となり、申し訳なかった」と謝罪した。

 川端校長は「クーラーを設置する予算を確保するには裏付けのデータが必要と思い、やむを得なかった。安全には配慮したつもり」と話した。

都内公立中の部活動、毎年200以上が休部や廃部

 顧問転勤、後任なく

 東京都内の公立中学校約640校で行われている部活動のうち、運動部を中心に毎年200部以上が、顧問の教諭の異動など学校側の事情が理由で休部や廃部していることが、都教育委員会の初めての調査でわかった。

 生徒の意思にかかわらず、部活動が休廃部に追い込まれていることになる。都教委は「非常に深刻な事態」と憂慮しており、校外指導員の活用など対策の検討に乗り出した。

 都教委は、部活動の状況を把握するため、2006年度から全公立中を対象(中高一貫校などを除く)に調査を開始。その結果、06年度220部、07年度222部、08年度は220部が、「学校側の事情」で休廃部していることが判明した。この間、復活する部もあり、部活の総数は8376〜8463で推移している。生徒が途中で転部を余儀なくされたり、部活動そのものをやめたりするケースがあるという。

 内訳は調べていないが、ソフトボールや柔道、バドミントンなどの運動系や、文化系の吹奏楽部などが休廃部したとみられる。

 部活の顧問は、各教諭が学生時代の運動歴などをもとに、各校長に、どの部を担当したいか志願して決まる。都中学校体育連盟によると、競技人口が少ないソフトボールや、練習中の事故が心配される柔道部は、指導者のなり手が少ないという。週末の試合の引率などを負担に感じ、顧問を引き受けたがらない教諭が、若手を中心に増えていることも、一因とみられている。

 都中体連会長も務める、練馬区立中村中の足立和明校長は「指導者が少ないスポーツでは、後任の顧問がみつかりにくい」と指摘する。同中では05年度、教諭の異動により、ソフトボール部と柔道部が廃部になった。足立校長は「異動は教科で決まる。校長が『ソフトボールを指導できる教諭を』と要望しても、かなわないケースが多い」という。

 短・長距離走、幅跳びなど、異なる種目を行う陸上部も、指導者が少ない部活動の一つだ。瑞穂町立瑞穂第二中は今年4月、顧問教諭の異動で廃部になっていた陸上部を3年ぶりに復活させた。体育科教諭と、陸上の指導技術を持つ大学院生の外部指導員を確保した。神成真一校長は「2人体制ならば、教員が異動しても、廃部せずに済む」という。

 日本中学校体育連盟によると、運動部系の加盟生徒数は今年度は233万9491人。03年度以降の5年間で10万人以上減ったことになる。都教委は「部活動は中学校生活の重要な場所で、うまくいかないことで不登校になることもある。維持・存続に力を尽くしたい」と話している。

留学生に10万円 東京外大 円高対策で支援

 東京外語大(東京都府中市)は10日、円高で生活に影響が出ている韓国などの私費留学生を支援するため、計30人に返済不要の奨学金各10万円を来年3月までに支給すると発表した。

 大学によると、対象となる大学生と大学院生は計118人で、国別では韓国が107人、インドネシア3人、ネパール2人、ドイツ、アイルランドの各1人など。受給者については生活の困窮状況を踏まえ、今後選定する。

職員会議:挙手禁止通知巡って評論家・尾木さん痛烈 「都教委は反社会的組織」

 「東京都教育委員会は反社会的組織じゃないか」。教育評論家の尾木直樹さんが9日、都庁で開いた記者会見で、都教委の姿勢を酷評した。職員会議での挙手・採決を禁じた通知を巡り、都教委が都立三鷹高校長の土肥信雄さんや尾木さんらが呼びかけた公開討論に応じないまま「通知に問題なし」と結論づけたことを受けた発言。尾木さんらは改めて公開討論を求める要請書を提出した。

 会見で尾木さんは、都教委について「上意下達のヒエラルキー(支配制度)が確立した反社会的組織になってしまっている」と批判。都教委が都立校の校長、副校長の考えを聞いただけで「通知は言論の自由を奪っていない」と結論付けたことも「自己満足にすぎない」と切り捨てた。

日本の子どもの得点微増 数学・理科の国際調査

 延べ59カ国・地域の小学4年生と中学2年生を対象に、国際教育到達度評価学会(アムステルダム)が07年に実施した算数・数学と理科の学力調査結果が発表された。前回03年は中2数学の平均点が前々回から9点下がるなど落ち込みが目立ったが、今回は各教科とも前回と同じか2〜5点の微増。順位は中2理科で6位から3位に上がる一方、小4の算数と理科は3位から4位に落ちた。中2数学は前回と同じ5位だった。

 03年調査と同じ問題の正答率が0.7〜1.9ポイント上がっていることもあり、文部科学省は「学力低下に歯止めがかかった」と評価している。一方で、専門家には「判断するのは時期尚早だ」と慎重な見方がある。

 調査の名称は国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)。問題は基礎学力をみるものが中心で、全体の平均点が500点になるよう換算されている。

 日本の小4算数の平均得点は568点で前回03年より3点増。1位の香港とは39点差だった。小4理科は548点で5点増、1位のシンガポールとは39点差。中2では、数学は570点で前回と変わらず、理科は554点の2点増。1位国との差はそれぞれ28点、13点だった。

 得点で4分割した最も高得点の層(625点以上)の割合は、小4の算数23%、理科12%、中2数学26%、理科17%。四つの調査中二つで世界1位だったシンガポールと比べると、こうした高得点層の割合は2分の1から3分の1程度にとどまっている。

 学力問題以外では、小4で算数の勉強が「楽しい」と思っている子どもは70%と前回より5ポイント上がったが、世界平均よりはなお10ポイント低い。理科は87%で6ポイント上がり、世界平均よりも4ポイント高かった。

学習意欲低い、日本の小中学生…国際理数科の教育動向調査

 テスト成績は両科とも5位以内

 国際教育到達度評価学会(本部・アムステルダム)は、世界の小中学生を対象に実施した「国際数学・理科教育動向調査」の結果を発表した。

 先進国がこぞって参加する中で、日本の小中学生は、テスト成績では両科とも5位以内に入ったものの、学習意欲は最低水準だった。理数強化をうたう新学習指導要領の一部が来年度から前倒しで実施されるのを前に、「やる気」をいかに引き出すかという課題を浮き彫りにした。

 調査は2007年春に実施。日本での小学4年と中学2年に当たる児童・生徒が対象で、小学生は36の国・地域の約16万人、中学生は48の国・地域から約21万6000人が参加した。

 日本のテスト成績は、中学理科が前回03年調査の6位から3位に上がり、数学も5位(前回5位)に踏みとどまった。小学生は算数と理科がいずれも4位(同3位)で、前回並みの成績だった。文部科学省は「理数離れに歯止めがかかった」とみている。

 一方、テストと同時に行われた学習環境調査では、日本の中学生の学習意欲の低さが目立った。「勉強が楽しい」と答えたのは、中学理科が59%(国際平均78%)でワースト3位に。数学も40%(同67%)でワースト6位という低迷ぶりだった。成績の良い国ほど勉強を面白くないと思う傾向は見受けられるものの、中学理科の「日常生活に役立つか」との問いでは、日本が最下位で、国際平均より31ポイントも低い53%だった。

 小学生も、「勉強が楽しい」とする回答は算数で70%で国際平均(80%)を下回っていたが、理科は87%で国際平均(83%)を超えていた。

 国際数学・理科教育動向調査 学習理解度を世界各国が同じ問題で測る調査。1964年開始。日本は初年度から参加し、70年代、80年代は理数とも1位になったこともある。

「勉強楽しい」は日本最下位 中2のTV視聴は最長

 小中学生の理数系の成績は国際調査で5位以内と優秀だが、「勉強は楽しい」は最下位レベル−。10日付で発表された「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS2007)で、こんなアンバランスな結果が出た。03年の前回より改善傾向はみられたが、特に中2でギャップが顕著。識者らは「授業方法に問題がある」と指摘し、子供の体験や発見を重視した指導が必要としている。

 算数・数学で「勉強が楽しいか」という問いに「強くそう思う」と回答したのは小4で34%で、36カ国・地域中32位。中2ではわずか9%で、48カ国・地域中46位と低迷した。「そう思う」を合わせた肯定的な回答は小4で7割に達するが、中2では4割にまで落ち込む。

 「数学を勉強すると日常生活に役立つ」に「そう思う」とした中2は71%(国際平均90%)で47位。それでも03年よりは8ポイント向上していた。

 算数・数学教育に詳しい筑波大の坪田耕三教授は、好成績とのギャップについて、「日本の子供たちは公式の丸暗記より『なぜ』を大切にした面白い勉強があることに気付いているのに、授業が対応できていないことが『楽しくない』理由では」と推測。「ただ解説するだけでなく、子供とやりとりし、発見を生かす授業が必要だ」と話す。

 理科では、「勉強が楽しいか」の問いに小4の57%が「強くそう思う」と答え、国際平均の59%と同水準。ところが、中2では18%に落ち込み、国際平均の46%と大きな差が出た。

 総合学習でビオトープ作りなど理科教育に力を入れる東京都新宿区立戸塚第二小の川越秋広校長は「楽しさ」の低下について「自然事象に触れるといった体験不足が原因」と指摘。「中学校では“黒板理科”になりがちで、外の世界とのつながりが切れてしまう。新しい学習指導要領で内容が増えるのはいいが、小中連携で理科イベントを行うなど、子供たちに理科の楽しさを伝える工夫が必要だ」と話している。

        ◇

 TIMSSでは、学校外での時間の過ごし方も調査。日本の中2はテレビ視聴時間が1日2・5時間で、参加国・地域中で最も長く、小4も2・0時間で、シンガポールに次ぐ2位だった。

 対照的に「家の仕事をする」は小4が0・8時間で最も短く、中2も0・6時間でアルジェリアに次いで2番目に短かった。

受験生応援商品:食品メーカー、手堅い人気で戦争過熱

 受験シーズンを前に、食品メーカーが競って受験生応援商品を発売する。桜の花をデザインしたり、「大吉」のおみくじをつけたりと趣向はさまざまだが、ここ数年、縁起をかつぐ受験生に根強い人気。消費低迷の中、手堅く稼げる商品として定着しつつある。

 応援商品のはしりは、ネスレのチョコレート「キットカット」。九州の方言「きっと勝つとぉ(きっと勝つよ)」に響きが似ていることから話題になり、ネスレは03年の冬からマフラーとのセットなどの応援商品を毎年販売。キットカットは「4人に1人がお守り代わりに持っていくほどの人気」(広報担当者)となり、07年の売上高は02年の約1・5倍に伸びたという。この冬は金星をつかむとの思いを込め、サツマイモの人気品種「なると金時」のクリームを練り込んだ「大学いも味」=(希望小売価格136円)を29日に発売する。

 04年から受験の応援商品を販売する永谷園も、「お茶づけの素」の増量サービスとして、パッケージ裏面に「大吉」「大大吉」のおみくじがついた「カレー茶づけ」1袋が入った商品=を22日に発売する(同231円)。カレーは「受かれー」の語呂合わせだそうだ。ポッカコーポレーションは15日、紅白柄に満開の桜をデザインしたスープ2種(同241円)を発売する。永谷園やポッカは夜食需要を見込んでおり、「受験生に夜食で食べてもらって、売り上げは堅調」(永谷園広報室)と今年も期待している。

