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2009年4月

2009年4月30日 (木)

【こども】発達障害児への支援 環境整備の動き広がる


 落ちつきがなく、じっとしていられなかったり、注意力や集中力に欠け、衝動的な行動に出たりするADHD(注意欠陥・多動性障害)や、自閉症といった発達障害児を専門に支援する取り組みが広がりつつある。発達障害への関心が高まる中、これまで不十分だった専門施設やサービスを整えることで、本人や家族らの不安を払拭(ふっしょく)し、世間の誤解をなくすのが狙いだ。

 ◆相談から療育まで

 東京都世田谷区は4月、全国に先駆けて発達障害児や家族向けの専門支援施設「世田谷区発達障害相談・療育センター(愛称・げんき)」を開設した。区内に住む18歳未満の児童とその家族や、保育園、幼稚園からの無料相談に応じるほか、児童精神科の医師や臨床心理士ら専門家が、子供の行動や心理を診断、観察し、問題の発見に努めて、対処法のアドバイスも行う。

 また、社会生活に適応できるよう、グループでの指導や訓練を有料で行ったり、保育士らに研修を実施したりする予定。これまで成長過程で途切れがちだった支援を相談から療育まで一貫して継続するのが特徴だ。

 区子ども部要支援児童担当の小堀由祈子課長は「発達障害に関する相談はかなり多く、身近に相談しやすい環境づくりが急務だった。早期発見・対応で、不登校や非行といった二次障害を防ぐことにもつながる。ただ、あくまで相談が主で、治療が目的ではない」と説明する。オープン前から区民の問い合わせが相次ぎ、現在、300人ほどの予約が入り、相談は1カ月待ちの状態だという。

 発達障害の中でも最近、関心を集めるのがADHDだ。先月下旬、ADHDの診療や研究に携わる児童精神科の医師や心理士、薬剤師らが集まり、国内初の専門団体「日本ADHD研究会」が発足した。

 研究会では、ADHDの原因解明を進めるほか、家庭や学校で障害を判断するための標準的な評価基準を策定、専門医の育成にも力を入れる。また、障害について、地域の人々に誤解を生じさせないよう積極的な情報の発信や啓発活動にも力を入れたいとしている。

 ◆親への“指導・訓練”

 「ペアレント・トレーニング」と呼ばれるADHDを抱えた家族への指導、訓練も普及しつつある。これは米国で生まれた手法で、その後、国立精神・神経センター精神保健研究所で日本向けに開発された。最近は、児童精神科を持つ地域の基幹病院を中心に導入例が増加。トレーニングでは、しつけに悩む親が、子供の良い行動を見つけて褒めることで自信をつけさせるといった育児法を学ぶ。

 国立国際医療センター国府台(こうのだい)病院(千葉県市川市)の児童精神科も今年から、トレーニングを取り入れた。ADHD児の母親ら数人が約3カ月にわたり参加した結果、「突拍子もない行動にも冷静に対処できるようになり、子供も徐々に落ち着きがみられるようになった」と評価する声が多く寄せられたという。

 トレーニングを統括する同病院第二病棟の齋藤万比古(かずひこ)部長は「ADHDへの支援は、日本はまだ立ち遅れている。医療機関以外にもペアレント・トレーニングを普及させるなど社会のバックアップ態勢をもっと発展させていきたい」と話している。

【こども】発達障害児への支援 環境整備の動き広がる


 落ちつきがなく、じっとしていられなかったり、注意力や集中力に欠け、衝動的な行動に出たりするADHD(注意欠陥・多動性障害)や、自閉症といった発達障害児を専門に支援する取り組みが広がりつつある。発達障害への関心が高まる中、これまで不十分だった専門施設やサービスを整えることで、本人や家族らの不安を払拭(ふっしょく)し、世間の誤解をなくすのが狙いだ。

 ◆相談から療育まで

 東京都世田谷区は4月、全国に先駆けて発達障害児や家族向けの専門支援施設「世田谷区発達障害相談・療育センター(愛称・げんき)」を開設した。区内に住む18歳未満の児童とその家族や、保育園、幼稚園からの無料相談に応じるほか、児童精神科の医師や臨床心理士ら専門家が、子供の行動や心理を診断、観察し、問題の発見に努めて、対処法のアドバイスも行う。

 また、社会生活に適応できるよう、グループでの指導や訓練を有料で行ったり、保育士らに研修を実施したりする予定。これまで成長過程で途切れがちだった支援を相談から療育まで一貫して継続するのが特徴だ。

 区子ども部要支援児童担当の小堀由祈子課長は「発達障害に関する相談はかなり多く、身近に相談しやすい環境づくりが急務だった。早期発見・対応で、不登校や非行といった二次障害を防ぐことにもつながる。ただ、あくまで相談が主で、治療が目的ではない」と説明する。オープン前から区民の問い合わせが相次ぎ、現在、300人ほどの予約が入り、相談は1カ月待ちの状態だという。

 発達障害の中でも最近、関心を集めるのがADHDだ。先月下旬、ADHDの診療や研究に携わる児童精神科の医師や心理士、薬剤師らが集まり、国内初の専門団体「日本ADHD研究会」が発足した。

 研究会では、ADHDの原因解明を進めるほか、家庭や学校で障害を判断するための標準的な評価基準を策定、専門医の育成にも力を入れる。また、障害について、地域の人々に誤解を生じさせないよう積極的な情報の発信や啓発活動にも力を入れたいとしている。

 ◆親への“指導・訓練”

 「ペアレント・トレーニング」と呼ばれるADHDを抱えた家族への指導、訓練も普及しつつある。これは米国で生まれた手法で、その後、国立精神・神経センター精神保健研究所で日本向けに開発された。最近は、児童精神科を持つ地域の基幹病院を中心に導入例が増加。トレーニングでは、しつけに悩む親が、子供の良い行動を見つけて褒めることで自信をつけさせるといった育児法を学ぶ。

 国立国際医療センター国府台(こうのだい)病院(千葉県市川市)の児童精神科も今年から、トレーニングを取り入れた。ADHD児の母親ら数人が約3カ月にわたり参加した結果、「突拍子もない行動にも冷静に対処できるようになり、子供も徐々に落ち着きがみられるようになった」と評価する声が多く寄せられたという。

 トレーニングを統括する同病院第二病棟の齋藤万比古(かずひこ)部長は「ADHDへの支援は、日本はまだ立ち遅れている。医療機関以外にもペアレント・トレーニングを普及させるなど社会のバックアップ態勢をもっと発展させていきたい」と話している。

留学フェア:オーストラリアへの想い 作文募集


 オーストラリア大使館は、留学希望者を対象に同国への夢や想いをつづった作文を募集する「オーストラリア夢コンテスト」を実施する。全国4都市で開催するオーストラリア留学フェアの一環で、応募は5月20日まで。最優秀の1人には同国への短期留学が贈られる。

 コンテストは、1週間以上のオーストラリア留学を希望する18歳以上が対象。入賞者は、西シドニー大学への短期留学と、同大付属の英語学校で1週間〜2週間の英語コースを受講できる。

 オーストラリアは、留学を目指す20代前半〜30代の女性に人気が高いが、社会人にとって長期留学は難しい。大使館では、短期で気軽にオーストラリアの大学を体験してほしいとする。作文は日本語で1000字程度。参加には留学フェアへの事前登録が必要。

 留学フェアは今年6回目で、5月27日(福岡)、28日(名古屋)、30日(東京)、31日(大阪)に開催。オーストラリアの小中高校、大学など約50の教育機関が参加し、会場内で留学方法やコースについて日本語で相談できるほか、留学後の進学、就職をテーマにしたセミナーなどが開催される。約2500人の来場を見込んでいる。

生徒の母印取り「遅刻しません」誓約書 福岡の中学校長


 福岡県うきは市の市立中学校長(57)が08年の2学期、指導に従わなかった生徒数人に、「遅刻はしません」などと記した誓約書に署名させたうえに、母印も押させていたことが28日分かった。これを知った教員からは「威圧的な行為で驚いた。生徒指導の範囲を越えている」という声が出ている。

 同市教育委員会は08年11月、市民からの訴えを受けてこの校長から事情を聴き、事実関係を確認した。しかし、「行き過ぎた行為だったが、熱心さのあまりやってしまったこと」として懲戒処分などはしなかったという。

 一方、県教委も今年3月末、保護者らから「母印を押させるのは問題だ」との訴えを受けたという。義務教育課は「通常考えられない指導であり、事実関係を調査している」と話している。

 校長によると、母印を押させたのは今春卒業した当時の3年生と、当時2年だった現3年生の合わせて7、8人。日ごろ、問題行動が目につくことから校長室に呼び出し、「遅刻はしません」「ノーヘル(ヘルメットなしの自転車乗車)はしません」「服装をきちんとします」「授業をまじめに受けます」などと記した誓約書を渡し、署名、押印させた。誓約書は校長が自ら作成したという。

 生徒の一人は「校長室で母印を押すよう言われたときは自分が悪いことをしたと思ったが、友人には『それはやりすぎだ』と言われた」と話している。また、生徒たちに接していた教員の一人は「母印を押させるのは犯罪者にさせるようなことで、人権上問題がある。行き過ぎだと思ったが、校長に指摘することはできなかった」と話す。

 校長は「母印はやりすぎという思いはあったが、再三の指導に従わなかったため、生徒を思うあまりやむなくやってしまった。反省している」と話した。誓約書は、市教委から注意を受けてすべて焼却処分したと説明している。

環境学ぶカードゲーム…手軽な教材普及


 紙芝居、実験器具も

 カードゲームや実験道具を使って環境問題を学ぶことができる「環境教育パッケージ」の開発に、環境省が力を入れている。

 身近でありながら、地球温暖化や生物多様性、ごみ問題まで幅広い分野に及ぶ環境問題。専門知識を持つ指導者がいなくても使える教材を普及させ、環境教育のすそ野を広げるのが狙いだ。

 東京都三鷹市の羽沢小学校で先月、1〜6年生18人が生物多様性を学ぶカードゲーム「bidi」(ビディ)に挑戦した。講師を務める環境カウンセラーの寺木秀一さん(59)が「世界では1年間に4万種も生物が減っています」と解説すると、子どもたちから驚きの声があがった。

 世界の7地域ごとに色分けされた絶滅危惧(きぐ)種のカードと、公害、開発、温暖化など、生物多様性を脅かす「特殊カード」を順番に引き、絶滅危惧種のカードを早くそろえた人が勝ち。何が生き物たちを追いつめているのかをゲームを楽しみながら、理解できる仕組みだ。

 調布市立布田小学校長でもある寺木さんは「環境教育の現場が一番欲しいのは、教材と人材。手軽なセットがあれば取り組みやすい」と評価した。

 bidiは、文部科学省が全国で推進する「放課後子ども教室」向けに開発した「ASEEP21」に入っている教材の一つ。出前授業などでの利用を想定し、イス取りゲームで温暖化対策に役立つ行動を学ぶ教材などが、小ぶりの段ボール箱に詰め込まれている。

 ASEEP21を使ったモデル事業は昨年11月、関東地区でスタート。環境省は5年間で1800自治体での実施を目指すとしている。

 中高生から成人を対象にした教材セットもある。2月に完成した「エコ学習トランク」は、紙芝居や実験器具、クイズの小道具などのセット。蛍光灯と白熱灯を光らせる手回し発電を使って消費エネルギーの違いを体感したり、紙芝居を使って、温暖化や生物多様性などをテーマにした20分間程度の講座が開ける。

 公民館での学習会や学校への出前授業などで使われ、評判は上々。地方自治体が対象だが、希望があれば環境問題に取り組む民間活動団体(NGO)など、公益性のある団体にも貸し出す方針だ。

2009年4月29日 (水)

リスニング機器不良、今年は11台に減 センター試験


 大学入試センターは28日、1月の大学入試センター試験の英語リスニングで、解答中に受験生から不具合の申し出があった集積回路(IC)プレーヤー210台(落下などによる交換を除く)をメーカーが検証した結果、製造段階での不良が原因だったのは昨年の15台から4台減り11台だったと発表した。

 不良個所別ではICが10台、イヤホンが1台。製造不良以外で試験当日の環境によるトラブルとして、音声メモリーの挿入時にごみが付着したケースが4台あった。

 受験生から不具合の申し出があったが、機器に問題がなかったのは195台で、昨年から85台増加。うち受験生が不具合と誤解するなどしたのが116台、再生ボタンの操作失敗が58台、原因が分からなかったのが21台だった。

 一方、解答前の作動確認中に不具合があったのは138台で、昨年から56台減少。うち製造段階の不良は15台あった。

 今年のセンター試験では、約49万4500人がリスニングを受験した。

携帯電話:親は学校への持ち込み禁止に賛成 でも「それでは解決しない」も8割


 「学校への携帯電話の持ち込み禁止」に6割の親が賛成する一方、持ち込み禁止で子どものネット利用にかかわる問題が解決すると思っているのは2割にとどまる−−。こうした傾向が、ウェブ上の調査で浮かび上がった。フィルタリングやURLデータベース化事業をしているネットスター社(東京都渋谷区)が実施したもので、フィルタリングの利用は2割と伸び悩んでいた。

 調査は3月27、28日の2日間、小中高校生の子どもを持つ親約2000人にウェブアンケート方式で聞いた。回答者は小学校1〜3年、4〜6年、中学生、高校生の子どもを持つ親が、それぞれ25%。年代は30代が34%、40代が58%。

 8割の親は子どもが一人で自由にネットを利用することに不安を感じていた。利用時には「買い物はしない」「保護者に相談する」といった約束をしているが、「買い物はしない」と約束しているのが、パソコンから使う場合46%に対し、携帯電話からは30%、「保護者に相談する」も、パソコン46%、携帯電話32%など、すべての項目で携帯電話について約束している割合が低い。

 自治体などが「学校への携帯電話の持ち込み禁止」を決めたことについては「賛成」が62%。賛成の理由は「学校で携帯電話は不要」が9割だった。しかし、全体の8割の親は、携帯電話を持ち込まないことで子どものネット利用にかかわる問題が解決すると思っていないことが分かった。また9割は、ネットの利用法や危険性は保護者が教えるべきだと考えていた。

 フィルタリングサービスを利用しているのは、パソコン、携帯電話とも2割にとどまり、利用は伸びていない。フィルタリングをしない理由は、「不適切なサイトにはアクセスしない」がパソコン、携帯電話とも4割で最多。「自身の経験から必要ないと判断」も同2割だった。

 一方、子どもにネット(携帯電話からも含む)を使わせ始めた時期は、自分の子どもの年齢が低いほど早い。小学校入学前の子どもにネットを使わせているのは「小1〜小3」の子を持つ親で3割いるが、「小4〜小6」の親では1割にとどまり、中高生の親ではさらに少ない。中学生の親は、半数が「小4〜小6」で、高校生の親は4割が「中学生」から子どもにネットを使わせていた。

 また、半数の親は、子どもが自分の携帯電話を持つ時期は「高校生から」が適切だと考えているが、実際には、中高生の親は半数以上が中学生までに携帯電話を持たせていた。子どもに携帯電話を持たせるきっかけは、「緊急時の連絡用」が44%で最多。「友だちの所持率が高い」(20%)、「子どもが欲しがった」(18%)といった理由もあった。

車いす女児、地元中学入学求め町教委を提訴 奈良


 地元の公立中学校への進学を希望した車いすで生活を送る女児(12)=奈良県下市(しもいち)町=が、「バリアフリーの不備」などを理由に町教育委員会に入学を拒否された問題で、女児と両親は28日、「裁量の範囲を逸脱しており違法」として、町と町教委に対し、入学を認めるよう求める訴えを奈良地裁に起こした。あわせて地裁の判決が出るまで女児が中学校に通えるよう求める仮処分も申し立てた。

 訴状によると、国や地方公共団体は、憲法や教育基本法で、子どもに対する教育を行うための制度や条件を整備する義務を負っていると指摘。しかし、町側は女児が支障なく学校生活を送るために必要な校舎のバリアフリー化や人員配置をしようとせず、女児が中学校へ通学する教育上の効果も慎重に検討していない、などとしている。

 女児側は中学校への入学を強く希望したが、町教委の就学指導委員会は県立養護学校への進学を答申。現在、女児は養護学校に登校しておらず、同校講師の家庭訪問を受けて学んでいる。女児の両親は28日午前に町教委と話し合ったが、議論が平行線のままだったため、提訴に踏み切ったという。

 両親は「(娘が)一日も早く、地元の友人たちとともに、中学校において学習し、生活できる日がくることを強く希望いたします」との談話を発表した。一方、下市町教委は「提訴にいたったのは非常に残念。訴状が届いていないので現段階ではコメントを差し控えたい」としている。

胸元つかみ壁に押しあて…最高裁、体罰と認めず


原告逆転敗訴
 熊本県本渡市(現・天草市)の市立小学校で2002年、男性の臨時教師が小学2年男児(当時)の胸元をつかんで壁に押し当ててしかった行為が、体罰にあたるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が28日、最高裁第3小法廷であった。

 近藤崇晴裁判長は「行為は教育的指導の範囲を逸脱しておらず、体罰ではない」と述べ、体罰を認定して市に賠償を命じた1、2審判決を破棄し、原告の男児の請求を棄却した。

 学校教育法は教師の体罰を禁じているが、教師の具体的な行為が体罰に該当するかどうかを最高裁が判断した民事訴訟は初めて。

 判決によると、教師は02年11月、校内の廊下で悪ふざけをしていた男児を注意したところ、尻をけられたため、男児の洋服の胸元を右手でつかんで壁に押し当て、「もう、すんなよ」と大声でしかった。男児はその後、夜中に泣き叫ぶようになり、食欲も低下した。

 判決は「悪ふざけしないよう指導するためで、罰として苦痛を与えるためではなかった」と認定。原告側は上告審で「恐怖心を与えるだけだった」と主張したが、判決は「教師は立腹して行為を行い、やや穏当を欠いたが、目的や内容、継続時間から判断すれば違法性は認められない」と述べた。

高卒就職率91・6%、7年ぶりダウン 日高教調査


 日本高等学校教職員組合(日高教)などは28日、今春卒業した高校生の就職率が7年ぶりにダウンし、91・6%になったと発表した。

 日高教によると、就職率は平成6年度に調査開始以来、最低だった13年度(84・6%)から上昇傾向にあったが、今回は前年度を1・0ポイント下回った。男子は94・2%、女子は87・7%だった。

 各高校の自由記述欄では「家計の悪化を理由とする進路変更が7件あり、うち5件は推薦入試合格後の入学辞退」(長野県の高校)など、経済的理由で進学をあきらめ、就職に進路変更する生徒が増加したとの内容が目立ったという。

 調査は日高教と全国私立学校教職員組合連合が32道府県、423校を対象に実施した。

大学合併:上智大と聖母大が協議


 上智大学を運営する学校法人・上智学院(東京都千代田区)は28日、同じカトリック系の学校法人を母体に持つ聖母大学(新宿区)と11年の合併に向けて協議を始めると発表した。

 聖母大は04年に開学した看護師養成の看護学科のみを持つ単科大学。合併に伴って運営母体の「聖母学園」は解散し、看護学科は上智大に継承される。上智大には外国語学部や理工学部など8学部あるが、医療系学部はなかった。

中学男女を同室着替え 長崎


 長崎県大村市立桜が原中学(渕昭夫校長、770人)で、音楽の授業の前に1、2年生の男女生徒を同じ教室で体操服に着替えさせていたことがわかった。同中は28日午後のPTA総会で保護者に事情を説明し、「思春期を迎えた生徒への配慮が足りなかった」などと謝罪するという。市教委は同日、市内の全21小中学校に指導を徹底するとともに、実態を調べるためのアンケートを始めた。

