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2009年1月

2009年1月31日 (土)

教職大学院9校に改善指導

 文部科学省は28日、昨年4月に開設された教職大学院19校のうち8校に対し、定員割れを理由に改善指導を行った。

 改善指導を受けたのは、北海道教育大、上越教育大、愛知教育大、兵庫教育大、鳴門教育大の国立5校と、玉川大、早稲田大、常葉学園大の私学3校。特に愛知教育大では、50人の定員に対し、入学者は現役の教員16人と新卒7人の計23人だけで、半数にも満たなかった。このほか総定員は満たしていたものの、京都教育大は3コースのうち1コースで定員を満たしていなかったとして改善指導を受けた。

教室から黒板が消える? 電子情報ボード、現代っ子にぴったり

 かつて教室に欠かせなかった黒板が徐々に姿を消し、ホワイトボードや電子情報ボード(電子黒板)に取って代わられつつある。とりわけ教師がパソコンに入力すれば文字や図形などが写し出される電子黒板は、IT技術にも慣れ親しむ現代っ子たちのライフスタイルにぴったり合い、授業の「食いつき」も上々という。一方でチョーク書きのよさを見直す動きもあり、新旧の「板書」をめぐるせめぎ合いが熱を帯びている。

▽電子黒板は多機能

 平成18年に開校した立命館小学校(京都市北区)は、全教室にホワイトボードを設置。電子黒板も関西で初めて全教室に導入した。

 電子黒板は、教師の手元に置いたパソコン画面が映し出される仕組み。電子ペンで黒板をなぞれば、文字を直接書き込むこともできる。教科書の特定のページやホームページの画面を映し出したり、漢字を書き順通りに自動的になぞる機能もある。

 前川善彦事務長補佐は「テレビやパソコンのディスプレーに慣れた子供たちを、黒板とチョークで集中させるのは難しい。その点、電子黒板では反応が違う。時代にあった教育を考えた」と導入の理由を説明。「教室で給食も食べるので、チョークの粉が気になる」という教諭らの意見も重視したという。

 実際の授業では、ホワイトボードを中心に使いながら、児童を飽きさせないために電子黒板を効果的に併用。廣岡裕子教諭は「教師がチョークで書きながら説明していた黒板と違い、子供たちと目を合わせられる時間が多くなり、一人一人の表情がより把握できるようになった」と話す。

▽従来型の生産は激減

 電子黒板とホワイトボードは、昨年創立された関西学院初等部(兵庫県宝塚市)でも全教室に導入し、甲南小学校(神戸市東灘区)でも導入を検討中という。

 こうした状況を受け、黒板の生産は当然、減少している。全国黒板工業連盟によると、加盟49社の従来型黒板の年間生産量は、平成19年度で16万平方メートル。ピーク時は60万平方メートル市場ともいわれたが、16年度と比べても半減した。少子化に伴って全国で小学校が毎年約200校ずつ減少していることも、その傾向に拍車をかけているという。

 公立小学校については、「1台数十万円もするため、電子黒板の整備はなかなか難しい」(大阪府教委担当者)といい、導入が進んでいないのが実情。しかし、23年度から公立小学校でも全面実施される外国語教育に向け、文部科学省が電子黒板で使える教育ソフトを配布する予定で、普及に弾みがつく可能性があるという。

▽根強い支持

 とはいえ、「黒板には黒板の良さがある」と従来型の黒板に強くこだわる私立小学校もある。

 追手門学院小学校(大阪市中央区)は、電子黒板などの最新設備も整っているが、20年度に新設した1、2年生の教室にはあえて従来型の黒板を導入した。津田克彦校長は「漢字のとめ、はね、はらいなどは、表面が滑りやすいホワイトボードでは表現しきれない。黒板なら力を込めてはっきりとした文字を書けるし、チョークで太さを調節もできるので、文字を学ぶ初等教育には適している」と話す。

 黒板のトップメーカー、青井黒板製作所(大阪市北区)では、46年前にホワイトボードを初めて開発したが、学校用の黒板とホワイトボードの生産量は3対2の割合で、依然として黒板が優位を保っている。青井諄治社長は「ホワイトボードは光沢がある上、水性ペンの字は細くて見にくいという欠点がある。教室の大勢の子供にはっきりとした文字を見せられるのは、やはり黒板。教室から黒板が少なくなっても、決してなくなることはない」と話している。

鳥インフルエンザ:「怖い」飼育やめる学校多く 専門機関が予防法を冊子に

 ◇「世話と観察が大事」

 鳥インフルエンザを恐れて、鳥たちを放置したり殺したりしないで−−。家畜の衛生に関する調査・研究をする社団法人「全国家畜畜産物衛生指導協会」(全国衛指協、東京都文京区)が、学校や一般家庭で飼われている鳥類を高病原性鳥インフルエンザから守るためのパンフレットをまとめた。

 作製したパンフレットは、学校飼育用の鶏、チャボなどペット用の鶏、ダチョウ、アイガモの4種。A4判のカラー見開きで、それぞれの鳥の特性に合わせた病気の予防、病気の見分け方、対処法が具体的に示されている。全国衛指協は「鳥たちを避けるのではなく、毎日きちんと世話して観察することが大切」と訴え、文部科学省を通じて全国の小学校、幼稚園、保育園に配布した。

 高病原性鳥インフルエンザは世界各地で発生し、一部地域では人への感染例もある。世界保健機関(WHO)による報告では、死者はインドネシアなど世界各国で計252人(1月26日現在)に上る。

     *

 国内では04年1月に山口県の養鶏場で79年ぶりに発生し、その後も各地で散発的に報告されている。「高病原性」とは鳥に対して感染や死亡率が高いという意味だが、「人への感染率が高い」などの誤った情報が飛び交い、多くの鳥が飼育を放棄される事態を生んだ。

 同協会と獣医などからなる全国学校飼育動物研究会によると、ペットが処分されるケース以外にも学校現場で当初、鶏舎の鳥を放置して死なせてしまうことがあった。その後は子どもに世話をさせず、教員だけで面倒を見る場合が多いという。

 しかし、国立感染症研究所(東京都新宿区)によると、鳥から人への感染は、病気にかかっている、もしくは死んだ鳥の体液や排せつ物との濃厚な接触でまれに起こるだけで、感染した人から別の人に容易に感染することはないと考えられている。

 全国衛指協の参与で農学博士の谷口稔明さん(61)は「学校現場の鳥やペットを遠ざけることは子どもたちの心の教育に逆効果なだけでなく、もしも鳥が病気になったときの発見も遅れる。感染の封じ込めもできなくなる」と話す。

     *

 学校で飼育されている鶏類についてのパンフレットには、毎日フンを掃除して新鮮な水とエサを朝と夕の2回与える▽こまめに様子を観察する▽暑さ、寒さ対策をする▽野生の水鳥やその生活水に触れないように囲う▽飼育舎に感染媒体であるネズミが入らないようにする▽手洗い、うがいを習慣づける▽不審死、大量死した場合はすぐに家畜保健衛生所に連絡すること−−などが書かれている。

 学校飼育鶏の冊子の作製に携わった西東京市の中川美穂子獣医師は「鳥たちが食欲をなくして、うずくまっているときは何らかの病気にかかっている可能性がある。日々愛情を持って接し、小さな変化にも気付いてあげて」と呼びかけている。

 問い合わせは全国衛指協(電話03・3833・3861)。

「新常用漢字表」の試案を承認 文化審議会

 今期最後の文化審議会総会が29日開かれ、国語分科会などが審議内容を報告した。「新常用漢字表(仮称)」に関する試案は原案通り承認された。1945字からなる常用漢字表から5字を削除して191字を追加し、新常用漢字表は2131字になる。

 試案は3月に文化庁のホームページなどで公開して意見を募り、寄せられたパブリックコメントを参考にしながら修正する。10年2月に文化審議会が文部科学相に答申し、同年秋には内閣が新しい漢字表を告示することをめざす。

 試案で意見が最も分かれたのが「しんにゅう問題」。常用漢字表では「選」のように、しんにゅうが1点に統一されているのに対して、新常用漢字表では2点しんにゅうの「遡(そ)」「遜(そん)」「謎」が加わる。漢字表内で異なる部首が混在することをめぐる議論は、パブリックコメントの募集でも焦点となりそうだ。

2009年1月30日 (金)

アフガンの女子教育支援、日本の5女子大が連携

「日本の経験役立てて」

 日本の五つの女子大が共同で、アフガニスタンの女子教育の支援を行っている。国際協力機構(JICA)の事業の一環で、現在、同国から研修のため女性教員が来日している。女子大側は「日本の女子教育の歴史や経験を役立てたい」としている。

 支援をしているのは、お茶の水女子大、津田塾大、東京女子大、奈良女子大、日本女子大の5大学。共同事業体を設け、研修を受け入れている。

 今月、来日したのはアフガニスタンの中学、高校の教員13人。19日にはお茶の水女子大で、日本の女子高等教育の歴史についての講義を受けた。21日には、東京都文京区のお茶の水女子大付属小学校を訪問。校長や副校長から授業内容の説明を受け、「保護者とはどのように協力しているのか」「総合的学習とはどのようなものか」などと熱心に質問をしていた。

 首都カブールの中学校で数学を教えているホメイラ・アクバリさん(27)は、アフガニスタンでの女子教育の現状について「タリバン時代は教育も含めて女性の権利が奪われてしまったが、今は女子もどんどん学校に戻ってきています。しかし、依然として女子生徒は進学や就職面などで差別を受けていて、女子を学校に行かせる必要はないと考える保護者も多い」と話す。

 アクバリさん自身、タリバン時代に学業を中断せざるを得なかった経験があるという。現在、女子も学校で勉強ができるようになったものの、治安が悪くテロや誘拐などの心配が絶えず、通学途中の安全確保が難しいために学校を休む生徒も少なくないという。

 アクバリさんは今回の研修に参加し、日本のPTAや生徒会といった組織に関心を持ったという。「アフガンの学校にPTAはありませんが、家庭と学校が協力して子どもたちを育てるのはすばらしい考えだと思う。また、生徒会では女子生徒もリーダーとして活躍しているようで、アフガンの女子生徒にも、自分の考えを持ち、問題を解決する力を身につけさせたい」と話していた。

 13人は30日の帰国まで各女子大を回り、講義や授業見学などを行う。女性が地域の中でどうリーダーシップを取るかを議論したり、様々な心の問題を抱えた子どもたちとの接し方について実習を交えて学んだりする。28日には、日本女子大で行われるアフガニスタンの復興支援をテーマとしたシンポジウムにも参加する。

 アフガニスタン支援の一環として女子教育の支援事業は以前から行われていたが、今回の研修はより実践的なもので、今年度から3年間の予定で実施される。お茶の水女子大学長の郷通子さんは、「日本には100年以上の女子の高等教育の歴史があります。日本が築き上げてきたものを見ることで、将来の展望を具体的にイメージしてもらえたらいい」と話している。

大阪市教委が全国体力調査の結果公表へ 全国初

 大阪市教育委員会は27日、文部科学省が実施した「全国体力・運動能力・運動習慣等調査」の大阪市の結果について2月中旬をめどに公表する方針を決めた。

 文科省によると、市町村別データの公表は全国初。

 市教委が公表するのは各種目の平均値など。全国学力テストの場合と同様、結果分析や課題、今後の取り組み方も示す。学校別の数値は公表しない。

 文科省は過度の競争につながるとして市町村別結果を公表しないよう都道府県教委に求めているが、大阪府の橋下徹知事は20日、市町村教委に公表するよう要請する意向を表明。平松邦夫市長も22日の記者会見で「学力テストの場合と同様、結果を公表した上で、対策を各市町村で考えるべきだ」としていた。

京都・八幡市教委:DSでA・B・C 小学英語に導入へ

 新学習指導要領で11年度から小学5、6年の外国語学習が必須化されるのを前に、京都府八幡市教委が今年4月、市内の1小学校で人気携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の英語学習ソフトを授業に導入する。文部科学省は「小学校で携帯ゲーム機を使う英語学習は八幡市しか把握していない」としている。

 600語、150フレーズを収めた小学校向けソフト「陰山英男の反復音読DS英語」。「聞く、読む、書く」というDS機能を活用し、音声を聞いてアルファベットを書く、英会話の短いフレーズを聞いて口でまねる、などを反復学習する。

 市内の中学では市教委職員がソフト会社「IEインスティテュート」(東京)に英語学習ソフト開発を提案し、07年にDSでの学習を開始。今回始めるのは市立中央小で、昨年11月に実験的に5年生の授業で行い、ヒアリングテストの平均点が導入前の68・3点から89・7点に向上した。

 同小では29日にデモンストレーション授業を予定。ソフトを監修した陰山英男・立命館大教授は「早いうちから英会話の力を着実に身につける勉強法が必要」と話しており、市教委は「長期的成果が見られた段階で他の市立小への拡大も検討したい」としている。

 小学校のDS授業は大阪府教委が一部の学校で国語、算数に使っているが「英語はまだ考えていない」といい、IEインスティテュートは「全国から問い合わせがあったが、導入を決めたのは八幡市の中央小学校だけ」としている。

全国体力調査の結果公表へ 大阪市教委、2月にも

 大阪市教委は27日、教育委員会議を開き、文部科学省が実施した「全国体力・運動能力・運動習慣調査」の大阪市の結果を2月にも公表する方針を決めた。同省は「過度な競争意識を招く」として、全国学力調査と同じく、都道府県教委に市町村別の結果公表を禁じていた。文部科学省生涯スポーツ課は「今のところ公表に踏み切った自治体があるとは聞いていない」としている。

 21日に公表された都道府県別の調査結果で、大阪府は下位に低迷していた。平松邦夫市長は22日の記者会見で、「それぞれの市町村が対策を考えるべきだというのは学力調査と同じ。できれば(市の調査結果を)公表してもらいたい」と話していた。市教委は8種目の市全体の平均点などの公表を検討しており、「結果に基づいた取り組みを検討した上で、どのようなデータを公表するか今後決めたい」としている。

好き放題に育った子たち

 ◇全学校に「荒れ」の芽

 住民からの苦情電話は土曜も日曜もかかってきた。

 「おたくの生徒がたばこ吸いよう」

 花火をしている、と通報してくる人もいた。自分で注意せず、なぜ学校だけに頼るのか……。教頭(56)は腹立たしくなる。

 福岡県内の中学。07年春、他校で問題を起こした3年生男子が転校してきた後、数人が同調して問題行動をとり始めた。

 遅刻して廊下を徘徊(はいかい)。壁をけ飛ばしガラスを割る。注意すると「きさん、くらすぞ(貴様、殴るぞ)」。眼鏡を地面にたたきつけられた教員もいる。教員が殴られて警察に通報し、逮捕された生徒も出た。嵐のような日々は、3年生が卒業すると収まった。

 教育委員会から助言などはなく、「報告書を上げろ」と言われただけ。最前線で対応していた30代の生徒指導主事は卒業式の後、辞めた。当時の学年主任は今も不眠に悩み、薬を飲んでいる。

 教頭は力を込めた。「かわいい子を警察に売るのかと言われたが、地域にも教育力はない。好き放題に育った子供を、中学だけで元に戻せるかというと不可能ですよ」

 文部科学省の07年度調査では、小中高生による暴力行為は過去最多の5万2756件に上った。突然キレる子が増え、校内暴力も新しい時代に入ったと指摘されている。

 非行に詳しい東京都立川市立第一中の嶋崎政男校長は最近の荒れについて「昔からある親の放任に加え、溺愛(できあい)による耐性の欠如や、親の過度な干渉への反抗が特徴だ」と話す。

   ■   ■

 子供が変わった、といわれる。集団生活の決まりを理解できず共感性に欠け、教員の指導は空回りする。

 東京都内の小学校。月曜の朝会で体育館に児童が整列している。遅刻してきた男児に男性教諭(57)は「急ぎなさい」と促したが、顔色も変えずゆっくり歩く。友達と笑いながらやってくる女児もいる。なぜ慌てないのか、理解できない。

 三重県の小学校。友達と言い合いになり、突然カッターを突きつけ、机やいすを投げ飛ばす子がいた。相手が痛がるのを見てきょとんとする。ベテラン教諭は「想像力の欠如を実感する」と嘆く。

 早稲田大の河村茂雄教授は04〜06年、小中学生5万人の意識調査をした。「先生の言うことは聞かなければならない」に対し「あまりそう思わない」「そう思わない」と答えた中学生が36%もいた。「友達を傷つけてはいけない」については「あまりそう思わない」「そう思わない」中学生も9%に上る。40人学級なら3〜4人いる計算だ。「荒れ」の芽はどの学校にもある。

 河村教授はいう。「地域との関係が薄れて核家族化も進み、社会体験が不足する中、子供が人との関係をうまく結べなくなった。対人関係や社会のルールを、教師が教える時代になった」

   ×   ×

 先生があえいでいる。指導に素直に従う子は減り、学級崩壊に陥る学校もある。携帯電話を巡るトラブルなど、以前はなかった問題も増えた。生徒指導に苦闘する現場の先生を追う。

2009年1月29日 (木)

秋田、すべての市町村が学力調査参加へ

 全国学力調査の市町村別平均正答率を公表した秋田県で、25市町村教委すべてが、次回調査に参加する方針を27日までに決めた。ほとんどの教委が「村の成績が全国的にどの程度か見極められるのはメリット」と調査の意義を参加理由に挙げた。

 ただし、市町村別結果公表に反対する声は強く、藤里町が「公表の可能性が高まれば調査当日でも参加を取りやめる」としたほか、14教委が文部科学省の実施要領を守るよう県教委などに要望した。

寝る子は育つ 正しい睡眠法 親のしつけで覚醒リズム作って

 深夜の飲食店や電車などで、幼児を連れた親の姿を見かけることがないだろうか。大人とともに、幼児の生活も深夜にずれ込むことは、睡眠に悪影響を与える。幼児期にきちんとした睡眠、覚醒(かくせい)のリズムを作ることは、健やかな成長に不可欠だ。和洋女子大学(千葉県市川市)の鈴木みゆき教授(人間発達学)に、幼児に十分な睡眠をとらせて生活習慣をただすポイントを聞いた。

 「幼児を連れた母親グループが居酒屋で深夜まで飲酒をしているケースは少なくないようだ。確かに、親にもたまの息抜きは必要だろう。しかし、親の都合で幼児の睡眠リズムを狂わせてしまうのは、優先順位が間違っている」。鈴木教授はそう警鐘を鳴らす。

 鈴木教授によると、幼児の就寝時間は遅くなる傾向にある。育児雑誌の協力で読者アンケートを実施したたところ、0〜2歳児200人のうち4分の3に当たる157人が「午後11時以降に就寝」しているという結果が出たという。

 「小学生は学校の時間割に沿って登下校する必要があるため、睡眠などの生活習慣のリズムは比較的保ちやすい。だが、幼児にはそれがなく、レジャーなど親の都合次第で、どんどん就寝時間が遅くなる落とし穴にはまりやすい」

 鈴木教授は「ヒトはもともと昼行性の動物。朝に覚醒し、夜に睡眠をとるというリズムを保つ中で、成長に必要不可欠なホルモンが分泌される」と指摘する。

 具体的には、老化を防ぎ、抗酸化作用のあるホルモンの「メラトニン」は、生涯のうちで1〜5歳児のころに最も多く分泌される。寝付きやすくするためにも必要なホルモンだ。だが、周囲が暗くなってからでないとメラトニンは分泌されないため、夜間に電灯をつけて部屋を明るくし過ぎるのは禁物だ。

 体の発達に不可欠な「成長ホルモン」は、午前0時ごろをピークに、寝ている間によく分泌される。「寝る子は育つ」とよく言われるのには、科学的な根拠があるわけだ。

 このほか、神経伝達物質のセロトニンは、起床後に分泌が活発になり、気分を穏やかにする効果などがあるが、睡眠のリズムに左右されやすい。「イライラしたり、機嫌が治りにくかったりする子供や、すぐにキレやすい子供は、睡眠のリズムが不規則になっていないか調べてみるといい」

 睡眠と体温は相関関係が深く、明け方に安静している状態での体温が最も低くなる。その後、体温は起床とともに上昇して午後にピークを迎え、脳や体を活発に動かす。「しかし、睡眠のリズムが乱れると、体温の上昇カーブも狂い出すので、体が時差ボケのような状態になってしまう」

 そこで、鈴木教授は「子供は自然に寝付くと考えるのは誤りだ。意識的な『しつけ』として寝かしつけることが必要」と勧める。そして、「幼児には『食』など他の生活習慣と同様に睡眠、覚醒のリズムをしっかりしつけることが肝心で、自然に任せても習慣付けはできない」と注意を促す。

 対策としては、まず親が決まった時間に子供を寝かしつけることを決意すること。そしてスムーズな入眠のため、布団に入ったら本を1冊読んであげたり、ぬいぐるみなどのお気に入りのグッズを布団に持ち込ませてあげたりするなど、「毎晩寝るための『儀式』を決めておくと、入眠モードに入りやすい」とアドバイスしている。

大学入試:国公立大2次試験 願書受け付けスタート

 国公立大2次試験の願書受け付けが26日、始まった。締め切りは2月4日。国立82大学(368学部)、公立72大学(163学部)の募集人員は、08年より31人多い9万9895人。2次試験は前期日程が2月25日から、後期日程が3月12日から。出願の前提となる大学入試センター試験は約50万人(外国語)が受験した。

2009年1月28日 (水)

新常用漢字表試案を承認 文化審国語分科会

 文部科学省の文化審議会国語分科会は27日、漢字小委員会でまとめた「新常用漢字表(仮称)」に関する試案を承認した。29日の文化審議会総会で承認されれば、3月に文化庁のホームページなどで公開して国民から意見を募る。10年2月に文科相に答申し、同年秋に内閣が新しい漢字表を告示することをめざしている。

 試案では、1945字からなる常用漢字表から5字を削除し、191字を追加して、新常用漢字表は2131字になる。

2009年1月27日 (火)

ネットいじめなくなった 都内の中学 授業で「携帯電話」徹底論議

 携帯サイトなどによる「ネットいじめ」の被害が深刻化する中、生徒自身に携帯電話との“付き合い方”を考えさせる授業に取り組んでいる中学教諭がいる。「携帯電話は本当に必要か」。生徒にこうした疑問を徹底的に話し合わせたところ、授業を受けた学年ではネットいじめがなくなったといい、授業について教育関係者からの問い合わせが相次いでいる。

生徒の声パンフレットに関係者注目

 東京都大田区立大森第三中学の大山圭湖教諭(53)は3年前、当時担任をしていた2年生で、授業中にぼんやりしている生徒が増えていると感じた。前年に行った携帯電話に関するアンケートを改めて行うと6割近い生徒が携帯を持ち、毎日1〜2時間も友達とメールをするという実態が浮かんだ。中には1日6時間もしている生徒や、掲示板の管理人をしていた生徒も。

 生徒の声はもっと切実だった。「携帯がなくなるとどうなるか」との問いに、「本音が言えなくなる」「死ぬか精神がおかしくなる」「世界が終わる」…。「生徒たちも『携帯に依存しているなんて、何かおかしい』と感じていた。だからこそ、その思いをみんなに伝えてもらうことにした」と大山教諭。

 授業で行ったパネルディスカッションでは、10人の生徒に同級生や保護者の前で自分の思いを語ってもらった。しかし、それでも思いが伝わらないと感じた生徒らは自らの体験や思いをつづったパンフレット「中学生の中学生による中学生のための携帯ネット入門」を作製した。

 携帯を持っていない生徒は「意識して携帯依存から抜け出して」と呼びかけた。「携帯でないと言えない本音なんてない。本音は直接話してこそ伝わる」と訴える声もあった。一日中メールにはまったという生徒は「終えた後、時間の経過に驚き、後悔した」との思いをつづった。

 パンフレットは学年全員に配布。大山教諭は「自分たちで考えたことで、子供たちは自分たちなりの携帯電話との付き合い方を見つけたようだ。少なくとも、この学年ではネットいじめはなくなった」と話す。

 昨年7月、新たに担任となった1年生対象のスピーチ会でも、携帯メールに悩む声があった。大山教諭は「家庭でもしっかり教育しているが、それでも子供は携帯にはまってしまう。しつこいようでも毎年繰り返し教えることが大切」。この学年でもパンフレット作製を考えている。

 小中学校への携帯電話持ち込みの議論が広まる中、教育関係者からパンフレットへの問い合わせも増えている。今月31日に開かれる教育イベントでもパネリストして生徒と一緒に参加する。「せっかくの生徒たちの声を多くの人に役立ててもらいたい」

 大森第三中でも携帯電話の校内への持ち込みは禁止だ。大山教諭は「学校で必要だとは思わない。ただ頭ごなしに『駄目』といっても子供は反発するだけ。自分たちで考えさせることが必要」と話す。

自殺や暴行…後絶たぬトラブル

 非公式のインターネット掲示板「学校裏サイト」や、自己紹介などが目的の携帯電話用サイト「プロフ」での書き込みをめぐる「ネットいじめ」をめぐり、子供たちが自殺や暴力事件といったさまざまなトラブルに巻き込まれるケースが増えている。

 今月、さいたま市立の中学3年の女子生徒が昨年10月にネットいじめを苦にしたとみられる遺書を残して自殺していたことが発覚した。女子生徒は転校直後、「プロフ」に「キモイ」などと書き込まれていた。

 昨年5月には、北九州市の高校1年の女子生徒が「ブログに『死ね』と書き込みされた」とする遺書を残し、自殺した。この生徒はインターネット上で、中学時代の友人と作ったブログを運営していたが、非難するような内容の書き込みをされていたという。

 また、昨年7月にはプロフへの書き込みが原因で、群馬県桐生市の男子高校生が元同級生から暴行され、死亡した。書き込みは「ギターを弾くやつはろくなやつがいない」という内容で、元同級生が腹を立て暴行に及んだという。

 学校裏サイトやプロフなどでのネットいじめは、増加傾向にあるという。文部科学省の平成19年度全国調査では、前年度より約1000件増の約5900件が確認され、いじめ全体の約6%を占めている。

 携帯電話をめぐる行政の対応

平成19年

12月 政府の教育再生会議、第3次報告で子供の携帯電話へのフィルタリング(閲覧制限)義務付けを求める

平成20年

5月 政府の教育再生懇談会、小中学生の所持禁止を盛り込んだ第1次報告まとめる

6月 携帯電話会社に、18歳未満へのフィルタリングサービス提供を義務付ける有害サイト規制法が成立

7月 文科省、携帯電話の学校持ち込みについてのルール作りを各教委に通知

11月 文科省、ネットいじめ約5900件と平成19年度の全国調査結果を公表。教員向けのネットいじめ対策マニュアルを作製

12月 大阪府の橋下徹知事、小中学校への携帯電話持ち込み禁止を表明。政府の教育再生懇談会、「学校への持ち込み禁止」提言案をまとめる

平成21年

1月 埼玉県、ネットいじめの対応マニュアルを公表。文科省、学校持ち込み禁止の方針固める

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

 むかしから学習は読み・書き・そろばん!
 近年見直されている作文添削で正しい日本語表現と基礎学力(読解力)の養成を!

 ココロと言葉の作文教室 も・の・か・き・名・人

※中学受験・AO入試をお考えの保護者様は是非一度ご覧ください。

益川塾:京産大が4月に設立

 京都産業大は25日、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英教授(68)の名を冠した教育・研究機関「益川塾」を4月に設立し、益川さんを塾頭に任命する、と発表した。併せて益川さんを定年のない「終身教授」とし、若手研究者の育成や科学のロマンを社会に伝える活動に取り組む。体制を固めた上で、来年4月から本格運営する方針。この日、京都市であった受賞記念祝賀会で益川さんは「まだ何も考えていない」「塾頭のキャラじゃない」と相変わらずの“益川節”だった。

同志社大、センター試験志願者800人の名簿紛失

 同志社大(京都市)は26日、大学入試センター試験(17、18両日実施)で同大学を会場に指定された志願者約800人の名簿を、試験前に紛失していたと発表した。別の書類を廃棄した際、誤って処理業者に渡し焼却処分された可能性が高いという。同大は「情報漏洩(ろうえい)の懸念はないと考えている」としている。名簿はセンターから再交付を受け、試験は予定通り実施した。

 同大学によると、名簿には氏名、性別、生年月日、高校名、個人の電話番号などが記載されていた。職員が8日、保管中の名簿入り段ボール箱1個がなくなっていることに気づいたという。

大学入試に不況直撃 愛知でも学費免除の動き広がる

 東京、大阪に次いで4年制大学の数が全国で3番目に多い愛知県の大学で、経済的な理由から進学が困難になりそうな学生を対象に、学費や入学金免除の動きが広がっている。

 名古屋市の南山大は、今春の新入生の授業料や入学金を免除する新たなサポート制度を新設した。対象は一般入試の成績上位者35人で、初年度にかかる費用約120万円を免除。原則4年生まで授業料などが不要だ。

 また日本福祉大(愛知県美浜町)は、経済的に苦しくなった新入生のうち最大20人に対し、平成21年度前期の授業料など40万〜80万円程度を免除すると発表。名城大(名古屋市)も21年度前期の授業料など最大約95万円を免除する制度を設けた。

 このほか愛知学院大や愛知東邦大でも同じ理由で成績上位者の優遇や奨学金制度の拡充を図っている。

不登校で形式卒業、学び直す場限られ 門戸開けない公立夜間中のジレンマ

 京都市の夜間中学で、不登校の中学生を受け入れ、年配の生徒とともに学ぶ試みが行われている。しかし一度中学を卒業した元不登校の人は、公立夜間中に通えない。不登校の人たちの「学び直したい」意欲にどう応えるか、夜間中の現状と課題を探った。

 ◆京都・洛友中の試み

 「これ食べなよ」。70代のおばあちゃんがアメを差し出す。時には野菜や手作りのチヂミ(韓国風お好み焼き)が教室に持ち込まれることもある。

 「いいです」。少年は表情を硬くしたまま、最初はしり込みしていたが、「ありがとうございます」と受け取るようになった。教員にも友達にもほとんど口を開かなかった少年は、文化祭にも積極参加し、昨春の卒業式では、卒業生代表として答辞を述べるまでになった。

 京都市立洛友中は京都府内唯一の夜間中学だ。廃校となった学校を利用しているため昼間は校舎が空いており、市教委が07年度から、不登校を理由に別の学校から転籍した中学生を受け入れる昼間部を開設した。定員10人で、現在は8人が通う。午後1時半から昼間部だけで授業を行い、5、6時間目は夜間部の生徒と一緒に、体育や家庭科などの実技を学ぶ。

 夜間部に通うのは、60〜70代の在日韓国・朝鮮人が多い。口数の少ない中学生にも気さくに話しかけ、ペースに巻き込んだ。「変な気遣いもなく接するので、子どもの表情も和らぎ、会話が成立するようになった」。夜間部で国語を教える古川三枝子教諭(57)は、卒業生代表になった少年を思い起こす。

 ◆異年代で一緒に体育

 小林美貴子さん(25)は常勤講師として、年代の異なる生徒たちに体育を教える。物静かな中学生たちの意欲を引き出すのは一苦労だが、思わぬ展開になることもある。「卓球の授業で『まだやりたい』というお年寄りの押しに負けて、いつの間にか一生懸命にラケットを振る中学生もいる。夜間部の人たちの生き生きとした表情を見るのが、子どもたちも楽しいのでしょう」と話す。

 もちろん、夜間部の雰囲気になじめず、夜の教室に入ることを渋る中学生もいる。西寺正校長(59)は「毎日学校に来られない昼間部の生徒もおり、まだ手探りの日々。不登校の背景もなかなかつかみにくいが、昼と夜の生徒が一緒に笑える時間が増えれば」と願う。

 ◆孫に接するように

 洛友中はこぢんまりとした雰囲気が特徴だ。ある女子生徒(14)は前の中学で、陰口が飛び交い本音と建前が食い違う友人関係に嫌気がさして学校に通えなくなった。「本当は別の子と遊びたいのに、リーダー格の子についていき、いつもオドオドしていた。ここでは人間関係に気を使う必要もなく、1人でいても楽」と話す。

 夜間部の先輩については、「教室に入ると『こんばんは』と笑いかけてくれる。クリスマス会で人形劇をした時も励まされ、孫のように接してくれて温かさを感じる」と話した。

 京都市には約860人の不登校の中学生がいる。洛友中のほか、不登校の生徒だけを対象にした定員70人の洛風中も04年度に開校した。現在の学校に籍を置いたまま通う適応指導教室(市内5カ所)もあり、多様な受け皿がある。