10年新卒採用 「減る」15%「変わらない」50%

 10年春の大学生・大学院生の新卒採用数を減らす予定の企業が前年より増加し、増やす予定の企業を上回っていることが、リクルートの調査で分かった。景気後退の影響が新卒採用にも及び始めていることがうかがえ、学生の就職活動も厳しさが増すことが予想される。

 調査は従業員5人以上の民間企業7260社を対象に行い、3118社から回答があった。10年の新卒採用見通しでは、「増える」が8.3%(前年18%)にとどまる一方、「減る」は15.7%(同6.8%)にのぼり、前年から割合が逆転。「変わらない」は50.6%、「わからない」は25.1%だった。

 業種別にみると、医療・福祉などを除いて軒並み「減る」が「増える」を上回った。特に「減る」が目立つのは不動産業(25.5%)で、製造業・機械(21%)、小売業(19.6%)が続く。同社は「潜在的な採用意欲はあるため、極端に採用数を減らすことはないだろうが、厳選採用の流れはさらに強まるのではないか」としている。

全米ナンバーワン教師来日…表現する物理実験

 米国で今年のティーチャー・オブ・ザ・イヤー(全米最優秀教師)に選ばれたオレゴン州の理科教師マイケル・ガイセンさん(35)が先月、国際教育交流馬場財団の招きで来日、静岡市立高松中学校でモデル授業を行った。

 道具を使うだけでなく、生徒自身がものになったつもりで動くなど実験に工夫を凝らし、最後まで生徒を引きつけた。

 「ここは宇宙空間です。二つのボールはどうなりますか」。3年生を対象にした授業で、ガイセンさんは、教室の中央に出てきたほぼ同じ体格の2人の生徒に話しかける。生徒は宇宙に浮かぶ2個のボール役だ。それぞれに働く重力でどう動くか考え、表現するのが課題。2人はゆっくり歩み寄り、真ん中でぶつかる。「いいね。でもそれだけかい」。ガイセンさんが問いかけると2人は少し打ち合わせし、やり直した。今度は歩き方がだんだん速くなる。「そう。近づくと引き合う力が大きくなり、速度が上がる」とガイセンさんが説明した。

 その後、体格の違う2人、細長い二等辺三角形の位置に並んだ3人と、人間による“実験”が次々と進んだ。正確に理解するには高校の物理以上の知識が必要だが、生徒たちは感覚的に正しい動きを示した。見守る生徒たちも、自分ならどう動くか、考えながら見つめた。授業後、生徒たちは「実際にやってみたのでイメージがつかみやすかった」「英語は難しかったが、コミュニケーションがとれてよかった」などと感想を寄せた。

 文部科学省の田代直幸・教科調査官は「実験や説明の工夫では日本の教師も負けていないが、実際に行動させて考えるのは米国ならでは」と評価する。同中の永田研校長も「数式を使わず、感覚的にとらえさせることで興味を引き出していた」と感心する。

 ガイセンさんは大学で森林管理を学び、森林監視官をしていたが、もっと人とかかわる仕事がしたいと理科教育を学び直して、2001年に教員になった。

 モデル授業には、ヒントをつかもうと市内外から約30人の教師らが見学に参加。授業後も、ガイセンさんを囲んで熱心な討議を行った。

 ガイセンさんは「科学を身近に感じさせ、問題意識を育てることが大切」と強調していた。

【教育動向】「中高一貫教育校」が300校を突破文科省調査

 「中高一貫教育校」が国公私立を合わせて300校を突破したことが、文部科学省がこのほどまとめた2008(平成20)年度「高等学校教育の改革に関する推進状況について」の調査結果でわかりました。公立中高一貫校が増えていることはご存じの方も多いと思いますが、学力向上に対する社会的要請が高まるなかで、今後もまだまだ増えていきそうです。

 中高一貫教育校は、学校教育法の改正によって1999(平成11)年度から創設された、比較的新しい制度です。(1)6年一貫教育を実施する「中等教育学校」(2)同じ設置者による中学校と高校との「併設型」(県立中学校と県立高校の併設など)(3)設置者の異なる中学校と高校を連携させた「連携型」(市町村立中学校と都道府県立高校の連携など)……の三つのタイプがあります。このうち中等教育学校と、併設型中高一貫教育校には、学習指導要領を弾力的に取り扱うことが法的に認められています。

 なお、以前からある私立の「中高一貫校」は、同じ学校法人が設置した中学校と高校の間で事実上の一貫教育を行っていますが、制度的には「中高一貫教育校」ではありません。指導要領の弾力的運用を行うためには、改めて中等教育学校か併設型の認可を受ける必要があるのです。

 中高一貫教育校は1999(平成11)年度に4校からスタートし、2003(同15)年度に118校と100校を超え、2006(同18)年度には203 校、2008(平成20)年度には334校になりました。334校の内訳を見ると、国立が4校(中等教育学校3校、併設型1校)、公立が158校(中等教育学校20校、併設型60校、連携型78校)、私立172校(中等教育学校13校、併設型158校、連携型1校)となっています。

 注目されるのが、公・私立とも併設型の中高一貫教育校が急増し、200校を超えたことです。公立学校の併設型は2003(平成15)年度に22校でしたが、2008(同20)年度は60校と、5年で2.7倍にも増えています。また、私立学校でも、新設校が最初から中高一貫教育校の認可を受けているほか、既存の私立でも2007(平成19)年度を境に、認可を受ける学校が増加しています。

 公立の中高一貫教育校が増加している背景には、社会の受け止め方の変化があります。制度発足当初の公立中高一貫教育校は、受験エリート校にしないという前提もあって、地域振興の意味合いが強い連携型が主流で、中等教育学校や併設型の場合も、環境教育など特色ある教育を強調した学校がほとんどでした。しかし最近では、社会の指導者となるリーダー層の育成を目指したり、進学重視を明確に打ち出したりする学校が増えています。

 一方、これまで「制度」とは一線を画してきた私立中高一貫校が「中高一貫教育校」に移行し始めた背景には、指導要領の弾力的運用ができる制度への理解が進んだことがあります。さらに、大学受験のため世界史などの必修科目を指導要領どおり生徒に学習させていなかった「未履修問題」が2006(平成18)年末に発覚したことが、その傾向に拍車を掛けたと指摘する向きもあります。

学力国際調査:低下歯止め 「ゆとり教育」評価で二分

 07年に実施された国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)で、日本の小中学生の平均点は前回以上となり、意欲も上向きつつあるとの結果が出た。テストを受けたのは、学力低下の元凶とされた「ゆとり教育」で学んだ子どもたち。授業時間も学習内容も増やす新学習指導要領への移行が来年度から始まるが、「ゆとりでも学力低下に歯止め」との結果が出たのはなぜなのか。

 元文相の有馬朗人・日本科学技術振興財団会長は「『脱詰め込み』のもと、着実に学力がはぐくまれていることがわかった」と強調する。前回03年の結果などから学力低下が指摘され、「脱ゆとり」の指導要領への改定につながったが、有馬さんは「日本の学力はずっとトップレベルで、下がったとの認識自体が間違いだ」。これまでの順位低下は、参加国の増加が原因と見ているという。

 6位から3位に上がった中2理科については「総合学習導入で授業が減ったが、相当の底力がある。教員の努力や国による理科支援員の派遣も、下支えになった」と評価する。

 ただ、勉強への意欲は特に中学生で低い。「知識を教えすぎるので、面白さより苦痛が先にたつのかもしれない。成績上位の台湾や韓国でも同じ傾向がある」と分析した。

 一方、「分数ができない大学生」の共著がある西村和雄・京大経済研究所教授は「1、2位グループの点数とは大きな開きがあり、世界トップクラスとはいえない。成績低下は30年近く続いたゆとり教育が原因だ」と厳しい見方をする。

 勉強の意欲が高まらないのは、学力評価におけるペーパーテストの比重を低めたことが原因とみる。「89年改定の指導要領は、学習への態度や関心を評価に加える『新学力観』を導入したが、これをやめるべきだ」

 そのうえで「トップに返り咲くには、総合学習をやめ、大学入試の科目も見直して総合的な改革をしない限り難しい。ただ今後は授業時間も増えるので、これ以上下がることはないだろう」と結論づけた。

2008年12月10日 (水)

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宇都宮大、学長に進村武男氏

 宇都宮大学は9日、第18代学長に進村武男・工学研究科長(65)を選出した。来年4月1日付で就任する。任期は3年。

プロの指導で創造性を 理科の授業→ダンス、防犯訓練→演劇

 理科の授業のまとめはダンスで、防犯訓練は演劇で…。プロのアーティストとの出会いを通して、言葉ではイメージしにくい科学や社会問題への関心を引き出し、より深い理解につなげようとするワークショップが、学校教育に新鮮な刺激を与えている。学校とアーティストを結ぶのは教育NPOや企業のメセナチーム。体験的な学習は、児童の表現力やコミュニケーション力の向上も促すという。

 「先生が食中毒で病院に運ばれはったんやて。みんなも診てもらわんと。早く、車に乗って!」

 11月、京都府宇治市立莵道(とどう)第二小学校(根岸憲明校長)で上演された防犯劇の1場面。同校の児童会本部の5、6年生6人と「劇団衛星」(京都市、蓮行(れんぎょう)代表)が共演した。

 上演にあたって、児童と蓮行代表ら俳優が重ねたワークショップは計4回。昼休みや放課後を使い、「知らない人についていかない」「他人の車にのらない」などの教訓を覚えやすくした警視庁の防犯標語をテーマに、「どんな状況で声をかけられたら、ついて行きそうか」などについて話し合い、全校生徒約700人に分かりやすく標語を伝える台本を練った。

 同劇団がワークショップ形式の「演劇で学ぼうシリーズ」を始めたのは平成15年。学校教育の中にアート的な要素の必要性を感じていた同校の糸井登教諭が、前任校で出会った蓮行さんに「学習の助けになるような劇を考えられる?」と投げかけたことがきっかけだった。「演劇で算数」を皮切りに現在、環境、防災、防犯などをテーマに全国展開する。

 この活動に、子供向け教育プログラムの開発に力を入れるパナソニック(大阪府門真市)の社会文化グループが注目。NPO法人「日本教育開発協会」(大阪市淀川区)と連携し、17年からこれまでに4回、京都や大阪の小学校にプログラムを提供した。

 一方、「ダンスで、理科を学ぼう」は、京都市立乾隆(けんりゅう)小学校(京都市、中東佳和校長)で行われた。NPO法人「子どもとアーティストの出会い」(同)と同「企業教育研究会」(千葉市)が主催し、3日間にわたり授業時間にワークショップを実施。ダンサーの北村成美さんによる指導で5年生44人が、2学期に習った「流れる水のはたらき」のまとめとして、学習したことをダンスで表現することに取り組んだ。