 桜が原中によると、1年生は週平均1.5時間ある音楽の授業で8学級(計252人)のうち6学級(計190人)、2年生は週1時間の授業で7学級すべて(計254人)が発声練習の一環として腹筋運動に取り組んでおり、授業の前に体操服に着替えさせていた。その際、男女で部屋を分ける指導をしていなかった。一方、体育は複数の学級で合同授業をしており、男女を別々の教室で着替えさせているという。

「安全」守る、技術と哲学


 明大、社会人らに大学院講座

 明治大学(納谷廣美(なやひろみ)学長)はこのほど、大学院の安全学講座の一部を、公開講座として一般公開した。

 同大が社会貢献活動として行っている生涯学習プログラム「リバティアカデミー」の一環。安全学講座はこれまでにも社会人向けに実施されてきたが、大学院レベルの授業が公開されるのは初めて。

 東京・千代田区の同大駿河台キャンパスで開かれた安全学講座「安全学特論1」では、メーカー勤務や公務員、会社経営など57人と学生12人が受講。向殿(むかいどの)政男・情報科学科教授が、最近の事故を例に、事前責任の考え方や領域横断的な安全学のあり方などを説明し、「安全には技術が大事だが、どうやって生かすかは人文系・安全哲学だ。技術を基礎に安全学を確立し、安全文化を築きたい」などと話した。

 授業の後、社会人受講生からは、「安全は倫理と密接に関係していることがよく分かった」「薬学・医学も取り上げてはどうか」などの声が聞かれた。

 向殿教授は、「安全に関しては社会人の方が意欲が高い。社会一般にも広めてほしい」と講座公開による効果を期待。また、講座で応用化学の立場から講義を行う北野大(まさる)教授は「社会でリスクを共有して広く知識を持つ視点が大事」と話していた。

 安全学とは、食品偽装、ガス機器の事故など幅広い面から安全への関心が高まる中、産業・科学・技術から法や社会構造まで、横断的・包括的に研究するもの。同大では、2005年度に安全学研究所、08年度には大学院理工学研究科に新領域創造専攻安全学系を新設するなどして、学問の体系化を進めてきた。

2009年4月28日 (火)

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【教育動向】小学校でも≪古典≫に親しむ 音読や暗唱で


 さまざまな話題を呼んでいる新学習指導要領ですが、小学校における古典学習の充実もその一つといえます。2011(平成23)年度から新学習指導要領が本格実施される小学校では、神話や昔話、俳句や短歌、古文や漢文などを音読したり暗唱したりする光景が、普通に見られるようになるかもしれません。

 小学校の国語で古典学習が重視されるようになった理由の一つは、2006(平成18)年12月に改正された教育基本法の中に、日本の伝統や文化を尊重する態度を育てることが盛り込まれたためです。従来の学習指導要領でも伝統・文化の尊重は求められていましたが、小学校の国語では古典について、5・6年生で「易しい文語調の文章を音読し、文語の調子に親しむ」という規定しかありませんでした。

 これに対して新学習指導要領は、国語の教育目標の中に、「話す・聞く」「書く」「読む」と並んで、新しく「伝統的な言語文化」を追加し、小学1年生から日本の古典に親しませるよう指導することを求めています。また、古典作品を指導するに当たっては、読み聞かせ、音読や暗唱などを特に重視しているのもポイントです。

 これまで小学校での古典学習については、「理解が難しく、学習しても混乱させるだけだ」という見方も少なくありませんでした。ところが最近では、「古典の文章を音読したり暗唱したりすることで、かえって言葉や国語に対する感覚や理解力が高まる」と指摘する声が高まり、子ども向けテレビ番組などでも、古典が取り上げられるようになっています。小学校における古典の重視には、伝統や文化の尊重というねらいと同時に、このような最近の動きも反映されていると言ってよいでしょう。

 では、国語の授業で、古典はどう取り上げられるのでしょうか。小学校の新学習指導要領では、1・2年生は「昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり、発表し合ったりする」、3・4年生は「易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりする」、5・6年生は「親しみやすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章について、内容の大体を知り、音読する」なとど示しています。

 古典の重視については、改正教育基本法による伝統・文化の尊重が背景となっているほか、古事記や日本書紀などを教材として例示しているため、「戦前のように過度な愛国心を教え込む教育につながる」と批判する意見も、教育関係者などの一部にあります。ただ、教材の選択や指導内容などに一定の配慮は必要でしょうが、子どものころから古典に親しむことは、やはり必要でしょう。

 それと同時に、「祇園精舎の鐘の声……」などとリズミカルに暗唱する子どもに、その意味を聞かれた時、大人がきちんと答えられることも、必要ですよね。

【教育動向】小学校でも≪古典≫に親しむ 音読や暗唱で


 さまざまな話題を呼んでいる新学習指導要領ですが、小学校における古典学習の充実もその一つといえます。2011(平成23)年度から新学習指導要領が本格実施される小学校では、神話や昔話、俳句や短歌、古文や漢文などを音読したり暗唱したりする光景が、普通に見られるようになるかもしれません。

 小学校の国語で古典学習が重視されるようになった理由の一つは、2006(平成18)年12月に改正された教育基本法の中に、日本の伝統や文化を尊重する態度を育てることが盛り込まれたためです。従来の学習指導要領でも伝統・文化の尊重は求められていましたが、小学校の国語では古典について、5・6年生で「易しい文語調の文章を音読し、文語の調子に親しむ」という規定しかありませんでした。

 これに対して新学習指導要領は、国語の教育目標の中に、「話す・聞く」「書く」「読む」と並んで、新しく「伝統的な言語文化」を追加し、小学1年生から日本の古典に親しませるよう指導することを求めています。また、古典作品を指導するに当たっては、読み聞かせ、音読や暗唱などを特に重視しているのもポイントです。

 これまで小学校での古典学習については、「理解が難しく、学習しても混乱させるだけだ」という見方も少なくありませんでした。ところが最近では、「古典の文章を音読したり暗唱したりすることで、かえって言葉や国語に対する感覚や理解力が高まる」と指摘する声が高まり、子ども向けテレビ番組などでも、古典が取り上げられるようになっています。小学校における古典の重視には、伝統や文化の尊重というねらいと同時に、このような最近の動きも反映されていると言ってよいでしょう。

 では、国語の授業で、古典はどう取り上げられるのでしょうか。小学校の新学習指導要領では、1・2年生は「昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり、発表し合ったりする」、3・4年生は「易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりする」、5・6年生は「親しみやすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章について、内容の大体を知り、音読する」なとど示しています。

 古典の重視については、改正教育基本法による伝統・文化の尊重が背景となっているほか、古事記や日本書紀などを教材として例示しているため、「戦前のように過度な愛国心を教え込む教育につながる」と批判する意見も、教育関係者などの一部にあります。ただ、教材の選択や指導内容などに一定の配慮は必要でしょうが、子どものころから古典に親しむことは、やはり必要でしょう。

 それと同時に、「祇園精舎の鐘の声……」などとリズミカルに暗唱する子どもに、その意味を聞かれた時、大人がきちんと答えられることも、必要ですよね。

元日体大陸上部員を大麻栽培容疑で書類送検 麻薬取締部


 日本体育大陸上部の合宿所(横浜市青葉区)が大麻取締法違反容疑で家宅捜索を受けた事件で、関東信越厚生局麻薬取締部が、元部員の男(22)=岐阜県、退学処分=を同法違反容疑(栽培)で書類送検していたことが分かった。同取締部が取材に明らかにした。送検は24日付。

 取締部によると、元部員は同大に在籍していた昨年6月上旬〜7月下旬、合宿所で大麻草2株を栽培した疑いがある。元部員は「大麻の種は渋谷やネットで買い、本を読んで合宿所のベランダで栽培した。自分で吸うためだった」と容疑を認めたという。

 同取締部は3月2日に捜索を実施。元部員の部屋からは茎だけ残った大麻の鉢植え2個や培地「ロックウール」3個、葉を細かく刻む器具などが見つかった。この際、偽札数枚も発見され、神奈川県警が同室の別の男子部員が作製したとみて通貨偽造容疑で調べている。

作文・小論文の対策、正しい日本語の習得に!!

 むかしから学習は読み・書き・そろばん!

 近年見直されている作文添削で正しい日本語表現と基礎学力(読解力)の養成を!

 中学受験・AO入試をお考えの保護者様は是非一度ご覧ください。

小論文・作文教室 も・の・か・き・名・人

塾通いより、ネット学習…月謝・送迎負担軽く


 インターネットを使った電子学習「eラーニング」が浸透してきた。特に子どもの家庭学習用にこの仕組みを活用した通信教育サービスが人気だ。子を塾に通わせるより、おカネがかからず、塾からの帰り道の心配も不要、といった利点がある。

 「eラーニング」は好きな時に教材を取り出して好きなだけ学べる。サービス提供企業も一度、教材を作ってしまえば、教師の人件費などの経費を抑えられる。塾や予備校が少ない地方でも都市部と同じ教育サービスを同価格で受けられる利点もある。

 eラーニングに力を入れるのが、家庭教師派遣大手「トライグループ」だ。

 現在、教師と生徒が互いに自宅にいながら指導・添削ができる「トライ@HOME」、一流講師の4000種類の授業を自由に見られる動画配信「トライeカテイ塾」、小テストなどの10万種類の教材を何度でもダウンロードできる「トライeNAVI」の三つのeラーニングを行っている。3月からは従来の家庭教師派遣に、動画配信か、教材ダウンロードを組み合わせ、代金を月1万3000円に抑えた「エコノミーコース」も始めた。

 森山真有専務は「月謝や塾の送り迎えなど教育にかかる親の経済的、肉体的な負担は大きい。安くて全国に提供できる教育サービスには、eラーニングは不可欠」という。

 「城南予備校」を運営する「城南進学研究社」も3月、小・中学生向けeラーニング「城南マナビックス」を始めた。各項目ごとの習熟度を小テストなどで分析、不得意科目は1学年戻って再学習したり、得意科目は1年先取りで学習できる。

 難関大受験向けの通信添削で知られるZ会は今春、高校1、2年生向けには従来の通信添削とセットにした割安なコースを導入、人気を集めているという。

2009年4月27日 (月)

特別支援学校生が急増 教員・教室の不足深刻


 障害のある子どもが通う特別支援学校(旧盲・ろう・養護学校)の児童生徒が全国で増え続けている。文部科学省のまとめでは、08年度は11万2334人で98年度から28.5%増加。厳しい予算の中で教員採用が追いつかず、公立校の教員数が法定の基準を満たせない自治体は07年度で36道県に達した。教室不足も深刻化している。

 特別支援学校は、学校教育法改正で07年度にできた学校種。従来の盲・ろう学校、養護学校(知的障害、肢体不自由、病弱)に当たるが、法改正後は児童生徒を障害の種別で分けず、1校で複数の障害に対応できるようになった。

 文科省によると、児童生徒は90年代以降増え始めた。特に知的障害が対象の養護学校で生徒の増加が目立ち、98年度は5万3561人(全体の61.25%)だったのが06年度は7万1453人(同68.32%)に。08年度は他の障害との重複も含め、9万6924人に達している。

 一方、公立の特別支援学校の教員数は、生徒数や障害の程度などに応じ都道府県別に法で最低基準が定められている。文科省によると、07年度は36道県で計2656人不足。充足率が最も低いのは長野県の78%で、石川県の86%、群馬県90%が次いだ。

 児童生徒の増加について文科省特別支援教育課は「保護者が子どもの障害を受け入れ、就職も支援する専門教育を望むようになってきたためではないか」とみる。

 現場の教師には「注意欠陥・多動性障害(ADHD)など発達障害の子が増えている」との指摘も多い。普通学校で不登校になり特別支援学校を頼る例も目につくという。

先生に強〜い「ミカタ」 クレーム対応ゲーム 学級通信例文も掲載HP


 保護者から無理難題を突きつけられた、そんなときどうする?若手教員が陥りがちな課題やトラブルの解決法を伝授するホームページが開設された。その名も「ティーチャーズ・オンライン−先生のミカタウェブ−」。学級通信の例文集や保護者への対応をテーマにしたゲームを盛り込んだサイトだ。頼れる先輩が身近に少なく、孤立しがちな若手教員に心強いサポーターとなるかも。

 教育分野を中心に手がける編集プロダクション「コンテクスト」(東京都新宿区)が、小中学校の20歳代の教員向けに製作し、3月10日から公開。的確な対応をアドバイスすることで若手教員の負担を軽減し、保護者からの信頼をより高めようというのがねらいだ。

 コンテンツは3つ。メーンは「学校&学級便り文例バンク」。

 日々の学級通信で活用できるように「冒頭文」「お願いと呼びかけ」など状況に応じた例文を収録。書き出しから文章の展開の仕方まできめ細かく紹介している。

 同社では、多くの学級通信を取り寄せて、保護者から高評価を得られる例文を分析。月やイベント、学年別に検索できるようにした。名言・格言や学校の雑学も収録している。

 もうひとつの目玉は、児童の喧嘩(けんか)に親が抗議してきたとき、どう対応すればいいか、選択肢から選びながら解決していくアドベンチャーゲーム「わかりあえる日のために」だ。

 適切に対処できれば保護者のイライラは収まっていくが、対応を誤れば保護者の怒りが爆発する。日本大学の佐藤晴雄教授がシナリオ監修にあたり、対応のポイントを解説している。シナリオは年に2本ずつ追加する予定だ。

 保護者からの理不尽なクレームの研究で知られる小野田正利大阪大学大学院教授の講演も動画配信している。

 サイトを閲覧した都内の男性教員(28)は「先輩に聞きたくても聞けないポイントが押さえられている。様々な状況に応じた内容がさらに充実されれば心強い」

 平成19年度に鬱病(うつびょう)などの精神疾患で休職した教員は全国で4995人。15年連続で過去最多を更新しており、教員のストレス軽減は大きな課題だ。特に採用1年間で教壇を離れる新人教員は300人を超える。

 コンテクストの佐藤明彦代表は「本来なら中堅教員が指導に当たるのが理想だが、その世代の教員も少なく、若手は頼るところがない。このサイトがすべてではないが、若手のストレス解消につながれば…」と話している。

高校生6割「9条変えない方がよい」 教職員組合が調査


 日本高等学校教職員組合が組合員の教職員がいる高校を中心に生徒に憲法への意識をアンケートしたところ、戦争の放棄を定めた憲法9条を「変えない方がよい」とする生徒が61%いた。前回の04年の44%から17ポイント高くなっており、同組合は「この間、イラク戦争後のテロなどのニュースに触れ、戦争はダメだという気持ちが強まったようだ」とみている。

 調査は77年から4〜5年間隔で実施。今回は昨年11月に実施し、148校の計1万2千人が回答した。憲法9条を「変える方がよい」は12%で前回04年とほぼ同じ。「分からない」という生徒は前回の43%から今回は27%に減り、その分「変えない方がよい」が増えた格好だ。

 「変えない方がよい」の理由は、「戦争への道を開くおそれがある」が73%で最も多かった。「変える方がよい」生徒の理由は「今の憲法では対応できない新たな国際的問題が生じている」(43%)などだった。

 一方、自衛隊が「9条に違反しない」と答えた生徒は25%と過去8回で最多となり、最少だった87年の12%の2倍に。「違反する」は19%で初めて2割を切り、最多だった87年の38%の半分だった。

 一方、「健康で文化的な最低限度の生活をする上で将来に不安がありますか」との問いについては、「大いにある」が17%、「ややある」が47%で、6割強が不安を感じている。具体的には「卒業後の進路」が56%、「環境問題」が42%で、「戦争」も24%あった。

あしなが育英会 不況のあおりで苦境


 高校・大学生らが街頭に立ち、交通事故や病気で親を亡くした生活困窮遺児たちの進学資金への支援を呼びかけるあしなが学生募金が、「100年に1度」の不況のあおりを受け、苦境に立たされている。平成20年度の新規奨学金申請者が過去最多の約2800人にのぼる一方、今春の大学進学者への支給率は、資金不足で過去最低の約6割にとどまった。主催する「あしなが育英会」(東京都)は「このまま不況が長引けば、ますます教育を受ける機会を奪われる学生遺児が増えかねない」と危機感を募らせている。

 今月18、19両日、全国の主要駅前などで行われた第78回募金。参加した学生ボランティアは、募金箱を手に「ご協力をお願いします」と、約8時間にわたり、街角で声を上げ続けた。

 「不況がどう影響するのか予測がつかない。今回の街頭募金が、大きな分かれ目だと思っている」。自らも父親を亡くした交通遺児で、同会の奨学金を受けて社会に出た同会理事の小河光治さん(43)は、深刻な表情で語る。

 同会では毎年春と秋に街頭募金を実施しているが、募金額はバブル期の平成元年秋の約2億円をピークに減少。昨年秋は、昨年春と比べても1割以上少ない約1億6100万円まで減少した。社会経済状況を写す鏡ともいわれる街頭募金だけに、小河さんは25、26両日にも行う今回の募金の成り行きに気をもんでいる。

 同会では、21年度の奨学金貸与総額を、2年前より約1割増の23億7500万円と見込んでいる。新規申請件数は過去最高ペースで年々更新しており、20年度は10年前の約2倍の2808人だった。しかし、貸与対象は高校生を優先するため、21年春の大学生への貸与は、申請者613人に対して378人。支給率61%は過去最低の数値だった。

 不況は、働き手を失った遺児母子家庭の経済的体力を確実に奪う。同会が昨年、遺児母子家庭の母親(平均47・8歳)に行ったアンケートによると、12月時点の失業率は9・3%で、同世代の一般女性の3倍にのぼる。就業中の母親でも、平均月収は12万円。奨学金の返還猶予を申し出るケースも増えつつある。

 「なんとか大学の入学金は払ったが、残りの金策で必死」「成績は悪くないのに進学させてあげられなくて、親として切ない」。会には、母親たちの切実な訴えが寄せられる。「これ以上母親に迷惑をかけたくない」と、大学進学をあきらめて就職する遺児たちも多い。

 ただ光明はある。同会を継続的に支援する全国の「あしながさん」から寄せられる寄付金や街頭募金などの総額。20年度の総額は前年度を下回ると予測されたが、ふたを開けてみると、前年度とほぼ横ばいの22億円に踏みとどまった。
 最近は「1万2000円」という額の寄付が多く、すでに100件ほどが寄せられた。定額給付金をそのまま寄付しているとみられるケースだ。小河さんは「ありがたいの一言。みなさんも厳しいはずなのに『自分はまだ恵まれているから』と協力してくださる、温かさを感じます」と話す。

 不況が深刻さを増す中、奨学金の申請件数は今後も急増が予測されており、現状維持の資金事情の中、会の運営は自転車操業が続く。それでも、小河さんは、善意の根は決して枯れてはいないと確信している。

 「不況や格差社会と呼ばれる現象が、子供たちの将来を決めてしまってはいけない。子供たちは進学し、社会に出て働くことで納税し、善意を社会に還元していく。遺児たちを支えることは、国を支えることにもつながると思うんです」


 25、26両日の募金場所などについての問い合わせは同会((電)078・453・2418)へ。

慶応義塾:新塾長に清家篤氏を選任


 慶応義塾(東京都港区)は24日、任期満了に伴う塾長の改選を行い、同大商学部長の清家篤(せいけあつし)教授(55)を選任した。任期は5月末から4年。清家氏は「オープンでグローバルな大学を目指す。執行部の円滑な運営・移行のため、塾長任期は最長2期に限る規定を定めたい」と述べた。労働経済学が専門で、日本経済学会理事や厚生労働省の労働政策審議会委員を務めている。

 政府の教育再生懇談会座長を務める安西祐一郎・現塾長は3選を目指したが、予備選で落選した。

2009年4月26日 (日)

