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2009年3月

2009年3月31日 (火)

外国人生徒の通訳に失業外国人を雇用 滋賀県教委


 派遣切りにあった外国人労働者らのために、滋賀県教委は4月から、言葉や習慣の違いで学校になじめない外国籍の子供たちを支援する通訳として雇用することを決めた。同県は近畿で最も多くの南米系外国人が住み、不況に伴う派遣切りなどで雇用情勢が急激に悪化。外国人労働者が多い他の自治体でも派遣切りの影響が深刻化するなか、立場の弱い外国人失業者の新たな支援策として期待されている。

 県内に住む外国人約3万2000人のうち、南米系は約5割。大半が自動車や大手電機の下請けなどの派遣労働者だ。

 公立小中学校は、希望する外国人の子供たちを受け入れ、「日本語教室」などで支援してきた。しかし、給食など生活習慣になじめず、学校に通わなくなるケースが頻発。教員が保護者と話し合おうとしても言葉が壁になり、意思が十分に通じ合わないこともあった。

 こうした子供たちはこれまで、派遣会社などが母体となるブラジル人学校4校が受け皿となってきた。しかし、いずれも公的な補助がないため、月約4万円ほどの学費が支払えず、退学が急増している。

 県教委の調べでは、昨年12月からの2カ月だけで、91人が公立小中学校に転入したほか、失業した親が帰国するなど58人が転出していった。雇用情勢が好転する見通しは暗く、県教委は4月以降、公立学校への転入がさらに増えると予想している。

 ブラジルなどの日系3世は平成2年の入管法改正で、就労制限のない「定住者」という在留資格の取得が可能になり、短期の出稼ぎ労働者が来日。その後、徐々に家や車を購入するなどして定住化が進んでいる。

 こうした親世代は、職場や地域社会の中で、言葉や習慣の壁を乗り越えてきた経験があり、通訳として同胞たちの子供らと学校の架け橋の役割を担ってもらうことにした。

 通訳として募集するのは、ポルトガル語かスペイン語、中国語、タガログ語のいずれかの言語と日本語が分かる失業者。4月から1年間で最大延べ22人を雇用し、県内の公立小中学校に派遣する計画。指定の外国語ができれば日本人も可能という。

 外国人の雇用をめぐっては、岐阜県が2月から出先機関などの窓口で、ポルトガル語圏の人たちの生活相談を担当するブラジル人9人を通訳として雇用。静岡県浜松市では、1月末から草刈りなどの軽作業で募集した臨時職員33人のうち27人を外国人から採用した。

 外国人が多く住む全国26都市で構成する外国人集住都市会議(事務局・岐阜県美濃加茂市)は「学校現場では外国籍の子供の心のケアができる人が不足している。まずは言葉の理解が第一なので、通訳は現場の大きな助けになるのでは」と期待している。

定時制高校に出願急増 不合格者続出で補欠募集 大阪


 入学志願者が殺到し、計167人の不合格者が出ていた大阪府内の公立高校定時制(単位制含む)について、府教委は30日、補欠募集の詳細を発表した。補欠入学は従来、定員に満たない学校・学科だけで認めていたが、前例のない定員超えで、異例の措置に踏み切った。募集枠は12校12学科で計167人。出願期間や試験日程は学校ごとで異なるが、早いところでは4月6日に試験がある。

 27日に合格発表があった2次募集では、府内19校21学科で募集人員計571人に対し、756人が出願していた。補欠募集にあたっては、各学校でどれだけ受け入れが可能かなどを調べ、募集枠を決めた。同教委担当者は「多くの不合格者が出たので、もう一度機会を設けることにした」と説明、不合格者数と補欠募集の総数が一致したのは偶然だ、としている。

「指導力不足」で教諭を免職 福岡県教委


 福岡県教育委員会は30日、指導力に欠けるとして県内の中学校の男性教諭(57)を、31日付で、分限免職処分にすると発表した。

 県教委によると、教諭は、一方的な指導で生徒と意思の疎通をはかれないなどとして、平成19年4月から2年間、所属していた中学校や県教育センターで研修を受けていた。

 県教委は「積極的な改善意欲がない」として辞職を勧告、教諭が拒否したために処分を決めた。

文科省:新学習指導要領に対応したIT教育の手引き公表


 文部科学省は30日、4月から移行措置が始まる小中学校の新学習指導要領に対応した「教育の情報化に関する手引き」を作成、公開した。新学習指導要領でコンピューターに関する記述が大きく変わったためで、教育目標や指導例を解説した。

 情報教育は、08年1月の中央教育審議会答申で、「社会の変化に対応するため教科を横断して改善すべき事項」の一つに挙げられた。小学校の総則では、これまでの「慣れ親しむ」だけから、「コンピューターで文字を入力するなどの基本的な操作」を身に付けることが明記されるなど、小中学校とも、授業でIT(情報技術)を使い、インターネットを安全に使う力を身につける情報モラル教育をすることが重視されることになった。

 手引きは、教科指導でのIT活用法、情報活用能力を育成する学習活動、情報モラル教育−−など10章からなる。「算数の図形をプロジェクターなどを使って拡大する」「コンピューターでの情報収集を通してインターネットを閲覧する能力を身につけさせる」といった具体的な使用例を挙げた。

 文科省は08年10月、手引き作成検討委員会(座長・清水康敬メディア教育開発センター理事長)を設置し検討を進めていた。高校については今後検討し、公表する。

がんの生徒の受験拒否 長崎日大高「特別対応できない」


 長崎県諫早市の私立長崎日本大学高校(野上秀文校長)が今年の入試で、がんを患う中学3年生の女子生徒(15)の受験を断っていたことがわかった。生徒は治療で抵抗力が弱っており、感染症を防ぐため他の受験生とは別の部屋での受験を求めたところ、同校は「特別な対応はできない」と説明したという。

 生徒は同校で、一般入試に先駆けて1月20日に行われた特別入試の受験を希望。在籍する中学校の校長が同13日、願書を提出した後、野上校長に事情を説明した。高校側は県に相談したうえで翌14日、「個室を用意することができないので受験を差し控えてほしい」と回答。願書と受験料を返却したという。生徒は同校の受験をあきらめた。

 野上校長は朝日新聞の取材に対し、特別入試の受験者は1700人以上いたと説明し「申し訳ない気持ちはあるが、教室が足りなかった。1人の受験生のために試験監督をつける余裕もなかった。志望者全員にチャンスを与えるべきだと思うが、学校として対応できる自信がなかった」と述べた。さらに「批判もあると思うが、私たちが教育したい人、できる人を選抜したい。それが私学の独自性だ」と語った。

 私立学校を管轄する長崎県学事文書課は同校から相談された際、「学校で検討して決めてほしい」と答えたという。同課は「受験について県は学校を指導する立場にない」としている。

 生徒は結局、別の私立と公立の2校を受験し、いずれも合格した。両校とも試験の際は生徒の要望を受けて別室を用意した。このうち私立高は「病気は本人の責任ではない。最大限できることはやろうと思い、対応した」としている。

 長崎日大高は生徒1458人、教員101人。日本大学の付属高校で、学校法人長崎日本大学学園が運営している。

2009年3月30日 (月)

商店街が「寺子屋」塾 地域で子育て、活性化めざす


 長野県佐久市の岩村田本町商店街が、小学生に「読み・書き・計算」を中心に教える「岩村田寺子屋塾」を開いた。全国商店街振興組合連合会によると、商店街が営む学習塾は聞いたことがないという。岩村田本町商店街の振興組合は「地域で子どもを育てながら、活性化にもつなげたい」と意気込む。

 薬局だった空き店舗を再利用して、1月20日に開塾した。約70平方メートルの部屋に大机が置かれ、周りには座布団が並ぶ。そこで学年の違う子どもたちが学ぶ。

 出入り口はガラス張りで外から丸見え。大人たちも自由に出入りし、落とし物や店の割引券を持ってきたり、子どもたちにあいさつや靴の脱ぎ方などを教えたりする。47店が加盟する振興組合理事長の阿部真一さん(49)は「気軽に足を運べる雰囲気を心がけた。新しい風が入り、商店街で今、最も活気がある」と話す。

 振興組合が「地域密着型の商店街を目指そう」と始めた子育て支援事業の一つだ。07年春から花見や魚釣りを催す中、「子どもの学力に合った学習塾がない」と不満を漏らす親が多かったことがきっかけになった。

 その後、佐久地域に4教室ある学習塾「ヨダゼミ」を経営する細川保英さん(53)と知り合い、「偏差値重視ではなく、地域と協力しながらの子育てが必要」と意気投合。関東経済産業局の中小商業活力向上事業の補助金約800万円を開塾に充てた。

 塾生は約20人で、ヨダゼミの講師2人が詰める。開塾時間(平日16〜19時、土曜日10〜19時)は、いつでも自習に使える。月謝は、週1回(50分)コース6300円から週3回コース2万2050円。

 「詰め込みではなく自立型の学習」を目指す。算数ならば、それぞれの学力に応じた確認テストで合格点に達すれば次の単元に進む仕組みだ。

 東京成徳大の深谷昌志教授(教育社会学)は「今の子どもたちは居場所が少ない。商店街に顔見知りが増え、地域に愛着ができることは、子どもに誇りが芽生え、社会性も身につくだろう」とみる。

関東私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

経済苦の私立中・高校生支援に教職員が事業団 熊本


 経済的理由で授業料が払えない生徒や学生を支援しようと、熊本私学教職員組合連合(熊本私教連)などは28日、奨学金の貸与事業などを行う熊本私学教育支援事業団(理事長、鳥飼香代子熊本大教育学部教授)を設立した。1億円を目標に資金を募る。

 熊本市内であった発足式には約50人が参加。高校生らが「私たちの夢を奪わないでほしい。経済的理由で学校をやめた友だちがいたが、そういう悲しい思いをしたくない」などと訴えた。

 熊本私教連の1月の調査では、県内の私立高22校のうち14校の生徒の約8%にあたる809人が授業料を滞納し、昨年4月以降、経済的理由で51人が退学した。仙波達哉・熊本私教連委員長は「早急に直接支援しないと退学者はさらに増える。4、5年で1億円を集めたい」と話す。

 県も09年度予算で熊本私立高校生応援事業として960万円を計上し、私立高校の授業料減免制度を拡充。親が急な人員整理に遭った場合に加え、派遣社員で契約期間が更新されない雇い止めなどに遭った家庭の子を、県と学校による授業料全額補助の対象とする。県私学文書課は「経済的理由で就学の道を閉ざさないように支援しようということ」と説明する。

小学英語「週1」4割


 17政令市・東京23区、4月から前倒し

 新学習指導要領で2011年度から必修化される小学5、6年生の英語について、読売新聞が17政令市と東京23区の教育委員会に聞き取り調査したところ、4割にあたる16市区が、4月から前倒しで週1回以上となる年35コマ(1コマ45分)以上の英語活動を行うことがわかった。

 これに対し、大阪、浜松市など、月1回程度となる年9〜12コマにとどまる自治体もあった。財政力の違いで外国語指導助手(ALT)の活用にもばらつきがあり、児童の会話力に大きな差が出る可能性がある。

 週1回以上を予定しているのは、京都市やさいたま市など。東京・港区は週2回となる年70コマで、突出して多かった。年15〜35コマを目標としたのは、川崎市や葛飾区など12市区。大阪市(9コマ)、札幌市(10コマ)、静岡市(同)、浜松市(12コマ)は少なかった。

 ALTの雇用などに充てる予算も各地で差があり、最高が港区で1校平均586万円。同12万円の大阪市とは49倍の差があった。予算の多い自治体はALTを多用し、予算の乏しい自治体は担任教師がそのまま英語を教える傾向が見られた。

 港区は「国際人を育てる狙い」で、必修化を待たずに体制を充実させたといい、大阪市は「国語や算数などの教科で習熟度別クラスを編成するため、英語に回す予算がない」としている。

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2009年3月29日 (日)

76歳「学校に通えて幸せ」自主夜間中学で初の修了式


 戦後の混乱や病気などが原因で義務教育を修了できなかった人に学ぶ場を提供する北海道旭川市の自主夜間中学「旭川遠友塾」が開校1年を迎え、28日、初年度の修了式が行われた。

 塾では、毎週土曜日に約20人がボランティアから国語や数学、英語を学んだ。3年間で中学卒業程度の学習を目指す。

 生徒の小畑啓子さん(76)=旭川市=は樺太(からふと)で終戦を迎え、14歳のとき故郷の旭川市に戻り、帰国翌日から皿洗いの仕事を始めた。樺太では尋常小学校に通っていたが、混乱が激しく、最後の1年はほとんど通えなかった。

 クラスメートと共に学ぶことは「60年間待った」といい、毎回1番前で授業を受けた。小畑さんは「勉強したい気持ちは誰にでもある。学校に通えて、人生でも幸せなこと」と笑顔を見せた。

 全国夜間中学校研究会(事務局・大阪市立天王寺中)によると、義務教育未修了者は全国に約120万人と推計される。

法科大学院:2校「不適合」 同志社と神戸学院−−08年度認証評価


 大学などの認証評価を行う「大学評価・学位授与機構」(木村孟機構長)は27日、08年度の評価結果を公表した。同志社大と神戸学院大の法科大学院は「平等な成績評価がなされていない」などとして、評価基準に適合していないと判定した。

 同機構は大学11校、短大2校、高等専門学校2校、法科大学院16校を評価。2法科大学院以外はすべて「適合」だった。また昨年度の評価で不適合とした4法科大学院のうち北海道大、千葉大、一橋大の追評価を実施し、いずれも改善したとして適合判定した。

 同志社大は一部の試験で「不合格相当」となった学生に、科目担当者の判断で筆記試験や面接の機会を改めて与え、合格させるケースがあり「公平性、透明性確保が十分でない」とされた。神戸学院大は、法学未修者の入試で司法試験や法学検定などの実績を加味していることや、講義出席率が著しく低い学生に単位を与えていることが問題視された。

 「日本高等教育評価機構」(佐藤登志郎理事長)も58大学の評価結果を公表。不適合判定はなかったが、5校は改善を要する点があるとして判定を保留した。▽多摩大(学長不在の1年継続など)▽名古屋産業大(専任教員不足など)▽鈴鹿医療科学大(教授不足など)▽志学館大(寄付行為に反する理事選任など)▽第一工業大(理事会審議を経ずに予算変更など)−−で3年以内の改善報告書提出を求めた。

生徒が「先生を流産させる会」 いすに細工、給食に異物


 愛知県半田市の市立中学校で、担任に不満を抱いた1年生の男子生徒十数人が「先生を流産させる会」と称し、妊娠中の30代の女性教諭に対し、いすのねじを緩めたり、給食に異物を混入したりしていたことが分かった。

 同市学校教育課によると、生徒らは今年1月から2月にかけて、教諭の車にチョークの粉やのりなどを混ぜ合わせてふりまいたり、いすの背もたれのねじを緩めたりしたほか、消臭や殺菌、食品添加物などに使われるミョウバンを理科の実験の際に教室に持ち帰り、教諭の給食に混ぜたという。

 見かねた周囲の生徒が2月下旬、別の教諭に伝えて問題が発覚した。担任がけがをしたり、体調を崩したりすることはこれまでなかったという。

 学校側が事情を聴いたところ、席替えの方法や部活動で注意されたことへの不満を口にする生徒がおり、「先生に反抗しよう」という話が持ち上がったのがきっかけだったことが分かった。学校はその後、保護者を呼んだうえで生徒を指導し、生徒らも反省の態度を示しているという。

 校長は「個々にはいい子たちで、最初は信じられず、仰々しいネーミングにも驚いた。ただ軽いのりからエスカレートしたようで、計画的とまでは言えない。命の重さについて、より指導を徹底していきたい」と話している。

同志社、神戸学院「不適合」


法科大学院 教育基準に満たず
 法科大学院の評価機関「大学評価・学位授与機構」は27日、2008年度の大学院16校の評価結果を公表した。

 同志社大、神戸学院大の2校を、教育内容が基準を満たしていないとして不適合と認定した。法科大学院74校中、今回を含め47校の評価が終わり、不適合は10校に上った。不適合が出ると、文科省が調査して指導する。

 同志社大は一部科目の期末試験で、結果の確定前に、不合格相当の学生に筆記などで理解度を確かめる「再評価」をしており、2回の評価で試験結果を出すことが客観的でないと判断された。神戸学院大は一部科目で4割弱の出席率でも定期試験を受けられたことや、法学未修者の入学選抜では法律の知識を問わないことが原則なのに、試験要項に知識を評価することが記載されていた。

 一方、別の大学評価機関「日本高等教育評価機構」も同日、大学評価の結果を発表。58大学のうち、志学館大、鈴鹿医療科学大、第一工業大、多摩大、名古屋産業大の5校について、不適切な理事会運営や教員数の不足などを理由に判定を保留、3年以内の再評価の申請を求めた。

検察審査会設立のやりとり明らかに 史料見つかる


 「国民の司法参加」として、戦後まもなく導入された検察審査会制度の成立過程のやりとりを記録したGHQ(連合国軍総司令部)と司法省(現在の法務省)の会談録が法務省法務図書館の「未整理図書」から見つかり、目録が完成した。検察審査会成立の経緯は知られているが、具体的な会談録が明らかになったのは初めて。「検事も選挙で任命すべし」と主張するGHQに「歴史的に不適当」と応じる司法省。日米の生々しいやりとりが掲載されている。

 史料は検察審査会法施行(昭和23年7月)前年の22年10月から23年2月に行われた14回の会談などをまとめた「検事に対する国民審査に関する会談録」。GHQ側が民政局司法法制課長のオプラー氏とスタッフのマイヤース氏、日本側は佐藤藤佐(とうすけ)・司法次官(後に法務行政長官、検事総長)ら。当時の鈴木義男司法大臣が出席したこともあった。

 GHQ側には検事の公選制の意見が根強く、会談録でもこんなやりとりがみられる(一部抜粋)。

 オプラー「司令部内に検事も選挙で任命す可(べ)しとする意見が強い」

 佐藤「検事は国家的官吏であり…政党の影響等の点が危惧(きぐ)されるし、歴史的背景から考えても不適当」

 ただ、GHQも日本の事情に一定の理解を示していたとされ、オプラー氏は「選挙を不可とする説を通すためには、何等(なんら)かの形で検事に対する国民のコントロールを考える事が必要となる」と代替案を示唆。米国や英国で行われていた大陪審(起訴するかどうかを国民が参加して決める制度)に代わるものとして検察審査会を提案した。

 当時は委員会と言っていた検察審査会の決定が検察を拘束するかについても、GHQ側の「拘束力あり」と意見が食い違った。

 佐藤「委員会独自の見解によって意見を述べた場合にはこれに拘束されないことにしたい」。オプラー「全く承認し難い。この点については鈴木司法大臣のお考えを賜りたい」。大臣との面会で最終的に「拘束力なし」となった。

 大陪審については、選挙人名簿から委員を選ぶGHQ案をめぐって佐藤氏が「日本の一般国民の法律的常識の水準は米国と比較にならず、実質上大陪審の如(ごと)き制度を採用とすることは時期尚早」と反対すると、マイヤース氏から「全く同感、英、米においてさへも陪審制度が巧(うま)く動いているとは言い切れぬ」と同調する言葉が出ていた。

 整理に当たった桐蔭横浜大学法学部の出口雄一准教授(法制史)は「GHQ内部でも大陪審などの評価に違いがあったことが分かり、興味深い。貴重な史料が国民の共有財産となった意義は大きい」と話す。

 「未整理図書」は10年間の整理作業を経て、目録10冊が完成。この会談録を含む一部資料はマイクロフィルムで閲覧できる。

市岐阜商移管問題:移管白紙に


 岐阜市立岐阜商業高(市岐阜商)の学校法人「立命館」への移管問題で、市議会定例会最終日の27日、09年度一般会計当初予算案から移管関連経費約98万円を削除する修正案が移管反対派から提出され、賛成22、反対21で可決された。08年12月の市岐阜商存続請願採択に続き、再び市議会が移管に反対。立命館は今月末を意思表示の期限としており、移管は白紙撤回されることになった。

群馬・創造学園大、虚偽の財務書類提出 補助金停止


 群馬県高崎市の創造学園大学を運営する学校法人堀越学園(同市)が文部科学省と群馬県に虚偽の財務書類を出していたことが27日わかった。日本私立学校振興・共済事業団は同法人に08年度の経常費補助金を交付しないことを決めた。

 同大は02年に設置申請し、04年に開学した。文科省によると、同法人は補助金を得るため02年度から毎年、財務書類を文科省と県に提出。うち02〜04年度の資金収支計算書の事業収入や借入金の返済支出の金額が、文科省と県に出された書類で大きく異なることが発覚した。さらに公認会計士の監査を受けた書類とも異なるため、二つとも虚偽である可能性が高いという。

 同法人では昨年12月と今年1月、教職員の給与の支払いが遅れる問題が発生し、文科省が調査していた。

 同法人は、東京都中野区の堀越高校を運営する堀越学園とは別の法人。

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岐阜市、立命館誘致断念へ 市議会が修正予算案を可決


 岐阜市が市立岐阜商業高校を廃止し、学校法人立命館(京都市)の中高一貫校誘致を進めている問題で、市議会は27日、誘致関連費を削除した平成21年度修正予算案を可決した。立命館側は市が3月末までに態度決定しなければ交渉を打ち切ると表明しており、修正案可決で推進派の細江茂光市長は事実上、誘致断念に追い込まれた。

 細江市長は昨年12月、誘致の賛否について「民意を問う」と辞職、1月の出直し市長選で無投票当選した。「無投票も民意だ」として誘致関連費を盛り込んだ21年度予算案を提出したが、反対派市議が動議で修正案を提出、可決された。

 誘致問題は立命館が18年、市立商高の校舎や敷地を譲り受けて中高一貫校をつくりたいと提案したのが発端。市教委は少子化などを理由に市立商高の将来的廃止を決めたが、市民や議会には市立商高の存続を求める声も根強かった。

2009年3月28日 (土)

国立大学:目標達成度評価、11大学に「赤点」 交付金に反映へ−−文科省委


 文部科学省の国立大学法人評価委員会は26日、国立大学法人と大学共同利用機関法人計90法人の教育や運営などに関する中期目標達成状況の評価と、各学部や大学院の研究科などの評価結果を公表した。大半の達成状況は良好だったが、11法人に「達成状況が不十分」な項目があり、計26学部・研究科が複数の評価項目で「期待を下回る」などとされた。文科省は10年度以降の運営費交付金配分の際、評価の高低に応じて額を増減させる。

 国立大の法人化に伴い、各大学が6年間(04〜09年度)の中期目標を設定し、同委員会が評価する制度がスタート。次の6年の計画策定と、10年度予算に反映させるために04〜07年度分を総括した。

 法人の目標達成状況は教育や研究、財務内容など7〜8項目を5段階で評価。最低の「重大な改善事項がある」はなかったが、福岡教育大が2項目で、東京大など10法人が1項目で下から2番目の「不十分」とされた。

 学部・研究科は7項目を4段階、2項目を3段階で評価。各項目とも9割超の組織は「期待される水準にある」などとされたが、東京工業大大学院イノベーションマネジメント研究科が4項目で「期待を下回る(最低)」とされ、京都大は10学部・研究科で「期待を下回る」とされるなど低評価が目立つ大学もあった。

==============

 ■中期目標達成状況が不十分とされた国立大学法人

▽業務運営の改善・効率化=弘前大、電気通信大、三重大、和歌山大、福岡教育大

▽財務内容の改善=金沢大、兵庫教育大、鳴門教育大

▽自己点検・評価など=東京学芸大、福岡教育大

▽施設設備の整備・活用など=東京大、静岡大

 ■複数項目で低評価だった学部と研究科(大学院)

                      (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)

弘前大人文学部                               △        △

 〃 人文社会科学研究科                          △        △

 〃 医学部                                △        △

 〃 医学研究科                              △        △

東京工業大イノベーションマネジメント研究科  ▲  ▲  ▲  ▲

富山大人文学部                                  ▲     △

 〃 人文科学研究科             ▲                 ▲     △

岐阜大医学部                                △        △

京都大文学研究科                        ▲  ▲

 〃 人間・環境学研究科                    ▲  ▲

和歌山大教育学部                        ▲              △

 〃 教育学研究科                             △        △

鳥取大農学研究科                        ▲              △

 〃 連合農学研究科                      ▲  ▲

島根大総合理工学研究科            ▲     ▲

広島大保健学研究科                                   ▲  △

山口大農学研究科               ▲  ▲

徳島大総合科学部                              △        △

香川大法学研究科               ▲                       △

 〃 医学部                                △        △

 〃 医学系研究科                    ▲  ▲  ▲  △        △

愛媛大医学系研究科                          ▲           △

琉球大理工学研究科                       ▲              △

 〃 保健学研究科                             △        △

 〃 農学部                                   ▲     △

 〃 農学研究科                              △  ▲     △

 ※(1)教育実施体制(2)教育内容(3)教育方法(4)学業の成果(5)進路、就職状況(6)教育の質向上度(7)研究活動(8)研究成果(9)研究の質向上度

 ※(6)(9)は3段階、他は4段階評価。▲は「期待水準を下回る」、△は「向上しているとは言えない」と判定された項目(学部と研究科の一体評価も含む)

大学発の衛星盛況


議論や交渉、磨く人間力
 大学での人工衛星開発が盛り上がりを見せている。1月に打ち上げが成功したH2Aロケットにも、東京大、東北大、香川大などが製作した衛星が載せられていた。各大学は衛星作りを通じて専門技術だけでなく、社会人になった時に役立つ交渉力やチームワークも磨いている。

 大阪工業大(大阪市旭区)内の一室。長さ2メートル超の「スペースチャンバ」と呼ばれる円筒形の実験機器が並ぶ。中に宇宙の真空状態を作り出す機器だ。その円筒内に電気仕掛けの小型ロケットエンジン(長さ4センチ)を据え、学生たちが噴射試験などを繰り返す。

 来春打ち上げられるインドのロケットに搭載することを目標に、プロジェクトが始動したのは2007年。学生や院生約40人が集まり、電源やエンジン、通信など機器ごとに8グループに分かれて製作に乗り出した。

 ところが昨年11月、各グループが完成させたパーツで試作機を組み立てると、重量も寸法も仕様(30センチ四方、重さ10キロ)をオーバーしていた。どこを削るかを巡って、学生たちは丁々発止。議論を重ねながら今年2月、完成にこぎつけた。

 企業と共同開発したエンジンを、学生の不注意で壊してしまったことも。学生が企業に連絡すると、返ってきたのは叱責(しっせき)だった。「なぜグループのリーダーが報告してこないのか」。この出来事で、学生たちは企業社会の信頼関係や責任のあり方を学んだという。

 「全員で進んできたんだという手応えがあります」。学生リーダーの修士課程1年山田峰嗣(みねつぐ)さん(23)は充実感をみなぎらせる。技術指導に当たる田原弘一教授(宇宙推進工学)も「自分たちの手で宇宙を目指そうという意欲が学生たちにある」と評価している。

 10年度に打ち上げ予定のH2Aロケットでは、早稲田大、創価大、鹿児島大と、各地の大学が参加する「大学宇宙工学コンソーシアム」を含めた計4機の人工衛星が相乗りする計画が進行中だ。このほか大阪府の中小企業経営者らによる「まいど1号」の開発を支援した大阪府立大、大阪大などの研究者グループも計画を練り始めた。

 03年以降、3機の打ち上げ実績がある東京大の中須賀真一教授は、大学が続々と参入してくることに、「衛星開発は人材育成につながる。ライバルが増え、新しい技術の芽が出ることを期待したい」と前向きに話した。

中高生と理科の大切さ語る 東京でフォーラム


 特定非営利活動法人(NPO法人)ネットジャーナリスト協会と有識者会議「地球を考える会」(座長・有馬朗人元東大学長)は26日、東京都千代田区の科学技術館で「〜考えよう!地球の未来〜青少年のための理科創造フォーラムin東京」を開催、理科好きの中高生ら計約200人が集まった。

 有馬座長は基調講演で「理科や科学を学ぶには、好奇心を持ち続けることが大切だ」と指摘。地球温暖化や化石燃料の枯渇が懸念される中、二酸化炭素を排出しない原子力発電や新エネルギーの意義も強調した。

 来賓の斉藤鉄夫環境相が「政治や経済、金融の分野にも科学を役立てる必要がある」とあいさつ。児島真平前福井大学長ら3人の講師は実体験を交え、理科教育の大切さなどを語った。

2009年3月27日 (金)

一貫教育カリキュラム:園児から、読み書きや集団生活−−東京・品川区教委


 東京都品川区教委は26日、小学校にスムーズになじめるよう、幼稚園児や保育園児に読み書きや計算を教える幼・保との一貫教育カリキュラムを10年度から導入する方針を明らかにした。幼稚園や保育園の教育を小学校と統合する「幼小一貫」の取り組みは各地で進められているが、自治体として本格的カリキュラムを導入するのは異例だ。