 こうしたワークショップの効果として、蓮行さんと北村さんが異口同音に話すのは、外部のアーティストがイニシアチブを取ることで生まれる子供たちの変化。「言葉で説明したら面白くないことも、プロのアーティストが体で伝えることで子供たちの表現力や創造性、コミュニケーション力を引き出せる」

 ただ、定着には資金やコーディネート力の不足など課題もある。教育効果の数値化は難しいが、「ダンスで、理科を学ぼう」では、その効果を千葉大学教育学部藤川研究室が検証、論文を発表する予定で、新しい教育カリキュラムとして今後の広がりが期待される。

学力国際調査:日本の理数が改善 「勉強楽しい」も増加

 国際教育到達度評価学会(IEA)は、07年に実施した国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果を公表した。日本は、中2理科の平均点が554点(3位)で前回03年調査の552点(6位)を上回るなど、実施4科目の平均点はすべて前回以上だった。小4では「勉強が楽しい」と答えた児童の割合が増え、学習意欲も改善傾向を示した。文部科学省は、小中学生の理数の学力低下に歯止めがかかったとみている。

 調査には、37カ国・地域の第4学年(日本は小4)約16万人と、50カ国・地域の第8学年(中2)約22万人が参加。日本からは計8799人が参加した。点数は経年比較を可能にするため、全参加者の平均が500点になるように調整した。

 日本の小4の平均点は、算数が前回より3点高い568点、理科が5点高い548点。いずれもデータ比較可能な36カ国・地域中4位(前回はともに25カ国・地域中3位)だった。中2の数学は前回と同じ570点で、48カ国・地域中5位(前回は46カ国・地域中5位)だった。

 「勉強が楽しい」と答えた小4の割合は、理科が87%(前回比6ポイント増)で国際平均の83%を上回った。算数も国際平均には10ポイント及ばないものの、70%で前回より5ポイント増えた。

 一方、中2は意欲の低さが依然として目立つ。「数学が楽しい」が1ポイント増の40%、「理科が楽しい」が前回と同じ59%で、国際平均をそれぞれ27、19ポイント下回った。

 前回調査では、小4理科と中2数学の下落が目立ち、学習意欲の低下も顕著だった。塩谷立文科相は今回の結果について「学力低下傾向に歯止めがかかった。学習意欲で依然課題が多いとはいえ、一部改善の兆しが出てきており、各学校の取り組みが成果を上げつつある」と評価した。

 ◆国際数学・理科教育動向調査の順位と平均点◆

  (カッコ内は03年順位、−は不参加またはデータ不備)

  <小4算数>          <小4理科>

 1香港     607(2) シンガポール  587(1)

 2シンガポール 599(1) 台湾      557(2)

 3台湾     576(4) 香港      554(4)

 4日本     568(3) 日本      548(3)

 5カザフスタン 549(−) ロシア     546(9)

 6ロシア    544(9) ラトビア    542(7)

 7イングランド 541(10) イングランド 542(5)

 8ラトビア   537(7) 米国      539(6)

 9オランダ   535(6)ハンガリー    536(8)

10リトアニア  530(8)イタリア    535(14)

  <中2数学>          <中2理科>

 1台湾     598(4) シンガポール  567(1)

 2韓国     597(2) 台湾      561(2)

 3シンガポール 593(1) 日本      554(6)

 4香港     572(3) 韓国      553(3)

 5日本     570(5) イングランド  542(−)

 6ハンガリー  517(9) ハンガリー   539(7)

 7イングランド 513(−) チェコ     539(−)

 8ロシア    512(12)スロベニア  538(12)

 9米国     508(15) 香港     530(4)

10リトアニア  506(16) ロシア   530(17)

 【ことば】国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)

 主に授業で習得した知識の定着状況を見る調査で、95年以降は4年に1回実施。日本は81年調査で中2数学が1位になるなどしたが、03年調査は3〜6位で、当時の中山成彬文科相が「世界トップレベルとは言えない」と発言、学力低下を巡る議論を呼んだ。06年に日本の順位が大幅に下落した経済協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)は、15歳を対象に3年に1回実施し、知識の活用や読解力に主眼を置くことからTIMSSとは出題傾向が異なる。

「行動する大学」改革4年

 小宮山・東大学長 最終講義

 小宮山宏・東大学長(63)の最終講義となる講演会が5日、東京・本郷キャンパスの安田講堂で開かれた。

 学長に決まった4年前の記者会見で「世界一の大学をめざす」と宣言、東大のアクション・プラン(行動計画)を作った小宮山さんだけに、演題は「行動する大学」。「変化球は嫌い。直球勝負」と自他共に認める人柄そのままに、歯切れのよい口調で2時間、熱弁をふるった。

 講演の前半はまず、若い頃からの化学工学分野の研究生活を振り返った。その上で、地球環境工学など、新しい研究分野に携わるようになった経緯を語った。

 爆発する知識、有限の地球、高齢化する社会という21世紀のパラダイム(時代の根本的な概念)を提示。持続可能な地球にするためには、鉄の再利用などの鉱物資源の循環システムの構築や、断熱技術などに見られるエネルギー効率の向上が重要だと指摘。自宅そのものを使って、断熱効果などの実験を続けていることについても紹介した。

 また、学長主導の改革を進めるための学内組織の見直し、学問の全体像を示す「学術俯瞰(ふかん)講義」の創設、生命科学を手始めにした教養教育の教科書作り、主要8か国(G8)大学サミットの開催などの大学の国際化など、4年間の様々な取り組みの意義を解説。最後に、「日本は課題先進国として人類をリードできる。行動する大学がそれを先導するのだ」と前向き思考の大切さを強調して締めくくった。

 小宮山学長は来年3月で任期を終える。講演会には1600人の申し込みがあり、講堂に入りきれない人が別会場のモニターで聴講した。

 1990年代に学長だった吉川弘之・産業技術総合研究所理事長は、講演会終了後、「自身の学問と大学の経営の哲学がつながっている点を好ましく見ていた」と後輩をたたえていた。

2008年12月 9日 (火)

岡山大入試で出題ミス

 岡山大は8日、6日に実施した理学部物理学科のアドミッション・オフィス(AO)入試の小論文の問題文に出題ミスがあったと発表した。採点から除き、合否に影響はないという。

 同大によると、数学の微分に関する設問に、高校教科書では使われていない「べき級数」の表現があった。19人の受験生には文書で通知し、謝罪する。

携帯電話:持ち込み禁止、大阪市が460校に通知

 文部科学省が7月に全国の教育委員会などに対し行った携帯電話の取り扱いルール明確化の要請を受け、大阪市教委はこのほど市内の全小中学校・高校約460校に携帯電話を校内に持ち込まないよう通知した。ただし、登下校時の安全面などから校長が認めた場合は例外とした。

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

 むかしから学習は読み・書き・そろばん!
 近年見直されている作文添削で正しい日本語表現と基礎学力(読解力)の養成を!

 ココロと言葉の作文教室 も・の・か・き・名・人

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癒やしのネーミング〜 人気は男児「大翔」、女児「葵」

 今年生まれた赤ちゃんについた人気の名前は、男の子は「大翔(ひろと)」、女の子は「葵(あおい)」――。ベネッセコーポレーションが8日、今年11月までに誕生した約4万人を調べた結果を発表した。

 未来へ羽ばたくイメージの「大翔」は3年連続1位。昨年2位だった「葵」は、NHKの大河ドラマ「篤姫」で主演の宮崎あおいさんの影響とみられ、昨年まで3年連続トップの「陽菜(ひな)」を抑えた。

 使用漢字では、男の子は「翔太(しょうた)」「優太(ゆうた)」などの「太」が1位。「大」「斗」が続いた。女の子は「美羽」「美咲」などの「美」が首位で「愛」「菜」が続く。昨年11位と復権の兆しがあった「子」は13位だった。

 読み方では男の子は「ゆうと」「はると」など「○○と」が目立った。女の子は「ゆい」「みゆ」など2文字派が多い。男女とも「ゆ」が人気。ベネッセは「不安の多い社会を踏まえ、癒やし系の和やかな音の響きが好まれているのでは」と分析している。

   ◇

■08年生まれの赤ちゃんの名前上位(カッコ内は昨年順位/主な読み方)

●男の子

1位(1)大翔(ひろと)

2位(4)蓮 (れん)

3位(2)悠斗(ゆうと)

4位(6)悠人(ゆうと)

5位(6)優斗(ゆうと)

6位(4)翔太(しょうた)

7位(10)大和(やまと)

8位(3)颯太(そうた)

9位(16)悠真(ゆうま)

10位(19)蒼空(そら)

●女の子

1位(2)葵 (あおい)

2位(4)結衣(ゆい)

3位(1)陽菜(ひな)

4位(7)凛 (りん)

5位(14)結愛(ゆあ)

6位(5)結菜(ゆいな)

7位(6)美羽(みう)

8位(3)さくら

9位(16)心優(みゆ)

9位(10)七海(ななみ)

【主張】携帯禁止 家庭でも厳しいルールを

 大阪府の橋下徹知事が、公立の小中学校で子供たちの携帯電話の持ち込みを原則禁止することを明らかにした。

 朝から晩まで子供たちが携帯電話を手放せない現状には歯止めが必要である。橋下知事の方針を支持したい。

 文部科学省などの調査では携帯電話を持っている子供は小学6年で約3割、中学3年で約7割にのぼる。高校ではほとんどの生徒が持っている。

 親が連絡、防犯用として持たせるケースもあるのだろう。しかし、多くの親は子供たちの使用実態を知らないのではないか。

 携帯電話には通話以外にメール交換などができる便利な機能がついている。「日本PTA全国協議会」が今春発表した調査では、携帯電話を持つ中学生の半数、小学生でも約1割が深夜までメールをしていた。

 この調査では、メールの返信がすぐにこないと不安になるという子供が少なくなかった。部屋にこもり携帯画面ばかりみていては、学力にも影響する。橋下知事の危惧(きぐ)は当然だ。

 持ち込み禁止に対し、「防犯上必要」など反対の声があるが、大阪府は「両親が働いていて安全確保のため持たせている場合」などを例外として配慮するという。

 そもそも学校の授業に関係のないものは持って行く必要がない。親がまず注意すべきことだ。

 携帯電話を通じ、性や暴力の有害情報に触れたり、犯罪に巻き込まれたりする事件が増えている。メールでうわさ話や悪口を送信し合うなど、いじめの温床にもなっている。

 石川県野々市町では携帯電話を持たせない運動に取り組み、非行防止などにも効果があった。新潟県妙高市は原則所持禁止を呼びかけるという。こうした地域ぐるみの取り組みは少数派だ。

 政府の教育再生懇談会が今春、「必要のない限り持たせない」とする提言をしたときにも保護者らの反応は鈍くみえた。

 子供たちは、お互いの顔がみえないメール交換に熱中するより、友人と外で遊び、本を読むなどの時間がもっと必要だ。橋下知事も「携帯から離れて自分の時間を使ってほしい」としている。

 橋下知事の「禁止宣言」を機会に家庭も責任を自覚すべきだ。携帯電話を持たせるなら親が使用ルールを決め、守らせてほしい。

新教育の森:増えるAO入試…大学側も必要な熱意 目標と意欲見極め学生伸ばす工夫を

 小論文や面接によるAO入試を行う大学が増えている。意欲の高いユニークな人材を取る目的で導入されたが、学力不足も叫ばれる。優秀な生徒を見極め、育てるには、大学側の相当の工夫が必要なようだ。