慶応新塾長に清家氏


 慶応義塾(東京都港区)の安西祐一郎塾長(62)に代わる新しい塾長と大学長に、慶大商学部長の清家篤氏(55)が就任することが24日、臨時評議員会で決まった。

 任期は5月28日から4年間。清家氏は記者会見し、「慶応に生きる実学の精神を未来に引き継ぎたい」と抱負を語った。清家氏は1978年、同大経済学部を卒業し、商学部教授などを経て2007年10月から現職。専門は労働経済学。

 安西塾長は2期8年の在任中、政府の教育再生懇談会座長や文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」大学分科会会長などを務めたが、今月19日の予備選挙で落選していた。

「創立記念日」理由に学テ延期 大阪10校「不公平」


 全公立小中学校が参加し21日に行われた全国学力テストで、大阪府内の小中学校計10校が「創立記念日」を理由に実施日を延期していたことが24日、わかった。10校は、問題や解答が公表された22日以降に実施していた。10校の地元市教委では「文部科学省が試験日を変更したため」などと説明しているが、保護者からは「不公平だ」という声があがっている。

 大阪市では中学校32校が創立記念の休校日をずらし予定通り実施。大阪府を除く近畿1府4県では、計59校が試験を延期したが、児童の病気で延期した1校を除き、すべて修学旅行が理由だった。

 大阪府教委などによると、創立記念日を理由に実施日を延期したのは、東大阪、豊中、茨木、羽曳野各市の10校で、小学校1校、中学校9校。府内では、ほかに1校が延期していたが、「修学旅行が」が理由だった。文科省は学校行事や学級閉鎖など「やむを得ない事情」の場合、実施日の振り替えを認めているが、全国データには集計されないという。

 東大阪市は最も多く、4中学校と1小学校の計5校が延期。市教委は、文科省が約2年半前に決めた日程を昨年7月になって変更したためとし、「今回は特例。来年度以降は基本的に変更してもらう」と説明する。延期した中学校長の1人は「入試ではなく、あくまでも(生徒や学校の)課題を確認するためなので、創立記念日を優先した」と話す。

 中学校3校が延期した豊中市では、「受験対象が3年生だけで、ほかの学年は関係はない」として休校日を優先したという。市教委では「参加について積極的でないとみられても仕方ない」としながらも、全校が参加する現在のやり方について疑問視しており、文科省に改善を求めるという。

 一方、予定通り実施した学校の保護者からは不満の声があがっている。小学6年の女児を持つ大阪市阿倍野区の主婦(38)は「病気なら理解できるが、創立記念日という理由には違和感を覚える。ほとんどの子供が受験しているのに、問題が公表された後で行うのは不公平だ」と話す。

 大阪府教委の職員の1人も「日程が動かしにくい修学旅行などと違い、創立記念日なら校長の裁量で変更できるはず。子供たちが同じスタートラインに立てる手はなかったのか」と指摘する。休校日をずらした大阪市の32校は、校長判断で各校が変更しており、校長の1人は「翌日には問題と解答が公表されるので、当日実施するのが当然と判断した」と話した。

 教育評論家の尾木直樹・法政大教授の話 「学力向上などで注目を集めている大阪府だけに、実施日を延期することには違和感を覚える。一般的な感覚では予定通り実施するのが当然だし、問題ない行事なら日程を変えてもよかったのではないか」

新教育の森:いきなり年35時間、英語どう教える?


 ◇小学5、6年生完全必修化に向けて

 2011年度から小学5、6年生で年間35時間(週1時間)の英語が必修となるが、一部の学校は移行期間が始まる今年度から前倒しでスタートする。2年後に迫った完全実施を前に試行錯誤する学校現場を訪ねた。

 ◇移行期間でも前倒しで

 「Nice to meet you(初めまして)」

 「My name is David(私はデービッドです)」−−。

 外国語指導助手(ALT)のあいさつに子どもたちが英語で続く。のどかな農作地帯が広がる茨城県南東部の町、行方市の小貫小学校。今月16日、5年生の教室で新学習指導要領に基づく初めての英語の授業が行われていた。

 全校児童66人。1学年1クラス、一部は複式学級の小さな学校だ。都会のように日常的に外国人に接しているわけではない。「外国では相手の目を見てあいさつするのよ」。恥ずかしそうにしている子どもたちに担任の高須智子教諭(42)が声をかける。

 授業は文部科学省が今年度から全国の小学校に配布した新教材「英語ノート」に沿って行われた。ノートの第1回は「自己紹介」。ALTのデービッドさんが、指導資料に従って「私の好きな動物はパンダ。君は?」と英語で聞くと、「ドッグ」「ラビット」と答えが返ってくる。うまく答えられずに、もじもじしている子どもには高須教諭が横に付いて「何が好きだっけ?」と助け舟を出した。

 文科省は11年度まで3年間かけて段階的に英語の「必修化」を進めることにしている。この間の授業時間は各小学校長の裁量に委ねられているが、茨城県では今年度から県下一斉に年間35時間の授業が始まる。県教育庁は「11年度に自信を持って英語の授業ができる状態にするには、移行期間の初年度から35時間で行う必要がある」と説明する。

 もっとも全くゼロからスタートするわけではない。県内のほぼすべての小学校は既に、「総合的な学習の時間」を活用して何らかの英語教育を行っており、県平均では年間18時間(07年度)に上る。ところが、取り組みには差があり、国の「英語特区」に指定された水戸市が年間55時間に上るのに対し、小貫小など多くの学校は10時間以下だ。

 ◆ALT任せではだめ

 問題は時間数だけではない。県内のある市教委幹部が「これまでは何もかもALT任せだった」と話すように、多くの学校で英語教育の中心的役割を果たしてきたのはALTや「英語サポーター」などと呼ばれる、英語に堪能な地域の住民らだ。だが、今後はあくまでも担任が主導し、ALTらは補佐という位置付けがより明確になる。「英語が得意ではない。ALTとのコミュニケーションが課題」と話す小貫小の高須教諭に限らず、大半の教員にとって当面は試行錯誤が続く。

 ◇研修始動、楽しむ感覚知る

 今月13日、同県古河市の上辺見小学校に市内の全小学校から約30人の教員が集まった。5、6年生の担任向けに市が独自で始めた研修会の初日だ。「少しでも多く英単語を覚えさせようという意識ではなく、コミュニケーションを楽しむという考え方で臨んでください」。教材を提供する英語教育会社の女性が冒頭、授業のコツを説明した。

 続いて音楽を使った実践練習。「4ガールズ アンド 2ボーイズ!」。先生役を務める、市内在住の英語サポーターが声をかけると、教員たちが英語を使って仲間を集めるため走り回る。ALTも交じって指示された人数がそろうと、グループで音楽に合わせて英語の歌を歌う。子どものように無邪気に笑う女性教員や、人数がそろわず悔しそうな表情の男性教員。子どもたちの立場になって、楽しみながら英語を学ぶ感覚を肌で感じてもらうのが狙いだ。

 ◆苦手意識なくせ

 文科省は都道府県教委に対し年3回の研修を行うよう指導しているが、同市はこれとは別に、授業を先取りした具体的な研修を年間7回計画している。「子どもたちの前で英語に対する苦手意識が出るようでは困る。研修を受け、自信を持って教室に臨んでほしい」と市学校教育部の中村勝則指導主事。

 参加した5年生担任の井出佐久江教諭(55)も「小学校の先生は大学で英語の教え方を学んでいないから、このような機会は大切だと思う」と話す。

 ◇全担任に講習/英語学校の補助 中学教員と互いに授業見学−−先進地・東京都荒川区の場合

 小学英語の先進地域では、どのような支援体制を敷いているのか。東京23区で最も早い04年度に区内の全小学校全学年で週1回の英語授業を始めた荒川区の場合は、外部講師による定期研修のほか、全担任を対象とした夏季講習も実施している。教員が英語学校などに通う場合の金銭補助(年間5万円)もあり、昨年は24人が利用。また、区内の小中学校の教員が互いに英語の授業を見学したり、英語教育の専門家の大学教授が各学校を視察してアドバイスする機会なども設けている。

 区内にある第三日暮里小学校。世界各国の国旗で彩られた専用の「イングリッシュルーム」には、英語の絵本やゲーム用カードなど、多数の副教材が並ぶ。この日は2年生の授業だったが、内容は既に5年生レベル。堀内俊雄校長は「(文科省の)英語ノートはうちの指導計画に合わないので、あまり使わない」と言う。

 クラスメート同士、英語でじゃんけんし、負けた方が手製の名刺を差し出すゲームを繰り返す。ALTの質問に「Here(はい)」と我先に手を挙げる子どもたちに物おじする様子はまるでなかった。担任とALT、「英語教育アドバイザー」と呼ばれる日本人女性の3人の連携もスムーズだ。

 同区の小学校1校当たりの英語予算は23区中トップクラスの308万円。財政難の自治体がまねるのは容易ではない。教員の負担増を懸念する声もある。区教委の平岡栄一指導主事は「大事なのは、系統だった研修ができるかどうか。お金をかけないでもできることはある。教員が互いの授業を見て、意見を交換し合うだけでも大きい」と話している。

 ◇小学英語、97%導入済みですが−−「指導力向上」これから 「堪能な人材確保」課題

 国内のほとんどの小学校は、既に英語教育を始めている。全国連合小学校長会が昨夏行ったアンケート(861校の校長が回答)では97%が英語教育を導入済みで、授業時間が「年間35時間以上」も17.5%に上った。その半面、「15時間以下」が過半数を占めるなど、学校による取り組みの差は大きい。

 また、文科省の07年度調査では、英語教育のための校内研修を「実施した」と答えた学校は、「実施していない」学校の6分の1程度にとどまっている。こうした現状を踏まえ、同校長会のアンケートでは、87.9%が「担任等の指導力向上を図る研修の充実が必要」と回答。「ALTや英語が堪能な地域人材の確保」を課題に挙げた学校長も4割以上に上った。

 他のアジア諸国の現状を見れば、韓国や中国、台湾、タイなど多くの国・地域が小学低学年で英語を必修化している。政府の教育再生懇談会は昨年5月、必修化時期を小学3年まで引き下げるよう提言した。その一方で、日本語教育がおろそかになるという批判の声もある。

「名前書けた時、人間になった」夜間中学卒業し大学教員


 夜間中学の廃止反対や増設を求める運動に取り組んできた高野雅夫さん(69)=東京都墨田区=が今春、立教大学大学院の特任教授=比較文明専攻=に就任した。自身も夜間中学の卒業生。10代後半になって文字を獲得した経験から、「おれ自身が生きた文献となって、差別や貧困、人間の尊厳について学生と考えたい」との思いで23日、初めての講義をした。

 1回目の講義には、高野さんの母校、東京都荒川区立第九中学校の夜間学級の見学を盛り込んだ。

 「当時は、校門の手前までやって来てもなかなか入れなかった。何か字を書かされるんじゃないかって。字が書けない自分にとってものすごい恐怖だった」。高野さんは体験をゼミ生らに語った。

 太平洋戦争前の旧満州に生まれた。軍人の父親は戦死し、引き揚げ途中で母親ともはぐれ、博多の闇市で生きた。盗みに恐喝――。警察に捕まるたび、自分の名前が書けずに「ふざけるな」と暴行を受けた。

 17歳ごろ初めて文字を覚えた。教えてくれたのは、移り住んだ東京・山谷で廃品回収をしていた朝鮮人のおじいさんだった。

 「初めて『たかのまさお』って書けたとき、頭のてっぺんからつま先まで電流が走ったようだった。人間になったんだと感じた」

 もっと読み書きができるようになりたいと、同中学の夜間学級に21歳で入学。サンドイッチマンをしながら通い、寝る間も惜しんで勉強した。

 卒業から2年後の1966年、当時の行政管理庁が夜間中学の廃止を文部省などに勧告した。自分を救ってくれた夜間中学の支援活動に、日雇い労働をしながら奔走した。

 廃止に反対する夜間中学生たちの証言フィルムをつくり、北海道や広島、京都などで上映。夜間中学のなかった大阪市では市役所に日参して設置を訴えた。69年、大阪市内で初めて天王寺中学夜間学級が設置され、今も約80人が学んでいる。

 特任教授の定年は70歳。高野さんは「在日コリアン、被爆者、そして夜間中学卒業生、時代の生き証人は次々と亡くなっている。この1年、少しでも皆さんのお役に立てれば」と話す。

慶応義塾 新塾長に清家氏


 慶応義塾(東京都港区)は24日、臨時評議員会を開き、安西祐一郎塾長(62)の任期満了に伴う次期塾長に清家篤商学部長(55)を選出した。任期は5月28日から4年間。

 清家氏は会見で「福沢諭吉の『実学の精神』を重視し、自分の頭で考える学生を育てたい」と抱負を述べた。また、自らの任期について「2期以上務めるつもりはない」とし、塾長任期を2期に限る規定を設けべきとする考えを示した。

 清家氏は東京都出身。慶応大学大学院を経て平成4年に同大商学部教授となり、19年から商学部長。専攻は労働経済学。政府の高齢社会対策有識者会議の座長などを務めた。

 安西塾長は3期目を目指したが、予備選挙で敗れた。

学費滞納:卒業アルバム渡さず 教材費など滞納理由に−−茨城の中学


 茨城県ひたちなか市立勝田第三中学校(小田倉稔校長)を先月卒業した生徒3人が、教材費など諸費用の滞納を理由に卒業アルバムを渡されなかったことが分かった。保護者は後日、アルバム代の支払いを申し出たが、学校が断ったという。同校は諸費用の支払いを条件にアルバムを渡す方針だが、保護者に「子供に不快な思いをさせて申し訳なかった」と謝罪した。

 同校によると、昨年度から滞納家庭の生徒にはアルバムを渡さない方針を決め、対象の一部保護者に伝えた。アルバム代は1万4500円で、3年生の教材費など月約1万4000円の諸費用の中に含まれていた。

 アルバムは3月6日に3年生計139人に文集などと一緒に配布された。しかし、学年主任(54)は放課後、滞納家庭の生徒1人を呼び出し、担任にアルバムを返すよう求めた。保護者は一部支払いを申し出たが、学校側は応じなかった。当日欠席した2人の生徒にも渡さなかった。

 横山信義教頭は「説明不足で責任を感じている」と話した。

 ひたちなか市教育委員会は「詳細な報告を受けていないが、配慮が足りなかったのではないか」としている。

慶応新塾長に清家篤氏 学生に「自分で考えること必要」


 慶応義塾は24日、新しい塾長に清家(せいけ)篤・商学部長(55)を選んだ。清家氏は「慶応で最も重要なのは福沢諭吉の実学の精神。それを学生にしっかり教えながら、研究や医療、社会貢献をしていきたい」などと話した。任期は5月28日から4年間。

 清家氏は慶大卒で、商学部教授などをへて07年10月から現職。労働経済学の第一人者で、政府の社会保障改革推進懇談会の構成員や労働政策審議会委員などを務めるほか、メディアでも積極的に発言するなど著名教授の一人。

 最近の慶大生について、「授業への出席率は高いし、ずいぶんまじめになったが、もう少し自分の頭で考えることも必要だと思う。問題を発見し、仮説を立て、それを検証して結論を導くプロセスを身につけてほしい」と述べた。

声を聞く大切さの授業


 歌やリズム通して体感

 宗教人類学者の佐藤壮広(たけひろ)さん(41)が各地の大学で、歌やリズムを使ってコミュニケーションの力を体感するワークショップ形式の授業に取り組んでいる。

 伝えたいのは、他人の声に耳を傾けることの重要さだ。

 タン、タタン、タン、タタン……。教室でグループに分かれた学生たちが、手拍子の練習を繰り返す。東邦大学(千葉県船橋市)の「文化とリズム」の授業で、手拍子だけを使って「喜び」「悲しみ」の二つの感情を表現するアンサンブルを作る課題だ。最初はバラバラだった音を合わせていく中で、見ず知らずの学生たちの間に、会話と笑顔が生まれる。

 同大の非常勤講師である佐藤さんは、「相手の音を聴かないと、リズムを合わせることはできない。同じ作業をする中で、自己紹介すらしていなくても、簡単にコミュニケーションが取れるようになる」と語る。

 佐藤さんは、1997年から99年にかけ、沖縄でユタ(霊能者)のフィールドワークを行っていた。ユタたちは聖域の中で自分の体の不調や悩みを語り、時には民謡のような歌に乗せて思いを伝える。周囲の人間はそれにじっと耳を傾け、思いを共有する。佐藤さんが「身体的表現の昇華した形」として、歌の持つ意味を感じ取った原点だ。

 こうした体験を基に、2004年ごろから授業の中に、自分がよく聴いていたブルースを取り入れた。さらに音楽を聴くだけでなく、佐藤さんが非常勤講師という自分の境遇への思いを歌詞にし、ブルースに乗せて呼びかけ(コール)をすると、学生から反応(レスポンス)が返ってきた。それを繰り返して、自ら「歌の人間学」と呼ぶ授業のスタイルができ上がった。

 学生に歌詞を書いてもらい、発表する授業も行っている。自分の持っている悩みや体験を表現し、それを周囲の人がじっと聴く。その様子には、沖縄でユタたちが作り出していた場に通じるものがあるという。

 「相手の痛みの声を聴く力を身につけることは、教育として必要なのではないか」と佐藤さんは話している。

2009年4月25日 (土)

研究支援者2500人補助…文科省 50大学対象


 文部科学省は、大学教員や博士課程の学生の研究活動をサポートする「研究支援者」を大学が雇用する際、人件費などを補助することを決めた。

 今年度は全国50大学を対象に計2500人分を支給する。大学の研究環境改善や、博士号取得後も定職に就けない「ポストドクター」(ポスドク)と呼ばれる若手研究者らを救済する狙いがある。

 研究支援者を対象にした国の補助は初めて。今年度分は政府の追加景気対策の一環として300億円を計上した。人件費は1人当たり400万円程度を想定しているが、大学の裁量による変更は認める。残りは事務費や渉外費などに充ててもらう方針だ。補正予算の成立後、国公私立大学を対象に申請を募り、研究実績や博士課程在籍者数などを審査して選定する。将来的には恒久的制度とすることも検討したい考えだ。

 研究支援者は、〈1〉観測機器や実験用設備の保守管理〈2〉研究資金申請や外部評価のためのデータ作成〈3〉海外の大学、企業との連携や国際会議開催支援――などに当たっているが、日本の研究者1人当たりの支援者数は0・27人で欧州各国の0・7人前後に比べて少ない。

【漢検】4月末には延期・中止判断も 文科相


 財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)の不適切な運営をめぐる問題で、文部科学省は24日、協会に対し、関係企業との取引解消の検討などを求める通知を文書で出した。協会側は30日に理事会開催を予定しており、塩谷立文科相は24日の閣議後会見で「30日には回答を求めたい。その上で6月実施の検定の延期・中止も検討したい」と述べた。

 通知の内容は、関係企業との取引解消や損害賠償請求の検討のほか、指摘されている問題に対して説明責任を果たすことや新しい運営体制の速やかな確立などを求めている。20日に、鬼追明夫理事長に対して口頭で行った指導と同様の内容。

 塩谷文科相は、6月実施の検定について、「理事の辞退も相次いでおり、運営が確立できない状況で、実施することは問題」と改めて言及。その上で「30日の理事会で大方の結論を出していただきたい」と述べた。

栃木県:私学助成を廃止 財政悪化受け10年度から


 栃木県が2010年度から、私立学校に出していた補助金を廃止する方針を固めたことが23日分かった。これまでは児童、生徒ら1人当たり年1万1500円を県単独の補助金として計上し、09年度は約6億円を支給する。自治体には財政悪化に伴い、私学への補助金を削減する動きが出ているが、日本私立中学高等学校連合会は「廃止は聞いたことがない」と話している。