 区教委が想定しているカリキュラムでは、小学校入学前に、ひらがなの読み書きや1けたの足し算、引き算を教えるほか、ドッジボールやリレーなどで集団生活のルールも体験させる。小学校教員が幼稚園や保育園で教えたり、新設を検討している認定制度で認定を受けた幼稚園教諭や保育士が教える予定。認証保育所や家庭で育児をしているケースも、区児童施設などで同様の指導を行う考え。

 5月に区立と私立の幼稚園・保育園の園長や区立小学校長らでつくる「就学前教育推進委員会」を設置、こうした独自のカリキュラムの実施が可能か、最終的に検討する。10年度から部分的に導入し、11年度から区内の全区立小学校や私立も含めた幼稚園、保育園で実施したい考え。

 品川区は中学入学後の心理的負担や戸惑いを軽くするため、小中の垣根を取り払った小中一貫教育を06年度から導入している。

 区教委指導課は「英才教育ではなく、社会で適応できるよう小さなころから社会のルールや習慣を教えていきたい」と話している。

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私立から公立大学法人へ 高知工科大、全国初の認可


 高知県が土地代や建設費を出し、学校法人が運営する「公設民営方式」をとってきた高知工科大(同県香美市)と県は26日、文部科学省などから公立大学法人化の認可を受けたと発表した。4月から実質県立大になる。同省によると、4年制私立大が公立大になるのは全国で初めて。

 県立大になると国からの私学助成金はなくなるが、私学助成金の2倍ほどの地方交付税が県に出るため、授業料を従来の年94万〜124万円から約54万円に下げられる。少子化で定員割れに悩んでいた同大学は、負担の軽減で学生が増えることを期待している。実際、県立化の方針が明らかになった後の09年度入試では志願者が急増。計460人の募集に対し過去最高の5812人が志願した。

小1プロブレムに対応、品川区が幼・保と小1一貫教育


 小学校に入った児童が授業中に座っていられないなどの「小1プロブレム」に対応するため、東京都品川区教育委員会は、幼稚園・保育園と小学校の一貫教育のカリキュラムを作ることを決めた。

 集団生活のルールなどを教え、就学前後の教育の連続性を得る目的。2010年度にも導入する。区立・私立の幼稚園や保育園の園長、区立小の校長、学識経験者らを集めた「就学前教育推進委員会」を5月に設ける。

 カリキュラムは、入学前の10月頃から小1の6月頃までの子供が対象。集団生活に慣れるよう、ドッジボールや合奏など集団で力を合わせる体験を盛り込む。「トイレには休み時間中に行く」など、入学後に必要になるルールも教える。幼稚園などには小学校教員が出向いて教える方法などを想定しており、入学までに簡単な計算やひらがなの読み書きを教えることが出来ないかも検討している。

 区内すべての幼稚園や保育園、区立小、認証保育所に参加を呼びかける。

AO入試は8月以降に 学力の確認も 文科省


 書類審査や面接などによるアドミッション・オフィス(AO)入試について、文部科学省は、願書受け付けを8月1日以降に限定し、合否判定に筆記試験の成績などによる学力確認を求める方針を固めた。平成22年度に実施する入試からの適用を求める。

 受験生の能力を総合的にみる目的で普及したAO入試だが、少子化などに伴い入学者を早く確保するため、高校3年の1学期に実施する大学もあり、学力検査がないAO入試も多い。

 このため、高3の早い時期に合格が決まった生徒の学習意欲低下や、大学の授業についていけない学生が出てくるといった課題が顕在化し、中教審が昨年の答申で改善を求めていた。

 文科省は改善策を検討。出願期間は、夏休みを有効に使うため8月1日以降とし、学力も、各大学の筆記試験やセンター試験の成績などを使い、確認することとした。

文科省:相次ぐ大麻事件受け、大学生用パンフ


 文部科学省は25日、大学生の薬物乱用防止のためのパンフレット「薬物のない学生生活のために」を公表した。大学生らによる大麻事件が相次いで発覚したことを受けた緊急措置。大学生用は初めて。70万部作製し、大学・短大の新入生全員に配布する。

 A4判カラー4ページ。「薬物は人生をこわす!」などの見出しで、危険性や依存のメカニズムなどを写真や図入りで説明。薬物乱用経験のある元大学生の手記も掲載している。パンフレットは文科省ホームページ(http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/03/1258059.htm)からダウンロードできる。

東京外大とICUが交流協定 図書館相互利用や単位互換


 東京外国語大学(府中市)と国際基督教大学(三鷹市、ICU)は25日、学部・大学院で単位を互換することなどを柱とした教育・研究交流などに関する基本協定を結んだ。どちらも語学教育に定評があり、キャンパスも徒歩で行き来できるほど近いことから、「中身の濃い交流をしたい」としている。

 外語大の亀山郁夫学長とICUの鈴木典比古学長がICUで調印し、記者会見した。

 それによると、09年度から図書館の相互利用を始め、2010年度から単位を互換できるようにする。外語大は前後期制、ICUは3学期制であることから、互換の方法などは今後調整する。このほか、部活動の交流や対抗試合の実施なども進める。

 外語大は外国語学部の単科大で、50にのぼる言語と世界各地の文化・社会研究を進めてきた。ICUも教養学部の単科大で、人文・社会科学から自然科学まで、学際的な教育・研究をしている。

 会見で亀山学長は「現代に必要とされる国際教養人を育てたい」、鈴木学長は「互いの長所に学びながら、それぞれの発展を図る」などと話した。協定締結に向け、両学長を中心に1年ほど前から準備を進めてきたという。

貸し出し、1人年100冊超


山形県鶴岡市立朝暘第一小図書館
 学校図書館の児童一人あたりの年間平均貸出数が、ゆうに100冊を超える小学校が山形県鶴岡市にある。市立朝暘(ちょうよう)第一小(難波信昭校長、児童616人)。昨年度まで10年連続で「100冊超え」を達成し、今年度は150冊にも達しようかという勢いだという。

 同小の朝は、図書館の貸し出しカウンターに行列ができることから始まる。午前7時45分の開館と同時に、児童らが一気になだれ込み、われ先にと本を借りていく。6年生の白幡美菜子さん(12)は「1年間に200冊ぐらい読みます。6年間で読んだ本は、たぶん1000冊以上。読書は、現実ではあり得ないことが体験できるから好き」。

 図書館の活用に力を入れ始めたのは、平均貸出数が年50冊程度だった1995年度からだ。「レストランのような図書館に」を合言葉に、人形を置き、窓にフリルのカーテンをかけて親しみやすい空間に仕立て、翌96年度には、校舎の外れにあった図書館を昇降口近くに移し、児童が気軽に来られるようにした。保護者にも、読み聞かせなどのボランティアへの参加を呼びかけ、本への関心を家庭でも共有できるよう工夫したという。

 さらに、日常の授業では、図書館の蔵書を使った「調べ学習」を積極的に導入。専任の司書教諭が、市から派遣された学校司書と協力して授業で使える図書や資料を準備し、各クラスの担任教諭をサポートする。

 「まず児童に読書の習慣をつけさせ、読書力を磨く。次に調べ学習の際などに、図書館の本を使って課題を自分で解決させるようにしています」と司書教諭の宮島昭子さん。

 読書量の増加は、児童に様々な影響を与えているという。語彙(ごい)が増え、表現力が増す。読書の時間を捻出(ねんしゅつ)するために、時間の使い方もうまくなるという。

 難波校長は「ここの児童は、読み聞かせの効果もあり、人の話を上手に聞ける。さらに、何事にも意欲を持って取り組む。それは読書をきっかけに、様々なことに興味を持つようになったからだろう」と話している。

2009年3月26日 (木)

「専門学校と区別できぬ」 文科省、東京福祉大短大に改善指導


 文部科学省は25日、東京福祉大短期大学部に対し、同大グループの専門学校と明確な区別がないまま、通信教育課程の入学手続きや授業が一体となって運営されているとして、改善するよう指導した。

 文科省によると、短大の通信教育課程は系列専門学校に同時在籍できる「併修」制度を設けているが、その場合の入学願書提出先や入学許可証の配布元は専門学校になっている。

 一部授業も短大と専門学校で重複、授業は専門学校の教員が行っていた。このため短大と専門学校のどちらの手続きを行っているのかなど学生にとって区別が付けにくいとしている。

 東京福祉大は「学生に誤解を招く点があった。専門学校と調整、改善したい」としている。

大学基準協会:聖徳大など5校、認証評価「保留」 無資格教員など


 大学・短大などの認証評価を行う「大学基準協会」(会長、納谷広美・明治大学長)は23日、08年度の評価結果を公表した。聖徳大(千葉県)など5大学について「資格のない教員に大学院での論文指導をさせている」などとして大学基準に適合しているかどうかの判断を保留した。

 大学などは学校教育法で5〜7年に1度は第三者機関などの評価を受けることが義務づけられている。他に保留とされたのは▽京都学園大(提出データの重大な不備など)▽相愛大(人文学部の定員充足率の低迷など)▽東京基督教大(設置目的が異なる神学校と一体的な教育)▽立正大(専任教員の不足など)。

親子で自作!! 安全マップ 子供の「危険」発見する力養う


 進級、進学の季節がやってきた。学年が上がるにつれて子供の行動範囲が広がり、活発になっていくのはうれしい半面、子供たちを悲惨な事件や事故からどう守るか、親としては頭の痛いところだ。この機会に、自分たちの暮らす街の中にどんな危険や楽しみがあるのか、親子で点検し、「安全マップ」を一緒に作ってみてはどうだろう。

 「大人は自分の住む街を知っているつもりになっています。でも、意外と行動範囲は限られていて、見落としている場所がたくさんあるものです」と話すのは、明治大学理工学部准教授の山本俊哉さんだ。山本さんは都市計画が専門で、防犯の観点を取り込んだ街づくりや地域連携の在り方を研究している。また、自治体や小学校で、子供たちを対象にした「安全マップ」作製の指導にも取り組む。

 警察庁がまとめた平成20年上半期の犯罪情勢によると、子供(20歳未満)が被害者となった刑法犯の被害件数は12万8500件で、刑法犯被害件数に占める割合は18・3%。「子供が犯罪に遭う時間帯は帰宅後の午後3〜6時が一番多い。また、別の調査では、被害に遭う場所は自宅から半径100メートル以内とか、自宅や学校の周辺といった報告もあります」と山本さん。

 しかし、小学校低学年の児童は、「危ない」ということを場所の名前で認知、説明することが難しいと、山本さんは指摘する。実際、安全マップ作りの最中に、山本さんから「危ない所はどこ?」と問いかけられた小学生の中には、「変な人が出たところ」と答えた子供もいたという。「だからこそ、子供と一緒に場所ごとの現状を知ることが重要です」と強調する。

 山本さんが勧めるのは、小学生低学年なら、自宅と学校を含む2キロ四方程度の確認作業だ。A1〜A2サイズ程度に拡大した地図と筆記用具、デジタルカメラを持って、散歩や探検のつもりで出かけてみよう。一度に回る必要はない。平日と休日では様子が全く異なることに注意しながら、体力に合わせて行いたい。

 行き先は、学校までの通学路に加え、よく行くスーパーマーケットや商店街、公園など。この間に、人気の少ない場所や死角になりそうな場所があれば写真を撮り、地図にどんな場所かを書き込む。子供と現地で、なぜ危険そうかを話し合うことで、子供自身が気づき、発見する能力を養うことにつながる。

 緊急時に子供を保護してくれそうな店や「110番の家」などがあれば、その場で子供と確認しよう。

 「危険な場所では『変な人とここで会ったらどうする?』と、子供に問いかけて。駆け込めそうな店の前で『怖いことがあったら逃げ込むのよ』と話しておかないと、子供は行動できません」

 一方、楽しいと思っている場所も子供から教えてもらい、地図に印を付けて写真を撮る。帰宅後、地図に写真を張ったり、場所の種別(危険、安全、楽しい)で色分けしたりすれば完成だ。危険な場所とともに楽しい場所も書き込むことで、犯罪への不安ばかりを募らせることを防げるという。

トップ大学JOCW究める全入時代紙上特別講義大学学長インタビュー


 東京都品川区教育委員会は、すべての幼稚園児、保育園児を対象に、集団生活のルールや、従来小学校で教えてきた簡単な読み書き、計算などを統一的に教育する方針を決めた。小学校入学前後の課程を一体にとらえた独自のカリキュラムを作成し、10年度から「幼・保→小」の一貫教育を進めたい考えだ。

 今回の方針は、小学校に入った児童が座って先生の話を聞けないといった「小1プロブレム(問題)」の対応策として考えられた。こうした本格的な一貫教育はほとんど例がなく、品川区は06年度に導入した「小中一貫教育」と合わせて効果的な教育を目指すとしている。

 区教委によると、区立・私立の幼稚園・保育園の園長、区立小学校長、学識経験者らを集めた「幼児教育推進委員会」(12人)を5月に設置。小学校入学前の10月ごろから小1の6月ごろまでを対象にした、独自の「幼児教育要領」を作成するという。

 小学校での集団生活に向き合えるよう、入学前のカリキュラムにドッジボールやリレー、合奏などを取り入れ、友だちと力を合わせてやり遂げる満足感を体験させることなどを検討している。

 学習については、小学校入学までにひらがなの読み書き、1ケタの足し算、引き算程度ができるようにすることを想定している。小学校の教員が幼稚園や保育園に出向いて教えるほか、幼稚園教諭や保育士に認定制度を設けて教育を担ってもらったりする仕組みを検討するという。

 幼稚園の教育内容については、文部科学省が「幼稚園教育要領」を定めているが、遊びの中で学びに興味をもたせることなどに主眼が置かれ、具体的な学習内容は記されていない。品川区教委は「英才教育ではなく、あくまで小学校の教育との円滑な接続を目的にしている」「教える順番を入れ替えたり、一体化したりすることを考えており、現行の制度に反するものではない」としている。

 区教委は、区内のすべての幼稚園(区立9、私立20)、保育園(区立40、私立10)、区立小学校(38)のほか、11カ所ある認証保育所にも参加を呼びかける方針だ。家で育児をしている家庭には、定期的に区の児童施設や保育園に子どもを連れてきてもらい、無償で同様の教育を提供する考えだという。

 若月秀夫・区教育長は「学習面まで含めて地域一体で垣根をなくし、幼児期に義務教育の基礎を培いたい」としている。(小石勝朗)

■「小1プロブレム」に対応

 授業中に勝手に歩き回る。教室を飛び出したまま戻ってこない。1人がトイレに立つとぞろぞろついていく。先生が大事な説明をしているのに、気にせずいつまでも話し続ける……。「小1プロブレム」を抱えた教室では、日々、こんな風景が繰り返されている。

 幼い児童にとって初めての小学校生活は戸惑い、落ち着かないものだが、90年代後半ごろから、混乱がずっと収まらないケースが多く報告されるようになった。教師への反抗などから高学年でも起きている「荒れ」や「学級崩壊」と異なり、小1プロブレムでは、子どもたちが最初から集団生活や学校のルールを全く理解できていない状況が指摘されている。「どう指導したらいいかわからない」と教師が低学年の担任になるのを拒むケースも出ているという。

 中央教育審議会(文科相の諮問機関)も05年の答申でこの問題にふれ、背景に家庭や地域の教育力低下があると指摘している。

 現場で広がっている対応策の一つが、幼稚園や保育園との連携の強化だ。ベネッセ次世代育成研究所による07年のアンケートでは、調査対象の国公立幼稚園の8割以上で、子どもがなじめるよう、地域の小学校と交流活動をしていた。

 ただし、こうした活動は個々に進めていることが多く、成果は広く共有されにくかった。こうした中、品川区は今回、自治体全体で制度として取り組むことを決めた。

2009年3月25日 (水)

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「大阪で学力向上の“実証実験”」 関西プレスクラブで陰山英男氏講演


 関西プレスクラブの例会が24日、大阪市内のホテルで開かれ、「百マス計算」で知られる立命館大学教育開発推進機構教授の陰山英男氏(51)が「学力は1年で伸びる」と題して講演した。

 大阪府教育委員として橋下徹知事が打ち出した教育改革の陣頭指揮も務める陰山氏は「(全国学力テストの成績が低迷した)大阪での取り組みは学力向上の“実証実験”だ」と強調。4月21日の次回学力テストを見据え、「基礎的な部分を鍛えるだけでも十分結果に表れる」と訴えた。

 陰山氏は、食事の規則正しさや睡眠時間と学力の関係をデータを示しながら説明し、「朝ご飯を食べさせないことは虐待に等しい」と持論を展開。

 また、国際学習到達度調査(PISA)での日本の成績低下の背景について「(学習)指導要領のリードミス」と分析し、30年ぶりに学習内容を増やした新指導要領を「学力低下を受けた国際戦略」と評価した。

 そのうえで「新要領によって教育現場で生じる問題はどんどん報道してほしいが、新しいことをやるときに問題が起きるのは当たり前だということに留意してほしい」と呼びかけた。

情報オリンピック:ブルガリア大会の日本代表選手決まる


 高校生以下の生徒を対象にした「国際情報オリンピック」の日本代表選手が24日決まり、筑波大付属高校2年の副島真さんら4人が選ばれた。8月にブルガリア・プロフディフ市で行われる大会に出場する。

 代表選手は、副島真さん(筑波大付駒場高2年)、滝聞太基さん(筑波大付駒場高2年、保坂和宏さん(開成高2年)、平野湧一郎さん(灘高校2年)の4人。昨年12月から今年2月にかけて行われた「日本情報オリンピック」の成績優秀者16人が4日間の合宿形式の選抜試験で、計12課題(1200点満点)に挑戦。上位4人が選ばれた。

 国際大会では、参加者の約8%に金メダル、同17%に銀メダル、25%に銅メダルが贈られる。日本は、昨年のエジプト大会で金銀メダルを一つずつ、銅メダルを二つ獲得している。代表選手の副島さん、滝聞さん、保坂さんの3人は昨年大会のメダリストで、昨年の数学オリンピックスペイン大会のメダリストでもある。NPO「情報オリンピック日本委員会」理事長の守屋悦朗・早稲田大学教授は「強力な布陣。がんばってくれると思う」と期待を寄せる。

 前回大会の金メダリスト、保坂さんは「勉強の成果が出て安心している。昨年はぎりぎりで金メダルだったので、もっと上位を狙いたい」と抱負を語った。インターネット上に北京大学が公開している情報の問題などを解いてトレーニングを積んでいるという。

 国際情報オリンピックはユネスコが提唱して始まった科学五輪の一つ。科学五輪は情報のほか、物理、生物学など5大会あり、生物学五輪は今年は日本で開催される。情報五輪は1989年に始まり、毎年70〜80カ国が参加。競技は個人戦で、2日間にわたり1日5時間で3問を解く。課題を解くためのアルゴリズムを考え、プログラムを作り、答えを出力して結果の正しさを競う。高校レベルの数学の知識とプログラミングの技能が必要とされる。

早大の総代、今年も3年生 「早く法科大学院へ」


 大学を3年で卒業する学生が増えている。「3年卒業」は、文部科学省が99年、大学改革の一環で学校教育法を改正し、可能になったが、早稲田大学法学部では2年連続、3年生の女子学生が、卒業生の総代に選ばれ、25日の卒業式で卒業証書を受け取る。

 文科省が06年度に、調査したところ、3年での卒業を認める早期卒業制度を導入している大学は107。国立では、東北大、筑波大など、私立では、早大や明治大、成蹊大などが一部の学部で認めている。

 今年、早大法学部で総代になったのは畑江智(さと)さん(21)。「最後まで単位を落としたかもしれないと心配だったので、びっくりしています」と驚いている。

 早大で、3年での卒業ができるようになったのは01年から。法学部も04年の入学者から、卒業に必要な「124単位を取る」「全科目の平均点が80点以上」などの条件を満たす学生について3年での卒業を認めている。昨年は、初めて、05年に入学した女子学生が3年生総代となった。

 早大法学部では今春、3年生の3.5%にあたる36人がこの制度で卒業。多くは法科大学院に進む。畑江さんも司法試験志望。入学後に3年卒業制度を知り「専門的・実践的な環境に1年でも早く身を置きたい」と目指した。春からは東京大の法科大学院に通う。

早稲田実業学校初等部校長 多宇邦雄(たう・くにお) 卒業式と入学式に思うこと


 早実初等部は3月18日に卒業式を行い、108人の卒業生を送り出しました。

 式場の体育館で1クラスずつ舞台に上がった卒業生は、担任に名前を呼ばれると大きな声で返事をして舞台中央に進み出ます。そして列席した保護者や来賓の視線を一身に浴びながら、10秒間でメッセージを発します。

 初等部生として、自分の言葉で話をする最後の機会なので、しっかりと大きな声で、自分の決意を述べます。卒業生たちのメッセージの多くは、これまでに出会った人々への感謝の気持ちや将来の希望、そして中等部で自分が頑張りたい教科やクラブ活動などを挙げて、決意を表明するものでした。

 卒業生は自分で考えた一言一言を、自分の言葉で、心を込めて生き生きと話をします。私はメッセージを終えた児童一人一人に期待しながら卒業証書を手渡しました。

 早実初等部が掲げる教育方針は「自ら学び、自ら考え、自ら創り出し、自ら表現する力を育てる」ことです。開校して8年目ですが、私たちが目指す教育の理念は、凛とした子供たちにしっかりと根を下ろし、継承されていると確信した卒業式でした。

 そして次は4月5日の入学式。卒業式が慣れ親しんだ「学舎(まなびや)から」なのに対して、入学式は初・中高等部とも、早稲田大学の伝統が息づく大隈講堂で行います。

 ここでも新入生は1クラスごとに舞台に上がり、担任から名前を呼ばれると、「は〜い」と講堂中に響き渡る大きな声で返事をします。そのあと私が子供と目線を合わせて「おめでとう」と向き合い、一人一人と握手をします。

 6年後、成長したこの子たちはどんなメッセージを発してくれるのかと、思いを馳せながら…。

卒業式:東大で3045人に学位


 東京大の卒業式が24日、東京都文京区本郷の安田講堂で行われ、3045人に学位が授与された。うち女性は611人。

 キャンパスは、ピンクや黄色などの鮮やかな着物やはかま姿の女子学生や、黒のガウンを着た男子学生の姿が目立った。卒業生らは家族や友人らと安田講堂の前で記念写真を撮り合っていた。

 小宮山宏学長は卒業生に対し、人類が環境や食糧、貧困など多くの課題に直面していることを述べたうえで「社会人として働くそれぞれの場で、自分なりに課題の解決に向けて貢献してください。皆さんの子孫のためにより良い社会とより良い地球を残してください」と呼び掛けた。

東大で卒業式 総長「課題解決に貢献を」


 東京大学の卒業式が24日、東京都文京区の東大安田講堂であった。小宮山宏総長は告辞で、「東大で身につけた本質をとらえる知と他者を感じる力、先頭に立つ勇気を、社会の中で磨き上げ、それぞれの活動の場を通して、現代社会が抱える様々な課題を解決するために貢献してください」などと述べた。今年度の卒業生は3094人。

2009年3月24日 (火)

愛知・犬山市が学力テスト参加へ 唯一不参加から転じる


 全国学力テストに公立校として唯一不参加だった愛知県犬山市の教育委員会は23日、臨時会を開き、教育委員の多数決で平成21年度のテスト参加を決めた。

 19年度の学力テスト再開以来2年連続で不参加だった同市が参加に転じたことで、四月実施の21年度テストは初めて全国の公立校すべてが参加する見通しとなった。

 この日の市教委臨時会では、瀬見井久教育長を含めた委員6人が採決。参加4人、不参加2人の多数決で参加が決まった。

 犬山市ではテスト不参加を後押しした前市長の辞職に伴い、参加を求める田中志典市長が18年12月に当選。当時教育委員は全員不参加で一致していたが、田中市長が委員を入れ替えるなどし、昨年秋には参加派が過半数となっていた。

 全国学力テストは4月21日に実施予定。

新教育の森:運動も学習も継続と挑戦で 全国上位の秋田県…その秘策は


 文部科学省が実施した08年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(全国体力テスト)で、全国学力テストでもトップクラスだった秋田県が好成績を収めた。教育関係者の注目を集めているが、何か秘策があるのか。

 ◆ゲーム性で意欲喚起

 秋田市の郊外にある市立旭川小学校。ある日の6年生の体育の授業は縄跳びだった。

 まず1人ずつ、連続二重跳びが何回できるかに挑戦。次は男女混合の2チームに分かれての長縄跳び。そして新たに取り入れたという、2本の縄を互いに逆方向に回す「ダブルダッチ」が始まった。

 複雑な縄の動きでかなり難しそうだが、ショーのようで格好良く、子供たちはやる気満々だ。先生たちも2本の縄の色を変えて見やすくする工夫をしたほか、跳べた回数を記録する「マスターカード」を作り、進歩が目に見えてわかるようにした。

 児童は挑戦意欲をかき立てられるらしく、休み時間に練習する姿も。同小体育副主任の七尾和恵教諭は「ゲーム的な要素を加えることで、家庭や休み時間にも広がる」と話す。6年生の授業を見た5年生が、休み時間に長縄を借りて遊ぶ姿も見られた。

 ちょっとした工夫は授業のさまざまな場面で見られる。2年生の跳び箱では自分に合った高さを選べるようにし、上手に跳べる子の演技を紹介する場も設けた。「できた」「もう少し」など自分の目標をクリアすると共に、互いの頑張りや成果を認め合う楽しさを味わっていたという。

 ◇00年度は平均下回る 徒歩通学、休み時間の運動奨励

 全国体力テストで秋田県の小学5年生は男女とも2位、中学2年生は男子3位、女子6位だった。だが、00年度実施の県独自の体力テスト(抽出調査)では、多くの種目で全国平均を下回っていた。

 豊かな自然が残る秋田では、子供たちが元気に外で遊んでいる印象が強いが、県教委保健体育課スポーツ・学校体育班の渡部鋼喜指導主事は「遊びは家でのテレビゲームなどが中心。都会とほとんど変わらない」と話す。県教委は授業や休み時間など、学校で体力を付けさせる必要があると判断し、対策に乗り出した。

 まず注目したのが登下校。学校統廃合で通学距離が長くなり、防犯面も考慮してバスや自転車通学、さらに自家用車での送迎も増えていた。

 そこで01年度に始めたのが徒歩通学を奨励する「てくてくとくとく歩いて学校へ行こう運動」。「とくとく」は「友達とおしゃべりしながら」の「トーク」に加え、「遠くまで歩こう」の意味も込められている。徒歩通学の割合を01年度と08年度で比べると、小学生は79・9%から85・6%に、中学生は27・9%から32・6%に増えた。

 休み時間の活用も進めた。駆け足や縄跳び、ボール遊びなどの運動をするよう児童に働きかけていた小学校は08年度で83・1%に達する。9年前に比べ倍以上になった。

 旭川小も毎週木曜の2、3時限目の間の休み時間に「走ろう運動」を実施。今年度からは、個人別に走った周回数を記録するカードを作って廊下に掲示している。得意な子と苦手な子では差が出るが、励まし合う姿が見られるという。七尾教諭は「運動が苦手な子供のために重要なのは、スモールステップで成長できること」と指摘する。

 ◆教員も指導法学んだ

 教員の指導力をいかに高めるかも課題だった。

 そのため、小中学校の体育主任教員向けだった年1回の研修会の対象を06年度からは一般教員にも拡大した。全教科を担当している小学校の先生たちが体育の専門的な指導方法を学ぶ機会を設けた。

 03年度には、専門的な指導法や高い技術を持つ高校の体育教員を小中学校に派遣する事業もスタート。小学校側は「高校の先生は、陸上競技や体操など種目別にも専門性がある。ポイントやコツを自ら実技で披露し、児童は目を輝かせて見ていた」と効果に目を見張る。

 ◆基本的習慣の大切さ

 小学5年生を対象とした県独自の体力・運動能力調査の結果は、ほぼ右肩上がりになった。01年は男子53・1点、女子54・1点だったが、08年には男子57・6点、女子60・0点で、“00年ショック”をバネに地道な努力が功を奏したように見える。ただし、取り組みが他県に比べ飛び抜けて先駆的とまではいえない。

 08年の文科省の調査では、体力テストと学力テストの上位県が重なるケースが目立ったことから、県教委の渡部指導主事は「学校が好きな子供が多く、生活習慣や学習習慣の心構えなどの基本が身についているからでは」と話す。全国体力テストと同時に実施された運動・生活習慣の調査では、秋田の子供は「朝食をきちんと食べ、運動が好きでテレビを見る時間は短い」という傾向が見られた。

 08年の全国学力テストとともに実施された調査でも秋田は全国平均に比べ、「難しいことでも失敗を恐れず挑戦する」は5・1ポイント▽「学校の決まりを守る」は4・5ポイント▽「ものごとを最後までやり遂げてうれしかったことがある」は1・3ポイント−−高かった。

 秋田市内の小学校のベテラン教諭は「続けて頑張るのは学習も運動も同じ。友人の考えやアドバイスを受け入れる素直さと、できそうにないとあきらめずにチャレンジする意欲が好成績の理由では」と分析している。