 ◆私大入学者の9.6%

 「メキシコで貧しい子どものための学校を造りたい」。メキシコに留学した高校生はそんな夢を語り、慶応大のAO入試に合格した。東京都内の女子高生は「人の心を癒やす建築物が造りたい」と、早稲田大創造理工学部の建築学科を目指す。

 AO入試では、具体的な目標を持つことが求められる。

 「そんなこと、ホントにできるの?」。面接では数人の教授が厳しい質問を次々投げかける。受験者同士のグループディスカッションを課す大学もあり、コミュニケーション能力や意欲がはかりにかけられる。

 文部科学省によると、08年度には国公私立の498大学がAO入試を実施し、合格者は4万7000人を超える。私大での普及が進み、私大入学者の9・6%がAO入試合格者だ。AO入試を行う大学が年々増えていることについて、文科省大学入試室は「学力だけを偏重せず、能力や意欲を多様な手段で見極め、学生の入学意図と共通の理解を持とうとする大学が増えているのではないか。入試は主に夏に行われるため、早い時期に学生を確保できるメリットもある」と話す。

 ◇選考作業の労いとわず あふれるパワーに応える−−導入第一号の慶大湘南藤沢キャンパス

 慶大の湘南藤沢キャンパス(SFC)は90年度に日本で初めて、AO入試を導入した。

 「一人一人を丁寧に見る入試が実現できる。合格者はエネルギーに満ちていて、入学後にすぐ走り出すことができる」。SFCの阿川尚之総合政策学部長は評価する。

 同学部は今春、1年生のモチベーションを高めるため、米大統領選の予備選挙を模した架空選挙を実施した。学生有志が「小沢」「福田」などの名前で立候補し、政策を掲げて支援者を集め票数を競った。立候補したのはほとんどがAO入試の合格者。「東国原」を名乗る男子学生は自腹を切って宮崎県庁を訪ね、地元の役人と地方活性化について話し込み、激しい「選挙活動」で10キロやせた末、当選を勝ち取ったという。

 阿川学部長は「AO組のパワーは他学生や教員にも伝わる。キャンパスをただの秀才ばかりにしたくない。やる気と好奇心のある学生は面接での表現法が稚拙でも『何かやるかもしれない』と思わせる」と語る。

 ◆入学後も高い成績

 AO入試合格者の入学後の成績も、05年まで一貫して一般入試組より高い。一方でAO入試を支える教職員の負担は重い。2000字の入学志願書を読み込み、面接をこなし、人物評価を行うなど事務作業は膨大だ。慶大の98年度調査によると、出願者940人の書類審査と面接に計2282時間を費やした。1人2・4時間かかった計算だ。調査報告書は「ほしい学生を獲得する当然のコストだが、選考負担は教員にとって許容の限界に近い」と記す。

 「手間ひまはかかるが、学生の質はもともと高い。AO入試を続け、AO入試で取った学生の面倒を見るのは『慎重に選んで植樹し、水をやって育てた若木が立派な大木となる』のを見守るような充実感かもしれない」。阿川学部長はそう結ぶ。

 ◆学力不足で廃止も

 一方で、「学力に難がみられる」と制度を見直す大学もある。筑波大は09年度入試から国際総合学類でのAO入試を廃止した。「学力がおぼつかない」として、AO入試合格者に通信教育を受けさせていた一橋大商学部も、09年度から中止を決めた。

 九州大法学部は10年度から廃止する。毎年の追跡調査で当初は、AO入試の合格者が成績がよかったが、一般入試組が逆転したという。「特殊な力や意志を持つ人が入ってこなくなった。積極的な学生も一部いるが、大きな労力をかけてやる意味を見いだせなくなった」。直江真一法学部長は受験生の変化を強調した。

 生徒の質の変化を嘆く声は他にもある。ある大学関係者は「小論文や面接の対策が塾や学校で充実したせいなのか、画一化された受験生が来るようになった」とこぼす。

 ◆出願に一定成績課す

 こうした中、中央教育審議会の大学分科会は今年1月、AO入試に「学力検査や大学入試センター試験を用いるべきだ」と提言した。学力志向は高まる一方で、センター試験を利用したり、高校時代に一定の成績だったことを出願条件とする大学も増えている。

 東北大もその一つで、「学力重視のAO入試」を掲げる。合格者も年々増やし、00年度は全合格者のうちAO入試による者が8%だったが、08年度は17%(436人)にも達した。東北大高等教育開発推進センターの石井光夫教授は「追跡調査による入学後の成績は良好で、意欲やリーダーシップも高い評価が出ている。出願要件の成績基準が厳しすぎると嘆く高校もあるが、今の手法でよく機能していると思う」と話す。09年度からは最後に残っていた文学部も参入し、10学部全部がAO入試を行う。

 慶大も05年度から、書類と面接だけのA方式に加え、高校時代の評定平均4・5以上を出願要件とするB方式をAO入試に加えている。

 ◇キミのやる気は本物か−−予備校は徹底指導

 ◇容赦ない面接特訓、志願書作りに半年

 「君、他の専攻を目指した方がいいんじゃないの」

 推薦やAO入試に力を入れる予備校「早稲田塾」の講座。パワーポイントを手に作品を説明していた高3男子は「えっ」とうつむいた。建築や美術系の学科を目指す生徒のためのデッサン講座で、11月下旬、AO入試の本番を控えた面接特訓が行われた。講師や仲間が面接官となり、容赦ないせりふを連発する。「120の想定問答を作れ」と指示され準備はしているものの、返答に詰まって立ち往生も珍しくない。

 東京都内の私立女子高3年生(18)は「自分を外にさらけ出さないタイプだったけれど、面接の練習で素直に出せるようになった」と話す。

 早稲田塾のAO推薦入試担当、新城肇さんは言う。「入学志願書をチョコチョコと作文すれば受かると思われがちなAO入試だが、本気で挑まないと受からない。志望理由を深めるためには、少なくても出願の半年前から準備が必要。ネットリサーチしたり、中央省庁に直接取材に出向く子もいる」

 早大政治経済学部と慶大法学部のAO入試に合格した女子生徒(18)は「夏いっぱい志願書作りに取り組んだ。一般入試の勉強もあって焦ったけれど、具体的な将来目標を描き、夢を具体化するために半年間頑張れたことは、自分の力になった」と振り返る。

 AO入試はどうすれば成功するのか。AO入試に詳しい新城さんは、慶大SFCの制度を最も評価している。「成績をあまり重視せず、面接で人間の『エネルギー値』を見ている。入学後すぐに4年生や大学院生もいるゼミに飛び込ませ、やりたいことを追求させる。入学後のカリキュラムと入試制度が連動しているため、学生が一直線で伸びていく」。AO入試に懸ける大学側の思いが弱いと、入試が機能せず、志望者も減っていくという。

小学校事務職員、118万円着服 大阪市教委が懲戒免職

 学校の物品購入代118万円余を着服したとして、大阪市教委は8日、同市港区の市立田中小学校の男性事務職員(55)を同日付で懲戒免職にしたと発表した。市教委は業務上横領容疑で刑事告発を検討している。

 市教委によると、職員は急に必要になった文具などの購入資金を管理していたが、昨年9月から今年11月、市内の業者に支払うべき代金約118万円を着服し、飲食代に使ったという。職員は「職場でストレスがたまり、酒で発散していた。すぐ返すつもりだったが、感覚がまひした」と話しているという。

2008年12月 8日 (月)

大阪市教委、全小中高への携帯持ち込み禁止を通知

 子供たちの間で携帯電話のサイトを通じた“ネットいじめ”が増えていることを受け、大阪市教委が学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止するよう、市内の全小中学校・高校約450校に通知していたことが6日、分かった。携帯持ち込みをめぐっては、大阪府の橋下徹知事が学力低下防止を理由に政令市の大阪、堺両市を除く府内の公立小中学校で、原則禁止する方針を打ち出している。理由は異なるとはいえ、大阪市教委も持ち込みを制限することで、携帯禁止の流れが加速しそうだ。

 同市教委が市立中学校・高校の全生徒を対象に9月、実施した携帯電話などに関するアンケート調査で、回答者の約1割に当たる約6400人がインターネットのブログや掲示板などで悪口を書かれたと回答。出会い系サイトに絡むトラブルも報告されており、市教委は携帯電話をめぐる問題への取り組みを徹底する必要があると判断した。

 通知によると、「学習活動に必要でないものを学校へ持ち込まない」との観点で、携帯電話の持ち込みを原則禁止するよう各校に要求。その上で、小学生の登下校時の居場所確認など、安全確保のためやむを得ない場合のみ、学校長の判断で携帯電話の持ち込みを許可することにした。

 また、持ち込みを認める場合にも、登校時に学校で一時的にあずかり、下校時に返却することとし、保護者への周知と協力体制を築くよう求めている。

 市教委はこのほかの対策として、ネットいじめに対する電話相談窓口を設置し、「悪質な書き込みがある」と通報があった学校裏サイトなど約10件のサイトの管理者に削除要請。府警のサイバー犯罪対策の捜査官を招いた教員らの研修会も行う。

 携帯持ち込みについて、橋下知事は3日、原則禁止とする方針を表明。これを受けて、塩谷立文部科学相が5日、現場での対応について教育委員会を対象にした実態調査をする方針を示している。

千葉・芝浦工大柏高:答案用紙盗まれ2年全員再試験

 芝浦工業大柏高校(千葉県柏市増尾、菅沢茂校長、生徒数863人)は5日、30代の女性講師が帰宅途中にバッグをひったくられ、2年生54人分の答案用紙を紛失したと発表した。学年全員177人を対象に再試験する。

 同校によると、講師は3日夜、浦安市内でバイクの2人組にバッグをひったくられた。答案用紙は2日に実施した後期中間試験「数学B」で、学年、クラス、出席番号、名前が書いてあった。直後に警察へ被害届を出したが、答案用紙は見つかっていない。生徒らには5日の学年集会で謝罪した。

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「生物五輪」日本代表が抱負

 高校生らを対象にした国際生物学オリンピックの日本委員会は6日、来年7月に国内で初めて茨城県つくば市で開かれる同オリンピックの日本代表4人を発表した。約2500人の応募者から、3回の試験を経て選ばれた。

 代表のうち中山敦仁さん(兵庫・灘高)、谷中綾子さん(東京・桜陰高)ら3人が記者会見。中山さんは「力いっぱい戦いたい」。谷中さんは「外国の生徒に日本の生物の豊かさを伝えたい」と抱負を語った。

 大会は来年で20回目。学校の試験で会見を欠席した代表からは「日本が過去に獲得していない金メダルを目指す」とのメッセージも届いた。この中から、ノーベル化学賞受賞者の下村脩さんに続く生物学者が生まれるかも!?