 ◇教育的配慮で卒業証書、義務教育「修了」が壁に 国に入学保障を要望

 公立夜間中は、戦争や貧困で学校に通えなかった人のために1947年に誕生した。54年の87校をピークに減少が続き、今は東京や大阪、兵庫など8都府県に35校あるだけだ。

 夜間中の対象者は「義務教育未修了者」。ところが不登校生徒は、大半が教育的配慮で卒業証書を授与されているため、義務教育修了とみなされ公立夜間中に通えない。

 東京都世田谷区立三宿中の関本保孝教諭は「年に十数件、不登校だった若者たちから登校したいという打診がある。学ぶ意思のある人に門を閉ざすのは歯がゆい思いだ」と話す。三宿中は毎年、区内の中学を回り公立夜間中をアピール、不登校の生徒に進路として検討するよう呼びかけている。

 「形式卒業者」の受け皿が、ボランティアらによる自主夜間中や勉強サークルだ。昨年12月に東京都内で開かれた「全国夜間中学校研究大会」では、勉強サークル「えんぴつの会」(墨田区)が「各地から問い合わせがあり、公立夜間中から元不登校の若者が紹介されてくる。小中学校の就学率は100%とされるが、実際には学びの機会を与えられない多くの教育棄民が生まれている」と訴えた。

 東京都では80年代、都教委の柔軟対応により年100人を超える元不登校生徒を、8校の公立夜間中が受け入れていた。夜間中の教員らでつくる全国夜間中学研究会は「形式卒業者にも入学を保障してほしい」と文部科学省に要望している。

 ◇成人式迎えて、公立夜間中に通学−−卒業証書受け取らなかった、土屋裕子さん

 不登校の末、卒業証書をもらわない道を選び、公立夜間中で学んだ女性がいる。さいたま市の土屋裕子さん(29)。6年前に卒業、今は昼働き、夜は青山学院大文学部第2部に通う。挫折を乗り越えた夜間中での体験を尋ねた。

 ◇70代クラスメートに救われ/既存校に多様なクラスを

 小学校から不登校で、中学には一度も通わなかった。卒業前、「全く行かなかった学校を将来、母校として履歴書に書くのはいやだ。人生にうそをつきたくない」と、卒業証書を受け取らなかった。

 ずっと家にひきこもっていた。成人式の案内が来た時「勉強し直したい」と思った。独学で中学卒業認定試験を受けることも考えたが、英語はゼロからのスタートで、好きな理科も難しい。先生がいないとだめだと思った。

 フリースクールはお金がかかるため、公立夜間中の東京都荒川区立第九中に入学した。不登校とひきこもりのレッテルは重く、最初は「死にたい」の思いでいっぱいだった。通学中の電車に飛び込むことを考えたり、教室に入れず泣いてしまったりした。自分に自信がなく、生きる意味を感じていなかった。

 家はゴタゴタしていた。昔から大人への不信感があったが、夜間中で年代の異なる大人に触れ合い、癒やされた。

 クラスメートの70代のおじいさんと、ある時、学校でもらったプリントの話になった。「うちでは妻が『お棺に入れる』と大事に保存している」と言われて、目がさめた。私は自殺したいと思っているのに、いや応なく死が迫る人もいる。死とは求めるものではないとわかり、死にたいと思う自分を恥じた。

 私は幼稚園から休みがちだった。ドロップアウトする時期が早いほど、自分の気持ちを表現できず、自己の確立もできなかった。不登校の烙印(らくいん)を押され、片隅で生きることを余儀なくされた。

 小中の9年間は義務教育と呼ばれるが、通学の義務があると誤解されがち。本来は大人が子どもに教育を受けさせる義務のことで、私は権利教育と呼ぶことを提案したい。憲法で、子どもには教育を受ける権利があるからだ。

 いつでも学び直せるような教育機会の保障を、国には求めたい。既存の中学に、お年寄りも外国人の生徒も、ひきこもりだった人も来られるクラスを作ったらどうだろうか。午前、午後、夜の3部制にすれば、働く人も通える。今ある学校を利用して多様な学びの場を作ることは可能だと思う。

学校公認、DSの時間 学力アップに大阪の小中20校で

 大阪府教育委員会が学力向上のために企画した携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を使った学習が26日、大阪狭山市の市立南第三小学校で始まった。府教委は府内の公立小中計20校に40台ずつ貸し出している。「都道府県単位で携帯ゲーム機を学習に採り入れるのは初めて」という。

 同校ではこの日、1時間目が始まる午前8時45分までの15分間、5年1組の35人が黙々と専用のペンで画面に漢字や読みを書き込んでいた。

 同校では今年度から、漢字に関心を持たせようと、3年生以上を対象に、学校独自の漢字検定に取り組んでいる。山中雅典校長は、DS活用も意欲づくりの一環ととらえ、「試してみて効果がなかったらやめればいい」と話す。

 府教委は今回、800台を購入。希望のあった学校の中から小中10校ずつをモデル校に定め、2年間の期限付きで貸し出した。DSの使用前と後の2回、独自の小テストで効果を測ることにしている。

2009年1月26日 (月)

被爆者が国際委会合に参加 核廃絶NGO連絡会発足

 日豪両政府が主導する「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」への働き掛けを強化するため、核廃絶に取り組む非政府組織(NGO)が連携した「日本NGO・市民連絡会」の設立集会が25日、東京都内で開かれた。2月にワシントンで開催される国際委会合に、広島、長崎で被爆した3人が出席し、意見陳述することが報告された。

 参加したのは日本原水爆被害者団体協議会(被団協)など8団体。今後、多くの団体、個人に参加を求める。

 会合に出席する被爆者は、広島で被爆した被団協事務局次長の岩佐幹三さん、長崎で被爆した「愛知県原水爆被災者の会」副理事長の道上昭雄さんら3人。連絡会は渡航費についてカンパを呼び掛ける。また当面の活動として、国際委あての提言書を作成するほか広島、長崎で国際委会合を開くよう求めていく。

「ネットいじめ」で文科省が対応マニュアル

 文部科学省はこのほど、「『ネット上のいじめ』に関する対応マニュアル・事例集」を作成しました。学校や先生向けのものですが、「ネット上のいじめ」とはどういうものか、という基本的なことから始まって、具体的な事例や削除依頼の方法、相談窓口や調査の一覧など、ネットいじめを知るための便利な資料集ともなっています。

 マニュアル・事例集は、2008(平成20)年6月の「子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議」がまとめた第2次報告の提言を受けたものです。「マニュアル編」と「事例編」に分かれ、具体的な内容とポイントを示しています。

 事例は都道府県などの教育委員会を通して集めたものですが、そこからは、ネットいじめの複雑な構図も浮かび上がってきます。たとえば、高校の友達のことをブログに書き込んだら、中傷する意図はまったくなかったにもかかわらず、それを読んだ友達が欠席がちになり、その友達がたまたま登校した際に、事情を理解しないまま声を掛けたら無視されたので、腹を立ててブログに改めて中傷を書き込み、それを見た友達が不登校になってしまう、というようなケースです。

 必ずしも「被害者vs加害者」という構図でくくれるものばかりとは限りません。ネットいじめの「加害者」が、実は現実社会でのいじめ被害者で、その報復として掲示板に中傷を書き込んでいた、というケースすらあります。マニュアルでは、「被害者からの情報だけをもとに、安易に加害者と決めつけず、(中略)背景や事情についても綿密に調べるなど適切な対応が必要です」と指摘しています。

 また、いじめの場は、よく知られているような「学校裏サイト」やブログ、プロフィールサイト(プロフ)といった、誰でも閲覧できるものだけではありません。電子メールの内容を不特定多数の人に転送するよう求める「チェーンメール」でも、人物や団体を中傷する「嫌がらせ系」のものがあります。チェーンメールには古典的な「不幸の手紙系」だけでなく、出会い系サイトやアダルトサイトにリンクさせる「宣伝系」などもありますし、何より悪意の含まれた内容を友達に転送することによって、自分自身が意識しないうちにネットいじめの加害者となる場合もある、というわけです。

 マニュアルでは学校に対して、ネットいじめを発見した場合には、すぐ保護者に連絡して家庭訪問を行うなどして話し合い、対応方法を相談するよう求めています。また、普段から保護者会などでネットいじめの概要や学校の対応方針、家庭での留意点などを伝えることが重要だとしています。保護者としても、お子さんの通っている学校でどんな体制が取られているか、この機会に尋ねてみてはいかがでしょうか。また、参考として挙げている「家庭での携帯電話利用に関するルール」(警察庁報告書より引用)も、ご家庭ですぐに使えるものとして便利です。

幼稚園と家庭が協力

 ◇障害の有無より、早めのサポート 子どもの特徴つかみ、情報共有して

 言葉の遅れを指摘された子どもには、どういう教育が適切なのだろうか。幼稚園など教育現場と家庭が協力することで、最適なサポートのあり方が見えてくるようだ。

 ■集団生活も可能

 「ちょっと社会性に欠けています」。東京都内の女性は、長男(5)を入園させるため、事前に訪れた幼稚園からこう指摘された。1歳半で意味がある単語が出ず、言葉が遅れているとは気付いていた。「『あ、い、う』って言ってごらん」と何度も話しかけてきた。幼稚園の指摘を受け、「集団生活をやっていけるのだろうか」と不安になった。しかし、教諭が「この子のペースに合わせて一緒にやっていきましょう」と言ってくれたことで気持ちは少し落ち着いた。

 子どもの言語障害に詳しい国立特別支援教育総合研究所の久保山茂樹主任研究員(43)は「言葉の遅れの多くは、言葉だけの問題ではなく、コミュニケーションの力と関連している」と分析している。このため、言葉を教え込むより、子どもに合わせたコミュニケーション力のサポートが重要になる。たとえば「あと3回でおしまい」などと、行動の見通しを伝えればスムーズに聞ける子どもがいる。また、先生がみんなに指示すればBGMのようにしか感じられなくても、目の前で語りかけられると理解できる子どももいる。「適切なサポートがあれば、十分集団生活をしていける子どもが多い」と久保山さんは話す。

 ■個別に指導

 東京都八王子市の柚木武蔵野幼稚園は昨年、個々の子どもに対応できるようにと、専用室「プレイルーム」(28平方メートル)を作った。支援が必要と思われる子どもが、保護者の合意の上で利用している。子どもは一般クラスに在籍し、状態に合わせて入れ替わりやってくる。一般クラスが読み聞かせをしている時間に、同じ絵本を教諭がゆっくりと読んであげることもある。保護者と幼稚園は連絡ノートで情報を交換し、子どもの思いを満たす方法を学んでいく。こうすることで、一般クラスの保育と徐々につなげていくのだ。

 乳幼児の発達上の問題は、障害などの特定が難しい。このため、「障害児ではないから」と、個別指導や支援教室に抵抗を感じる保護者もいる。しかし、久保山さんは「障害の有無を確定するよりも、できるだけ早く支援することが大切だ」と指摘する。専門家の力も借りながら子どもの特徴を早めに見つけ、幼稚園・保育園と家庭が情報を共有すれば適切な支援ができるからだ。同研究所は06〜07年に言葉の指導教室などに通う子どもの調査をした。それによると、担当者が発達障害の傾向を指摘した幼児899人のうち、半数以上の485人には診断名がなく、「障害」がはっきりしなくても通所する子どもは多いことが分かった。

 情報共有の取り組みは自治体でも始まっている。松江市教育委員会は04年、発達にかかわる情報を管理するための「サポートファイルだんだん」を全国に先がけて作った。子どものプロフィル、家庭での様子、どのような診断や指導を受けてきたかを書き込む。進学・進級して先生が変わっても、積み上げた情報を引き継げる。現在は、発達相談などを受けた子どもの保護者に渡しているが、心理的な抵抗がないよう母子手帳のように子ども全員に配ることも検討している。

育て将来のノーベル賞研究者 京産大が「益川塾」設立

 京都産業大学(京都市北区)は25日、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・同大学教授(68)を定年のない終身教授として改めて迎えるとともに、4月に益川教授を塾頭とする研究教育機関「京都産業大学益川塾(略称=MTREC)」を設立すると発表した。本格的な活動は来春からになる予定。

 同大学によると、益川塾は自然科学分野の若手研究者を学内外から集めて研究活動に当たらせるとともに、市民に向けて講演会なども開く予定。今後、具体的な運用内容について検討し、来年4月から活動を始める計画という。

 塾頭に就任する益川教授は「私の知人や研究者仲間のネットワークを利用しつつ、理科系の研究の道に育つ若い人が自分を伸ばすサポートをしたい」と話している。

埼玉県教委が県立高生向けに難関大模試 全国初

 埼玉県教育委員会は24日、「難関大学入試直前記述模試」を実施し、国立大2次試験などを控えた県立高校の3年生約500人が挑んだ。県立高生の合格実績アップを狙った全国初の取り組みで、希望者が無料で参加した。

 問題は県立高の教諭25人のチームが予備校講師の指導を受け、東大や早稲田、慶応など難関大レベルの試験を想定し、作成した。

 生徒は英語、現代文、数学、日本史、物理から2、3教科を受験。東大志望の大宮高校、金子智則さん(18)は「問題を作った先生がテスト終了後、すぐに解説してくれたので頭に残った」と話していた。

 県教委は「公教育では難関大進学に特化した対応がタブー視されがちだが、保護者や生徒に対策を望む声が多く、実施を決めた」としている。

ニート:不登校生・中退者の4年後追跡、関連調査 3300人対象−−文科省など

 ニートや引きこもりなど若年無業者の問題の深刻化と、不登校や中退などの挫折体験との関連を探るため、文部科学省と内閣府は、不登校と高校中退の経験者約3300人の4年後の意識や就業状況などについて、緊急の追跡調査を行う方針を固めた。調査は不登校では10年ぶり、高校中退では13年ぶり。文科省は「効果的な若者の自立支援策を講じるための基礎資料としたい」とし、3月ごろまでに結果をまとめる。

 調査対象は、04年度に中学3年生で年間30日以上欠席した約1500人と、高校を中退した約1800人。それぞれ10都道府県ずつの協力で、書面によるアンケートを行う。

 その後の進路や現在の状況に加え、当時の心境や保護者の経済状態も尋ねる。行政などの支援が役立ったかを聞き、どのような支援があればよかったかも質問。ニートや引きこもりなどの状態にある場合には、不登校や中退の経験がどう影響しているかなども探る。

 旧文部省は99年、93年度に中3で不登校だった約3300人を対象に同様の調査を初めて実施。1393人が回答し、中卒後の進路は約6割が「希望通りではなかった」とし、4割が不登校を後悔していた。調査時点で就学も就職もしていなかった人は23%。96年に実施した93年度に高校を中退した人への調査では、15%が就学も就職もしていなかった。

 総務省の07年のまとめでは、ニートなど若年無業者(15〜34歳)は62万人で、フリーター(同)は181万人。文科省の07年度調査では不登校の小中学生は12万9254人で、中学生の不登校の割合は2・91%と過去最高だった。高校中退者は7万2854人だった。

「芸術する脳」科学で解明…芸大と理研、異色の連携

 独創的アイデアどう生まれる?

 一流の芸術はどのようにして生まれるのか?

 東京芸術大学(宮田亮平学長)と理化学研究所(野依良治理事長)は、第一線で活躍する芸術家の脳の活動を詳しく調べる共同研究に乗り出す。芸術と脳科学という全く違う分野の専門機関が連携して研究するのは珍しく、教育手法などへの応用が期待されている。

 テーマは「独創的なアイデアがひらめく瞬間に脳はどんな活動をするか」「進化の過程で芸術や音楽は、どのようにして生まれたのか」「作品を鑑賞する脳の活動は、専門家と一般の人でどこが違うか」など。

 年度内の協力協定締結へ向けて最終調整中で、東京芸大の研究者有志が作る研究会「芸術する脳を考える会」(代表=米林雄一教授)を中心に、理研の脳科学総合研究センターと多角的に研究を進める。

 脳波のほか、磁場をかけて脳を外部から透かし見る磁気共鳴画像(MRI)やコンピューター断層撮影法(CT)、光トポグラフィーを使い、脳が実際に活動する様子を観察。今まで定義することが難しかった「美」や「いやし」「感動」といった人間の感性に及ぼす芸術の効果も探る。成果は将来の創作活動や教育に生かしたい考えで、脳科学に裏付けされた新たな表現方法や芸術の創出を目指す。

2009年1月25日 (日)

大学入試:センター試験 得点調整なし

 大学入試センターは23日、今月17、18日に実施した大学入試センター試験の得点調整をしないことを決めた。対象となる地理歴史、公民、理科の3教科のうち、理科の化学1(69・54点)と地学1(51・86点)の平均点の差(17・68点)が23日現在で最大だった。得点調整は20点以上の差が生じ、難易度による差と認められた場合に行う。

サンデーショック、中学受験で試験日変更

 2月1日 キリスト教系が日程変更 「女子御三家」併願可能に

 東京都と神奈川県の中学入試が2月1日に解禁される。今年は数年に一度訪れる「サンデーショック」の年。例年、難関校の多くは初日の1日に試験日を設けるが、この日が日曜に当たるため、日曜礼拝を欠かせないキリスト教プロテスタント系の中学が試験日を変えるのだ。

 その結果、「女子御三家」の併願など例年とは異なる出願パターンが可能になり、合格ラインも変化する。いまや首都圏の6人に1人が中学受験をする時代、関係者は戦々恐々としている。

親も学校も手探り

 例年1日には、女子御三家の桜蔭(文京区)、女子学院(千代田区)、雙葉(ふたば)(同)のほか、学習院女子(新宿区)など難関・名門校が軒並み試験日を設定してきた。

 ところが今年は、このうち女子学院や東洋英和女学院(港区)、フェリス女学院(横浜市)などが2日に試験を行う。

 成績上位の受験生にとっては御三家への受験チャンスが増える形だが、普通の年なら合格レベルにあった受験生が不合格になるケースもある。

 前回の「サンデーショック」は2004年入試だった。大手進学塾の市進(いちしん)学院(本部・文京区)によると、この年の受験者数は、桜蔭が前年544人から769人に、女子学院は666人から1023人、雙葉が378人から587人と、一気に4〜5割も増えた。

 受験生の長女を持つ都内の母親は「いつもの年なら成績上位者が各中学に散らばるはず。今年は、うちのように、ワンランク上の中学を受けたい子には厳しい」とため息を漏らす。

 一方、御三家の併願校とされる学校にとっても、受験生の動向を読みづらい面があるという。04年入試では、もともと2日が試験日だった白百合学園(千代田区)は前年の314人から197人に、光塩(こうえん)女子学院(杉並区)も135人から104人に減らした。

 今年の入試では、フェリス女学院などが試験日をずらすのにあわせ、同校と併願する受験生が多い鎌倉女学院(鎌倉市)や湘南白百合学園(藤沢市)はあえて1日に移動させる。

 入試担当者は「合格枠をどの程度とるかなど、読めない要素が多く、サンデーショックの度に手探り状態です」と話している。

地元志向に併願減…大学入試にも不況の影 理系は急増

 国公立大学の2次試験の出願が26日にスタートし、来月からは私立大学の一般入試も本格化する。大学入試センター試験の結果を踏まえた大手予備校の志望動向分析では、理系の人気が急上昇し“ノーベル賞効果”が鮮明になる一方で、深刻な景気低迷により受験生の地元志向や受験校数を絞り込む傾向がより強まっている。また「関関同立」など関西の有名私大に今年相次いで新設される新学部は人気を集めているものの、志願者総数は軒並み約1割減の見込みといい、予備校の担当者は「景気悪化の影響は思いのほか大きい」と話している。

 大手予備校の河合塾が行ったセンター試験実施後の志願動向調査(センター・リサーチ)によると、国公立大の出願予定者数自体は昨年とほぼ変わらないものの、関東や近畿など都市部の国公立大で、他地域からの出願予定者が約2割近く減っているといい、担当者は「物価の高い都市圏の大学受験にブレーキがかかったのでは」と分析する。

 ただ理学部の志願者増は目立っており、昨年ノーベル賞受賞者を輩出した名古屋大や京都大の志願者は大幅に増加する見込み。文部科学省が理科教育の強化校を指定するスーパー・サイエンス・ハイスクールなどの取り組みの成果が出てきつつあるとの見方もあるが、名大や京大の理系学部人気について関係者は「ノーベル賞しか思い当たらない」と口をそろえる。

 一方、関西の私学では、関西大が外国語学部、同志社大が心理学部、関西学院大が教育学部をそれぞれ新設。いずれも人気は高く、志願者は関西大は1537人(定員150人)、同志社大は1289人(同150人)となるなど軒並み高倍率になりそうだ。

 だが、河合塾の調べでは、景気悪化による受験生の地元志向は私大でも顕著で、各校とも最終的には平均で1割以上志願者が減る見込みという。

 担当者は「昨年までは、西日本や東海地方などの地域から受験生の流入が進んでいたが、今年は控えめ」と指摘。「難関大同士の併願が減っている結果で、早稲田や慶応でも同じ傾向が見られている。景気悪化の影響で出願の絞り込みがより厳しく行われており、大学間競争がより加速する入試になるのではないか」と分析している。

日本の理系高校生 「数学力」30年前とほぼ同じ

 生徒の理系離れや国の科学技術力の低下が心配されているが、理系コースの高校3年生の基礎的な「数学力」は、世界トップクラスだった約30年前とそれほど変わっていないことが、東京理科大数学教育研究所の大規模調査でわかった。24日、同大学で開かれた数学教育研究会で報告した。

 ただし、調査した05〜08年度の4年間で正答率がやや下がり気味なことや、記述式の問題を苦手とする傾向があることから、将来の数学力低下を心配する声もある。

 調査対象は「数学III」「数学C」を履修している理系コースの高校3年生。05〜08年度に延べ214校の約1万5500人にテストをしてもらい、日本が香港に次ぐ世界2位の成績だった1980年度のSIMS(第2回国際数学教育調査)の結果と比べた。

 08年度のテストは1セット11問を4セット(計44問)つくり、このうち32問は80年度SIMSの問題から選んだ。

 その結果、共通問題で今回の方が正答率が高かったのは19問、SIMSの方が高かったのは3問。05〜07年度も同じ傾向で、「30年前の高校3年生に比べて成績は劣っていない」と結論づけた。

 しかし、08年度で正答率が80%以上だったのは、いずれも選択式で、記述式の成績の方が全体的に悪かった。

 また、4年続けて同じ問題を出した15校で年ごとの成績を比べたら、その正答率は05年度57.4%、06年度58.6%、07年度54.1%、08年度52.4%と低下傾向だった。

 同研究所の澤田利夫所長は「最近の成績が下がり気味なのが気になる。ゆとり教育の学習指導要領(02年度施行)で中学1年から学んでいる08、07年度の調査対象の生徒は、それ以前と勉強の雰囲気が変わってきているのかもしれない」と話す。

町工場と学生の夢 宇宙へ

「輝汐」など衛星軌道に

 三菱重工業が23日打ち上げたH2Aロケット15号機に搭載された温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」など衛星8基のうち、「いぶき」と小型衛星6基の軌道投入が同日中に確認された。

 6基は大阪府東大阪市の中小企業などが開発した「まいど1号」、宇宙航空研究開発機構の「小型実証衛星1型」、東北大の「雷神」、都立産業技術高専の「輝汐(きせき)」、香川大の「KUKAI」、東京大の「ひとみ」。小型衛星の残り1基は、開発元が衛星からの信号の確認作業を続けている。

 まいど1号を製作した東大阪宇宙開発協同組合の今村博昭理事長(65)は「自分たちの技術を、開発に協力した大学生に伝えられてうれしい」と記者会見で喜びを語った。

2009年1月24日 (土)

全国体力テスト、結果公表の動きを牽制

 大阪府の橋下徹知事が府内の市町村教育委員会に対し、全国体力テストの結果の自主公表を要請する考えを示したことについて、塩谷立文部科学相は23日、閣議後会見で「過度な競争にならないようにお願いしたい」と述べ、都道府県の知事や教委による一方的な公表などの動きが出ることを牽制(けんせい)した。

 全国体力テストの実施要領は全国学力テストと同様に、文科省が都道府県別の結果のみを公表。都道府県教委には市町村別や学校別の結果公表を禁じており、塩谷文科相は現行の公表方法を「2、3年は続けていく必要がある」と述べた。

女子高生スカート丈「短すぎる」 新潟の教員が啓発運動

 女子高校生の制服のスカート丈が全国的にも短いと、写真週刊誌で05年に指摘された新潟県。生徒指導の教員らが、長くするよう指導するため、啓発ポスターを作った。

 標語は「勉強もスカートも、やる気次第でまだまだのびるんだ」。指導の中心となる内川洋・新潟市立高志高校長は「足が冷えると体によくない。全校で足並みをそろえて指導する」。

 でも、女子高生は「短いのがカワイイ」と気にかけない。スカートの下にジャージーをはいてでも丈を死守する。

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

 むかしから学習は読み・書き・そろばん!
 近年見直されている作文添削で正しい日本語表現と基礎学力(読解力)の養成を!

 ココロと言葉の作文教室 も・の・か・き・名・人

※中学受験・AO入試をお考えの保護者様は是非一度ご覧ください。

「毎日朝食食べる子」文武両道…体力・学力テスト関連分析

 文部科学省が公表した「全国体力・運動能力、運動習慣調査(全国体力テスト)」で、小学校、中学校とも上位に入った福井県や秋田県は、毎日朝食を食べる率が全国で上位を占めていたことが分かった。

 両県は同省が行う全国学力テストでも上位で、規則正しい生活の効果が学習・運動の両面に表れた形だ。

 小学生が男女ともに体力テストで全国1位になった福井県をはじめ、秋田県、新潟県など上位県は、男女とも朝ごはんを毎日食べている子の割合がほとんど90%を超えていた。秋田県教委は、体力テストの好結果について「生活習慣に気をつけた効果が大きい」と分析。福井県教委も、基本的な生活習慣が身についていることが体力向上につながったとしている。

 また睡眠時間も合わせて調査したところ、よく食べてよく寝る子は太らないが、食べないで寝ない子は、肥満度が高い傾向がうかがえたという。週に60分未満しか運動しない子が全体の31%(11万4163人)を占めた中2女子については、文科省は体力低下ばかりでなく肥満の懸念もあるとみている。

 子どもの体力がピークだった1985年当時の調査と比べると、著しい体力の低下が見られた。中2女子の場合、ハンドボール投げの平均記録は、85年の15・36メートルより1・85メートル短い13・51メートル。持久走(1000メートル)では当時の記録より26秒も遅く、85年当時の生徒がゴールした瞬間、今の生徒は90メートルも後ろにいる計算になる。

京都大、非常勤職員100人を22年度再契約せず

 京都大学(京都市左京区)が、平成22年度中に契約期限を迎える非常勤職員約100人について、契約を更新しない方針を固めたことが23日、分かった。京大は17年3月の就業規則改定で、同年4月以降に採用した職員の契約期限の上限を5年と規定。この規則に沿った措置だが、背景には国からの補助金抑制など、国立大学を取り巻く厳しい財政事情があるとみられる。

 契約満了の対象となるのは、17年度に採用された非常勤の事務職員や研究員、看護師ら。京大によると、20年12月現在、時給制で働く非常勤職員は約2600人で、うち半数の約1300人は、17年の就業規則改定後に採用された。

 一方、国から京大への運営費交付金は毎年約10億円ずつ減額され、常勤職員数や人件費も抑制傾向が続いている。このため、職場によっては、事務作業などで削減された常勤職員の仕事を肩代わりし、非常勤職員の負担が増えているケースもあるという。

 教職員の組合内には「職場の実態を考慮していない」と一部で反発の声も上がっているが、京大人事企画課は「非常勤職員の業務は臨時的で補助的。雇用期間の上限は採用時に個別に伝えている」としている。

 このほか東大は21年度、大阪大は22年度以降に契約満了となる非常勤職員の雇い止めを実施する予定だが「統計を取っていない」として対象者の人数や職種を明らかにしていない。

留学生30万人計画:在留期間を延長−−出入国懇提言

 2020年をめどに留学生の受け入れ30万人を目指す政府の「留学生30万人計画」について、法相の私的懇談会「出入国管理政策懇談会」は、現行の留学資格の在留期間を延ばすなどの受け入れ拡大策を森英介法相に提言した。

 法務省は、今国会に提出予定の改正入管法に盛り込む方針。森法相が23日の閣議後会見で明らかにした。

 提言は、留学の在留期間を現行の2年または1年から延ばすよう提案。大学などに通う「留学」と、高校や日本語学校などに通う「就学」の在留資格を一本化し、高校などから大学へ進学する留学生の不便解消を求めた。

 また、留学生の就職活動期間が短いとの指摘が企業側から出ていることを踏まえ、卒業後の就職活動期間を現在の180日から1年程度に延長。在留資格を得るための審査期間も、提出書類の簡素化で1週間程度へ短縮すべきだとした。

内定取り消し753人 大学短大高専分を文科省まとめ

 大学、短大、高等専門学校を今春卒業予定で、就職の内定を取り消された学生が、全国で283校の計753人に上ることが23日、文部科学省のまとめでわかった。うち269人(36%)は他の企業などから内定を受けたが、397人(53%)が就職活動を続けており、33人(4%)は留年する予定という。

 全国の1235校を対象に5日現在の状況を調査。96%に当たる1190校から回答があった。内定取り消しの内訳は、大学が264校の732人、短大が14校の16人、高専が5校の5人。厚生労働省がハローワークを通じ、昨年12月19日時点でまとめた大学生ら(専修学校生らも含む)の取り消し人数は632人だった。

 また、取り消しには至らないものの、「(企業が)内定辞退を示唆」も274人に上り、「採用時期の後ろ倒し」も43人、「自宅待機」も14人いた。内定取り消し後の企業との関係では、「示談に応じた」が345人と半数近かった。取り消された学生がいる大学などのうち263校は、学生が再び就職活動をするのを支援していた。

売れる「家庭内学習」本

 やる気引き出す子育て

 塾や学校ではなく、家庭内学習に視点を置いた本が売れている。難関大学に3兄弟を進学させた主婦のサクセスストーリーや、有名私立学校長らが家庭内学習の重要性を訴えた本が、売り上げを伸ばしているという。

 東京駅前の丸善・丸の内本店では昨年末、学習参考書売り場の一角に家庭教育コーナーを設けた。十数種が平積みになっているが、その一つ「どこまでも伸びていく子どもに育てる」(実務教育出版)は、兵庫県尼崎市の主婦、坂元京子さん(56)とフリーライター鶴田秀樹さんの共著だ。坂元さんの3人の息子は京大医学部、同法学部、東大理科1類にそれぞれ現役で合格。それを知った編集者から執筆を依頼され、3人をどう子育てしてきたかを鶴田さんの力を借りながらまとめた。

 同書によると、3人が机に向かう習慣を付けたのは幼稚園の時。毎週決まった時間に坂元さんが一緒に机に向かって、お絵かきしたり、言葉を覚えたりした。この成果で3人とも小学校で授業に集中する姿勢が身についたという。この本は昨年9月の発売以来3000部が売れ、出版社では「知名度がない人の著作としては異例」としている。坂元さんは「特別なことは何もしていない。自分でもまねできると思った親が読んでくれているのでは」と話す。

 また、進学実績を最近伸ばしている品川女子学院の漆紫穂(しほ)子(こ)校長が昨年11月に出した「女の子が幸せになる子育て」(かんき出版)は、すでに4万部も売れたという。

 25年間の教師経験から、「子供のやる気を引き出して大きく成長させるためには、将来の明確な目標を持たせながら、勉強させることが大事」と主張。優秀な姉妹と比較して家庭をギクシャクさせないことや、子供が壁にぶつかっても乗り越える力をつけさせるためにあえて手助けしない――など具体的なノウハウをアドバイスしている。

 出版関係者によると、多くの大書店が平積みなど目立つ方法で家庭での教育本を売り出している。両書のほか、「受験に強い子のパパがしていること」(和田秀樹、PHP研究所)、「中学受験で子どもを伸ばす親 ダメにする親」(矢野耕平、ダイヤモンド社)などが売れ行き好調という。

 八洲学園大(横浜市)の中田雅敏教授(家庭教育学)は「塾や学校任せではなく、親が自ら教育にかかわりたいという意欲の表れだ。不況で将来の見通しが不透明になり、競争ばかりが激しくなる中、教育熱がますます高まっているのでは」とみている。

2009年1月23日 (金)