ノーベル賞下村さん、若い研究者に「元気がない」と注文


 ノーベル化学賞を受賞後、日本に初めて帰国滞在中の下村脩さん(80)=米ウッズホール海洋生物学研究所特別上席研究員=が23日、東京都内で記者会見し、いまの若い研究者に「リスクを取ろうとせず、難しいことをやろうとする元気がない。努力が足りない」と厳しい注文をつけた。

 下村さんは現在も米マサチューセッツ州の自宅で発光生物の研究を続ける。自身の研究については「こんなことにならなかったら、発光キノコの問題を解決したかった。でも、ノーベル賞を取ってから忙しくなって絶望的です」。

 今回の帰国では学生時代を過ごした長崎県を訪れた。「自分ではそうでもなかったが、帰国して本当に多くの人が喜んでくれるのでうれしく思う」などと感想を語った。

 24日午後には、東京・丸の内の東京国際フォーラムで記念講演「天の導くままに――発光生物と半世紀」(日本化学会、朝日新聞社など共催)に臨む。

愛知県犬山市が学力テストに参加


公立学校すべて出揃う
 全国学力テストに唯一不参加だった愛知県犬山市で23日、臨時教育委員会が開かれ、4月21日実施の今年のテスト参加が委員の賛成多数で決まった。

 これで、文部科学省が目標としてきた公立学校すべての参加が初めて実現する。

 委員会には委員全員の6人が出席、委員長を含む6人による記名投票が行われ、参加4票、不参加2票だった。

 同市は少人数学級や2学期制、独自の副読本の製作などの教育改革を続け、「全国学力テストは格差や過度の競争を招き、学び合って育つ犬山の教育と相いれない」として2007、08年のテストには参加していなかった。

 しかし、参加を主張してきた田中志典(ゆきのり)市長が、参加に否定的な委員を肯定的な委員に交代させるなどし、参加の可能性が高まっていた。昨年12月からの市教委の会議では、「参加によって、改革を積み重ねてきた犬山の教育が損なわれる」などの根強い反対意見もあったが、「犬山の教育に自信があるなら、一度参加して検証すべきだ」などの賛成派の主張が広がりを見せ、4度にわたる市教委の会議を経て決着した。

【主張】道徳教育 心のノートで公徳心養え


 新年度から小中学校で新しい学習指導要領が先行実施され、道徳教育の充実が図られる。徳育は学力向上とともに公教育再生の要である。学校現場は指導法を工夫して取り組んでもらいたい。

 文部科学省は全小中学生に配布している道徳の副教材「心のノート」を改訂した。新指導要領を踏まえた一斉改訂だ。

 心のノートは、神戸の児童連続殺傷事件などをきっかけに、平成14年度から使われている。命の大切さなどの教育の重要性が指摘され、日常生活の場面を題材に考える内容だ。

 改訂版では「きまりを守る」といった規範意識や公共心の育成など、新指導要領で重視される項目が増えて充実した。また若者の勤労意欲低下など最近の課題にも対応し、「働くことのよさ」をテーマにしたページも加わった。

 日常のあいさつ、助け合いの大切さなどの心のノートでも取り上げられている徳目は、以前は家庭や地域の中で当たり前に教えられ、はぐくまれてきた。

 だが家庭のしつけがきちんと行われず、幼児期から集団生活に慣れない子供たちが増え、学校の道徳教育の重要性は増している。

 一方で、道徳教育は教師によって指導の差が大きい。一部教職員組合は心のノートを「使わない」ことを組合活動の成果とするあきれた例さえあった。

 学校現場には道徳教育を「押しつけ」などと嫌う風潮があるが、公徳心や正義などを毅然(きぜん)として教える教育が必要なときである。

 最近の意識調査で、子供の勉学意欲低下や将来を悲観的にみる若者など気になる結果が目立つ。東京都教育委員会のアンケートでは中高生は自分自身を好意的にとらえておらず、自尊感情が低いとの結果が出た。都教委が「自分が嫌いでは学習意欲もわいてこない」と懸念するのはもっともだ。

 都教委では、例えば失敗や間違いも大切な経験であることを教えるなど、子供が自信を持てるような指導に取り組むという。

 また大阪府教委は、独自の授業「志(こころざし)学」を府立高校に導入するなど、小中学校を含めて「将来について考える機会を設ける」という。

 道徳以外でも、自虐的な歴史教育など子供たちの誇りや夢をつぶすような授業がまだみられる。子供たちの意欲や活力を引き出す指導をしてほしい。

麻生首相:防衛大卒業式で訓示


 麻生太郎首相は22日、防衛大学校(神奈川県横須賀市、五百旗頭(いおきべ)真校長)の卒業式で訓示し、「アジア太平洋地域では、北朝鮮の核開発・弾道ミサイル問題などの諸課題が存在している。日本の平和と安定を確保するためには、日米同盟のさらなる強化と日本自身の防衛努力が極めて重要だ」と述べた。

 首相は、祖父の吉田茂元首相が同大学校の第1回卒業式で述べた祝辞を引用し「人間として世界の、人類の自由までも守るという広い視野に立ってほしい」とも語った。

 卒業生数は留学生14人を含め445人で、女性は33人。任官拒否は35人で、92年以降最多だった。

生きるために学んだ 「余命5年」57歳女性、関大卒業


 難病を患い、9年前に「余命5年」と告げられた大阪府枚方市の服部道子さん(57)が、関西大(同府吹田市)の文学部を4年間で卒業した。キャンパスから救急車で病院に運ばれたこともあったが、「学びが元気のもと」と通い続け、生と死を見つめた卒業論文を仕上げた。4月から大学院に進む。

 この日の卒業式で、紺のスーツを身につけた服部さんは、前から2列目に座った。河田悌一学長は祝辞で服部さんに触れ、「心からお祝いし、さらなるご努力を祈りたい。卒業生の皆さんも人生いろいろあったとき、服部さんのことを思い出して心を引き締めてほしい」と話した。

 同じゼミで、共に卒業した鈴木稔也さん(24)は「服部さんが頑張って論文を書いている姿をみて、ずいぶん励まされた。私生活でも、晩ご飯のおかずをわけてもらい、『おかん』のようでした」。

 難病の原発性肺高血圧症、肝硬変、髄膜腫を患い、余命宣告されたのは00年春。主治医は服部さんに「5年くらいかな」と言ったが、夫には「長くて3年」と伝えた。

 人生が残り少ないと覚悟したとき、思い立ったのは、父の病気と家計への気兼ねであきらめた高校進学だった。通信制高校に入り、05年に関大文学部をAO入試で受験。面接で志望理由を聞かれ、「生きるため」と答えた。

 週3〜4日、呼吸を助ける酸素ボンベを引いて構内の坂をゆっくり上り、教室に通った。通学の日も家族の食事づくりは怠らなかった。苦労したのは語学。英語や朝鮮語の辞書をひいて予習して授業に臨んだが、年齢による記憶力の壁を感じた。「ふつうの学生」としてゼミの飲み会にも参加した。

 病気の進行は止まったかにみえたが、3年生の後半から不整脈が目立ち始めた。07年10月には授業中に発作が起き、救急車で運ばれた。卒論づくりに入っていた08年12月には、不整脈を抑える緊急手術を受けた。

 卒論のタイトルは「生と死の間」。脳膜炎、肝炎、肺結核と幼いころからずっと病気に襲われ、まさに生死のはざまで卒論に取り組む自分。そして、フィリピンや中国での戦争と、炭鉱の仕事で患ったじん肺で死に直面し、今の自分と同じ57歳で亡くなった父。人生をたどりながら「なぜ私は死なないのか」と自問し、「ほとばしる魂」があるからだという答えを導いた。

 春からは大学院に進み、生命倫理について研究する。次は、父の死後にじん肺訴訟の原告団の副団長になり、炭鉱会社と闘った母の生きざまを題材に、生きることの意味を探りたいという。

学童保育所、自治体による情報収集や安全確保に遅れ


07年度の事故は1万2800件
 共働き家庭などの児童が放課後を過ごす学童保育所に対し、自治体による情報収集や安全確保の取り組みが遅れているケースの多いことが、国民生活センターの調査でわかった。

 同センターは昨年、全国1811の市区町村を対象に調査を実施し、1133件の回答を得た。2007年度は学童保育所で1万2832件のけがや事故が起きた。うち入院が179件で、死亡事故が1件あった。06年度の事故件数は9857件だった。増加の理由について、同センターは「入所希望者の増加による施設の過密化や低賃金などで指導員が不足しているため」とする。

 また、施設から、けがや事故の報告を受けている自治体は全体の88・4%に上った。だが、報告された件数を集計しているのは42・5%、情報を分析し施設や利用者に提供しているのは23・6%にとどまった。けがや事故を防止するための課題としてあげたのは、「施設の狭さ」が49・1%で最も多く、「児童の過密・大規模化」(41・6%)、「指導員の対応・研修」(38・3%)が続いた。

 学童保育所を利用する児童数は毎年増加し79万人。待機児童も1万人を超えている。全国学童保育連絡協議会(東京)事務局次長の真田祐さんは「児童の安全確保のためには、適正規模の施設を増やし、指導員の労働環境を改善するなど、学童保育行政の強化が急務だ」と話している。

2009年3月23日 (月)

日本の教員11時間勤務 フィンランドの倍近く


 小中学校教員の1日の平均勤務時間(休憩を除く)は11時間6分で、国際学力調査で高い学力を示すフィンランドの6時間16分より5時間近く長いことが22日、国民教育文化総合研究所の調査で分かった。

 研究所は「フィンランドは学習指導が主だが、日本は文書整理や部活、学校行事の準備に追われている」とみている。

 調査は昨年1〜5月に実施、両国の計約1100人の教員が回答した。日本は、フィンランドより20分早い午前7時36分に学校に到着。学校を出るのは約4時間遅い午後7時2分だった。

 主な業務のうち、両国の差が際立ったのは1カ月当たりの文書作成。日本が22・8回なのに対し、フィンランドが5・7回だった。

法科大学院:入試に門前払い制度 下位15%目安に−−中教審部会案


 中央教育審議会法科大学院特別委員会の作業部会は19日、大学院入学者の質を確保するため、入学希望者に課す適性試験の成績下位15%を目安に、入学最低基準点を定める「門前払い」制度の導入などを含む改革案を特別委に出した。強い反対意見は出ず、4月に特別委がまとめる報告に盛り込まれる見通し。

 適性試験は、大学入試センターと日弁連法務研究財団がそれぞれ実施し、入学希望者はいずれかを受験しなければならない。点数が著しく低くても合格させているケースがあるため、作業部会は適性試験で測る判断力や思考力について「高度専門職業人として備えるべき資質・能力」と指摘。試験の実施機関が得点分布状況などを考慮し、下位15%を目安に毎年の最低ラインを設定すべきだとした。

 さらに作業部会は、試験の内容について安易な受験対策が難しくなるよう改善することや、2機関の試験を統一化することなども提言した。

「父親と長く過ごすほど我慢強い子に」 厚労省調査


 1歳の時、休日に父親と過ごす時間が長かった子どもほど我慢強く、落ち着いて話を聞けるようになる。厚生労働省の「21世紀出生児縦断調査」で、こうした傾向が浮かび上がった。子育てに父親の参加が大切なことを示すデータだと厚労省はみている。

 調査は、01年生まれの子どもの親を対象に01年度から毎年追跡して調べ、6回目の06年度は欠かさず回答した約3万6千人分を集計。5歳6カ月になった子どもの行動を、2回目(1歳6カ月時点)に聞いた「休日に父と過ごす時間」と照らし合わせた。

 「我慢すること」ができると答えたのは、父親と過ごすのが「1時間未満」だった子で67%だったが、「1〜2時間」は70%、「2〜4時間」は71%、「4〜6時間」は72%、「6時間以上」は76%だった。「落ち着いて話を聞くこと」ができるのも、それぞれ77%、79%、80%、81%、82%で、父親と過ごす時間が長いほど割合が高かった。

 また、「ひとつのことに集中する」「感情をうまく表す」「集団で行動する」「約束を守る」もほぼ同じ傾向で、できると答えた割合は「6時間以上」が「1時間未満」を2〜5ポイント上回った。

皇太子さま、イスタンブールの日本人学校へ


 トルコ訪問中の皇太子さまは18日、イスタンブールの日本人学校で児童生徒らと交流された。

 学校では和太鼓演奏や合唱で皇太子さまを歓迎、生徒代表が「皇太子殿下の訪問は大変うれしくかけがえのない思い出になります」とあいさつした。皇太子さまは、「トルコ人の友達を作ってトルコの理解を深め、この地から日本という地を見つめて下さい」と応じられた。

 その後、ヨーロッパとアジアを結ぶ、幅約1キロのボスポラス海峡で大手ゼネコン「大成建設」が進める横断地下鉄工事現場を視察された。

「あきらめるな」下村教授が母校長崎大で講演


 オワンクラゲからの緑色蛍光タンパク質(GFP)発見でノーベル化学賞を受賞した下村脩・米ボストン大名誉教授(80)=米マサチューセッツ州在住=は22日、母校の長崎大(長崎市)で講演。学生ら約700人に「どんな難しいことでも努力すれば何とかなる。あきらめないでがんばろう」とメッセージを送った。

 下村さんは長崎大薬学部の前身の長崎医大薬学専門部を卒業。同日午前には、県議会議場で長崎県名誉県民の顕彰式が開かれ、金子原二郎知事は「下村博士の功績は県民の誇り」とたたえた。名誉県民は3人目。

 講演で下村さんはスライドを使い自身の半生やGFP発見に至るまでを説明。「生物発光の研究者はほんのわずか。一般に難しいと思われているが、若い人に元気を出してほしい」と述べた。

 長崎西高2年の鶴崎慎也さん(17)は「自分も研究職に就きたいと思っており、勇気づけられた」と感銘を受けた様子だった。

 長崎大では講演を挟んで、名誉博士号の授与式や業績展示室の披露もあり、下村さんは「日本に故郷があるとすれば長崎。長崎で名誉を受けるのは非常にうれしい」と話した。

さようなら「六本松」 九大生・OB、感謝の集い 福岡


 今月いっぱいで移転する九州大六本松キャンパスへの別れを告げるイベント「ありがとう、そしてさようなら六本松」が21日、福岡市中央区の同キャンパスであった。学生有志でつくる「箱崎九大記憶保存会」が企画した。

 自作DVDなどを展示し、九大生行きつけの周辺の店にも感謝の思いを伝えようと、学生やOBら約50人が「六本松キャンパスは私たちの青春でした」などのプラカードを掲げ、約30店舗に寄せ書きを手渡した。

 この日は、伊都キャンパス(同市西区など)への移転に伴い閉寮する六本松キャンパス近くの男子寮「田島寮」の閉寮式もあり、約200人が出席。最後に肩を組んで寮歌などを歌い、九大生の歴史をかみしめた。

2009年3月22日 (日)

産後鬱病から母親救え 相談相手はネット/不十分なケア体制


 出産後、気分が落ち込んで家事や育児に集中できなかったり、わが子をいとおしめず自己嫌悪に陥ったりする「産後鬱病(うつびょう)」。自覚がなかったり相談先がわからなかったりで治療機会を逃す人や、家族から病気と理解されずに一人苦しむ人が少なくない。現行の母子保健制度では産後の不安定な母親の心までケアが行き届かないためで、十分な支援態勢作りが急がれる。

 東京都に住む会社員の女性(37)は2年前に長女を出産し、3カ月ほどたってから何に対してもやる気が起きず、不眠に悩むようになった。

 結婚して7年目に授かった待望のわが子。楽しく幸せな生活を思い描いていたが、実際には長女は泣きわめくなど思いどおりにいかないことが多く、しだいに愛着が持てなくなり、ふさぎ込むようになった。

 夫や親らに相談しても「育児に大変さはつきもの」と軽くあしらわれた。「周囲の理解が得られず、どこに相談していいかもわからないし…病気という認識もなくて本当に苦しかった」と振り返る。

 宗田院長の元には、産後鬱病を患って産婦人科や小児科、精神科を受診したものの、病気と思われず診療を拒まれ、悩み抜いた末に訪れる母親が後をたたない。

 「症状が現れたら、すぐに医療機関や保健所などに相談すること。専門のカウンセリングや周囲のサポートをしてもらえるよう状況を改善することで、半年から1年ほどで回復する」と宗田院長は話す。

 服薬による授乳への影響を心配して受診を控える母親も少なくないが、宗田院長は「必ずしも産後鬱病の患者すべてに抗鬱剤が必要なのではなく、カウンセリングなどで良くなることも多い」という。

 「産後鬱病を患う母親が広がりつつある背景には、インターネットなどの育児情報に振り回され、育児への気負いから完璧(かんぺき)な“母親像”に惑わされた人たちが自信をなくし、過剰にストレスをためこんでいるのではないか」

 こう分析するのは産後鬱病に詳しい三重大学保健管理センター教授で周産期メンタルヘルス研究会代表の岡野禎治医師。親や親戚(しんせき)が近くにおらず、近所付き合いも希薄で育児経験者に相談できず孤立して、ネットに頼るしかない人が多い現状に警鐘を鳴らす。

 さらに「現在の母子保健制度は子供が主体となっており、母親の心の問題まで対応できていない」と指摘。出産後、保健師らが乳児宅を訪問しても、乳児の健康状態にばかり目を向けがちで、母親の不安定な精神状態を見極め、必要に応じて専門治療を受けるよう助言するような態勢にはなっていないという。

 岡野医師は「精神保健の視点から、母親のメンタルケアに重きを置いた包括的な支援態勢作りを早急にすべきだ」と話している。

あしなが育英会:遺児、私大学費免除で要望書


 休学中の学費を免除する制度が国公立大に比べ私大で進んでいないことから、災害などで親を亡くした遺児を支援する「あしなが育英会」(東京都千代田区)の奨学金を受けている遺児の私大生ら5人がこのほど、「日本私立大学団体連合会」(同)に免除を求める要望書を提出した。

「おやじの会」解散 いじめから学校立て直した23年


 東京都中野区の区立中野富士見中学校で、86年に起きたいじめ自殺事件がきっかけで生まれた「おやじの会」が22日、活動を終える。少子化で学校が統廃合されるのを機に、解散を決めたためだ。事件から23年。学校を立て直そうと、取り組んできた地域の父親たちの活動は、全国に広がっている。

 「このままじゃ『生きジゴク』になっちゃうよ」

 遺書を残し、同中2年の鹿川裕史君が命を絶ったのは86年2月のことだった。生前に級友が「葬式ごっこ」をし、その際使った追悼の色紙に担任ら4教諭が署名していたことも分かった。

 学校に「廃校にしろ」などという抗議、批判が殺到した。学校の中はもちろん、保護者も疲れ切った。当時、PTA会長だったのは矢口正行さん(67)。「学校は地域の核。学校を守りたい」と、矢口さんが、周囲の父親たちに「おやじの会」の立ち上げを呼びかけた。事件の翌月には会ができた。

 もちろん会の目的は、生徒との交流だ。そのために、多くの行事を主催した。

 最初に始めたのは、夏休みに都内を一晩中歩き続けるナイトウオーク。親、先生公認の「夜間はいかい」だった。ツッパリがいた。途中で、たばこを吸う生徒もいたが、遠慮なく、おやじたちがしかりつけた。

 そのほか、年明けのもちつき大会や、新入生を歓迎するグリーンウオーク。商店街の祭りには、先生と一緒に夜店を出した。次第に、子どもたちの顔と名前が一致するようになった。わざわざ見回りをしなくても、夜遅くに姿を見かければ、「もう帰れ」と注意できる。おやじ、先生、子どもたちが顔見知りになるとともに、荒れていた学校が落ち着いていった。

 学校との距離にも気を使った。「学校に土足で踏み込まない」が会の大原則。学校の方針に口は出さず、支える姿勢を貫く。牧井直文校長は「学校を見守ってくれているので教職員も信頼感をもっている。会のおかげで、今の時代に忘れられているような地域のふれあいが根づいている」と話した。

 同中のいじめ自殺事件の後も、全国でたびたび、いじめ事件が起きた。その中の一つ、91年に大阪府豊中市の中学校で起きたいじめ死亡事件。直後に矢口さんは、この中学校に「私たちも大変だったが、おやじの会ができて、学校もよくなりつつある」と手紙を書いた。

 この学校も、中野富士見中事件の後と同じように、批判の嵐の中にあった。すぐに教頭とPTA会長が、矢口さんのもとを訪れた。数少ない励ましの声に勇気づけられたからだ。同校にも「お父ちゃんの会」ができ、今では豊中市のほとんどの中学校に会がつくられた。

 そして今、800団体以上が登録する全国連絡会ができるほど、おやじの会は各地に広がった。

 現在の中野富士見中おやじの会の会員は35人ほど。ただ、現役中学生の父親は少なくなり、解散するきっかけの一つにもなった。矢口さんは「新しい中学校で会を作るなら、若い人たちが中心になってほしい。バックアップはする」と話す。

 22日の「感謝の集い」で、在校生や卒業生に特製の豚汁とポップコーンを振る舞うのが、最後の活動になる。

法科大学院適性試験、下位15%門前払いへ…中教審特別委報告案


 法科大学院のあり方を検討している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会は19日、入学試験の際に行っている適性試験について、総受験者のうち最下位から15%を目安に門前払いにすべきだとする報告案をまとめた。

 適性試験は、入学試験の際に小論文や面接とともに行われている。司法試験の成績との間に相関関係はみられず、配点を下げる法科大学院が増えているが、思考力や分析力など見るうえで重要だと指摘。受験者の下から15%程度は門前払いにすべきだとした。

検定GO!:ご当地編 米沢観光文化


 大河ドラマ放送に合わせ、大河ドラマ「天地人」米沢市推進協議会が公募により制作したキャラクターの名前は何か。

<1>かねたん

<2>なおつぐ

<3>かねやん

<4>なおにゃん

 (直江兼続の巻より)

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 《米沢観光文化検定》

 【目的】米沢に住む人々の郷土への愛着をさらに深める/出題形式・選択式/受検料・1000円(直江兼続の巻は別途500円)/問い合わせ・米沢商工会議所0238・21・5111(解答は<1>)

2009年3月21日 (土)

【教育動向】「学力」だけじゃない…企業が求める「意欲」や「意識」


4月から小・中学校で、新学習指導要領の先行実施が始まります。新指導要領は「ゆとり教育」から「学力向上」へとかじを切ったと言われていますが、実はそう単純なものではなく、知識の「習得・活用・探究」をバランスよく行っていくことを目指しています。では、文部科学省が独自の見解でそう言っているのでしょうか? ここでは、子どもたちが将来出て行く企業社会の側から見ていきましょう。


主要経済団体の一つである社団法人経済同友会は先頃、「18歳までに社会人としての基礎を学ぶ」と題する提言をまとめました。折しも金融危機が世界を巻き込むなかで、国際社会にも対応できる人間として若い人たちが何を身に付けるべきか、といった危機感にあふれています。

そこでは、多くの知識を得ることはもちろん、▽異質なものに触れてその存在を認め、多面的に物事をとらえる力▽高い倫理観を養い自己を確立すること▽社会のさまざまな事柄に関心と疑問を持ち、自ら考え、自ら判断して挑戦、実行していく力……が重要だとしています。

しかも、学力は一部のエリートだけが身に付けていればよい、というものではありません。提言では、中・下位層と上位層に二極化する「教育・学力のM字型」が起こっていることを問題視し、教育水準の底上げを訴えています。


同友会は2年前に、「18歳成人論」を提言しています。それまでに社会人としての基礎を身に付け、より高い意識を持って社会に出るのみならず大学にも進学してほしい、というわけです。そのためにも、高校では受験や教科だけでなく、自分で学ぶ習慣を付けるとともに、学びたいことや将来について考える場として大切にすべきだと訴えています。

提言は一方で大学の役割に期待し、その充実を求めているのですが、そもそも大学に進学する学生に学ぶ意欲や目的意識がなかったら、何にもなりません。希望すればどこかには入れる「大学全入時代」を迎えて、受験があれば自然と意欲や意識が向上するような時代ではありません。だからこそ、高校や中学校の意義を強調しているのです。そして、そこに求めているのは、善悪の判断や忍耐、礼儀なども含め、子どもに「自立した社会人になる」基礎を付けさせることです。


保護者の方々も実感されているように、これからの社会は、ますます厳しくなっていくことが予想されます。そんな社会に旅立つ子どもたちには、これまで以上のたくましさが求められそうです。そんなことも頭の片隅に置きながら、新年度からお子さんの学校で行われる授業や教育活動を見てみてはいかがでしょうか。

読書の魅力「立ち止まって何度でも」 中高生らに講演「ホンヨモ!セッション」


 中高生のための読書の集い「ホンヨモ!セッション」(実行委員会、毎日新聞社主催)が20日、東京都千代田区の毎日ホールで行われ、キャスターの内田恭子さん(32)が講演。中高生ら150人を前に、自らの読書体験を交えて本の魅力を語った。

 講演は重里徹也・毎日新聞学芸部長との対話形式。内田さんは、小学生のころからマンガは禁止の家庭環境で、「若草物語」や「大草原の小さな家」など外国文学に親しんで育った。小学3年生で「車輪の下」を父親に買ってもらい、初めての単行本で大人の仲間入りをしたような気がしてうれしかったという。

 10代半ばで読んだ「ジェーン・エア」の一部を、ヒロインの心情に寄り添うように細かく描写。「賢くて、周りへの鋭い洞察力を持ち、自分を見失わない強さ。時代も国も文化も違う中でのストーリーですが、どこかで私が求めている女性像でもある」と時間や空間を超えて登場人物と出会える喜びを語った。

 多忙な生活を送る現在は、インターネット書店の「アマゾン」で本を見つけ、入浴中や就寝前にページをめくって「現実逃避」。西加奈子、三浦しをん、川上未映子ら同世代の女性作家の作品から大きな刺激を受けているという。

 内田さんは個々の作品について丁寧に話した後で、「テレビや映画、ゲームなど、たくさんのエンターテインメントがある。それと同じくらい大きな楽しみを与えてくれるのが本」とまとめた。「テレビは録画しない限り一瞬で終わってしまうけれど、本は自分の好きなときに立ち止まって何度でもそのページを開くことができる、すごく豊かなものだと思います。みなさんも、本との生活を楽しんで」と呼びかけると、会場から大きな拍手が送られた。

 イベントの詳細は31日付の毎日新聞朝刊(東京本社版)で特集。対談で触れられた作品リストも掲載する。

徳島大准教授、セクハラで減給50%、ただし1日分


 実習で女子学生にセクハラ行為をしたとして、徳島大学は18日、同大大学院ヘルスバイオサイエンス研究部の50代の男性准教授を減給の懲戒処分にしたと発表した。

 同大は、准教授が07年10月の実習で女子学生に顔を近づけた行為と、同11月の実習で女子学生の腰に触った行為をセクハラと認定。准教授の4月給与から賃金1日分の50%にあたる約8千円を減給することにした。准教授は、「セクハラの意図はなかったが、不快な思いをさせてしまい申し訳ない」と話したという。同大は、処分の公表基準に基づいて、准教授の氏名を明らかにしていない。

「言語力」検定、秋スタート


論理性や分かりやすさ採点
 文章や図表などを正確に理解し、自分の考えをまとめて表現する「言語力」をためす検定が、今秋スタートする。


 言語力は、国際学力調査などで課題として指摘され、新学習指導要領でも重点を置いている。識者らは検定が教育界に与える影響に注目している。

 検定を行うのは、読書活動を推進している文部科学省所管の財団法人「文字・活字文化推進機構」。小学3、4年レベルを想定した6級から、大学卒業以上を目安にした1級の6段階に分かれる。今秋に中学・高校レベルを想定した3、4級の検定から始める。

 問題は小説、エッセーなどの文学、数学や物理、化学などの論文、政治や経済など社会問題を扱った論評の3分野。こうした文章に加え、グラフや地図、ポスターなども読み、正確な読解と思考力を試した上、文章を書かせて表現力をみる。

 中高生対象の3、4級レベルについて、同機構は想定問題を公表した。二酸化炭素などの「温室効果ガス」に関する文章や、二酸化炭素の排出割合の円グラフを示し、選択問題で理解しているかを問い、受験者の考えを記述させる内容になっている。論理性や分かりやすさなどを採点基準にするという。

 こうしたタイプの問題は、経済協力開発機構(OECD)が15歳を対象に行っている国際学習到達度調査(PISA)の「読解力」で出されており、日本はフィンランドなどトップグループの国に大きく引き離されている。

 また、小中高校の新しい学習指導要領が「言語力」の育成に重点を置いたのを受けて、問題作成には国立教育政策研究所の有元秀文総括研究官らが携わる。フィンランドでは早くから、言語力育成に取り組んでおり、同国の教育に詳しい日本教育大学院大の北川達夫客員教授も起用された。

 北川客員教授は「地球温暖化や貧困など世界的な問題を議論する際、説得力がものを言う。言語力そのものを鍛えておかないと、国際社会では意見が尊重されにくい」としている。