石原都知事:学校への携帯持ち込み「親が判断」

 東京都の石原慎太郎知事は5日の定例会見で、大阪府教委が小中学校への携帯電話持ち込みを原則禁止したことについて「子供の情操教育からしつけにかかわることだし、本当は親が判断することだと思う」と述べた。都教委は10月、学校への携帯電話持ち込みの原則禁止を呼びかける通知を出している。石原知事は「親が買って与える物だから、親がいかんと思ったら買わなきゃいい。与えなきゃいい」と述べた。

「子供産んだから少子化相」発言、首相は「関係ない」

 麻生首相は7日、自民党の笹川尭総務会長が小渕少子化担当相の初入閣の理由を「子どもを産んだから」と指摘したことについて、「小渕さんが子どもを産んだから大臣になったわけではない。指名した本人が言ってんだから」と述べ、笹川氏の見解を否定した。訪問先の熊本県天草市で記者団の質問に答えた。

2008年12月 7日 (日)

大阪市教委、全小中高への携帯持ち込み禁止を通知

 子供たちの間で携帯電話のサイトを通じた“ネットいじめ”が増えていることを受け、大阪市教委が学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止するよう、市内の全小中学校・高校約450校に通知していたことが6日、分かった。携帯持ち込みをめぐっては、大阪府の橋下徹知事が学力低下防止を理由に政令市の大阪、堺両市を除く府内の公立小中学校で、原則禁止する方針を打ち出している。理由は異なるとはいえ、大阪市教委も持ち込みを制限することで、携帯禁止の流れが加速しそうだ。

 同市教委が市立中学校・高校の全生徒を対象に9月、実施した携帯電話などに関するアンケート調査で、回答者の約1割に当たる約6400人がインターネットのブログや掲示板などで悪口を書かれたと回答。出会い系サイトに絡むトラブルも報告されており、市教委は携帯電話をめぐる問題への取り組みを徹底する必要があると判断した。

 通知によると、「学習活動に必要でないものを学校へ持ち込まない」との観点で、携帯電話の持ち込みを原則禁止するよう各校に要求。その上で、小学生の登下校時の居場所確認など、安全確保のためやむを得ない場合のみ、学校長の判断で携帯電話の持ち込みを許可することにした。

 また、持ち込みを認める場合にも、登校時に学校で一時的にあずかり、下校時に返却することとし、保護者への周知と協力体制を築くよう求めている。

 市教委はこのほかの対策として、ネットいじめに対する電話相談窓口を設置し、「悪質な書き込みがある」と通報があった学校裏サイトなど約10件のサイトの管理者に削除要請。府警のサイバー犯罪対策の捜査官を招いた教員らの研修会も行う。

 携帯持ち込みについて、橋下知事は3日、原則禁止とする方針を表明。これを受けて、塩谷立文部科学相が5日、現場での対応について教育委員会を対象にした実態調査をする方針を示している。

検定GO!:ご当地編 松山観光文化コンシェルジェ

 「坂の上の雲」の登場人物で、後に北予中学校(松山北高)の校長になったのは。

A 桜井忠温

B 秋山好古

C 夏目漱石

 (松山観光文化コンシェルジェ検定ガイドブックより)

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 《松山観光文化コンシェルジェ検定》

 【目的】来松する観光客に対する親切なおもてなしに役立ててもらう/出題形式・選択式/松山観光文化コンシェルジェ検定ガイドブック(1050円)付属の専用解答用紙を松山商工会議所に郵送/問い合わせ・松山商工会議所089・941・4111(解答はB)

「中山前国交相は正しい。文科省いらん」鴻池官房副長官

 鴻池祥肇官房副長官は6日、大分県杵築市の講演で、「日教組が悪い、という中山さんは正しい。文部科学省、あんな役所いらんと思うくらい、ろくなやつがおらん」と述べ、中山成彬・前国土交通相を擁護したうえで日教組や文部科学省を批判した。中山氏は麻生政権の発足直後、日教組批判や成田空港をめぐる発言などで辞任している。

 鴻池氏は、日教組について「学校があるのに『今日、日教組の会合だ』と言っていなくなる。まして『君が代を歌っちゃいかん』(と主張している)」と指摘。「教育とは未熟な子供を立派な大人にすること。ひとさまに迷惑をかけないこと。そういう教育の基本理念が教師にも、教育委員会にも、文科省にもない」とも語った。

教科書検定…調査官名・意見書も公表

「不透明」批判に配慮

 文部科学相の諮問機関「教科用図書検定調査審議会」が4日、情報開示の改善策を示し、検定内容の透明化に向け一歩踏み出した。

 申請のあった教科書を最初に開く教科書調査官の氏名・略歴とともに、調査官が作る意見書も公表される。2009年度検定から実施される見通しで、文科省では「これまでにない思い切った策」としている。

 同省によると、教科書調査官は現在51人おり、大学や高校の元教員が多いという。教科書会社が申請する教科書を読んで、意見書を作成し、「合格」「留保」などを判定する同審議会に送るのが役割。この意見書は審議の結果を大きく左右するが、内容は完全非公表だった。このため、沖縄戦の集団自決の記述が軒並み削除された06年度の検定を巡っては、「いったい誰が、どのような考えで削除を決めたのか全く分からない」と批判の的になった。

 こうした不透明さを解消しようと、同審議会が腰を上げたのは今年3月。学識者や同省幹部らで作るワーキンググループを設置し、約9か月かけて改善策をまとめた。調査官の氏名などのほか、各分野に分かれて意見を述べ合う部会や小委員会についても、議事概要を作成して公表する。こうした情報公開も、これまでにはなかったことだ。

 ただ公表は、すべての検定が終了した後に限られ、審議中に過程が明らかにされることはない。同省は「委員が静かな環境の下で、自由に議論できるよう配慮した」としている。これについて、沖縄戦について削除された記述の復活を求めていた教科書執筆者、石山久男さん(72)は「検定終了後にしか情報が入手できず、議事の詳細が明らかにならないのは不満」と話した。

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南山大の運営法人も資金運用失敗 デリバティブで34億円損失

 南山大などを運営する学校法人南山学園(名古屋市)が、資産運用が目的のデリバティブ(金融派生商品)取引で、最近の金融危機に伴う為替変動のため、今月時点で約34億円の損失を出したことが6日分かった。学校運営や学生の授業などに影響はないという。

 南山学園によると、平成18年度から同取引を金融機関と契約。今年9月以降の急激な円高を受けて損失が膨らむ見通しとなり、今月に入って契約を解除したところ、損失額が判明した。これまでの運用で約26億円の収益を上げており、実損は約8億円という。

 同学園の19年度の収入は学生の授業料や補助金などを合わせ約210億円。加藤忠夫事務局長は「教育や研究に支障はないが、関係者に心配を掛け、申し訳ない。今後はリスクの高い金融商品への投資は控える」と話している。

 大学による資産運用のためのデリバティブ取引をめぐっては、駒沢大や立正大でも多額の損失や含み損の発生が発覚している。

日本学生支援機構:奨学金の延滞防止へ、名前と額通報

 大学生に奨学金を貸す日本学生支援機構(旧日本育英会)は5日、多重債務者などの情報を集約している「全国銀行個人信用情報センター」に、延滞者の名前や延滞額を通報する延滞防止策を始めると発表した。通報されると、クレジットカードの作製や新規ローンの設定が難しくなる。延滞3カ月以上の人が対象となる。通報には、本人の同意と個人情報の登録が必要。登録しない大学生には貸与を停止する。

法科大学院9割が定員削減を検討 「質の低下」議論で

 法科大学院の教育の質を改善する議論を受け、全国74の大学院のうち、19校が10年度入試から入学定員を削減することが分かった。5日の中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の法科大学院特別委員会で報告された。削減を検討中の大学院も49校あり、現在の総定員約5800人が大きく減る可能性もある。

 文部科学省は新司法試験受験者数そのものを絞ることで合格率を高めたい考えで、今後も定員削減や大学院同士の統合を促していく方針だ。

 文科省は10月下旬から、全大学院を対象に、定員削減や統合への取り組みなどについてヒアリングをしていた。その結果、19校が、次回の10年度入試から定員削減を実施。中には、4割ほど減らす大学院もあるという。今の定員を維持する方針を示したのは6校で、いずれも私立という。

 法科大学院は当初の予想を超える数が設置されたこともあり、「質の低下」議論が起きた。特別委は9月末の中間まとめで、入学者の質が確保できておらず、司法試験合格者数の低迷が続く大学院などは「主体的に定員の見直しを検討する必要がある」と提言していた。

 報告を受けた特別委の田中成明座長は「各大学院が、教育力に見合った定員に適正化していくことが前提条件だ。それぞれで、できるだけ早く見直しを進めてもらいたい」と話した。

校内ケータイ、全国調査…文科相方針

 大阪府の橋下徹知事が政令市を除く府内の全公立小中学校で携帯電話の持ち込みを禁止する方針を打ち出したことについて、塩谷文部科学相は5日、「(携帯電話を学校に)持ち込む必要性と、持ち込んだ弊害を考えた時、圧倒的に問題の方が多い」と橋下知事の方針を支持した上で、全国の学校を対象とした初の実態調査に乗り出す考えを示した。

 学校現場での児童生徒の携帯電話の取り扱いについては、読売新聞の調査で全国の都道府県・政令市の教育委員会のうち少なくとも5県4市の教委が何らかの規制を実施していることが分かっている。

2008年12月 6日 (土)

重い教育費 大学4年間で約700万円 高校からは1000万円超

 大学4年間でかかる教育費が、子供1人当たり平均約700万円にのぼることが5日、教育ローン利用者を対象にした日本政策金融公庫の調査で分かった。高校からの出費を加えると、私立大学生では総額1000万円を超えており、教育費が家計を圧迫している実態が浮かんだ。

 調査は、公庫の教育ローンを利用した約2800人から回答を得た。

 大学の入学時にかかる費用は平均約95万円。また、授業料や通学費、教科書代などの教育費は、年間で平均約154万円かかっている。国公私立別では、私立大学が約159万円で、国公立大学の約104万円と50万円以上の差があった。

 大学4年間の教育費の総額は平均約697万円。高校からの教育費を加えると、国公立大生は834万円にとどまったが、私立大生では、文系学部で1003万円、理系学部で1140万円と、ともに1000万円を超えた。

 子供が下宿している場合、さらに仕送りが家計にのしかかる。年間の仕送り額は平均96万円で、1月当たりは8万円。年間100万円以上を仕送りしている世帯は45・5%を占めた。

 教育費の捻出(ねんしゅつ)方法は、「教育費以外の支出を削る」が61%でトップで、「奨学金」が49%、「本人のアルバイト」が42%。節約している支出は「旅行・レジャー費」が62%で最も多かった。

 公庫では「多少苦しくても、子供のために教育費を捻出する世帯が多く、低所得層ほど家計を圧迫する傾向が強い」と話している。

東京大学:「聞く」だけから「議論する」プレゼンへ 次世代プレゼンシステム開発

 資料を見せて一方的に話すだけになりがちなプレゼンテーションを、参加者との議論を深める場にするソフト「ボーダレスキャンバス」を東京大学が開発。同大大学院の学生9人が参加した模擬授業で5日、システムを公開した。聞き手もパソコンを持って発表資料を共有し、気になった言葉に線を引いたり、分からない場所にクエスチョンマークを書き込む。書き込んだ内容は発表者も含めて全員が見られる。