 県によると、同県内の私学204校・園が09年度に受ける助成費は、国庫支出金と地方交付税相当分を含め総額約131億5100万円。県単独分の6億円は全体の約4・5%にあたる。だが、景気低迷などに伴う財政悪化で、同県は09年度以降、毎年300億円以上の財源不足が生じる見通しで、補助金廃止を決めたという。

 県は「財政健全化のためには聖域なく見直すことが必要。(補助金廃止は)やむを得ない」と話し、反発が予想される私学側と調整に入る。

滞納理由に卒業アルバム渡さず 茨城の中学、生徒3人に


 茨城県ひたちなか市立勝田第三中学校(小田倉稔校長)で先月、教材費などの諸費用を滞納していた家庭の3年生3人が、卒業アルバムと文集を渡してもらえなかったことが分かった。うち1人は、いったん受け取ったアルバムを学校側に返還させられていた。

 同校は「これまでの保護者に対する説明に至らぬ部分があり、生徒の心を傷つけて申し訳なかった」と話し、保護者側へ謝罪を始めた。

 同校の説明によると、3月6日、4クラス計139人の3年生に卒業アルバムと文集、3年間の合唱祭を記録したCDの3点が、教室で配られた。

 しかし、生徒の1人は同日の放課後、学年主任(54)に職員室へ呼び出され、担任(41)にすべて返すように言われた。アルバムには友人13人から寄せ書きをしてもらっていた。担任は「お母さんが取りにこないといけないから」と説明。生徒は帰宅後、母親から諸費用が未払いだったと知らされたという。後日、母親は「アルバム代を払うのでいくらか教えてほしい」と申し出たが、学校側は応じなかったという。

 別の生徒は配布の日、高校の合格発表で欠席し、後日受け取りに行ったが、未払いを理由に拒否された。母親も「教材費だけでも払うので、アルバムを渡して」と求めたが、学年主任に拒まれたという。母親は6人の子を1人で育てており、生活苦から、この生徒が2年になった途中から費用が払えなくなった。滞納額は計20万円余だが、「少しずつ返すつもりなのに、学校は理解してくれない」と話している。

 同校によると、3年生の諸費用は給食費、教材費など月1万4千円程度。アルバム代は進路指導費に含まれ、1冊1万4500円かかった。

 同校は昨年度、3年生の担任らが「お金がかかっているアルバムは未納者には渡さない」と決め、当時の校長も了承した。滞納していた家庭の生徒は5人いたが、2人は支払いを済ませたため、アルバムを渡した。3人の生徒側に学校の考えが伝わらなかった。現在、業者に支払ったアルバム代のうち3人分は、学年主任が立て替えている状態だという。

 横山信義教頭は「生徒の大切なものなので、一部でも返済があれば、お渡しするつもりだったが、保護者に伝わらなかった」と説明。当時、保護者が一部の支払いを申し出たにもかかわらず断ったことについては、「配慮が足りなかった」と話した。

 同校関係者によると、これまでは未納者にもアルバムは渡されていた。ひたちなか市教育委員会は「アルバムの配布は学校ごとの判断だが、基本的にお金を払った人に渡すものだ。ただ、生徒に渡した後に返させるのは配慮が足りなかったのではないか」としている。

関東私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

内定取り消しの学生に合宿研修…中小企業機構


 企業に採用内定を取り消された大学生らを支えようと、独立行政法人中小企業基盤整備機構は6月から、全国3か所で「新・若者挑戦塾」を開講する。

 企画書の書き方などの実務研修に加えて精神修養も盛り込んだ50日間の合宿コースで、最後に会社説明会を行い実際の就職につなげる。

 挑戦塾は、若年層の雇用促進を狙った経済産業省の事業の一環で、2億3000万円の予算を計上している。開催場所は、東京、新潟、広島にある同機構の中小企業大学校。開講時期は、東京校が6、10月と来年1月、新潟校は12月、広島校は来年1月。

 ビジネスマナーやパソコン、英会話などの習得に加え、企業経営者から経営の実態を学び、企業内での自分の役割を発見できるようにする。また、心を鍛えるための禅や茶道、キャリアカウンセラーによる適職相談も行う。実際の就職につなげるため、中小企業の採用担当者との出会いの場を2日間、設ける。受講修了証も発行し、その後の就職活動に役立ててもらう考えだ。定員各40人。受講料は無料で、宿泊費(1泊700円)と交通費、食費は自己負担。

 厚生労働省によると、内定を取り消された大学生は、確認されただけで1501人(3月23日現在)。これまでに、特別相談窓口の設置などが実施されているが、総合的に支援するのは今回が初めて。

 問い合わせは同機構((電)03・5470・1560)。

関西私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

2009年4月24日 (金)

新司法試験9564人予定


 法務省は23日、法科大学院修了生を対象に5月に実施される新司法試験の受験予定者が、9564人になったと発表した。

 昨年の受験予定者より約1800人の増加。同省では、増加分の多くはこれまでの不合格者や大学院を修了したものの受験を控えていた人とみている。

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【教育動向】医学部なら地元を狙え!? 広がる「地域枠」


 新年度に入り、受験に向かって徐々に勉強に力を入れている、というお子さんもいらっしゃると思います。中でも難関である医学部を目指す高校生にとっては、早くからの準備が不可欠でしょう。ところで、社会問題となっている医師不足を受けて、今春の入学者から医学部の定員が増やされたことは、このコーナーでも何度か取り上げました。医学部の定員に関しては、全体が「広き門」となっていることだけでなく、注目すべき流れがあります。「地域枠」の拡大です。


 地域枠とは、地元出身者や、地元以外でもその大学の所在地の地域医療を志す人のための特別枠です。文部科学省の調査(2008<平成20>年9月実施)によると2004(同16)年度は5大学の43人にとどまっていましたが、その後は急速に増加し、2009(同21)年度は47大学の704人に拡大しています。これは、総定員(8,486人)の8.3%、12人に一人に当たる数値です。

 なぜ地域枠が拡大しているかというと、深刻な医師不足や地域偏在を是正するためには、地元の高校生を地元の大学で受け入れることが有効だ、との考えからです。

 もともと数が少ないうえに「狭き門」である医学部は、受験生の側も、地元の大学に限定せず、全国レベルで志望校を選ぶ傾向があります。ですから、必ずしも入った大学のある地域に思い入れがあるとは限りません。また、研究面や医療の最新情報が得られることなどを考えれば、就職はどうしても都会志向になってしまいます。加えて、2004(平成16)年度からの「新臨床研修制度」の導入に伴って研修病院が自由に選べるようになったことが、他県への流出に拍車を掛ける結果となってしまった側面は否めません。ですから、明確な目的意識を持って将来の地域医療を担ってくれるような人材を、早くから確保しようとしているわけです。

 実際、地域枠設定などの取り組みの結果、医学部入学者のうち県内高校出身者の割合は、2003(平成15)年度で30.1%だった全国平均が、 2008(同20)年度には35.2%に上昇しています。県内高校出身者の割合が25〜30%の間くらいしかなかったのが、5年で50%台にまで上昇した県もあります。

 こうした動きに呼応するように、高校側でも地元医学部を目指す対策に力を入れている地域が増えつつあります。門が広がる医学部の中でもさらに地域枠が狙い目、というわけです。

 また、地元出身者向けに授業料減免や奨学金などを設ける大学側や自治体も増えています。

 ただし、こうした制度を利用する際には、単なる合格のための一手段と考えてはいけないでしょう。忘れてはいけないのは、地域の医師として将来も生きていく ≪覚悟≫です。「医者になりたい」だけでなく、「どんな医者になりたいか」も考えさせながら、明確な志望動機を持たせたいものです。

全国体力テスト:参加校8割に


 文部科学省は22日、09年度で2回目となる全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト、4〜7月)の参加見通しを発表した。参加率は小学校が87・1%(前年度比16・1ポイント増)、中学校が85・9%(同15・8ポイント増)で、いずれも初回のおよそ7割を大きく上回っている。小5と中2の計約200万3000人が参加する見込み。

 08年は、文科省が調査実施を都道府県教委などに伝えたのが3月と遅かったこともあり、参加率が低かった。既に独自の体力テストを秋に実施することを決めていた自治体や学校が変更を見送ったことなどが理由。文科省は「調査の意義を一定程度理解してもらえた」としている。

橋下知事「豊中市教委は関東軍」 学力テスト対応を批判


 21日に実施された文部科学省の全国学力調査の結果をめぐり、大阪府の橋下徹知事は23日、豊中市教委が市町村別の結果を橋下知事へ提供しないよう府教委へ求めることについて、「データを僕が取り寄せることに市町村教委がストップをかけるのは、行政の仕組みからしてありえない。予算はもらうけど資料は出さないというのは、それこそ関東軍」と批判した。

 豊中市教委は昨年の学力調査で科目別結果を非公表とすることを決めていたが、橋下知事は府教委から提供されたデータをもとに情報公開請求で開示。同市教委は22日、今年の結果について、市町村の姿勢を反映して情報を取り扱うよう求める要望書を近く府教委へ提出する方針を明らかにしている。

法科大学院定員18%減、10〜11年度計画「予定なし」も6校


 全国74校の法科大学院が2010〜11年度にかけて実施する定員削減計画の概要が22日、明らかになった。計画により、総定員は現在の5765人から約18%減の4700人台となる見通しだ。

 法科大学院を巡っては、過剰な定員が司法試験の合格率低迷を招いたと指摘されており、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)特別委員会が、定員を絞って教育の質を向上させるため、抜本的な定員削減を求めている。日本弁護士連合会も定員を4000人程度に削減するよう提言しており、削減数の上積みを求める声があがりそうだ。

 調査は法科大学院協会が74校を対象に、今年1月と3月にアンケート方式で行った。

 このうち、具体的な削減計画を明らかにしたのは41校の622人。削減の方向だが具体的な人数を決めていない大学院が22校あり、同協会関係者は最終的な削減数は1000人程度になると見ている。

 削減幅が最も大きいのは、新潟と神戸学院の41・7%、次いで鹿児島、東北学院、広島修道、福岡(09年度に削減)の40%だった。削減予定が「ない」と回答したのは、すべて私立で、専修、日本、立教など6校。

 08年の新司法試験合格率別では、1位の一橋(合格率61%)と2位の慶応(57%)は「検討中」で、3位の中央(56%)は削減予定なしとしている。一方、過去3回の新司法試験で1人しか合格者を出していない姫路独協は、09年度に既に定員を40人から30人に減らしている。08年の合格者がゼロだった信州と愛知学院は、信州が「検討中」、愛知学院は「最小11・4%、最大20%減」とした。

2009年4月23日 (木)

【主張】全国学力テスト 授業向上こそ最大の狙い


 小、中学生の全国学力テストが行われた。復活して3回目で、これまで参加していなかった愛知県犬山市も加わった。成績は8月にも公表されるが、市町村や学校別も積極的に公表し、学力向上に生かしてほしい。

 成績の市町村別公表には依然、賛否がある。秋田県の佐竹敬久新知事は「あえて公表する必要はない」との方針だが賛成できない。

 本来、教育委員会や学校は自らが積極的に成績を公表し合うのが筋である。近隣の自治体や学校などと比べることで弱点が分かり、より良い指導法を学べる。

 大阪府の橋下徹知事や秋田県の寺田典城前知事らが昨年、市町村別公表に踏み切ったのは、各教委が自らの成績を明らかにしない消極姿勢に業を煮やしたからだ。

 学力テストは入試問題と違い、難問が出るわけではない。きちんと授業を受けていれば、大半はできていい問題が出題される。「序列化や過度の競争を招く」と心配する性格のテストではない。

 昭和30年代に行われた学力テストでは、教師への勤務評価などを嫌う日教組が激しい反対闘争を展開し、全国規模で学力を把握する手段がなくなった。

 学力テストの再開は、ゆとり教育による学力低下への批判が背景にある。だが評価を嫌い、横並びを好む体質は日教組だけでなく、いまも教育界には根強く残る。全国学力テストを不要だとする意見もあるが、競争や評価を嫌うだけでは問題は解決しない。

 過去2回の結果をみると、都道府県別で上位と下位には差があった。市町村や学校によっても平均とかなり離れている例がある。

 授業のやり方に問題はないか、教委や学校の取り組みは十分か、比較・分析しなくては改善策も生まれてこない。家庭との連携も欠かせない。市町村別の結果などは保護者も知りたい情報だ。

 秋田県の例では、大都市と違って塾のない山間部の学校が学力向上に成果をあげ、指導法が注目された。これも市町村別成績の公表で分かったことである。

 今回は、実生活を題材にした文章から情報を読み取り、考えを書く問題が目立った。新学習指導要領でも重視される内容だ。

 日本の子供たちの弱点とされてきた思考力や表現力をいかに育てていくか。教師は授業のやり方をいま一度見直し、指導力も競い合う中で工夫してほしい。

全国学力テスト:実施日間違えた 鹿児島の小学校、昨年度と混同


 鹿児島県南九州市の市立小学校1校が全国学力テストの実施日を間違え、21日に実施していなかったことが分かった。市教委の指摘で気づいた同日夜、校長と担任が6年児童の家庭を訪問し、保護者らに謝罪。22日にテストを実施した。

 市教委によると、実施日が22日だった昨年度のマニュアルを教頭が今年度と混同し、20日、担任らに「22日に実施」と伝えていた。21日夜の家庭訪問では、テスト実施を伝える新聞などを児童に見せることを避けるよう依頼したという。

 市教委は、2月からマニュアルを配布したほか、今月17日の教頭会でも実施日など概略を口頭で説明していたという。大木節夫学校教育課長は「検証をしっかりして再発防止に努める」と話した。

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オウンゴール教頭、減給 新潟県教委「教師の信用失墜」


 新潟県内で1月にあったフットサル大会で、県立直江津中等教育学校の中学生チームのコーチだった教頭(47)が、選手にわざと負けるよう指示し、6回連続で自陣のゴールにけり込むオウンゴールを決めさせた問題で、県教育委員会は22日、地方公務員法に抵触(信用失墜の行為)するとして、この教頭を減給1カ月(10分の1)の懲戒処分とした。

 県教委は「生徒を指導すべき立場にありながら、通常あり得ない作戦をとり、子どもや保護者に与えた影響は大きい」と指摘。「メディアで全国的に取り上げられる事態で、著しく教師への信用を失墜させた」と判断した。

 県教委によると、日本サッカー協会が処分を発表した9日以降、県に「厳しい対応を」などの苦情が、メールや電話で数十件寄せられたという。

【教え育てる】身近に「文武両道」の目標 早稲田実業初等部校長 多宇邦雄氏


 早実硬式野球部がベスト8入りを果たした今年の選抜高校野球は、初等部生にとっても自分たちが「早稲田の一員」であることを自覚した絶好の機会でした。

 1、2回戦は学校として応援ツアーへの参加希望を募り、準々決勝は校友会のツアーに参加する形で、大勢の児童が甲子園のアルプス席で♪都の西北や♪紺碧の空、そして♪都のいぬゐ早稲田なる…という早実の校歌を高らかに歌いました。

 応援は中・高等部生と一緒です。初等部の児童は制服・制帽を着用し、保護者同伴ですが、校友会の皆さんや早稲田大学の学生も交えて、これ以上はないという一体感で盛り上がりました。この経験が児童たちに大きな教育効果をもたらすものと私たちは考えています。それを一言でいえば「目標が見えてくる」ということです。

 早実は「文武両道」を掲げています。野球のほかにもバレー、硬式テニス、陸上、水泳、弓道、珠算部…など、全国大会や関東大会などで活躍するクラブが数多くあります。甲子園の高校野球でも王貞治さんを擁した1957年春と、斎藤佑樹君が大活躍した2006年夏の2回優勝しています。

 しかし、私たちは部員を学業の上で特別扱いしません。どんなに優秀な成績を挙げても、試合が終われば「一人の早実生」として扱い、授業に集中することはもちろん、予習・復習もしっかりと課します。

 早実の正門脇には、各種大会でのクラブ活動などの活躍を知らせる掲示板があり、初等部の児童も目にします。身近かな中・高の先輩たちが同じ校地でスポーツや勉強に励み、さらに早稲田大学に進んで活躍する姿に、児童たちは自分の将来の姿を重ね合わせて希望に胸を膨らませるのです。

全国学力テスト:論理、意見を重視 新学習指導要領、念頭に−−3回目


 小6と中3を対象とした3回目の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は21日午後、終了した。

 今回の全国学力テストは過去2回で浮かんだ苦手分野や、読解力を主に問う経済協力開発機構の学習到達度調査(PISA)を強く意識した構成となった。「論理立てて考え、説明すること」や「目的に応じて事柄を整理し、意見などを関係づけて書くこと」を重視した設問が目立った。

 例えば小6国語B(活用)では、「子どもの体力低下」を調べようとある児童が自校の50メートル走平均タイムを20年前と比較するグラフを作成した報告文を読ませ、「何が分かったか」を書かせた。他にも「食塩を水に溶かす実験の報告文を読む」(小6国語A)、「発光ダイオードについて説明した文の情報を整理」(中3国語B)など、国語には教科横断的な設問が多かった。算数・数学も判断の根拠などを記述させる設問が多い。

 背景には、各教科を通じて説明や論述、討論などの「言語活動」を重視する新学習指導要領(小学校11年度、中学校12年度全面実施)の存在がある。文科省も「新要領の趣旨を念頭に置いて作成した」としている。

 一方、登場人物の内面などを想像しながら読む「物語文」の出題は、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」(中学国語A)など2題。文科省は「物語文を軽視したわけではない」と説明するが、目指す学力の方向性を強く打ち出したことで、出題の偏りも強まったと言える。

ノーベル賞・益川さん「9条京都の会」の代表世話人に


 作家の瀬戸内寂聴さんや哲学者の梅原猛さんらが代表世話人を務める「憲法9条京都の会」の7人目の代表世話人に、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英さん(69)が内定した。同会の事務局によると、益川さんは「研究者であると同時に一市民であり、9条を守る運動の末席に身を置きたい」と表明したという。

 同会は08年6月に結成。大蔵流狂言師の茂山千之丞さん、臨済宗相国寺派管長の有馬頼底さんらも名を連ねている。

武蔵美が学外ギャラリー、非営利「広く作家育成」


 武蔵野美術大学(東京)が、非営利で運営するギャラリーを東京・馬喰町に25日開設する。キャンパスに展示施設を持つ美大は多いが、あえて学外に進出し、社会との交流をめざす。

 ビルの地下1階を借りた「gallery αM」は約100平方メートル。今年度は来月9日から連続8回、現代美術の作家10人を紹介する企画展を開く。

 武蔵美では1988年にも東京・吉祥寺にギャラリーを開設し、身内にこだわらず若手を紹介してきた。油絵学科の赤塚祐二教授は「手前ミソな展覧会ではなく、広く作家を育てようとしていた。批評家や作家仲間が出会う場にもなった」と話す。学内事情で2002年に閉じた後も、その都度場所を借りて企画展を継続。だが恒常的な拠点がないため、活動を知らない学生も出てきた。そこで創立80周年を機に今回の開設を決めた。

 馬喰町は繊維問屋街として知られるが、空きビルを利用してギャラリーやデザイナーの事務所が増え、新たな人の出入りも生まれている。入居を決めたビルにも、すでに現代美術のギャラリーやカフェなどがあった。

 運営は学内のαM運営委員会が行う。座長の赤塚教授は「大学が運営する非営利の画廊は、時代や経済によって途切れがちな美術の動きを継承、護持できる」と語る。これまでと同じくゲスト・キュレーター(展覧会企画者)に展示企画を委嘱し、若手の作家や批評家に活躍の場を提供。大学から社会への発信とともに、社会から受ける刺激も期待しているという。