 大阪教育大の田中博之教授(教育方法学)は「言語力向上をはかるような問題を各学校や教師が作るのは難しいので、検定が順調に機能することを願う。教育界全体が関心を持てば、一層効果が上がる」と期待している。

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宮崎の私立8高校でも授業料滞納理由に卒業証書渡さず


 宮崎県の私立高校8校が、授業料を滞納した生徒計14人に卒業証書を渡さなかったり、後で回収したりしていたことが19日、県の調査で分かった。

 県文化文教・国際課によると、3校が6人に卒業証書を授与せず、5校は8人にいったん渡した卒業証書を回収した。県立高校では同様のケースはなかった。

 同課は「授業料を納付しなければ卒業証書を渡せないと学校側が事前に説明し、保護者の了解を得たうえでの措置だった」としている。

新学習指導要領:文科省、補助教材を公表 先行実施に合わせ


 文部科学省は19日、09年度からの新学習指導要領先行実施に合わせ、小中学校で使用する算数・数学と理科の補助教材を公表した。新指導要領は小学校が11年度から、中学校は12年度から全面実施されるが、先行実施にあたり現行の教科書に載っていない部分を補うため教科書会社に委託して作成した。年度内に計約1680万部を配布する。学習指導要領改定に伴い、国が費用を負担して補助教材を作ったのは初めて。

 作成は6社に委託した。小中計76種で、平均ページ数は最も多い小4が2教科計74ページ、中1では計68ページ。配送費を含む総予算は約10億4000万円。

 小5算数の補助教材(学校図書)は「台形の面積」を取り上げる際、公式を覚えるだけでなく、記述式で求め方を児童に考えさせるスタイルを採用。3人の異なる考え方も示し、似ている点や違う点について話し合うことを促している。文科省は「新要領が目指す『言語活動の充実』を踏まえて工夫した」としている。

瀬戸内学院が民事再生法を申請 香川西高校など経営


 私立香川西高校(香川県三豊市)などを経営する学校法人・瀬戸内学院は19日、民事再生法の適用を東京地裁に申請し、保全命令を受けた。同学院が同日発表した。

 同学院は、経営する瀬戸内短大(同市)の学生数減少などで経営が悪化。昨年12月に再建計画案をまとめ、弁護士らによる再建支援チームを立ち上げたが、資金繰りに行き詰まったとみられる。

 同学院は08年、教職員の退職資金を私立大学退職金財団などから不正受給し、法人の運転資金に流用したとして文部科学省から業務改善の指導を受けている。

 香川西高は、野球部が全国高校野球選手権大会に3回、サッカー部が全国高校サッカー選手権に4回、県代表として出場している。瀬戸内短大はすでに09年度の学生募集を停止している。

「台形の面積」じっくり解説、小中の理数科目に補助教材


 4月から小中学校の算数・数学や理科の授業に「台形の面積の求め方」や「イオン」が復活するのを前に、文部科学省は19日、理解を助けるために使用する補助教材を公表した。

 「脱ゆとり教育」を目指す新学習指導要領の一部が4月から先行実施され、理数科目の授業時間が増えるのに伴うもので、補助教材を国が作成するのは初めて。最も分量の多い小学4年の算数は60ページ近くになる。同じく4月から始まる小学校英語の補助教材「英語ノート」の改良版とともに、月内に全国の小中学校に配布される。

 学習指導要領は1968〜69年の改定を最後に学習内容が減らされ続けており、増やされるのは約40年ぶり。国公私立すべての小中学校で現在使用されている教科書の出版元7社に委託して、それぞれの教科書に対応する形で作成した。

 分量は教科書会社によって異なるが、平均すると小学4年の算数は56ページ、小学6年の算数39ページ、中学1年の数学40ページ。小学5年の算数に復活する台形の面積の求め方<(上底+下底)×高さ÷2>に数ページを費やすなど、記述欄が多く設けられているのが特徴で、言語活動の充実を掲げた新学習指導要領を反映した内容になっている。

 一方、英語ノートは昨年4月に公表された試作版を改良した。理数の補助教材は10億4000万円で計1680万部、英語ノートは1億3000万円で262万部が印刷され、いずれも無償配布される。

2009年3月20日 (金)

文科省が「英語ノート」 コミュニケーションを重視


 英語や中国語、韓国語でじゃんけんしてみよう−。文部科学省は19日、4月から小学校5、6年の外国語活動で使用できる教材「英語ノート」を公表した。

 中学校英語の“先取り”ではなく、外国人とも積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を養うことが主眼で、英語以外の言葉も取り上げている。

 ノートは2分冊。9カ国のあいさつ紹介や、じゃんけんの項目のほか、水族館のイラストとともに「海星」「海老」「海月」の意味を問うページも。読みはヒトデ、エビ、クラゲで、「クラゲは英語でゼリーフィッシュ。海中生物で日本語は『海』を、英語は『フィッシュ』を多用するといった言語の特徴にも気づいてほしい」と文科省。

 外国語活動は平成23年度から導入されるが、今年4月から総合学習を振り替えて先行実施が可能。英語ノートは音声CD、パソコン上で教材が動くデジタル版とセットで配布される。

ベネッセ:独身女性向け通信教育 婚活向け?「勝負料理」レッスン


 ベネッセコーポレーションは4月、20〜30代の独身女性向け通信教育「ハピコレ」を始める。「大切な人のために作る勝負料理マスター」など、若い女性の関心が高い「料理」「美容」「暮らし」の3分野で計21コース。原則として6カ月で学ぶ。1カ月ごとに教本1冊と、料理ならフライパン、スキンケアなら美顔器といった付録が付く。同社の主な受講者層の中高生と子供がいる女性の間を埋めることが狙い

 19日に開かれた発表会では、「勝負料理」を監修した料理研究家の関岡弘美さんが「男性向けだが、作る側の女性も食べたいと思うような料理を考えた」と話し、レッスンの中で紹介する「鶏ささ身とハム、チーズの春巻き」「アボカドとえびのサラダ」の作り方を披露した。

 同社では「勝負料理」を考えるにあたり、25歳〜24歳の男性約400人に好きな料理を調査。1位がカレーライス、2位から揚げ、3位ハンバーグとの結果が出たため、「勝負料理」コースに取り上げている。3分野についても、対象年代の女性2万人にウェブアンケートを実施、関心が高いものを選んだ。「(お金の)貯め&殖やしワザ」や家事の基本を学ぶ「大人の家庭科」など、意外な分野も挙がったという。

 同社の植田幸治・社会人学び事業開発部長は「アンケートで、若い女性が仕事以外に自分に自信を持ちたいと思っていることが分かった。通うよりはコストがかからない通信教育と関連製品を組み合わせて、新しいサービスを提供できる」と話した。既に資料請求が15万件あるといい、初年度に約10万人の入会者を見込んでいる。

黒鉛から世界一硬いダイヤ? 兵庫教育大など作成に成功


 結晶の粒が小さく、世界で一番硬いダイヤモンドになりうる「非結晶ダイヤモンド」を黒鉛から作ることに、兵庫教育大や東京工業大などのチームが成功した。20日付の米物理学会誌フィジカル・レビュー・レターズに発表する。切削工具での利用などが期待される。

 ダイヤも黒鉛も炭素が集まってできている。庭瀬敬右(けいすけ)・兵庫教育大教授らは、実験用原子炉内で黒鉛に中性子線を当ててダメージを与えた。その黒鉛に、秒速1.7キロの速さで金属片をぶつけ、一瞬、高圧高温の状態にすると、最大100マイクロメートルのガラスのような破片ができた。破片に光を当てて分析すると、結晶の粒が極限まで小さく、粒の向きがそろっていない非結晶ダイヤになっていた。小さすぎて硬度は測れなかった。

 03年に、愛媛大が世界一硬い人工ダイヤを作ったと英科学誌ネイチャーに発表している。庭瀬さんは「ダイヤは結晶の粒が小さいほど硬いと予測している。今回作った非結晶ダイヤは、世界で最も硬いダイヤモンドになった可能性がある」と話している。

休日に父と長時間過ごす子 我慢、集団行動できる子


 父親が休日に幼児期の子供と過ごす時間が長くなれば、子供が良好に育つ傾向がある−。父と子の関係のこんな実態が18日、同一家庭を継続的に追う厚生労働省の「21世紀出生児縦断調査」で明らかになった。厚労省は「父親が幼児期に触れ合う機会を積極的に取ることの大切さがうかがえる。父親の子育てへの意識の芽生えにも効果があるのでは」としている。

 調査は子育て支援などの参考のため平成13年生まれの子供の家庭を対象に毎年継続的に実施している。今回は、これまでの調査で回答のあった5歳半の子供約3万5000人の結果を再分析した。

 分析結果によると、休日に父親が1歳半の子供と過ごす時間が「1時間未満」だった場合、「我慢」「集団行動」「約束を守る」といった子供の発育状況について、4年後の5歳半に成長した時点で「できる」と答えた割合は、それぞれ、66.8%、88.4%、74.6%だった。

 一方、過ごす時間が「6時間以上」の場合では、それぞれ、75.5%、93.0%、79.9%と軒並み割合が増加。幼児の早い時期に父親と過ごす時間が長くなるほど、子供の発育状況に関して、「できる」と答えた割合が、高くなる傾向が分かった。

全国学力テスト:埼玉県教委、市町村名伏せ部分開示−−全国4番目


 埼玉県教委は18日、07年度に実施した全国学力テストの市町村別結果について、市町村名を伏せて部分開示することを決めた。市町村別の結果開示を決めたのは大阪府と秋田、鳥取県に次いで全国4例目。開示するのは、市町村別の国語、算数(数学)小中各4分類の正答率と正答数。県民の情報公開請求に対し、市町村名、学校数、児童生徒数を黒塗りにして開示する。

 文部科学省は実施要領で、都道府県教委が市区町村別・学校別の結果を開示しないよう定めている。埼玉県教委も「結果開示で実施方法への信頼が損なわれたり過度の競争につながるおそれがある」と主張したが、県情報公開審査会は昨年12月、「いずれの『おそれ』も具体的といえず、不開示理由として認められない」と判断した。

 県教委は「市町村の教育長らに意見を聞いた上で部分開示することにした」と話している。

NHK高校講座、小学レベルから 学び直し、集中放送へ


 1960年の放送開始以来、高校生の自宅学習や通信制高校の教材に利用されてきたNHK教育テレビの「高校講座」。その番組でこの4月、初めて義務教育の学習内容が放送される。小学校中学年レベルから用意し、「学び直し」に使ってもらいたいという。「ゆとり」路線以来指摘されている学力低下に加え、勉強に意欲が持てない生徒は増えており、おなじみの老舗(しにせ)番組も実情を踏まえて「決断」した。

 「ベーシック10」と銘打ち、通常の教科ごとの講座とは別に、4月6〜17日の平日、午後3時から集中放送する。国語、数学、英語を1日10分ずつ。ステップ1〜10まで難易度は日々上がり、最終的には「三平方の定理」(数学)といった中学レベルまで到達する仕組みだ。

 「『少ない』『短かい』『危ない』。間違った送りがなはどれ」

 「100グラムと5.5キログラムを足すと何グラム」

 「黒 赤 黄色 英語で言ってみよう」

 講座序盤にはこんな基礎的な問題が出てくる。コミカルでカラフルなアニメのキャラクターやラップによる陽気なBGMを使い、飽きさせないように工夫した。

 番組スタッフが参考にしたのが、千葉県立姉崎高校(市原市)の取り組みだ。同校は04年度から、「マルチベーシック」と名付けた学校独自の科目を設けている。「課題校」と呼ばれ、中退者の多さに苦慮していた同校。入学時の学力が高校水準に達していない生徒が大勢いた。アルファベットの書き取りや分数の計算など、小学生レベルからのプリント学習をほぼ毎日続けさせた。

 立ち上げに中心的にかかわり、「ベーシック10」でも監修を務める松本隆夫教諭(48)=現・県立木更津高校=は「まずは鉛筆を持たせることから始めた」という。「分からないままにしておくと授業が成立せず、学校生活も荒れてしまう。易しい問題からレベルを上げて意欲を持たせることが必要です」

 文部科学省によると、高校進学率は97.8%(08年度)とほぼ「義務教育化」している一方、中退者数は7万2854人(07年度)と多数にのぼる。不登校も5万人を超えるが、勉強につまずき、意欲がもてなくなるケースも多いとされる。

 番組は、放送後もパソコンのネット上で無料で見られる予定。将来的には、高校生により身近な携帯電話で視聴できるようにしたいという。

「まわりに違法薬物所持・使用者いる」早大生400人超回答


 大麻取締法違反で学生が逮捕された早稲田大が、学生を対象に薬物に関する意識調査を行ったところ、「まわりで大麻などの違法薬物を所持したり、使用したりしているか、していた人がいる」と答えた学生が400人を超えていたことが17日、分かった。

 早大広報課は、「『まわりの人』がすべて早大生ではないが、学生の身近に違法薬物が迫っていると改めて認識した」としており、今後、大学としても講習会などを通じて注意喚起していくという。

 調査は、昨年12月〜今年1月にすべての学部生、大学院生計約5万3000人を対象に実施。8%にあたる4702人から回答を得た。

2009年3月19日 (木)

【教育】「理科好き」女子 中高一貫女子校 授業6割実験、考える力にも


 新年度から先行実施される新学習指導要領では理科離れのなかで科学への興味、関心育てる授業が重点の一つ。私立中高一貫の女子校「小野学園女子中学・高校」(東京都品川区)は中学で理科授業の3分の2が実験といい、理・文系問わず問題解決能力の育成にも効果をあげている。歴史好きの女子「歴女(れきじよ)」が増えているというが、理科好きを育てる教育は科学立国日本の課題。どんな授業か同校を訪ねた。

 2月中旬、放課後に希望者が参加する理科実験教室。中学1年から高校1年の28人が2〜3人のグループに分かれて「クロマトグラフィーで色を分ける」実験に取り組んだ。かき氷に使われるメロンシロップから色素を抽出、含まれる着色料を探るのがテーマだ。

 食品添加物の種類や用途など関連知識について教師がクイズ形式で尋ねるなど実験中の指導も工夫。緑色の着色料が青色と黄色に分かれるなどを確かめ、約2時間にわたった。

 同校では、平成17年度から「理科実験重視」の授業を実施。理科の全授業時間のうち、中学1、2年では3分の2を、3年や高校1年では3分の1を実験に充てる。内容は「空気の重さを調べる」「DNA抽出実験」など多岐にわたり、中学入学からの4年間で152種類、理系の生徒は6年間で185種類をこなす。

 授業以外にも教科書に載っていない実験ができる先の理科実験教室や大学との連携による実験授業で生徒を最先端の科学に触れさせるなど環境作りに努めているという。

 重視するのは、仮説に対する議論。仮説の理由を説明し、生徒同士が話し合うことに時間をかける。「仮説を立てた上で実験結果を考察するプロセスを踏むと、そこから他のことにも疑問を持つ良いサイクルができる」と理科の中川大輔教諭。

 長谷良一教頭は「仮説を立て結果を考察し、更なる問題解決のために再実験する理科実験のサイクルは、社会における問題解決の仕組みと似ている。文系・理系を問わず実験を多く取り入れることで問題解決能力を育成し、社会でも家庭でも必要となる『考える力』を養いたい」という。

 経済協力開発機構(OECD)が18年に行った「国際学習到達度調査(PISA)」のアンケートでは、日本の高校1年の「科学への興味、関心」は世界最低レベル。「科学に関する雑誌や新聞の記事を読む」は最下位となるなど、理科学習に対して消極的な実態が明らかになっている。「理科が嫌いでも実験が好きという生徒は多い。『なぜ』『どうして』を重視し、まず理科を好きにして、理数を得意になりたいという気持ちに変えていきたい。そのために実験は最も有効」と長谷教頭。

 早くも効果が出始め、平成19年度の理系大学進学率は、17年度の約7倍に増加、理系を選択する生徒は年々増えているという。高校2年の新田理佳子さんは「最初は実験が嫌いだったが回数を重ねていくうちに楽しくなった。マイナスイオンなど話題になっている科学的なことが事実か自分で確かめてみたい」と話す。

■大学は獲得作戦展開

 大学側も優秀な理系女子学生の獲得に躍起だ。

 東京大学は全学部生の女子の比率が2割程度(東大以外の東京六大学で30〜50%)といい、「女子学生3割作戦」を19年度入試から展開。理系志望の女子高生向けには女性研究者が最先端科学を講義、院生とランチをともに質疑するサイエンスカフェなども行われている。大阪大でも特に女子の比率が少ない工学部が「女子高生のためのオープンキャンパス」を開いた。

 一方、OECDの国際学力調査で学力世界一と注目されるフィンランドは、理系の大学院などへ進学する女性が多いといわれ、「母親が家庭で子供たちに教える家庭教育も学力の高さの秘密」という。

【教育】「理科好き」女子 中高一貫女子校 授業6割実験、考える力にも


 新年度から先行実施される新学習指導要領では理科離れのなかで科学への興味、関心育てる授業が重点の一つ。私立中高一貫の女子校「小野学園女子中学・高校」(東京都品川区)は中学で理科授業の3分の2が実験といい、理・文系問わず問題解決能力の育成にも効果をあげている。歴史好きの女子「歴女(れきじよ)」が増えているというが、理科好きを育てる教育は科学立国日本の課題。どんな授業か同校を訪ねた。

 2月中旬、放課後に希望者が参加する理科実験教室。中学1年から高校1年の28人が2〜3人のグループに分かれて「クロマトグラフィーで色を分ける」実験に取り組んだ。かき氷に使われるメロンシロップから色素を抽出、含まれる着色料を探るのがテーマだ。

 食品添加物の種類や用途など関連知識について教師がクイズ形式で尋ねるなど実験中の指導も工夫。緑色の着色料が青色と黄色に分かれるなどを確かめ、約2時間にわたった。

 同校では、平成17年度から「理科実験重視」の授業を実施。理科の全授業時間のうち、中学1、2年では3分の2を、3年や高校1年では3分の1を実験に充てる。内容は「空気の重さを調べる」「DNA抽出実験」など多岐にわたり、中学入学からの4年間で152種類、理系の生徒は6年間で185種類をこなす。

 授業以外にも教科書に載っていない実験ができる先の理科実験教室や大学との連携による実験授業で生徒を最先端の科学に触れさせるなど環境作りに努めているという。

 重視するのは、仮説に対する議論。仮説の理由を説明し、生徒同士が話し合うことに時間をかける。「仮説を立てた上で実験結果を考察するプロセスを踏むと、そこから他のことにも疑問を持つ良いサイクルができる」と理科の中川大輔教諭。

 長谷良一教頭は「仮説を立て結果を考察し、更なる問題解決のために再実験する理科実験のサイクルは、社会における問題解決の仕組みと似ている。文系・理系を問わず実験を多く取り入れることで問題解決能力を育成し、社会でも家庭でも必要となる『考える力』を養いたい」という。

 経済協力開発機構(OECD)が18年に行った「国際学習到達度調査(PISA)」のアンケートでは、日本の高校1年の「科学への興味、関心」は世界最低レベル。「科学に関する雑誌や新聞の記事を読む」は最下位となるなど、理科学習に対して消極的な実態が明らかになっている。「理科が嫌いでも実験が好きという生徒は多い。『なぜ』『どうして』を重視し、まず理科を好きにして、理数を得意になりたいという気持ちに変えていきたい。そのために実験は最も有効」と長谷教頭。

 早くも効果が出始め、平成19年度の理系大学進学率は、17年度の約7倍に増加、理系を選択する生徒は年々増えているという。高校2年の新田理佳子さんは「最初は実験が嫌いだったが回数を重ねていくうちに楽しくなった。マイナスイオンなど話題になっている科学的なことが事実か自分で確かめてみたい」と話す。

■大学は獲得作戦展開

 大学側も優秀な理系女子学生の獲得に躍起だ。

 東京大学は全学部生の女子の比率が2割程度(東大以外の東京六大学で30〜50%)といい、「女子学生3割作戦」を19年度入試から展開。理系志望の女子高生向けには女性研究者が最先端科学を講義、院生とランチをともに質疑するサイエンスカフェなども行われている。大阪大でも特に女子の比率が少ない工学部が「女子高生のためのオープンキャンパス」を開いた。

 一方、OECDの国際学力調査で学力世界一と注目されるフィンランドは、理系の大学院などへ進学する女性が多いといわれ、「母親が家庭で子供たちに教える家庭教育も学力の高さの秘密」という。

原子力学科:大学で復活 温暖化対策で脚光「技術者不足」 早大・東大…新設や改称


 原発の事故や不祥事でイメージが悪化し、90年代以降、大学の学科や専攻の名から次々と原子力の文字が消えた。だが、地球温暖化対策で原子力が世界的に脚光を浴び、大学で原子力を専攻できる学科が復興し始めた。10年春には、武蔵工大(4月に東京都市大に改称)と早稲田大が原子力専攻の大学院を共同で設立するという全国初の試みも登場している。

 武蔵工大は63〜03年に研究用原子炉を運転し、原子力の研究と教育の実績がある。昨年4月に原子力安全工学科を開設した。原子炉は廃止されていたが、残った制御機器などを活用する。昨年、エネルギー問題に関心を強める早稲田大の呼びかけで、共同の大学院を設立することになった。武蔵工大の堀内則量(のりかず)・原子力研究所長は「温暖化問題解決には技術に加え、政策も学ばなければならない。団塊世代の大量退職で技術者が不足する。早急に育成しなければならない」と語る。

 13基の商用原発が立地する福井県では、福井大が4月に国際原子力工学研究所を設置する。将来は複数の大学と共同で大学院を設置することも視野に入れる。福井工大は05年度、原子力技術応用工学科を開設した。

 原子力の名称も復活している。東海大は来春、エネルギー工学科を原子力工学科に改称する。00年度までは原子力工学科を名乗っていた。大学は「悪い印象は薄れた。受験生に教育内容が分かりやすいよう改称を決めた」と説明。東京大も05年度、大学院に原子力専攻と原子力国際専攻を開設し12年ぶりに原子力の名を持つ専攻を復活させた。

 チェルノブイリ原発事故(86年)や茨城県東海村の臨界事故(99年)などを機に、多くの大学は原子力工学をエネルギー工学や量子工学へ改組・改称した。日本原子力産業協会によると、90年代初めに原子力関係の学科や専攻は約20カ所あったが、その後の10年で半減した。

 しかし、稼働率が下がると、二酸化炭素排出量の削減が難しい。米国やイタリアなど原発建設を再開する国も出ている。一方で、老朽化する原発が増え、安全な運用と廃棄物処理、廃炉を進める上でも人材が必要だ。文部科学省などは07年度から「原子力人材育成プログラム」を始めている。岡芳明・日本原子力学会長は「(閉鎖的な)原子力村から脱却し、社会の信頼を得なければならない」と話す。

ネット巡回で被害防止 石川県教委、独自に対策チーム


 石川県教育委員会は4月から、ネット上の掲示板やブログなどのパトロールをする「ネットトラブル対策チーム」を新たに設置する。他府県では埼玉県教委が学校裏サイトなどの監視で臨時職員6人を雇用する方針を明らかにしているが、県が独自で組織を作って対策に当たるのは全国でも珍しい取り組みという。

 対策チームは、情報技術に詳しい教員8人と弁護士や県警サイバー犯罪対策室、携帯電話事業者らでつくる。パソコンと携帯電話を2台ずつ設置し、週に2回、半日ほどかけてネット上を巡回。掲示板などへの悪質な書き込みを早期に発見し、管理者への削除依頼を出すなどして被害を未然に防止する。

 生徒の間で情報交換のために立ち上げられた非公式の学校掲示板「学校裏サイト」や出会い系サイトも巡回し、トラブルや犯罪につながりそうな書き込みは県警へ捜査を依頼する場合もある。

 パトロールで発見した有害サイトや、ネットでのトラブルの情報は、必要があると判断した場合は学校側にも提供。生徒や保護者への指導にも役立てる。

 県教委が昨年10月、県内の小中高校を対象に実施した「携帯電話に関するアンケート調査」によると、「携帯電話を持っている」と回答した生徒のうち、中学で13.8%、高校(全日制)で31.2%がブログや通称「プロフ」と呼ばれる自己紹介サイトなどの個人サイトを携帯電話のネット上に持っていると回答。また、高校生(全日制)の30.2%がブログや学校裏サイトなどに「書き込みをしたことがある」と答えており、ネット上でいじめや中傷をされたことがあると答えた生徒は高校で1700人以上、他人を攻撃するような書き込みをしたことがあると答えた生徒も1200人以上にのぼった。

 パトロールをするのは外部に公開されているサイトのみで、パスワードなどでロックされて閲覧できないサイトは対象外。しかし「学校裏サイト」や「プロフ」などのサイトは、外部からも自由に閲覧や書き込みができるものも多い。検索すると、県内の生徒のものと思われる書き込みが簡単に見つかるという。

 それでも学校単位では、専従の職員を付けてこまめにネット上を巡回したり、情報収集したりするのは難しい状況だ。金沢市内の県立高校の教員(56)は「携帯電話を持っている生徒は多いので、使い方についての指導はしている。でも実際の書き込みについてはなかなか人も時間も割けないし、情報も入ってこない」と話す。

 県教委は「パトロールで発見できるのは被害の一部ではあるかもしれない」とする一方で、「チームを中心に関係機関が連携することで、トラブルへの対処をスムーズにしたい」と話している。

横浜サイエンスフロンティア高校


大学並み設備で科学探究
 ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊・東京大特別栄誉教授らをスーパーアドバイザーに迎えた横浜市立の「横浜サイエンスフロンティア高校」が来月開校する。充実した教育環境で未来の日本の科学技術を担う人材の育成を目指す。

 電子顕微鏡、DNA(デオキシリボ核酸)解読装置、質量分析装置――。普通の高校の5倍近い20室もある実験室には理工系大学並みの設備が並ぶ。談話室や廊下にはパソコン400台が配備されている。「公立高でこれだけの設備はちょっとない」と小島理明教諭は胸を張る。

 こうした機材を使えば、授業などで、近くで捕まえたクワガタが外来種かどうか遺伝子を調べたり、河川敷のヨシがどこの群落から来たかを特定したりすることもできる。

 授業の目玉は週2時間、20人の少人数クラスで行う課題探求型の学習。大学や企業の研究者が、生命科学やナノテクノロジーなど最先端の科学技術を紹介するだけでなく、自分たちで課題を設定して、実験や討論を行う。2年生の最後には、成果を英語で発表する。

 土曜日も隔週で、東大や横浜国立大、理化学研究所などを見学したり、小柴教授の講演を聞いたりする計画だ。

 英語の副読本は、欧米の中学生向けに書かれた地球温暖化の解説本を使う。実用英語を学ぶため、夏休みに、外国人の若手研究者を招いて英語で実験を行うイベントも予定している。

 今春の入学試験では人気を集めた。調査書や面接で合否を決める前期選抜の競争率は神奈川県の公立高トップの5・21倍、後期選抜でも1・82倍だった。

 学習塾「中萬学院」によると、合格レベルは公立の最難関校に近く、鈴木道博・情報課長は「充実した設備や教育体制、清新な印象が評価され、意欲の高い生徒が集まった」と分析する。

 新入生237人中、女子は68人と約3割だった。横浜市の小寺由夏さんは「理科が好きで高度な内容を学びたかった。将来は宇宙開発に携わりたい」と夢を膨らませる。

 佐藤春夫校長は「生徒たちには、様々な実体験を通じて、将来の夢や進路を具体的に考えてもらいたい。サイエンスを幅広く学び、関心を深める高校のモデルにしたい」と抱負を語っていた。

キッザニア甲子園を公開 西宮市に27日オープン


 キッズシティージャパン(東京)は17日、兵庫県西宮市に27日オープンする子供向け職業体験施設「キッザニア甲子園」を報道陣に事前公開した。

 パビリオン数は約50。阪神甲子園球場の隣にあり、広さは約6000平方メートル。テレビ局や消防署、パン店など、実物の約3分の2の大きさの街並みがほぼ完成した。

 この日は約2000人の親子も招待した。電車パビリオンでは、大阪府吹田市の会社員、黒神篤さん(31)夫妻が、運転士役を務めるわが子に目を細め、「制服姿で頑張っている姿がかわいい」と話していた。

 先発のキッザニア東京(東京都江東区)にはない電車の運転士や車掌、声優、すし職人などを含む80前後の仕事を体験できる。

 入場料金は、3〜15歳が3300〜3850円、16歳以上は2000〜2100円。2歳までは無料。

高校入試:都立高入試、83校で不手際 漢字問題、正解は黒板にあった


 東京都立高校の一般入試で、列車の遅れに伴う開始時間の2時間繰り下げを受験生に伝える際、国語の漢字の書き取り問題の正答の一部の漢字を板書をした高校が延べ83校あったことが分かった。都教育委員会は2月27日の合格発表に先立ち、該当する問題で83校の受験者全員に2点を加点する指示を出した。

 都教委によると、トラブルが生じたのは、2月23日に実施された一般入試で、「チュウヤ」を「昼夜」と書かせる問題。全日制156校のうち76校、定時制33校のうち7校で、開始時間の繰り下げを連絡しようと、黒板に「昼食」「昼休み」などと書いたため、各校から採点の対応について都教委に問い合わせが寄せられていた。