 従来のプレゼンテーションは、前後のスライドの関係性が分かりにくかったり、理解する前に次に進んでしまうことがある。「ボーダレスキャンバス」では、聞き手は手元のパソコンで資料を見られるため、振り返って前のスライドに疑問点を書き込んだり、先のスライドに印をつけることができる。発表者も、聞き手が関心を持っている点が分かる。タブレット型パソコンを使う場合は専用ペンで書くが、マウスでも使える。同大の栗原一貴・特任助教が大学院時代から開発してきた教育現場向けプレゼンソフト「ことだまレクチャー」に、共有機能をつけた。

 この日の模擬授業で、学生たちは互いの発表を聞きながら資料に線を引き、発表者と意見交換していた。文章でコメントを書き込むと、読みにくくなるため、授業では、同意の場合にはニコニコマーク、疑問点はクエスチョンなど、いくつかのマークを決めているという。学生の書いた字は、画面上は誰の字か分からない。

 授業に参加した中国からの研究生、程琳(テイ・リン)さんは「これまでは、自分が発表する時は徹夜して資料を読むが、他の時は聞くだけだった。このシステムを使うと、発表者と同じように資料を読んでこないと参加できない。質問もしやすい」と評価した。

 授業担当の山内祐平准教授は「文献を読んで発表する授業では、受講者が20人くらいでも意見を言う学生は2、3人。だが、このソフトを使うと全員が意見を言う。同じ所に線を引いても意見が違うケースもあり、議論が精緻(ち)になる。教員も、ここに線を引いたのは誰なのか、わくわくする」と話した。

 同ソフトはマイクロソフトの寄付研究として開発。07年3月の問題発見力を身に付ける「ビデオ・エクスプローラー」、同11月の読解力を育成する「eジャーナルプラス」に続く3つ目のソフトとして発表した。来年3月4日からオープンソースとしてマイクロソフトのサイトで無償公開する。

教育ローン、大手行が争奪戦 政府系の条件厳格化で好機

 春の入学シーズンを前に、入学費用などを融資する教育ローンの顧客獲得競争が、大手銀行間で激しくなってきた。ライバルの政府系金融機関が融資条件を厳しくしたため、「顧客取り込みの好機」(大手行担当者)とサービス合戦に拍車がかかっている。

 先陣を切ったのは、みずほ銀行。1日から変動金利型で年3.275%、固定金利型で年4.350%と、従来の店頭表示金利よりそれぞれ2.3%幅優遇した。優遇期間は需要が多い来年5月29日までで、「優遇幅は過去最大」が売り物だ。

 これに対し、三井住友銀行はローン審査の早さで対抗する。グループ会社の消費者金融大手プロミスの審査モデルを活用することで、18日から審査期間を従来の「約2週間」から「即日」にまで短縮した。金利は変動型で年3.675%とみずほの優遇金利に及ばないが、店頭のみだった契約手続きも全国に約700台ある三井住友の契約機からできるようにし、早さにこだわった。

 年間3千〜5千億円程度といわれる教育ローン市場はこれまで、固定金利で年3.450%(保証料含む)と比較的金利が低い旧国民生活金融公庫の融資が半分程度を占めるとされてきた。10月にほかの政府系金融機関と統合して日本政策金融公庫になってからは「民業圧迫」との批判に配慮し、一部融資対象の所得制限を厳格化。その分、民間に顧客が流れるとみられている。

教育再生懇存続へ…文科省、発言力確保狙う

 麻生首相は4日、首相官邸で塩谷文部科学相と会談し、政府の教育再生懇談会(安西祐一郎座長)について、当初の廃止方針を転換し、存続させることを決めた。

 首相直属の検討機関として引き続き活用し、政府一体で教育改革を推進する。麻生政権発足後初めて、今月中旬に全体会合を開催する。

 首相は会談で、懇談会の新テーマについて、教育委員会の改革や教育の経済負担のあり方、スポーツ庁設置などを挙げ、次回の全体会合までに最終的な案をまとめるよう、文科相に指示した。メンバーの増員も検討する。文科相はこの後、記者団に対し、「教育は継続性も必要なので、(懇談会の)名前はそのままだ。人選は新しいテーマに即した人を加える」と説明した。

 首相は当初、教育再生懇談会について、「『具体論は文科省に任せればいい』との考えで、活用する意識は一切なかった」(首相周辺)といい、現在取り組んでいる教科書や教育委員会の改革などの議論がまとまった段階で廃止し、教育問題を中央教育審議会(文科相の諮問機関)に委ねる方針を固めていた。

 だが、こうした首相の姿勢に、政府内から「麻生政権は教育への関心が薄い、とのメッセージを国民に与えてしまう」と懸念する声が上がり、文教族である河村官房長官も、首相に「教育は簡単なものではない」と存続を進言していた。

 懇談会の前身である教育再生会議は、安倍元首相の肝いりで2006年10月に発足した。同会議は、文科省と中教審が主導する政策決定を否定し、同省と衝突したが、福田政権で懇談会に衣替えすると、「融和ムード」に変わっていった。

 文科省側が「官邸の懇談会と連携すれば、予算獲得や政府内の発言力確保に有利」との計算から、存続へ強く巻き返しを図ったとの指摘も出ている。

全国の教委に実態調査へ、携帯の学校持ち込みで 文科相

 大阪府の橋下徹知事が府内の小中学校への携帯電話の持ち込み禁止を表明したことを受けて、塩谷立文部科学相は5日の閣議後会見で、「(全国の)教育委員会の判断を調査して、方向性を明確にしたい」と、現場での対応について教育委員会を対象とした実態調査を行う方針を示した。

 塩谷文科相は、大阪府の動きについて、個人的な感想として「歓迎している。学校に携帯を持ってくることが必要かどうかということ」と支持。

 携帯電話を学校に持ってくることは圧倒的に問題が多いとした上で、「すでに持ち込みを禁止しているところもあるが、現場は悩んでいるとも聞いている。現場の対応の実態や、(携帯電話による)いじめの状況など、全体の状況をある程度計れるような調査を行いたい」と述べ、調査の上で文科省としての方針を決めたいとした。

 文科省は7月、「学校には持ち込ませない指導することを検討する」との有識者会議の提言を受けて、都道府県教委を通じて、各学校に、小中学校への持ち込みを原則禁止とするようなルール作りの検討を通知している。

ブラジル人学校:不況余波、悲しい別れ 年内で閉鎖 親が失業、月謝払えず−−浜松

 外国人労働者が多い浜松市で12年の歴史を持つブラジル人学校「エスコーラ・プロフ・ベネジット」が、12月末で閉鎖する。急速な景気悪化で、工場の派遣労働者などとして働く保護者の多くが職を失い、経営難に陥った。

 4日現在、同校には4歳から15歳の児童・生徒30人が通う。ほとんどのブラジル人学校と同じく無認可で、国や自治体からの公的支援は受けておらず、生徒1人あたり約2万6000円の月謝で運営している。

 解雇される保護者が増えた9月ごろから月謝の滞納が多くなり、10月は深刻な赤字になった。10月下旬、保護者に来年の予定を聞いたところ、半数の15人がブラジルに帰国予定か、学費が安い公立学校への転入を考えていることが分かった。

 ベネジット・ビレラ・ガルシア校長(55)は「来年はもっと悪くなると予想できた。(ブラジルの)学年末を迎える12月末で学校を閉めるのが子供たちに一番迷惑がかからない」と閉鎖を決断した。

 ガルシア校長は96年、浜松市の自宅アパートで学校を始めた。ピークの02年には約180人の児童・生徒を抱えた。06年には、現在地に5階建てビルを買って移転した。

 「子供たちに『なぜやめるの』と聞かれると、悲しくなる」。肩を落とす校長自身も来年1月、ビルを売って家族とブラジルへ帰国するという。

新生児集中治療室、国立大の全病院に 文科省計画

 脳出血を起こした東京都内の妊婦が大学病院を含む複数の病院に受け入れを断られ、出産後に死亡した問題などを受け、文部科学省は5日、国立大学病院の周産期医療体制を充実させる「整備計画」を発表した。09年度から4年間ですべての国立大学病院に新生児集中治療室(NICU)をつくり、半数の病院でNICUなどの病床を20床に増やす計画だ。

 現在、NICUがない国立大学病院は、弘前、山形、千葉、東京医科歯科、福井、山梨、岐阜、佐賀、長崎の9施設。計画では、1病院、最低6床のNICUを設置する。

 高齢出産などの増加でリスクの高いお産が増える中、高度な治療ができるNICUの重要性は高まっている。また国立大学病院の整備を重視する背景には、周産期医療を行っている大学病院を対象に実施した調査(11月1日時点)で、国立大の整備の「遅れ」が目立ったことがある。

 NICUがある大学病院(本院)は、公立は8病院中8施設、私立は29病院中27施設だったが、国立は42病院中33施設。平均病床数(施設がある病院の平均)も、公立8.3床、私立11.3床に対し、国立は7.4床だった。

 NICUに、リスクの高い妊婦に対応する母体・胎児集中治療管理室(MFICU)、NICUを出た子どもが入る継続保育室(GCU)を加えた平均病床数は、国立大学病院の場合、11.4床(施設がない病院も含む)。文科省はこうした施設についても、半数の21の国立大学病院で最低20床の確保を目指す。文科省は今回の整備で、国立大学病院のNICUとMFICU、GCUを240床程度増やしたい考えだ。

 一方、周産期医療の充実には、人材確保も重要課題となる。そのため、公私立も含めた全大学病院で、周産期医療にたずさわろうとする医師への教育環境の整備、産科や小児科への女性医師の復帰促進、院内助産所を活用した産科医の負担軽減などの取り組みを支援する。

 文科省は09年度予算の概算要求で、産科医や小児科医育成を促す費用として89億円を計上し、うち58億円をこうした計画の推進に充てる考え。

 文科省の調査によると、リスクの高いお産を扱う総合周産期母子医療センターは全国で75施設が指定され、大学病院が28施設を占める。大学病院が扱う分娩(ぶんべん)数は、分院も含めると07年度は5万47件で、05年度に比べて20%増。うちリスクの高い分娩は2万791件で24%増えている。

「教員辞めたいと思った」61%

全国1200人調査「業務多忙」など理由

 全国の公立小中学校で、「辞めたい」と思ったことのある教員が6割に上ることが、識者団体の調査でわかった。子供たちと触れ合うよりも、書類作成やPTAへの対応などに強い負担を感じたり、人事に不満を抱いたりして、教育に対する情熱を失っていると専門家は指摘する。

 アンケート調査は、有識者でつくる「日本の教育を考える10人委員会」(委員長・佐和隆光立命館大教授)が8月、全国の公立小中学校の教員計1200人を対象に行った。

 それによると、「教員を辞めたいと思うことがあるか」を聞いたところ、「しばしば思う」が22%、「たまに思う」が39%だった。理由を聞くと、「業務多忙」が37%と最も多く、「教員という仕事に魅力を感じなくなった」17%、「教員としての力量に自信がなくなった」13%――と続き、職業観にかかわる事柄が6割を超えた。