 学外にギャラリーを持つ美大は、他にも現れている。女子美術大学(東京、神奈川)では2007年10月から、「女子美ガレリア ニケ」を東京・中野区で運営。教員、学生、卒業生の展覧会が主体だが、生涯学習講座の受講者による作品展も開いている。さらに昨年8月、画廊が集まる銀座に「銀座gallery女子美」も開設した。

 一般的に見れば、美大の展示施設は身内紹介の傾向が強い。だが学外ギャラリーの開設は、社会的役割を意識した動機が働いているようだ。

2009年4月22日 (水)

全国学力テスト、千円札やはがき、時刻表…実生活で活用できる学力問う出題目立つ


 千円札の長辺は何センチ? はがきのあて名ってどう書くの?−。小6と中3の児童生徒を対象に21日実施された全国学力テストでは、昨年度に引き続き、実生活に活用できる学力を問う出題が多くみられた。身近な学校生活などを題材に、要点整理や論理的な記述を引き出そうとする設問が目立ち、活用力や読解力を必要とするPISA(OECDによる学習到達度調査)型の学力を求める傾向が強まった格好だ。

 文部科学省によると、過去2回の結果を踏まえて、正答率の低かった分野や未出題の分野からも積極的に出題。また前回、解答時間が足りないとの指摘があったため、全体的に設問数や問題の文字数を減らすなど配慮した。

 基礎的な知識を問う「A問題」では、小6算数で千円札の長辺の長さを出題。(1)3センチ(2)15センチ(3)30センチ(4)50センチ−の選択肢から答えさせることで(正解は(2))、身の回りの物の大きさについておおよその見当を付けられる「長さの感覚」が身についているかを調べた。

 小6国語では、はがきの正しいあて名の書き方や、ローマ字の基本的なつづり方などを出題。中3国語でも、本の目次から調べたい情報を探し出す方法など、実用的な場面からの出題が多かった。

 一方、応用力を問う「B問題」では、小6算数で、階段1段の高さと段数から壁の高さを推量したり、時間通りに目的地に着くためのバスの便を時刻表から割り出したりなど、データを活用する問題が目立った。

 国語についても、小6で体力テストの結果やバスケットボールの戦術の要旨を簡潔にまとめさせたり、中3で詩を分解して読解させるなど、論理的な考え方を問う設問がならんだ。

 また、昭和30年代の全国調査との比較ができるように、全教科で同一問題が計27問出題された。

全国学力テスト:成績公表揺れる中、3回目の実施 愛知・犬山は「功罪」検証へ


 3回目の実施で、対象となる全国公立校の参加がようやく実現した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)。初参加となった愛知県犬山市の小中学校では、子供たちが真剣な表情でテスト用紙と向き合った。一方、成績公表の可否を巡り揺れる地方では、戸惑いの声も漏れた。

 ◇「数字」重視の親も

 ■犬山

 06年12月の市長選でテスト積極派の田中志典市長が当選、その後の市を二分する議論の末に参加に踏み切った犬山市。今も「義務教育に競争原理を持ち込む」との反対意見がくすぶる中で、10小学校の6年生747人、4中学校の3年生616人が臨んだ。

 市立犬山北小では6年の3学級で午前8時50分、テストが始まった。担任教師がテストの目的や手順を説明した後、子供たちは黙々と問題に取り組んだ。

 大矢恵一校長は「子供たちには多少の緊張がみられたが、ほぼいつも通り。4時間の授業分を使うので有効な活用方法を考えたい」と話した。

 同校で会見した田中市長は「テスト結果の公開については地域事情もあり、慎重にすべきだと思う」と語った。

 一方、テストを批判してきた瀬見井久教育長は教育委員会のある市立図書館で会見し「テストに参加しても犬山の教育は不変だ」と述べた。市教委はテストの「功罪」を独自に検証する方針で、各校で回収した用紙をすべてコピーして採点し、個別指導や授業改善に生かせるかどうか検討する。

 ■秋田

 07、08年とも小学生が全国トップ、中学生も好成績だった秋田県。前知事が独自の判断で市町村別平均正答率を公表したことでも注目されたが、20日に就任した佐竹敬久知事は、公表の可否は市町村教委の判断を尊重する考えを表明。今回、自治体別は非公表となる可能性が高い。

 21日朝、秋田市内の小学校へ子供を送りに来た保護者の間では、この方針に賛否が分かれた。この日、学力テストを受ける6年女児の母親(40代)は「(結果を)公表しないなら、テストをする必要はない。子供が一生懸命勉強しているので、数字が出ることでやる気が出る」と批判。一方、2、4年の子供がいる母親(32)は「子供の学力を伸ばしたいなら、大人が競い合いをしなくてもいい」と理解を示した。

 ■鳥取

 昨年、情報公開条例を改正し、開示請求があれば市町村別と学校別の成績を開示することになった鳥取県。情報の取り扱いを巡る教育現場の不安は今も払しょくできていない。鳥取市の小1女児の母親(31)は「名前などの個人情報さえ出なければ学校別の結果は出てもいい」と話す。中3の娘と中1の息子がいる境港市の会社役員、佐名木知信さん(46)は「開示の是非より、結果をどう学力向上に生かすかを議論すべきだと思う」と話した。

 ◇参加率5割下回る

 ■私立

 国公立校の全校参加が実現する一方、私立は今回初めて参加率が5割を下回った。私立は以前から授業や学校行事を優先しており、対象学年全員の学力把握を目指す文部科学省は頭を悩ませている。

 文科省によると、私立の参加率は初回の07年度が61・5%、08年度は53・1%と下がり、今年度の見込みは16日現在で47・5%。

 初回から参加する千葉県内の私立中教頭は「文科省から要請があって協力はする。ただ、うちの生徒には問題がやさしすぎて参考にならない」とこぼす。

 東京都内の私立女子中の教務担当は「参加を求める保護者の声もない。授業数確保に苦労してるのに丸一日つぶすなんて考えられない」と初回から3回連続で参加を見送る。

 文科省学力調査室は「私立校の会議や集会に職員を派遣するなど『セールス』に力を入れるが、強制するようなことはできない」と話している。

学力調査「22日実施」と思い込む 南九州市の小学1校


 鹿児島県南九州市内の公立小学校1校が全国学力調査の日程を勘違いし、21日に実施しなかったことが分かった。同市教委によると、調査終了時刻になっても報告がなかったため、問い合わせたところ判明した。学校側は「間違えて4月22日に実施した昨年のマニュアルを見ていた」と説明しているという。22日に調査を行う予定。

学力テスト、低迷打開にあの手この手


 大阪は授業にニンテンドーDS 京都ではエコ校舎撤回しエアコン

 全国の小学6年生と中学3年生を対象にした「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が、あす21日に実施される。

 今年で3回目になるが、成績低迷に悩む自治体ではゲーム機を授業に取り入れたり、電力を節約する「エコ校舎」の改修計画を撤回してエアコンを取り付けたり、上位進出を目指して躍起になっている。

 全国の小6・中3 あす実施

 「とにかく点数を上げること」。今年2月。大阪府下の小学校でこう檄(げき)を飛ばしたのは、立命館小副校長の陰山英男氏(51)。橋下徹知事の招きで府教育委員に就任した「大阪浮上」の請負人だ。

 大阪は小中とも2年連続で最下位クラスに低迷。東京都杉並区の区立和田中学校で、学習塾の講師による「夜スペ」と呼ばれる補習を実践した藤原和博氏(前和田中校長)も、府教委特別顧問に招かれた。「勉強嫌いをなくそう」と、任天堂の携帯ゲーム機ニンテンドーDSを使って国語や数学の授業を始めたのは、藤原氏の発案という。府下の一部20校に計800台を配布。購入費は2200万円。このほか、府教委では大手学習塾による放課後学習も始めている。

 京都府八幡市は2月、環境省の補助金を使って進めていた省電力を目指す「エコ校舎」改修計画を撤回すると発表した。全国平均を下回った成績を上げるには「暑い夏場対策がカギ」と判断。補助金2100万円を返上して今後、エアコン設置のため2億円以上を投じる計画だ。「エコより学力。背に腹は代えられない」と市教委の担当者は話す。

 昨年の学力テストに伴うアンケートで、宿題をやらない生徒が全国平均の2倍近くに上っていたことが判明した高知県。学力低迷の原因はこれにあるとみて、今年度“宿題サポーター”予算を創設した。高知市では、さっそく4月から市内の19中学校に約90人を配置。退職した教員OBで、放課後の教室で宿題を手伝うという。

 山口県は昨年10月から県内の教員に協力を求め、全国学力テストの想定問題集を作成。インターネット上に3月までに寄せられた問題は400問に達し、授業で小中生に解かせている。県教委は「今年のテストで少しでも成果が出れば」と期待を寄せる。

 一方、小中とも全国トップクラスだった秋田県には昨年だけで、全国各地から64の視察団が訪れた。教委の担当者は「特に変わったことはしていません。やっていることは少人数教育や独自の学力調査。どこも似たり寄ったりだと思いますけど」と戸惑い気味だ。下位自治体の視察団は、やはり上位常連の山形、福井、富山などにも訪れたという。

 文部科学省によると、今年のテストを受ける小中生は計約234万5000人。

 全国学力テスト 文部科学省が全国の国公私立小中学校を対象に行う学力調査。2007年に43年ぶりに復活した。国語と算数・数学で、毎年4月に行われる。今年度予算は約58億円。

進学の夢かなえてあげたい あしなが学生募金始まる


 親を亡くした子どもたちの進学を支援する募金活動「あしなが学生募金」が18日、全国約250カ所の街頭で始まった。東京都新宿区のJR新宿駅西口では、高校生や大学生ら約20人が道行く人に募金を呼びかけた。

 東京電機大2年の板垣友樹恵さん(19)は小学6年生の時に父親をがんで亡くした。一つ上の姉、二つ下の妹との3人姉妹。「姉と同じ私立中学を受験するのが当たり前と思っていたのに、塾にも行けなくなりました」

 看護師の母親は「私が死んだら子どもたち3人の学費は生命保険でなんとかなるかも」と思い詰めたように言ったことがある。「なんでそんなこと言うの」。それ以上かける言葉が見つからず「私にお金がかかるのが悪い」と自分を責めたこともあった。

 母は奨学金を出してくれるところを探して回り、あしなが育英会にたどりついた。大学進学がかなった板垣さんはいま、東京都日野市にある育英会の学生寮で生活する。将来の夢は建築士だ。

 深刻な不況はひとり親世帯に重くのしかかっている。08年末にあしなが育英会が母子家庭の高校3年生に調査したところ、27.8%が就職を希望していたが、理由は「経済的に進学できない」「家計を助けるため」の二つで4割をしめた。仕事をしている母親の平均月給は12万円だという。奨学金を受けた高校生は08年に1724人。06年が1588人、07年が1688人と増え続けている。

新教育の森:愛知県犬山市・「学テ」参加に転じた経緯


 ◇対立と説明不足、教育理念とは裏腹

 全国学力テストに自治体で唯一、参加しなかった愛知県犬山市が21日実施のテストに初参加する。「学び合いの授業」を掲げてきた市教委は「テストは義務教育に市場の競争原理を持ち込む」と主張してきたが、方向転換した。3年の議論は何を残したのか。

 ◆あっけない幕切れ

 「採決の結果は、賛成4、反対2」。教育委員会事務局職員の声が響いた。3月23日午前10時過ぎ、愛知県犬山市立図書館2階の会議室。学力テストへの参加が決まった瞬間だ。コの字形の教育委員席を取り囲む報道陣の後ろには、約30人の市議、保護者や学校関係者の姿。あっけない幕切れに、成り行きを見守っていた女性は「決まっちゃったね」とため息をついた。

 教育委員席で両腕を組んだまま、身じろぎもしなかったのは、学力テストを一貫して批判し続けた瀬見井久教育長。全国的にも知られるようになった「犬山の教育」を97年の就任から推進してきた当事者だ。

 詰め込み教育をやめ、いじめや不登校の無い、人間性豊かな子供の成長を目指すことをモットーに、少人数学級(30人)を実現、市費による教員増でていねいな授業を実施。独自の副読本も作成した。授業の内容を理解できない子供を級友がサポートする小グループ学習にも力を入れている。全国の教委からの視察は年間100以上だ。

 ◇多数派工作、解任動議まで
 ◆敵対エスカレート

 05年6月に政府が決定した07年からの学力テスト実施。瀬見井教育長を中心に、市教育委員たちは議論した。「○×で優劣を決めるテストは犬山になじまない」。06年2月、不参加を正式決定した。

 ところが、瀬見井教育長と共同歩調を取っていた前市長が辞職。同年12月に行われた市長選で田中志典市長が当選してから風向きが変わった。

 元々、不参加の理由説明が不十分との意見がくすぶっていた中、田中市長は「有権者の多くから『参加したい』という声を聞いた」と見直しに言及。市民からも、学力を検証する手段として参加を求める声が表に出始めた。

 瀬見井教育長は07年3月の教育委員会で、「政治が教育に手を突っ込んでくるのはよろしくない。教委の独立性を再認識していただきたい」と批判した。

 田中市長は▽教育委員の1人増員(08年4月)▽任期満了を迎えたテスト反対派委員を賛成派委員に入れ替え−−など多数派工作を行い、同12月には反対派の教育委員長に対する解任動議が提出される事態に。「教育長の勤務態度が悪い」と勧告書を3度も突き付けた。

 ◇学校現場の声は反映されず
 ◆保護者と教員

 保護者と学校の教員たちは議論の蚊帳の外に置かれた。参加を巡る学校現場と保護者の考え方について、データは一つしかない。

 08年11月、市教委が市内の小学校1校で実施したアンケートでは、保護者の44%が学力テストを「必要」「どちらかといえば必要」と答え、「不必要」「どちらかといえば不必要」の22%を大きく上回った。一方、同小教員は86%が「不必要」「どちらかといえば不必要」と回答。「必要」と答えた教員はいなかった。小中学校の校長会も、今年2月「参加は学校序列化につながる可能性が高く、犬山の教育理念に反する」との意見書を市教委に提出した。

 しかし、瀬見井教育長は当初から「権限を与えられた教育委員による合議で結論を出すにあたり、広く意見を聞く必要はない」との立場。このことが、教育委員の勢力逆転がすべてという結果につながってしまった。ある校長は「犬山の教育は評価されているのに、他の自治体もやっているから参加すべしという理屈がまかり通ってしまった。不要だということは保護者にも丁寧に説明すれば分かってもらえたと思う」と話す。

 ◆結果公開は棚上げ

 結果公開の在り方が全国的に問題となっている。文部科学省は実施要領で市区町村別、学校別の平均正答率を出すことは「序列化や過度の競争をあおる」として禁止している。だが、秋田県は昨年、市町村別の平均正答率を公開した。大阪府でも一部の自治体別データを開示、鳥取県は今年実施分から市町村別と学校別データの開示方針を決めるなど、議論が続いている。

 犬山市では公開の在り方も、参加を巡る議論の取引材料に使われた感がある。

 市教委は「少人数校の場合、個人の成績が特定されるおそれはあるが情報開示請求があった場合、テスト結果を開示せざるを得ない」との立場だった。市は昨年12月、個人が特定される恐れのある少人数校の児童、生徒の情報を非公開にする改正情報公開条例を施行して「対抗」した。

 テスト参加を決めた日の教育委員会でも、採決にあたり、市教委事務局作成の議案説明に明記された「参加した場合、市民に対して結果を公表しなくてはならないと考える」との一文について、参加派委員が「文科省要領では開示しないことになっている」と主張、削除された。公開を巡る議論は棚上げされたままだ。

 ◇民主的議論なく残念−−犬山市の学校を訪問したこともある教育評論家の尾木直樹・法政大教授の話

 独自の教育に自信を持ち教育長が不参加を貫いてきたのは間違っていないと思うが、市民へ十分な説明が無かったことは問題だった。保護者の中で学力テストを必要と考える人が多いのがその表れ。学力テストが、犬山の教育にそぐわないことを保護者に納得させられなかったのだろう。一方で、参加に転じた結論も、市長が主導した多数派工作に過ぎない。学力テストの内容や、参加した後の犬山の教育の在り方などについて、民主的に議論した結果ではないことが残念だ。

「能動的能力を磨いて」小柴さんが高校で講演


 世界で活躍する科学者を育てようと4月に開校した横浜市立横浜サイエンスフロンティア高(横浜市鶴見区)で18日、同校のスーパーアドバイザーを務めるノーベル物理学賞受賞の小柴昌俊・東大特別栄誉教授が講演した。

 小柴さんは「人間の総合的能力は、授業を理解する受動的能力と、自分で進んでやろうとする能動的能力の掛け算。みなさんはこれから能動的能力を磨いてください」と“科学者の卵”たちを激励した。

 40年以上前、東大で初めて講義したときのエピソードを披露。「『大きな宇宙と小さな素粒子の間を取り持つものはニュートリノと思っている』と言った。そのときはヤマ勘だったけど」と話した。

 講演は「宇宙、人類、素粒子」と題して行われ、専門的な難しい話にも生徒たちは真剣なまなざしで聞き入っていた。

【漢検】「検定の延期、中止も視野」塩谷文科相


 塩谷文部科学相は17日、閣議後会見で、財団法人「日本漢字能力検定協会」が提出した改善報告書の内容について「関連企業4社との過去の取引がすべて追認されるなど、大変問題がある」との認識を示し、「今の状況で漢字検定事業を続けることはあまり好ましくない。新理事長の下で態勢が整わなければ、漢検の延期、中止も視野に検討しなければならない」と述べた。

 報告書で協会が関連企業所有の本部ビルを20億円で購入するとしていることについては、「関連企業に資産を不当に流出させるものであれば極めて問題。基本的には購入すべきではない」とした。

 漢検協会は15日に大久保昇理事長と息子の浩副理事長が一連の問題の責任を取って全役職を退くことを表明。新理事長の鬼追明夫氏は20日に文科省を訪れ、今後の運営方針などについて説明する予定。

県立高入試で採点ミス 兵庫県教委、全校に再確認指示


 兵庫県教委は16日、今春の県立高校入試の受験生1人から答案の開示請求を受けて調べた結果、この受験生の解答の採点に誤りが見つかったと明らかにした。正解だった問題(配点2点)を、採点者のミスで不正解にしたという。合否に影響はなかった。

 県教委は念のため、県立高校142校3分校すべてに対し、採点ミスがなかったか受験生約2万5千人分の答案を再確認するよう指示した。県教委は「個人情報の保護」を理由に、科目やミスの詳しい内容を明らかにしていない。採点後に別の教員らが点検したが、見落としたという。

 県教委によると、この受験生は合格発表後に点数を開示請求。開示された点数に疑問を持ち、改めて答案自体の開示を求めた。その際、学校側が答案を再確認してミスが発覚したという。

 今後採点ミスが見つかり、不合格者のうち合格点に届いていた受験生が見つかった場合、県教委は「生徒の意向もふまえて、検討したい」としている。

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生活危機:母子家庭で就職予定の高3、進学断念が4割 生活苦理由に−−あしなが調べ


 父親を亡くした母子家庭に育つ高校3年生の約3割が就職を希望し、うち4割が生活苦を理由に進学を断念していることが、遺児の進学を支援する「あしなが育英会」の調べで分かった。同会は「不況で母親の収入が減り、母子家庭がより厳しい生活に追い込まれている」とみている。

 調査は昨年12月、同会の奨学金を受けている当時の高校3年生にアンケート形式で実施した(回答数582)。就職希望者は27・8%(162人)で、同じ時期に文部科学省が調査した高校3年生全体の平均(19・3%)を上回っている。

 就職希望者に理由を聞くと、「進学したいが経済的に進学できない」が21%、「家計を助けるため」が19%で、合わせて40%が授業料などの負担を心配しやむなく進学を断念。元々進学に関心がないといった回答は15%にとどまっている。