 都教育庁都立学校教育部の担当者は「今後は課題を整理して対応を考えたい」と話している。

「周囲で違法薬物」1割 早大が学生アンケート


 周囲に違法薬物を持っていたり使っていたりする人がいると答えた学生は1割――。早稲田大(東京都新宿区)が17日発表した全学生対象の大麻など違法薬物についての意識調査で、こんな結果が明らかになった。入手方法についても、「簡単に手に入る」という答えが2割近くになるなど、違法薬物が学生の身近な存在であることをあらためて示す結果になった。

 大学生の「大麻汚染」が問題になる中、早大でも04〜08年に7人の学生が大麻取締法違反容疑で逮捕された。調査はこうした事態を受け、昨年12月から今年1月に実施。4702人の回答があった。

 「周囲に違法薬物の所持・使用者はいるか」という質問には、全体の9.9%が「いる」と回答。属性別では、11.9%が「いる」と答えた大学院の女性が、最も割合が高かった。違法薬物の入手については、「簡単に手に入る」が17.3%、「なんとか手に入る」も36.3%に上り、両方合わせると過半数になった。違法薬物を勧められた経験を問うと、5.6%が「ある」と答えた。

 違法薬物への興味・関心については、9割以上の学生が「あまりない」または「全くない」と答えた。しかし、大学側は「学生の身近に違法薬物が迫っているのを改めて認識した。危険性や正しい情報をきちんと伝えていきたい」と話し、今後、薬物使用の防止のための講習会などを開く予定。

「常用漢字表」で意見募集


 常用漢字表(1945字)の見直しを進めている文化庁は16日、191字を加えた新常用漢字表の試案を公表した。来月16日まで国民から意見を募り、文化審議会での議論に反映させる。

 この議論を踏まえ、今秋には再度意見を公募し、2010年度中の決定を目指す。試案は、A4判224ページで、「基本的な考え方」と「漢字表」の2部構成。同庁ホームページ(http://www.bunka.go.jp/)で閲覧できるほか、同庁国語課から郵送(東京都千代田区霞が関3の2の2)でも取り寄せることができる。意見は、郵送(同)、ファクス(03・6734・3818)、電子メール(kanzihyo@bunka.go.jp)で受け付ける。

2009年3月18日 (水)

関西私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

関東私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

2009年3月16日 (月)

「夜スペ」2年目スタート、生徒倍増 保護者に満足感


 東京都杉並区立和田中学校(代田昭久校長)で昨年1月に始まった進学塾講師による有料授業「夜スペシャル(夜スペ)」が2年目を迎え、新たに現2年生を対象にした「夜スペ21」が14日、スタートした。賛否両論が交錯した夜スペだが、今年の参加者は昨年の倍近い72人(全体の45%)に増加。代田校長は「先輩たちの評価が伝わった結果だ」と自信をみせた。

 和田中のアンケートによると、夜スペの満足度は生徒、保護者とも4段階評価で3・5前後。「学校の勉強と両立できた」は生徒74%、保護者95%で、「部活と両立できた」はそれぞれ66%、100%だった。

 代田校長は「本人以上に保護者に納得感があったようだ。学校の授業と相乗効果が出る仕組みを作っていきたい」と総括した。

 夜スペ21では、教科を習熟度のばらつきが大きい英語と数学だけに絞り、授業は週に2回ずつで、補習を含め1日150分。授業料は月額2万4000円で、昨年に引き続き進学塾「サピックス」が担当する。

 この日の授業で、生徒は成績別に3クラスに分かれ、学校で学んだ英語の現在進行形などを復習した。野球部2年の日高慎一朗さん(14)は「普段の授業では分からない点もそのまま進んでしまうことがあるが、今日は分かるまで教えてくれた。部活と両立できそう」と話していた。


■公立校と塾 広がる連携

 公立の小中学校と学習塾との連携は各地で広がっている。「保護者の経済力の差が、学力格差につながりかねない」との懸念も根強いが、学力向上を目指す公立校と、受講生獲得に活路を求める塾の思惑が、連携を後押ししているようだ。

 東京都墨田区立両国中学校は年末年始、進学塾と連携して、3年生対象の受験対策講習を開催した。6日間で2万4000円、1コマ(90分)だと1000円と格安で、生徒の3分の1に当たる約70人が参加。小川崇校長は「子供の学力向上のため、民間の活力を生かすことも必要」と話す。

 和田中の前校長の藤原和博氏が特別顧問を務める大阪府教委では、今年から小中学校の課外授業に塾講師を派遣。福島県矢祭町も今年度から、町内企業の寄付金で設立した基金で、学習塾と連携した「土曜スクール」を小5、6生と中3生を対象に開講した。

 背景には、塾の受講生数の伸びが鈍化傾向にあることが大きい。経済産業省の特定サービス産業動態統計調査では、受講生数の前年同期比での伸び率は昨年11月以降1%を切っており、頭打ちの状態だ。

 ある学習塾関係者は「これまで塾は公立校と対立することで伸びてきたが、これからは共存の道を探ることが必要。その意味で、夜スペは先駆的な取り組みだった」と指摘している。

給食費未納:校長ら780万円「自腹」 立て替え、補てんなし−−鳥取市の小中


 ◇05〜06年度

 鳥取市立の小中学校で05、06年度に未納になった給食費計約780万円が校長や教員の個人負担や、PTA会費などで立て替えられたままになっている。市教委は「立て替えは今も全国的に行われているはずで、改善する」として、07年度以降の未納分を一般会計で補てんすることにしたが、05、06年度分は措置しない方針。景気悪化で経済的に苦しい家庭が増える中、校長らが不況のツケを押し付けられた格好だ。

 市教委によると、1人当たりの年間給食費は小学校が約5万円、中学校が約5万7000円。文部科学省の全国調査(05年度)と市の06、07年度の調査によると、同市の未納額は05年度447万円(06年11月時点)▽06年度333万円(07年同)▽07年度198万円(08年10月時点)。07年度は小学校44校のうち12校で、中学校18校のうち11校で未納があった。

 市教委の担当者は「徴収のために家庭訪問すると、失業や離婚などによる経済的困窮を訴えられるケースが多い」と話す。ある校長は「未納額が十数万円にもなり、大半を負担している校長もいる」という。

 このため改善を求める声が上がり、市教委は07年度分以降について、督促に応じない未納者に対し簡裁に督促を申し立てたり、悪質なケースでは債権差し押さえ命令を地裁に申し立てるなど納付率アップに向け対応を厳しくした。秋山光行・市教委体育課長は「全国でも学校側が負担している所はあるはず。鳥取市は解決に向けて一歩進んだ」と話す。しかし市教委は05、06年度分については「学校任せ」の方針だという。

 文科省の全国調査では05年度の未納額は約22億3000万円に上るが、学校や教委の対応は把握していない。鳥取県内の他の3市は、校長らの個人負担にならないよう不足分を市が賄うなどしている。

皇学館高1自殺、「暴力、暴言」の事実 保護者に説明


 三重県伊勢市の私立皇学館高校1年の男子生徒(16)が同級生からのいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、同校は14日、臨時の保護者説明会を開き、同級生などへの聞き取り調査の結果を報告した。学校側は、男子生徒へのいじめを認めて謝罪し、顔を殴るなどの暴力や下品なあだ名をつけたりする暴言などの事実があったと説明した。

 保護者説明会は体育館で午後5時半から約4時間にわたって行われ、1、2年生の保護者約310人が出席した。

 記者会見した大島謙校長によると、会の冒頭で黙祷(もくとう)し、「いじめを防げなかったことは申し訳ない」と保護者に謝罪したという。聞き取り調査は、男子生徒と同じクラスの39人全員のほか、全校生徒にも実施。いじめの具体的な内容としては、顔を殴る暴力、下品なあだ名を言いふらすという暴言、さらに消しゴムのかすを投げつけるといった嫌がらせがあったことを確認したという。

 このうち暴力は、今年2月下旬、同じクラスの生徒が、男子生徒の好きだったアニメのキャラクターを言いふらしたことに端を発したという。

 男子生徒の遺書には、いじめにかかわっていたとして同級生7人が名指しされていた。学校側が、調査で上がった7人の名前を男子生徒の父親(39)に示したところ、このうち5人が一致したという。この5人については、いずれも暴力などの事実関係は認めているが、いじめとしての認識はなかったと学校の調査に答えたという。

 学校側は、この5人の生徒と保護者と一緒に父親を訪ねて、謝罪することを検討しているという。

 説明会の最後に、出席していた男子生徒の父親が保護者に向かって「家に帰って子どもさんと話して、見たこと聞いたことを匿名でもいいから、学校に送ってほしい」と呼びかけた。別の保護者から「匿名だとうわさがうわさを呼び、事実が分からなくなるので実名で調査してほしい」との発言もあったという。

 学校側は、再発防止策として、いじめ防止のための対策委員会を立ち上げるとともに、生徒の人権を守るため教員の研修を強化する。

 大島校長は会見で「いじめを知ろうと努力していなかったつもりはないが、結果的に気付かなかったことを申し訳ないと思う」と謝罪した。

 説明会後、男子生徒の父親は「学校側の都合のいいことしか報告がない。事実を解明し、問題を解決しようとする姿勢が感じられない」と怒りをあらわにした。遺書で名指しされた7人に対しては「息子に謝ってくれればいい。本当のことを話してほしい」と話した。

「決まり守ることの大切さ」道徳副教材に新たなページ


 文部科学省は13日、小学校と中学校の道徳の時間に使用されている副教材「心のノート」について、4月から改定する内容を公表した。

 自分の価値、他者とのかかわり、命の大切さといった従来の項目に、新たに「働くことの素晴らしさ」と、規範意識について考える「きまりを守ることの大切さ」のページが加わった。4億円で520万部が印刷され、新年度から全国の小1、小3、小5と中1に無償配布される。

 心のノートは、小学校低、中、高学年向けと、中学用の4種類。心理学者の河合隼雄さんの監修で2002年に作られて以来、小学生向けは2度目、中学生向けは初めての改定となる。

 教育基本法などの改正を受けた新学習指導要領を反映した内容。道徳を他の教科と同じように「教科」とすることを見送った代わりに、各学校に「道徳教育推進教師」を置き、年間指導計画を作るよう求め、心のノートも、考えたことを書き留める記述欄を増やすなど内容を充実させた。ページ数では8ページ〜16ページ増となる。

 規範意識については、小学校の低学年向けに新たに加えられた「してはならないこと」と題したページで、他人の悪口を言ったり、ウソをついたりしないようイラストを使って説明。中学年向けでは、「してはならないこと」を自分で考える種類を増やし、高学年では「なぜいけないか」と問いかけ、発達段階によって考えを深めていく構成だ。

 今回の改定について、道徳を20年以上教えている山形市立第三小学校の佐藤幸司教諭(46)は「規範意識は大人の押し付けだと受け取られがちで子供の反発を招き、教えるのが難しかった。自ら考えながら、自然と身に着けさせるという過程を踏めば、理解も早く、今回、この項目が盛り込まれた意味は大きい」と評価する。

 しかし、授業に必要なノウハウを教員養成段階でほとんど学ばずに教員免許を手にした教師は多く、元文部省教科調査官で改定作業に携わった関西学院大の横山利弘教授は「自分で考えさせるためにどんな問いを発するかが道徳教育の一番のポイント。今後は教師の資質を高めていかねばならない」と話している。

【主張】性教育 過激な内容正すのは当然


 東京都日野市の都立七生養護学校の性教育をめぐり都議が視察で批判したことに対し、東京地裁は、「学校の性教育に介入し、教育の自主性を阻害した」などと都や都議3人に計210万円の賠償を命じた。

 問題の性教育は性器のついた人形を使うなど不適切な内容であり、都議らの是正に向けた取り組みは当然の行為だ。これを不当とした判決は極めて疑問である。

 平成15年に過激な内容の性教育の問題を都議らが都議会で指摘したうえ視察した。性器の付いた男女の人形やコンドームの装着を教えるための男性器の模型などの教材が明らかになり、都議は「常識では考えられない」「感覚がまひしている」などと批判した。都教委は視察に立ち会い、教材を没収した。

 これに対し当時の教員ら31人が性教育の内容を批判され、教材を没収したのは不当として都と都議のほか、この視察を報じた産経新聞を相手取り計3000万円の賠償を求めた。判決は産経新聞への訴えは棄却し、都教委による教材没収などについても却下した。

 問題なのは、「視察した都議が教員を威圧的に批判した」などとして、「旧教育基本法が定めた『不当な支配』にあたる」との判断を示し、一部訴えを認めたことである。

 同校の当時の性教育には保護者の一部からも批判が寄せられていた。保護者の同意、発達段階に応じた教育内容など性教育で留意すべき内容から逸脱したものだ。

 これを是正しようとした都議らの行動を「不当」とするなら議員の調査活動を阻害しかねない。

 学校の授業は外部の目に触れにくく、独りよがりの授業がなかなか改善されない。保護者や地域の人々が教育内容を知り、不適切な内容に改善を求めるのは「不当介入」ではない。

 旧教育基本法の「不当な支配」をめぐる条文は、特定の思想を持つ団体などの教育現場への介入を戒める規定だが、教職員組合などは国や教育委員会の指導を「不当な支配」と曲解してきた。

 しかし、18年暮れに成立した新教育基本法に「不当な支配」の文言は残ったものの、教職員らに法を守ることを求める規定が追加され、曲解の余地はほとんどなくなった。性教育に限らず、教育委員会や校長は不適切な教育内容には毅然(きぜん)とした指導が必要だ。

検定GO!:ご当地編 盛岡もの識り


 盛岡弁で「あの人ぁ サガスゥおんや」の中の「サガスゥ」の意味は何ですか。

<1>忙しい

<2>優しい

<3>落ち着きがない

<4>賢い

 (3級例題より)

==============

 《盛岡もの識(し)り検定》

 【目的】盛岡市に関する歴史、文化、産業など「盛岡通」度を認定する/出題形式・選択式/受検料・2級4200円、3級3200円/問い合わせ・盛岡商工会議所地域活性化支援グループ019・624・5880(解答は<4>)

卒業式に遅刻、事情聴く先生にハサミ向け、中3女子逮捕


 教諭にはさみを突きつけたとして、埼玉県警越谷署は14日、越谷市の中学3年女子生徒(15)を暴力行為等処罰法違反の疑いで現行犯逮捕した、と発表した。女子生徒は市立中学校の卒業式に遅刻し、教諭は指導にあたっていたという。

 同署によると、同日午前10時10分ごろ、同校の保健室で、女子生徒は男性教諭(52)の肩に突きつけた疑いがある。男性教諭にけがはなかった。

 市教委によると、生徒は同校体育館での卒業式に約1時間遅刻して無断で式場に入ろうとし、教諭らが制止。口論になり、数人の教諭が保健室で話を聴いた際、生徒が治療用のはさみを手に取り、教諭に向かってきたという。

 市教委によると、中学は生徒の卒業を認め、校長から生徒側に卒業証書を渡すことにしている。

大学生就職内定率、5年ぶり悪化86%

 今春卒業予定の大学生の就職内定率は2月1日時点で86・3%で、前年同期を2・4ポイント下回り、5年ぶりに前年より悪化したことが13日、厚生労働省と文部科学省のまとめでわかった。

 男子の内定率は2・7ポイント減の86・5%で、女子は2・0ポイント減の86・2%。地域別では、北海道・東北が同5・2ポイント減の79・0%と落ち込みが目立った。また厚労省が同日発表した高校生の就職内定率(1月末時点)は87・5%で同1・9ポイント減。6年ぶりの悪化となった。

2009年3月15日 (日)

クイズ:東大生が作った難問 通信教育サイトで配信

 「パソコンのマウスの感度を示す単位は?」−−。通信教育サイトを運営するトライオン(東京都渋谷区)は13日、同社のサイト「脳内カレッジ」で、東京大学クイズ研究会が作成したオリジナルクイズ「脳がしびれる超難関クイズ」の掲載を始める。

 クイズは、理科や数学、歴史などの一般教養から、芸能、ファッションなど10分野計500題。毎月1分野50問ずつ掲載し、3月はスポーツ、4月はテレビ・芸能編。難易度は4段階あり、4択問題になっている。利用は無料。冒頭の問題の答えはミッキー。「マイクロソフトのプログラマーが、マウス(ねずみ)の単位ということから冗談でつけた」といわれている。

 「脳内カレッジ」は、オンラインで学習するサイトで、「中学数学」や「宅建合格講座」など、受験対策や資格試験、語学学習など294講座を視聴したり、模擬試験を受けられる。有料と無料のコーナーがあり、利用者は累計239万人。

瞬間的に世界最高の光出力、レーザー装置が完成 大阪大

 瞬間的に世界最高の10ペタワット(ペタは1千兆)の光を出すレーザー装置「LFEX(エルフェックス)」が完成、大阪大が13日公開した。日本独自の低コストの核融合やブラックホール解明などの研究に使う。

 観測装置を含めて約85メートル。ステンレス製の光路(こうろ)が4列あり、発生させた光を往復させて増幅する。増幅した光を1点に集めて試料に打ち込むと、中国全土に降り注ぐ太陽光を畳半分程度の面積に集めたような強さになるという。ただし、一瞬の高出力なので、エネルギーは電気ストーブを10秒ほどつけた程度の10キロジュールしかない。

 核融合反応は、圧縮した水素に、この強力なレーザー光を打ち込むことで「高速点火」して引き起こす。夏までに温度1千万度で、10年以降には温度5千万度で核融合を起こす予定だ。

 高速点火以外では、磁場を利用する方法やレーザーによる燃料の圧縮のみで核融合を引き起こす研究が進んでいる。

国公立大2次 8万人が受験

 国公立大入試の2次試験(後期日程)が12日、127大学で実施された。文部科学省によると、この日受験したのは8万1339人で、欠席率は53・6%。13日は東京大で実施される。

 時事問題に関する出題が目立ち、神戸大法学部の小論文のテーマは、5月からスタートする裁判員制度。日本弁護士連合会が作成したパンフレットや制度を論じた書籍の一部分などを読み、賛成と反対両方の論拠をまとめさせた。

 富山大薬学部の小論文では、イタリア・フィレンツェで昨年、大聖堂に落書きした日本の学生が停学処分になったことに対し、イタリア国内で「厳しすぎる」といった反応が出たことについての考えを書かせた。大阪教育大小学校教員養成課程教育科学系の小論文は、昨年の本紙連載「日本の知力」の棟梁(とうりょう)・小川三夫さんのインタビュー記事を読み、「教えること」についての考えを論じさせた。

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

 むかしから学習は読み・書き・そろばん!
 近年見直されている作文添削で正しい日本語表現と基礎学力(読解力)の養成を!

 ココロと言葉の作文教室 も・の・か・き・名・人

※中学受験・AO入試をお考えの保護者様は是非一度ご覧ください。

2009年3月14日 (土)

東北大と理数教育で協力 学テ好成績の秋田県

 全国学力テストで小中学生が2年連続の好成績をおさめている秋田県の教育委員会は、高校生になると伸び悩む理数科目の教育に力を入れるため東北大大学院理学研究科と協力することになり、協定書の調印式が13日、仙台市の東北大で行われた。

 県教委などによると、小中学生の理数科目の成績に比べると、高校生は振るわないため対策を探っていた。東北大には学生の理数離れを解消し、将来の優秀な研究者養成に役立てる狙いがある。

 東北大の研究者や大学院生が秋田県内の中学、高校などに出向いて最先端の研究成果を披露し、生徒らを研究室に招くなどして、理数科目への苦手意識を取り除き、興味を持つきっかけ作りをする。

スポーツ庁:設置検討へ−−教育再生懇

 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾塾長)は12日、首相官邸で、ノーベル物理学賞を受賞した小林誠・日本学術振興会理事や北京五輪銅メダリストの朝原宣治氏ら新メンバー6人を加えて会合を開いた。不況下でも教育を受けられる環境の整備、「スポーツ庁」の設置検討を含むスポーツ振興策などで議論を進めることを決めた。

性教育めぐる都議の視察「不当な支配」 東京地裁認定

 東京都内の養護学校の元教諭らが都議3人と都などに損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(矢尾渉裁判長)は12日、慰謝料計210万円の支払いを3都議と都に命じる判決を言い渡した。03年に学校を視察した都議らが性教育を実践していた教諭を非難したことが教育への「不当な支配」にあたると指摘。都教委が教諭らを厳重注意したことも裁量権の乱用と判断した。

 「不当な支配」は教育基本法で禁じられており、教育現場への介入をめぐって不当な支配があったと認める司法判断は極めて異例。

 訴えていたのは、日野市にある都立七生(ななお)養護学校=現七生特別支援学校=に視察当時勤務し、03年9月以降に都教委から「厳重注意」を受けた教諭や保護者ら31人。田代博嗣、土屋敬之、古賀俊昭の3都議と都などに計約3千万円の慰謝料などを求めていた。

 判決は、都議らが同校を視察した際の発言について「一方的な批判で侮辱」と認定。「単なる議論の範囲だ」とする都議側の主張を退けた。

 そのうえで「学校の性教育に介入、干渉するもので、教育の自主性を阻害してゆがめる危険のある行為だ」として「不当な支配」にあたると判断。同行した都教委職員が都議を制止しなかったことも「不当な支配」から教育を保護するよう定めた改正前の教育基本法の教育条件整備義務に反して違法だと述べた。

 同校では、知的障害がある子どもは体の部位の認識が難しいために人形などを使った性教育をしてきたが、都教委側は「学習指導要領に反する」として教諭らを厳重注意とした。判決は「同要領に反し、同校の児童生徒の発達段階を踏まえないものであることが明らかだったとはいえない」として「著しく妥当性を欠き、裁量権の乱用だ」と結論づけた。

 ■不当な支配 旧教育基本法は「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」と定めていた。教育現場の自主性を保ち、権力の介入を防ぐための規定とされたが、行政側の行為がどこまで許されるのかは教科書検定訴訟や卒業式での日の丸掲揚・君が代斉唱をめぐる訴訟などで繰り返し争われてきた。06年の同法改正では「不当な支配に服することなく」の表現は残ったものの、直後に続く文言は「この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきもの」と改められた。行政側の権限が旧法より強められたとみる識者は多いが、判例はまだ確立されていない。

小学校の飼育 獣医師が指導…消毒方法も万全

 小学校で獣医師が、小動物の正しい世話の仕方を児童に教える動きが広がっている。

 「温かくて、めっちゃかわいい」。大阪府高槻市の市立若松小学校で、飼育当番の児童がチャボを抱き上げて歓声を上げた。水の交換や餌やりの前後に、消毒液入りの水で靴底をすすぎ、薬用せっけんで手を洗う。鳥インフルエンザ対策として、獣医師の指導で取り入れた消毒方法だ。

 地元の獣医師会では2002年度から、小学校の飼育相談を無料で行い、割安での診療にも応じている。同小では、3年生以上の児童全員が交代で鳥の世話をするなどして、命の尊さを学んできた。06年にメスのアイガモ「ガァちゃん」が高齢のために失明した際には、集めたアルミ缶を換金して小屋の設置費を工面した。体が弱ると仲間からいじめられるため、別に暮らす小屋が必要になったためだ。1年前、ガァちゃんが死んだ時は、児童たちが校内の小屋近くに埋葬した。岩崎律雄校長は「獣医師のサポートで必要以上に感染症を恐れずに済む」と話す。

 獣医師や教師でつくる全国学校飼育動物研究会によると、08年8月現在、25都道府県と15政令市、120市区町村で獣医師会と連携する体制にあるという。きっかけは、鳥インフルエンザ問題。飼育中の鳥類を処分するなど過剰反応が見られたため、安全で正しい飼育方法を普及させようと、手を結ぶようになった。

 群馬県教委は06年度から、学校単位で「学校獣医師」を指定。大阪府教委では、獣医師による出前講座に取り組んでいる。6日には大阪府和泉市の市立緑ヶ丘小に、北新秀一(きたしんひでかず)さん(40)ら獣医師4人がイヌを連れて訪問。児童らは聴診器を当ててイヌの心音に耳を澄ませ、目を輝かせた。北新さんは「君たちと同じように生きているよ」と語りかけた。同研究会の中川美穂子事務局長は「動物は子どもの心を豊かにする。学校は近くの獣医師に協力を求めて」と呼びかけている。

関東私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

関西私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

2009年3月13日 (金)

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自分嫌いをなくそう! 都が小学生に「自尊教育」導入へ

 日本の子供たちは自分が嫌い−。東京都教育委員会が公立の小中学生、都立高校生を対象に「自尊感情」について調査したところ、中高生の5〜6割が「自分」を好意的にとらえていないことが10日、分かった。

 日本の子供たちの自尊感情の低さはこれまでも指摘されてきたが、自治体レベルで大規模な調査が行われたのは初めて。都教委は現状を深刻に受け止め、「自分の存在や価値を積極的に肯定できる子供を育てる」とし、4月から小学校で試験的に“自尊教育”を実施する。

 都教委は昨年11〜12月、都内の小学生4030人、中学生2855人、高校生5855人を対象に、自尊感情や自己肯定感をテーマにしたアンケートを行った。 

 調査結果によると、中学生では「自分のことが好きだ」との問いに、「そう思わない」「どちらかというとそう思わない」と否定的に回答した割合が、中1=57%、中2=61%、中3=52%に上り、全学年で「そう思う」「どちらかというとそう思う」と肯定的に答えた割合を上回った。高校生でも否定的な考えが目立ち、高1=56%、高2=53%、高3=47%だった。

 小学生では、小1の84%が肯定的な回答をしたが、学年が上がるにつれてその割合は低下し、小6では59%となっている。

 このほか、国内外の青少年の意識などを調査・研究している財団法人「日本青少年研究所」の国際調査(平成14年)でも「私は他の人々に劣らず価値のある人間である」との問いに「よくあてはまる」と回答した中学生が、アメリカ51・8%、中国49・3%だったのに比べ、日本は8・8%と極端に低かった。

 自尊感情が低いことについて、同研究所の千石保理事長は「謙虚さ、控えめを良しとする日本の文化がまだ根強いのが一因」と指摘。「子供が成績を他人と比較して、すぐに『自分はダメだ』となる傾向も見られる。これは日本だけの特徴で、諸外国に比べて自己評価が低い。もっと自分に自信を持たせるような教育を進める必要がある」と話している。

 都教委も「自分のことが嫌いでは、学習意欲もわいてこない」と自尊感情の大切さを認識。試案ながら、「自分への気づき」「自分の可能性」などの観点で教員が子供の自主性や個性を積極的に評価し、失敗や間違いが大切な経験であることを強調する指導モデルも作成した。都教委は今後、具体的な指導方法について国内の大学と連携して研究を進め、4月からは小学校1校で試験的に“自尊教育”を実施する予定だ。

大学入試:東大でサクラサク 前期日程の合格発表

 東京大学は10日、前期日程入試の合格者3007人を発表した。平均倍率は3.34倍で、最も倍率が高かったのは理科3類(医学部)の5.52倍。東京都文京区の本郷キャンパスでは正午過ぎ、合格者の受験番号が張り出され、満面の笑みを浮かべボードを見つめる受験生であふれかえった。

2009年3月12日 (木)

盲学校にオルゴール贈り続け半世紀

 匿名で電話「卒業生は何人?」

 山梨県立盲学校(甲府市下飯田)に匿名の女性が1964年から贈り続けているオルゴールが今年も届き、内松太一校長が10日の卒業式で、卒業生一人一人に手渡した。

 毎年、卒業式が近づくと「今年の卒業生は何人ですか」と女性の声で学校に電話がある。女性は名乗ることはない。今年は、3月初めに木製オルゴール(縦15センチ、横20センチ、高さ10センチ)が10個届いた。

 ふたを開けると、「カノン」か「星に願いを」のメロディーが流れる。「あなたの上に、神のご加護がありますように」と点字メッセージが入っている。

 幼稚部、高等部など12人の卒業生のうち、これまでにオルゴールをもらっていない10人が受け取った。幼稚部を卒業した宮本龍貴ちゃん(6)は「早く聴きたいな」と笑顔を見せていた。

 赤井美知江教頭は「感謝の気持ちでいっぱいです。贈り主は女性としか分かりませんが、詮索(せんさく)しないようにしています」と話した。

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奨学金滞納者 ブラックリストに賛否 精神的ダメージ/仕方ない

 奨学金の返還が3カ月間滞ると個人信用情報機関に登録します−。独立行政法人「日本学生支援機構」が打ち出した対策に、賛否が分かれている。延滞の抑止などが目的だが、「奨学金制度を続けるためには必要」と理解を示す学生がいる一方で、「サラ金の滞納者と同じようにブラックリストに載せるのはおかしい」と疑問視する声もある。

 ◆同意しなければ打ち切り

 同機構が対策を発表したのは昨年12月のことだった。

 個人信用情報機関への登録は、本人の事前の同意が必要なため、機構は現在、奨学金を利用する全学生に「個人信用情報の取扱いに関する同意書」に署名するよう求めている。4月30日までに同意しなければ、「奨学金の貸与を打ち切る」方針で、新たに奨学金を希望する新入生も同意が前提になる。