東北で教員発掘作戦 都教委が日帰り見学ツアーを開催

 優秀な教員を確保しようと、東京都教育委員会が2月10日に東北地方に在住する小学校教員志望者を対象にした都内公立小学校の日帰り見学ツアーを実施する。団塊世代の大量退職に伴い、都教委では採用数が増加。競争率の高い地方からの受験者数拡大を目指しているが、「東京は怖い」「荒れている」といった“先入観”が根強いのが現状で、都内の小学校を実際に見てもらうことで不安を解消するのが狙いだ。

 見学ツアーの対象者は、都の教員採用試験の受験を希望する仙台市近郊在住者、もしくは早朝に集合可能な東北地方在住者。

 午前6時にJR仙台駅をバスで出発。世田谷区内の小学校で授業参観を行い、子供たちとの触れ合うほか、現場教員の話も聞く機会も設ける。午後9時半には戻る予定という。

 都教委によると、都の教員採用試験の競争率は平成21年度で3・6倍。一方で、東北各県の倍率は19年度で10倍以上となっており、優秀な学生でも不合格になるケースもみられるという。

 見学ツアーの募集定員は約50人。申し込みは郵送で26日必着。仙台駅までの交通費は自己負担。東京との往復バス代は無料で、昼食代500円が必要。問い合わせは、都教委人事部選考課(電)03・5320・6787

全国体力テスト 「全員参加」意義は 09年度3億円、手法再考すべきだ

 「よく運動する子ほど運動能力が高い」「朝食をきちんと食べてよく寝ている子は体力がある」。文部科学省が21日結果を公表した「08年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)は、実技に加え、運動習慣なども尋ねて体力向上策を探るのが狙いだ。しかし、分析で分かったことは、自明ともいえる内容ばかりだった。

 国は1964年度から抽出形式の体力テストを続けている。対象は各都道府県で小中学校3校ずつ。全員参加にしたのは「子どもの体力が低下しており、現状を細かく把握・分析して教委や学校の施策改善につなげる必要がある」が理由だった。しかし、以前から約7割の学校が自前のテストを実施しており、教委や学校は抽出調査の結果と比較すれば現状把握は十分可能だ。

 テストには、各個人に課題を発見させる狙いもあるという。全国学力テストを参考に導入されたが、学力以上に体力や運動能力はストレートに数値に表れる。テストがなくても、子どもは自分の苦手を認識しているだろう。

 今回調査で、新たに体力を飛躍的に向上させる秘策が見つかったわけではない。文科省は、体力向上が顕著になる運動時間や部活動参加率など「目安となる数字が分かった」と強調する。それは評価するが、来年以降も同様の調査を続ける必要があるとは思えない。

 今年度はテスト実施に約1億8600万円を費やした。09年度予算案にも3億円が計上されている。以前からの抽出調査で十分ではないのか、全員参加方式で毎年実施する必要があるのか、再考すべきだ。


 種目別結果など調査結果概要は、文科省ホームページ(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/01/1217980.htm)に掲載している。

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 ◇全国体力テスト8種目の都道府県別合計点

 (80点満点、公立校、カッコ内は順位)

    小5男子      小5女子      中2男子      中2女子

北海道 52.45(45) 53.03(39) 38.61(43) 43.40(47)

青森  54.16(26) 55.94(18) 41.63(25) 47.00(36)

岩手  54.83(16) 56.51( 9) 43.47( 8) 51.19( 5)

宮城  53.31(36) 54.32(31) 41.69(22) 48.31(24)

秋田  57.09( 2) 59.01( 2) 44.65( 3) 51.14( 6)

山形  54.50(20) 56.22(16) 42.66(15) 50.27( 9)

福島  54.26(25) 55.86(19) 41.42(27) 48.10(27)

茨城  56.28( 4) 57.93( 4) 44.54( 4) 52.12( 3)

栃木  54.14(28) 55.82(20) 41.72(21) 49.11(18)

群馬  53.28(37) 53.96(34) 42.77(14) 50.20(11)

埼玉  55.38(12) 56.59( 8) 43.41( 9) 51.58( 4)

千葉  56.07( 5) 57.19( 5) 44.94( 1) 52.90( 1)

東京  52.97(40) 53.29(37) 38.59(44) 45.21(42)

神奈川 53.01(39) 52.40(46) 39.47(41) 45.74(40)

新潟  56.57( 3) 57.95( 3) 44.13( 5) 50.24(10)

富山  55.19(14) 56.45(11) 42.83(13) 49.32(17)

石川  56.00( 7) 56.38(14) 42.49(17) 49.87(12)

福井  57.76( 1) 59.03( 1) 44.83( 2) 52.44( 2)

山梨  53.99(29) 54.69(27) 41.29(28) 47.90(28)

長野  54.53(19) 54.80(26) 41.69(22) 47.14(34)

岐阜  54.59(17) 55.24(22) 42.99(12) 50.63( 8)

静岡  54.97(15) 56.66( 7) 43.26(10) 51.12( 7)

愛知  52.85(42) 53.46(35) 41.05(31) 48.70(22)

三重  52.66(44) 52.95(42) 40.33(35) 47.63(32)

滋賀  53.37(35) 52.61(45) 43.18(11) 49.36(16)

京都  54.39(22) 54.45(29) 41.89(20) 48.15(26)

大阪  52.85(42) 52.75(43) 39.36(42) 45.81(39)

兵庫  53.49(33) 53.15(38) 40.00(37) 48.21(25)

奈良  52.95(41) 52.75(43) 37.70(47) 44.24(45)

和歌山 53.90(30) 54.59(28) 38.17(46) 44.94(44)

鳥取  55.60(10) 56.44(12) 43.50( 7) 49.83(13)

島根  55.95( 8) 56.46(10) 41.64(24) 47.82(29)

岡山  55.95( 8) 56.71( 6) 42.45(18) 48.85(19)

広島  54.55(18) 55.11(24) 41.14(30) 47.81(30)

山口  54.30(24) 54.93(25) 40.33(35) 47.79(31)

徳島  52.04(46) 53.37(36) 39.95(38) 46.49(37)

香川  54.44(21) 55.45(21) 42.04(19) 49.53(15)

愛媛  54.34(23) 55.18(23) 41.01(32) 47.13(35)

高知  51.61(47) 52.19(47) 38.18(45) 43.95(46)

福岡  53.22(38) 52.98(41) 39.59(40) 45.46(41)

佐賀  54.15(27) 54.32(31) 42.66(15) 48.81(20)

長崎  55.21(13) 56.12(17) 41.58(26) 48.81(20)

熊本  55.51(11) 56.27(15) 41.22(29) 48.41(23)

大分  53.64(32) 53.00(40) 39.69(39) 45.13(43)

宮崎  56.02( 6) 56.41(13) 43.56( 6) 49.57(14)

鹿児島 53.43(34) 54.34(30) 40.67(34) 47.19(33)

沖縄  53.76(31) 53.99(33) 40.76(33) 46.41(38)

平均  54.18     54.84     41.50     48.38

 小5の8種目は▽握力▽上体起こし▽長座体前屈▽反復横とび▽20メートルシャトルラン▽50メートル走▽立ち幅とび▽ソフトボール投げで各種目10点満点。中2はソフトボールの代わりにハンドボール投げを実施し、20メートルシャトルランは持久走(男子1500メートル、女子1000メートル)に替えることができる。

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体力と学力に相関関係も 秋田ともに上位、大阪は危機感

 21日に発表された文部科学省の「全国体力・運動能力・運動習慣調査」。都道府県ごとに示された結果に対し、担当者は全国学力調査に続いて「一喜一憂」し、敏感に反応した。早くも、体力増進を目指して新たな大会を企画する教育委員会が出ている。

 中2で男女とも全国1位だった千葉。07年度から始まった県教委の取り組みでは、休み時間などを使い、子どもたちがリレーや連続馬跳びなどにグループやクラスで挑戦する。上位に入るとHPで発表し、表彰するという。

 県で毎年実施している体力調査では、小5と小6で好成績を収めると「運動能力証」という賞状を出す。県教委は「遊びながら競い合って体を動かし、運動能力を伸ばすことにつなげてもらいたい」。

 学力調査で2年連続全国トップクラスだった秋田は、今回の調査でも小5の男女で2位に入った。始業前に全校児童でマラソンや縄跳びなどに取り組み、特に小学校で体育の授業以外の運動を推進しているという。

 県教委は、学力と体力は「関連あり」とみる。県の07年度の調査でも、小6で学力が県平均より良かった14自治体のうち、13自治体は体力でも県平均を上回った。県教委の神居隆次長は「体力も学力も、朝食をきちんと食べるといった生活習慣があってこそなのだろう」と話す。

 一方、低い結果だった北海道は、授業以外に縄跳びやかけっこなどをしている割合が低い。道教委の担当者は「冬が長くて外が使える期間が限られていることも背景にあるのではないか」という。

 学力調査同様、全国平均を大きく下回った大阪府。橋下徹知事は21日の定例会見で言った。「学力も体力も低い。大阪はどうすんねん」。全国学力調査同様、文科省は今回の調査についても、過度な競争を招かぬよう市町村別や学校別の結果を公表しないよう求めている。しかし、知事は「体力増強に向けた課題を分析し、学校現場に奮起してもらうためにも、市町村教委は結果を自主公表すべきだ」と言い切った。

 府教委は来月にも各市町村教委の担当者に自主公表を呼びかける予定だ。今回の結果で持久力が低かったことを受け、来年2月には小学生を対象にした駅伝大会を企画。学校ごとに出場し、児童1人につき1千〜1500メートル走らせる案が出ているという。

 ただし、8種目にしぼっている調査結果が子どもの体力を判断する絶対的な指標になるのか、疑問の声はある。「順位を上げるため」だけの競争が広がることへの不安も強い。九州の小学校教諭は「教師も子どもも、学力向上で追いまくられているところへ『体力向上』が降ってくるのだろうか。運動が嫌いな子を増やすことにならないか」。多くの項目で平均を下回った東京都内のある区の教委関係者は「現場にプレッシャーをかけて結果を上げるような動きが広がっては、ますます教師が疲弊する。学校や自治体としての条件整備を考える必要がある」と話した。

中学女子 運動足りない!

 2年生3割 週60分未満…文科省調査

 文部科学省は21日、全国の国公私立に通う小学5年生と中学2年生の計155万人を対象とした初の「全国体力・運動能力、運動習慣調査(全国体力テスト)」の結果を公表した。

 全体の2割にあたる28万人の運動量が1週間で60分未満であることや、都道府県で運動能力に大きな差が出ていることがわかった。

 調査は昨年4月〜7月末に実施。これまでは年に一度の抽出調査はあったが、全員参加が前提の体力テストは初めて。50メートル走、ハンドボール投げなど8種目をテストすると同時に、生活習慣などに関するアンケートを行った。

 それによると、体育の授業以外の運動量が1週間に60分未満だった児童生徒は、小5男子が全体の11%の4万3726人、中2男子は9%の3万6745人に対し、小5女子は23%の8万7173人、中2女子は31%の11万4163人に上った。文科省は「男子は体育系の部活をし、女子はしないという傾向が鮮明に出た。将来の健康にもかかわる問題で何らかの対策が必要」と危機感を示している。

 テストは各種目10点で80点満点。中2男子は千葉、福井、秋田の順で上位を占め、中2女子は千葉、福井、茨城がトップ3。下位は低い方から男子が奈良、和歌山、高知。女子は北海道、高知、奈良の順だった。一方、小5は男女とも福井、秋田、新潟の順でトップ3。下位は男子が高知、徳島、北海道の順で、女子は高知、神奈川、滋賀の順で低かった。

 例えば、中学男子の50メートル走では、トップの千葉が7秒87。最下位の高知が8秒30で、0・43秒の開きがあった。他の種目でも同様の開きが見られた。

 小中とも上位の福井、秋田は全国学力テストでも毎年トップクラスの成績を収めている。「朝食を毎日とるか」など生活習慣を尋ねる調査でも両県は高い数値を示しており、文科省は規則正しい生活が文武両道に結びついているとみている。

 男子より競技・クラブ少なく 場所もない

小学時代に原因?

 女子の運動不足が浮き彫りになった全国体力テスト。跳び箱に向かって走り出したものの、踏み切り板で減速して箱の上にちょこんと座り込む――東京都心の区立中学校の体育の授業では、そんな光景が当たり前になっている。男性体育教師(52)は「20年前は大部分の子が6段の跳び箱を跳べたが、今では3割くらい」と話す。

 今回の調査で、週の運動が60分未満の中学女子が3割に上ったことについて、山梨大学の中村和彦准教授(発育発達学)は「運動で体を動かすことは、子供たちが社会性を身に着ける上でも重要なのに、この数字は危機的」と指摘する。

 今回の調査では、運動時間が多いほど能力も高いという傾向が出ているが、女子の場合、小学校時代の過ごし方が尾を引くようだ。都会の女子児童は、校庭や地域の運動場が狭いことからスポーツの機会が少なくなる。あらゆる競技のクラブがあるものの、たくさんの児童が運動するまでのスペースはない。「小学生時代に体を動かす楽しさを覚える機会がないため、中学に行ってもスポーツをしない」(中村准教授)といった悪循環があるようだ。

 一方、地方ではテニスやバドミントンなど女子児童向けのクラブが少ないのが悩みだ。テストで下位になった高知県中学体育連盟の中内康幸・土佐市立高岡中学校教諭(39)は「男子は野球やサッカーで運動しているが、女子は受け皿自体が不足している」と話した。

市町村別データ公表 大阪知事が積極姿勢

 読売新聞が21日、全国体力テストについて市町村別データを公表するかどうかを都道府県教委に尋ねたところ、大阪府だけが積極的な姿勢を示した。ほとんどの教委が「文部科学省が示した実施要領に従い、公表しない」と回答した。

 大阪府の橋下徹知事は20日、記者会見で「市町村が本気で改善に取り組むには公表が必要」と学力テストと同様の見解を述べた。また、学力テストは全市町村別の成績が公表された秋田県では、県教委幹部が公表する考えのないことを示した。次期学力テストを前に、学校別成績を条件付きで公表できるよう情報公開条例を改正した鳥取県教委も「体力テストは条例の対象外」とした。

タカラヅカも「チェンジ」…音楽学校、授業科目を大幅見直し

 タカラジェンヌを養成する兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校(2年制)が、今年3月の入試から試験方法を変更するのを機に、授業科目を大幅に見直すことが22日、分かった。「英会話」など3科目を廃止し、新たに「ボイストレーニング」など2科目を導入するなど舞台に最低限必要な科目に絞り込む。「レッスンを積んでいない入学生の比率が高まることが予想され、舞台に直結する能力を短期間で強化する必要があると考えた」と「スター不在」の危機が叫ばれる中、本格的な改革に乗り出す。

 入試と合わせ、未完成でも素質豊かなスター候補を発掘、育成するのが狙い。

 新カリキュラムでは、現行の授業時間数を維持しながら、科目数を14から13に削減。教養科目としていた「英会話」「音楽史」「茶道・狂言」の3科目を廃止する一方、「ボイストレーニング」と「ピラティス」の2科目を新設し、基礎的な歌唱力や体力の強化を目指す。さらに、ピアノ、三味線、琴から選択していた「器楽」はピアノのみの授業とし、譜面を読む力を向上させる。「演劇」や「日本舞踊」など従来の科目についても内容の見直しを検討しているという。

 同校は平成6年度入試で最高の48・25倍を記録、近年も20倍前後で推移するなど超難関として知られてきた。

 だが、少子化の中、より多くの人材を確保しようと、21年度入学生からは1次試験での歌と舞踊の実技を廃止するなど、創立95年で初めての大幅な入試制度改革を実施。受験時の完成度よりも素質や将来性を重視した選考方法が適用されることになり、従来の授業では実技レベルが追いつかない恐れがあると考えたという。樫原幸英事務長は「英会話や茶道は最終的に舞台に必要な教養ではあるが、まずは最低限の舞台人を養成することを考えた。実技に自信がない入学生でも効果的に技能を身につけるカリキュラムとしているので、安心して受験してほしい」と話している。 

 「タカラジェンヌの太平洋戦争」を執筆し、歌劇ファンとして知られる作家、玉岡かおるさんの話 「2年という限られた時間で舞台の教養まで身につけるのは困難であり、学校が基礎的な技術を徹底しようと指導の姿勢をシフトさせたのは好ましいと考える。最近の生徒は全体的に優秀だが、もっと突出した個性を持つスターが出ないとファンは納得しない。すでに完成された生徒ではなく、より個性を持った華やかな生徒を育成するためにも、学校側がすべてを教える必要はないのではないか」

大学入試:京産大、ノーベル賞効果で志願者1.5倍

 ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英教授(68)が在籍する京都産業大(京都市)理学部物理科学科の09年度一般入試(前期日程)志願者が、前年度の約1・5倍に急増している。出願は17日に締め切ったが、最終集計は更に1〜2割増えそうで、大学側は「ノーベル賞効果にびっくり」と喜んでいる。

 大学によると、前年度276人だった物理科学科の志願者数は16日午後2時現在、408人となった。他の理系も前年度を上回る見通しという。

全国体力調査、上位県は「生活習慣が良い」 文科省

 文部科学省は21日、小学5年と中学2年の約155万人の体力測定を集計した初の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)の結果を公表した。都道府県別の合計点平均を比べると、中2女子でその差が最大となった。授業を除く1週間の運動時間が60分未満の割合も、中2女子が3割で最高だった。

 文科省生涯スポーツ課は「上位県は体育系の部活動への参加率が高く、朝食摂取や睡眠時間などの生活習慣が良い傾向にある」と指摘。分析に参加した順天堂大の内藤久士准教授は「大きな差ではなく、どんぐりの背比べの状況だ」としている。

 調査対象は握力、50メートル走、ボール投げなど8種目。国公私立の小中学校の約7割に当たる約2万3000校が、昨年4〜7月に実施した測定結果を提出。子供の生活・運動習慣なども調べた。

 各種目を1〜10点で評価した合計点(80点満点)を都道府県別に見ると、中2女子の平均点(公立校)の最高は千葉の52.9、最低は北海道の43.4で、その差は9.5。小5男子では差が6.2、小5女子は6.8、中2男子は7.2だった。

都留文科大、「自然」「環境」身体で学ぶ

 ソローに倣い小屋造り

 教員養成で知られる都留文科大学(山梨県都留市)の敷地の森で、昨年秋から学生たちが山小屋の建設を始めた。「ウォールデン 森の生活」で知られるアメリカの作家、ヘンリー・ソロー(1817〜62)が森に山小屋を造って住んだのに倣い、自然に触れるためだ。2、3年生の14人が参加し、身体感覚で自然環境を学んでいる。

 建設は昨年10月から高田研教授の「環境教育実習」で行っているもので、週1回、半年かけて進める。同大では森などの自然を生物観察のフィールド・ミュージアム(野外博物館)ととらえ、活用する環境教育を実施。その取り組みが文科省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に選ばれたことから、補助金で製材機などを購入して小屋を建設することにした。

 学生たちは最初の講義で、ソローが住んだのと同じ山小屋の写真を見せられた。その後、自分たちで木を伐採して製材し、廃業する材木店から木材をもらうなどして材料を集め、キャンパス裏の「ムササビの森」で小屋を造り始めた。現在までに約4メートル四方の骨組みが組まれ、実習の終わる2月には屋根がかかる予定だ。最終的な完成は来年度以降の実習になるという。

 特徴的なのは、小屋を造ることだけが決められ、設計図など具体的な指針がほとんどないことだ。学生は自分たちで考え、試行錯誤しながら作業を進める。高田教授は「学生たちは話し合うことでコミュニケーション能力を高め、自然の中で身体感覚を磨いていく」と語る。

 学生たちも、通常の講義では得られない手応えを感じている。前原融(とおる)さん(20)(2年)は「木を倒す経験がなかったので新鮮」と語り、動物観察が好きな東郷継直(つぐなお)さん(21)(同)は「木を切っていいのかという葛藤(かっとう)が最初はあったが、切ることで里山が造られていくことが分かってきた」と話す。小屋造りはシンプルな実習に見えるが、高田教授は「頭ではなく身体で自然に接する体験は、将来、学生が環境について教育したり研究したりする際の重要な基礎になる」と話している。

2009年1月22日 (木)

【体力テスト】中学で女子3割、男子1割「運動せず」 体力低下浮き彫りに

 文部科学省は21日、全国の小学5年と中学2年を対象に昨年初めて実施した全国体力テストの結果を公表した。1週間にほとんど運動しない生徒が中学では女子の約3割、男子の約1割にのぼることが分かった。半数以上の児童生徒で、体力水準がピーク時の昭和60年度の平均値を下回るなど、改めて子供の体力低下が浮き彫りになった。都道府県別では、全国学力テストでも上位層だった秋田、福井が上位を占める結果となった。

 1週間の運動時間について、「ほとんど運動しない(60分未満)」と答えたのは、男子が小学生で約4万3000人(11%)、中学生で約3万6000人(9.4%)とほぼ1割。女子は小学生が約8万7000人(23%)、中学生で約11万4000人(30.7%)だった。

 一方、中学生では、男女ともに1週間に10〜20時間前後は運動をしているという生徒が4〜6割を占めており、ほとんど運動をしない生徒との間で体力に差が出ていることも分かった。

 しかし、全体的には体力低下が著しい。体力水準のピーク時だった昭和60年度の平均値と比べて、ソフトボール投げや50メートル走などの3種目で、小中学生ともに約7割の児童生徒の記録が下回った。

 地域差も浮かんだ。中学生男子を除いて、人口規模が小さくなるにつれ、体力が上がる傾向がみられた。合計点では、福井や秋田といった全国学力テストの上位県が、小中学校とも上位に並んだ。中学では男女とも千葉がトップ。大阪や東京の都心部は下位層に沈んだ。

 さらに芝生の運動場のほうが、体力が上がるという傾向がみられた。また、生活習慣との関連では、小中学生とも毎日朝食をとっている児童生徒ほど、体力があるという結果が出た。

 分析を行った浅見俊雄東大名誉教授は「運動をしていない子供が多いことに驚いた。このデータを基に、各学校でも改善策を考えてほしい」と話している。

職員会議:都教委の挙手禁止通知 市民団体アンケート「言論の自由に悪影響」8割

 ◇都教委調査と反対の結果に

 東京都教育委員会が職員会議で挙手・採決を禁止した06年の通知について、市民団体が都立高の教員にアンケートしたところ、応じた1735人の8割余りが「言論の自由に悪影響があった」と答えた。都教委が校長・副校長だけに実施した聞き取り調査では95%が「影響がない」と回答していたが、全く反対の結果となった。

 アンケートを実施したのは、通知の撤回を求めている都立三鷹高の土肥信雄校長(60)を支援する保護者らで作るグループ。昨年11月に都立高190校にアンケート用紙を送り、今月16日までに121校の教員から回答を得た。

 「通知以降、教員の言論の自由に悪影響がありましたか」との問いには「ある」83%、「ない」3%、「分からない」14%だった。通知の果たした役割についても「有害」76%、「教育的でない」22%と批判的な評価が圧倒的に多く、「多少役に立つ」「有益である」は合わせても2%だった。

 グループ事務局の東本久子さん(60)は「教員が仕事への情熱をなくしているのは大きな損失。都の教育行政のあり方を見直すべきだ」と指摘した。都教委の担当者は「詳細が分からないので、何とも言いようがない」と話している。

全国体力調査、福井県が上位のわけ

 小学5年生と中学2年生を対象に文部科学省が今年度初めて実施した「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果が21日発表された。福井県は小5の運動能力が1位、中2が2位。40年以上におよぶ体力向上の取り組みが要因とみられる。全国調査といえば昨夏公表された学力調査でも福井の小中学生は全教科で3位以上だった。すごいぞ、福井っ子。

 調査は昨年6〜7月の間に県内のすべての公立小208校、中学82校に加え、国立小中学校各1校が参加。私立校は参加しなかった。いずれも8種目の実技記録と、質問紙で生活や運動の習慣、体格などを調査した。

 これによると小5男女は、だんだん短くなっていく音楽が鳴っている間に20メートルの距離を何回走り切れるかを測る「20メートルシャトルラン」、直立の状態から何センチ前に跳べるかを測る「立ち幅とび」、「50メートル走」が全国平均を大きく上回った。中2では、持久走1500メートル(男子)と1000メートル(女子)が全国平均を20秒ほど上回った。

 県教委の広部正紘教育長は「63年から小学4年〜高校3年を対象に体力・運動能力調査を継続してきた成果」という。県の調査は、大人も含めた体力測定のデータを集める全国調査を文科省が試験的に導入したのをきっかけに開始。調査対象人数を限定する国とは異なり、公立の全児童・生徒全員の参加とした。

 県ではさらに、調査結果から県平均データをつくって各校に配り、それぞれ独自の体力向上計画や報告書の提出を義務づけた。各校でそれぞれ子どもに不足している力を分析し、持久力ならマラソン、瞬発力ならリレーなどと体育での時間を増やして補強に努めている。福井市立明新小学校の5年生の担任、谷口倫章(みち・あき)教諭は、調査各種目の結果を図表化してそれぞれ生徒に配っている。「先生同士で話し合いながら、子どもの弱い部分を伸ばしていく工夫を心がけています」と話す。

 質問紙調査では、学力調査の際と同様に、全国平均と比べ朝食を食べている子どもが多く、睡眠時間は長く、テレビをみる時間は短いなどのデータも出た。これは3世代同居の家庭が多いなど地域で子どもを見守る大人が多いため、との見方もある。

 福井大教育地域科学部の戎(えびす)利光教授(健康科学)は「運動する機会が多いほどエネルギー消費量が増え、体力は向上する。都会より外で遊べる環境があるのも大きいだろう。運動が脳を刺激して勉強にもいい影響を与えている可能性はある」と話している。

 ただ、小5男子のソフトボール投げの全国平均が85年度は29.94メートルだったなど、昔と比べれば福井の子どもたちも体力は落ちている。今後の課題となりそうだ。

携帯は小中では禁止、文科省が各校へ月内にも通知

 文部科学省は21日、小中学校への児童・生徒の携帯電話の持ち込みを原則として禁止する通知を、月内にも各学校に出す方針を固めた。

 同省は昨年7月、全国の公立の小中高校に携帯電話の取り扱いに関する指針を明確化するよう通知し、これに対する各校の対応を今月23日までに報告するよう都道府県などの教育委員会に求めている。各校からはすでに、「持ち込みの一律禁止」「原則禁止とするが、家庭からの申請により機能限定の機種に限って認める」「持ち込みは認めるが、校内での使用を禁止」などの対応が報告されている。同省は報告を通じて現場の実態を把握したうえで、具体的な規制のあり方を決める予定だ。

 塩谷文科相は20日の記者会見で、「過去にも(携帯電話を使った)いじめが多発している点を踏まえ、国としての方向性が必要だ。ただ、家庭で携帯電話を持つ個人の権利まで制限するのは難しい」と述べた。

 政府の「教育再生懇談会」(安西祐一郎座長)は昨年12月、小中学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止する提言の素案をまとめ、来月初めにも麻生首相に提出することにしている。大阪府が府内の公立小中学校への携帯電話持ち込みを禁止するなど、都道府県や市町村がすでに独自の対応をとっているケースもある。

【教育】消えない学力を 塾関係者からも学力本

 私立中受験熱の一方で、受験知識の暗記でない、考える力など真の学力をつける重要性を指摘する本が塾関係者などからも目立っている。

 『あなたにも解ける東大数学』(PHP研究所)などの著書がある音羽塾主宰、田中保成さんは『消える学力、消えない学力』(ディスカヴァー)を出版。約30年にわたり学習塾で教えている経験から、算数で解き方を暗記し、受験が終われば忘れてしまうような学力に警鐘を鳴らし、同書で「論理的思考力」を鍛える方法をわかりやすく解説している。

 同書では「225度の角度を分度器なしで描けるか」「1分で何メートル走れるか」などゲームや日常生活のなかで単位の感覚を身につける大切さからはじめ、「複雑な問題を単純な要素に分解する」など10のスキルを紹介するなど、「一生消えない論理的思考力とは何か、それをどう鍛えるか」説明している。

 また『中学受験で子どもを伸ばす親 ダメにする親』(ダイヤモンド社)は、大手進学塾で“カリスマ講師”といわれ、東京・自由が丘で少人数制の進学塾「スタジオキャンパス」で指導にあたる矢野耕平さんが書いた。同書は親が自己採点できる「中学受験を目指す親子の20のチェックポイント」などもあり、家庭教育を含め子供の教育を考える本となっている。

淑徳大:経済難なら、学費いりません 受験生と在学生対象に−−千葉

 ◇最大140万円、4年間

 千葉市の淑徳大(長谷川匡俊学長)は、保護者の失職など経済的事情で進学や在学が困難になった受験生や在学生に対し、入学金や学費を含む納付金を全額または半額免除すると発表した。日本私立大学協会は「全額免除は聞いたことがない。過去にも例がないのでは」としている。

 対象は経済的理由で大学進学が難しくなった受験生30〜60人と、中退せざるを得ない在学生30〜50人。大学側が困窮度合いを判断し、最大で初年度納付金の全額140万円を免除する。在学中に経済状況が改善しない場合、翌年も申請可能で、期間は最長で4年間。

 淑徳大では08年9月ごろから、学生や保護者から「学費を稼ぐのが難しくなった」「給料が激減し学費が支払えない」といった相談が急増。受験生の保護者からも奨学金の問い合わせが相次いだ。

 期間は09年4月から4年間、予算は年間約1億円。問い合わせは淑徳大入試課(043・265・6881)。

センター試験、得点調整なし 平均点中間発表

 大学入試センターは21日、17、18日に実施した09年度センター試験の平均点(中間集計)を発表した。地理歴史、公民、理科の特定科目間で平均点に20点以上差がある場合、得点調整を行う可能性があるが、今回は調整は行わない見込み。

 得点調整の対象となる科目間では、化学と地学が15.5点差で、最も平均点の差が大きかった。調整するかどうかは、最終的に23日に判断する。

 今年のセンター試験では、チャイムが試験中に鳴ったことなどから、9大学の会場の計719人が「再試験」の対象になった。20日現在で100人が再試験の受験を希望した。また、病気やけがなどで受験できなかった人を対象に行う「追試験」は、231人に受験が許可された。

 再試験、追試験はいずれも24、25日に行われる。

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NIE授業 校内一斉に

 新聞を教材に活用したNIE(教育に新聞を)の授業が16日、東京都北区立王子第三小学校(児童324人)の全13クラスで公開され、保護者や他校教諭ら400人以上が訪れた。全校あげて多彩な新聞活用授業を公開した例は珍しい。

 このうち、西野厚教諭が担任する6年のクラスでは、社会科の授業で、南極氷河の異変や南米アマゾンの森林破壊を伝える新聞記事の写真コピーなどを基にして、「世界の環境問題に対する日本の役割」をクラス全員で考えた。最後に取り組んだのは環境活動の標語作り。児童からは活発な意見が出て、「水や電気のむだ使いはやめよう」「エコバッグいつも持参」といった標語が生まれた。

 西野教諭は「生活の中で、まず環境を考える子供に育ってほしい。子供たちの未来がかかっているのだから」と話した。

 4年担任の土田有子教諭の授業は理科。空気中の水蒸気について学ぶ授業で、冷たいペットボトルの表面に水滴がつく現象を見せる一方、北国で冬に海面から水蒸気が湯気のように立ち上る「けあらし」の新聞写真を示し、児童がより深く理解できるように工夫した。

 5年担任の中林義勝教諭は社会科で、米大統領に決まったオバマ氏の勝利演説を報道した新聞6紙の1面写真を比較させ、書き手側の狙いによって写真の絵柄や記事内容が異なるという特徴に気づかせた。

 3年担任の羽賀絹恵教諭は総合的な学習の時間で、児童らが正月や冬休みの出来事を絵と文章で伝えるハガキ新聞作りを指導した。「皆で楽しみながらやるのがポイント。ハガキ新聞作りは子供たちの手ごろな達成感につながる。文章を抵抗なく書けるように成長してきた」と意義を話す。

 このほか、特別支援学級や国語、算数、道徳、保健体育でも授業が公開された。

 同校は毎週水曜朝20分ほどをNIEタイムと称して児童が興味を持った記事を切り抜き、スクラップ帳に張る時間に当ててきた。関口修司校長は「新聞を授業に活用すると、社会に目を向けた子供に育ち、親子が共に取り組む場ができて良好な意思疎通に役立つ。先生も児童の成長を実感しやすい」と評価している。

2009年1月21日 (水)

体力調査結果も公表へ 橋下知事が市町村教委に要請

 大阪府の橋下徹知事は20日、文部科学省が実施した「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の市町村別成績を公表するよう府教育委員会を通じて市町村教委に要請する考えを明らかにした。