 同会の調べでは、父親を亡くした母子家庭の母親の勤労所得は07年に約134万円。98年と比べ3割以上下がり、一般世帯の約3割にしかならない。大学での奨学金希望者は年々増えているが、限られた資金の中で高校生への貸与を優先しており、大学生への貸与を増やすのは難しいという。工藤長彦(としひこ)理事は「大学全入時代といわれる今でも、遺児は希望しても進学できない実態を知ってほしい」と訴えている。

 同会は春の街頭募金を18、19、25、26の4日間、全国約250カ所で一斉に実施する。郵便振替(00140・4・187062 あしなが学生募金事務局)でも受け付けている。問い合わせは同会(03・3221・0888)。

「学テ結果公表の必要なし」 新秋田県知事


 秋田県知事選で初当選した佐竹敬久氏(61)は13日、昨年末に寺田典城知事が全国学力テストの市町村別結果を全国で初めて公表したことについて、「私はあえて公表する必要はないと思う」と述べ、公表しない方針を明言した。秋田市内で記者団の質問に答えた。

 佐竹氏は、学力テストの結果公表について「市町村の教育委員会にお任せしたい」と強調。同時に財政的な理由を挙げ「毎年実施する必要があるのか」とも述べた。

 寺田知事は昨年12月、県内の全25市町村別の平均正答率を公表。「公教育はプライバシーを除いて公開が基本。情報を共有して活用することが県民の利益につながる」と意義を強調したが、市町村の教育長からは「序列化につながる」「連絡がなかった」と反発が相次いだ。

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理科教材費、どーんと15倍 経済対策に200億円盛る


 上皿てんびんに電流計、顕微鏡……。理科の授業で使う実験器具や教材の費用として、文部科学省は、200億円の予算を政府の新経済対策に盛り込む。昨年度までの数年は年13億円前後で推移。厳しい財政事情で購入費がゼロの学校もあるため、例年の15倍の「特盛り」予算で、「理科離れ」「理科嫌い」を防ぐことにした。

 実験用のてこや丸底フラスコ、メスシリンダー、図鑑……と、理科の授業で使われるものの購入費を広く補助する。公立と私立のすべての小中高校、特別支援学校が対象だ。理科教材は、購入費の半分を国が補助し、公立なら自治体が、私立なら学校が残りを負担する仕組み。今回は自治体の負担分も特別交付金で多くを手当てする方向だ。

 「ゆとり路線」から学力向上にかじをきった新しい学習指導要領は、理科と算数・数学について今春から前倒し実施され、授業時間が増えた。

 しかし、科学技術振興機構と国立教育政策研究所の昨年の抽出調査では、コンデンサー、手回し発電機といった新指導要領で必要な実験機器のない小学校が6割以上あった。小学校の備品費は年平均約9万円で、指導要領上、必要と試算した額の半分ほど。「ゼロ」という答えも、小学校で40%、中学校で24%、高校で27%に上った。

 「器具が少ないので見せるだけで子どもに体験させられず、理科の面白さが伝えられない」「授業増と学力向上のかけ声だけでは対応できない」といった声が文科省にも届いていたという。

大分県教委の教員採用汚職:有罪の富松元審議監が控訴


 大分県教委の汚職事件で、昇進の謝礼として20万円分の商品券を受け取ったとして、大分地裁で懲役10月、執行猶予3年などの有罪判決を受けた元県教委教育審議監、富松哲博被告(61)=懲戒免職=が10日、判決内容を不服として福岡高裁に控訴した。

未来の裁判員に法の「出前授業」基礎知識教える


 5月21日からスタートする裁判員制度を前に、法務省は省内に「法教育プロジェクトチーム」を発足させた。

 9月以降、全国の小中高校で、検事や刑務官、保護観察官らが「出前授業」を行い、裁判員制度をはじめとする司法制度などについて教える。未来の裁判員となる子どもたちに、法に関する基礎知識を身につけてもらうのが狙い。これまで、教員向けに裁判員制度の説明会を開いたことはあったが、同省による子ども向けの法教育は初めて。

 授業では、検事らの指導で子どもたちに模擬裁判などを体験させるほか、判決後の処遇の流れについては刑務所の刑務官、受刑者の仮釈放後の更生については保護観察官が、それぞれの専門分野を教える。法務局職員も、契約と消費者問題について担当する予定だ。

 昨年から今年にかけて改定された新学習指導要領では、小中高でそれぞれ国民の司法参加や法に対する基本的な考え方を教える方針が盛り込まれたが、全面実施は最も早い小学校で2011年からで、同省ではそれに先立つ形で出前授業を企画した。

 プロジェクトチームでは、夏までに教材を作成して全国の出先機関に配布し、夏休み明けから、希望する学校に職員を派遣する。要請があれば自治体の生涯学習教室などにも出向く方針。文部科学省も「現場を知る人が指導を助けてくれれば心強い」と歓迎している。

 法務省によると、米国では1970年代ごろから、小学校で法教育が行われており、韓国でも近年、日本の法務省にあたる法務部が、教育現場に検事を派遣する取り組みが始まっているという。

新教育の森:投資やリスクも知っておこうよ 学校で進む金融教育…自己責任の時代に


 金融機関が破綻しても預金が全額保護されないペイオフが05年度に全面実施され、「自己責任」の観点から、学校での金融教育の実践が進む。金銭の話題は教室で避けられがちだったが、金融不況や相次ぐ多重債務問題で重要性は高まっている。

 ◆証券社員らと授業

 3月10日、東京都大田区立御園中学校の体育館に3年生約60人が集まり、政府や金融業界などで構成する金融広報中央委員会が協力する公開授業「人生の設計図」が始まった。フロアに特設された金融、保険、年金の相談コーナー3カ所で大手証券会社、生命保険会社などの社員が相談員として生徒を待ち構える。

 「子供が私立学校に入学します。入学費として50万円支払います」。男女の生徒5〜6人でつくる班のリーダーが、フロア中央の箱から引き出した「条件カード」の内容を読み上げ、結婚してからのライフプランの議論が班内で始まった。「どうしよう」「奥さんがパートをしたら」と話し合い、カード記載の支出条件に対応できるプランを練り上げていく。

 授業を担当する社会科の石川達教諭(60)の指示が飛ぶ。「各班とも15分でプランをまとめ、必ず相談コーナーでアドバイスを受けて」

 条件カードが「子供が私立校へ」のカードだった班の生徒は計算機片手に金融コーナーへ、「交通事故で相手に300万円を弁済することに」だった班は保険コーナーを頼った。

 金融コーナーでは、生徒たちが「50万円は大金でいきなり払えない。月に1万円ずつ積み立てる」とプランを示していた。証券会社社員が「子供の学費のため、常に入学年齢から逆算してお金をためないといけないんだ」と基本を解説していく。「銀行なら金利1%。株式なら、例えば5%にスピードアップすることもできるが、値下がりで損をすることもあるよ」。生徒たちは戸惑いながらも、「やっぱり貯金?」「値上がりの時期は分からないの」と質問を浴びせた。

 各コーナーでの相談を経て、条件カードに対応するプランを石川教諭が各班に発表させた。「早めに家を買い、いらなくなった家賃をローンに充てる」「食費を切り詰める」「弁償費用に困らないよう保険に入る」。必ずしも整合性のないプランに「ありえなーい」と生徒同士で笑い声が飛んだが、生活に密着した金融の仕組みを実感できる疑似体験に満足していた。

 ◆間口の広さに苦慮

 授業の後、小瀬結衣さん(15)は「株式投資にリスクがあるのも理解できた。今日の授業は分かりやすい金額や条件だったけど、現実の条件はもっと複雑だから、実際の判断は難しそう」と話した。

 石川教諭は「思春期の生徒たちにあえて『結婚』をスタートに考えてもらった。出だしで興味をひかないと付いてこない。授業では金融の仕組みも相当、簡略化せざるを得ないし、『自己責任』とは何かを教えたら、ものすごい時間が必要」と、間口の広い金融教育の授業展開の難しさを振り返った。

 御園中の大塚洋校長は「これまでの教育現場では金銭がらみの話は拒否反応があった。だが、金融不況の影響が深刻化し、借金を促す広告がはんらんして自己破産する若者も増えている。正しい社会人を育てる教育として、社会生活の血液といえるお金のあり方を教えるのは非常に大切になっている」と話す。

 ◇消費者教育に力入れる東京都−−多重債務、円天詐欺…問題化で高まるニーズ
 80年代から自由化が始まった金融先進国・米国では、95年に官民が連携した教育推進のNPOが結成され、収入支出の基本から、リスクとリターンや金融市場の規制、年金に至るまで、小中学生が理解すべき広範なカリキュラムを開発している。03年には金融教育法が成立し、米連邦準備制度理事会(FRB)などの政府機関で構成する金融教育委員会が設立された。07年から深刻化したサブプライムローン問題の後は、「悪質業者がローン利用者の知識不足につけ込み融資を乱用した」との反省から、さらに金融教育のニーズは高まっている。

 日本でも多重債務問題や、独自の電子マネーを使った円天の巨額詐欺事件などが相次いでいる。このため、株式や投資の側面を強調するより、借金や契約トラブルに陥らない消費者教育のアプローチによって金融教育を拡充しようという動きもある。

 東京都は今年度から、小中学校向けとしては初めてとなる消費者教育の副読本を部分的に導入する。

 お小遣いを持ち始める小学校3年生と、受験勉強の前の中学2年生が対象。小3にはお金の価値や契約の概念についてロールプレーイング形式で学べる内容とし、中2には契約トラブルやクレジットカードの利便性、問題点、悪質商法について事例を用いて解説する。今年度後半から都内の4市区の中学校をモデルに実験授業を行い、11年度の本格導入を目指している。

 ◆まだまだ過渡期

 横浜国立大の西村隆男教授(金融教育)は「従来の教育界では額に汗してこそのお金という価値観を教え、『金に稼がせる』という金融は受け入れにくかった。指導要領で金融教育に関する記述は拡充されているが、明確には位置づけられておらず現状は過渡期にある」と説明。「消費被害に巻き込まれないようにというネガティブな考え方が強いが、金融を資金管理のツールとして使うという意識に転換すべきで、教員の研修や教材開発も必要」と指摘している。

 ◇全国の小中高で取り組み 疑似体験や出前授業も−−より踏み込んだ学習指導要領
 金融教育は、金融自由化の流れを受けて金融庁が02年、「自らの判断と責任で金融商品やサービスを理解し選択することが求められる」と、文部科学省に推進を要請。05年4月から、ペイオフ(預金の払戻保証額を元本1000万円とその利息とする措置)が本格化して金融商品も多様化したため、「貯蓄から投資へ」「自己責任」がさかんに指摘されるようになった。

 この年を金融広報中央委が「金融教育元年」と位置づけ公開授業も始まったほか、07年、より効果的な教育プログラムとして小中高生用の「金融教育プログラム」をまとめ、全国の学校や教育委員会に配布した。現在、ほとんどの小中高校で、同プログラムなどを参考にし、教科にまたがったり、御園中のように社会体験教育に織り込んで実践している。地域の金融機関が社員を講師として派遣して出前授業を行う例もある。

 学習指導要領でも金融教育に関する記述が増え続けている。昨年3月改定の指導要領では小学校5年の社会で「価格や費用の取り扱い」、中学校の社会で「市場における価格の決まり方や資源の配分の理解」が盛り込まれた。今年3月改定の高校の新学習指導要領では、公民で「金融制度や資金の流れの変化にも触れること」、家庭科で「生涯を見通した生活における経済の管理や計画について考えることができるようにする」と従来より踏み込んだ記述となった。

 だが、「財テクを教えるようなことになってはいけない」との懸念は根強い。授業方法はさまざまで、学校による温度差がある。時間的制約もあり、株式市場まで含めた本格的な金融教育が展開されている例は少ない。

「ネットの危険、漫画で知って」渋谷区に500冊寄贈 ロータリークラブ


 架空請求や薬物犯罪などインターネットに潜む危険について小中学生に知ってもらおうと、東京恵比寿ロータリークラブが教育漫画本「たいせつなたからもの〜ネットに潜むわなを乗り越えて」(経産省後援)を製作し、10日、東京都渋谷区へ約500冊寄贈した。

 同クラブが社会奉仕活動の一環として製作した。本には全4話を収録。小学生の男児と女子高生のいる5人家族を舞台に、架空請求詐欺▽ネットいじめ▽悪質・有害サイト▽コンピューターウイルスなど日常生活に潜む危険を描いた。また、保護者や教師に向け、道徳教育に詳しい東風安生・早稲田実業初等部教頭による解説や用語説明も掲載されている。

 区役所で行われた贈呈式には、同クラブの木村眞会長や、役員を務める女優の司葉子さん、文科省の妹尾剛・青少年有害環境対策専門官らが参加。木村会長が「漫画という身近なものを通じて、子供たちにインターネットを使う上でのルールや約束の大切さを伝えたい」とあいさつし、本を区教委の大高満範委員長に手渡した。本は今後、区内の全小中学校の学級文庫に置かれる予定。問い合わせは同クラブ事務局office@tokyo−ebisu−rotary.gr.jp

学力テスト、初の全自治体参加


 橋下知事「悪ければ僕の責任」 連続トップ秋田気負いなし

 全国の小学6年生と中学3年生約234万5000人を対象にした「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が21日朝、一斉に始まった。

 43年ぶりの復活から3回目となる今年は、これまで参加していなかった愛知県犬山市が加わり、すべての自治体が初めて出そろった。ただ、私立が2年連続の減少で430校(47・5%)と5割を下回ったことや、過疎地の学校の統廃合が進んだため参加校数は昨年から200校余り減り、3万2294校。

 国は、2学期が始まる9月までに結果を公表する方針。過去2回のテストで学力の地域格差はより鮮明になっている。

 「あらゆることをやった。これで悪ければ僕の責任」と語るのは、大阪府の橋下徹知事。就任3か月後に行われた昨年のテストは散々な結果に終わり、全国最下位クラス。怒りを爆発させた橋下知事は、教育委員を入れ替え、学力向上のてこ入れを図った。今回のテストは、自身の改革の成果が問われると考えている。

 2年連続で全国トップクラスだった秋田県は、昨年、小6の3人に1人が分数が解けなかったことに着目し、対策に乗り出した。県の担当者は、「今までの積み重ねの結果が出るだけ」と気負いがない。

 全国の自治体で唯一不参加だった愛知県犬山市でも、小中計14校でテストが行われた。「学校の序列化や過度の競争を招く」として不参加だったが、市長の交代などで初参加。犬山北小の大矢恵一校長は、「学校で独自に採点し、指導に生かしたい」と話していた。

全国学力テストを実施 詩が登場、読書と学力との相関探る


 小学6年と中学3年の全員を対象とした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が21日、行われた。国語と算数・数学の2教科のテストと学習・生活習慣を調べ、今年は質問紙で読書と学力との相関をみる項目を拡充。活用力を問うB問題では、中学国語で初めて詩が出題された。

 平成19年度に43年ぶりに復活後、初めてすべての国公立小中学校が参加。私立校参加は47・5%で半数を切ったが、調査対象は計約234万5000人で、過去3年で最も多くなった。

 インフルエンザによる学年閉鎖などで23校がテストを一部または全部実施できなかったが、全体的に大きなトラブルはなかった。

 文部科学省は8月末までに結果を各教育委員会と学校に返却、都道府県別正答率などを公表する。塩谷立文科相は会見で「結果に基づき教育改善を図るよう努力してほしい」と述べた。

全国学力テスト:公立校初の全校参加 3回目始まる


 今年で3回目となる全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が21日、国公私立の小中学校計約3万2300校で始まった。全国の自治体で過去2回、唯一不参加だった愛知県犬山市(14校)が参加に転じ、対象者(小学6年、中学3年)のいる国公立校は初めて全参加となった。参加校の対象者は、前年度より約2万2000人多い約234万5000人で過去最多。

 一方、私立校の参加率は47・5%(16日現在)と初めて5割を切った。離脱校の増加に歯止めがかかっていない。

3回目の全国学力調査実施 児童・生徒234万人が参加


 文部科学省による3回目の全国学力調査が21日朝、各地の小中学校で始まった。参加校は小学校が約2万1700校、中学校が約l万600校で、受ける児童生徒は約234万5千人。今回は過去2回不参加だった愛知県犬山市が参加に転じたため、初めて国公立の全小中学校で実施されることになった。

 犬山市立犬山北小学校では、6年生98人が午前8時50分に問題を解き始めた。

 学力調査の答案は原則として文科省が回収し、各種の平均正答率などを2学期までに通知する。ただし、学校現場には「これでは遅すぎて子どもたちの記憶が薄れ、指導効果がない」という声が根強い。初参加の犬山市教委は文科省だけに任せず、現場の教員がすぐに採点して指導に生かす方針だ。

 文科省は学力調査について「地域間の点数競争になってはならない」と強調してきたが、成績がふるわない地域は心穏やかではない。2年続けて全国平均を大きく下回った大阪府の橋下徹知事は20日、「大阪は全力を挙げて学力向上に取り組んできた。結果については僕が責任をとらないといけないんで、子どもたちには頑張ってもらいたいですね」と報道関係者に語った。橋下知事は昨年9月、教育非常事態を宣言。これを受けた府教委は計算や漢字の書き取り問題などの反復学習を奨励し、公立校(指定市除く)では小学校で9割、中学校で7割が取り組む。

教員免許更新、248人が不合格


 予備講習の4万5000人中

 教員の質を保つことを目的に10年に1度の講習・試験を課す教員免許更新制で、今年4月のスタートを前に昨年度、130の大学などで試験的に予備講習が行われ、延べ4万5000人の教員が受講し、このうち同248人(0・55%)が不合格とされたことが20日、文部科学省のまとめで分かった。

 同省によると、2010年度末までに教員免許の有効期限を迎える現職教員のうち、希望者約1万2000人が複数回受講した。合格者は手続きをすれば免許が更新される。現職教員は年約10万人が期限を迎え、講習の対象になる。

 不認定248人の内訳は、受講時間が不足していたり、受講後の履修認定試験を受けなかったりした人が212人、同試験を受けたものの合格できなかった人が36人だった。

2009年4月21日 (火)

122校で採点ミス「意識が甘い」と教育長 兵庫県立高校入試


 兵庫県教委は20日、今春の県立高校入試で受験者2万4880人のうち1447人の答案で計1522件の採点ミスがあったと発表した。

 学力検査を行った142校3分校のうち、約84%に当たる122校で何らかのミスがあり、正しい得点よりも30点減点されていたケースもあった。県教委では合否判定には影響がなかったとしている。

 受験生1人が答案の開示請求を行いミスが発覚したことを受け、県教委は全受験生の答案について再点検を進めていた。

 ミスの内訳は記述問題で部分点を積算し忘れるなどの集計ミスが645件、漢字を間違っているのに気付かないなど不正解を正解としたのが559件、正解を不正解としたのが318件だった。

 県教委は今後、外部委員会を設置して再発防止へ向けて取り組むとともに、答案が保存されている過去5年分についても再調査する方針。合否に関わるミスが見つかった場合は「合格を取り消すなど、受験者に不利益になるような判断はしない」としている。

 大規模なミスの発覚について、この日会見した大西孝県教育長は「教員の意識が甘いといわざると得ない」と謝罪。解答用紙の様式や、長時間にわたる採点作業などをミスの背景としてあげた。

 兵庫県の一般入試では、合否判定の半分は内申点で評価されており、関西の大手学習塾の講師は「内申点の占める割合が高いことも気が緩む原因なのでは」と指摘。「発覚していなかっただけで、過去にもミスがあるはず。非常に不信感を抱いている」と話した。