 3カ月以上滞納した人の個人情報は、早ければ来年4月から、金融機関などが加盟する個人信用情報機関に提供する予定だ。現在の滞納者に対しても、今後、同意書を配布していく。

 ◆デモやシンポも

 個人信用情報機関に登録されると、どんな影響があるのか。債務整理や借金問題に詳しい大森顕弁護士は「いわゆるブラックリストに登録されると、クレジットカードやローンの利用が難しくなり、日常生活に支障をきたす恐れがある。また、落後者の烙印(らくいん)を押されたように感じ、精神的にダメージを受ける懸念もある」と話す。

 滞納しなければ登録される心配はないが、疑問を持つ人もいる。東京都内の大学院に通う男性(26)は、機構の奨学金を利用しているが、「同意しなければ貸与を打ち切るというのは、ほとんど脅迫。最初の契約になかったことをいきなり言われても納得できない」といい、まだ同意書を出していない。

 京都市内では今年1月に学生ら約50人がブラックリスト化に反対するデモを行った。4月12日には、東京・京橋で「奨学金の貸金業化を考えるシンポジウム」(仮称)が開かれる予定だ。

 ◆次世代の奨学金に

 疑問の声の一方で、理解を示す学生もいる。機構の奨学金を利用する東京都内の男性(23)は「返すことを前提に借りているので、特別な事情がないのに滞納するのはフェアじゃない。(機構の対策は)仕方がないと思う」。別の大学4年の男性(23)も「滞納者が増えると今後の奨学金へ回せる額が減るので責任をもって返すのは当然」と話す。

 機構の奨学金は、利用者の増加に合わせて滞納額も増えている。3カ月以上の延滞債権額(返済期日が来ていない分を含む)は、平成19年度末で2253億円に上り、回収努力は継続的な課題だ。財務省から回収の強化を求められていることも今回の対策につながった。

 機構は「返還金が次の世代の奨学金につながるということを理解してほしい。経済的な事情や病気で返還できない人は、返還期限を遅らせることができる猶予制度もあるので届け出てほしい」としている。

 ■自炊で節約志向の大学生

 全国農業協同組合中央会(JA全中)が全国の一人暮らしの大学生(男女計600人)を対象に、「一人暮らしの大学生の食生活実態調査」をインターネットで実施(2月6〜13日)したところ、9割の学生が3食のうち1食以上を自炊し、5人に1人は3食とも自炊していることが分かった。

 節約志向の高まりとみられ、親から送ってもらってうれしい物の第1位は「お米」(63・7%)、2位は「レトルト、インスタント食品」と保存できる食品を求めており、約8割の学生が「価格」に気をつけて食生活を送っているという。

 JA全中は「外食の値上がりや、不況による親の仕送り負担の軽減を意識して自炊し、節約しているようです」と分析している。

【用語解説】日本学生支援機構

 旧日本育英会など5団体が平成16年に合併してできた独立行政法人。奨学金の貸与事業や留学生の支援事業などを行う。奨学金は、無利子の第1種と有利子の第2種。両方合わせて、貸与を受けた人は10年度は50万人で、右肩上がりで増え続け20年度は122万人に。返還者数(19年度末)は約222万人、滞納者(同)は約29万7000人。

オバァ、60年目の卒業証書 沖縄戦で中学未修了

 第2次大戦で悲惨な地上戦に巻き込まれた沖縄には義務教育を修了できなかった人がたくさんいるが、当時学齢期だった6人のお年寄りに今月、初めて中学の卒業証書が渡されることになった。今年度から県が設けた特例制度により、民間の自主夜間中学で学んだ内容が正式に認定された。

 お年寄りたちの学びの場は、不登校の子どもらを受け入れているNPO法人「珊瑚(さんご)舎スコーレ」が那覇市内のビルに構えた教室だ。約50人が、月〜金曜の午後6時から開かれる夜間学級に通う。平均年齢は72歳。

 「ぼうくうごうをほるところがなく、家のむかいの山すそにしぜんごうがあった」。「古い記憶」という課題で作文をつづる国語の授業で、神山由子さん(74)はこう書いた。沖縄戦では3歳の弟を背負って山奥に逃げ込み、マラリアにかかった。一命は取り留めたが、看病してくれた母は亡くなった。「あのころの記憶を口にすると、涙が出てしまう」

 夜間中学校は、生活のため昼間働かなければならない生徒を主な対象に戦後、大都市圏を中心にできた。戦中戦後の混乱で勉強できなかった人も学び、現在は全国に35の公立校があるが、沖縄にはずっとなかった。

 「学びの場を取り戻さないと戦争は終わらない」(星野人史代表)とスコーレが3年制の自主夜間中学をつくったのは04年。退職教員や大学生らがボランティアで参加し、ひらがなやアルファベットの初歩から教えた。

 ただ、あくまで民間の学習機関という位置づけで、全課程を終えても正式な卒業扱いにはならない。もっと学びたいと思っても高校に進学する資格は得られなかった。

 スコーレは05年、1万6148人分の署名を集めて県議会に請願。県教委は「沖縄だからこそ、戦争で学ぶ機会を失った人に道を開く必要がある」ととらえ、06年度から、修了者について県内の定時制や通信制高校への進学を認めた。さらに今年度の修了者から、自宅の最寄りの中学が正式に卒業を認定し、その中学が卒業証書を授与する特例措置を適用することにした。

 自主夜間中学は全国的には少なくないが、連絡組織の全国夜間中学校研究会は「一つの自主夜間中学の教育全体を中学卒業同等のものと認定するのは初めてではないか」という。

 スコーレの現在の「3年生」は10人。そのうち6人が卒業し、他の4人は勉強をもっと身につけるため「留年」して学び直す。

 卒業生の一人、上原英子さん(74)はさらに勉強を進めようと、那覇市の定時制高校を10日に受験した。小4の終業式の日に米軍が攻めてきて、母は避難するさなかに亡くなった。防衛隊に招集された父も亡くなり、ずっと満足に学校に通えなかったが、スコーレで学ぶ楽しさを知った。「高校だなんてちょっと不安ですが、苦労した分、たくさん勉強したい」と言う。

郵便局が手紙教室 著名人講師に全国展開

 日本郵政グループの郵便事業会社による初の手紙作成体験教室が1日と8日、東京都新宿区とさいたま市の郵便局で開かれた。文章力や礼儀作法の会得のため、授業で手紙を書かせる学校も少なくないが、同社では新年度以降、全都道府県の郵便局で体験教室を展開し、手書きの良さをアピールしていく。企画の運営を受託したヒーローズエデュテイメントでは、作詞家の秋元康さんらを講師にした企画などを検討している。

 2か所で開かれた体験教室は、「わくわくパズル〜温もり伝えて人がつながる」という名で、両日とも小学校中高学年の児童と保護者、約80組が参加した。

 まず、プロ野球オリックス・バファローズのマスコット「ネッピー」のデザインなどで知られるイラストレーターの松下進さん(59)の指導で、用紙にイラストを描き、これを6枚に切り分けてはがきを作成。最初の1枚にあて名とメッセージを書き込んで投函(とうかん)した。

 参加者には後日、同じ人にはがきを出すよう助言、6枚全部が届くとイラストが完成する仕組みだ。継続して手紙やはがきをやりとりする喜びを感じてもらいたいという願いがある。

 ある母と娘は、「だれに出そう?」「おじいちゃん、おばあちゃんがいいんじゃないの」「そうだね、そうしよう」と話し合ってペンを走らせていた。

 同社の調べでは、郵便物の引き受け数は、2001年度の約228億通をピークに毎年減少を続け、07年度は約189億通まで落ち込んだ。

 そんな背景があっての全国展開だが、教育の現場では今も授業で手書きの手紙を書かせる学校が少なくない。特に礼儀や作法を重んじる私立の女子校が熱心だ。例えば、横浜雙葉(横浜市)、洗足学園(川崎市)の両中学では、両親や目上の人にあて手紙を書かせ、教養を身につけるとともに、自分を見つめ直すことに役立てている。

 中学1年の時から手紙を書く経験を積ませている日本女子大付属中(同)の国語科教諭、野中友規子さんは「正しい敬語を使い、相手によって言葉遣いを変えなくてはいけない手紙は、礼儀や敬語を学び、文章力を養うのに効果的」と話している。

2009年3月11日 (水)

【教え育てる】学習院初等科長 中島平三(なかじま・へいぞう) 卒業式を前に考えること

 学習院初等科の卒業式はとても簡素です。君が代と院歌を斉唱し、卒業証書授与、科長告辞、院長祝辞、卒業生代表の謝辞と続いて「仰げば尊し」と「蛍の光」を歌って終わり。来賓のあいさつなどはありません。

 もし一般の方がご覧になって学習院の伝統を感じるとすれば、君が代は2回歌うこと、卒業生は科長から受け取った卒業証書を頭上に掲げ、そのままの姿勢で院長の前に進んで一礼するといったことでしょうか。科長が卒業生に贈る言葉を「告辞」というのも慣例です。

 世間には格式ばらない卒業式を行う学校もあるようですが、私は卒業式は厳粛にすっきりと行うことが大事だと考えています。

 小学校の6年間、子供たちは「児童」と呼ばれますが、中学に入ると「生徒」です。そして、ちょうど思春期を迎えるこの時期は、精神的にも肉体的にも非常に大きな転換期に当たっています。竹が節をつけながらすくすくと成長していくように、人も節目をしっかりとつけることで、次なる成長期に進むことができるのではないでしょうか。

 初等科を卒業する節目に当たり、昨年の卒業式では、自分のために種を蒔(ま)くばかりではなく、人のためにも種を蒔くように心がけてほしいという言い方で、話しました。「まず自分が成長するようにいろいろな方面に関心を広げ、それが実ったら、今度は人のため、社会のために役立つように働きかけることが大切になってきます」と。

 自他の両方を慮(おもんぱか)る考えは学習院に連綿と流れており、第18代・安倍能成院長も「自重互敬」「正直と思いやり」という言葉を遺されています。巣立っていく子供たちにどんな言葉を贈ろうか。卒業式は18日です。

神奈川県立神田高校:身なりで不合格 前・元校長を処分−−県教委

 神奈川県立神田高(同県平塚市)が05、06、08年度入試で、試験成績が合格基準に達しながら身なりや態度を理由に受験生22人を不合格とした問題で、県教育委員会は9日、渕野辰雄・前校長(56)=昨年11月に県立総合教育センターへ異動=と、岩本満敏・元校長(60)=現秦野高校長=をいずれも停職3カ月の懲戒処分とした。当時の副校長ら3人も減給や戒告の懲戒処分とした。また、県教委は転入を希望した生徒1人を4月から同校に受け入れることを決めた。

「いじめ見た」三重・高1自殺で証言 学校が家族に謝罪

 三重県伊勢市の私立皇学館高校1年の男子生徒(16)がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、同級生数人が学校側の調査に対し「男子生徒が教室でいじめられているのを見た」などと証言していることがわかった。大島謙校長らは9日夜、男子生徒の自宅を初めて訪れて、父親に調査結果を報告し謝罪した。

 父親によると、校長は「いじめがあったようだ。申し訳ありませんでした」と謝罪した。男子生徒の遺書にはいじめにかかわっていたとする同級生7人の名前が挙げられていたが、同じクラスの生徒39人を対象とした今回の調査で、「いじめた」と申し出た生徒はいなかったという。

 同校は調査対象を全校生徒に広げることにし、経過を両親に報告すると申し出た。ただ、同校は「いじめにかかわった生徒を特定するためのものではない」と説明しているという。

 父親は「(いじめた生徒は)正直に罪を認めて、早く名乗り出てほしい。同級生への口止めや新たないじめが起こるのが心配だ」と話している。

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「いじめあった」と謝罪 三重の高1自殺で校長

 私立皇学館高校(三重県伊勢市)の1年の男子生徒(16)が同級生からのいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、高校側が校内で生徒に対するいじめがあったことを認め、生徒の父親に謝罪していたことが10日、分かった。

 また、生徒の遺書に「ほかにもいじめを受けている生徒がいる。おれが幽霊になって守ってやる」と書かれていたことも父親の話で判明した。

 父親によると、同校の大島謙校長らが9日夜に自宅を訪問して「いじめを防げず、申し訳ない」と謝罪。生徒らへの聞き取り調査で「教室でいじめに遭っているのを見た」との同級生の話が寄せられていることを説明したという。

授業料滞納:山口でも卒業証書回収 2高校、6人から

 山口県内の2校の私立高で、授業料を滞納していた6人に対し、学校側が卒業式で卒業証書を渡した後、返却させていたことが分かった。授業料未納に伴って卒業証書を渡さないケースは全国で相次いでいる。

 県中部の学校では、3月1日の卒業式の数日前に担任が、5人の生徒と保護者に「卒業式には出てもらうが、証書は式の後に戻してほしい」と連絡。生徒たちは式に出席後、他の生徒に知られないように証書を担任に渡したという。教頭は毎日新聞の取材に「これまでは、未納はあっても1人か2人だった。個々の内情は聞いていないが、学校としても喜んでやっているわけではない」と語った。

 県東部の学校では、学費を納めていなかった生徒1人について、学校側と保護者が話し合い、卒業式で渡した証書をいったん学校が預かり、学費納入後に渡すことにした。

福井商高、チアダンス全米王者に 初出場で最高点

 福井県立福井商業高校(丹羽治夫校長)のチアリーダー部「JETS(ジェッツ)」が7、8両日(現地時間)、米国・フロリダ州オーランドで開催された全米チアダンス選手権に初出場し、高校チームパフォーマンス部門(30チーム出場)で総合優勝した。日本の高校生チームが同部門で総合優勝するのは5年ぶり2回目だ。

 全米チアダンス選手権は、本場米国で最高峰の大会。同部は同部門の大編成(17〜30人)のカテゴリーに出場。5チームが挑んだ8日の決勝で、9.27点(10点満点)の高得点を獲得した。中(13〜17人)、小(12人以下)編成の各優勝チームの最高点もしのぎ、総合優勝した。

2009年3月10日 (火)

新教育の森:都立高エンカレッジスクール 時には小中レベル、激減した中退率

 ◇わかる授業が特色

 入学試験も定期試験も行わない「エンカレッジスクール」として、5年前に再出発した東京都立足立東高校(足立区)が、基礎中心の「わかる授業」で中退率を激減させている。エンカレ校を生み出した都立高改革は成功しているのだろうか。

 ◆テストなく30分授業

 自転車やバイクが廊下を走り回り、茶髪の生徒が学校を抜け出して近所をうろつく。足立東高は数年前まで生徒が荒れ、地元で廃校運動が起きたこともあった。しかし都のエンカレッジスクールの第1号に指定され、03年度に入学試験の選抜方法や授業の進め方を変えた結果、生まれ変わった。今、ほとんどの生徒は静かに席につき、茶髪も化粧した生徒も見当たらない。

 「かつての中退率は24%を超え、1年で130人もの生徒がやめた年もある。昨年度は6%。最近は1年生の中退が減ったことがうれしい」。清水頭(しみずがしら)賢二校長は言う。校長室のホワイトボードの日程表には、各地の県立高の名前が書き込まれている。中退を減らしたすべを学ぼうと、低学力の子を抱える公立高の視察が相次いでいるのだ。

 「エンカレッジ」は「励ます」という意味。小中学校の授業についていけなかった生徒のやる気を育てるため、都教委がこれまで4校を指定した。エンカレ校では、入試時の学力テストは行わず、面接や小論文などで「学びたい」気持ちがどれほど強いかをみる。入学後は授業に集中できるよう、1年生では30分授業を導入。英数国は習熟度別の四つのクラスに分け、時には小中学生の内容にまで戻って丁寧に教える。

 ◆2人担任制で目配り

 「今日の天気は?」「cloudy」。「今日は何日ですか」「December second」。1年生の英語の授業。先生の問いかけに、生徒たちがやや小さめの声だが、英語で答えている。友達としゃべったり、机に突っ伏して寝る子もいない。足立東高で教えて10年目という大谷望教諭は「中1の途中から英語についていけなくなった、という生徒が多い。氷を溶かすように、わかるところまで戻って教えている」と話す。

 「中学と違い、先生はやさしく説明してくれる。友達目線で『どうしてる?』といつも声をかけてくれる」。2年生の女子生徒(17)は、きめ細かい対応に満足しているようだ。エンカレ校は2人担任制で、クラスに配置された2人の教師が、服装の乱れはないか、家庭生活や授業で困ったことはないか、一人一人に目を配る。

 エンカレ校が生まれた背景には、高校進学率の高まりとともに、一部の高校で意欲のない生徒が目立つようになったことがある。都教育庁都立学校教育部の高橋美弥子副参事は「授業が面白いと感じない生徒の足が、学校に向かなくなった。目的意識を持ち自立した生徒を育てるため、学校が変わる必要があった」と振り返る。

 ◆午後は体験学習中心

 エンカレ校には、勉強だけでない別の受け皿が用意されている。サッカーや和太鼓などの実技や、職場実習する体験学習で、午後は教科学習を行わず体験が中心となる。スーパーでの販売や保育園で子どもの世話をする職場実習では当初、実習のある日に休んだり、途中で消えてしまう生徒もいたが、今はほとんどない。就職先を真剣に考えるようになったのか、03年度卒業生の半数は卒業時に進路未定だったが、07年度には約2割まで下がった。

 「知識や学力だけが人を成長させる要素ではない。卒業後に独り立ちできる力をつけることを目標にしている」。清水頭校長は強調する。

 しかし、新生・足立東高にも悩みはある。入学試験を課していた当時と違い、中堅レベルの大学に入れる子は減った。授業をサボって遊ぶようなタイプの生徒が減った代わりに、面接で評価されたおとなしい子が増え、活気に欠ける面がある。都教育庁は「定期試験がないことが、競争社会に耐えうる人材育成につながるか疑問な点もある」と語り、競い合いをどう実現させるかが課題とみている。

 ◇都立高改革、対象外は自助努力頼み−−進学校と底辺校には手厚いが

 少子化に伴う生徒減や、学校に適応できない高校生の増加に対応するため、都は97年度から都立高改革を始めた。一つ一つの高校を特色づけ、生徒の興味や適性に合わせて多様化した。

 改革で生まれた新しいタイプの高校は、▽小中学校で不登校を体験した生徒向けの「チャレンジスクール」▽昼でも夜でも学べる「昼夜間定時制高校」▽商業の専門校「リーディング・コマーシャル・ハイスクール」▽理工系への大学進学をめざす「科学技術高校」など。足立東高のように、既存の高校が新しい看板のもとで生まれ変わったり、統廃合や新設で全く新しい高校ができたりした。難関大を目指す生徒の多い日比谷高校などトップ7校は「進学指導重点校」とされ、自校作成の問題による入学試験や土曜授業を行い、学力対策に力を入れる。

 改革の柱でもあるエンカレ校では、各校が中退率を減らしている。エンカレ以前と最新の中退率を比べると、蒲田高は15・2%から7%に、秋留台高は10・4%から7・6%に、練馬工業高は16・8%から7%になった。この効果に他県も注目し、神奈川県は今春から同様の「クリエイティブスクール」を導入する。

 ◆苦悩する「中間校」

 都立高改革による余波もある。新設校や特色化する高校が相次ぐ中、看板をかけ直していない学校で中退者が多発する傾向があるのだ。

 南葛飾高(葛飾区)の昨年度の中退率は16%。特に1年生の中退が多く、今年度は1年生の85%以上の進級を目指したが、実現は難しそうだ。星野裕史校長は「厳しい生徒が集まっているのは事実。もっと教員が配置されれば、きめ細かい指導ができるのだが」と悩む。

 勉強意欲や目的意識の薄い子に悩む教員は、授業や生徒指導でさまざまな工夫をしている。ノートを取らない生徒が多いため、プリントを配って書き込ませ、授業後はなくさないように回収。すべて書き込みが終わるとノートに張らせる。学校を休みがちになった生徒には、「これ以上休むと危ない」と訪問や電話で何度も働きかける。携帯電話についても、授業中の使用がわかれば取り上げるようにした。星野校長は「どんな子でも入学できるのが公立高のよさ。やめさせないためにも、わかる授業をめざして努力している」と話す。

 ある都立高校長は「都立高改革で、10年前に200校以上あった全日制高校が170校になった。荒れていた学校がなくなったりモデルチェンジしたりして、行き場を失った生徒が一つの学校に集まる傾向がある」と指摘。別の校長は「改革では進学校と底辺校に手厚い対策がとられたが、普通の高校が苦しんでいる」と指摘する。

 都教育庁は「新しいタイプの学校に指定されなくても、それぞれの学校が独自の理念や特色を打ち出さなくてはならない。都立高改革はまだ道半ば」と指摘し、各校に努力を促している。

小学生に無料で副教材 三菱商事、商社の役割PRも

 三菱商事は、小学校高学年向けの社会科副教材「世界をむすぶ産業と貿易」(B5判、75ページ)をつくった。4月から始まる新学期にあわせて、東京都内の小学校などに13万6500部を無料で配布する。

 漫画が中心で、男女2人の小学生が冒険をしながら学習するというストーリー。貿易や産業の統計資料もふんだんに取り込まれており、国際社会での日本の役割について、楽しみながら学べるという。

 「自動車」「金属資源」「エネルギー資源」「食料」「物流」の5章からなり、小学生にはなじみの薄い総合商社の役割を知ってもらう狙いもある。

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高校新学習指導要領、9日付の官報で告示

 「ゆとり教育」からの転換を目指して文部科学省が改定作業を進めていた高校の新学習指導要領が、9日付の官報で告示される。昨年12月に公表された改定案から大きな変更はなく、理科と数学については2012年4月から、その他の教科は13年4月から実施される。

 同省は、特別支援学校の新学習指導要領も9日付官報で告示する。

 高校の学習指導要領に関する今回の改定では、昨年3月に告示した小中学校の学習指導要領に続いて「脱ゆとり」色が鮮明となっている。

体験型科学教育で変わる授業 14日に教育フォーラム開催

 NPO法人「体験型科学教育研究所」(秋山仁理事長、本部・東京)は、教育フォーラム「体験型科学教育でどう変わる、どう変える授業」(産経新聞社など後援)を14日、東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区)で開催する。

 日本の子供の学力低下が懸念される中、子供が科学に親しみ、創造力や問題解決能力を養うためには、どう支援すればいいか−。学校、行政、企業やNPOそれぞれの代表者らが集まり、連携して教育現場を活性化するための方策を考える。当日は、実際に愛知県東海市内の中学校で行われている取り組みも紹介される。

 申し込みや問い合わせは同研究所(電)03・3482・8020。

小学校:入学前後、まず生活整えて 早寝早起き、朝食…学習習慣はその後

 もうすぐ4月。今年も約110万人が小学1年生になる。「ちゃんとやっていけるかしら」とちょっぴり不安な保護者も多いはず。入学前後に何をしたらいいのか調べた。

 「幼稚園のお庭でも見られるもの、なーんだ」。東京都調布市の東京YWCA国領センターまきば幼稚舎で、「し○○」と記されたホワイトボードを掲げながら先生が問いかける。テーブルに備えられたいすに座り、ボードをじっと見つめる子どもたち。小学校入学を控えた年長組の15人だ。1人が手を挙げ「分かった! し・ぜ・ん、だ!」と元気良く答えた。

 まきば幼稚舎の年長クラスは、小学校にそなえてテーブルを前にいすに座る時間を少しずつ増やす。年長クラスに長男がいる池本敦子さんは「45分間もある授業でじっと座っていられるか、やはり不安」と話す。家庭でもピアノを習わせて、まずは30分間、じっと座る練習をさせているという。

 ■根気よく注意を

 保護者の心配には学習面と生活面がある。

 「まずは生活面、それから学習面を整えて」と、幼児教育に詳しい東京大受託研究員の矢野徹さんは話す。矢野さんは、年間に全国30〜40の幼稚園や小学校を訪ね、子どもや保護者、教師らの調査をしている。小学1年生の最近の傾向として、入学時に学習面では対応できる半面、生活習慣が遅れていることを指摘する。「学習する習慣は大切。ただし、整った生活習慣の上にしか学習習慣は身に着かない」という。

 生活習慣を身に着けず、夜更かししたり朝食を取らないと、授業に集中できなくなる。勉強を優先させると、授業に付いていけるため「簡単じゃないか」と慢心してしまう。危機感がないから学習する習慣がつかず、就学前の「貯金」がなくなると伸び悩む−−というパターンもあるという。

 先輩ママも、生活習慣の重要性を感じている。通信教育大手のベネッセが昨年9月、小学1年の子を持つ保護者682人にアンケートしたところ、「やっておけばよかった」のトップ3は(1)決められた時間内の食事(24・3%)(2)思っていることを友だちや先生に伝える(22・3%)(3)洗顔や着替え、持ち物の整理(19・4%)−−で、生活面の項目が並んだ。

 とはいえ、「早寝早起きしなさい」と声をからしても子どもが言うことを聞かないこともある。

 矢野さんは「子どもが言うことを聞かない、と自信をなくす親が多いのも最近の特徴の一つ」としたうえで、「10回でも20回でも言い聞かせること。ある日突然、できるようになるものです」とアドバイスする。親だけ夜更かししたりせず、一緒にルールを守ることも大事だという。

 ■親も子離れ始めて

 「小学校入学は親にとって子離れのスタート」と話すのは、情報発信サイト「All About」で「幼稚園・保育園」のガイドを務め、4児の母でもあるジャーナリスト、猪熊弘子さんだ。「夢中で子育てを頑張ってきたお母さんが、急に自由時間を与えられてとまどうこともよくある。お母さんも、徐々に自分の時間の過ごし方を考え始めてほしい」と勧める。

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 ■小1児童の保護者が入学に際し心がけたこと

・早寝早起きの習慣化

・ひらがなの練習

・交通ルールの勉強

・家の住所・電話番号を覚える

・自分の言いたいことを伝える

・洗顔、着替え、持ち物の整理を自分でする

・和式トイレの練習

・時計を見て動く練習

・机に向かう習慣をつける

・食事を時間内に食べる練習

・親子で通学路を歩き、危険な場所などを確認する

 *ベネッセのアンケートから

「英語の授業は英語で」 高校の改訂指導要領を告示

 文部科学省は9日付で13年度に本格実施される高校の新学習指導要領を告示した。10年ぶりの改訂で、英語の授業は英語で行うことを基本とし、教える単語数も4割増とする▽義務教育の内容も必要に応じて教える▽国・数・英で「共通科目」を新設する▽週30コマ以上を教えてもよい――といった内容を明記したことが特徴だ。昨年12月に改訂案を公表していた。

 文科省は同日、特別支援学校の新指導要領と教育要領も告示した。全員分の個別の指導計画の作成を義務づけており、幼稚部は09年度、小学部は11年度、中学部は12年度、高等部は13年度から本格実施される。一部は前倒しで今春から実施される。

 改訂案公表後、文科省が一般から意見を募ったところ約3600件の意見が寄せられたが、文科省が内容を大きく変更した部分はなかった。

新設大学の教員名公表…文科省

 認可後の変更抑止

 文部科学省は来年度から、大学や学部の新設の際、教員名簿やカリキュラムなどの資料を公表することを決めた。

 2004年の設置基準の緩和で大学の質の低下が指摘される中、認可後に大学側が安易に計画変更することを抑止する狙いがある。週内にも全国の大学などに通知する。

 文科省は現在、大学の名称や住所などを公表しているが、それ以外の情報の公開は大学の自主的な取り組みに任せている。

 しかし、設置基準の緩和を受けて、大学や学部などの新設が相次いだ結果、経営が安定しない大学の中には人件費を抑制するため、実績のある教授を若手に代えたり、カリキュラムを変更したりするケースも増えている。

 このため、同省は2月下旬に省令を改正した。来年度からは、〈1〉カリキュラムや職員数、図書数などを記した基本計画書〈2〉学則〈3〉設立趣旨〈4〉教員名簿――などを同省のホームページ上で閲覧できるようになる。同省は当初の計画を公表することで、大学側の都合による変更を抑制したいとしている。

2009年3月 9日 (月)

授業料滞納で卒業証書回収 長野の高校

 山梨県増穂町の県立増穂商業高校(久津川孝校長)で、授業料を滞納したとして、昨年と今年の卒業生2人の卒業証書を回収していたことが7日、分かった。昨年の卒業生は滞納分を納め、卒業証書が渡されたという。

 同校によると、2人はいずれも卒業式に参加し、ホームルームで担任から卒業証書を受け取った。その後、授業料や生徒会費など数カ月分の滞納があったため、事前の約束通り同校で卒業証書を回収した。昨年の卒業生は式の2カ月後に滞納分を納めて卒業証書を受け取ったが、今年の卒業生の分は回収したままだという。久津川校長は「保護者と生徒とは話し合って了解を得ている。義務は果たさなければならないという教育の一環だった」と説明した。同校によると、保護者側は3月中には納付する考えを示しているという。