 文科省は過度の競争につながるとして市町村別結果を公表しないよう都道府県教委に通知しており、橋下知事の方針は波紋を広げそうだ。

 橋下知事は全国学力テストの市町村別成績についても、公開すべきだと主張。府教委から予算編成のための資料としてデータ提供を受け、部分的に開示した。

携帯電話:学校に携帯、禁止指針 小中対象、月内にも通知−−文科省

 文部科学省は20日、子供の携帯電話について、小中学校への持ち込みや校内での使用を原則として禁止すべきだとする指針を出す方針を固めた。月内にも各教育委員会や学校に通知する。塩谷立文科相は同日の閣議後会見で、「例えば『持たせるべきではない』とか『学校では使わせない』とか(通知の)文言は検討しなければならないが、原則として、国としての方向性が必要だと思う」と明言した。

 文科省は昨年7月、各教育委員会や学校に対し、携帯電話を巡るルールを明確化するよう通知。ルール作りの現状などについて全国調査中で、月内にも結果をまとめることにしている。持ち込みを規制している小中学校は多いが、市町村教委レベルでは対応にばらつきが見られるという。

 塩谷文科相はこの結果集計後に指針を示すとした。「家庭に帰って(携帯電話を)持つことに対しては、個人の権利なのであまり制限できない」とした上で、「ネット上のいじめなどが多発していることは大変憂慮すべきだ。かなり(携帯電話を通じて起こる)事例も変わってきたわけだから、そういう点を踏まえるべきだ」と述べ、必要時以外は使わないことなどの指導が必要との見解を示した。

 政府の教育再生懇談会は昨年末、「必要ない限り小中学生が携帯電話を持たないよう、保護者や学校が協力する」との提言素案をまとめた。大阪府や埼玉、香川県などは既に、小中学校への持ち込み原則禁止方針を表明している。

 一方、東京都の石原慎太郎知事は「情操教育からしつけにかかわることだし、本当は親が判断することだ」などと発言している。

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校内で傷害容疑、中2逮捕 水飲ませるいじめも 福岡

 中学校内で同級生に暴行を加えてけがをさせたとして、福岡県警若松署が昨年12月、北九州市若松区の市立中学校2年の男子生徒(14)を傷害容疑で逮捕、別の同級生(14)を児童相談所に通告していたことがわかった。被害者の男子生徒(14)は、ホースを口に押し込んで無理やり水を飲ませるいじめも受けていたという。2人は「自分たちの言うことに従わず、態度が気にくわなかった」と容疑を認めている、と同署は説明している。

 同署によると、2人は昨年12月10日、被害生徒を学校のトイレに呼び出して殴るけるの暴行を加え、顔や太ももに約5日間のけがを負わせた疑いが持たれている。生徒は約1年前から小突かれたり殴られたりしていたが、この日の暴行が特にひどかったため、保護者と一緒に同日中に同署を訪れて被害届を提出。同署が16日に生徒1人を逮捕、1人を児相に通告した。

 市教委は「非常に悪質ないじめで傷害事件である以上、逮捕や通告はやむを得ない。未然防止のため、生徒指導を強化していきたい」としている。被害生徒は現在、普段通り登校できているという。

横浜市、日本史必修科目に

 市立高全9校、10年度から

 横浜市教育委員会は2010年度から、学習指導要領で選択科目の日本史を全市立高9校で必修にする方針を固めた。

 全国で初めて昨年2月に日本史必修化を打ち出した神奈川県教委は、13年度から全県立高校143校で始める方針だが、先駆けての実施となる。

 市教委によると、市立高校生徒(08年3月の卒業生)のうち3割を超える生徒が日本史を学ばずに卒業しており、「国際化が進む中、自国の歴史や文化を学ぶことは重要」と判断した。

 学習指導要領では、世界史は必修で、日本史と地理は選択科目でどちらかを選ぶ。これに対し、市教委は、日本史も必修とし、地理を選択する生徒については、授業数を増やして対応する。学習指導要領は指導すべき最低限の内容で、各教育委員会が独自に科目の必修化などができる。

 神奈川県立高校は、地理を選択した生徒は、独自の科目「神奈川の郷土史」「近現代史」のいずれかを履修する形で「日本史」を必修で学ばせる。市教委は「県と比べ、学校数が少ないので独自科目の新設は検討しなかった。ほかの自治体では、受験の負担になりかねないので、日本史の必修化に踏み切れないのではないか」としている。

 日本史の必修化を求める要望は、東京や千葉、石川県などから出されていたが、昨年末の文部科学省が発表した要領案に盛り込まれていなかった。

小中は教育課程一体化、12年度から

 また、横浜市教育委員会は市立小中学校全491校で、9年間の教育課程を一体化する「小中一貫教育」を12年度から導入する。小中一貫教育は東京都品川区が06年度から全区立校で取り入れるなどしているが、大規模実施となる。

 市教委によると、現行の中学校の校区に合わせて、小学校との組み合わせを決定。複数の中学校と複数の小学校、一つの中学校に複数の小学校、一つの中学校に一つの小学校の3パターンのグループ分けが想定されている。進学先は基本的に現行の学区の枠組みとなる。

 小学1年から中学3年までの新たなカリキュラムを10年度までに策定。09年度から小学高学年で始まる英語教育で中学校の教諭が小学校の授業に加わるなど順次、連携を強化。小学校の教諭が中学校で数学の基礎を教えるなど、全教科にわたって教諭が相互乗り入れする。また、10年度には「小中一貫校」を1、2校新設することも検討している。

新入生10人に55万円支給 景気後退で東京外大

 東京外語大(東京都府中市)は20日、景気の後退で家計が悪化した今春の新入生を対象に、入学金と前期の授業料に相当する計55万円を支給すると発表した。

 対象者は家計の事情や高校時代の成績を考慮して最大10人まで選び、6月に支給する。

 また、経済的に困窮している外国人留学生向けの奨学金を創設し、一般からの寄付を3月末まで募るとしている。

君が代斉唱不起立:再雇用拒否は違法 また都に賠償命令−−東京地裁

 卒業式の君が代斉唱時の不起立を理由に再雇用を拒否されたのは違憲・違法だとして、元東京都立高教諭の申谷(さるや)雄二さん(62)が都に賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は19日、約210万円の支払いを命じた。渡辺弘裁判長は都教委の対応について「不起立をあまりに強調する一方、他の事情を一切顧みず、著しく合理性を欠く」と判断した。

 同種の訴訟では、都側の勝訴(07年6月)と敗訴(08年2月)で判断が分かれていた(ともに控訴審審理中)が、この日の判決は再び、君が代起立斉唱を巡る都の姿勢を「行き過ぎ」と指摘した。

 判決によると、申谷さんは都立南葛飾高に勤務していた04年3月の卒業式で、君が代斉唱時に起立せず戒告の懲戒処分を受けた。再雇用制度は定年退職者の生活保障などを目的とし、希望者のほとんどが非常勤で再雇用されていたが、申谷さんは07年3月の退職時に不合格となった。

 判決は「都教委の判断は、制度の趣旨や従来の採用判断のあり方からも大きく逸脱し、原告の期待を大きく損なった」と指摘。再雇用拒否は「裁量権の乱用で違法」だとして、再雇用した場合の報酬1年分の支払いを命じた。

 一方、君が代斉唱時の起立を命じた校長の職務命令自体は合憲とし、再雇用を求める訴えについては「行政訴訟の対象ではない」として却下した。

 ◇元教諭「再雇用認めよ」

 判決後に記者会見した申谷さんは「都のやり方にストップをかける意義がある。現場で苦しんでいる教師にとって良かった」と評価した。その一方で「教壇に立つことが目的なので裁判を続けたい」と述べ、再雇用を認めなかった判決を不服として控訴する意向も示した。

 申谷さんが勤めていた都立南葛飾高の定時制の卒業式は、壇上を使わず、フロアに並んだ卒業生に校長が卒業証書を手渡して声を掛けるなど、独自のスタイルをとってきたという。申谷さんは「都は1度の通達で(他校と)全く同じ形でするよう求めてきた。反対の意思表示で(君が代斉唱時に)起立しなかった」と振り返る。

 学校式典での君が代起立斉唱を徹底し、違反すると懲戒処分にする都教委の姿勢は全国でも突出している。申谷さんは「政治的なことに生徒を巻き込みたくない」と考え、その後は職務命令に従って起立したが、1度だけの戒告処分で教える場を奪われた。

 申谷さんの代理人の弁護士は「裁判に一定の成果はあったが、裁判所は都の職権乱用を認めるのであれば再雇用を認めるべきだった」と指摘した。

 ◇都教委は「遺憾」

 判決について、都教育庁選考課は「主張が一部認められなかったことは大変遺憾。判決を詳細に確認して対応を検討していく」とのコメントを出した。

 都教委は、国旗・国歌について指導の徹底を通達した03年度から07年度までに、再雇用や再任用を希望した教員計48人を君が代斉唱時の不起立を理由に不合格としている。今後も基準は変えずに選考する方針という。

「携帯禁止、近く国が方向性」 女子中生自殺巡り文科相

 さいたま市の女子中学生が携帯電話サイトでの「いじめ」を理由とする遺書を残して自殺した件に関連し、塩谷文部科学相は20日、「さいたま市教委の調査を踏まえて対応する」としたうえで、「携帯の学校への持ち込みについては近々、国として方向性を出す。特別な場合を除いて持たせないとか、学校では使わせないとか。こういう事件も起こって、過去にいじめも多発してきたことも踏まえて」と語った。

 文科省は昨年、携帯の持ち込みに関するルールについて、全国調査を実施。近く結果をまとめて発表する。

国歌不起立で教員再雇用せず、都に賠償命令

 東京地裁、211万円の支払い命じる

 東京都立高校の卒業式で、国歌斉唱の際に起立しなかったため、定年後の再雇用選考で不合格にされたのは違法だとして、元都立高教員・申谷(さるや)雄二さん(62)(さいたま市)が都を相手取り、不合格処分の取り消しと損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、東京地裁であった。

 渡辺弘裁判長は「起立しなかったのは1回だけで、都教委の判断は、裁量権の乱用にあたる」と述べ、都に211万円の支払いを命じた。処分取り消し請求は却下した。

 判決によると、都教委は2003年10月、卒業式などで国旗に向かって起立し、国歌斉唱することを義務づけ、従わない教職員は服務上の責任を負うとする通達を出した。申谷さんは04年3月、勤務先の都立高の卒業式で起立せず、都教委から戒告処分を受け、06年10月、定年前に再雇用申請したが、不合格になった。

 判決は、起立命令自体は思想・良心の自由を保障した憲法に違反しないと判断したが、通達前は不起立を理由に再雇用されなかったケースがなかったことなどから、不合格は不当と認定。再雇用された場合に、申谷さんが得られる1年分の報酬を賠償額と算定した。

 判決後、申谷さんは「都教委の違法性が認められたのは良かったが、自分が求めているのは再び教壇に立つこと」と話し、控訴する意向を示した。

2009年1月20日 (火)

「小中ギャップ」解消へ全校で一貫教育 横浜市決定のメリットは?!

 横浜市教育委員会が、新学習指導要領が完全実施される平成24年4月から、すべての市立小中学校で9年間一貫の教育を実施する方針を決めたことが19日、分かった。小中一貫教育は東京都品川区や広島県呉市などで導入されているが、横浜市のように小学校346校、中学校全145校という大規模な実施は全国初。小中一貫教育にはどんなメリットがあるのか−。

「不登校」改善も

 横浜市教委は昨年4月、小学校57校と中学校28校の組み合わせで28の「小中一貫教育推進ブロック」を編成、「実践推進校」として小中一貫教育を先行実施してきた。全校の一貫校化に当たっては、組み合わせは地域や学校の実情に応じるとし、単一校や複数校同士など、最大145ブロック(校)を想定している。

 小中一貫教育の意義は何か。市教委は「勉強」と「環境」という2つのキーワードを挙げる。

 「勉強」では、中学進学直後に勉強が急に分からなくなる「中1ギャップ」の解消が期待できる。指導方針が9年間を通じて一本化されるからだ。人事交流で、中学校の数学教師が小学校に出向いて算数を教えるなど、教壇が“地続き”になることも大きい。

 「環境」の代表例は、不登校問題の改善だ。

 現在、同市では中1生の半数が人間関係の変化による不安などで何らかの形で不登校を経験するという。中学進学時の環境の変化がきっかけになることも多いが、小中一貫ならば、小学校の友人が別々の中学校に分かれることはない。

 実際にはスペースや予算面ですべての小中学校が1つのキャンパスに統合されるわけではないが、モデル校の中1生で「中学生活に不安を感じる」とする生徒は全体の25%にとどまっているという。

「意思疎通」いかに

 文部科学省の銭谷真美事務次官は19日、横浜市の取り組みについて「小中、中高、高大といった学校間の接続は大きな課題。小中学校の9年間を一期間ととらえ、どのようなカリキュラムを作るべきかという試みは評価し、応援したい」とエールを送った。

 「一貫教育」では、文科省が平成11年度に導入した中高一貫校の取り組みが先駈け。高校受験をなくして6年間の長期教育を行い、20年度は334校(前年度比54校増)、公立も157校を占めている。

 小中一貫教育に詳しい篠田信司氏(前国立音大教授)は「小中一貫は増えているが、中高一貫との兼ね合いなど、地域全体の教育をどうするのかという基礎的な議論をしっかりしなければ、一時的な流行になりかねない」と話す。

 また、東京都品川区の教育委員でジャーナリストの細川珠生氏は「教員が『学級』単位で担当する小学校と、『学科』単位の中学校とでは仕組みや文化が大きく違う」と指摘。「品川区は意識改革に長時間をかけてから導入したが、横浜市はエリアも学校数も大きい。円滑にスタートさせるには、校長のリーダーシップや地域の理解が必要だ」と話している。

◇小中一貫教育 

 小中の9年間を一続きのカリキュラムで指導する教育。文部科学省によると、小中一貫教育は教育特区制度を利用して「英語」など特定の教科で行う自治体が多く、全小中学校での一貫教育は、東京都品川区が平成18年度に全国に先駆けて実施した。広島県呉市や東京都八王子市などでも市内すべての小中学校での導入に向けて準備を進めている。同省は「新しい学習指導要領でも義務教育の9年間で、小中学校の連携を求めている」としている。

全国学力テスト参加か、影響は…揺れる市町村教委 3府県の動向は

 ◇積極的な成績公表の3府県

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の市町村別、学校別成績を公表する動きが広がりつつある。過度な競争をあおることを懸念する声もある中、積極的に公表を進めている秋田県や大阪府、鳥取県の現状を追った。

 ◆どうなる「実施要領の順守」−−秋田県

 ◇知事主導で市町村別 反発出て県教委火消し

 07、08年度と2年連続で成績が全国トップクラスだった秋田県では昨年、市町村別の平均正答率が2度にわたって公表された。

 1度目は、市町村名は黒塗り。県情報公開条例に基づく請求に応じて県教委が10月22日に開示した。黒塗りは「都道府県教委は市町村名、学校名を明らかにした公表は行わないこと」という文部科学省のテスト実施要領に従った措置。県教委のスタンスは「あくまで各市町村教委による自主公表」(総務課)だった。

 しかし、2度目は市町村名も公表され、大きな波紋を呼んだ。12月25日。公表者は寺田典城知事で、「情報を共有することが教育の向上につながる」と述べた。

 市町村教委からは「現場は学力向上へ努力している。現に過去2回の結果は伸びている」「市町村別の平均点を公表して何の意味があるのか」などと批判が相次いだ。

 特に小中学校が1校ずつしかない町村の反発は大きかった。「事実上学校の成績が公開された。点数ばかり注目すると肩身の狭い思いをする子供が出てくる」(井川町の中山英悦教育長)、「母数が小さいと一人一人の成績が大きく左右する。母数の大きい自治体と比べるのはナンセンス」(大潟村の高橋一郎教育長)。

 09年度テストへの不参加の動きが出ることを恐れた県教委は火消しに躍起となった。1月5日付で知事に抗議文を出し、7日には各市町村教委の教育委員長あてに「県教委は実施要領を順守する」との方針を強調した上で、テストへの参加を呼びかける通知文をファクスした。

 県教委の動きが奏功したのか、毎日新聞の調べでは、16日現在で結論を出した15市町村のうち不参加を決めた自治体はない。

 残り10市町村はまだ決めていないが、どの市町村教委も学力テストの意義は「認める」との態度だ。羽後町の加藤忠紀教育長は「現場の先生からも、工夫された問題が多いとの声が多い」と話す。藤里町が唯一「県が公表するなら不参加」との方針を決めたが、「要領にのっとってやるなら参加」(古川弘昭教育長)としており、21日に再検討する。

 しかし、各市町村教委とも知事の公表方針には神経をとがらせている。参加を決めた市町村教委でも「実施要領の順守」を参加の条件に挙げるところも少なくない。県教委は知事を説得できるのか。ある町教委幹部は「県教委を信じるしかない」と不安を口にしている。

 ◆学力向上への足掛かりに−−大阪府

 ◇データ共有で活路 具体策まだ見えず

 全国学力テストの結果が2年連続で低迷した大阪府では昨年10月、府情報公開条例に基づき、橋下徹知事が市町村別データを一部開示した。43市町村のうち、小中学校とも開示したのは市町村教委が自主的な判断で公表していた32市町分で、「1校しかない」などの理由で中学校を非公表とした3町村分は小学校だけを開示した。橋下知事は「教育の課題を地域や家庭と共有し『もっと頑張れ』の声が上がるようになれば」と語る。これを受け、非開示とした市町村教委も含め、学力向上への動きが出始めている。

 守口市教委はデータ公表に合わせ、「学力向上・学習状況改善重点プラン」をホームページで発表した。全国に比べ読書や家庭学習の時間が少ないことなどを説明。▽学ぶ意欲の育成▽言語力の向上▽家庭学習・生活習慣の定着−−の3点からなる課題を掲げ、「平均正答率を上げる」など5項目を10年度までの達成目標に定めた。財政難で新規事業を組めないため、学校図書館の常時開放など年度内の対応策は限られるが、市教委は「データ公表で、少しでも学力を向上させるためには何をすべきかを考えるようになった」と話した。

 府教委は今年度から3年間で30億円を積み立てる「大阪教育ゆめ基金」を設置。朝の短時間で基礎学習を行う「モジュール授業」や携帯ゲーム機を利用した反復学習など、市町村教委が要請した事業に充当する。学校に指導や助言をする市町村教委の指導主事に対する研修も行う。府教委は「志を一致させるため、教育現場へ何をどう伝えていくかは大きな課題」と力を込める。家庭や地域に対しては、基礎学習のワークブックをホームページで公開した。

 ただ、どの程度の成果が上がるかは未知数だ。府南部の主婦(44)は「ホームページ上で公表した時点で全部終わったという感が否めない自治体もある。市町村教委の温度差が、家庭の意欲に反映されてしまうのでは」と話す。

 大阪教育大の田中博之教授(教育方法学)は「公開後に新たな政策を打ち出す市町村はあまりなく、無風状態。点数公開をテコに市町村を動かそうとしても、うまくいかない。府も学力向上の新たな予算を講じつつあるが、市町村が最も望むのは教員の増員。人と金がないと、具体的に動くことはできない」と指摘する。

 ◆活用派と慎重派に分かれ−−鳥取県

 ◇県情報公開条例を改正 請求により学校別開示

 鳥取県教委は昨年10月、市町村別と学校別のデータについて、非開示の方針を転換し、09年度分以降の開示を決めた。「県情報公開条例に沿って開示すべきだ」という市民団体や県議会などの批判に押された格好だ。ただし、市町村教委や学校の反発を和らげるため、開示情報の使用に際して開示請求者に「配慮」を求め、使用に一定の制限を加える県条例の改正を開示の前提とした。県議会は12月、条例改正案を可決、成立させ、都道府県レベルで初めて学校別データの開示が決まった。

 県内19市町村教委のうち12市町教委は当初、序列化などを懸念し、「09年度テストに参加するかは未定」と態度を保留した。うち2市7町教委はその後、「懸念は残るがテストで得られるデータは貴重」との理由で参加を決めた。

 このうち江府(こうふ)町教委の藤原成雄教育長は「全国学力テストで家庭学習が足りないと分かったら家庭学習月間を作るなど、データを有効に活用する体制が既に整っている」と話す。懸念については「心配すればキリがない」と見切りを付けた。伯耆(ほうき)町教委の圓山湧一教育長は「子供の学習状況を把握するためにデータを活用したい」と説明する。

 参加を決めかねている教委もある。昨年末に県教委との意見交換会で、鳥取市教委の中川俊隆教育長は「学校別データがネットに流れたら止められないのではないか」と語気を強めた。県教委は「開示請求者のモラルに訴える」との説明を繰り返すばかりで、中川教育長は納得できない。同市教委は19日の教育委員会で参加・不参加を決める。

 米子市教委は学校を通じ、「開示が子供に影響があると考えるか」について保護者の意見を集約した上で参加の可否を決定する。「開示による影響を危惧(きぐ)する声が多ければ考慮せざるを得ない」と慎重な姿勢を崩していない。

 一方、南部町教委は昨年10月、学校別データの開示請求に対し開示を決めた。教育委員が「教育は地域とともに考えるべきだ」との意見で一致したという。同町教委は全国学力テストを「教育施策や現場での指導改善に十分活用できる」と評価し、09年度についてもいち早く参加を表明した。

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市立の全491校で小中一貫教育 横浜市、12年度から

 横浜市教育委員会は、中学校の新学習指導要領が全面実施される12年度から、小学校346校と中学校145校の計491の全市立校で「小中一貫教育」を実施する方針を固めた。同市教委は今年3月、全教科について、小学1年〜中学3年の9年間カリキュラムを発表する。全小中学校での一貫教育は、東京都品川区が06年度に全国の自治体に先駆け、現在計54校で実施しているが、500校近くで取り組むのは初めて。

 同市教委によると、中学校とその周辺の小学校3〜4校でグループを作り、英語や算数・数学の教諭が習熟度に合わせて小、中学校の双方で教えあうことなどを実施する。

 11年度からは小学校で本格的に英語の授業も始まるため、横浜市は12年度から、中学校の英語教諭がブロック内にある小学校で英語を教えたり、逆に小学校で英語を教える教諭を中学校に出向かせたりすることを考えている。

 中学校の数学の授業で勉強に遅れがある生徒に対しては、ブロック内にある小学校の算数の教諭が、中学校で、習熟度に合わせた少人数を対象に授業をすることも検討している。一方、小学5年生でも中学1年生の数学が理解できる児童には、中学の教諭が小学校で教える。

 同市教委は「小学校と中学校の教諭が相互に乗り入れることは、習熟度に差が出る中学校での成果につながるのではないか」と期待する。

 小中一貫教育の効果について、品川区は「学年間交流が進み、中学2、3年生にあたる8、9年生の学校生活に落ち着きがみられるなどの効果が出ている」という。

 広島県呉市などでもすでに導入しており、東京都八王子市(小69校、中37校)や宇都宮市(小68校、中25校)、京都市(小181校、中76校)などでも市内すべての小中学校での導入に向け、準備を進めている。

専修学校、232人内定取り消し…140人就職先未定

 全国の専修学校をこの春卒業予定の生徒のうち、今月5日までに内定を取り消された生徒が232人いることが19日、文部科学省の調査でわかった。

 このうち92人は別の企業から内定をもらったり、進学に切り替えたりしているが、残りの140人はまだ就職先などが決まっていないという。

 調査は国公私立の専修学校計3401校を対象に行われ、2990校から回答があった。内定を取り消されていたのは139校の男子129人、女子103人。文科省は、経済状況が一変した昨年9月以降に内定を取り消されたケースについて、高校、専修学校、大学を対象に初めての全国調査を行っており、高校生に対する調査では、186人が内定を取り消され、うち93人は進路が決まっていなかった。

岐阜県の就学支援策に“待った” 文科省「外国人学校への公金投入は違反」

 メーカーの「派遣切り」や期間労働者解雇の影響を受ける在日外国人労働者たち。失業した親が学費を払えないため、子供たちが外国人学校を退学するケースが急増している。外国人労働者が多い岐阜県が、子供たちが通う学校に学費補助をする計画をまとめたところ、文部科学省が「私塾の外国人学校に公金投入するのは憲法違反」とストップをかけた。差し伸べようとした支援の手が届かない現状に、同様の問題を抱える各地の関係者は頭を悩ませている。

 ブラジル、ペルー人学校は平成19年12月の統計で、全国で約90校、約7400人が通学していたが、昨秋以降、保護者が失業して退学するケースが増えている。実態把握のため、岐阜県国際課の調査では、昨夏には県内7校のブラジル人学校に約1000人の生徒がいたが、半年で約400人が退学していた。このため、同県は、失業で学費支払いが困難な家庭を対象に総額約1000万円の学費補助を公表。「個人給付をすると、家庭の生活費となり趣旨通りに学費に使われない可能性がある」と、外国人学校に支給する方法を採用することにした。

 ところが、県が文科省に報告をしたところ、同省が私塾に当たる外国人学校に公金投入することは「公金を公の支配に属しない教育事業に支出してはならない」とする憲法89条に抵触すると指摘。各家庭に直接支払う方式に変更するよう求めてきたという。岐阜県国際課は「公金投入の目的を確実に達成するために学校に支払うべきだ。国の杓子(しゃくし)定規な対応は、現場を分かっていない」と憤る。

 文科省も「外国人の子供への就学支援の必要性は認識している」と、年明けから外国人の多く住む静岡県、愛知県などから意見を聞くなどして対策を検討しているというが、「支援対象は個人が前提。憲法を改正しない限り、学校を直接支援することは不可能」とする見解は崩していない。

 外国人学校の退学問題は各地で起きており、近畿で南米系外国人が最も多い滋賀県では、昨年12月の1カ月で、外国人学校4校で計162人が退学。県は「岐阜県同様に事態を深刻に受け止めている」と、聞き取り調査や家庭への戸別訪問で現状把握を進め、支援策を模索している。

 また、市町村でもっとも在日ブラジル人が多い浜松市でも退学問題が起きているが「現時点では具体的な支援策は打ち出せていない」。浜松市の場合、6校あるブラジル人学校のうち、各種学校として認可されている1校については、年間約480万円(平成20年度)の学校運営補助を行っているが、私塾扱いの残りの5校については補助を行っていないという。

「公教育に位置づけ助成を」フリースクール団体が提言

 各地のフリースクールやフリースペースなど67団体からなるNPO法人「フリースクール全国ネットワーク」は、多様な学びの場を学校と並んで教育制度に位置づけ、公的に支援することを求める政策提言を採択した。

 提言は、11、12日に開催された初めての大会の議論をもとにまとめられた。制度改革として(1)学校教育法と並ぶ新しい法律をつくり、フリースクールなどを公教育に位置づける(2)公費助成の制度をつくり、在宅での学習(ホームエデュケーション)には教育費を交付する――などを掲げた。

 すぐにでも実現すべき政策としては(1)学割の通学定期を中学卒業後も(2)フリースクールなどの教育費を就学援助の対象にするなど保護者の負担軽減を(3)学校復帰を前提とする政策の見直しを(4)「不登校ゼロ作戦」などの数値目標をやめる――といった項目を挙げている。今後、関係省庁や自治体、国会議員に働きかけていく計画だ。

センター試験 再試験対象718人

 大学入試センター試験は2日目の18日、理科と数学の試験が行われ、全日程を終えた。

 受験者数は「理科〈1〉」が19万4029人(受験率35・7%)、「数学〈1〉」36万2628人(同66・7%)、「数学〈2〉」32万8357人(同60・4%)、「理科〈2〉」23万869人(同42・4%)、「理科〈3〉」16万9864人(同31・2%)。平均点の中間発表は21日、得点調整するかしないかの発表は23日に行う。

 大学入試センターによると、トラブルによる再試験の対象者は2日間で計718人で、過去最多の1213人だった昨年を大幅に下回った。横浜国立大(横浜市)では18日、443人が「理科〈2〉」を受けていた会場で、試験終了30分前にチャイムが設定ミスのため約25秒間鳴り続けた。

 一方、大手予備校「河合塾」が17日の「世界史A」で複数の正解があると指摘していたことについて、同センターは「発表通り正解は一つ」との見解を明らかにした。河合塾には文書で回答したという。

2009年1月19日 (月)

大学入試:センター試験 リスニング、249人再試験 4年目も不調

 大学入試センター試験は17日夜、初日の日程を終えた。4年目の英語リスニングでは、過去3回と同様、ICプレーヤーの音声が聞き取りにくいなどのトラブルが各地で相次いだ。大学入試センターによると、253人が再試験対象となり、うち249人が再試験を受けた。249人中222人は機器の不具合を訴え、残りは体調不良などが原因。最終日の18日は理科(1)▽数学(1)▽数学(2)▽理科(2)▽理科(3)−−を行う。

 最も受験者数が多い外国語(筆記)は50万1115人が受験し、志願者に占める割合(受験率)は92・1%。49万4350人(受験率90・9%)が受験した英語リスニングは、783会場中180会場で再試験を行った。

 東京大で受験した埼玉県蕨市の男子高校生(18)は「試験開始10分後、音が聞こえなくなった。ICプレーヤーの電源と再生ランプが10秒ほど点滅した後、電源が切れた」という。

 福井大文京キャンパス(福井市)では、一つの試験室の監督者が誤って1分早く試験を終了した。監督者の勘違いが原因で、受験生の指摘で判明したという。この試験室で受験した77人については、希望があれば24日に再試験を実施する。

学校耐震診断、未公表6割 義務だが自治体「混乱招く」

 公立小中学校・特別支援学校の校舎や体育館の耐震診断の結果を公表するよう義務づけられたにもかかわらず、未公表の自治体や学校組合が約6割に上っている。朝日新聞の調査でわかった。財政難で具体的な耐震改修計画がないのに公表すれば、住民の混乱を招くためという。文部科学省は今年度中の公表を求めており、応じない自治体などに対し耐震化工事の補助の打ち切りを検討している。

 小中学校を設置している市区町村と学校組合、特別支援学校を設けている都道府県の計1893団体が昨年10月1日時点で、都道府県教委に報告した公表状況を尋ねた。その結果、「公表済み」は776団体(約41%)にとどまった。

 「08年度中の公表を予定」が562団体(約30%)、「09年度中の公表を検討中」が334団体(約18%)あり、今後増える可能性はある。一方で、耐震診断が実施されていなかったり、耐震化の計画ができていないなどの理由で「公表のめどがたたない」団体は221(約12%)あった。

 都道府県別の公表率は、栃木県が最少の3.1%。20%以下は同県のほか、阪神大震災の被災地の兵庫県、奈良県、愛媛県など西日本の6県。100%は静岡、徳島の両県だった。大都市圏では東京都63.5%、愛知県59.7%、大阪府38.6%、福岡県27.1%などとなっている。 

 文科省によると、全国の公立小中学校と特別支援学校で、震度6強の地震で倒壊の危険がある建物は約1万棟。

 昨年5月の中国・四川大地震(震度6強〜7程度)では、大勢の子どもが倒壊した校舎の犠牲になった。同地震を受け、翌月に改正地震防災対策特別措置法が施行され、自治体などに1棟ごとの耐震診断の実施と、その結果をホームページで公表することを義務づけた。公表しなくても罰則はなく、期限も設けていない。一方で、耐震化工事の国庫補助率を2分の1から3分の2に引き上げるなどし、自治体側の負担を約1割ですむようにした。

 文科省は昨年12月、各教育委員会の教育長らあてに公表を要請する通知文を送付した。

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センター試験54万人が受験

 大学入試センター試験は初日の17日、「公民」「地理歴史」「国語」「外国語」の4教科の試験を終えた。

 今年の志願者は昨年より596人多い54万3981人で、このうち公民は30万5639人(受験率56・2%)、地理歴史は35万9936人(同66・2%)、国語は48万4884人(同89・1%)がそれぞれ受験した。

 ピーク時に60万人を超えていた志願者数は、少子化の影響から減少し、今年は昨年に続いて55万人を割り込んだ。浪人生の比率は大学に入りやすくなった事情を反映して今年初めて2割を切り、19・5%に。現役生は79・3%、高校卒業程度認定試験の合格者などは1・2%だった。

 センター試験を利用する大学と短大の数は、受験生確保などの目的から毎年増えており、今年は過去最多の797校に上った。

 18日は「理科」「数学」の試験が行われる。

関西のワセダは穴場? 中学入試1・12倍

 関西初の早稲田大系属校となった早稲田摂陵中・高(茨木市、男子校)の中学入試が17、18の両日に行われ、140人の募集に対し、最終的に157人が挑んだ。平成23年度の高校卒業生から1学年40人を早大へ内部進学させるとあって注目されたが、初年度の実質倍率は1・12倍にとどまった。