     ◇

 「非常に大きい数字で驚いている」

 県立高校入試の採点ミスについて20日、会見した大西孝教育長は、率直な感想をこう述べた。中には受験生の5人に1人の割合で採点ミスがあった学校もあったが、原因究明のための聞き取り調査はこれから。大西教育長は自らの責任について問われると、「しかるべく責任を取るような形でやっていきたい」と唇を結んだ。

 会見で、大西教育長は「合否に影響がなくてまだ良かったが、ミスはたとえ1件でも大きいし、あってはならない」と強調。原因を問われると「単純ミスの積み重ね。しっかりやれば間違いは出ないはずだが、出てしまった。採点の実態を分析し、次の試験には万全を期したい」とした。

 採点ミスは、教科別では社会402件▽国語367件▽理科356件▽英語270件▽数学127件−の順に多かった。

 内容では、集計ミスが645件と全体の42・4%を占め、採点時に部分点として答案に書き込まれた数字が積算されていなかったケースが目立った。また、「国際連合」を正解とした社会の設問では、「国連」でも正解にするよう基準を定めていたが、従っていなかった学校があるなど採点の扱いに各校でばらつきがあった。

 今後設置する予定の再発防止委員会には、外部の有識者をはじめ保護者、校長、教諭らを集め「実態を精査し、対策を検討する」という。再点検する方針の過去5年分の入試について、県教委は「受験生にとって不利益があれば、できる限りの救済を行う」とし、夏休み前までに点検を終えたい考え。

文科省:研究者を雑用から解放 支援者、50大学に2500人配置へ


 ◇実験機器管理、事務処理を支援

 文部科学省は、大学の研究者が研究や教育に専念できるよう実験や事務作業などを支援する人材を確保しようと、今年度補正予算案に300億円を盛り込む方針を決めた。日本の研究者1人あたりの研究支援者数は欧州の3分の1程度で、研究者自ら実験設備の管理をしたり、研究費の申請書作りに追われている。今年度から少なくとも2年間、約2500人を全国に配置し、支援体制を強化する。

 計画では、有力な研究プロジェクトに取り組む国公私立大の中から約50大学を選び、1大学あたり約50人の研究支援者を配置する。研究から離れている博士号や修士号取得者、知的財産権に詳しい人、語学が堪能な人などの活用を目指す。

 研究支援者の役割は、実験機器の保守・管理▽研究費の申請や管理▽知的財産権の事務処理▽ホームページ作成などの広報活動▽シンポジウムの企画・運営−−など。現在は研究者が自分で処理しているため、「書類作りのため研究が進まない」「教育にかける時間がない」などの弊害が出ていた。

 総務省の調査では、日本の研究者1人あたりの研究支援者数は平均0・27人。特に大学では0・18人にとどまる。これに対し、イギリスが0・82人、ドイツが0・74人、フランスは0・72人と充実している。米国には、研究資金管理や法令順守に携わる研究支援者の資格制度があり約15万人が資格を持つ。文部科学省は「研究費や設備の充実は進んできたが、人材の支援策がなかった」としている。

122校・1447人分の答案に採点ミス 兵庫県立高


 兵庫県教育委員会は20日、今春の県立高校の入学試験で、122校で計1522件の採点ミスが見つかったと発表した。ミスは、入試を実施した高校の8割超、全受験者の5.8%にあたる1447人の答案で見つかった。一つの高校でのミスをきっかけに調査し、大量のミスが判明した。いずれも合否に影響はなかったとしている。採点した教諭らの処分を検討する。

 県教委は、保存している04年度入試以降の答案もさかのぼって点検するよう、県立高に指示した。兵庫県では、神戸、尼崎、西宮、伊丹の各市立高でも採点ミスが判明しており、県立高と合算するとミスは136校1625件(1546人)に上る。

 県教委によると、県立高で判明したミスは、得点の集計が645件▽不正解を正解と誤ったのが559件▽正解を不正解としたのが318件。

 県教委は、合格者のうち726人が実際より高く、不合格者のうち63人が低く採点されていたが、正しく採点されていても合否判定に影響はなかった、と説明している。最も誤差があったのは合格者の30点で、少なく採点されていた。不合格者の中では10点少なく採点された受験生もいたという。

 ミスは、記述式の問題で目だち、「国際連合」を「国連」と略しても正解とする県教委の採点基準を見落とし、不正解にした▽「マニフェスト」を「マニュフェスト」と間違って書いても正解にした▽文章解答に部分点が与えられているのに足し忘れた――など単純なものだった。

 兵庫県では91年3月、県立農業高の教諭らが入試当日の夜、校長室の金庫に保管されていた未採点の答案を取り出し、受験生10人分について間違った解答を正解と改ざんする事件が発生。このため、92年度入試から原則として、試験当日に採点を終えるよう要項で定めた。

 採点はまず一つの答案用紙を教諭3人でチェック、それぞれが正誤判定を実施する。この後、教諭2人がそれぞれ点数を集計していたという。正誤判定者と集計者は同じ教諭でも良く、一つの答案を3〜5人で見ることになる。それでも多くのミスが出たことに、県教委の大西孝教育長は記者会見で「要は不注意で、教職員にゆるみがあったと言われても仕方がない」と釈明した。外部の有識者、保護者、教諭らによる検討委員会を設置し、原因究明を進めるとしている。

神戸市立高校入試で72人の答案に採点ミス


 神戸市教委は20日、今春行われた市立高校入試で、市内9校のうち8校の計72人の答案で採点ミスがあったと発表した。ミスにより1〜10点の過不足があったが、いずれも合否には影響がなかったという。市教委では兵庫県立高校の入試で受験生1人の採点ミスが見つかったことを受け、同じ入試を行っていた市立高校の受験生1617人分の答案を再点検していた。

 市教委によると、ミスは72人の答案で計73件みつかった。内容は合計点などの計算ミスが46件、正解と不正解を取り違えたのが16件、配点を間違えたミスが11件あった。72人については正しい得点を基に、再度合否判定を行ったが、合否には影響がなかったという。

 兵庫県ではすべての県立高校と、神戸市を含む6市の市立高校で採点状況の再確認を進めており、これまでに少なくとも8校で、採点ミスが発見されたことが明らかになっていた。

国語力向上キット:学習ソフトと授業アイデア集、小中学校で来月導入−−東京・豊島区


 ◇国語力の向上目指す

 小中学生の読解力・表現力の低下が指摘される中、東京都豊島区教委は、自分なりの視点を持った批評的読み方や国語以外の授業で文章力を鍛えるアイデア集、学習ソフトをセットにした「国語力向上キット」を区内小中学校に来月から導入する。教員や児童・生徒が対象の本格的な国語力の教材集は全国的にも例がないという。

 キットは教員用の「授業アイデア集」や「読書推進手引き」のほか、教員同士で指導アイデアを共有したり、子供が推薦図書の理解を深めるソフトで構成されている。

 アイデア集や手引きでは、親友との約束を守る「走れメロス」(太宰治)などの著名作を題材に「主人公はあなたなりにだれだと思うか? その理由は」と生徒に求め、通常とは別視点の読み方で物語を批評する力を身に着けさせる具体的事例を紹介。国語以外でも、「連立方程式の文章問題や解説書の作成」(中2数学)など論理構成のある表現力を養う授業30例が解説されている。

 児童・生徒用の学習ソフトは各校の教室パソコンにインストールされ、課題図書ごとに、登場人物の心境や時代背景の確認クイズで物語構成を再考させる仕組み。

 5月から教員への説明を始め、アイデア集を参考にしながら、指導計画を練ってもらう。

 従来、教員や学校間で授業の進め方の情報交換の機会は少なかったが、キットの共有ソフトでは、各教員が計画やアイデアを入力すれば、庁内LANでつながる区立小中学校のパソコンで閲覧できる。区教委教育指導課は「アイデア集を参考にしたり、指導計画の共有で授業を充実させてほしい」と話している。

慶応・安西塾長が塾長予備選で落選


 慶応義塾の塾長で、政府の教育再生懇談会座長などを務める安西祐一郎氏(62)が、19日あった塾長選挙の「予備選挙」で落選したことが分かった。得票数が少なく、最終選挙の候補者となる3人に選ばれなかった。

 学内関係者によると、19日に開かれたのは候補者の推薦委員会。10学部などから推薦された候補者16人に、部門の代表者約450人が投票した。1回目の投票で5人を選び、2回目(1人3票まで)を行ったが、3位までの候補者がいずれも200票を超えたのに対し、安西氏は大きく下回り、4位にとどまった。

 安西氏は理工学部長などをへて01年、塾長に就任した。将来の大学間の競争激化を見据え、08年4月に共立薬科大と合併するなど、積極的な大学経営を進め、今回の選挙で3選を目指していた。

 また、教育再生懇座長のほか、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)大学分科会会長、環太平洋大学協会会長など、内外の要職を務めていることから、教育行政への影響もあるとみられる。

 新塾長は21日にある最終の選挙で候補者が1人に絞られ、24日の臨時評議員会で正式に決定される。

2009年4月20日 (月)

初の国公立 全参加 学力テスト、私立は半数割る


 小学6年と中学3年の計約234万5000人が参加する文部科学省の全国学力テストがあす21日に行われる。平成19年度に43年ぶりに再開してから3回目。再開後初めて、すべての国公立小中学校が参加する一方、私立校の参加は半数を割った。都道府県による市町村別の成績公表を認めない文科省と知事らの対立もあり、同テストの活用法をめぐる模索は続きそうだ。

 テストは算数・数学と国語の2教科で、それぞれ基礎的知識のA問題と活用力のB問題の2種類。学習環境や生活習慣なども調査する。文科省は8月末までに結果を返却する予定。

 過去2回で唯一不参加だった愛知県犬山市が参加に転じた。私立校の参加率は47・5%(前年度比6ポイント減)で、不参加の理由は「問題が易しく生徒間の差が出ない」「過去2回で思ったより私立の参加が少なかった」などだという。

 成績公表をめぐっては、秋田県が全市町村名を明示して公表し、大阪府は自主的に公表した市町村の成績一覧を開示、埼玉県は市町村名を隠して開示した。また、鳥取県は今年度から開示できるよう情報公開条例を改正している。

 文科省は実施要領で都道府県による公表を「序列化につながる」として認めていない。塩谷立文部科学相は17日の会見で、実施要領の順守を求める一方、「仮に公表がそれなりの結果を生めば、一つの事実として受け止めていかなければならない」とも述べ、“軟化”をうかがわせている。

 過去2回で全教科最下位だった沖縄県は、今年度から成績トップの秋田県と教員交流を始めた。「全国的な注目を浴びたことを前向きにとらえるしかない」と沖縄県教委。答案の1割を5月中に独自採点し、「課題を早めに把握し、対応に役立てたい」としている。

大学での「起業家教育」促進へ 経産省が新組織


 経済産業省は、大学での「起業家教育」を促進するための組織「大学・大学院起業家教育推進ネットワーク」を5月に設立する。

 全国の大学・大学院で開かれている起業家講座に活躍中の起業家を講師として派遣するほか、ベンチャー企業の仕事を体験するインターンシップ制度を設ける。特色ある授業は「モデル講座」に認定し、見学会も開く。今年度の予算は5300万円。サッカーJリーグ「アルビレックス新潟」を躍進させた池田弘・会長らが運営に助言する。

 設立に先駆けた大和総研の調査では、全国の大学(回答校536校)の46%で何らかの起業家教育が実施されていることが判明。だが、「実践内容に、ばらつきが目立った」(同総研)という。

 調査の報告書によると、米国の大学・大学院の起業家教育の講座数は5千以上で、この20年で約20倍に増加。日本で起業する人の比率が米国の約半分という統計もある。同省担当課は「日本の起業家教育は底上げの余地があり、これを推進することが日本経済の活性化につながる」とみている。

 起業家教育に取り組む全国の約250大学での教育内容や教員などの情報を検索できるデータベースも同時に作成し、同省のホームページで公開をする予定だ。

小学生の平均年収は4万5000円、8割が預金


 年収4万5000円。そして、将来のためにがっちり預金−。堅実な金銭感覚をもった今どきの小学生の傾向が18日、日本珠算教育連盟のアンケート調査で明らかになった。「100年に一度」といわれる厳しい不況は、大人だけでなく、子供たちにも強く影響しているようだ。

 同連盟が今年2月、首都圏の小学4〜6年生300人を対象に、金銭の管理などについて調査した。

 定期的に小遣いをもらっている小学生は56.3%と半数を超えた。小遣いの額は「1000〜1100円未満」が26.0%で最も多く、平均は913円だった。10.1%は、2000円以上と回答した。

 小遣い以外にお金をもらうのは「お年玉」や誕生日で、こうした“臨時収入”は計約3万円だった。毎月の小遣いなどを加えた小学生の“年収”は約4万5000円にのぼった。

 小遣いの使途で最も多いのは、菓子やファストフードの購入で55.7%。ただ、まとまったお金になると、約6割の小学生が「預金する」と回答。85.7%の小学生が預金をしており、うち約60%が、理由を「将来のため」と答えた。

 「十分なお金があれば、何をしたいか」との問い(複数回答)で最も多かった回答は、「旅行」(67人)だった。そして「ゲーム機」(55人)、「家」(44人)と続いた。

 同連盟では「意外にも堅実な小学生の姿がみえた。学校では金銭管理を教えることが少ないので、家庭での教育が浸透しているのだろう」と話している。

東大:新学長、入試制度改革「すぐに検討」


 東京大の第29代学長に1日付で就任した浜田純一氏(59)が17日、東京都文京区の同大学で就任の記者会見を行い、筆記試験で学力を測る入試制度について「公正さという意味では完ぺきだが、優れた人材をすべてすくい取れているのか。今に代わる仕組みがあるのか、すぐに検討を始めたい」と述べ、改革に着手する考えを示した。

 浜田学長はメディア法の専門家で、総務省の電波監理審議会会長も務めている。「メディアはこれまでのように事実を社会に伝えるだけでなく、次の時代をどうすれば良いのかといったメッセージも出していくべきだ」と報道機関に注文を付けた。

2009年4月19日 (日)

私立歯大のうち6割で定員割れ…読売新聞社調査


歯科医過剰が背景

 全国17の私立歯科大・歯学部のうち6割強の11校で、今春の入学者が定員割れを起こしていることが、読売新聞社の調査でわかった。

 中には定員の4割以上にあたる35〜43人の欠員が出た大学が3校あった。受験者総数も4973人と、前年より約2800人減少した。大幅な定員割れで質的に一定レベルの入学者を確保できないおそれもある。「歯科医療の崩壊につながりかねない」として日本私立歯科大学協会も危機感を強め、対策等の検討を始める。

 定員割れとなった11校のうち、奥羽大歯学部(定員96人に対し入学者53人)、松本歯科大(80人に対し45人)、日本歯科大新潟生命歯学部(96人に対し57人)の3校の欠員は定員の4割以上に達した。さらに、北海道医療大歯学部、岩手医科大歯学部、神奈川歯科大も、1割〜3割の定員割れだった。予定されていた入試終了後に、急きょ追加募集を行いながら、定員に届かなかった学校も5校あった。これほど大幅な定員割れは初めてという。また、2006年度までは1万人を上回り安定していた私立大の受験者総数も、今春は4973人だった。国公立大で定員を満たさなかったのは1校だけだった。

 大手予備校などによると、受験者が減少した最大の原因は、歯科医師の過剰感。歯科医師数は90年の7万4000人から、06年には9万7000人に年々増加。それに対し歯科医療費の総額は伸びておらず、過当競争が目立つ。開業が難しいため、若手の歯科勤務医の場合、年収300万円以下というケースもあり、「かつての高収入のイメージが崩れている」と予備校関係者は指摘する。

 定員割れに伴い、入学金を含め、一般に700万〜1000万円といわれる初年度の納入金も減るため、学校経営にも大きな打撃となる。各校では今後、来年の入試に向けた検討を行うが、即効性のある対策は難しいという声が多い。

 安井利一・日本私立歯科大学協会副会長の話「志願者減少は覚悟していたが、これほど多くの学校が定員割れしたのは予想外。協会として、歯科医療の必要性を国民にアピールしていくしかない」

タカラジェンヌ候補生40人が夢の一歩 音楽学校入学式


 兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校で18日、入学式があった。27.65倍の難関をくぐり抜けた新入生40人は、あこがれのグレーの制服に身を包み、夢の舞台への一歩を踏み出した。

 全員で記念撮影に臨んだあと、小林公平校長が「今日から終わりのない芸の道が待っている。不合格になり、涙をのんだ人たちの分も努力してほしい」とあいさつ。新入生総代の桜澤瞳さんは「清く正しく美しくの教えを胸に刻み、今日から限りない芸の道を精進することを誓います」と述べた。

中大理工学部、代理受験で合格取り消し


 中央大学は17日、2月15日に行われた今年度の理工学部一般入試で、替え玉受験で入学した学生の合格を取り消したと発表した。

 代理者の受験を理由とする合格取り消し処分は同大で初めて。

 中大によると、学内の調査で発覚し、16日の理工学部教授会で取り消しを決めた。同大広報室は「合格者も代理受験者も未成年なので、詳細は答えられない」としている。

 永井和之学長は「公平公正な入学試験の実施に努めてきただけに、今回のような不正行為が行われたことは非常に遺憾」とのコメントを出した。

2009年4月18日 (土)

「よのなか科」で携帯電話使った授業 大阪府立高、橋下知事も理解


 大阪府教育委員会は外部講師や地域の大人を招いて社会の仕組みを学ばせる授業「よのなか科」の一環として、府立高校で携帯電話を使った授業を行う計画をまとめ、17日、教育委員らに伝えた。

 橋下徹知事は府立高校生の校内での携帯電話使用を禁止する方針を打ち出しているが、今回の計画については「すべてを禁止するのは教条主義。携帯電話がこれだけ蔓延(まんえん)している以上、授業の中で限定的に学ばせることは絶対に必要」と理解を示している。

 携帯電話を使った授業は、よのなか科の考案者でもある府特別顧問の藤原和博氏が発案し、府立柴島高校(大阪市)で5月に実施する計画。ハンバーガー店の経営に関するシミュレーションの授業の中で、出店を希望する場所を上司にメールで伝える練習などをするという。

「よのなか科」で携帯電話使った授業 大阪府立高、橋下知事も理解


 大阪府教育委員会は外部講師や地域の大人を招いて社会の仕組みを学ばせる授業「よのなか科」の一環として、府立高校で携帯電話を使った授業を行う計画をまとめ、17日、教育委員らに伝えた。

 橋下徹知事は府立高校生の校内での携帯電話使用を禁止する方針を打ち出しているが、今回の計画については「すべてを禁止するのは教条主義。携帯電話がこれだけ蔓延(まんえん)している以上、授業の中で限定的に学ばせることは絶対に必要」と理解を示している。

 携帯電話を使った授業は、よのなか科の考案者でもある府特別顧問の藤原和博氏が発案し、府立柴島高校(大阪市)で5月に実施する計画。ハンバーガー店の経営に関するシミュレーションの授業の中で、出店を希望する場所を上司にメールで伝える練習などをするという。

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車いすの12歳、地元中学に通いたい 町教委は事故懸念


 漢字も書ける。水泳もできる。なのに、なぜ――。今春、地元の公立中学への進学を望んだ奈良県下市町の車いすの女児(12)が町教育委員会に入学を拒まれ、学校に通えない日々が続いている。1日にこの中学で上り下りする階段は800段として、町教委は特別支援学校を勧める。女児を地元小学校に通わせた母親(45)は「同じように学びたいという思いが彼女を成長させた」と訴える。

■「みんなと同じように」

 8日にあった中学校の入学式に、女児は出席できなかった。「とても寂しいけれど、いろんな人が応援してくれるのでうれしい」

 脳性まひで生まれた時から手足が不自由。階段の上り下りやトイレでは介助が必要だが、食事や身の回りのことはたいていできる。車いすで1人で移動でき、地元の小学校に通って、他の児童と一緒に授業を受けてきた。