 同校の対応について、県教委は「やむを得ない措置だとは思うが、生徒の心情を考えると、別の方法がなかったか疑問も残る」とした。

授業料滞納:山梨の県立高、卒業証書を回収 2生徒からこっそり

 山梨県立増穂商高(増穂町最勝寺、久津川孝校長)が授業料などを滞納した昨年度と今年度の卒業生2人から、一度手渡した卒業証書を回収していたことが7日、県教委への取材で分かった。久津川校長は「教育的指導の一環。滞納は本人の問題ではないが、高校生になれば家庭の事情も理解しないといけない」と説明している。

 県教委と同高によると、2人は卒業に必要な単位を取得していたが、年間11万8800円の授業料の一部と諸経費を滞納していた。卒業証書の回収について、同高は卒業生と保護者の了解を事前に得ていたといい、ホームルームで卒業証書を手渡した後、「同級生の目につかないよう」(同高)に配慮して本人に返却させたという。卒業後に滞納分を納めた昨年度の卒業生には卒業証書を渡した。

 県教委が作成した授業料滞納の対応の手引きには、卒業証書の回収について記載はなく、回収は同高のみで「他の県立高校はやっていない」(県教委)という。県教委高校教育課の滝田武彦課長は「方法としてどうかと思う気持ちがないわけでもないが、保護者の了解を得ている。県教委としては学校に判断を任せている」と話した。

村の子全員に無料英会話教室 和歌山・北山村、来月から

 和歌山県北山村は、村内の全小中学生約30人を対象にした無料英会話教室を4月に開設する。学習塾がなく、外国人も住んでいない山村の子どもたちに国際感覚を身につけてもらうのが狙いだ。

 奈良、三重両県に挟まれた「飛び地」の村で人口510人。隣接する三重県熊野市の塾に通う子もおり、親から「村内に英語を学ぶところがほしい」との要望があったという。昨年4月に月2千円の授業料で村営英会話教室を始めたところ、小中学生の8割近くが利用する人気で、全員対象の無料化に踏み切った。

 和歌山県新宮市で英会話を教えるアイルランド人を講師に招き、村民会館で週1回、放課後の50分間を利用する。講師は村内の小学校で英会話授業も受け持つ予定で、村はこれらの経費として09年度予算案に約240万円を盛り込んだ。村教委の担当者は「経済的余裕のない家庭の子にも勉強の機会を提供し、教育格差を解消したい」と話す。

教諭が願書忘れ、推薦入学できず…都立小松川高の生徒

 東京都立小松川高校(江戸川区)の教諭が生徒から預かっていた大学の推薦入試の願書を出し忘れたため、生徒が受験できなかったことが7日わかった。都教委は教諭の処分を検討する。

 同校によると、進路指導担当の女性教諭(59)が昨年10月、女子生徒から東京の私大の推薦入試の願書を受け取ったが、職員室に置いたまま大学に提出するのを忘れた。受験票が届かないことを不審に思った女子生徒が11月の試験3日前に高校に相談して発覚したが、出願の締め切りは既に過ぎていた。

 この推薦入試は、大学側から示された人数内で高校が生徒を推薦する仕組み。推薦されればほぼ確実に合格するという。同校は生徒と保護者に謝罪した。

龍谷大が緊急奨学金 経済危機に対応

 龍谷大学(京都市伏見区)は6日、経済状況の悪化で学費の支払いが困難になる学生らを対象に、平成21年度から2年間で総額2億円(1年1億円)の緊急特別経済援助奨学金を設けると発表した。

 保護者の年間所得が30%以上減少したことなどが条件で、新入生の場合は年間授業料の半額(理系約47万円、文系約37万円)、在学生の場合は年20万円を支給する。

検定GO!:ご当地編 あおもり

 県南地方の郷土料理「いちご煮」は、漁師たちが浜辺で味わっていたもので「朝もやにけむる野いちご」のように見えることからその名がついた。「野いちご」に似ているとされる食材は何か。

<1>布海苔(ふのり)

<2>あわび

<3>うに

 (第1回初級試験より)

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 《あおもり検定》

 出題形式・選択式/受検料・一般3000円、高校生以下2000円/問い合わせ・青森商工会議所あおもり検定事務局017・734・1311(解答は<3>)

「門前払い」3527人 国公立大入試

 文部科学省は6日、国公立大入試の2段階選抜の実施状況(中・後期日程分)を発表した。大学入試センター試験の成績で「門前払い」する第1段階で不合格となったのはのべ3527人。前年度より1615人少なく、志願者数の減少などが影響したとみられる。10日に結果を発表する東京大は含まれていない。

デジタルテレビ 授業で活用

 鮮明な映像 スローなど自在

 デジタルテレビが体育や理科の授業で活躍している。運動シーンをカメラで録画した後、スピーディーに再生できる機能を利用して自分の動きを確認したり、鮮明な画像でチョウの羽化を眺めたり、子供たちの関心を高める装置として役立っている。

 今年度からデジタルテレビを導入している熊本県人吉市立人吉西小学校は今年1月、6年生の体育の授業に活用。跳び箱では児童一人一人の跳び方、姿勢をチェックするのに威力を発揮した。

 事前に収録しておいた高校体操部員の模範演技の映像を児童たちに見せた後、踏み切りや手を着く位置、着地の姿勢などのポイントをスロー再生などの機能を使って教師が説明する。その後、テレビと接続したデジタルカメラを跳び箱の横に置き、撮影した映像が10秒後に画面に映るようにセットする。

 このため、児童たちは跳び箱を跳んだ後に、すぐに自分の映像と向き合うことができる。「思っていたよりひざが曲がっていた」「足の運びが乱れている」。教師と一緒に改善点を見つけては、跳躍を繰り返す仕組みで、同小の中島公洋教諭は「本当に上達が早いですよ。みんな楽しそうだし」と目を見張る。

 2005年度からデジタルテレビを活用してきた千葉県船橋市立三山東小学校では、様々な教科で活用している。例えば、理科の授業では、教室で育てたモンシロチョウがいよいよ羽化する場面を撮影。それをクリアなテレビ画面で再生すると、児童たちは「うおー」と大歓声。デジタル機能を使って拡大したり、遠景を見せたりしている。「面白い」だけでなく、関心を高めることで児童の集中力もアップするという。

 文部科学省によると、全国の小中高校に設置されているテレビは約60万台。このうち地上デジタル放送に対応しているのはまだ1%に過ぎない。アナログ放送がなくなる2011年夏までに、買い替えや地上デジタルチューナーへの移行が進むとみられるが、これに伴い、視聴覚教育も一変しそうだ。

 新潟大の生田孝至教授(教育工学)は「デジタル機器の操作方法はそれほど難しくないが、教師の中には、新しい装置に苦手意識や抵抗感がある人も出てくると思う。教師側の理解も深まるように研修などを行い、本格的なデジタル教育時代を迎えるのが良いと思う」と話している。

2009年3月 8日 (日)

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作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

 むかしから学習は読み・書き・そろばん!
 近年見直されている作文添削で正しい日本語表現と基礎学力(読解力)の養成を!

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「喘息」 患者主体、初の実態調査 難治化患者は予想以上/治療費、負担に

 薬剤の進歩などで治療効果が格段に高まった喘息(ぜんそく)。だが、発症率は逆に高まるばかりで、国内の発作死は年間3000人近くに上る。こうした実態を浮き彫りにしようと、患者団体が主体になった初の実態調査結果がまとまった。難治化した患者が予想以上に多く、生活の制約や治療費の負担が大きいことなどが分かった。

 「40、50年前は大人も子供も発症率は1%前後だったが、現在では大人が3〜4%、子供は5〜7%かそれ以上になっている」と喘息患者の声を届ける会(東京都中央区)の代表世話人で日本アレルギー協会理事長の宮本昭正さん(79)。同会は患者の実態を発信する「喘息患者の生活・環境・意識調査」実施を目的に、患者5団体と専門医らが昨夏設立した。

 「発症率上昇は先進国ほど顕著で、背景には清潔志向による免疫力低下や家屋密閉化によるアレルゲンの増加、大気汚染、肉や脂肪の(摂取量)増加といった食生活の変化などがある。近年は成人発症も増えている」

 調査を担当した昭和大医学部呼吸器・アレルギー内科部門教授の足立満さん(62)は「薬の進歩と治療ガイドラインの普及で、発作などによる死者は減っているが、それでも平成18年で2778人いる」と話す。喘息死は厚生労働省の人口動態調査だと、昭和26年に1万4867人と最多になってから減少が続き、51年に6948人に半減。平成14年に4000人、18年に3000人を割った。

 足立さんは「発作がないと一見健康に見えるので周囲の理解が進まない半面、発作や治療がつらいという患者が少なくない」。また、「治療薬が進歩しても、重症者が予想以上に多いことが実態調査で浮かんだ」とも。

 調査結果で、患者は平均63・9歳、半数以上が60歳以上で、成人発症の増加を裏付ける。全体の14・2%は発作が週1回以上起き、この半数は毎日起きている。救急外来の受診は、1割が「年2回以上」経験するなど、症状が重い。
> 半面、半数以上が症状や日常生活で「つらいことや困っていることがある」とし、うち13・6%(複数回答)が「身近な人の無理解」「職場に喘息のことを言えない」など、周囲の無理解を挙げている。

 患者団体の一つでNPO法人日本アレルギー友の会(東京都江東区)副理事長の武川篤之さん(60)は「患者5団体が合同で実態調査を行えたのは、患者自身の声を発信する面でも、大きな意義がある」。

 国立病院機構相模原病院アレルギーの会(神奈川県相模原市)広報部、北島芳枝さん(60)は「私は喘息で会社を辞め家を手放し、趣味もペットもあきらめた。調査でも6割近い人が『あきらめたものがある』と回答。長期・難治化した人が少なくないことが分かり、支援態勢は必要だ」。ひまわり会(大阪府富田林市)会長の山田泰義さん(68)は「発作は命にかかわるので薬を手放せないが、値段も高い。公的支援を」と訴えている。

 ■就職や進学をあきらめる人も

 「喘息患者の生活・環境・意識調査」は昨秋、患者5団体の会員ら1984人が回答。85・5%が薬を処方されており、この3分の1が4剤以上使用。8割余は発作の予防効果の高い吸入ステロイド剤を使うが、この4分の1は効果が不十分で、副作用が強い経口ステロイド剤を使わざるを得ない。

 話ができないほど重い症状や発作が月1回ある人は6・9%、年1回程度ある人を含めると20%。2・9%は症状急変で年2回以上入院している。回答者の半数は喘息のために「社会活動の制限を感じる」とし、「あきらめたこと」は「スポーツ」「友人との外出」「ペット」「就職」「昇進」「進学」など。

小学校英語:副読本「英語ノート」で公開授業 東京・小名木川小で

 小学5、6年の「外国語活動」が必修となる新学習指導要領が09年度から移行措置が始まり、4月から多くの小学校で英語がスタートするのを前に、文部科学省が作成した副読本「英語ノート」の試作版を使った公開授業が3日、東京都江東区立小名木川小で開かれた。子供たちは「How are you?」と聞かれて、「Hungry!」と答えるなど、英語での会話を楽しんだ。

 副読本は、印刷版とデジタル版、教員用指導資料、音声CDの4点セット。08年4月に試作版が完成し、全国の指定校などで先行して使われてきた。デジタル版には、教員1人で授業しやすいように画像や音声も収録。指導資料では、児童は2年間で計約300の単語を使う。

 公開授業は、都内23区、15市から計250人の教員らが参観。同小は指定校ではないが、5年生担任の諸岡朋子教諭と6年生担任の一場俊輔教諭がセットを入手して、「外国語活動」の狙いである「英語でコミュニケーションをしようとする態度を養う」を目標に5回の授業を行って研究した授業を披露した。

 5年生のクラスでは、諸岡教諭が「Let’s Play janken!(じゃんけんしよう)」と呼びかけ、電子黒板に映し出された教材のスタートボタンを押すと、じゃんけんゲームがスタート。子供たちは「Rock」「scissors」「paper」(石、ハサミ、紙=ぐー、ちょき、ぱー)とそれぞれ英語で答え、諸岡教諭の「How many Winners?(何人勝った?)」という質問に、勝ち残った児童を全員で数えた。6年生は「Can you〜?(〜ができますか?)」という言い方を覚えて、「guitar(ギター)」や「swimming(水泳)」など互いにできることを質問し合うゲームをした。両教諭は、あいさつや簡単なやり取りは英語で、ゲームの進め方の説明などは、日本語と英語を併用していた。

 諸岡教諭は、電子黒板を使って画像などを見せると、日本語を使わなくても説明しやすく、教材の内容も子供たちの実態に合っていると感じるといい、「初めは不安だったが、教員用資料に英語での発問の仕方も書いてあり、教材を研究するうちに変わってきた」と話した。

 新指導要領は11年度から完全実施される。「英語ノート」の完成版は4月までに希望する小学校に配布される。

君が代不起立で8教諭に訓告・注意 大阪・門真市教委

 大阪府門真市教委は、昨年3月の卒業式で君が代斉唱時に起立しなかったとして、市立第三中学校の当時の教諭8人を文書訓告や口頭厳重注意の処分とした。処分は2月20日付。君が代斉唱時の不起立で教員が処分を受けるのは、府内で初めてという。

 府教委と市教委によると、当時3年生の担任、副担任だった20〜50代の教諭8人と、卒業生160人のうち159人が君が代斉唱時に起立しなかったという。

 教諭らに事情を聴いた結果、生徒に不起立を指導した事実は確認できなかったが、「学習指導要領に基づいて国歌斉唱を指導すべき立場の者として不適切」と判断。調査に応じなかった50代の男性教諭を文書訓告、男女7人の教諭を口頭厳重注意とした。監督責任などを問い、校長も文書訓告とした。

授業料の滞納に絡み、無料電話相談

 景気の悪化で授業料の滞納により就学困難に陥っている生徒が増えているため、全日本教職員組合(全教)は8〜9日、保護者らを対象とした無料電話相談を行う。

 開設時間は、8日が午前10時〜午後5時、9日は正午〜午後7時で、電話番号は0120・56・9671。弁護士や学校職員らが各種の奨学金の受給方法や授業料の減免制度などについてアドバイスする。

 日本私立中学高等学校連合会によると、昨年12月末現在、授業料を滞納していた高校生は、私立高だけで約2万4500人に上る。

2009年3月 7日 (土)

【教育動向】広がる「小中一貫」、多様な効果

 小学校6年間と中学校3年間の教育を一体で行う「小中一貫教育」が、全国にじわじわと広がっています。とりわけ横浜市では2012(平成24)年度から全小・中学校で行う方針で準備を進めており、合わせて500校近い規模での実施は例を見ません。

 段階の異なる学校を一体化するものには「中高一貫教育」がありますが、中高一貫教育が1999(平成11)年度から制度化されているのに対して、小中一貫教育のほうは、実は公式な制度として実施されているものではありません。文部科学省の「研究開発学校」や政府の「構造改革特区」といった特例を使っているか、または、実際の運用として実施しているかなのです。

 たとえば、特区認定を受けて2006(平成18)年度から全校で小中一貫教育を実施している東京都品川区では、隣接する小・中学校の間で実質的な一貫教育を行うほか、施設一体型の一貫校(3校)でも「○○小学校」「××中学校」という正式名称は残しつつ、普段は「△△学園」という通称でとおし、校内でもあくまで9年制の学校として運営を行っています。

 その形態も、9年間の区切りを4−3−2などに分けたり、あるいは6−3のまま小・中学校の先生が相互乗り入れで授業を行ったりするなど、さまざまです。新たな一体型校舎を建てる場合を除けば、連携する小学校と中学校が隣接している場合と離れている場合、小学校が複数ある場合など、地理的・物理的条件によっても変わってくるようです。

 では、公式な制度でないにもかかわらず、なぜ小中一貫教育が自治体の間に広がっているのでしょうか。「中1ギャップ」という言葉も一般的になりましたが、小学校と中学校では学校生活や授業のやり方が全然違うため、その変化に子どもたちがついていけなくなっているために起こると言われています。

 小中一貫教育を実施している学校では、学力向上はもとより、生活指導面や心の育成面など、さまざまな効果があると言います。9年間という長いスパンで、子どもの成長に合わせながら、じっくり指導ができるからです。小学校英語もいよいよ来年度から全校実施となりますが、中学校の英語の先生が小学生を教えられることも小中一貫校のメリットでしょう。

 そもそも義務教育を6−3に分けるというのも、戦前からあった6年制の小学校の上に戦後、3年間の中学校を乗せただけであって、必ずしも子どもの成長を考えたものではない、と文部科学省も説明しています。2006(平成18)年末に改正された教育基本法では、「義務教育」についての条項が増えました。同省では地方の動きなども踏まえ、「義務教育学校」(仮称)といった新しい学校の種類を制度化することを検討していると言います。近い将来、中高一貫教育校のように、どの自治体でも小・中学校か小中一貫教育校かを選べる日が来るかもしれません。

福岡県立大:図書館の本、未返却学生は卒業証書渡しません 強硬策「社会人のルール」

 福岡県立大学(福岡県田川市)は、付属図書館の本を借りたまま返さずに卒業する学生に対し、卒業証書の授与を保留する強硬策を打ち出している。4日現在、卒業予定者21人が計51冊を返していないため、卒業式(17日)前日までの返却を求めている。不心得者に業を煮やした窮余の策だ。

 06年春に大学が独立行政法人となった際、図書館の未返却図書が420冊に上ることが判明。翌春、28人が計58冊を返さずに卒業した。このため10月と1月を「延滞解消月間」として学生に文書や電話で督促している。

 卒業証書授与を保留する方針を決めたのは08年3月。卒業自体は取り消されないが、心理的効果は大きいとみられ、その年の卒業生に未返却者はいなかった。

 だが、今年も卒業シーズンを控えて返却延滞者が続出。2月末に1〜4年生55人が計119冊を借りっ放しにしていたため、卒業予定者や保護者に集中的に督促し、図書館入り口には返却呼びかけを掲示している。

 未返却の本は、看護師や社会福祉士など国家試験の対策本から専門書や小説までさまざま。保護者からは「ペナルティーとして重過ぎる」との反応もあるというが、大学事務局は「図書館の本は重要な公有財産で、借りた本を返すのは社会人として守るべき基本的なルール。(授与保留は)最後の手段だが教育的配慮でもある。見直す考えはない」と話している。

大阪市も全429校で小中一貫教育 2011年度から

 大阪市教育委員会は2011年度から、小学校299校と中学校130校の市立小中全429校で、小中一貫教育を始める。永井哲郎教育長が3日、市議会で明らかにした。中学入学後、勉強のスピードや人間関係の変化から学校になじめなくなる「中1ギャップ」を解消するため、小中のつながりを滑らかにするのが主な狙いだ。

 全小中学校での一貫教育は全国でもまだ少ない。政令指定市では横浜市が12年度から全491校での実施を決めている。

 大阪市教委によると、中学校と周辺の小学校が連携し、中学校の教員が小学校で出前授業をしたり、小学6年生が中学校での授業や部活動を体験したりすることを想定している。小1〜中3の9年間を通したカリキュラムをつくり、学習指導や生活指導に連続性を持たせるという。

 「中1ギャップ」によるストレスなどから、中1で不登校やいじめが増えやすいと言われている。そこで、大阪市では07年度から、全24区で数校ずつ試験的に小中一貫教育を導入し、小中の教員が一緒に指導方法を研究するなどの取り組みを進めてきた。市教委の担当者は「中1でのつまずきをなくし、学力の底上げを図りたい」としている。

 小中一貫教育は、大阪府寝屋川市がすでに市全域で実施しているほか、同府箕面市や広島県呉市では一部で実施。堺市も市教委が全域への導入方針を決めている。

高校生が「ことば」の授業

 埼玉県立蕨高 地域の4小学校で

 埼玉県立蕨高校(鈴木孝義校長)が、高校生が小学生に言葉の仕組みを考えさせる授業を行うなど、体験的に言葉を学ぶ取り組みを続けている。生徒に自分の考えを表現できる、豊かな「言語力」を身に着けてもらおうという試みだ。

 「ことばの面白さは、だれもが等しく味わえるもの。ことばを意識的に使うことで、その能力を耕すことができるんです」。斎藤菊枝教頭はそう語る。大津由紀雄・慶応大学教授(言語の認知科学)のもとで同大の訪問講師も務める経験などから、実践を中心になって進めてきた。

 同校の生徒が今年度、地域の四つの小学校で行ったのが「ことばの時間」だ。

 「ぼくが食べたいと思っているワニ」など、複数の意味に受け取れる言葉を黒板に示し、高校生が「どういう意味かな?」と尋ねていく。何気なく使っている言葉にも、様々な意味があることを子供たちに気づかせ、その豊かさや楽しさを実感してもらうのがねらいだ。

 昨年11月に授業を担当した宮沢拓矢さん(2年)は、「子供の意外な発想に驚かされた」と言い、小櫃(おびつ)克介さん(同)も「自分がふだん使っている言葉の意味を、改めて考えた」と話す。「教えることは高校生自身の“気づき”にもつながるんです」と斎藤教頭。

 「蕨高特別セミナー」と題した講座では、小説家や大学教授を招き、言葉を題材にした講義や、他の言語への理解を深めるため、日本学術振興会のサイエンス・ダイアログ事業を活用し、外国人の研究者による英語でのレクチャーも開催している。

 こうした体験を通じ、生徒からは「友達と話していて『何で伝わらないんだろう』と思うことがあったが、あいまいな言葉の使い方が原因と分かった」などの声が寄せられているという。

 新学習指導要領案では、言語活動を充実させる方針が示された。大津教授は「ことばは精神生活の根源と言えるのに、教育現場でその仕組みや働きは、ほとんど教えられていない。ことばの面白さを気づかせる実践の意義は大きい」と話している。

2009年3月 6日 (金)

関西私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

関東私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

2009年3月 5日 (木)

学校裏サイト監視へ臨時職員雇用 埼玉県

 埼玉県教育委員会は4日、ネット上のいじめやトラブルの温床とされる学校裏サイトなどを監視するため、平成21年度に約1100万円を予算化し臨時職員6人を雇用する方針を決めた。

 職員は県立総合教育センター(さいたま市)を拠点に、裏サイトや自己紹介サイト(プロフ)を監視。県内の全公立中学、高校583校に関係する悪質な書き込みを見つけ、サイト管理者に削除を依頼する。

 裏サイトなどの対策では、東京都教委や三重県教委などが、監視業務を民間委託する方針を明らかにしている。

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富山大:学長再任巡り、教授ら「任命しないで」

 富山大の西頭徳三(さいとう・とくそう)学長が再任された手続きに問題があったとして、同大教授と准教授の4人が3日、文部科学省を訪れ、西頭氏を学長に任命しないよう求める要請書を提出した。学長には3人が推薦され、昨年11月に教職員を対象に実施された意向調査では西頭氏が得票率約2割で最下位だった。しかし、学外委員が半数を占める学長選考会議(12月)では過半数を得票し、再任が決定した。

川辺川ダム賛否問う設問、中2テストに 熊本

 熊本県の社会科教師らでつくる研究団体が作った県内の中学2年向け社会科の学力テストで、同県の川辺川ダム建設への賛否を問う問題が出され、ダム計画を巡り対立が続く地元の一部中学校が「子どもたちの不安と動揺を招く」として、テストの実施を見送っていたことがわかった。一方、専門家からは「社会への関心を高めるのに役立つ」との指摘もある。

 県中学校教育研究会社会科部会が08年11月、地理分野の問題として作成。「川辺川ダム計画に賛否双方の意見があり、解決の見込みがない」と現状を紹介したうえで、賛否と理由を書くよう求めた。理由が論理的かが採点のポイントで、配点は50点満点の1点だった。今年1月18日までに同県内の150校が実力テストなどに使い、生徒約1万7千人が受けた。

 同部会は「近い将来、公民となる中学生が社会への関心を高め、公民的資質を育てるようにと考えた」と出題の意図を説明する。

 だが、ダムへの賛否を巡り、地元・人吉球磨地方は長年にわたって対立と混乱が続いている。同地方の13校がテスト問題を取り寄せたが、5校はテストを取りやめ、1校は川辺川ダムの設問部分に線を引いて、解かせないようにした。1月下旬に同地方の学校から問題視する意見が熊本県教委に寄せられた。

 県教委義務教育課は「関係者の心情を思うと不適切。判断の根拠となる資料もなく、出題は配慮を欠いている」と批判。問題のチェック態勢の充実などを同部会に求めた。

 同部会会長の佐竹博・熊本市立城南中学校長は「配慮を欠き不適切だった。誠実に保護者や生徒に対応したい」と話している。

■出題された問題

 川辺川ダム建設計画は1966年に始まったものの、賛成・反対派双方の意見に決着がつかず、いまだに解決の見込みがありません。あなたは、この川辺川ダムの建設に賛成しますか、反対しますか。賛成・反対のいずれかに丸をつけて、その理由を書きなさい。

 日大文理学部の広田照幸教授(教育社会学)の話 学校教育は現実の社会と切り離されているのが現状だ。子どもを現実から保護したいとの考えは分からなくはないが、社会問題など、正解が一つでない問題に対して自分なりに考えて意見を言う教育を、学校でもっとやってもいいと思う。

文科省中教審が参考指針

 大学の学部教育(学士課程教育)で付けておくべき力「学士力」が問われている。全入時代で学生確保の競争は激化する一方だが、現在の大学には「社会の期待にこたえる教育内容になっていない」「国際社会で通用するような成果を出していない」といった声が高いからだ。

 文部科学省の中央教育審議会は、そんな認識に立って、昨年12月の答申「学士課程教育の構築に向けて」をまとめた。その中で、必要な学士力の参考指針として、「文化や社会の知識や理解」「コミュニケーション能力や問題解決力など職業生活に必要な技能」「自己管理力」などを挙げた。

 日本の大学の現状に対しては、「他の先進国の大学では、何を教えるかより何が出来るようになるかを重視した取り組みが進むが、日本は教育目的が総じて抽象的」「多様化が進み、学士課程を通じた最低限の共通性が重視されていない」と指摘した。

 課題として、〈1〉体系的な教育課程が編成されていない〈2〉学生の学習時間が短く、授業時間以外の学習を含めて1単位とする考え方が徹底されていない〈3〉成績評価が教員の裁量に依存していて、客観性を担保していない〈4〉学生の学習意欲や目的意識が低下している〈5〉教職員の研修が教育力向上に十分つながっていない――といった点を指摘した。

◇  ◇

   「学士力」とは

 (中教審答申が示した「参考指針」)

 ・多文化・異文化に関する知識の理解

 ・人類の文化や社会、自然に関する知識の理解

 ・コミュニケーション・スキル

 ・数量的スキル

 ・情報リテラシー

 ・論理的思考力

 ・問題解決力

 ・自己管理力

 ・チームワーク、リーダーシップ

 ・倫理観

 ・市民としての社会的責任

 ・生涯学習力

> ・総合的な学習経験と創造的思考力

犬飼氏が教育委員退任へ 埼玉県教委

 日本サッカー協会の犬飼基昭会長(66)が、平成17年から務める埼玉県教育委員を1期4年で退任することが4日、分かった。

 任期満了は3月27日で、県は県議会最終日に人事案を提出する。後任には県内の製菓会社社長が就任する見通し。

 犬飼氏は昨年7月のサッカー協会会長就任以降も教育委員を兼務。上田清司知事は「スポーツ振興の観点から積極的に発言していただいた」と述べた。

東大、会議は午後5時まで 仕事と生活の調和目指す

 東京大学は3日、新年度から、原則、午後5時以降の公的な会議を行わないことを決めた。この日定めた「男女共同参画加速のための宣言」の中の一項で、教員に、仕事と生活のバランスを考えてもらい、特に女性研究者の活躍を促すのが狙いだ。

 東大によると現在、事務部門は午後5時以降の会議を行っていないが、教員の会議は授業終了後に始められたり、予定が延びたりして、終了が午後5時を回ることもある。今後、開始時間を早めたり、会議のスピードアップを図ったりして、午後5時終了を徹底したいとしている。

 宣言ではこのほか、教員を公募する際に女性の応募を歓迎する趣旨を明示し、積極的に採用することをうたっている。東大の女性教員比率は9%と低く、これらを通じて、10年3月までに女性の採用比率を25%以上にしたいとしている。

2009年3月 4日 (水)

小学校英語必修、春の先行実施を前に現場は 発音苦手でも臆せず 英会話学校に駆け込みも

 小学校の新しい学習指導要領で5、6年生の外国語活動(英語)が必修となり、新年度の4月から多くの学校で先行実施される。研修会が各地で開かれるほか、英会話学校に駆け込む教師もおり、平成23年度の本格導入に向け準備は急ピッチだが不安も残る。文部科学省の英語活動拠点校に指定され、「総合学習」などの時間を使ってすでに授業を行っている学校を訪ね、現状や課題を探った。

 ●保護者もサポート

 拠点校の指定を受ける東京都新宿区立天神小学校では、14年から全学年で英語の授業を行っている。授業は担任の教諭と外国人のALT(外国語指導助手)、海外赴任経験がある保護者のボランティアの3人で担当。この日の5年生の授業は、動物のシルエットが描かれたイラストを見せながらクイズを出す形式で進められた。

 「What kind of animal is this?」(この動物は何でしょう)

 「Monkey!」(サル!)