 同校によると専願は37人で、関東や四国からも志望があった。齋藤光正入試部長は「期待を下回る人数だったが、昨年6月に系属校化を発表して間がない。中学入試は数年かけて準備するため、志望先として定着するのは来年以降では」と話していた。

気持ち、表現してあげて

 ◇発達には個人差 無理に教えこまず

 「2歳なのにまだ『マンマ』しか話しません。育て方が悪いのでしょうか」−−。「子ども相談室」には言葉の悩みがたくさん寄せられる。言葉の力を伸ばすにはどうしたらよいのだろうか。

 「ロケットがバーンと宇宙に飛び出すぞお!」。画用紙に描いた絵を見せながら元気に話す優介君(6)=仮名=は、1歳半の時まだ言葉が出ず、健診で遅れを指摘された。

 発達障害などが専門のとちぎリハビリテーションセンターの小児科医、小黒範子さんによると、子どもの多くは1歳半で2〜5単語、2歳で「ママ、来て」などの2語文、3歳で2〜3単語を使って簡単な会話ができ、名前を話す−−という経過をたどる。2歳までに単語が出ない、3歳で2語文を話さないと遅れも考えられる。

 東京都では、06年度の3歳児健診受診者8万9027人のうち、言語については2827人(3・2%)が、経過観察等が必要な「要所見」とされた。

 ただ、個人差が大きい。言語聴覚士の中川信子さん(60)は「10カ月で話す早い子もいれば、2歳半でも数語しか話さない子もいる」と話す。また「日本語の50音が発音できるようになる大まかな目安は4歳半くらい」なのだという。

 ■難聴などの可能性

 言葉の発達が遅い場合は、知的な遅れや発達障害、聴覚障害なども考えられる。難聴は早く見つけて適切な指導を受けることが望まれ、新生児聴覚検査も実施されている。

 個人差や発達障害、知的障害は見極めが難しく、経過を見ていくしかない。健診で「様子を見ましょう」と言われることがあるのはこのためだ。「様子を見る」と言われても、「自分の育て方のせいではないか」と悩む保護者も少なくない。

 中川さんは「子どもも自分も責めないで。無理に教えこもうとしないで」と言う。熱心に言葉を言わせようとすると、子どもは苦痛に感じる。

 家庭でできることは何か。中川さんは「言葉は親子が気持ちを共有することで育つ」という。具体的には(1)子どもの発する音や声をまねてみる(2)子どもの関心に合わせて語りかける(3)おいしそうに食べていたら「おいしいね」などと、子どもの気持ちを口に出してあげる−−ことを勧める。

 ■専門家の教室

 専門家による言葉の教室も参考になる。西東京市の小児科医、梅村浄(きよら)さん(63)の診療所では、言葉の遅れがある子のため、月2回、2時間の「遊びの会」を開く。2〜3歳の5人前後が、リズム遊びや絵本の読み聞かせを楽しむ。言語聴覚士や音楽療法士、保育士らが、体や声をフルに使い、関心を引き付ける。「これ、なあに」と語りかけ、表情やしぐさから言いたいことをつかみ取る。反応が少ない男の子に、メロディーに乗せて「大好きだよー」と歌いながら顔を近づけると、笑みがこぼれた。

 優介君も教室に来ていた。3歳の時、広汎性発達障害と診断された。4歳半まで「ママ」「ワンワン」などの単語しか出なかったが、ある日、保育園で「ケーキ、ちょうだい」と2語文を話した。言葉の数は増え、「今では年齢と同じ6歳相当の力がある」と両親は語る。母親は「遊びの会は、言葉が出ようとする芽を的確に見つけ、促してくれた。家庭での接し方の参考にもなった」と話す。

 ◇気になったら相談を

 気になる時はまず、地域の保健センターか保健所へ。アドバイスを受けたり、言葉の発達を支援する各地のサポート機関などを紹介してもらえる。また、親の会としてNPO法人全国ことばを育む親の会(03・3207・7182)、NPO法人ことのはサポート(03・3804・0163ファクス兼用、kotonoha-tsushin@y4.dion.ne.jp)がある。

日韓高校生、写真を通じて交流 生活、文化、感動を記録

 写真は国境を超えた世界の共通言語――。写真を通して隣国の生活や文化を学びあう「日韓高校生写真交流の集い」が4回目を数え、草の根交流として根付いてきた。これまでに200人を超える日韓の高校生が異文化を体験し、写真で培った友情を育んでいる。

 交流しているのは日本側は全国高等学校文化連盟写真専門部(加盟2486校、生徒数約2万人)、韓国側は青少年の教育・文化事業を進めている「明るい青少年支援センター」。毎年夏休みに約5日間ずつ相互訪問し、撮影会やワークショップ、写真展見学……と「写真漬け」の日々を過ごす。

 韓国では大学受験のため、ほとんどの生徒が部活は2年生までという制約がある。国際交流に理解を示す協賛企業が少なく、経済面での苦労も多いという。一方、日本からの参加者は、高校写真部の実態を反映して約8割が女子だ。

 08年は韓国から7校15人の生徒が8月、全国高等学校総合文化祭の開催地である群馬県を訪れ、織物で有名な桐生の街並みや産業遺産の富岡製紙工場(富岡市)を撮影。写真家・江成常夫さんの作品「まぼろし国・満洲」を見ながら講演を聞いた。

 その後、日本側から大阪、広島、愛媛の11校15人が訪韓。全州で名物のビビンパを一緒に作り、扶余、ソウルで古都の風景や活気ある市場をカメラにおさめた。

 それぞれに滞在中は、日韓の生徒が6人前後で班を組んで行動する。片言の日本語、韓国語、英語に身ぶり手ぶりを交え、身の回りのことや写真について語り合う。

 相互訪問の締めくくりは発表会だ。班ごとに写真のテーマを決め、1人1作品を出し合って組み写真を仕上げ、競い合う。「白昼夢」「夏」……。班ごとに作品が紹介されると、拍手やどよめき、笑いが起こる。そして別れの日は、泣きながら再会を誓い、メール交換を約束する。

 これまで交流に参加した日韓の生徒は感想をこう語る。「大切なのはみんなの心。言葉が通じなくても人はコミュニケーションできる」(日本・高2女子)▽「お互いの考え方や文化、歴史や民族性についても理解を深めたい」(日本・高2男子)▽「趣味として日常を撮る日本の生徒の作品からはぬくもりや楽しさが伝わりうらやましい」(韓国・高2女子)▽「韓国では日本に悪い印象を持つ人もいるが、言葉が通じなくてもこんなに楽しい時間を一緒に過ごせる。私には大きな刺激で、喜びだった」(韓国・高3男子)

 写真の傾向は日韓で異なる。芸術的な写真表現を好む韓国の生徒たちに対し、日本の生徒たちは生活感のある人物のスナップ写真を撮ることが多い。「韓国の生徒は現実の社会や政治から逃避したいからアート系の表現になるのではないか。日本の高校生の写真は、その背景に安定した社会が感じられる」。講師役を務める韓国・中央大学写真学科の李庸煥(イ・ヨン・ファン)教授はこう見ている。

 全国高文連写真専門部の日野義治会長(松山市・松山城南高校校長)は「写真は出会いの感動を記録する。生きている人の姿や表情、自然の美しさを理解する心に国境はない。若い生徒がそれぞれの国で出会うことは他人の考えや感情を分かり合うのに大切で、視野を広げるのに役立つ」と話す。

センター試験リスニング、249人が再テスト

 音声切れなど、4年連続トラブル
 17日の大学入試センター試験では、英語のリスニング(聞き取り)テストで音声が途切れるなどのトラブルが相次いだ。

 大学入試センターの発表(午後10時現在)によると、全国738会場中181会場で、253人がICプレーヤーの不具合などを訴えた。辞退者を除く249人がこの日のうちに再テストを受けた。リスニングテストは2006年の開始以来、4年連続でトラブルに見舞われた。

 北海道では、北海道大など13会場で21人が再テストを受けた。現役の女子生徒(18)は、2問目の後に音声が途絶え、ICプレーヤーが動かなくなった。再テストの受験後は「困りました」と言葉少なだった。

 兵庫県では、6会場で計9人がICプレーヤーの不具合などを申し出た。兵庫教育大で再テストを受けた現役の男子生徒(18)は「始まって数秒後に音声が途切れ、どうなるのかとドキドキした」と不満そうだった。

 リスニングテストを巡っては、初めて実施された06年にICプレーヤーの不具合などが相次ぎ、457人が再テストを受けた。しかしその後、プレーヤーの機種改良などで07年は381人、08年は175人と再テストの受験者は減少していたが、今年、初めて前年を超えた。

 253人のうち少なくとも31人については、機器自体の不具合ではなく、ICプレーヤーを自分で落とした(14人)、試験中に鼻血を出した(6人)などが原因だった。17日夜、記者会見した同センターの山口良文事業部長は「再テストが昨年より多かったことには驚いている」と話した。

 福井市の福井大文京キャンパス会場では、「国語」の試験で監督者が時計を見間違え、1分早く終了させるトラブルがあった。同会場では希望者に、24日に別の問題で再試験を実施する。

2009年1月18日 (日)

赤ちゃん学講座に保育士ら80人参加

 乳幼児の発育について学ぶ「保育および育児支援のための『新・赤ちゃん学』入門講座」(産経新聞社、日本赤ちゃん学会共催、島津製作所協力、アートコーポレーション協賛)の東京会場での第6回講座が17日、東京都千代田区の島津製作所東京支社のイベントホールで開かれ、保育士ら約80人が参加した。

 お茶の水女子大学の榊原洋一教授が、「発達障害の基礎」をテーマに講演し、自閉症や学習障害など、さまざまな発達障害について解説。続いて昭和女子大学の中村徳子専任講師は、「チンパンジーの子育てに学ぶ」と題し、人とチンパンジーの乳幼児期の発達の違いを説明した。

いじめ防止:埼玉自民県議団が条例提案へ

 埼玉県自民党県議団(52人)は16日、子供のいじめを許さない環境づくりを目的とした「埼玉県いじめ防止(推進)条例」案をまとめた。PTA団体などとの意見交換やパブリックコメントの募集を経たうえで、2月の定例県議会に提出する。県議団によると、いじめ防止条例が制定されれば都道府県で初という。

 条例案は、小・中・高校に通う児童・生徒によるいじめを防ぐために、県、学校、県民、保護者の責務を明記している。

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センター試験リスニング 200人超す不具合申し出

 大学入試センター試験が17日始まり、外国語など初日の日程を終えた。英語のリスニングは志願者の90.9%に当たる49万4350人が受験。今年で4回目だが、181会場の計253人がICプレーヤーの不具合を申し出るなどして試験を中断し、終了後に同じところからやり直す「再開テスト」の対象になった。昨年の対象者数の181人を大きく上回った。

 全738会場の人数を集計した。253人のうち222人が「音が流れない」などとプレーヤーの不具合を訴え、プレーヤーの落下などで中断した受験生も31人に上った。

 対象者のうち実際に再開テストに臨んだ受験生は249人で、4人が辞退。さらに、249人中10人が再度不具合を訴えて「再々開テスト」を受け、1人は3回目の中断をした。不具合の申し出があったプレーヤーは、回収して原因などを調べる。

 リスニングは、一部を除いて午後5時35分から1時間あり、プレーヤーの調整などを除いた実質的な解答時間は30分。初年からトラブルが相次いだため、センターはプレーヤーを改良、操作方法の周知にも力を入れていた。

 リスニング以外の各教科の受験者数と、志願者数に対する割合は次の通り。公民30万5639人(56.2%)▽地理歴史35万9936人(66.2%)▽国語48万4884人(89.1%)▽外国語50万1115人(92.1%)。

センター試験始まる…54万人受験、現役79%

 大学入試センター試験が17日午前、全国738会場で一斉に始まった。

 試験は18日までの2日間で、志願者は昨年より596人多い54万3981人。1990年の第1回以来、利用する大学と短大は増え続けており、20回目となる今回は過去最多の797校となった。募集定員(予定)に対する志願倍率は、過去最低だった昨年の3・03倍をさらに下回り、3・00倍となった。

 大学入試センターによると、志願者はピーク時の2003年には60万2887人にのぼったが、少子化の影響によりその後は減り続け、今年は昨年に続いて55万人を割り込んだ。

 センター試験を利用する大学の数は、受験生確保などの目的から毎年増え続けており、今年はすべての国公立大156校に加え、私立大の8割以上にあたる487校、短大154校が参加した。

 センター試験の開始当時は40%近かった浪人生の比率は、大学に入りやすくなった受験事情を反映して減少しており、今年は初めて2割を下回って19・5%となった。現役生は79・3%、高校卒業程度認定試験の合格者などは1・2%。

 初日は、午前9時半からの「公民」を最初に、「地理歴史」「国語」「外国語」と続く。大学入試センターの集計によると、「公民」の受験者数は30万5639人(受験率56・2%)。夕方には、今年で4回目となる英語のリスニング(聞き取り)テストも実施される。

近畿の私立中入試始まる 灘など高倍率

 近畿2府4県の私立中学入試が17日始まり、大阪では63校中60校(中等教育学校1校を含む)で試験が行われた。

 府県ごとの平均競争倍率は大阪が前年度に比べ微減、他の府県はほぼ横ばいだが、伝統的な難関校をはじめとする一部の中学は多くの志願者を集めている。

 各府県私学連合会の中間集計によると、高倍率となった主な学校・コースは、奈良学園(奈良)C医進=13・8倍▽西大和学園(同)=6・87倍▽四天王寺(大阪)英数II=4・37倍▽灘(兵庫)=3・24倍−など。

検定GO!:ご当地編 長崎歴史文化観光

 次の人物のうち長崎市の栄誉市民は誰?

<1>永井隆

<2>諸谷義武

<3>さだまさし

<4>福山雅治

<5>大仁田厚

 (公式テキストより)

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 《長崎歴史文化観光検定》

 【目的】長崎市を中心とした歴史、文化、観光を次世代に語り継ぐ/出題形式・選択式、記述式/受検料・3級3150円、2級4200円、1級6300円/問い合わせ・長崎商工会議所095・822・0111(解答は<3>)

受験生、大学選びは「安・近・少」 不況色濃く

 金融危機による景気悪化の波が、受験の場にも押し寄せている。17日始まった大学入試センター試験に臨んだ受験生からは、親の経済事情から「併願校を減らした」「遠方の大学はあきらめた」といった声が相次いだ。費用がかからず、近い大学を選び、受験校数も減らす「安・近・少」を意識している様子がうかがえる。

 「浪人はできない。滑り止めでも受かれば入るつもり」

 東京都東村山市に住む都立高校3年の女子生徒(18)は、公務員の父とパートの母、1年下の弟と暮らす。一橋大が第1志望だが、予備校の模試判定では合格ラインぎりぎり。「第1志望は譲りたくないけど、浪人すれば予備校の授業料もかかるし弟の受験とも重なる。親に負担はかけられない」

 私大も7校受けるつもりだったが、受験料だけで25万円近くになる。両親は「遠慮するな」と言ってくれたが、5校に絞った。

 「頑張ってくれよ」。福岡市内に住む1浪中の男子予備校生(19)は今月、父親に励まされた。父親が勤める会社は業績が厳しく、給料カットの可能性は高いらしい。地元の国立大志望。昨年は関東の私立大も受けたが「できるだけ金銭的な負担を減らしたい」と今年は受験先を地元に絞る。 大阪市東成区の私立高3年の山本知尋さん(18)は、大阪府立大が第1志望だ。「学費のこともあるし、親元から通えるし。親に負担をかけたくないから、奨学金にも申し込むつもり」。親や先生と相談し、私大受験は数校減らし、3校に絞った。

 学費の高い私大を目指す受験生も状況は厳しい。

 「学費は自分で稼いでほしい」。名古屋市内の私立高校3年の男子生徒は最近、親から、こう告げられた。父親が勤める中小企業が景気悪化のあおりを受け、家計が苦しいからだ。第1志望は、関東の私大。しかし、親元を離れると生活費もかかる。「どこを受験するか、もう決めないといけない時期だが決心がつかない」と揺れている。

 同市内の別の県立高校3年の男子生徒は、志望通り地元私大を受験するが、同級生には私立よりも学費の安い国公立大を目指す人が多いという。「私立だとお金が厳しいという人もいる。先生からも『今年は進学相談の時に大学の授業料を気にする家庭が多かった』と聞いた」と話す。

 大手予備校の河合塾が昨年暮れに行った調査では、全国1774人の高校教員のうち67%が、景気悪化が高校生の進路選択に影響を与えていると感じている。具体的影響(複数回答)として「奨学金を考える生徒が増えている」が64%で、▽通学可能な大学を選ぶ(54%)▽国公立志向(45%)▽受験校数を減らす傾向(40%)――と続いた。

合格祈願「GO!角田切符」が受験生に人気

 受験シーズンとなり、鉄道会社「阿武隈急行」(福島県伊達市)が発売する角田(かくだ)駅(宮城県角田市)の合格祈願「GO!角田切符」が、受験生の人気を集めている。

 やながわ希望の森公園前駅(伊達市)発の片道切符で、四隅を切り取ると絵馬になり、学問の神様「天神社」(角田市)に奉納できる。価格は運賃と同じ590円。

 2000枚限定で、10日の発売からすでに200枚余りが売れた。「志望校への『無事到着』を祈っています」と同社。問い合わせは024・577・7132へ。

2009年1月17日 (土)

センター試験20年 思考力で選抜する工夫を

 17、18の両日行われる大学入試センター試験を皮切りに本格的な入試シーズンに入る。

 大学入試は小中高校の教育への影響が大きい。各大学はセンター試験の特徴を踏まえた上で活用し、選抜方法を工夫してほしい。

 センター試験は平成2年から始まり今年で20年目になる。昭和54年から導入された共通1次時代から数えると30年の節目の年だ。

 共通1次試験導入前は、各大学が1次試験も個別に行っていた。当時、高校の授業で教えない難問奇問が目立ち、基礎学力を適切に測る試験が必要とされた。

 試験方式では、短期間に大量の答案の採点をするため、選択で答えを選ぶマークシート方式が採用されたが、当初から思考力が削(そ)がれるなどと批判されてきた。

 昨年にはノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏も「考えない人を育てている」などとマークシート方式の弊害を強く指摘した。

 確かな知識に基づき論理的に考え、その先を発想する人材の必要性は高まっている。大学側は益川氏らの批判を重く受け止め、記述式や小論文で力が試せる2次試験を含め改善を図るべきだ。

 共通1次スタート当初は5教科7科目を課していたが、センター試験は各大学が必要な科目を選べる方式で、私立大の利用も増えている。その一方で、入試科目を極端に減らした“お手軽入試”が学力低下の背景ともなった。

 またセンター試験だけで合否を決める私大があり、一昨年にはこれを利用した高校が受験料を負担し、優秀な生徒に複数の有名私大を受験させ合格実績にする問題が発覚した。大学側も受験生集めばかり考えず、思考力を鍛えるような選抜方法を工夫すべきだ。

 センター試験は時間をかけて良問がおおむね出題されている。過去に歴史で「強制連行」を史実として扱うような自虐史観の出題が批判された。当然、こうした不適切な出題はあってはならない。

 高校などの新学習指導要領では英語教育の改善、言語力強化が図られる。このねらいをセンター試験の出題にどう反映させるかも今後の課題だ。

 受験生の将来に大きくかかわる大学入試では、その実力を適正にとらえる選抜方法を練り、その後の大学教育を充実させてほしい。優秀な人材を入学させることは大学の活性化にもつながる。

センター試験 志願者は微増−−あすから

 大学入試センター試験が17、18の両日、全国738会場で行われる。志願者数は前年度比596人(0・1%)増の54万3981人で、2年ぶりの増加となった。同試験を利用する大学・短大の募集人員計18万1355人(予定)に対する志願倍率は3・0倍。過去最低だった前年度と同じで、過去最高だった96、97年度の4・4倍を1・4ポイント下回る。

 17日は▽公民▽地理歴史▽国語▽外国語(筆記)▽同(リスニング)、18日は▽理科(1)▽数学(1)▽数学(2)▽理科(2)▽理科(3)が行われる。同試験を利用する大学は643校(国立82、公立74、私立487)で過去最多。短大は前年度より2校少ない154校(公立15、私立139)。

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不況でも「子供に投資」 全国の私立中入試、高倍率

 近畿2府4県の私立中学入試が17日、一斉にスタートする。志願者数の中間集計をみると、兵庫や京都の競争倍率が前年度比ほぼ横ばいなのに対し、橋下徹知事の私学助成削減方針の影響で入学金や授業料の値上げが相次いだ大阪は0・12ポイントの微減。ただし、全国的にみると、伝統的な難関校を中心に志願者数は増加傾向を示しており、塾関係者は「厳しい不況だからこそ、子供への“先行投資”にかけようという保護者の意識が強まっている」と分析している。

 各府県の私学連合会がまとめた14日現在の応募状況集計によると、競争倍率は、京都が前年度同期と同じ2・9倍、兵庫が0・06ポイント増の2・96倍。これに対し大阪は1・57倍から1・45倍に落ち込み、2府4県の試験開始日が統一された平成18年度入試以降で最低となった。

 私学助成の削減などに伴い、大阪では、私立中学60校のうち34校が21年度新入生の初年度授業料を値上げすることを決定。大阪私立中学校高等学校連合会の担当者は「値上げが志願動向に響いた」とみる。

 21年度から早稲田大の系属校へ移行し、「早稲田摂陵」と改称する摂陵も、倍率は1・61倍から1・17倍に落ち込んだ。

 「“早稲田効果”で大阪の中学受験地図を塗り替える」(模擬テスト業者幹部)との見方もあっただけに、「非常に厳しい数字だ。告知が足りなかったのか…」と小関信行校長。摂陵は新入生の初年度授業料を71万円(20年度55万円)に値上げすることを決めており、小関校長は「助成削減を受けての苦渋の決断だったが、景気が急激に低迷する中、保護者から敬遠されたのかもしれない」と話す。

 一方、「大阪星光学院をはじめ、古くからの進学校は着実に志願者を集めている」と指摘するのは、近畿を中心に学習塾を展開する「第一ゼミナール」企画情報室の稲葉雅也課長。

 星光の倍率は前年度の2・92倍に対し3・12倍。他県をみても、6・87倍の西大和学園(奈良)、3・24倍の灘(兵庫)など、伝統的に難関校とされる中学は全国的に軒並み高倍率になっている。

 稲葉課長は「不況だから教育費を削るという保護者ばかりではない。先の見えない時代だからこそ、進学実績や指導内容に定評のある学校に進学させようという意識は強まっている」と分析している。

新常用漢字表試案、追加191字 丼・那・冶・呂・苛…

 29年ぶりとなる常用漢字表の改定の全容が16日、明らかになった。文化審議会国語分科会の漢字小委員会は、常用漢字表に代わる新常用漢字表(仮称)の案をまとめた。日常的な「漢字使用の目安」という基本的な性格は変わらない。当用漢字表を見直して81年に常用漢字表を定めた時は95字の追加だったが、今回はその2倍以上の191字が増える。

 常用漢字表は常用をうたいながら、「頃」「誰」など日常的な漢字がもれていた。議論になった「俺(おれ)」も今回、採用される。固有名詞の中でも公共性の高い都道府県名に用いられている漢字は採用する方針で、埼玉の「埼」、大阪の「阪」、岡山の「岡」など11字が追加される。また常用漢字で読みが追加されるものもある。「私」は、現在の「わたくし」という訓に「わたし」が追加される。「要」は「かなめ」と読めるようになる。

 現在の表では、しんにゅうは「道」のように点がひとつの字体で統一されているが、新表では2点の「遡(そ)」「遜(そん)」「謎」の3字が加わる。これを1点に統一すべきか、2点のままで認めるのか、委員の間では意見が対立した。議論のあった「しょくへん」も含め、同じ部首でも2通りの形が混在することになる。

 今回の試案では、1945字の常用漢字表から「銑」など5字がはずれ、新常用漢字表は2131字になる。

 常用漢字表に代わる新しい漢字表の名称はこの日は審議されず、来期の漢字小委員会に持ち越された。

 試案は、29日の今期最後の文化審議会総会で承認される。3月に文化庁のホームページなどで公開し、広く国民から意見を募る。10年2月、文化審議会が文部科学相に答申し、同年秋に内閣が新漢字表を告示するスケジュールになる。

高卒予定者186人が内定取り消し 文科省調べ

 高校を今春卒業予定で事業所から内定を取り消された生徒は186人に上ることが16日、文部科学省の調査で分かった。このうち半数の93人は現在も就職活動を行っている。また、取り消されなかったものの、内定後に給与や勤務地などの雇用条件を変更されたり、働き始める時期を繰り下げられるなどした生徒も計230人に及んでいる。

 調査対象は国公私立の全日制、定時制延べ5708高校。昨年9月16日から今年1月5日までの内定取り消し状況を調べた(一部未回答、速報値)。

 まとめによると、186人の内訳は男子130人、女子56人。都道府県別では長崎18人▽千葉、鹿児島13人▽岡山12人▽愛知11人、学科別では工業71人▽普通59人▽商業22人−の順に多かった。

 取り消し後に進路が決まった生徒は、就職活動で内定54人▽取り消しを受けた事業所から他事業所を紹介されて内定21人▽取り消し撤回7人▽大学や専修学校への進学予定者5人−などとなっている。

 また、内定が取り消された場合は進路指導部に相談するよう生徒に周知している学校は全体の54%。内定取り消し問題に組織的な取り組みを行っている都道府県教育委員会は23都府県にとどまり、学校と教委側の対応が十分でないことも明らかになった。

受験間近、教室ガラガラ

 阪神間のある市立小学校では16日、約100人いる6年生の3分の2が欠席した。多くが、翌日の私立中受験に備えての休みだ。

 最後の追い込みで塾に行く子もいれば、風邪をうつされたくないと家にいる子もいる。あるクラスでは、空いている机を教室の後ろに寄せ、出席した子だけを前に集めて授業をした。受験による大量欠席であることは暗黙の了解だが、教室では先生は話題にしないという。

 この日は、他の小学校と同様に阪神大震災の追悼式があった。ある教員は「学校が二の次になっている。子どもは責められないが、健全なあり方なのか」と話す。

フィンランド教育に学べ 関西大で講演会

 経済協力開発機構(OECD)の2006年の国際学習到達度調査(PISA)で「科学的応用力」が1位、「数学的応用力」「読解力」が2位になり、脚光を浴びるフィンランドの教育。

 思考力を重視する同調査の問題を解く能力は、どのように養われたのか。先月、関西大(大阪府吹田市)で講演したヘルシンキ大のピリタ・セイタマ・ハッカライネン教授(家政学)とヤアッコ・ビルックネン教授(教育学)の話からは、個々の理解度に応じた指導に重点を置く同国の教育制度の特徴が浮かび上がった。

 フィンランドで日本の義務教育に当たるのは、7〜16歳を対象とする「総合的な基礎教育」。私立学校は少なく、居住地に最も近い公立学校に通うのが原則。学校間の成績格差は極めて小さいという。

 関西大との共同研究のために来日したハッカライネン教授は、PISAでの好成績の要因として、「柔軟なカリキュラム編成」と「リメディアル(補修)教育の充実」を挙げた。

 日本の学習指導要領にあたるフィンランドの「コア・カリキュラム」は、日本のように教科ごとの授業時間数を細かく定めず、最低確保すべき時間を決めている。そのほかの時間は、学校側が子供の発達状況や保護者の意見を踏まえて調整できるようになっている。

 日本の小学校に相当する段階の場合、週38時間の授業のうち、カリキュラムで定めているのは19〜24時間にとどまる。ハッカライネン教授は「残る時間を活用して、ディスカッションなど教科横断的な学習にも力を入れている」と説明する。

 一方、「リメディアル教育」は、「落ちこぼれ」「落ちこぼし」を出さない工夫だ。集団学習について行けない生徒は、授業中でも補助教員が個別に指導し、障害者を含む多様な子供の基礎学力を支えている。

 日本の06年のPISAは「科学的応用力」で6位(前回03年2位)、「数学的応用力」で10位(同6位)、「読解力」で15位(同14位)と、いずれも順位が低下。〈PISAショック〉と呼ばれるほど教育関係者に衝撃を与えた。

 こうした日本の現状に、ビルックネン教授は「PISAの3項目は、子供の能力の一面。重要なのは、国の平均ではなく、個々の子供たちに応じて支援をしているかどうかだ」と過度に順位を意識する傾向に警鐘を鳴らす。

2009年1月16日 (金)

センター入試20回目、功罪は? 「思考力」判定難しく

 「不況で国公立志向が高まる」といわれている中、大学入試センター試験が17、18の両日、全国738会場で行われる。共通一次試験に替わる新試験として、平成2年に始まって以来、20回目の節目となる。今年の参加大学・短大は過去最多の797校にのぼり、大学入試の中心として定着したが、一方で「択一式のマークシート方式は本当の学力を反映していない」との批判も根強い。センター試験の功罪は−。

■寂しいスタート

 大学入試から高校教育の範囲を超えた難問奇問の出題を排除するために始まったセンター試験だったが、平成2年の初回は国公立大132校に対し、私立大の参加はわずか16校。

 当初は「独自性がなくなる」などとして消極的だった私立大だが、地方の高校生や国公立大受験者を取り込むために、参加校は増え続けている。21年度は私立校の参加数が全私立大の8割を超える487校に増え、過去最高となった。22年度も6大学が新たに参加を表明した。

 背景には、大学側にとって、試験問題を作成する手間やコストを削減できるというメリットがある。ある大学関係者は「一定レベルの試験問題を作成できるかどうか疑問が残る大学もあり、センター試験によって、一定の学力レベルを持った学生を集めることができる」と話す。

 今年の志願者数は前年比596人増の54万3981人、現役高校生の占める割合は79・3%と、センター試験開始から20年間で最高となった。一方、志願者数全体では、15年度の60万2887人をピークに減少し、近年は横ばいを続けている。

■課題も多く

 大学入試の中心となる中で、問題点も浮かび上がる。

 平成19年、大阪市の私立高などが特定の生徒に数十の学部・学科を受験してもらい、合格実績を水増しする問題が発覚した。私立大がセンター試験の成績で合否を決める募集枠を設定していることを悪用した形だ。

 マークシート方式の試験への批判も根強い。「選択式の試験問題は、考えない人を育てている」。ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英京都大名誉教授の批判は記憶に新しい。教育評論家の小宮山博仁氏も「知識を問うマークシートは時代遅れ。それだけでは論述力は養えない」と指摘する。

 この20年間、日本の教育環境は大きく変わった。学習量を大幅に削減した「ゆとり教育」が学力低下を招いたと指摘され、昨年公表された新学習指導要領では、授業時間を増やすなど「脱ゆとり教育」にシフトしている。

 だが、センター試験は18年度からリスニング試験を導入しただけで、20年間、そのスタイルを変えていない。22年度入試からは過去問題の使用も解禁される。

 国立大学入学者選抜研究連絡協議会会長を務めた村上隆中京大教授は「一次選抜としては一定の役割を果たしているが、これだけで学力を評価するのは適切ではない」と指摘。「これだけ大規模になると、いきなり内容を変えるのは受験生の負担も大きく難しい。各大学が入試を見直すことが重要だ」と話している。

沖縄国際大、困窮学生に奨学金や学費免除 未納者続出で

 沖縄国際大(沖縄県宜野湾市、富川盛武学長)は15日、不況による困窮で学費が払えない学生と入学予定者を対象とする奨学金を09年度限定で設けると発表した。入学を辞退したり、退学に追い込まれたりする学生が出る恐れがあるためという。

 大学の予算1千万円と、後援会の150万円を充てる。学生の経済状況に応じて、年間61万円の授業料の全額、半額、4分の1を支給する。

 同大の08年度後期の学費未納者は、支払期限の9月末現在で約5800人の学生全体のうち約500人に達し、120人が現在も支払えていない。今後、08年度の未納者についても対応を検討する。

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ゲームで社会問題を解決 高い教育効果、進む研究や開発

 教育や医療問題などさまざまな社会問題の解決にゲームを役立てる「シリアスゲーム」(SG)の考えが広がり始めている。もともと米国で生まれたものだが、日本でもSGを専門に開発するメーカーが登場。学校の授業で生徒にゲームをプレーさせ、教育効果を検証する研究も進んでいる。

 ≪危険から脱出≫

 超高層ビルで仕事中、マグニチュード7以上の大地震が起こったら、あなたはどうするか−。

 平成20年12月20日にSGラボ(東京都渋谷区)が発売したパソコンソフト「D−Moment 〜巨大地震編〜」は、そんな想定でゲームが進行する。地震でエレベーターが停止した際などに、どうすべきかを選択肢の中から選び、地震発生直後の危険から脱出を図る。