 「昇任でコネや情実が影響していると感じるか」。この問いには、「感じる」が27%、「どちらかと言えば感じる」も30%。コネや情実が「異動」に影響するかとの質問でも、「感じる」27%、「どちらかと言えば感じる」34%――との結果が出た。

 教員の採用や昇任を巡っては今夏、大分県教育委員会で不正が発覚。教員は就職先の少ない地方を中心に依然として人気の高い職業だが、こうしたデータは、現職教員が教育界の現実に不満や不安をくすぶらせていることをうかがわせている。

 また調査では、業務の内容ごとに負担を感じるかを聞いた。最も回答が多かったのは「教員評価や学校評価のための資料作成」で79%。「保護者への対応」(75%)、「会議」(74%)といった項目も多数を占めた。

 「保護者への対応」の中身は、「過度な要求」(84%)、「不登校」(71%)、「給食費の滞納」(69%)、「いじめ」(64%)――などで、いずれも近年大きくクローズアップされている問題だ。

 調査にかかわった国際基督教大の藤田英典教授(教育社会学)は「調査結果は、義務教育を支える多くの教員が仕事に意欲を失っている可能性を指摘している。教員が授業に集中できず、その他の事柄に忙殺されている現状を浮き彫りにしている。授業はもちろん、子供たちと触れ合うことに教員が集中できる環境を教委や校長は整えるべきだ」と話している。

2008年12月 5日 (金)

教科書検定の過程を公表 来年度から調査官名や意見含め

 教科書発行の手続きである検定作業の透明化をめぐり、文部科学省は4日、教科ごとに分かれて検定を行う各部会の審議内容や決定事項について、検定終了後に概要を公表することを盛り込んだ改定案をまとめ、教科用図書検定調査審議会の作業部会で了承された。来年度の検定から実施される見通し。

 昨年、高校日本史教科書の沖縄戦集団自決の記述をめぐって、過程の不透明さが問題になるなど、原則非公開の審議に「密室審議」との批判が起こり、見直しが検討されていた。

 現行制度は、教科書会社の申請に対し、大学教員らから選ばれた「教科書調査官」が調査意見書を作成。これを基に、検定審で検定意見書をまとめている。

 改定案では、調査意見書や、各部会での議事概要を公表。非公開だった検定審委員の所属部会も検定後に明らかにする。教科書調査官も「選考基準が不透明」との指摘があるため、氏名や職歴を公表する方針。

 ただし、審議自体の公開は「静かな審議環境を確保する」ことを理由に見送られた。また、現代史などで「学説が複数ある記述」などについては、外部専門家の意見聴取を可能とする案も盛り込んだ。

教科書検定:審議概要公表へ 文科省案「小手先の修正」 「風穴」…なお批判の声

 ブラックボックスとなっていた教科書検定の審議に、少しだけ風穴が開いた。文部科学省が4日示した教科書検定制度の改定案。「一歩前進」と評価する声もあるが、不可解な検定に翻弄(ほんろう)されてきた沖縄戦の関係者らからは「中途半端。全面公開すべきだ」と批判の声が出ている。

 集団自決を巡る検定意見の撤回を求めた昨年9月の沖縄県民大会で、実行委員会の副委員長を務めた玉寄哲永(たまよせてつえい)さん(74)=那覇市=は「議事録は議論の証拠。証拠を作成、公表せず、概要だけの公表では、公平性は確保されない。概要をまとめる過程で文科省が都合のいいように恣意(しい)的に運用し、公表する恐れがある」と指摘する。

 高校歴史副読本「琉球・沖縄史」の執筆者で沖縄県立宜野湾高教諭、新城(あらしろ)俊昭さん(58)も詳細を公表しないことを批判したうえで「間違った検定意見が付いた時に、検定制度のどの過程で審議し、訂正、修正するのか。今回の改定案でもそこが不明だ」と話した。

 沖縄県渡嘉敷(とかしき)島であった集団自決の生存者で、県民大会で実態を証言した吉川嘉勝さん(70)は「公表の面で進展はしている」。一方で「沖縄県民が求めているのは検定意見の撤回。調査意見書から作り直し、審議し直してほしい」と求めた。

 検定制度に詳しい立正大の浪本勝年教授(教育政策)は「一歩前進だが、小手先の修正に過ぎない」と指摘。「教科書調査官も審議会委員も、国が一方的に選び選定過程を明らかにしていないことが問題。すべてオープンにして広く意見を聞き、国民総がかりで教科書を作るべきだ」と述べた。

 理科教科書を20年以上執筆している渡辺正・東京大生産技術研究所教授(電気化学)も詳細な公表を求め、審議会メンバーの人選について「文科省の1本釣りを改め、各学会の推薦を受けるなどして枠を広げるべきだ」と提言する。

 一方、教科書検定の日本史小委員会臨時委員を務める波多野澄雄・筑波大副学長(国際関係史)は「説明責任があるので前進だと思う」と評価する。詳細を非公表とすることには「検定は教科書製作者に対する行政処分を検討するものだから、誰が何を言ったかは明らかにしない方がいい」と理解を示した。

小中の携帯「全面禁止で構わない」 官房長官が同調

 大阪府教委が、公立小中学校の児童・生徒の携帯電話持ち込みを原則禁止する方針を示したことについて、河村官房長官は4日の記者会見で、「小中学生が携帯電話を学校に持ち込むということは、私は全面禁止して構わないと思う」と同調した。

 誘拐や事故などに巻き込まれた際に携帯電話が必要という意見については「携帯電話でなくても、衛星などを使って絶えずどこに行ったかわかる時代」と反論。大学への持ち込みも「静かだなと思ったら、みんな下ばかり見て何かやっているという話を現実に聞いた」と述べ、禁止に理解を示した。

教科書検定の議事概要公開…来年度から

 教科書検定制度の見直しを検討してきた「教科用図書検定調査審議会」(文部科学相の諮問機関)は4日午前の会合で、これまで非公開だった教科ごとの審議を行う部会や小委員会の議事概要を、検定終了後に公表することを柱とする見直し案をまとめた。2009年度の検定から実施される見通しだ。

 同審議会では従来、自由な意見交換を妨げないことを理由に、部会や小委員会の開催日程や出席委員も明らかにしていなかった。しかし、沖縄戦の集団自決に関する検定をめぐり、沖縄戦の専門家がいなかった点や審議の不透明さに批判が相次ぎ、制度改善の必要性が指摘されていた。

 見直し案では、審議の非公開は続けるが、終了後に、開催日、議事概要、出席委員の氏名、文科省の教科書調査官の氏名、調査意見書などを公開するとした。

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教科書検定 「信頼性」国民が監視

 教科書検定手続きの見直しで、文部科学省は審議内容の公開について「検定後」の概要公表にとどめ、信頼性と透明性の両立を図った。検定制度に詳しい識者からは外圧や政治的配慮などに左右されない教科書検定を求める声が強い。

 文科省は審議内容について「公開すると委員の自由な議論を妨げる」などとして公表してこなかった。しかし、「審議会のまとめすら作っていないのは少数派」(文科省)という行政の情報公開の流れもあり、“落としどころ”を探った形だ。

 教科書検定をめぐっては、歴史教科書の記述に対し、中国や韓国から反発が起きるなどさまざまな圧力の存在が懸念されてきた。審議内容公開を検定後としたのも、静かな環境での公正な検定に配慮したからだ。

 高橋史朗・明星大教授は「信頼性確保には透明性が必要だが、公開によって審議に影響を与えることは断固として避けねばならない」とし、「事後に概要を公表する文科省の判断は妥当」との認識を示す。

 教科書検定では、手続きと並行して、教育基本法改正を踏まえた新しい学習指導要領に基づく検定基準の見直しも行われている。

 教科書には依然、誤りや信憑(しんぴよう)性の薄い記述が目立つ。審議概要の公表で検定が正常に行われているかどうかを国民がチェックできる効果もある。教科書会社にも正確な記述など信頼性の高い教科書づくりが求められる。

大阪府教委:学校にケータイ「禁止」 小・中は持ち込み自体、高校は使用「×」

 ◇安全目的以外

 大阪府教委は、小・中学校の児童生徒が学校に携帯電話を持ち込むことを原則禁止とする方針を決めた。高校では生徒が校内で使用することを原則禁止とする。府教委が調査したところ、児童生徒が携帯電話に過度に依存する傾向が強まっていることが分かり、規制が必要と判断した。ただ小・中学校でも安全目的で保護者が求めるという場合は、学校の判断で登下校時に持たせることを認める。

 文部科学省によると、都道府県レベルで学校への持ち込みや使用制限を設けるケースは異例だ。府教委は今後、小・中学校の設置主体の市町村教委に対し、各校への指導を要請。来年度にも「原則禁止」を実現する意向だ。

 府教委は7月、携帯電話の使用実態について調査。使用時間やメールの頻度を「依存傾向」として数値化し、学習時間との関係を分析した。1日の学習時間を「0〜30分」と答えたのは、依存傾向の低い児童生徒では29・6%、中くらいの児童生徒では41・7%だったのに対し、依存傾向の高い児童生徒では50・3%を占めた。

 橋下徹知事は3日の記者会見で「大人になれば、いやでも携帯電話から離れられなくなる。子供のうちは携帯電話から離れて、ゆっくり自分の時間を使ってほしい。まずは家庭の責任で、親が制限をかけてください」と呼び掛けた。

教科書検定調査官の氏名・意見内容公開へ 文科省が案

 「密室審議」の批判が強い教科書検定をめぐり、文部科学省は4日、透明性をもたせる改善案をまとめた。検定を左右する立場にありながら、これまで表に出なかった同省の教科書調査官について、示した意見(調査意見書)を検定終了後に公表するほか、氏名や職歴、担当教科も公開。文科相の諮問機関・教科用図書検定調査審議会(検定審)も審査終了後に委員の担当教科や議事概要を公表し、教科書づくりに不当な介入がなかったか事後的に検証できるようにする考えだ。

 教科書検定をめぐっては、沖縄戦の集団自決をめぐり、06年度の高校日本史の検定で「日本軍の強制」の記述を軒並み削らせたことが問題化。不透明な検定制度に批判が高まり、昨年、渡海文科相(当時)が改革を表明した。

 検定は、教科書会社が申請したものについて、大学の准教授クラスや高校教員などから採用される文科省職員の教科書調査官が意見書をつくり、それをもとに検定審が結論を出す。ただ、チェックする量が膨大で調査官の役割は大きく、検定審は調査官の意見に追随しているだけだという指摘もあった。

 調査官はいわば検定の「陰の主役」だが、採用基準や役割があいまいで、どんな意見を示したのかもわからず、「国の意向ありきで検定を進めているのではないか」という批判が強かった。「調査官の意見書や氏名、職歴の公表」という文科省の方針は、「ブラックボックス」という批判に応えるために考えられたという。

 ただし、文科省が固めた調査意見書などの公表案はあくまで検定終了後のもので、検定にかかわる検定審の傍聴は認めず、すべてが決まるまで審議内容を明かさないという立場は変えていない。検定審の詳しい議事録の作成も見送る方向で、同時進行で審議を点検する手だてを閉ざしている。文科省は「静かな環境のもと、中立で活発な議論を委員に保証するため」と理由づけ、検定審にはかった上で年内に決定したい考えだが、今後、さらに公開を求める声も上がりそうだ。