 担任の教諭が中心になって授業を進め、ALTとボランティアの2人はサポート役に徹する。児童の関心をよく知り、外国語活動の狙いを理解している担任が常に全体を把握して質の高い授業を確保するためだ。また、英語を児童の耳に慣れさせるため、無理に会話はさせず、質問を投げかけて考えさせることに重点を置いている。

 「担任は、ジャパニーズイングリッシュでも構わないと考えています」と青木基幹校長。事実、5年生を受け持つ松山美貴也教諭(24)は「英会話のいわゆる“ネーティブ”の発音は苦手」と打ち明ける。それでも、授業中は日本語を使わず、積極的な英語で授業を進めている。

 松山教諭は「大切な部分はALTが発音し、子供たちに正しい音を覚えさせるように心がけています」。青木校長は「『発音ができない』と、英語に苦手意識を持つ子も少なくない。臆(おく)せず話せば通じることを、子供たちに気付かせるチャンスになっているようだ」と話す。

 ●年配教師ら不安も

 小学校には長く英語から離れている年配の教諭も多く、「今さら英会話なんて…」といった不安の声が漏れているのも事実だ。

 東京都では今年度から、外国語活動の中心となる教諭を各学校から呼び、授業の進め方などを指導する研修会「中核教員研修」を実施。都教委の相原雄三指導主事は「ほかの教諭に、授業の組み立てなどを説明できる教諭を育てるのが狙い。戸惑っている教諭の相談に乗れば、不安を解消してもらえるのでは」と見る。

 また、導入を前に民間の教育機関に駆け込む教諭も増えているようだ。小学校の英語指導者の普及を目指し、民間が中心となって設立されたNPO(特定非営利活動)法人「小学校英語指導者認定協議会」の資格試験には、あえて受験する必要のない教諭の受験者も増えているという。

 同資格を取得するための講座を開設する大手英会話学校イーオンでは、すでに全国で5000人以上の受講生が資格を取得し、うち小学校教諭の割合も年々高まっているという。イーオン・イースト・ジャパンの三宅義和社長は「各学校に配布された『英語ノート』はよい教材ですが、英語指導の経験のない先生が使いこなすのは難しいかもしれません。子供たちにきちんとした英語を学ばせるためにも、自身の英語力を高めてもらえれば」と話す。

 相原教育主事は「文科省から指導内容や目標が示され、今後はそれをいかに達成させるかが課題となる。『楽しい授業』を目指すのも大切だが、それを生かしつつ本格導入までの2年間で、目標を達成できる授業を組み立てられるかが重要になる」と説明している。

     ◇

 ■中、韓では小3から

 中国、韓国では小学3年生から英語が必修となっている。

 文科省国際教育課などによると、韓国では1997年に3年から英語が必修となった。3、4年生は40分授業で週1コマ、5、6年生は週2コマ。小学校英語は聞く話す中心だが、4年生では読む、5年生では書くことも学習内容に加わるという。

 中国では2005年から必修化。20分か40分授業の組み合わせで週4コマ以上学習することになっているというが、都市部と農村部など地域や学校によって差があるという。

 日本では学習指導要領改定で平成23年度に5年から週1コマ(45分授業)必修。今春から準備が整った学校から先行実施する。ただ教科とは位置づけず点数評価はしない。

 すでに総合学習の時間などを利用して英語活動を行っている公立小学校は文科省調査で97%とほとんどが実施している。

 英語の早期教育は、政府の教育再生懇談会が小学3年からの必修化を提言する一方で、「美しい日本語が話せることが先決」など賛否両論ある。

聖マリアンナ医大:補助金不正、学長を解任

 国の研究費補助金を不適正に使用したとして、聖マリアンナ医科大(川崎市宮前区)が、吉田勝美学長を解任していたことが3日分かった。同大によると、他にも教授2人の不適正使用が判明し、総額は約4700万円に上るという。明石勝也理事長らが同日午後、記者会見して発表する。

 同大などによると、吉田前学長は03〜07年度の研究費の一部を使い、納入業者から商品券を購入したという。吉田前学長は「研究費は年度末までに使い切ることとされているが、年度内に終了できない状況が多々発生し、緊急避難的に購入した。私的流用は一切ない」と説明している。

 昨年11月、会計検査院による公的研究費の使用実地検査で発覚した。

若者よ、世界のノーベル賞学者と合宿しよう 参加者募集

 アジアの高校生や大学生がノーベル賞学者と合宿して議論をかわす「2009アジアサイエンスキャンプ」が8月2日から、茨城県つくば市で開かれる。平成基礎科学財団(小柴昌俊理事長)などが2日、発表した。15以上の国・地域から200人ほどの若者が集まる予定で、日本から参加する30人を募集する。

 トップレベルの科学者と議論することで、次世代を担う若者の才能を伸ばし、国際的な友好を深める。最終日には学生たちが講演や議論を通じて得た成果を発表する。小柴さんは「参加学生からノーベル賞が出るかどうかは期待しても始まらないが、いい影響はあるだろう」と話す。

 8人のノーベル物理学賞、化学賞受賞者が講師に加わる予定。02年物理学賞の小柴さん、86年化学賞で台湾中央研究院名誉院長の李遠哲さんのほか、物理学賞は日本から江崎玲於奈さん(73年)、小林誠さん(08年)、化学賞では野依良治さん(01年)、田中耕一さん(02年)が参加する。

 同財団と高エネルギー加速器研究機構、東京大素粒子物理国際研究センターの共催。

 日本からの参加は、科学に興味を持ち英語による議論や講演ができる高校3年〜大学生が対象。詳細はキャンプのホームページ(http://asc09.kek.jp/ja)。

英検問題用紙、当日送付へ

 私立郁文館中学・高校(東京都文京区)で2002年まで「実用英語技能検定」(英検)の模範解答を生徒に指南していた問題に関連し、「日本英語検定協会」(新宿区)は2日、不正の再発を防ぐため、事前に試験の問題用紙を開封できないよう、試験当日まで問題用紙を試験会場に配布しない方向で検討を始めた。

 同協会は試験会場に指定された学校などに対し、事前の準備のため問題用紙を試験2日前までに届くよう送付していた。

2009年3月 3日 (火)

【教育動向】小学校から大学まで「キャリア教育」 中教審が検討中

 文部科学省の中央教育審議会(中教審)は現在、小学校から大学までをとおした「キャリア教育」の見直しを審議しています。子どもたちや若者に健全な職業意識や勤労観を育成し、学校生活から社会生活へ円滑に移行できるようにすることがねらいです。

 塩谷文科相は、中教審にキャリア教育の見直しを諮問した理由として、フリーターや無業者の増加など、学校から社会への「接続」がうまくいっていないことを挙げています。世界的な不況による新卒者への「内定取り消し」、派遣労働者への「雇い止め」など、雇用問題が深刻化するなかで、無業者の増加を勤労観の問題とするのは、いささかピントが外れているような気もしますが、そうは言っていられない現実もあります。

 学校を卒業しても明確な進路が決められないなど、若者の勤労観や職業意識が変化しつつあることは、以前から指摘されていました。また、厚生労働省などの調査で、就職後3年以内で高卒者の約5割、大卒者の約4割が会社を辞めるという、早期離職の増加も問題になっていました。学校教育において、健全な勤労観や職業意識を育成するという意義は、より重要になっているとも言えるでしょう。

 キャリア教育には、望ましい職業観・勤労観の育成だけでなく、「自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を育てる」ことも含まれます(1999<平成 11>年の中教審答申)。教育基本法の改正を受けて策定された政府の教育振興基本計画の中にも「キャリア教育の充実」が盛り込まれており、新しい学習指導要領にもその理念が入っています。実はこれまでも、小学校から高校までをとおしてキャリア教育を行うことが求められていたのですが、十分に実施されているとは言えないのが実情です。

 中教審では具体的に、たとえばコミュニケーション能力など、学校から社会への円滑な移行のために、小学校から大学までの各段階で身に付けるべき能力を明らかにして、体系的なキャリア教育の充実を図ることにしています。特に高校では、普通科におけるキャリア教育の充実が課題に挙げられています。というのも、無業者となる生徒の割合は、職業などの専門学科が3.9%であるのに対して、普通科は5.3%と高くなっているからです。

 一方、大学におけるキャリア教育の充実も課題です。最近では、ほとんどの大学が就職支援のための教育をしていますが、実際には資格取得などが中心で、大学におけるキャリア教育とは何かという視点が、これまでありませんでした。

 このほか、大学進学率の上昇に対応して、高校の専門学科(職業学科)と大学の接続、高校看護科などに併設されている専攻科の制度的位置付けの明確化、職業教育に特化した新しい高等教育機関の創設なども、検討課題になっています。中教審は、早ければ今年末ごろに、キャリア教育の充実方策を答申する予定です。

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進学塾:おちこぼれのカリスマ 現役早大生がメール、電話で独学支援

 ◇偏差値30台から合格!!

 インターネット掲示板への書き込みから、現役大学生による進学塾が誕生した。教室はなく、指導は電話とメールだけ。小手先の技術に頼らない独自の「学び」を支援することを狙い、今月からは会社を設立して新たなスタートを切る。

 早稲田大政治経済学部6年の馬場祐平さん(25)が07年に始めた「道塾(どうじゅく)」。馬場さんのほか5人の現役早大生がスタッフを務める。

 きっかけは、馬場さんが1年生の時「u」の名前でインターネット掲示板に書いた「早稲田への道」という書き込みだった。

 馬場さんは私立中、公立高を共に中退。大学入学資格検定を経て、偏差値30台から独学で早大に合格した。体験を踏まえ、勉強法や心構えを書き込んだ。

 予習復習の方法、英単語の覚え方から食生活まで内容は多岐にわたり、かつ具体的。「u氏学習プラン」としてカリスマ的人気を集めた。

 道塾には入塾試験はなく、「独学の支援」が基本。週1回、約30分の電話とメールで勉強の進み具合を聞き、文系科目を中心にアドバイスするほか、「塾報」を毎週送る。教材は市販の参考書(自費)、受講料は月1万5000円と、予備校に比べ格安だ。

 現塾生は中3〜高3の約60人。不登校で中学の英語を学んでいないのに、入塾1年で早大の入試問題を5割解けるようになった人もいる。「塾生の学力の伸びには自信がある」と馬場さん。今年度は30人の受験生のうち4人が早大に合格した。立教、法政、同志社などに合格したとの知らせも届いている。

 馬場さんは「僕のような『落ちこぼれ』でも、学び方を知れば道は開けることを伝えたい。経済的理由などで進学をあきらめていた受験生に、挑戦の機会を作っていきたい」と話す。道塾のホームページはhttp://www.dojuku.com。

ベビーカーの安全基準強化へ 乳児の指切断事故うけ

 ベビーカーの折り畳み部分で乳児が指を切断する事故などを防ぐため、「SG(安全な製品)マーク」を手がける製品安全協会(東京都台東区)は2日、折り畳み部分に指が挟まれても切れないように部材に丸みを持たせたり、荷重に耐えられるように強度試験の基準を厳しくしたりするようSG基準を改正すると発表した。

 幼児の手の指が折り畳み部分に挟まれて切断する事故は、07年4月までの約半年間で3件起きた。また、重い荷物のためにハンドルの付け根が折れる事故も起きている。

 そこで、すき間が5ミリ未満の場合は、部材に丸みを持たせる。さらに、強度試験の基準を「ハンドル部分に2キログラムの力を常時加える」などと厳しくすることにした。

 新基準に合った製品でもSGマークは同じのため、新基準の商品かどうかは売り場での確認が必要という。

大阪府教委 3月末までに6割の小中で「つまずき調査」実施

 全国学力テストの成績低迷を受け小中学生の基礎学力向上に取り組む大阪府教育委員会が、児童生徒がどの学年から学習についていけなくなったかを調べる独自のテスト「つまずき調査」を、3月末までに約6割の小中学校で実施することが28日、分かった。橋下徹知事が教育委員に起用した小河勝氏(64)=大阪樟蔭女子大講師=が中学校教諭時代に行ってきた調査をベースにした施策。個別のつまずき具合を詳細に把握することで、学テで明らかになった「学力格差」の解消につなげたい考えだ。

 つまずき調査は小5〜中2が対象で、漢字と計算の2分野について学年ごとに異なる問題の試験を行う。

 府教委の呼びかけに応じ、小学校403校(全623校)、中学校138校(全291校)が調査に取り組むことを決めており、一部の学校は、始業時間前の学習時間などを利用してすでに着手している。

 試験問題には、対象学年の学習事項に加え、それ以前の学年で習った内容も盛り込まれているため、何年生からつまずき始めたかを個別に細かく把握することが可能。実施の数カ月後に同レベルの問題で再び調査を行い、子供たちが苦手分野をどの程度克服できたか検証する。

 一方で府教委は今年4〜5月をめどに、実施校のうち学力向上の重点校に指定している小学校36校、中学校15校について設問ごとの正答状況などを集約。学力状況の分析につなげるとともに、各校へ提供して指導改善に役立ててもらう。「現場の参考資料にすることが目的」との考えからデータは公表しない方針。

 小中学校課の担当者は「すでに修了した学年の学習内容を確認する取り組みが定着すれば、学力の底上げにつながるはずだ」と話している。

小学英語の指導に専任者いるといい 日教組教研集会から

 ◇体制づくりへ課題は…

 日本教職員組合(日教組)の第58次教育研究全国集会が2月21〜23日、広島市で開かれた。分科会では数多くの実践報告が行われ、小学校の英語授業導入など新学習指導要領にどう対応していくかなどの課題について、教員らが議論を深めた。

 「What sport is this?(これは何のスポーツでしょう)」

 神奈川県内の小学校の男性教諭(48)が披露した英語の模擬授業。中国語で「棒球」「手球」などと書かれた紙を次々と見せながら英語で問いかける。外国語教育分科会の会場に集まった約50人の教諭らは、「ベースボール」「ハンドボール」などと返答。教諭は北京五輪会場の写真なども見せながら矢継ぎ早に英語で質問を浴びせ、答えが返るたびに会場の一体感も増していった。

 教諭はロープを取り出し、別の教諭に一端を持たせた。「長さはどれくらい?」。答えは8メートル95センチ。日本語は一切使わず、答えも英語で説明する。「ワールドレコード。何の競技だろう?」。走り幅跳びだと分かると、「こんなに跳ぶの!」とさらに会場がざわめく。教諭は「できるだけ子どもが知的興味を持つ内容にすること。そうすれば20〜30分は一生懸命聞いてくれる」と、日本語で模擬授業を締めくくった。

 ◆担任は台本に従い進行

 この教諭の学校は、文部科学省が指定する幼小中一貫教育の「研究開発学校」。財政支援を受け、非常勤講師を1人確保したことで教諭が英語指導に専念できる体制が整った。他の市内5小学校でも、各校の担任と連携したチームティーチングを行う。隣接する中学の英語教諭やALT(外国語指導助手)が協力している。

 男性教諭が指導案を作成し、各学級の担任には事前に「台本」を読ませて授業を進行してもらう。負担が少なくて済むことから、「ぜひ来年度以降も継続を」と市内の先生らの評判も上々だ。市内の児童約150人を抽出したアンケート(昨年10月)では、96%が「英語が楽しい」と答えた。

 教諭は「1時間の授業案を練るのに4日かかる。担任にいきなりやれと言っても難しいのでは」と指摘した。国の支援を受けられる体制がいつまで続くかは不透明。さらなる積極的な財政支援、条件整備を求めた上で、「いかに担任をサポートできるかが課題。英語の教科担任を置くことも有効では」という見方を示した。

 小5、6年の外国語活動は、新学習指導要領が全面実施される11年度から必修となるが、今年4月から多くの小学校で実質的にスタートする。英語指導経験がない多くの教諭に戸惑いや不安が広がっているのも事実。ある教諭は、文科省が小学校英語用に作った教材「英語ノート」について「使い勝手が悪い。あの内容では子どもが乗ってこない」と不満を漏らした。

 別の中学教諭は01、08年の入学生に書かせた「英語に対する思い」を比較したところ、小学校で英語授業がなかった01年入学生に比べ、英語授業があった08年の入学生の方が「苦手」「好きではない」などの言葉が多かったと報告した。

 ◆教える側も楽しめば

 子どもたちが最初の英語体験にどんな印象を持つかは、教師の力量にかかってくる。小学校での学習状況も、身につけた英語力もバラバラの生徒たちが集まってくる中学では、教諭も指導法の見直しを迫られる。

 指定校ではなく、担任として英語授業を行っている小学校教諭は「英語が好きなので身ぶり手ぶりを交えて楽しくやっている。『学級レクリエーションとして楽しむ』というくらいの気持ちでやってみては」と提案。「私の英語はうまくないが、CDやALTの英語をたくさん聞かせればいい。子どもは誰をまねるべきかわかっている」と笑った。

 英語になじむには、新要領で想定されている週1コマ(45分)では「間隔が空きすぎる」との指摘もあり、1日15分の授業を3日連続実施している例なども紹介された。

 ◇学力テスト/教育格差/メディアと子ども 重要テーマにどう向き合うか

 分科会や講演会などでは、全国学力テストなど現場で重要課題となっているテーマについて意見が交わされた。

 学力テストなどをテーマに講演した内田慶市・関西大教授は「競争が悪なのではなく、結果ばかり重視し、勝者だけをたたえることが悪い」と指摘。学力テストの結果公表問題については「単に平均正答率を示しても市民に安堵(あんど)と不安を与えるだけ。学力低下の根本的解決にはつながらない」と述べた。

 会場の教員からは「学力を上げるための論理で、価値を見いだせない子を切り捨てていくような教育をしていては、不登校がどんどん増える」との意見も出た。

 教育格差について考えるシンポジウムでは、広島県の森崎賢治教諭が「集団に適応できない子や低学力の子をきちんとフォローできない。評価主義の導入で、教員は会議や書類作りに追われて個々の子どもの問題に向き合う時間がない」と、現場が直面する課題を説明した。

 高橋恭子・早稲田大学川口芸術学校副校長は「現代社会は大人から子どもまでメディア漬け。子どもを消費者と見た商業主義があることも、小学校高学年になれば知るべきだ」などと訴えた。

 一方、情報教育の分科会では、世界遺産についてインターネットで情報を集めて発表する取り組みが報告された。しかし「間違った情報をつかませないための工夫は」との質問に、発表者は「作業の各段階に『関所』を設けてアドバイスしているが、実際には難しい」と答えるなど、メディアリテラシー教育が課題となっている現状も浮かんだ。

7割が無欠席で高校卒業 長崎・平戸、先輩の偉業に続き

 長崎県平戸市の平戸高校では、卒業生86人のうち、7割近くの57人が3年間無欠席で1日、卒業した。入学直前の06年3月に巣立った当時の3年生91人が、最後の1年間を全員無欠席で過ごし、6割強が高校3年間を無欠席で卒業したことから、「先輩たちに負けるな」を合言葉に支え合ってきた。

 3年の学年主任、池田祐三子教諭は、今春の卒業生が新入生として入学してきた06年4月に「先輩たちのように、みんなも休まずに学校にくれば良いことがあるよ」と話しかけた。生徒の約半数は卒業後の進路として就職を希望するが、無欠席の生徒は就職試験時に高い評価を受けるからだ。

 「高校全体が『学校は休まない』という雰囲気に包まれていた。同級生もみんな『僕たちもやってやろう』という気持ちになった」と、1日に卒業した川上栄作君は振り返る。

 前川美穂さんは、39度の熱が出ても登校した。「学校に行きたい気持ちが強かった」と話す。岩崎匡浩君は、毎朝8時前に登校していた。だが、昨年12月に盲腸を患った。「入院期間に休んだことが、高校生活で一番残念だった」と悔しがる。

 なぜ、みんな、そんなに学校に行きたがったのだろうか。小学校から12年間の皆勤を達成した赤木千枝さんは「いじめなんかなくて、みんなで支え合っていた。友達に会いたくて、朝起きると登校するのが待ちきれなかった」と語った。休まず学校に通って得た「良いこと」とは、かけがえのない友情だった。

新潟大、入試出題ミス

 新潟大学(新潟市)は、2月25日に実施した入試で理科の選択科目「生物」に出題ミスがあったと、28日発表した。

 生態系などについて論じた文中の空欄に入る適切な語句を選ぶ問題のうち1問で、選択肢の中に正解がなく、解答不能だったという。農、医、理など5学部の受験生203人が選択したが、同大はこの問題を採点せず、得点をほかの設問に振り分け、合否に影響が出ないようにする。

2009年3月 2日 (月)

関東私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

「心の病」の心をつかみたい? 大商のメンタルヘルス検定が盛況

 職場での「心の病」が深刻化する中、大阪商工会議所などが主催するサラリーマン対象の「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」が盛況だ。心の健康を維持するための知識習得などを目指す検定で現在実施3年目。受験者数は前年比2割を上回るペースで増えていて、平成20年度は全国で1万2000人を突破した。大商によると、心理カウンセラーなど専門家を対象にした公的資格はあるが、サラリーマン対象のメンタルヘルス関連の資格は珍しいという。

 この検定はストレス社会をにらみ、心の健康管理に関する知識、技術、態度を習得するために大商が企画・開発した。平成18年度から年2回実施。当初は大阪、東京など5カ所だった試験会場は、20年度は全国9カ所に拡大。21年度は14カ所(札幌、仙台、さいたま、東京、千葉、横浜、浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡)で予定するなど、全国規模の検定試験として知られるようになった。21年度は1万6000人の受験を見込んでいる。

 試験は3種類で、企業の人事労務担当者や経営幹部対象の「I種(マスターコース)」、管理職対象の「II種(ラインケアコース)」、一般社員対象の「III種(セルフケアコース)」。検定料は1890円〜4410円。すべてマークシート方式で、ストレスの対処法(III種)や、部下からのメンタルヘルス不調にかかわる相談への対応(II種)などを問う。

 ただ、I種は受験者本人や会社の直属の部下だけでなく、全社的なメンタルヘルス対策が求められるため、応用力を問う論述式の設問がある。合格率はI種は10%台と“難関”だが、II、III種は60%台だ。

 人気の背景には、心の病が全国的に増えている実情が潜む。社会経済生産性本部が昨年4月、上場企業を対象に実施したアンケートでは、56%の企業が「最近3年間で『心の病』は増加傾向」と回答。メンタルヘルス対策に力を入れる企業も64%と、14年の約2倍に増えている。

 大商の荒井慎一・検定担当課長は「これまでも研修セミナーなどは実施していたが、しっかり身につけてもらうための目標として検定試験を始めた。認知度を着実に高めたい」と検定の普及に意欲を示している。

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授業料:未納なら卒業証書は渡しません 島根県立高、保護者に通知

 島根県立高校44校のうち8校がこの5年間で、保護者に対し、授業料などの未納があった場合、卒業証書を渡さないと通知していた。同県の県立高校規程は、教育課程を修了した生徒に卒業証書を授与するよう定めているが、06年度には実際に卒業式で証書を渡さないケースがあった。県教委高校教育課は「卒業証書を人質にとったと言われても仕方のない対応。配慮に欠けていた」としている。

 今年1月、安来(やすぎ)市の県立安来高校が3年生全員の保護者に通知。県教委が調べたところ、同校以外に7校で未納分があった保護者に限って同様の通知をしていた。

 安来高校などによると、2、3月分の授業料などに関する1月20日付の通知に「期限までに全額納入がない場合は、卒業証書をお渡しできません」と記し、3年生約150人に配布した。同校は昨年度から「卒業後は連絡がとれなくなる場合もある」との理由で、この措置を始めた。同校では実際に卒業証書を渡さなかったケースはないという。栂瀬(とがせ)久男校長は「卒業証書と授業料を連動させたのはまずかったと反省している」と話した。

 県教委によると、08年度までの5年間に安来高以外の7校では、未納分があった65人の保護者に、口頭や文書で「納付しなければ卒業証書の授与を延期する」と伝えていた。県西部の1校は06年度、授業料を滞納した1人に卒業式で卒業証書を渡さなかった。

 県教委高校教育課の河原一朗課長は「今回の文書は配慮に欠けており、適切でなかった」と話している。

川嶋学習院大教授が尽力、タイでの支援活動を大学が継承

 秋篠宮妃紀子さまの父、川嶋辰彦・学習院大経済学部教授が学生らとタイで12年続けてきたボランティア活動を、学校法人学習院と学習院大が引き継ぐことになり、1日、川嶋教授ら学習院関係者が現地に向けて出発する。

 川嶋さんは97〜08年の毎年2月ごろに約1カ月、ミャンマー(ビルマ)国境に接するタイ北西部の山岳少数民族の村で、簡易水道造りや植林、学校の整備などをしてきた。学習院大や東京大、京都大などで募った学生延べ180人のほか、地元の大学生やNGOとともに取り組んできた。山頂付近から水を引き、各戸に簡易水洗トイレを作った結果、感染症による乳幼児死亡が大きく減ったという。

 毎年、約800万円の資金は川嶋さんが学習院大や企業などから集めた。川嶋さんは当初から「12回」と決めていたが、昨年暮れになって学習院が「学生が人間的に大きく成長する。終わらせるのは惜しい」(総合企画部)として、時期を8月に移して引き継ぐことを決めた。3月は学習院の関係者が川嶋さんと現地を視察し、地元の大学とも協力協定を結ぶ。学生も同行し、地元の村で養蜂などの作業をする。

 川嶋さんは「これからも日本の若者に、アジアの人々と痛みや喜びを分かちあう感覚を身につけていってもらいたい」と話している。

2009年3月 1日 (日)

【教え育てる】早稲田実業学校初等部校長・多宇邦雄

 ■確かな基礎学力が課題解決能力をはぐくむ 

 早稲田実業学校初等部の児童の多くはJR中央線を使って電車通学をしています。最寄りの国分寺駅から学校まで約7分の通学路では朝、中高等部の生徒と一緒になりますから、勉強やスポーツ、クラブ活動のことなど、目を輝かせてお兄さんやお姉さんに問いかけている児童の姿をよく見かけます。児童は文武両道に励む先輩たちの姿に自分の将来を重ね合わせるのです。

 電車通学では、ときに電車が事故で動かないこともあります。そんなとき児童はどう対応するのか。こんな例がありました。

 隣の西国分寺駅で乗っていた電車が止まってしまった6年生の男子。両駅の間は約1・4キロ、電車なら2分の距離ですが、いつ電車が動くか分からない。「急いで歩いた方が、このまま電車を待つより早い」と、とっさに判断した彼は、社会科の実地踏査でこの地域を学習していたので、徒歩で一目散に学校へ。

 別の日、吉祥寺駅で電車がストップした6年生の女子。降りたホームで、途方に暮れている同じ初等部の制服を着た下級生2人を見かけました。吉祥寺駅からは西武新宿線の駅に向かって、バスが何系統か出ています。「新宿線→国分寺線と乗り継げば、国分寺へ行ける!」。そう判断した彼女は2人の下級生を連れ、バスと電車を乗り継いで学校にたどりついたのです。

 お姉さんに学校まで連れていってもらった児童の保護者からの連絡帳には、感謝の言葉が書かれていました。

 初等教育は基礎学力を養う時期です。早実初等部では、児童一人一人が自分の可能性を生かして夢をかなえるために日々努力しています。私たちは、児童が自分の頭で考え判断することを通して、確かな学力をじっくりと形成していく授業を展開しています。

 たとえば国語なら、黙読するだけでなく、文章を声に出して読み、漢字はきちんとノートに書いて覚える、というような指導を徹底します。

 算数のテストの後で、「この問題、ゆっくり考えたら理解できた」という児童には、「問題は限られた時間のなかでやるもの。だから計算は常に正確で、速くできるように」と指導する、といったようなことです。基礎学力をしっかりつけるこのような指導が、何か課題にぶつかったときの解決能力にもつながるものと信じています。

英検不正、95年頃から…郁文館

 02年まで、毎回20〜60人に

 私立郁文館中学・高校(東京都文京区)で2002年まで「実用英語技能検定」(英検)の問題を試験前に開封し、生徒に模範解答を指南していた問題で、不正は1995年頃から年3回の試験前に恒常的に行われていたことがわかった。同校が28日に開いた保護者会で経緯を明らかにした。

 同校の説明によると、当時の英語教諭だった堀切一徳前校長らは毎回、「対策講座」を開き、英検を受験する中学3年と高校1年の生徒ら計20〜60人を指導していたという。日本英語検定協会(新宿区)は2日に同校から事情を聞く方針。

 保護者会には約550人が出席。同校を経営する「郁文館夢学園」の渡辺美樹理事長(49)は保護者会後の記者会見で、「前校長の行為は許されないが、私は不正があったことを知らなかったし、理事長就任前なので責任はないと考えている」と述べた。保護者会に出席した在校生の母親(40)は「今は不正をやってないという説明を聞いて安心した」と話した。

関西私立中学(偏差値60以上)

偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

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