 「余震」「災害伝言ダイヤル」など地震が起きたときに知っておく必要があるキーワードは青字で画面に表示され、クリックすると詳しい情報を知ることができる。知識だけでなく、「心肺蘇生(そせい)法」の方法なども同様に画面表示され、ゲームを楽しみながら地震についての理解が深められる工夫が施されている。

 同社は18年、学習研究社(品川区)とスクウェア・エニックス・ホールディングス(渋谷区)の合弁企業として設立された。SG専業メーカーとして、これまで企業をPRしたり、自治体の取り組みを伝えるゲームなどを作成。D−Momentは、一般ユーザー向けとしては初のSGとなる。

 ≪医療、健康もテーマ≫

 国内ではまだ耳慣れないSGという用語。日本で普及に取り組んでいるシリアスゲームジャパンによると、米国で2002年ごろに使われ始めたという。

 米陸軍による入隊者募集を目的としたゲームや、非営利財団が支援して制作された医療や健康をテーマにしたゲームなどが次々に登場。SGに関連した国際会議や研究会も開かれ、そのブームは欧州にも波及している。

 一方、日本の状況について、シリアスゲームジャパン代表の藤本徹さん(35)は「SGの土壌はあるが、海外のSGが普及しているというよりも、学習をテーマにしたエンターテインメントが進んでいる」と指摘。ニンテンドーDSでさまざまな学習ソフトがヒットしていることを典型例として挙げる。

 ≪上がる学習意欲≫

 東大大学院情報学環の馬場章教授(コンテンツ創造科学)の研究グループはSGの学習効果に着眼し、詫間電波工業高専(香川県三豊市)の授業にSGを導入、その効果を検証する研究を17年度から実施している。

 同高専の1、2年生の日本史と世界史の授業で、コーエー(横浜市)の海洋冒険ロールプレーイングゲーム「大航海時代Online」を使用。「通常の授業のみ受ける」「ゲームだけプレー」「課題を与えてゲームをプレーする」という3つのグループに生徒を分け、歴史に対する興味、知識の定着度、歴史認識などがどうなるかについて測定している。

 研究は22年度までの予定だが、現段階で、ゲームをプレーしたグループで学習意欲が最も上がり、課題をこなしながらゲームをプレーしたグループが最も知識定着度が高くなるなど、一定の教育効果があることが分かったという。

 「今後、さまざまなジャンルでSGの開発が進み、もっと生活の中に入ってくると思う」と馬場教授。普及に向けた課題としては、ゲームを教育などの分野に導入する際の抵抗感を挙げ、「ゲームが単なる娯楽でなく、いろいろな可能性を持っていることを研究を通じて証明したい」と話している。

授業料免除、特待生を倍増 愛知学院大が不況対策

 景気の悪化を受け、愛知学院大(愛知県日進市)は15日、新入生の授業料などを免除する特待生制度を拡充する、と発表した。対象者を従来の2倍の270人とし、1人あたり120万〜265万円を免除するという。同大は「不況でもあきらめず学業を続けてほしい」としている。

 同大によると、特待生は「前期試験A」(試験日2月1〜4日)の合格者の成績上位者で、全8学部と短期大学部で各35人以内を目安にする。歯学部以外では、初年度納入金が5万〜7万円で済むという。

 同大ではあわせて、家計が急変するなどした在学生への奨学金も、支給人数を倍増するという。

 問い合わせは学生課(0561・73・1111)へ。

2009年1月15日 (木)

生徒のトイレ掃除復活 30年ぶり、教員も手探り

 横浜市にある小中高の市立学校約500校で来年度から約30年ぶりに児童や生徒によるトイレ掃除が復活する。市民の受け止め方はおおむね好評だが、現場では戸惑いの声も。一部小学校では昨年末からモデル実施。手探りの取り組みが始まった。

 市立南小(南区)では昨年末、モデル校として高学年児童によるトイレ掃除が始まった。教員も校務員の掃除を撮ったビデオで「学習」。初日は約20分で終了し、「思ったより楽勝」と児童の顔がほころんだ。

 市教委では平成18年、豊かな心をはぐくむため学校での清掃活動案が浮上。教員から「ノロウイルスや大腸菌に感染しないか」との心配や一部保護者から「時間のゆとりがない」との訴えもあったが、子どもたちは積極的だ。同小のアンケートでは7割以上の児童が掃除に賛成。トイレに花の名前を付け、花の写真や絵で飾る計画が進行中だ。

合格祈願:津軽塗で「滑らない」鉛筆 全国の文具店で販売

 青森県田舎館村にある津軽塗の「工房まる一」が受験シーズンを前に、津軽塗の技法を生かして鉛筆を滑りにくくして合格を祈願する「必勝鉛筆」を開発、全国の文具店で販売を始めた。

 工房メンバーが、受験生を「頑張れ」と励ますだけでは物足りないと考えて発案。滑りにくいとして刀の鞘(さや)などに使われる伝統技法の一つ「紋紗(もんしゃ)塗」を鉛筆の表面に施し、「合格」の語呂に合わせて五角形にした。

 3本入り1050円。村内や隣接地域の中高生の受験生には既に1本ずつプレゼントしており、「滑らない」御利益にあやかれるのは何人か。

立命館大、奨学金を3億円緊急増額 経済悪化うけ

 立命館大(京都市)は14日、学生向けの奨学金の予算を約3億円(約700人分)増額すると発表した。景気の悪化を受けた緊急措置で、当面は09年度のみ実施する。保護者の収入が減るなどした学生を対象に、半期分の学費の半額か全額を免除する。

 緊急措置は、全学生が対象の修学奨励奨学金と、09年度入学者が対象の緊急入学時給付奨学金など。

 修学奨励奨学金は半期分の学費の半額を免除する制度で、前年度より約500人分増やす。緊急入学時給付奨学金は、前期分の学費を全額免除する。両方の奨学金制度を重複して受けることはできない。

高校合否判断50校調査へ…神奈川県教委

 服装基準は「適切」

 神奈川県平塚市の県立神田高校が入試で服装の乱れなどを理由に合格圏内の22人を不合格にしていた問題で、県教育委員会は、教職員を対象に選考基準に関する研修をするなどの再発防止策をまとめた。

 毎年、約50校を抽出し、公表した基準に基づく合否判断をしたかどうかもチェックする。2月の入試から実施する。

 神田高校では、合格基準に達していた受験生が、公表された選考基準にはない入試日の服装や態度などで評価され、不合格とされたことが問題となった。県教委は、選考基準に基づかない選考は不適正としたが、「面接で服装や身だしなみを判断材料の一つとすることは適切」とした。

 県教委はまた、選考の基準や過程を確認する「点検シート」の提出も各校に求める。選考基準を変更する際は、事前に県教委に届け出ることも徹底させるとしている。

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秋田県教委が主導「思考コンテスト」 応用問題強い富山県に学べ!

 全国学力テストで2年連続トップクラスの秋田県が、同じく上位の富山県に習って難解な算数などの問題を解かせる「思考コンテスト」を始めた。富山では50年以上前から希望する小・中学生を対象に同様のテストを実施。同県は応用力・思考力が高い生徒が多いことが分かっている。平均点が高い半面、突出した生徒が少ないなど「横並び」傾向が強かった秋田。新しい取り組みを探った。

 富山では、教育機関の現職やOBなどが出資して運営する社団法人・富山県教育会が主催して、小・中学生を対象に難しい算数や数学の問題を解かせる「児童生徒思考大会」を開催している。大会は昭和32年から毎年行われており、最近は800人前後の子供たちが参加している。

 思考大会は子供たちの「考える力」を養うのが目的で、知識よりも応用力や思考力を必要とする問題が出題される。中学生の部で出された問題を例に挙げると、中部地方の白地図が示され、「10県を赤と青と黄の3色で塗り分けることはできるか」「その理由は」など、筋道を立てて解かせるものが中心だ。

 全国学力テストでトップクラスの秋田だが、昨年11月、富山で思考大会が開催された同じ日に秋田県内11会場で「わか杉思考コンテスト」を実施した。応用問題に強い生徒が多かった富山に学ぼうというものだ。問題は、今回だけという条件で富山県教育会が作成したものを使用し、約1200人が挑戦した。

■ ■ ■

 秋田県は平成19、20年の全国学力テストで、小学生は国語、算数のA(基礎)、B(活用)問題ともトップ、中学生も1〜3位に入る好成績を挙げた。全国から視察なども相次ぐが、県教委が結果を詳しく分析したところ、正答率が低いいわゆる“落ちこぼれ”の生徒が少ない半面、突出して高得点を挙げた生徒も少ないことが分かり、“横並び”の傾向が強いことが分かった。

 一方、富山県も秋田同様に全国学力テストで好成績だが、富山は算数・数学の応用問題の正答率が高く、特に中学生に高得点を取った生徒の割合が高かった。秋田県教委の担当者は「秋田の生徒は学年が上がるにつれ伸び悩むのに対し、富山は学年の進行とともに上位が育っている」と指摘する。19年度の大学進学率をみると、秋田が43%で全国37位だったのに対し、富山は54%で全国13位だ。

 この結果について、富山県教育会事務局の恒田勉主事は「思考大会は全員が挑戦しているわけではなく、どこまで全国学力テストに貢献しているかはわからない。ただ、50年も前から教育関係者がそのような取り組みをしてきた背景があり、子供たちの思考能力を高める意識が教育現場に広がっているのかもしれない」と分析している。

■ ■ ■

 秋田にとって、「わか杉思考コンテスト」は継続が大きなポイントとなる。富山の思考大会は、1人1000円の参加費を集めて開催しているのに対し、秋田は県の事業として行っていることから、担当者は「県の予算が付かなければ実施できないため、いつまで継続できるかわからない」と不安を漏らす。

 また、次回以降は富山から問題の提供を受けられないため、今後は秋田県内で問題を作成する必要もある。秋田県教委では「わか杉思考コンテスト」を継続して運営するため、NPO(民間非営利団体)の立ち上げも検討しているという。富山の恒田主事は「ノウハウを提供し合って、お互いの学力向上につなげていきたい」とエールを送る。

教員免許更新:1693講習、文科省認定 「モンスター・ペアレント」対応法も

 文部科学省は13日、09年度開始の教員免許更新制度で受講が必要となる講習について、全国83の大学・法人などが開設する計1693講習を認定したと発表した。受講予定者数は通信制などを除き約2万5000人。文科省は「09年度内に約360大学・法人などが講習を開設する見通しで、約10万5000人分の受け皿を用意できる」としている。

 更新制は小中高と幼稚園の教員に10年ごとの講習を義務付ける。講習は全教員が最新の教育政策を学ぶ12時間と、免許の種類に応じ教科指導法などを身につける18時間の計30時間。大学や文科省が指定する法人などが実施する。実施機関の試験に合格すれば更新される。昨年から試行的な講習が行われ、受講分は更新に必要な受講時間にカウントされる。

 今回は昨年12月1日までの申請分を対象に認定作業をした。大学などが必修282講習、選択1569講習を申請し、それぞれ268講習、1425講習が認定された。今後も申請を受け付け、毎月認定作業を行う。2月上旬から各大学などで受講の申し込みが始まる。09年度の受講対象は11年3月末に35、45、55歳となる教員。

 認定された講習のテーマは▽「モンスター・ペアレント」を5タイプに分けて対応法を習得(愛知学院大)▽発達障害や言語障害の理解と支援(東京未来大)−−など。

小中学校の教材購入 2460億円お助け 文科省案

 小学生向けの英単語カード、剣道の竹刀……。小中学校の授業で必要なものを買いそろえてもらうため、文部科学省は教材整備の「緊急3カ年計画案」を作った。「ゆとり」路線から転換した学習指導要領の改訂で教える内容がより多彩になることを受けたもので、新年度から3年間で約2460億円を投入したい考えだ。

 新しい指導要領は11年度以降に本格実施されるが、授業時間と内容が増える算数・数学と理科は今春から前倒しで始まる。話題を呼んだ小学校高学年での英語学習も今春から各校の判断で実施できるようになり、実際に多くの学校が計画している。多額の予算措置はこうした変化に対応するためで、内容を最終調整中だ。

 文科省が「緊急計画」で購入を想定している教材は、小学校で英単語を教えるための絵が描かれたカード▽12年度から女子も含めて必修となる体育の「武道」で使う用具▽すでに必修だが教材不足の和楽器――などだ。

 一方、理数の教材については法律に半額補助の規定があり、新年度予算案ではこの枠組みですでに20億円が認められている。小3の理科で新たに加わる「風やゴムの働き」の単元で使う送風機、中2の「電流」で使用する誘導コイル、放電管などの購入費用として考えられている。

 ただ、財政難に苦しむ市町村が教材購入に積極的に動くかどうかは不透明だ。文科省の担当者は「自治体は子どもたちの学習環境の向上に努めてほしい」と呼びかける。

ロボットの出前授業

 村田製作所 科学の面白さ伝える

 村田製作所(本社・京都府長岡京市)は、全国の小、中学校や科学館でロボットを使った理科の出前授業を行っている。子供たちの大好きなロボットを通して、科学の面白さやもの作りの素晴らしさを伝えるのが狙いだ。

 京都市の立命館小学校で先月開かれた出前授業。同社の吉川浩一さん(45)が、自転車型ロボット「ムラタセイサク君」を3年生約120人に紹介した。

 「身長は50センチ。得意技は止まっても倒れないこと」。スイッチを入れると、自転車に乗ったまま、ぴたりと静止する。児童たちから「すごーい」と歓声が上がった。

 一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」も出前授業に初登場。なかなか上手に立てなかったが、最後に一輪車での移動を披露した。

 セイサク君もセイコちゃんも倒れそうになると、体内の円盤を回転させて、バランスを取る仕組みだ。

 浦郷竜成(うらごうりゅうせい)君(8)は「セイサク君が欲しいけど、値段が高級車1台ぐらいすると知って驚いた。将来、あんなロボットを作ってみたい」と興奮気味だった。

 「百ます計算」で知られる副校長の陰山英男さん(50)は「児童たちのあこがれや知的好奇心を刺激した。この中から将来のノーベル賞受賞者が出てきてほしい」と夢をふくらませる。

 同社は自動車やテレビ、携帯電話などに幅広く使われるコンデンサーやセンサーなどを製造する大手メーカー。これらの電子部品は「縁の下の力持ち」で、消費者の目には直接触れにくい。そこで、同社は2005年、電子部品の紹介と技術力のアピールを目的に、自社製品を搭載したユニークなセイサク君を作った。セイコちゃんは、昨年秋に完成した「いとこ」だ。

 出前授業は06年秋から開始。これまで約90回開催して、好評を博している。

 吉川さんは「ものづくりに興味を持ち、技術者を目指す子どもが出てくれればうれしい」と話す。

 この日、出前授業を見学した堀場製作所(本社・京都市)の堀場厚社長(60)は「児童たちの反応が極めて良い。製品開発は失敗する中で工夫していくもの。現場で苦労している技術者の言葉を聞くのはとても良いことだ」と話していた。

2009年1月14日 (水)

中学教諭が校長ら提訴 「嫌がらせで休職」

 愛媛県四国中央市の市立中学の女性養護教諭(58)が13日、校長らの度重なる嫌がらせで休職に追い込まれたとして、県と市のほか、前校長や現校長ら4人に慰謝料計100万円を求める訴訟を松山地裁に起こした。

 訴状などによると、昨年1月、保健室で教員同士のトラブルが発生した際、その場に居合わせた女性教諭の説明に対し、前校長らからうそつき呼ばわりされた。校長が代わった昨年4月以降も、生徒を保健室に行かせないなどして養護教諭の業務を妨害された、としている。教諭は体調を崩し、昨年12月から休職しているという。

 県教委は「訴えの内容を把握していない」としている。

大学入試:足工大が「経済支援入試」 初年度の学費を半額免除

 栃木県足利市の足利工業大と足利短大を運営する学校法人「足利工業大」は、急激な景気悪化により進学に支障が出た学生のため、初年度の学費を半額免除する「経済支援入試」を今春の入試で実施する。足工大は、5学科で4人ずつ計20人。足利短大は幼児教育科と看護科のそれぞれ2人。問い合わせは、足工大入試広報課(0120・62・9980)、足短大入試係(0284・21・8242)。

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弁当か給食か…大阪市の中学校給食外部委が報告書提出

 大阪市の平松邦夫市長の公約でもある全128市立中学への給食導入について、市教委の外部委員会「市中学校給食検討会議」は13日、「給食と家庭弁当の選択方式が望ましい」とする考え方をまとめ、市教委に報告した。シミュレーションでは、最も安価な民間委託のデリバリー方式でも初期投資が約21億円、年間の経費が約12億円かかり、財政難の市はまた難問を抱えそうだ。市教委は平松市長と意見交換をしたうえで今月中にも方針を決める。

 検討会議によると、現在、市では1週間のうち家庭弁当を毎日持参している生徒は全体の64・7%、週4日以上は85・7%。持ってきていない生徒は市販のパンなどですませている。家庭の事情から弁当を持参できない生徒もおり、基本的な生活習慣の習得や「食育」の面から、弁当と給食の併用が望ましいとした。

 ただ、給食を導入する場合、半分の生徒が給食を利用すると仮定した試算では、各学校で調理する方式や、給食センター方式では初期投資が100億円以上必要。最も安価な民間委託のデリバリー方式でも学校に設置する冷蔵庫などにかかる初期投資が約21億円必要になる。

 選択制で給食を導入しても利用率が読みにくい側面もあり、深刻な財政難に加え、金融危機に伴う税収減が確実な状況のなか、市の決断が注目される。

 公立中学校の給食は、全国17政令市中、京都市や名古屋市など11市で実施。神戸市など3市で牛乳だけの給食を行っている。

もうすぐセンター試験 祈願の絵馬、湯島天神に鈴なり

 大学入試センター試験を今週末に控え、学問の神様で知られる湯島天神(東京都文京区湯島3丁目)の境内には、合格祈願の絵馬がびっしりと奉納されている。連休明けの13日は、平日にもかかわらず、朝から大学受験の高校生や家族らが参拝に訪れ、絵馬をつり下げては真剣な表情で手を合わせていた。不況の最中、国家試験合格を願う大学生の姿も見られた。

2009年1月13日 (火)

金銭感覚を身につけよう! 都の公立小中学校で金融教育実践へ

 子供たちに健全な金銭感覚を身につけてもらおうと、東京都は小遣いの使い方やクレジットカードの利用法を扱った小中学生向けの独自教材の開発に乗り出すことを決めた。平成21年度から都内4区市のモデル校で、小遣いの使い方などの“金融教育”を開始する。公立小中学校の取り組みとしては全国初。株取引や金融商品を利用した“財テク”ではなく、多重債務や消費者問題への理解を促す金融教育を目指す。

 取り組みは、東京都の多重債務問題対策協議会での議論がきっかけとなった。協議会で、多重債務や消費者問題を根本解決するために、子供のころから「収入の範囲内で家計をやりくりする」「クレジットカードを使いすぎない」など健全な金銭感覚を養うことが不可欠との認識で一致したからだ。

 これまでも日本銀行金融広報委員会などの各団体や自治体が、個別に金融教育の冊子やパンフレットを出していたが、都内の小中学校で教材として活用される機会は少なかった。そのため、都は新たに小遣いをもらい始める小学3年、卒業後に就職やアルバイトで収入を得ることが想定される中学2年生(中学3年は受験のため避ける)を対象にした授業用教材の開発に着手した。

 小学生用の教材では、参加しながら学べる「ロールプレーイング方式」を採用し、限られた小遣いをどうすれば有効に使えるかなど、実践的な内容を盛り込む。中学生用は、クレジットカード利用の前提となる「契約」について学ぶほか、インターネットや携帯電話を介した悪質商法の被害に遭わないための知識も得られるようにする。

 都教委によると、教育現場では十数年前まで倫理的な観点から子供たちに「お金」について教えることについて抵抗感があった。しかし、近年はクレジットカードやインターネットの普及に伴い、金融教育の必要性が認識され始めているという。

 文科省でも金融教育の重要性は認識しており、昨年12月に公表された新しい学習指導要領案では、従来は金銭の計画的な使い方や家計の仕組みに触れている程度だったものが、「身近な消費生活や環境を扱う」「消費者保護について知る」などの内容に変わった。しかし、全国レベルでの導入は平成23年度以降となる予定で、都は「とても23年度まで待てない」と、国に先駆けて実施する。

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新教育の森:理科の指導力養い、苦手意識なくそう 学生、教員向けに大学が実践講座

 理科教育の充実を掲げた新学習指導要領が、09年度から小学校で先行実施される。文部科学省は09年度予算案に理科支援員の配置などを盛り込んだが、要の教員側に理科の苦手意識は強い。大学を中心に苦手克服へ向けた取り組みも始まっている。

 ◆東京学芸大が模擬授業

 教員養成で長い歴史を持つ東京学芸大(東京都小金井市)が、文科省の補助金を受けて07年度から展開している事業「確かな理科授業力のある小学校教員の養成」が注目を集めている。学生の段階で実験・観察への苦手意識を摘み取ろうというのが狙いだ。

 事業の中で2年生を対象に新設されたのが「小学校現場で活(い)きる実験観察トレーニング」。1班6人の計9班が順に実験・観察を取り入れた模擬授業を披露し、他の班や講師に講評してもらう。模擬授業の2週間前ぐらいから学生が自分たちで準備を進め、指導案を作成して本番に臨む。

 昨年12月の模擬授業。先生役の高橋紘一さん(21)は、小学校教員か中高の数学教師を目指している。授業内容は小6の「ものの燃え方と空気」。冒頭、高橋さんは児童役の6人の学生に「火をおこしたことはある?」と投げかけた。飯ごう炊さんや焼き芋のエピソードを引き出し、滑り出しは上々だ。

 実験に取りかかった。火をつけたろうそくをそれぞれ、ふたがあるガラス瓶とない瓶に入れる。ふたがある方は10秒ほどで消えてしまった。今度は、ふたがある別の瓶にろうそくを入れ、消えそうになったところでふたを取った。炎が大きくなり、教室から「おー」と歓声。実験の手順も「児童」の反応も悪くない。

 狙いはよく燃える時の条件を考えさせることだ。高橋さんは核心となる質問をした。「よく燃えた時の共通点は何か分かる?」。児童役の一人が「空気をあげる」。想定通りの答えに満足そうにうなずく高橋さん。しかし、別の一人が「涼しくなるところ」と答えた途端、しまったという表情を浮かべ、返答に窮して言葉に詰まってしまった。

 模擬授業後の討論で、高橋さんは「実は『涼しくなる』という意見は予想はしたが、どう対応すればいいのか分からなかったので、出ないような流れで授業をやろうと考えてしまった」と反省の弁。他の班からは「不都合な意見を出さないようにするより、その意見をどう拾い上げるか考えた方がいいと思う」「部屋で空気の入れ替えをすると涼しくなるよね、と説明したらどうか」などの意見が出された。

 最後に授業担当教員の中西史(ふみ)講師が「燃え続けるには新鮮な空気が必要になる→なぜ必要か→空気の組成が変化するのでは、という展開に持っていくといいかもしれませんね」と締めくくった。

 ◇公立小教員、5割が苦手 指導法の知識の低さも自覚

 科学技術振興機構(JST)などが昨年8月に全国の公立小の教員545人を対象に行った調査によると、理科の指導が「苦手」「やや苦手」と答えた教員は合わせて約5割にも上る。自身の指導法に関する知識・技能についても「低い」「やや低い」と感じているのは計約7割。苦手意識は10年未満の若い教員ほど高い傾向がみられた。8割以上が「大学時代にもっと学んでおいた方が良かった」との認識を持っている。

 中西講師は「教員の苦手意識が児童に広がっていくことが『理科離れ』問題の深刻な部分。養成段階で全学生に、確かな理科教育を実践できる力量をつけさせるカリキュラムに改革していかなければいけない」と大学が果たす役割の重要性を強調する。

 学芸大は10年度から理科を専攻していない学生を対象に、実験・観察を中心にした講座の開設を検討している。

 ◇現役先生にノウハウ伝授、工学院大が無料で 少ない研修、参加しやすい方策を

 現職教員への対策はどうか。

 昨年8月のJSTなどの調査では、約5割の教員が身近に理科教育をサポートしてくれる場の設定や充実を「大変期待している」と答えた。しかし、現状は厳しい。同じ調査で、理科の校内研修・研究会が年に1度も行われていない学校が約3分の2を占め、約7割の教員が他の教員の理科の授業を見る機会がない実態も明らかになった。

 そこでニーズが高まっているのが、先生のための「寺子屋」だ。工学院大が昨年、東京都八王子市内の小学校教員を対象に計15回開いた「スーパーサイエンスティーチャー養成講座」には延べ約200人が参加した。94年から毎年夏休みに子ども向けの理科教室を開いていたが、「教員向けにもノウハウを教えてほしい」との要望が高まり、新たに始めた。

 参加しやすいよう土曜日の午後に開き、参加費は無料。材料費は大学が負担し、場所は付属高の実験室を使った。講師は市教委の協力で市内の理科教師らが務めた。市外の教員からも開催を希望する声が寄せられており、同大の担当者は「今年は都内全域に対象を広げたい」と話す。

 教員向けの理科の勉強会は各地で広がりつつある。有志による自主的な会も少なくない。しかし、参加は関心が高い一部の教員に限られているのが実態だ。

 元公立小校長で東京学芸大の理科教育推進専門研究員、中部喜和さんは「多忙」を原因に挙げる。「平日の放課後は書類や保護者の対応などに追われ、まず時間が取れない。土日もPTAや部活動などで参加しにくい」という。解消策として、中部さんは「教育委員会や学校がこうした勉強会を『公式の研修』として認める方策を講じてくれれば参加しやすくなるはず」と指摘している。

「共通一次」スタート(1979・1・13)

 国公立大志望の受験生がマークシート式の共通試験に取り組む共通一次が昭和54年のこの日、始まった。国語、数学、外国語、社会、理科の5教科7科目で高校までの基礎学力を試すもの。大学ごとの入試で続出していた難問・奇問をなくす狙いがあったが、学力の平均化で個性ある受験生が減る弊害も懸念された。平成2年に大学入試センター試験に衣替えし、私立大学も参加するようになった。

ちくわで「合格」−−マルハニチロ食品

 マルハニチロ食品は、受験生を応援する「合格ちくわ」を2月末までの期間限定で発売した。「合格」の文字入りの上、穴が開いていることで「見通しがよい」との験担ぎをした。記憶力が増すとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)を配合し、受験生の夜食や試験当日の弁当用に適しているという。1袋3個入りで参考小売価格158円。北海道と沖縄を除く全国で発売する。

ECO壁新聞、入賞者を表彰 全銀協

 小学生を対象に、環境保護への意識を高めてもらう狙いの「第1回ECO壁新聞コンクール」(全国銀行協会主催、朝日小学生新聞共催、朝日新聞社後援)で、長野県佐久市立岩村田小4年、橋部萌野さんの「給食でエコ新聞」が全国銀行協会賞に選ばれた。11日、東京・築地の朝日新聞東京本社で表彰式があり、賞状などが贈られた。

 全国から4280点の応募があった。「給食でエコ新聞」は、給食の残飯が堆肥(たいひ)や家畜のエサとして再利用される様子を取材してまとめた。計15作品が入賞した。主な作品は次の通り。(敬称略)

 【朝日小学生新聞賞】「エコエコほのぼの新聞」(愛媛県新居浜市立金栄小3年、山内萌愛、同市立中荻小3年、竹野帆香)【審査員特別賞】「ECOBANK新聞」(千葉県市川市立南行徳小5年、米川佳那、東城里佳、佐野虎之介)

学校色出せばお金出します 文科省モデル事業、公教育に競争性

 ユニークな授業や地域との連携など、特色ある取り組みに力を入れている学校に対して、より手厚く運営予算を配分することを想定したモデル事業を、文部科学省が来年度から始める。限られた予算をいかに効率よく活用するかを見極めるための事業だが、本来公平であるべき公教育に競争性を取り入れることで、学校の自主性や独自性を高めていきたいという狙いもある。

 今回の事業は、教育再生会議が第3次報告で「適正な競争原理の導入により、学校の質を高める」と提言したことを受けたもの。文科省は、学校独自の取り組みに応じた予算分配の効果を2年間かけて調査する。

 平成21年度予算で、調査のための費用として約350万円を計上。学校選択制や地域と連携した学校活動などに取り組んでいる市町村教委から公募し、モデル地区に選ばれた教委は2年間、学校の取り組みに応じて予算を分配する。

 一方、学校側は、児童生徒へのきめ細かな指導▽児童生徒の個性を伸ばすユニークな授業▽スポーツ活動への特化▽地域ボランティアとの共同−など独自性を打ち出すことで、より重点的に予算配分を受けられるように目指すことになる。

 文科省では、それぞれの教委から結果報告を受け、こうした予算の配分方法が効果的かどうかなどを分析。児童生徒にとって不公平が生じない形で分配が可能であるならば、全国に広げていきたいとしている。

 文科省の担当者は「学校が積極的に独自の取り組みに挑戦することを後押しするのが最大の狙い。取り組みに応じて予算分配することで、それぞれ学校活動が活性化するきっかけになれば」と話している。

 学校の特色に応じた予算分配は、中教審が平成17年、「学校の企画や提案に基づき、予算の配分方法の工夫が求められる」と答申。自治体によっては、すでに学校規模に応じた予算配分や、学校側に一定の裁量を認めるといった動きもある。

2009年1月12日 (月)

高校生の進路、景気悪化の影 志望「安・近・少」に

 景気の悪化が高校生の進路選択に影響を与えていると感じている高校教員が、7割に上ることが大手予備校の「河合塾」(名古屋市)の調査でわかった。「大学への進学自体を見直す生徒が増えている」と回答した教員も13%おり、影響の深刻さが浮かび上がっている。

 調査によると、景気悪化が進路選択に「大きく影響していると感じる」と回答した教員が11.9%おり、「やや影響していると感じる」も55.2%だった。

 影響の具体的な内容を複数回答の選択式で尋ねると、「奨学金の活用を考える生徒が増えている」が63.6%で最も多かった。次いで「通学可能な範囲の大学を選ぶ志向が高まっている」が54.0%、「学費の安い国公立大志向が高まっている」が44.5%、「私立大の受験校数を減らす傾向が高まっている」が39.8%と続いた。同塾は「学費や受験費用が安く、身近にある大学を選び、受験校数は少なくするという『安・近・少』を意識している様子がうかがえる」と分析している。

 大学への進学を見直す動きについては、自由記述で「就職、公務員への志望変更が出ている」や「すでに合格を決めている推薦やAO入試で、経済的理由で入学できない事態になっている」などの回答があったという。

 調査は、同塾が昨年11月末〜12月中旬、高校教員を対象に全国35会場で開いた入試動向説明会で実施。1774人から回答を得た。

注目!フィンランド方式 読書法、作文や算数ドリルが日本にも普及

 世界トップの学力

 日本の子供の学力低下が懸念される中、世界トップ級の学力を生み出すフィンランドの学習法に関心が高まっている。「フィンランドメソッド(方式)」をうたう読書法や作文の書き方、算数ドリルといった学習関連本が相次いで出版され、教育関係者ばかりではなく、一般家庭にも普及し始めた。知識詰め込み型の学習法から脱却しようとしている日本にとって、自ら問題を発見して、自分の言葉で表現し、考える力を身につけるフィンランド式は大いに参考になりそうだ。

 OECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査(2006年、15歳対象)によると、57カ国・地域の中で、フィンランドは「数学的応用力」2位(日本10位)▽「科学的応用力」1位(同6位)▽「読解力」2位(同15位)−と調査対象の3項目すべてでトップクラス。一方、日本の子供は、読解力が不足していることに加え、初めて目にする問題に対し、知識を応用して解くのが苦手なことが明らかになった。

 昨秋刊行された『フィンランドの教育力』『リッカ先生のたのしい算数 たし算 ひき算』(いずれも学習研究社)の著者で、フィンランドで10年間、小学校教師をしていたリッカ・パッカラさん(39)=都内在住=は、祖国の教育について、「フィンランドでは、母国語をとても大切にしています。新聞や本をよく読み、家族で社会のいろいろな問題について語り合う機会が多い」と説明する。

 また、小学校教師時代のパッカラさんは、例えば算数の問題を解かせる際には、「おもちゃ屋さんに車の模型が15台あり、このうち6台を友達のプレゼントに買うと、お店に残るのはいくつ?」といった具合に、日常生活の中で扱えるよう指導していたという。