大阪・公立の小中高、携帯禁止…橋下知事方針

「学力向上策」と説明

 大阪府の橋下徹知事は3日、来年3月までに政令市(大阪、堺両市)を除く府内の全公立小中学校で携帯電話の持ち込みを禁止する方針を明らかにした。

 府立高校では校内での使用を禁止する。携帯サイトの利用をきっかけにした犯罪やいじめの増加などを受けたもので、文部科学省によると、携帯電話の校内への持ち込みや使用を都道府県単位で禁じるのは初めて。

 橋下知事は、この日の記者会見で「学校に携帯電話は必要ない」と強調。「携帯電話への依存度が高くなれば、学習時間が短くなる」と学力向上策でもあると説明した。

 府教委は近く、禁止方針を各校に通達。通学時の安全確保などのために必要な場合は、保護者側と協議の上で持ち込みを認め、下校時まで学校側で預かるなどの対応を検討する。

 府教委が今年7月に府内で調査したところ、公立小学校の88%、公立中学校の94%が携帯電話の持ち込みを禁じている一方で、9割超の府立高校が授業中以外は使用を認めていた。

2008年12月 4日 (木)

【教育】5割超が授業料値上げ 助成削減で大阪の中高84校

 大阪私立中学校高等学校連合会は、大阪府内の私立中学、高校計156校のうち、54%に当たる84校が来年度から授業料を値上げすると発表した。

 橋下徹知事の財政再建策の一環で、府が今年8月から私立学校への助成を中学で25%、高校で10%削減したことが主な要因。府庁で記者会見した連合会の坪光正躬副会長は「各学校の苦慮に満ちた決断。助成を回復するよう知事に申し入れたい」と話した。

 連合会の調査では、値上げするのは中学62校(来春新設の2校を含む)のうち34校(今年度比で20校増)、高校94校のうち50校(同28校増)。80校が「助成の削減」を理由の1つに挙げた。上げ幅は中学、高校とも年1万〜16万円。

 授業料に入学一時金を加えた生徒1人当たりの初年度負担の平均は、高校77万800円、中学79万6600円で、いずれも調査開始以来の最高額となる。

 値上げしなかった学校は「人件費を抑制したため」などとしているが、連合会では「人件費削減だけで持ちこたえるのは難しく、次年度以降、値上げに踏み切る可能性が高い」とみている。

 橋下知事は府教育委員会に対して公立高校の受け入れ枠拡大の検討を求めた。

薬物「1回でもだめだ」 夜回り先生、関西大で講演

 大学生の大麻事件が相次ぐなか、「夜回り先生」で知られる水谷修さんが2日、吹田市の関西大で講演した。学生や市民ら約700人に薬物の怖さを訴え、「1回でもだめだ。日常生活では得にくい快感におぼれるぞ」と注意した。

 学生に対しては、若者の間で大麻がたばこより害がないとの考えが広がってきたことについて、「それはうそだ」と強調。身体の依存性はニコチンのほうが高くても、精神の依存性と脳への影響の大きさは段違いだと説明した。

 市民らには、子どもの部屋を週1回はのぞいてほしいと呼びかけた。チェックする点について「薬物をやっている子どもは、その強いにおいを消すためにお香をたくことが多い。部屋も片づけず乱れていきがちだ」と助言した。

 大麻事件で逮捕された学生らを退学処分にする傾向には疑問を示し、「社会奉仕の体験を積めば復帰できるようにするなど、きちんと立ち直るまで見守ることも必要ではないか」と話した。

 水谷さんは9月、関大の客員教授に就任。今回が就任して初めての講演だった。

エストニアの映像教育 アニメが育てる子供の心

 ■創造力や団結力に「抜群の効果」

 バルト3国の一つ、エストニアの“子供たちへの映像教育”を知る講演会が開かれた。大阪市内で開催中の「第15回大阪ヨーロッパ映画祭」(5日まで)の一環として行われたもので、同国の子供アニメーション制作スタジオのスタッフが来日。アニメ制作という、時間のかかる物づくりを共にすることを通して、子供の心を育てる取り組みを紹介した。

 ≪疎外されがちな人と≫

 エストニアは、1991年に旧ソ連から分離独立した共和国。バルト海に面し、フィンランドやスウェーデンなど北欧文化の影響が強い。同国には、50年以上の歴史をもつアニメスタジオが2つあり、子供への熱心な映像教育が行われているという。

 来日したのはその一つ、人形を使ったパペットアニメーションで知られる「ヌクフィルミ・ラステストゥーディオ」のカトリン・クシークさんと、ソンドラ・ランプマンさん。

 非営利団体である同スタジオでは、国や州の助成を受けながら9〜5月に首都、タリンのスタジオで、6〜20歳を対象に週1回90分の授業を行うホビースクールと、各地の学校に出向くワークショップ、さらに罪を犯した青少年に対するアニメ制作指導なども行っている。

 「目標は、学校の子供たちだけでなく、家庭のない子供、障害を持つ子供、若年犯罪者ら、疎外されがちな人々と一緒にアニメを作ること。だって、アニメではあらゆることが実現可能ですもの」とクシークさん。

 ≪完成度よりプロセス≫

 ホビースクールは定員30人で、参加費は月約5000円。年代別に3つのグループに分け、幼い子供のクラスでは興味が続くよう初回から、紙を切った人形を動かすだけの5秒ほどのアニメを制作。年齢の高い子供のクラスでは、台本作りからストーリー展開、立体的な人形作り、カメラでの撮影、パソコンを使っての編集、音入れなどを含め、1グループで期間中に30秒程度の作品2、3本を作るという。

 「子供自身が最初から最後までやり遂げるのが一番の目的。スタッフの口出しを最小限にし、完成度よりプロセスを大事にしています」とランプマンさん。

 若年犯罪者の更生プログラムは試行段階というが、警察関係者や心理の専門家らと「条件をつけず、作りたいテーマで作らせる」方針で進めているという。

 クシークさんは「子供のクリエーティブな心を育てるには手を動かすことが大切。加えてアニメはチームワークも育てる」とその教育効果を説明する。

 ≪環境を考える場に≫

 今回の講演後には、今年の夏休みに子供10人が、ベルギーにあるアニメスタジオの制作監督による指導で、約1週間かけて短編アニメの制作に挑んだドキュメンタリー「海と命〜浦島太郎物語」が上映された。

 上映後の会場では、このアニメ制作に参加した子供から「絵をちょびっとずつ動かすのが大変やった」という感想が聞かれ、クシークさんとランプマンさんは「素晴らしい作品ね」と笑顔で子供に声をかけていた。

 同映画祭の子供部門、キンダーフィルム特集担当プロデューサーの森尾一幸さんは「アニメ制作を通して、子供に環境について考える場を与え、自主性やチームワークを学んでほしいと取り組みましたが、期待以上の成果」と話し、内外で開かれるドキュメンタリーやアニメ、環境などをテーマにした映画祭にも出品していきたいと手応えを感じていた。

小中高校での携帯電話、原則禁止 大阪府教委方針

 大阪府教委は3日、公立小中学校への児童生徒による携帯電話の持ち込みを原則禁止する方針を明らかにした。政令指定市の大阪、堺両市を除く市町村教委に年度内に通達を出し、徹底を呼びかける。府立高校でも校内使用を原則禁止する。文部科学省は携帯使用の校内ルールの明確化を求めているが、都道府県単位で一律に禁止を打ち出す例は「聞いたことがない」という。

 方針に反した児童生徒の携帯は学校で預かることにする一方、登下校時の防犯上の理由などから保護者から希望があれば持ち込みを認める。

 府内では公立小学校の88%、中学校の94%が持ち込みを禁止しているが、携帯メールや学校裏サイトへの書き込みによるいじめが絶えず、携帯の使用に伴う集中力の低下も目立つため、改めて禁止を掲げることにした。

 橋下徹知事もこの日の定例会見で「異論、反論あるかもわかりません」としつつ、「携帯電話への過度の依存は学習、健康の妨げになる。ルールを決めたら守らせるのは家庭、保護者の責任だ」と理解を求めた。

 ただ、禁止がすんなりと浸透するかは分からない。府立の普通科高校の教頭は「見つけたら注意し、保護者に連絡するなど努力しているが、取り上げるとなると力と力の対決になり、大混乱を招く」。ある市教委の担当者も「指導を徹底すればかえって生徒は反発する」と話す。

 府教委が7月に公立小中学生、高校生から計1万3555人を抽出して携帯の利用状況を調べたところ、1日の使用時間を「3時間以上」と答えたのは中1で15.6%、高1で32.6%。1日にメールを51回以上送信する生徒は中1で10.6%、高1で15.9%いた。

 兵庫県では、携帯の持ち込みを禁止している県立高校は半分以下の65校(昨年度)にとどまる。県教委の担当者は「学校によって事情は違う。校長の裁量で指導してもらっている」という。

機長の卵、米で飛行訓練…東海大・パイロット養成課程

 同期と一致団結

 東海大が2006年4月に国内の大学で初めて開設したパイロット養成課程の1期生40人の約半数が、米国での飛行訓練留学から帰国、夢の実現へ最後の追い込みに入った。

 学生の指導には、全日空が全面協力。学費は4年間で1500万円と高めだが、4年間で大学卒業の資格と、民間機を操縦する免許を取得できるのが売りだ。

 民間機のパイロットになるためには、大学卒業後に航空会社に入社して訓練を受けたり、航空大学校で学んだりする道がある。しかし、航空大学校に入るにしても大学に2年以上在籍して、所定の単位を取らなければならない。

 東海大の養成課程はパイロットの夢の実現まで2〜3年の近道になる。1期生の片岡鷹一さん(21)は「いち早く訓練に入れることが魅力で、東海大を選んだ」と話す。

 一方、航空業界は、団塊世代の機長が大量退職する時期を迎え、機長不足に悩んでいる。10年に成田、羽田両空港の発着枠拡大が予定され、パイロットの安定確保が課題になっている。

 本格的な飛行訓練は、2年次から2班に分かれて、15か月間、米ノースダコタ大で行った。115機の訓練機を持つなど、パイロット養成では全米屈指の大学で、滑走路外の荒れ地からの離着陸訓練は、全日空のパイロット養成課程でも経験できない内容という。

 国内のカリキュラムも、クラブ活動やアルバイトができないほど忙しい。全員に米国の大学への留学条件である、英語能力テスト「TOEFL」で525点の実力が求められる。そのため、語学力を高める目的で、入学当初から教養科目と並行して、週6時間の英語の特訓が待っている。

 航空無線が使える資格を取り、民間路線を飛ぶための学科試験にも合格しないと留学はできない。

 1期生の柳川亮さん(21)は「とてもハードだったが、同じ夢を追う仲間が集まり、成し遂げた満足感がある」と振り返る。

 全日空の機長だった遠山誠二教授(61)は「団結力は、厳しい学生生活の意外な『副産物』。パイロット仲間から『チームワークが理解できる学生を送ってほしい』と言われたが、十分に期待に応えられそうだ」と話す。

2008年12月 3日 (水)

大学運営費削減の撤回を国に要請 日教組と全大教

 日教組と全国大学高専教職員組合(全