 「勉強は強制ではなく、楽しんで身につけるもの。そのためには、教師も子供のレベルに合わせてさまざまな方面から教えられるようトレーニングを怠りません」とパッカラさんは語る。

 読解力を養い、国際社会で通用するコミュニケーション能力を高める訓練法としても、フィンランド式学習法は有効だとされる。3年前、いち早くフィンランドの小学校で使われている国語の教科書を翻訳し、教育現場で実際に行われている手法を参考にして、コミュニケーション力を養成しようと、平成17年に刊行された『フィンランド・メソッド』シリーズ(経済界)は累計30万部を売り上げた。

 同社の編集担当者は「現地には『フィンランドメソッド』と呼ばれるような特別な教育法はなく、ふだんの生活から生きる力を身につけられるように、自分で考え、理由をはっきりさせて相手に分かりやすく伝えることを習慣化させている」と説明する。

 作文や読書感想文を書くときも書きっぱなしにせず、音読しながら、どうしてそうなるのか、筋が通っているか、相手が理解できるような言い方をしているか、といった点を改めて確認することで、発想力や論理力、表現力などを鍛えられるのだという。

 日本で、こうしたフィンランド式学習法が定着するか、ブームで終わるか−。それは、日本人の学び、学ばせる意欲しだいといえそうだ。

気温4度、新成人祝いザブン 九州8大学合同寒中水泳

 九州地区の大学の水泳部員が新成人を祝う「九州地区大学合同寒中水泳大会」が10日、福岡県福津市の津屋崎海岸であった。

 九州大や佐賀大、九州工業大など8大学から119人が参加。男子は赤いふんどし姿、女子は水着姿で、太鼓の合図で一斉に海に入った。この日午前11時の気温は約4度。今年で35回目。学生たちはふるえながら20人の新成人を次々に胴上げして祝福していた。

“ユニクロ大学”設立へ 幹部養成

 カジュアル衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(FR)は年内に、幹部候補約200人を育成する専門教育機関を社内に設ける。

 5年程度かけて経営リーダーを養成し、卒業者には本社やグループ会社の重要ポストを用意する。欧米で「企業大学」と呼ばれる社内教育機関を日本企業が常設するのは珍しい。投資額は5年間で数十億円に上る見通しだ。

 通称「FR大学」の受講生は原則25〜35歳が対象。社内から約100人、社外からも約100人を受け入れる。受講生は通常の仕事を行いながら教育を受ける。講師には柳井正会長兼社長(59)のほか、世界の経営者や経営コンサルタント、大学教授などを招き、実践型の経営者教育を行う。将来は、FR以外の経営者を育成するビジネススクールに発展させることも検討する。

 「企業大学」は、1956年に米ゼネラル・エレクトリック(GE)が設立したのが最初とされる。外部機関と違い、企業内の機密事項を討議できる利点がある。日本では年功序列のもとで管理職の経験を積みながら幹部に昇格するのが一般的だが、FRは企業大学を通じて集中的に幹部社員を増やし、柳井社長の後継者を含めた有能な人材確保を目指す。

2009年1月11日 (日)

塾講師による課外授業、大阪でスタート 学力向上に期待

 全国学力テストの結果低迷を受け、大阪府教育委員会が計画した小中学校の課外授業への塾講師派遣が10日、箕面市の市立西小学校で始まった。東京都杉並区立和田中学校の特別授業「夜スペシャル(夜スペ)」をモデルにした取り組み。他にも2、3市の教育委員会が導入を検討しており、実施校は徐々に増える見通しだ。

 初日は授業に先立ちガイダンスが行われた。

 「人と比べられることがいやな人は○、そうでない人は×と書き込もう」

 家庭教師派遣業「トライグループ」の木村隆広・教育情報センター係長が、補習に参加した小学3〜6年生の12人の児童にそう呼びかけた。他の質問と合わせ、その答えに応じ、児童の性格を分類するためだ。分けた後、それぞれに適したノートのとり方や勉強方法を記したシートを配った。

 「『勉強しろ』といわれて頑張る子もいれば、やる気をなくす子もいる。(シートを持ち帰ることで)保護者の方々にもそれぞれの性格を把握しておいてもらいたい」と木村係長。

 西小学校でこの日始まったのは英単語と漢字の2講座。森田雅彦校長は「漢字は国語力の基礎。英語の語彙(ごい)を身に着けておくことは小学校を卒業してからの勉強にも役立つはず」と期待を語る。

 漢字の講座の目標は3月末までに約800字を暗記することだ。

 「ただ覚えるだけだとおもしろくないよね? 右脳を使いながら勉強していこう」。講師の虫明(むしあけ)彩子さんは、それぞれの字の成り立ちを部首の意味と合わせて説明。児童は、10個程度の漢字を数分間で覚え、紙に書き出していくトレーニングを繰り返した。

 府教委は、トライグループのほか「第一ゼミナール」(大阪)、夜スペに講師を派遣している「SAPIX(サピックス)」(東京)など計23業者から協力を受けることにしており、市町村教委から要請があれば、放課後無料授業「おおさか・まなび舎」などへの講師参加を斡旋(あつせん)する。

 夜スペが有料なのに対し、大阪府の場合は講師への報酬は「まなび舎」の事業費から支払われ、児童生徒側の負担はゼロ。年度内は新たに予算を組むことができないため、業者側が無償で派遣する。

 和田中校長時代に夜スペを考案した藤原和博・大阪府特別顧問は「実際に始めてみれば、教員と塾講師が意外に役割分担できることが分かるだろう。和田中の場合、互いに授業の見せ合いをするなど交流も深まった」と話している。

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検定GO!:ご当地編 みやざき観光・文化

 1971年に開園した宮崎フェニックス自然動物園では、74年に日本で初めてある動物の人工ふ化育成に成功している。その動物はどれか。

<1>フラミンゴ

<2>ダチョウ

<3>チンパンジー

<4>キリン

 (3級問題より)

==============

 《みやざき観光・文化検定》

 【目的】訪れる観光客を温かくもてなす心を持った人材を育成する/出題形式・選択式/受検料・2級3500円、3級3150円/問い合わせ・宮崎商工会議所0985・22・2161(解答は<2>)

内定取り消しの学生、卒業の延期可能に 神奈川大学

 神奈川大学(横浜市神奈川区)は9日、経済状況の悪化で企業からの内定を取り消された学生を対象に、卒業の延期を認めることを決めた。現在、大学側が把握する内定取り消しや辞退要請による就職未定の学生は16人。男女各8人で、内訳は派遣会社9人、不動産会社4人、IT会社2人、建設会社1人。

 大学によると、対象は卒業要件を満たし、内定取り消しなどで就職が困難になった学生。期間は半年か1年で、一時的な措置という。納付金は年間10万円。今後、対象の学生が増える可能性もあるという。

学テ結果公表なら秋田県藤里町「参加せず」

 藤里町内に小中各1校

 秋田県の寺田典城知事が昨年12月、全国学力テストの市町村別結果を公表したことに対し、藤里町教育委員会は、「今後、結果を公表する場合には、テストに参加しない」との方針を決めた。9日午後に開かれる県町村教育長会議で報告する。

 藤里町内には小、中学校が各1校しかなく、同町の古川弘昭教育長によると、8日の定例教育委員会会議では、「学校の成績がわかってしまう」との意見が出たという。

【教え育てる】慶応義塾幼稚舎長・加藤三明

 ■6年生に週1度、諭吉の思想伝える授業

 ♪福沢の 大(おお)先生の おのこしなさった 自尊(じそん)のおしえ そのみさとしを 身に行(おこな)って よい子になろう 気をそろえ

 幼稚舎の児童が、始・終業式など学校行事で歌う「幼稚舎の歌」の2番です。4月に入学した1年生も、1学期に音楽の時間で習います。幼稚舎はもちろん、慶応義塾の教育の原点がここにあるといっていいでしょう。

 私も6年生に対して週に1回、福沢諭吉の一生を話す時間を持っています。もともと6年間持ち上がり制の担任だったときに、自分のクラスが6年生になると行っていた授業ですが、2007年度に舎長に就任したのを機に、6年生4クラスの担任に頼んで時間を分けてもらったのです。

 私の授業のテキストは、長く幼稚舎で教壇に立ち、「福沢諭吉と児童文学」という論文で文学博士の学位を取得した桑原三郎先生が書かれた、諭吉の一生を百の話にまとめたものです。例えば−。

 ≪一八七三年は明治六年ですが、これを昔風に書くと、千八百七十三年となります。今では西暦を書く時、殆どの人が千や百の漢数字を使いませんが、こういう、一八七三年の様な書き方を初めて工夫したのが福澤諭吉です≫

 この項ではまた、諭吉は明治6年に『帳合之法』を著して西洋風のお金の出し入れ、つまり簿記を紹介したこと、その中で二千引く千九百八十は「二〇〇〇−一九八〇」と書いて、≪漢数字でも位取りを揃える事を思い付いた≫ことなどを紹介しています。

 このテキストでは漢字で書けるものはすべて漢字にしてあります。私の授業では、最初はこれに読み仮名をつけて読ませ、時代背景などを説明。次の週の授業で、改めて読み仮名なしの文章を読ませるというやり方をしています。

 そもそも担任だった私が授業で諭吉の一生を話そうと考えた狙いは、慶応義塾の建学の精神を児童に伝えたい。そして、諭吉のものの考え方を子供なりに分かってほしいということでした。私立学校の特色は創立者の理念に発しており、そのことへの理解なくして私立学校の存在価値はありえないと考えたからです。

「はっきりした規則を作れ」秋田県知事、文科相にかみつく

 全国学力テストの市町村別結果の公表をめぐり、塩谷立文部科学相が成績を公表した秋田県の寺田典城知事を批判したことを受け、寺田知事は9日会見し、都道府県による成績の公表を禁じた文科省の実施要領について「社会性がない」などと批判。「『(社会性がないにも関わらず)実施要領を守ったらいい』というのは責任放棄。(塩谷文科相は)よりはっきりした規則を作ればいい」などと反論した。

 また、同県藤里町が成績が再度公表されるなら次回テストには参加しないと表明したことについては、「義務教育には、教育を受けさせる義務と子供には教育を受ける権利がある。一教委がそれを否定するのはいかがなものか」と不快感を示し、「(次回も)私が知事ならば公表する」との考えを示した。

 同町の不参加表明をめぐっては、塩谷文科相が9日の閣議後の会見で、「懸念していたことだ。全国学力テストをやめさせることが公表の意図なのか」と寺田知事の対応を批判していた。

非常勤講師、ネットで活動する労働組合を結成へ

 学校で働く非常勤講師らが不安定な雇用条件や待遇の改善を求めるため、インターネット上で活動する労働組合「サイバーユニオンきょうと」を11日、京都市で結成する。ネットの匿名性を生かして意見を集め、教育委員会などに働きかけていくという。日教組本部(東京)は「非常勤講師だけの組合を立ち上げるのは、全国的に珍しい」と話している。

 「サイバーユニオン」に加入する条件は、京都府内の学校に非常勤の講師や職員として勤務していること。府内には計約2千人がいるという。要望や相談などをネットで受け付けることで、氏名を前面に出さず、本音を言いやすくする狙いがある。世話人代表は、同市の元小学校教諭野崎康夫さん(60)。定年後の昨年4月に非常勤講師となり、正規雇用との待遇の差に驚いたのが労組結成のきっかけだという。

 一つの例が健康保険。非常勤講師の場合、学校で授業がある期間は協会けんぽ(旧・政府管掌健康保険)に入るが、夏休みなど授業がない間は国民健康保険に切り替わるケースがあるほか、雇用契約を学期ごとに更新しなければならない講師もいる。時間外手当もない。野崎さんは「土曜日の行事などに出勤するよう頼まれることもあるが、雇用継続を期待する非常勤側は断りにくい」と話す。

 非常勤の講師・職員については、大阪府が来年度、約350人の雇用契約を更新しない方針を打ち出すなど、不安定な処遇が各地で問題化している。龍谷大の脇田滋教授(労働法)は「そもそも教員の非正規雇用自体が問題。非常勤講師が実名で声を上げにくい中、サイバーユニオンには現場の声を集約して訴える効果がある」と話す。「サイバーユニオン」のホームページは(http://www.kyoto-union.net/)。

2009年1月10日 (土)

地方国立大 「出張入試」に力

 少子化が進む中、優秀な学生を幅広く集めようと、地方の国立大が近年、地元以外にも試験会場を設ける「出張入試」に力を入れている。

 狙い通りに志願者を増やせた大学もあればそうでない大学もあり、専門家は、会場の増設だけではなく、大学の魅力を明確に打ち出すことを重視すべきだと指摘する。

 出張入試の効果があったとするのは室蘭工業大だ。同大は2007年、札幌市と仙台市に入試会場を作り、昨年は名古屋市にも増設。ここ数年900人前後で推移していた志願者数は、昨年1074人に増加した。入試課の担当者は「もともと一定の志願者がいる地域に進出し、高校や予備校にアピールしてきた成果が出たのでは」と話す。

 今年から兵庫県西宮市で出張入試を始める香川大は、関西地方で志願者の掘り起こしをはかる。

 同大が昨年の志願者の出身地を分析したところ、四国地方47%、中国地方32%に対し、関西地方は11%だった。かつては、関西地方が20%以上を占めていたことや、受験世代の子供を持つ同大OBが比較的多く住んでいることから狙いをつけたという。入試グループの山田三千夫リーダーは「受験しやすい環境を作れば香川大に目が向くはず」と話す。

 大手予備校「代々木ゼミナール」によると、今年、出張入試を行うのは18校。07年11校、08年17校と増加している。しかし、現実にはこの手でたやすく志願者を増やせるわけではないようだ。

 東海地方の志願者を取り込もうと、昨年から工、理学部が名古屋市に入試会場をつくった富山大。工学部の志願者は前年から180人ほど増やしたが、反対に理学部は100人近く減らした。名古屋市には、福井大や山梨大なども進出し競合が激しいという。富山大の入試担当者は「受験生の動向を分析しきれない」と困惑気味。また、長崎大は卒業生が首都圏で教員になるケースがあることから昨年、教育学部の一部コースについて、横浜市で試験を行った。しかし「受験生へのアピール不足」(入試課)がたたり、横浜会場の志願者はゼロという結果だった。

 教育評論家の和田秀樹さんは「地方の国立大は知名度が不足しているので、出張入試をする地域の高校や予備校に対し、事前に大学の魅力をしっかり売り込まないといけない。そうしないと、期待した成果は得られないだろう」と指摘している。

学力テスト不参加…「懸念していた」塩谷文科相

 秋田県藤里町が今年4月の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)への不参加を決めたことについて、塩谷立文部科学相は9日、閣議後の会見で「寺田典城知事、県教委とよく話をして全国学力テストの趣旨を理解してもらいたい」と翻意をうながす一方、寺田知事による成績公表が不参加の理由とされたことについて「懸念していたことだ。全国学力テストをやめさせることが公表の意図なのか」と、寺田知事を改めて批判した。

 文科省の実施要領では、全国学力テストの学校別、市町村別の成績公表はそれぞれが自主的に行うとしており、都道府県による成績一覧の公表を認めていない。

 塩谷文科相は「不参加の自治体が出てくるから公表はしないということでやってきた。もし(全国学力テストが)必要ないということなら、まともに議論してほしい。不参加の自治体が出てきたことを知事としてどうとらえているのか、考えを聞きたい気持ちはある」と述べた。

合格祈願:縁起のよい駅名キーホルダー販売

 受験生を応援しようと、JR四国グループは入試に縁起のよい駅名のキーホルダーなどを管内主要駅構内で販売している。1個500円、絵馬風セット2500円。

 例えば「善通寺」(香川県)は善(よ)く通る、「入明(いりあけ)」(高知県)は入るのが明らか、「吉成(よしなり)」(徳島県)は吉と成りなど。社員が発売前に合格祈願の参拝もした。

 学(がく)駅(徳島県)では「入・学」と読める入場券セットに、車輪とレールの滑り止めにする「鉄道すべらない砂」を付けて販売。受験も安全第一?

大阪府も夜スペ 放課後学習に塾講師派遣へ

 大阪府教育委員会は7日、府内の公立小・中学校で実施している放課後学習に、大手進学塾の講師を活用することを決め、市町村教委に通知した。公立校と塾の連携は学力向上をめざす橋下徹知事が積極姿勢を示しており、早いところでは、今月中旬にも塾との連携を始める見通し。

 昨年9月から始まった「おおさか・まなび舎(や)」事業では、週2回程度、放課後に子どもたちの学習を無料でサポート。現在、小学校141校と中学校103校で、元教員や学生らが活動しているが、塾との連携はなかった。

 講師を派遣するのは、進学塾の「サピックス」と「第一ゼミナール」、家庭教師派遣の「家庭教師のトライ」。今後、市町村教委と話し合って具体的な条件を詰める予定。

 ある市教委の担当者は「現場には抵抗があるかもしれないが、財政が厳しいなか、無料で来てもらえるのならお願いしたい」と話す。

中学受験シーズン到来

 口出さずに耳傾ける

 中学受験の本格的なシーズンが訪れた。受験する児童は年々増え、気をもむ家庭も多いことだろう。親はこの時期、うるさく口を出しがち。子どもの話を聞き、志望校のいい点を話し合うなどして、リラックスさせることが大切だ。

 東京都台東区の主婦(45)は昨年、三男の中学受験を経験した。1月から2月にかけて、埼玉県や東京都内で入試に挑戦。東京都内の男子校に合格、進学を決めた。

 「受験1か月ほど前から、子どもを不安にさせないことを特に心がけました」

 午後5時から9時頃までは塾、その後家で勉強。ことあるごとに「大丈夫、心配ない」と声をかけたという。

 机の上にはリラックスできるよう観葉植物の鉢を置き、鉢には、笑顔を描いたイラストと「ガンバ!」というメッセージを書いた札を差した。勉強中には、ミントなどのアロマオイルをたいた。

 「追い込みの時期、塾は子どもを追い立てる面もある。講習をすべて受けるかなどについて親の判断で抑えることも必要と感じました」

 中学受験をする児童は年々増加。大手進学塾・日能研(横浜市)の推計では、受験者数を小学6年生の人数で割った「受験率」は昨年、首都圏で20・6%と初めて20%を超えた。1998年の受験率は12・8%だった。関西でも、大阪府で総受験者が昨年、一昨年と2万人を超えるなど中学受験は盛ん。

 今年も1月から2月にかけて、全国各地で本格的に中学入試が実施される。

 中学受験を経験した親たちが運営する「せんぱい・ままねっと」(http://members.jcom.home.ne.jp/mamanet/)では、「Q&A」「合格体験記」などのコーナーで、受験直前の疑問についてもアドバイスしている。

 「受験直前に体調がよくない」という問いには「診断書を書いてもらい、保健室で受験できる場合があるので問い合わせを」、「生活リズムが朝型に切り替わらない」という問いには「周囲が神経質になりすぎるとマイナス。おおらかに見守って」など。無料メール相談や有料の面接相談もある。

 教育評論家の小宮山博仁さんは、「子どもは、親の『見守っているよ』というメッセージに一番安心する。力を発揮しやすくなります」と話す。

 高校、大学受験と違って、子どもが小さいこともあり、親は細かく口を出したり、詰問調になったりしがち。学校や塾であったことについて、子どもの話を聞くことが、気持ちを落ち着かせる。志望校のいい点について話し合うと、子どもの意欲も高まる。

 2〜3週間前には、実際に志望校へ出かけてみる。面接試験では、学校への行き方を聞かれることがあり、電車の切符も子どもに買わせる。試験前日、持ち物の準備は子どもにさせて、親が点検する。

 「直前の時期、学校を休んで塾などで勉強させる例がある。子どもも後ろめたさを感じるので、避けた方がいい。中学受験は子どもの人生にとって通過点の一つ。受験しない家庭とも自然に付き合えればいい」と小宮山さんは話す。

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受験は“安・近・少” 教員7割「景気が影響」

 世界的な金融危機による景気悪化が深刻になり、高校教員の約7割が「受験生の進路選択に影響している」と感じていることが8日、大手予備校河合塾(名古屋)の調査で分かった。国公立大など学費が安くて身近にある大学を選び、受験校数を少なくする“安・近・少”の傾向があるという。

 昨年11−12月、全国35カ所で実施した入試動向説明会に参加した高校教員を対象にアンケートし、1774人が回答した。

 進路への景気悪化の影響を「大きく影響していると感じる」と答えたのは12%。「やや影響」の55%と合わせると67%に上った。

 具体的な影響を複数回答で聞くと、「奨学金の活用を考える生徒の増加」が64%で最も多かった。「通学可能な範囲の大学を選ぶ志向」54%、「学費の安い国公立大志向」45%、「私立大の受験校数を減らす傾向」40%と続き、「大学への進学自体を見直す」も14%あった。

全国学力テスト:秋田知事に県教委抗議 結果公表「遺憾」

 秋田県の寺田典城知事が、07年と08年に実施された全国学力テストの市町村別平均正答率などを公表したことについて、同県教委(北林真知子委員長)が「極めて遺憾」とする抗議文を知事に出していたことが8日分かった。文書は5日付で「市町村教委に自主的な公表を呼びかけてきた県教委の取り組みを無にするもの」としている。

 文部科学省は実施要項で、市町村別の結果公表の権限は市町村教委にあるとしている。しかし昨年12月、寺田知事は「情報を共有することが教育向上につながる」として、全25市町村ごとの小・中学生4分類の正答率と学習状況調査の結果を公表。市町村教委から批判や疑問の声が上がっていた。県教委によると、4日に開いた協議会で意見を集約し、知事に文書で申し入れたという。

学力調査「公表なら参加せぬ」 秋田・藤里町が決定

 秋田県の寺田典城知事が全国学力調査の県内の市町村別の成績を公表した問題で、同県の藤里町教育委員会は8日、「公表するなら参加しない」という方針を委員の全会一致で決めた。国公立でこれまで不参加だったのは愛知県犬山市だけで、成績公表を理由に不参加の意思を示したのは藤里町が初めて。

 秋田県では、昨年末の朝日新聞の取材に対し、全25市町村教委のうち15教委が「不参加も含めて対応を検討する」と回答し、県教委が知事に「極めて遺憾」と申し入れる事態になっている。県内の町村教育長会は9日の臨時会議で4月実施の次回調査への対応について情報交換する予定で、離脱の動きは今後さらに広がる可能性もある。

 藤里町には小中学校が1校ずつしかなく、自治体別の成績はそのまま学校の成績を示す。同町の古川弘昭教育長は「具体的な数値を出して比較され、子どもたちがやる気を無くすと大変だ」と決定の理由を説明した。

 全国学力調査は小6と中3を対象に07年に開始。文部科学省は序列化や過度な競争を招かぬよう個別の成績を公表しないよう求めてきたが、寺田知事は昨年12月25日、「公教育は公開が原則」として市町村別の結果を県のホームページで公表した。同県は都道府県別成績が小学校で1位だが各教委は「無用な序列化につながる」と反発していた。

 調査について、鳥取県は09年度以降、請求があれば市町村別や学校別の成績を開示できるよう条例を改正しており、一部の教委に参加を再検討する動きが出ている。各地で離脱の動きが広がれば、全国調査という制度の根本が揺らぐ恐れがある。

2009年1月 9日 (金)

テスト結果公表「遺憾」

 秋田県の寺田典城知事が昨年12月、全国学力テストの市町村別結果を公表したことに対し、県教育委員会(北林真知子委員長)が「極めて遺憾」とする知事あての申し入れ書を提出した。

 異例の対応で、公表に反対していた市町村教委への配慮があるとみられる。

 申し入れは5日付。4日に開いた全員協議会で、根岸均教育長を含む委員6人の総意で申し入れを決めた。

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【正論】社会学者・加藤秀俊 「競争」なくして何の教育か

 ≪本心では大好きなのに…≫

 このところスーパーでは一円きざみで商品の価格競争がはじまっているという。東京銀座では格安品のデパートが大繁盛で老舗が苦境に立たされているという。その現場をみたわけではないが、なるほどそんな時代になったのか、とおもう。

 もともと現代社会は競争で成り立っている。自動車、電器など各社はその機能やデザインで競争しているし、テレビ局は視聴率競争に懸命である。建設、機械、食品、化粧品などなど、どんな業界をとってみても競争のないところはない。

 世界中があれだけ熱中するスポーツの世界はまさに「競争社会」のお手本である。勝ちたい一心、選手たちは訓練怠りない。野球、サッカー、水泳、テニス…。テレビのアナウンサーは興奮した口調で優勝、2位、3位、と競争の結果を絶叫する。それほどにわれわれは競争が大好きなのである。

 人生もまた競争の連続である。まもなく入学試験シーズンが始まる。受験生諸君はひたすら合格をめざして勉強中であろう。合格するひともいるし、不合格になるひともいる。さいわい入学できても学期ごと、科目ごとに試験があって点数がつく。優劣が判定されるのである。

 さらに、優秀な成績で大学を卒業したからといってすぐにどこにでも就職できるわけではない。一流といわれる会社の入社試験は数百人の受験者のなかから数名がえらばれるだけ。

 ≪学力テスト反対に豹変≫

 会社や官庁にはいってもやがて人事の淘汰(とうた)がおこなわれる。能力しだいで昇任して課長、部長、といったふうに出世する人物がいるいっぽう、万年ヒラ、という凡々たる人生をおくるひともいる。そんなことをしているうちに、リストラという名の人員整理ではじき出されることもある。いや、それ以前に就職できないひともいる。世の中、まことにきびしいのである。

 学校の先生になるのもたいへんだ。大学で教職課程を履修しておけば小中学校の先生になる「資格」はあたえられるが、じっさいに教職につくためには地方自治体の「採用試験」に合格しなければならない。各都道府県別の採用試験の倍率をしらべてみると、バラツキはあるけれども4倍から12倍、という厳しい現実がある。これだけの競争率を突破しなければ先生にはなれないのである。

 ところが、それだけの競争に勝ち残った有能な秀才が、いったん教職につくと、突如、豹変(ひょうへん)して「競争」に反対なさるのがまことにいぶかしい。たとえば「学力テスト」に反対する。テストが終了し集計がおわるとこんどはその結果公表に反対する。いずれも「競争心を煽(あお)る」「序列化につながる」というのがその理由である。

 世界のなかで、日本のなかで、じぶんが勤務する学校のこどもたちの学力がどのていどなのか、それをたしかめるのは教師として当然のことである。だいたい、それをもっとも知らなければならないのは当事者たる先生たちではないのか。それなのに反対する。「競争原理」はイケナイとおっしゃるのである。

 ≪「裏口」ならじょうずに?≫

 わたしはこのあいだ、大阪でおこなわれた橋下府知事をかこむ「府民討論会」の議事の一部を読んでガク然とした。知事が大阪のこどもたちの学力の低さにふれて発言すると「競争させるな」というヤジが参加していた教員たちから飛ぶ。

 あんなバカなこと、およしなさい。そうおっしゃる先生たちご自身がはげしい「競争社会」を生き抜いて名誉ある教職におつきになった模範なんじゃありませんか。

 だれでも先生になれると思ったら大マチガイ、先生になろうとおもったら猛勉強をして、難関を突破し、競争に勝たなければダメなのよ、とみずからの経験を生徒にむかって誇るのが教育というものであろう。そういう艱難(かんなん)辛苦を語ることによって、こどもたちは、そうか、ボクも先生みたいにしっかり頑張らなくっちゃ、と納得するはずなのである。

 もちろん「競争原理」によらず、手軽に教員になる方法もある。例の大分県の事件のように県会議員などはもとより、組合などのコネを使い、贈収賄で教職を「買う」のである。なるほど、これなら「競争」しなくてすむ。それじゃ、出世するには正々堂々と「競争」するのでなく裏口を利用してじょうずに立ち回りなさい、と教えるのが教育なのか。それではどうもオカシイ。

 なお、誤解のないようつけくわえておくが、大分事件、大阪でのヤジなど、組合員にはいっさい関係ない、と日教組はおっしゃっている。念のため。

クローズアップ2009:法科大学院乱立・合格率低迷 教員足りず質低下

 訴訟社会の到来を見越して法曹人口を増やそうと設置された法科大学院が、定員の見直しや再編を迫られている。7〜8割を目指した新司法試験の合格率が3割程度に低迷しているからだ。背景として、法科大学院自体の乱立による質の低下が指摘されている。裁判員裁判などの司法制度改革を控え、危機感を抱いた国は少数精鋭化に向けた定員削減を求めた。各校は2月以降、10年度の新定員を順次発表する予定だ。

 ◇学校間格差も顕著

 「修了者の7〜8割が合格するという話を信じたが、現実は違った」。新試験に3回挑戦し、いずれも不合格だった埼玉県の40代の男性は肩を落とした。

 法学部生時代から法曹を目指し、旧試験も十数回受験した。あきらめきれず、04年に新設された東京都内の法科大学院に進んだ。だが、新試験には「法科大学院修了後、5年で3回」という受験制限があり、昨年9月の3回目の失敗で受験資格を失った。

 新試験の合格者は、初年の06年1009人(合格率48%)▽07年1851人(同40%)▽08年2065人(同33%)で、合格率は予想を大きく下回った。

 政府は02年、司法制度改革審議会の意見を踏まえ、年1000人程度の合格者を、10年までに年3000人程度に増やすことを閣議決定した。法務省幹部は「試験の成績をみる限り、目標実現は簡単ではない」と認める。

 一握りの上位校と下位校の実力差も歴然だ。合格率別学校数は60%台が1校(一橋大)、50%台が4校だったのに対し、10%台は21校、10%未満は9校、ゼロも3校あった。合格者数でみても、東京、中央、慶応、早稲田、京都の上位5校が全体の4割を占めた。

 当初想定された法科大学院の総定員は4000人程度。しかし、多くの大学が学生を呼び込む経営戦略の看板と位置づけたため、設立された法科大学院は74校に上り、総定員は約5800人に膨れ上がった。その結果、学生の質の維持が難しくなり、専任教員や実務家教員として期待された現職の検事や弁護士、裁判官は不足した。

 新司法試験に合格した司法修習生の実力低下も問題になった。08年には1年間の修習終了後の卒業試験で全体の6%に当たる113人が不合格になった。不合格者は翌年の試験まで事実上留年を余儀なくされる。最高裁は「実力にばらつきがあり下位層の数が増加している」と指摘した。

 ◇定員削減で改善へ
 国が念頭に置く法科大学院の改善策は、総定員削減と修了認定厳格化、学校間の連携などだ。少数精鋭化し、優秀な教員を効率的に配置することを目指す。

 昨年の文部科学省のヒアリングによると、19校が10年度入試から実際に定員を削減し、49校が定員見直しを検討すると回答した。しかし、文科省は納得せず、先月には事実上全校に定員削減を迫る通知を出した。中央教育審議会の法科大学院特別委員会も昨年9月、修了認定の厳格化▽適正な専任教員確保▽学校間の教育課程の共同実施などを提言した。

 こうした国の方針を受け、法科大学院側も改革に乗りだした。

 合格者が3年で1人だけだった姫路独協大(兵庫県姫路市)は、09年度から40人の定員を10人減らすことを決めた。島根、岡山、香川の3大学は、それぞれの法科大学院の共同運営を模索する。当面は共通講義を開くなどして、教員の質の維持や学生の競争意識の喚起を図る。合格者総数が8人にとどまっている島根大法科大学院の三宅孝之研究科長は「弁護士の偏在を解消するためにも、地方で一定の数を養成する必要がある。そのためには時代に応じた変容も大切」と話している。

 ◇「3千人」堅持を−−宮沢節生・青山学院大法科大学院教授の話

 弁護士過疎の解消、被疑者国選弁護の拡大、裁判員裁判の導入など、多くの弁護士を必要とする司法制度改革の実施が迫っており、3000人合格の目標は死守すべきだ。現在の法科大学院の定員を維持したままでは、新試験の合格率は2割台に低下する。実質的な予備校化が進行すれば教育の理想から遠ざかり、法曹を志す者の減少が続く。全校が大幅な定員削減に取り組むべきだ。

笑い測定器・こめかみスイッチ…大学発、アイデアグッズ

 大学発のユニークな発明品が続々と生まれている。国からの助成が年々削られるなかで、生活に密着したアイデアグッズで企業の注目を集め、自前で稼ごうとする試みだ。

 昨年10月に4号機が完成した「こめかみスイッチ」もそのひとつ。ロボット工学専門の大阪大の谷口和弘・特任研究員(35)が開発した。マイクロコンピューターと光学式の距離センサーを組み合わせ、こめかみのピクッとした微小な動きを利用して電源を入れたり切ったりできる装置だ。

 手の不自由な入院患者でも、奥歯をかみしめたりまばたきしたりすれば、ナースコールや電動車いすの操作ができるようになることを目指している。

 1号機が07年1月に完成して以降、改良のたびに小型化に成功し、イヤホン型の4号機は5ミリ四方になった。ガムをかんだり走ったりした時の誤作動も減り、大阪大は07年5月に特許を出願。2、3年後には実用化する予定だ。

 企業も放ってはおかない。谷口さんへの講演依頼は増える一方で、昨年11月にはスイス政府が主催した展示会にも招かれた。商品化の話も複数の大手メーカーから寄せられているという。

 健康分野も注目株だ。

 神戸大大学院の大沢朗教授(53)=食品微生物学=は、個人に最適なビフィズス菌を使ったオーダーメードの健康サプリメントづくりに取りかかっている。

 コレステロールを分解したり調整したりする働きがあり、感染症やがんの予防にもつながると注目される菌だが、個人によって定着しやすい型が異なり、摂取しても短期間で排出されてしまうのが課題だった。

 ならば、個人に定着しやすい菌株を割り出して使えば体内に定着しやすく、効果が持続する――。そう考えた大沢さんは、菌株を識別できる特殊な手法を編み出して06年12月に特許出願。昨年夏には自分自身の便から菌株を割り出すことに成功した。今は毎晩自分用のカプセルを服用して効果を試しているという。

 ただ、型が全体でどれだけあるのかはまだわからず、このままでは商品化は難しいため、今後は、いくつかのタイプに分けて定着程度と採算の両立を目指すという。

 私立も負けてはいない。

 日本笑い学会副会長で、関西大の木村洋二教授(60)=コミュニケーション理論=らのチームは昨年12月、笑い測定機「アッハ(aH)」の2号機を完成させた。

 横隔膜の周辺にセンサーをつけ、リアルタイムで人の笑いを数値化する。軽い笑いのモアイ、中程度の天使、腹を抱えて笑うほどでなければ反応しない猫――。笑いの程度で三つのキャラクターが笑う姿がプロジェクターに映し出される。

 1号機は07年11月に特許を出願し、吉本興業などの支援も得て改良を続けてきた。今後の目標は小型化やワイヤレス化、チンパンジーをくすぐって笑いを測定することだ。木村さんは「歩数計のように携帯できるようになれば、1日にどれだけ笑ったかがわかり、病気の予防や夫婦円満につながる」との考えだ。2号機は今月9日、関西大千里山キャンパス(大阪府吹田市)で開く「関大笑い講」でお披露目される。

     ◇

 〈国立大の法人化と特許出願〉 国立大の07年度の出願件数は7448件で、03年度の6倍近い。特許料収入も03年度は約4億3千万円だったが、07年度は約5億7千万円に増えた。04年度の国立大法人化で、これまで出願しても国の収入になっていた特許料収入が、各大学の収入となったため、各大学で研究者に特許取得を勧める動きが強まった。国からの運営費交付金が07年度から毎年、前年度比で1%減らされるようになったことも拍車をかけている。

ゲームを「勉強の味方」に、意欲・知識向上など効果研究

 インターネット上のオンラインゲームを、教育に生かす研究が進んでいる。

 勉強の“敵”として白眼視されがちなゲームだが、その効果を改めて検証し、子供たちをのめり込ませる力を教育に活用する試みだ。

 「根拠もなくテレビゲームを悪者にしてしまっている」 

 東京大学(東京・本郷)で先月開かれた日韓国際シンポジウム「オンラインゲームの教育利用」の席上、東京大学大学院情報学環の馬場章教授はこう話した。高校の英語の授業で、試験的にオンラインゲームを取り入れた結果、単語試験や模擬試験で成績が向上したという研究成果を韓国側が発表するなど、活発な議論が交わされた。

 海外では娯楽以外の目的や効能があるゲームを「シリアスゲーム」と呼び、開発や効果測定の研究が進められている。日本でも遅ればせながら研究が始まり、馬場教授らが2006年に「日本デジタルゲーム学会」を設立。馬場教授は「世界的なゲーム先進国でありながら、日本では漠然とした不安ばかりが先行して、ゲームへの理解が及んでいない」と苦言を呈する。

 馬場研究室では、詫間電波工業高等専門学校(香川県)の協力を得て、歴史の授業にオンラインゲーム「大航海時代Online」(コーエー)を使い、学習意欲の向上や、知識の増加・定着などといった効果を研究してる。

 たとえば通常の授業を受けた生徒と、ゲームだけをプレーする生徒、そしてゲーム中に課題を与えて成果をまとめさせる生徒を設定し、比較実験を行った。するとゲーム中に課題を与えた生徒は、通常の授業を受けた生徒よりも、歴史への興味などが上がるという結果が出た。

 もちろん、すべてのゲームが教育に活用できるわけではなく、活用法もまだ研究途上だ。多くの人がゲームによる効果を理解できるよう、科学的な分析も必要になる。馬場教授は「オンラインゲームの良いところ、悪いところを科学的に検証し、プラス効果の側面から利用していきたい」と語っている。

2009年1月 8日 (木)

支出削減のターゲット 全国で閉鎖続く寄宿舎

 特別支援学校の寄宿舎を見直す動きは、全国で相次いでいる。多くの自治体は利用者数の減少などを理由としているが、「支出削減のターゲットにされている」と指摘する専門家もいる。

 長崎県は平成18年度に佐世保ろう学校(佐世保市)の寄宿舎を廃止して分校化、規模を縮小した。

 愛媛県も平成21年度に宇和ろう学校(西予市)と宇和養護学校(同)を組織統合。これに伴い、宇和ろう学校の寄宿舎を廃止し、宇和養護学校に統合する予定だ。

 訴訟に発展したケースもある。大阪市は昨年の9月議会で、在籍者の減少などを理由に貝塚養護学校(貝塚市)の今年度末での廃校を決定。寄宿舎も閉鎖するとしたが、生徒らが大阪市を相手取り、廃止取り消しを求める訴えを大阪地裁に起こした。

 寄宿舎は昭和49年の学校教育法改正で、特別支援学校への併設が義務づけられた。近年、統廃合が各地で議論に上がる背景について、福岡教育大学教育学部の猪狩(いかり)恵美子教授は「各自治体の財政が厳しくなる中で、寄宿舎がターゲットになっているのでは」と推測する。

 文科省によると、特別支援学校の児童・生徒のうち寄宿舎利用者は平成15年度が10・7%だったのに対し、19年度は9・5%と減少。定員割れを起こしている寄宿舎も多いが、猪狩教授は「利用者が定員に満たない寄宿舎でも指導員の人手が足りず、入舎を制限しているところもある。開設時から一度も見直されていない定員を基準に議論をするのはおかしい」と、自治体が廃止理由に掲げる「利用者数減」に、疑問符をつける。

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

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※中学受験・AO入試をお考えの保護者様は是非一度ご覧ください。

合格祈願:フンで落ちない「しおり」発売 広島市安佐動物公園

 広島市安佐動物公園(同市安佐北区)が、レッサーパンダ9頭のフンを紙にすきこんで作った「合格祈願しおり」を発売。受験生らの人気を集めている。

 しおりは横4・5センチ、縦10センチで、1枚150円。レッサーパンダは木登りが得意で、「落ちない」にあやかって企画。フンは滅菌処理して、においを弱めた。

 12月に通販などで販売を始めてから1000枚が売れ、現在は予約待ち。飼育員は「確実に運が身に付きます」とPR。問い合わせは同園(082・838・1111)。

【教育】「道徳」の教科化をJCが文科相に提言

 日本青年会議所(JC)の小田與之彦(よしひこ)会頭は、文部科学省に塩谷立文科相を訪ね、小中学校の学習指導要領で「道徳」の教科化を求める提言書を手渡した。

 提言書では、現状の「道徳」授業について「授業時数が確保されず、教える内容も担保されていない」と形骸(けいがい)化への懸念を示し、「検定教科書の不在が教師の混乱を招き、教師の勉強不足や能力による格差が生まれている」と指摘。

 教科化の壁とされる点数評価については「国語と同じように行う」とし、検定教科書には偉人伝や天皇の歴史、武道・茶道など「道」を盛り込むべき−などとしている。

 小田会頭は2041人の賛同署名も提示。JCによると、塩谷文科相は「道徳教育の重要性は認識している。教科化は一つの手法に過ぎないが、提言をきちんと検討したい」と話した。JCは「道徳の授業はどうあるべきかという議論を国民の間に広げていきたい」としている。

慎重な金融取引を大学に要請

 文科省、全国の私・短大に

 金融取引により多額の損失を出したり含み損を抱えたりする大学が相次いでいる問題で、文部科学省は6日、安易に金融商品に手を出さないよう注意を呼びかける通知を全国の私立大や短大に出した。

 私学の財務については、文科省は原則的に各学校法人に任せており、財務に踏み込んだ通知は異例という。

 文科省では各学長や公認会計士ら有識者30人で組織する学校法人運営調査委員会で昨年4月以降、私立大の資産運用を調査。今年度の調査対象となった53法人のうち、複数の大学でリスクの高いデリバティブ(金融派生商品)取引を行っている実態を把握した。さらに11月中旬以降、駒沢大154億円、南山学園34億円など、デリバティブ取引による損失が明るみに出る大学が続いたため、通知が必要と判断した。

 通知では「学校運営は、学生らの納付金、寄付、国の補助金によって支えられている」として、金融取引への慎重な判断を要請。駒沢大などでは理事会のチェック機能が働いていなかったため、投資全般に関して意思決定の手続きや責任の所在を明確化するよう求めた。

 私大の資産運用を規制する法律や通達はないが、文科省では「世界的な金融危機で私学経営を取り巻く状況が劇的に変わったため、見過ごせなくなった」と説明している。

2009年1月 6日 (火)

合格祈願、白いハンカチ 「知恵の文殊」大阪・堺の寺

 受験シーズン目前。「知恵の文殊」で知られる堺市西区の家原寺(えばらじ)の本堂は、受験生たちが志望校の名前などを書いて張っていく合格祈願の白いハンカチで覆われている。

 この冬は年末年始の休みが長かったために例年より参拝者が多く、空いた高い場所にも脚立持参で張る人もおり、ハンカチは屋根付近にまで達している。シーズンが終わる3月末には、数万枚のハンカチで埋め尽くされるという。

 寺で働く女性は「あとは風邪などをひかないように」と、受験生らを気遣っていた。

受験の危機管理:大学入試センターから電話が来る時

 知らない人からの電話には出たくないもの。でも、大学入試センター試験の志願票に携帯電話の番号を書いたのなら、センターから電話があるかもしれません。

Q:志願票に書いた電話番号に電話がかかってくることはありますか。

A:提出書類に不備があったり、生年月日が合わない時に連絡します。既卒生が多いですが、卒業証明書が入っていなかったり、受験できないはずの生年月日が書いてあるケースがあります。確実に連絡が取れる電話番号を書いてもらっていますが、なかなか連絡がつかないことが課題です。

Q:連絡が取れない時とは。

A:自宅でも携帯電話でも、電話を取ってもらえないことが多いのです。塾や予備校から電話がかかってくる時期ですから、電話に出たくない気持ちも分かるんですが……。実際に、受験産業と間違われて、電話口で「結構です」と言われたこともあります。大学入試センターは受験産業ではありません。

Q:携帯電話の方がいいですか。

A:そうとも言えません。受験生は学校や予備校に行っていると出られませんから。自宅の電話なら、保護者に伝言できます。何回電話をしても連絡がつかなければ、はがきを送ります。こうした場合の連絡方法としては、はがきの方が一般的かもしれません。連絡方法をどのようにするかは、今後の課題です。

Q:ほかに手続き上のトラブルは。

A:検定料は振り込みですが、保護者と本人がそれぞれ払ってしまうケースがあります。手続きは本人が責任をもってやってほしい。予備校などで忙しいとは思いますが、書類の不備などで電話をした場合でも、保護者が志願票を書いていて、受験生本人が何を書いて出したか知らないケースがあります。志願票はできるだけ本人が書いてください。

Q:検定料は返してくれますか。

A:(1)誤って二重に払い込んだ場合(2)検定料を払い込んだが、センターに出願書類を提出しなかったか、出願が受理されなかった場合−−に限って返金します。

コンビニで大学受験出願 ファミマ、今春は1校

 コンビニエンスストアで、大学受験の出願ができます――ファミリーマートは5日、全国約7300店にある情報端末で、大学や短大、大学院入試の出願を受け付けるサービスを始める、と発表した。コンビニ業界では初の試みという。

 入学検定料の支払いにあたり、銀行振り込みなら現金自動出入機(ATM)でも午後3時以降は決済が翌日になるが、ファミマの端末なら24時間当日決済できる利点がある、としている。

 受験者が端末「Fami(ファミ)ポート」で、名前や出身校などを登録する出願手続きと入学検定料の払い込みを行い、それらの控えを事前に取り寄せた願書とともに学校に送ると、受験票が送り返される仕組み。

 09年4月入学分は桜美林大大学院だけが対象で、19日午前10時〜23日正午まで受け付ける。10年4月入学分から、本格的に対象校を増やす。

新教育の森:野宿者と貧困、身近に引き寄せ 現実どう教えるか…襲撃事件なくすために

 少年たちによる野宿者襲撃がなくならない。事件を防ぐため、学校現場に何ができるのか。広がる貧困や雇用の現実をどう教えればいいのか。教職員や支援者による授業づくりの全国ネットが発足し、取り組みが広がり始めた。

 「今日は椅子取りゲームをやります」。杉浦真理(しんり)教諭(45)のかけ声で、生徒たちが教室の中央に椅子を集めた。

 京都府宇治市の立命館宇治中学校・高等学校。昨年12月、高校2年の政治・経済でワークショップ形式の授業があった。生徒たちは既に毎日新聞くらしナビ面の連載「働けど ’08蟹工船」を読み、格差について学んだ。何が始まるか察した子も多いようだ。

 まずは男女各10人が並べた椅子の周りに立つ。椅子は14個だが、半分に「男性専用」の張り紙がある。教諭が音楽を流し、ストップ。男子は全員座れ、女子6人が脱落した。「ずるいよこのゲーム」「女性専用はないの?」。女子からブーイングが上がる。

 教諭「この椅子は今の社会の、何だろう?」

 男子生徒「雇用でしょ」

 教諭「男性だけ募集するのは法律違反だよね。でも現実がこうなのはなぜ?」

 女子生徒「面接で決まるから……かな」

 「次は一見公平なゲームをするよ」。教諭が「男性専用」の紙をはがした。生徒22人で椅子は17個。教諭が就職した21年前の就職状況を反映した数だ。初戦で5人があぶれ、「悔しい」と苦笑い。2回戦。教諭は「これを07年バージョンにします」と、さらに7個椅子を減らす。「えー、少な!」と驚く女子に「まあこんなもんやろ」と男子。

 消えた椅子はどこへ行ったのか。「派遣社員のところ」「会社が危ないからリストラされた」「外国人が取った?」。いろんな疑問が出たところで、授業は講義へ。

 ◆支援団体の教材利用

 経済界の要請で派遣労働の規制緩和が進み、人件費削減で椅子取りゲームが厳しくなった。その結果、野宿になる人が増えていく。では、住所も蓄えもなくした人が一気に野宿を抜け出せるのか−−。生徒たちと問答を重ねる。

 杉浦教諭は前任校で福祉を担当し、「障害者や高齢者福祉は教えても、野宿者問題は抜け落ちている」と感じた。でも、どう教えればいいのか。悩んでいた時、大阪で野宿問題の授業づくりに取り組む支援団体「野宿者ネットワーク」の生田武志さん(44)を知り、昨年度から授業を始めた。この日のゲームは生田さんの教材をアレンジした。

 どうすれば椅子を増やせるのか。授業の最後、生徒たちからこんな案が出た。「新しい公共事業」「政策で企業に採用人数の枠を決める」「派遣社員を正社員にする」「2人で座る」

 次の授業では、九つの野宿者対策を挙げ、重要度をランク付けしてもらった。生徒たちが1位に選んだのは「住居」ではなく「仕事」。杉浦教諭は「彼らの中にまだ『野宿者イコール働かない人』という意識が強いことの表れ」と感じた。「来年度は人権にどう踏み込むかが課題です」

 ◇授業づくり全国ネット発足 取り組み事例や情報を共有

 少年たちの野宿者襲撃は、82〜83年に横浜で起きた中学生による連続襲撃事件で社会問題となった。不況で野宿者が増えると事件も顕在化する。08年にも東京や名古屋で寝ている人が突然殴られたり、テントへの放火とみられる事件が続いた。12月には福岡で13〜18歳の少年7人が万引きした生卵を野宿者に投げつけ、暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕されている。

 「人間のクズだから死んでもいいと思った」「やらないと仲間はずれになる」。少年たちの供述からは、野宿者への偏見と、暴力によって自尊感情を取り戻そうとする姿が浮かぶ。「多くは集団で暴力に走る。結束を確かめるため弱者をおとしめる。周囲に同調して自分の存在を確認する。生徒間のいじめと同じです」と生田さんは指摘する。

 ◆教職員にもある偏見

 7年前に授業作りを始めた生田さんは、学校に講師として招かれることも増えた。それでもなかなか広がらないのは、「教職員に野宿者への偏見があるため」と感じるという。そこで有志が呼びかけ昨年11月、「ホームレス問題の授業づくり全国ネットワーク」を発足。教職員や支援者、ジャーナリストら約230人が集まり、メーリングリストで情報や意見を交換している。▽教室に野宿者を招き話を聞く▽事件から少年たちの心を考える▽支援活動に参加する−−など、バラエティーに富む授業例が集まってきた。

 教育委員会の取り組みでは川崎市が進んでいる。95〜96年に少年たちが野宿者にロケット花火を撃ち込む事件が相次ぎ、野宿者人権教育の指導事例を作り、全市立校に配布した。夏休みに野宿者と生徒が一緒にトンネルに絵を描いた学校もある。東京都教委も人権教育プログラムで触れているが、「実施するかは各校の判断」で、現状は不明という。全国ネットは今後、行政にも教材づくりや授業の実施を要望していく予定だ。

 ◇人ごとでないと感じて

 派遣切りや内定取り消し。10代にも人ごとではない事態が進む中、大阪府立三島高の松井克行教諭(45)は3年生の政治・経済で、今の不況に踏み込む授業に挑戦した。

 松井教諭は6年前、前任校で貧困層の生徒たちとかかわった。高卒の就職状況は悪く、地域では襲撃も起きていた。そこで生徒たちに安いアルミ缶集めで苦労する野宿者のドキュメンタリー番組を見てもらった。ある生徒が「働くことの大切さを教えられた」と言ったことが記憶に残る。

 今年度は生田さんの教材を基に、サブプライム問題など世界の出来事と日本の貧困の結びつきを講義した。日々のニュースが自分たちともかかわり、ネットカフェ難民や野宿者の問題も身近なことと感じてもらうためだ。

 計6時間の授業を終えた生徒たちに感想を聞いた。ある男子生徒は「こういう時代で自分もホームレスになるかもしれない。大人になったら株でもうけようと思っていたのに、怖くなった」。女子生徒は「ホームレスって自業自得と思っていたけれど、社会にも原因があるんやなあ」。

 格差解消のために自分に何ができるのかという質問には、「ちゃんと税金を納める」(男子生徒)▽「多分何もできない」(同)▽「とりあえず、自分は関係ないとは思わない」(同)▽「ボランティア活動で貧困者を助けたい」(女子生徒)−−などの答えが返ってきた。

 「貧困を対等なまなざしで見られる人になってほしい」。松井教諭から生徒たちへのメッセージだ。

 ◆大阪でセミナー開催−−2月と3月

 「ホームレス問題の授業づくり全国ネットワーク」は2月8日と3月1日、大阪市浪速区の大阪人権博物館リバティおおさかで、講義とワークショップを織り交ぜたセミナーを開く。先着40人。参加費は一般1200円、高校生または18歳以下200円、中学生以下無料。申し込み・問い合わせは野宿者ネットワーク(090・8795・9499)へ。

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 <若者による最近の主な野宿者襲撃死事件>

 年  月 場所  事件の内容

00・ 6 東京  18〜20歳の少年ら3人が男性3人を暴行し1人死なす

    7 大阪  男子高校生ら4人が男性(67)を暴行し死なす

01・ 9 大阪  中3男子が男性(53)をけり、男性は頭を打ち死亡

02・ 1 神奈川 会社員の男(25)が河川敷で男性(52)を殴り死なす

    1 東京  男子中高生が男性(55)を集団暴行し死なす

    8 千葉  16〜19歳の少年4人が男性2人を暴行し死なす

   11 埼玉  中2男子3人が男性(45)を暴行し死なす

03・ 2 東京  中3男子が男性(52)をナイフで刺し死なす

    6 東京  16歳無職少年2人が男性(64)を川に飛び込ませ死なす

05・ 7 東京  男子高校生2人が男性(64)を暴行し死なす

   10 兵庫  男子中高生ら4人が男性(60)に火炎瓶を投げ死なす

06・11 愛知  中2男子ら4人が強盗目的で女性(69)を撲殺

 ※年齢はいずれも当時

ゴム状硫黄「黄色」です―17歳が実験、教科書変えた

 高校化学の教科書に掲載されていた「ゴム状硫黄」の色が間違っていた。山形県の鶴岡高専物質工学科3年の高橋研一さん(17)が気づき、実験で確かめた。指導教員が訂正を申し入れ、出版社側も間違いを確認。教科書の修正につながった。高橋さんは「自分の実験で教科書の記述が変わるなんて予想外。びっくりしている」と話す。

 ゴム状硫黄は、硫黄原子が鎖状に並んでできた硫黄の同素体。現在使用中の教科書10種類には「褐色・黒褐色・濃褐色」とあり、大学入試でも「褐色」が正解とされてきた。

 高橋さんは、指導教員の金綱秀典教授から「昔、黄色のゴム状硫黄ができたことがある」と聞き、本当かどうか実験で確かめたくなった。

 市販の硫黄の粉末を試験管に入れて加熱していくと、流動性が出てくる。これを冷水に流し込むと、弾力性のあるゴム状硫黄となる。

 市販の5種類で試した。純度98%の硫黄粉末や99%の硫黄華で作ったゴム状硫黄は褐色や黒色で、試験管に黒い物質が残った。だが99.5%の結晶硫黄だと黄色になり試験管に何も残らなかった。

 そこで、黄色いゴム状硫黄に鉄粉を混ぜて溶かし、再びゴム状硫黄にすると褐色に変わった。鉄粉が多いと黒色になった。純度99%以下の硫黄は、不純物で褐色や黒色になると分かった。

 金綱教授は、自分も執筆している大日本図書「新版化学I」のゴム状硫黄の写真を差し替え、記述を「ゴム状硫黄は黄色。黒、褐色の着色は不純物による」と直すよう申し入れた。大日本図書も文部科学省に訂正を申請、09年度教科書から「ゴム状硫黄は硫黄の純度が高いと黄色になる」と注を追加することになった。

受験の危機管理:解答用紙に名前を書き忘れたら 科目のマークは忘れずに

 名前を書き忘れた! 受験番号は書いたっけ? 試験が終わった後、ふと不安になることはありませんか。大学入試センター試験が終わった後、一番多い問い合わせは、氏名、受験番号の書き忘れだそうです。

Q:名前や受験番号を書き忘れたら。

A:100%とは言えませんが、ほとんど救済できます。ただし、書くことがルールですから、きちんと書いてください。問い合わせてきた受験生には(1)自分の所定の試験会場で受けたか(2)自分の試験番号のところで受けたか−−の2点を聞きます。正しく受験していれば、採点されないことはない。答案は番号順に回収しますし、会場には出欠表もありますから、大丈夫だと思いますよ。

Q:答案を探せるのですか。

A:探せません。答案そのものをセンターの担当者が見ているわけではありませんから。「見てください」と言われますが、採点処理を止めないと見られない。影響が大きいので止められません。受験生を安心させることが大事ですから「あなたの言ったとおりなら、心配しなくていいですよ」と伝えます。すると、受験生は「じゃあ、大丈夫ですね?」と必ず聞くんですが、確約はできません。

Q:受験する科目をマークし忘れたら。

A:0点として扱われ、失格にはなりません。試験を受けたことにはなりますから、その科目の受験が出願資格になっている大学にも、出願はできます。門前払いにはなりません。

Q:受験番号や名前は試験中に書く?

A:試験時間が始まる前に書きます。科目は、マークし忘れるといけないので、試験が終わった後に確認して、訂正が必要な受験生に手を上げてもらう。監督者が立ち会って、訂正できます。遠慮がちに低く手を上げる受験生が多いのですが、見落とされてしまう。恥ずかしがらずに、高く手をあげてください。

2009年1月 5日 (月)

時事問題も正月特訓 「未曽有」でるかな、小6受験生

 「絶対合格するぞ」。来年1月中旬から始まる私立中学の受験を前に、小学6年生165人が名古屋市中区のホテルで30日から3泊4日の合宿に入った。大手学習塾「明倫ゼミナール」(本社・名古屋市)が毎年開く集中特訓で、はちまきをした児童が机に向かった

 授業時間は4日間で計50時間。会場に空気清浄機や酸素ボンベを用意し、勉強がしやすい環境を整えた。塾によると、最近の入試問題は暗記型から思考力を問う論述型に。

 時事に絡む出題も多いことから、授業に先立ち行われたオリエンテーションではさっそく、麻生首相が誤読した「未曽有」の読み方を全員で確認した。

受験の危機管理:遅刻して許される理由は 会場を間違えるのはNG

 余裕を持って家を出たはずなのに、その日に限って電車が遅れる。よくあることです。事故や天候による交通トラブルに巻き込まれてしまっても、会場に行って、焦らずに遅れた理由を説明しましょう。

Q:電車が事故で止まってしまったら。

A:受験生の責任でなく遅れた場合には、試験場に着いた時に、遅れた理由をはっきり言うことが一番大事です。電車の運行会社などが遅延証明書を出すケースもあると思いますが、持ってこなくても、事実確認ができれば認めます。ですから、会場から事故の情報を問い合わせできるように、明確な理由を言ってほしいのです。

Q:不利になりますか。

A:受験生の責任ではない場合は、不利にならないように、別室で時間を繰り下げて試験を受けさせます。試験時間は減りません。寝坊したとか、道に迷ったなど、受験生が自分の責任で遅れた時は、開始から20分までは入室を認めますが、遅れた20分は、試験時間から差し引きます。リスニングは基本的に遅刻は認められません。

Q:身体の具合が悪くなった時は。

A:1週間後の追試験の申請をする受験生が多いです。インフルエンザやノロウイルスの場合は、他の受験生に影響を与えてしますことがありますので、無理して当日に受験せずに、追試験を申請してください。疾病や負傷、やむを得ない理由がある場合には、前日と当日に追試験の申請を受け付けます。

Q:申請方法は。

A:まず、当日の朝9時半までに、受験票の「問い合わせ大学」に電話連絡してください。そして、その日の全試験が終わる午後6時35分までに診断書を添えて申請してください。保護者が代理でしても構いません。電話をした時ではなく、必要書類を提出した時に許可されます。その日の試験を1科目でも受けてしまったら、追試験の申請はできませんから、注意してください。

Q:判断に困ることは。

A:事実確認が難しい例はわずかですが、「途中で具合が悪くなって、気づいたら1時間経っていた」などというのは困ります。事実かどうかわからないので、証明するものを出してくださいと言わざるを得ない。診断書が出ればいいですが、申請時間も限られていますし、追試許可は難しいと思います。

Q:道を間違えたり、迷ったという問い合わせは。

A:会場を間違えたというのは聞きますね。極端な例では(東京の)上野と(三重県の)伊賀上野を間違えた受験生がいました。以前は「試験場間違い」という扱いができたので、間に合わずに、手近な会場に飛び込んでも試験を受けられました。しかし、今は指定の会場以外では受けられません。受験票に書いてある会場を必ず確認してください。

つまようじ20万本でヘプバーン 大阪・藤井寺工科高

 大阪府立藤井寺工科高校(藤井寺市)ロボット工学専科の3年生が、名画「ローマの休日」で王女を演じたオードリー・ヘプバーンの姿を20万本のつまようじで描写することに成功した。作品は松原市の福祉施設「街かどデイハウス ひだまり」に寄贈され、見事な出来栄えが、近所で評判になっている。

 3年生2クラス(計58人)が昨年11月の文化祭の出し物として「つまようじアート」を提案。幅広い年代の人が知っている題材にしたいと、往年の映画スターであるオードリー・ヘプバーンとジェームズ・ディーンをそれぞれのクラスで描くことを決めた。

 作品は縦2.5メートル、横2メートル。元の画像を特殊なソフトウエアで8色の点に構成し直して設計図をつくり、着色したつまようじを発泡スチロールに手作業で刺した。作業は全員で分担したが、完成までに約1カ月。つまようじの重さだけで30キロあるという。指導した國分俊輔教諭は「気の遠くなるような作業でした」と振り返る。

 文化委員を務めた坂本一弘さん(17)は「完成した時は気持ちよかった。お年寄りに長く楽しんでもらえればうれしい」と話している。ジェームズ・ディーンも別の団体に贈られることが決まっている。

受験の危機管理:もし、受験票を忘れたら? 鉛筆は必ず持っていこう

 もうすぐ大学入試センター試験。ただでさえ緊張しているのに、雪が降ったり、電車が止まったりしたら大変です。センター試験初年度に受験した漫画家の倉田真由美さんは、1日目の試験が終わった後、受験票をごみ箱に捨ててしまったそうです。「ああ、やっちゃった!」と思った時にどうすればいいのか、大学入試センターに聞きました。

Q:受験票を忘れたら、試験は受けられませんか?

A:まずは忘れないように十分注意してください。もし忘れても、試験会場で仮発行申請をすれば試験を受けられます。大学入試センターから各会場に受験者の名簿を送っていますので、所要事項を質問して照合します。場合によっては、生徒手帳などの提示を求めることもあります。

Q:失くした時は。

A:センターに再発行の申請をしてください。直前に紛失した場合は、忘れた時と同じです。試験当日に受験票を持たずに会場に行って、仮発行の手続きをしてください。

Q:試験の後も、再発行は受けられますか。

A:4月末日まで受けられますが、センター試験終了後の1月19日から25日は再発行業務はしません。この期間の申請分は、26日から志願者に送付します。2010年度からは、過去3年間のセンター試験の成績が入試に利用できるようになります。過去の受験票が必要になるかもしれませんから、大切に保管してください。

Q:受験票を忘れたり、失くす人はどのくらいいますか。

A:試験当日に問い合わせがあったのは、07、08年度とも約1800件でした。「受験上の注意」の冊子の最終ページに、当日の所持品チェック欄を載せたり、ホームページでQAコーナーを設けて注意喚起をしています。

Q:そのほかの忘れ物は。

A:鉛筆を忘れる受験生はいますね。友達がいれば借りて、休憩時間に買いに行っているのではないかと思います。試験会場は、貸せるところと貸せないところがありますから、「貸してもらおう」と思われると困ります。シャープペンシルがあれば回答できますが、採点されないかもしれないリスクは負ってください。ごくまれにお金を忘れる受験生がいますので、持ち物チェック表には、交通費の項目を入れています。

Q:具合が悪くなったり、怪我をした場合は。

 試験会場には、必ず医師か看護師がいますので、ばんそうこうを張る程度の簡単な手当てはできます。大事なら近隣の病院に搬送しますが、後の試験は受けられません。

2009年1月 4日 (日)

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

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2009年1月 2日 (金)

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2009年1月 1日 (木)

真珠湾の記念館で献花

 米ハワイ・オアフ島を訪問中の河野洋平衆院議長は29日(日本時間30日)、昭和16年12月の旧日本軍による真珠湾攻撃の舞台となったパールハーバー(真珠湾)を訪れ、湾内で撃沈された戦艦アリゾナの上に立つアリゾナ記念館で献花した。在ホノルル日本総領事館によると、日本の政治家では最高位のアリゾナ記念館訪問。

 河野氏のアリゾナ記念館訪問は、今年9月に広島市で開かれた主要8カ国(G8)下院議長会議(議長サミット)で、ペロシ米下院議長が原爆慰霊碑に献花し平和記念資料館を視察したことへの返礼。すでに政界引退を表明している河野氏はアリゾナ記念館で、今回のハワイ訪問を「政治家として最後の旅行になる」と話し、「戦争はいかん」とかみしめるように語った。

 真珠湾攻撃で米側は兵士など約2400人が死亡した。

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