 1年生のときは震える字で「1」と書くのがやっとだった。練習を繰り返し、いまは得意な漢字も早く書けるようになり、「カリカリという鉛筆の音を聞くのがうれしい」。夏休みや冬休み、次の学期に習う漢字をすべて覚える。毎日約2時間のリハビリを欠かさないがんばり屋さんだ。

 お気に入りの小説は「赤毛のアン」。丸ごと暗記し、どのページからでも最初の1行を聞けば、スラスラと暗唱できる。体育でも、6年生になると仰向けで25メートル泳げるようになった。

 女児は自宅から車で約30分の奈良県立明日香養護学校(同県明日香村)に籍を置くことになった。だが、登校しておらず、同校の講師が13日から女児宅で教える予定だ。

 母親は「みんなと同じようになりたいという思いが娘を成長させた」。女児は「小学校時代の友だちと一緒に勉強したい」。そう語り、中学進学をあきらめきれずにいる。県教委に調整役になってもらい、解決の道筋を探っている。

■1日に上り下り800段

 「800段。この中学校で生徒が1日に上り下りする階段の想定段数です」。下市町教委の堀光博教育長は入学を拒んだ理由をこう説明する。

 女児が入学を望む町内唯一の中学校は71年建設の4階建て。高台の傾斜地に立つ。正門から校舎玄関への階段が27段あるほか、校舎から体育館への階段も35段ある。「理科室」「パソコン室」などの特別教室も多く、移動は小学校より多いという。階段にスロープはほとんどなく、校舎にエレベーターもない。

 女児は小学校時代、町側が雇用した女性介助員2人と担任教諭に階段の上り下りを手伝ってもらっていた。しかし、堀教育長は「思春期になれば体が大きくなる。介助中に足を滑らせて階段から落ちれば、命の危険につながる」と話す。町教委は事故時の過失責任が問われることを懸念する。さらに年間約40億円の町予算では、介助員の増員、バリアフリー化の改修工事は難しいという。

 町教委が「一番危険」と説明するのは、校舎から体育館までの階段。実は迂回路(うかいろ)があり、約3分遅れで着くが、町教委は「次の授業に間に合わず、保護者が望む同じ教育が実現できない」と説明する。

■受け入れ態勢あれば進学可能

 文部科学省によると、障害のある義務教育段階の児童・生徒は全国で約23万人。その進路は、どのように判断されているのか。

 地元の公立小中学校か、特別支援学校(旧盲・ろう・養護学校)のどちらに進むのが適切かは、各市町村教委に置かれた就学指導委員会が、保護者の意見も聞きながら審議する。原則、国が定める障害の程度にあてはまれば特別支援学校に通う。

 しかし、小中学校側の受け入れ態勢が整っていると判断できる場合には、小中学校への進学を認めている。文科省によると08年度、全国で特別支援学校を勧められた7165人のうち、約5%にあたる374人が小学校への入学がかなった。

 判断を巡って訴訟にまで発展する例がある一方で、埼玉県東松山市のように就学指導委員会を廃止する自治体もある。「子どもにとって最善の選択をできるのは保護者」と考える市長が提案した。

 国は、公立学校のバリアフリー化の進み具合について調査していない。文科省はその改修費を3分の1補助する制度を設けているが、過去3年間の申請は161件にとどまっている。施設助成課の担当者は「限られた財政の中、各自治体は耐震化工事を優先させているとみられる」と話す。

 〈大阪市立大・堀智晴教授(障害児教育)の話〉 障害のある子も、地域の学校で仲間たちと触れ合い、もまれながら学ぶことが大切だ。中学校側は、教職員や他の生徒たちの負担が増えることに不安を抱いているのだろう。障害のある子が利用する教室や施設を1階に集めたり、地域ボランティアに小さな段差をなくす大工仕事や介助を手伝ってもらったりして、受け入れる学校が各地で増えている。工夫次第だ。

 〈障害児教育を考える」などの著書がある桜美林大・茂木俊彦教授(障害児心理学)の話〉 障害の程度などによっては、特別支援学校で専門的な教育をする方が、その子の自立につながることもあり得る。しかし、奈良のケースは、勉強も水泳もがんばっており、行政が受け入れ態勢づくりに努めるのが筋だ。財政的に町だけでバリアフリー化が難しいなら、県に支援してもらうなどの方策を考えるべきだろう。

検事や看守、学校で出前授業 法務省、法教育を支援


 「検事や看守を出前します」。法務省は今年度から、新学習指導要領に採り入れられる法教育を支援するため、学校や地域に現場の職員を派遣し、「出前授業」に乗り出すことになった。夏までに教材を準備し、夏休み明けから本格的に実施する。

 法教育は、市民に法律や司法制度の知識、法的な考え方を身につけてもらうのが狙い。「司法教育の充実」が提唱された司法制度改革の流れを受けて取り組みは広がりつつあるが、まだ手探りの状態だ。各地の地検が依頼を受けて個別に講演をした例もあるが、対応できずに断っていたこともあったという。

 しかし、5月から裁判員制度が始まり、司法に対する国民の関心も高まってきたことから、全省あげて取り組むことにした。今月、各局の職員を集めて発足した「法教育プロジェクトチーム」が授業で使う教材作りや、どんな講義が出来るかを検討する。

 裁判員制度については検事、受刑者の処遇については刑務所の看守と、第一線で仕事をする職員が出向く。現場感覚を持って生きた知識を話せるのが売りで、保護観察所や少年院、法務局、入国管理局などすべての施設職員を対象にする。施設見学も受け付ける方針だ。

 同省司法法制部は「ルールの大切さを学ぶことで主権者意識を高め、消費者被害を防ぐことも期待できる。学校現場にも戸惑いがあると思うので、現場の知識や経験を役立ててほしい」と話している。

2009年4月17日 (金)

担当者らの思惑も絡む中、全国学力テスト21日実施へ


 文部科学省の全国学力テストが21日、小中学校計約3万2300校で行われ、小学6年と中学3年の計約230万人が参加する。今回はこれまで全国の自治体で唯一不参加だった愛知県犬山市も参加に転じ、平成19年度の再開以来、初めて全公立校がそろう。一方、過去2回の成績低迷を糧とし、さまざまな対策を取ってきた自治体のトップや担当者にとっては、まさに真価を問われる場となり、さまざまな思惑を抱える中で、児童・生徒が答案に臨む。

 ■独自流で参戦

 参加賛成派と反対派の対立が続いた末に、3回目で初参加となる犬山市。18年12月、参加推進派の田中志典市長が初当選後、全員不参加でスクラムを組んでいた教育委員を入れ替えるなどして態勢を整え、今年3月に教育委員会臨時会で参加が議決された。

 瀬見井久教育長ら反対派は「過度の競争を招く」と難色を示し続けたが、保護者からは「ある程度の競争は必要」との声が多く、市長の方針を援護射撃。小中学校PTA連合会幹部は「理想論だけでは高校、大学受験はできない」と語る。

 「序列化や数字の一人歩きは避けたい。今後にいかに生かしていけるかが大事で、あくまで犬山流で参加するつもり」と市教委幹部。同市では、約4カ月後に公表予定の結果を待たずに、複写した答案を教員が独自で採点し、早急に結果を集計する方針で、「参加するからには」という積極姿勢をみせている。

 ■「橋下効果」は

 一方、19年度が小中学校ともに45位、20年度が小学校41位、中学校45位と低迷した大阪府にとっては、「日本一の教育」を掲げる橋下徹知事が正念場を迎える。橋下知事は、昨年2月の就任後、市町村別成績の部分開示など学力テストをめぐっても物議を醸してきただけに、成績向上が見られなければ求心力低下にもつながりかねない。

 府教委では昨年来、次々と対策を講じてきた。授業改善のため指導主事が現場の教員を直接指導したほか、放課後学習の定着のため府内の小中学校で無料学習を開始。教育委員には、百マス計算など反復学習の「陰山メソッド」を確立した陰山英男・立命館小副校長らを迎えた。

 府は20年度のテスト後、教育力向上に向けた緊急対策を打ち立て、小中学校約50校を重点校として陰山氏の反復学習メソッドの活用を徹底。現在では府内約9割の小中学校に広がった。

 「短期間に一気に成果が出るとは思わないが、現場が変わってきているのは間違いない。『確実に上がります』とは言えないが、教育委員を任命しありとあらゆることをやった上での結果なので、悪ければ僕の責任だと思う」。橋下知事は15日の定例記者会見で覚悟をのぞかせた。府教委の角野茂樹・小中学校課長は「全国との比較で成果が見られることを期待しているが、何よりも課題が改善されているかを見極めたい」と話す。

 ■汚名返上へ

 成績向上に向け、努力してきたのは大阪府だけではない。

 2年連続で中学校がワースト2位に甘んじた高知県も昨秋以降、全中学校を対象に数学で単元ごとに習熟度をチェックするテストを繰り返し実施。高知市内を中心に、補講体制も確立してきた。単元ごとのテストは4月から、小学4〜6年にも広げた。

 20年度が小学校の38位に対し、中学校は16位だった島根県は「2年越しの取り組み」に飛躍をかける。

 同県では、調査結果で家庭学習時間が短かったことを重視し、19年5月からパソコンから学習プリントをダウンロードできるシステムを全小中学校で導入。その結果、18年度に小6で29・6%、中3は36・6%だった「学校の授業以外に1時間以上学習する」の割合が、20年度にはそれぞれ48%、45%にアップした。

 県教委義務教育課の佐藤文宣・グループリーダーは「まずは習慣を身につけないとと考え、ほかにもいろいろな手を打ってきた。すぐにはうまくいかないと思うが、それでも成績向上を期待したい」と話す。

学力テスト、犬山市全校で独自採点


 文部科学省が21日に実施する全国学力調査について、教師が独自に採点した結果を指導や授業の改善に使う方針を教育委員会が固めた愛知県犬山市で、14校すべての市立小中学校が独自採点を実施することが、16日決まった。

 同日開かれた校長会で、市教委事務局が独自採点の必要性などを説明して各校に参加を呼びかけ、出席した小学校10校、中学校4校の校長が応じた。

 原則として、学力調査に参加する全児童生徒の答案をコピーしておく。どの問題について採点するかや、採点する対象を一部の児童生徒にするか、全員にするかなど、細部については各校が判断する。採点の期間は定めないが、市教委事務局は「あまり遅くなると目的が達成できない。遅くても調査後2週間くらいまでには採点することが望ましいだろう」としている。採点した結果は、教師が改善の材料として使い、児童生徒には返却はしない。

【教育動向】実は減少!?「少年犯罪」 データは凶悪化や低年齢化も否定


 子どもによる犯罪が報道されるたびに、「少年犯罪の増加」「凶悪犯罪の低年齢化」などの言葉がマスコミなどで繰り返されます。しかし、それは本当なのでしょうか。統計によるデータは、まったく正反対の事実を示しているのです。

 警察庁がまとめた「少年非行等の概要」の結果によると、2008(平成20)年の1年間に刑法犯として警察に検挙・補導された少年(14〜19歳、以下同じ)の数は、前年より11.9%減の9 万966人で、5年連続して減少したばかりでなく、1957年以来51年ぶりに10万人を下回りました。少年犯罪は増加しているどころか、逆に減少しているのです。また、ここ10年程度の推移を見ても、増加傾向を示した時期はあったものの、大きく増えたということはありません。

 では、「凶悪化」はどうでしょうか。刑罰に執行猶予がつかない殺人・強盗・放火・強姦の凶悪犯罪によって検挙された少年は、前年比8.3%減の956人で、やはり5年連続して減少しています。これまでの推移を見ると、1990(平成2)年から97(同9)年までは確かに増加傾向にありましたが、その後は横ばいを続け、2004(平成16)年からは減少を続けています。ここでも、少年犯罪が凶悪化しているという事実は見当たりません。

 ほかの犯罪ではどうでしょうか。少年犯罪の特徴の一つともいえる傷害や恐喝といった「粗暴犯罪」で検挙されたのは、前年度比6.5%減の8,645人で8 年連続の減少。しかも警察の統計が残っている1949(昭和24)年以降で最低を記録しました。このほか、路上強盗やひったくりなどの街頭犯罪、万引きなど「初発型非行」と呼ばれる犯罪なども、いずれも減少しています。

 ただ、気になるのは「13歳」の動向です。刑法犯罪による少年非行は、14〜19歳のいずれの年齢層でも減っています。年齢の関係で刑法などの適用を受けない「触法少年」と呼ばれる13歳以下の子どもの補導件数も全体では減少していますが、13歳だけが前年比1.1%増と、やや増加しています。つまり、 19歳までの子どものうち、13歳のみで犯罪がやや増加しているということです。

 13歳といえば中学生ですが、中学校の関係では、校内暴力の増加も見逃せません。2008(平成20)年の1年間に校内暴力で警察に検挙・補導された子どもは、小学生が16人(前年比40.7%減)、中学生が1,320人(同6.0%増)、高校生が142人(同11.8%減)の計1,478人で、全体の総数は増加傾向にあります。中でも中学校が突出しており、中学校の校内暴力の増加が大きな課題となっています。

 このように、「13歳」を中心とする中学校段階で課題はあるものの、全体として見れば、少年非行の増加や低年齢化というのは事実ではない、と言えるでしょう。少年犯罪を論じる際には、誤った思い込みに気を付けたいものです。

2009年4月16日 (木)

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藤里、美郷町が学力テスト参加へ


 秋田県の全国学力テスト市町村別成績公表問題で、21日実施の学力テストへの参加を辞退する構えを見せていた県内の藤里、美郷両町教育委員会は、非公表を公約とした前秋田市長・佐竹敬久氏(61)が12日の県知事選で当選したことを受け、参加の意向を固めた。

 反発していた他の教育委員会も、問題は収束したと受け止めており、県内25市町村がそろって参加することが確実になった。

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関西弁講座どないでっか 外国人留学生対象に初開催


 来日後初めて触れた関西弁にとまどう外国人留学生を対象に、流通科学大(神戸市西区)は15日、「留学生のための関西弁講座」を初めて開いた。「あかん」と「ちゃう」の違いなどが説明された講座は、立ち見も出るほどの人気ぶりで、大学では「関西弁も言語の一つ。今後も継続したい」としている。

 同大学では海外での留学生募集を積極的に実施しており、今年入学した留学生233人のうち半数以上が海外受験組で、母国から直接に入学。このため母国で標準的な日本語を学んできたものの、日常語として独特の抑揚や表現を持つ関西弁とのギャップに苦しむ学生は多く、大学側に相談が相次いでいた。

 この日の講座には中国やベトナムなどからの約60人が参加。大阪YWCA講師の氏原庸子さんが、「『来ない』は関西弁で『こおへん』、『違う』は『ちゃう』です」などと、留学生が理解しづらい言葉や文法について、関西弁を織り交ぜながら指導した。

 「分からへん」という言葉の意味がなかなか理解できなかったという中国人留学生、時金龍さん(21)は「年配の方など関西弁が強い人とはまだ会話が難しい。こういう講座があると面白いし、心強い」と話していた。

学校行事の評価システム…学芸大、JTBが共同開発


生徒の「満足・成長」分析

 東京学芸大とJTBグループのJTB法人東京は、文化祭や修学旅行などの学校行事評価システム「SEAS(シーズ)」を開発した。前例のない取り組みで、学校行事充実のきっかけにできそうだ。

 旅行の企画などで学校と縁があるJTB側が開発を持ちかけ、まず2007年度に同大付属校で試行した。昨年度は首都圏の私立中学高校75校(約5万人)で、文化祭、体育祭、修学旅行の、満足度、取り組み姿勢、学校への帰属意識、生徒の自己評価による成長度などを質問、国立教育政策研究所が示す「関心・意欲・態度」などの評価基準に沿って分析した。結果は、学年や学級単位でも、学校にグラフなどを使って伝えた。

 桐朋女子中学高校(東京都調布市)では、文化祭、中3の東北研修旅行、高2の関西旅行を調査。伝統のある文化祭では、全体的に満足度の高さを証明したが、学年別では、5段階評価で中1が4・5、高3の4・7に対し、中3〜高2が3・9と開きが出た。

 「最上級生は6年間の積み重ねで個々の生徒が本領を発揮できる。一方、中3ぐらいになると発表方法が不満になるようだ。体験的に感じていることだが、数字で表れることに意味がある」と村上豊校長(58)。早速、学校説明会でも活用している。

 順天中学高校(東京都北区)では高校2年夏の修学旅行を調査。海外も含め、5コースの中から行き先を選ぶが、山岳地帯まで足を運ぶタイ旅行の参加者の満足度が最も高かった。長塚篤夫校長(57)も「他校との比較や年ごとの比較もできるし、感覚的にやってきたことが客観的にわかる」と調査を評価する。

 JTB法人東京では今後、公立学校にも、この評価の活用をPRしていく。

 開発にかかわった東京学芸大の杉森伸吉准教授(教育心理学)は「自分の成長度まで聞くことで、体験の深さまで読み取れるようになった。公立学校でも人間関係力の向上をアピールする道具にできる」とみる。また、林尚示(まさみ)准教授(教育学)は「学校行事は、教科と同様、指導要領に位置づけられた教育活動。評価が、一定のレベルを保証し、学力全体を底上げするのに有効だ」としている。

2009年4月15日 (水)

英問英答、自由英作文増える?新指導要領影響、予備校分析


 高校の新学習指導要領の大学入試への影響について大手予備校が分析した。

 河合塾の分析で、英語では2次試験・私大入試で英問英答、自由英作文の問題が増える可能性があるとしている。

 新指導要領で重視される思考力や判断力、表現力をみる入試問題はすでに大学入試センターなどで出題されているという。限られた解答時間内に英文を速読し情報を読み取る問題も増えそうで、例として今年1月のセンター試験に出題された漫画の場面を説明した英文を選ぶ問題などを挙げている。

 その他の教科科目では、国語では明治期の文語文や近代以降の漢詩文、物理で原子分野、世界史B・地理Bで資料を用いた論述問題、公民はセンター試験で法的思考力を試す出題の可能性などを挙げた。

新しい学習指導要領


本年4月から全国の小学校・中学校において、新しい学習指導要領の一部が先行実施されます。また、幼稚園の新教育要領が全面実施されるとともに、特別支援学校の新学習指導要領等についても幼稚園、小・中学校に準じて実施されます。

文部科学省では、新学習指導要領の円滑な実施のために、趣旨や内容の周知や条件整備などの支援に省を挙げて取り組んでいきます。次代の日本を担う子どもたちのために、みなさまの御理解と御協力をお願い申し上げます。

【教え育てる】青山学院初等部長・飛田浩昭

■“未来からの留学生”を迎えて

 先週8日、青山学院初等部は128人の新入生を迎えました。私たちは新入生を“未来からの留学生”だと思っています。これから中等部、高等部、大学と進んでいくなかで、青山学院の建学の精神や考え方を身につけて、学院の中核になる人材として育っていってほしいと願っているのです。

 新入生の1学期は、「学校は楽しいところですよ」というところから始まります。「担任の先生は優しいですよ。何でもお聞きなさい」。音楽、図工、体育、英語など、専科の先生もきちんと紹介します。「担任のほかにもいろんな先生がいます。仲よくしましょうね」。

 5月の連休前には6年生のパートナーとの対面式があります。杏・桜・梅・桃と同じクラス名の、出席番号が同じ1年生と6年生がパートナーを組んで、これからの1年近くを兄弟姉妹のように過ごします。

 6年生は5月末に大型客船で日本列島を海から見る8泊9日の「洋上小学校」出発しますが、その見送りは1年生の役目。パートナーのお兄さん・お姉さんとのしばしの別れがつらくて涙ぐむ子もいるほど、仲よくなります。

 こうして初等部の新入生は6年生から「優しさ」を受け継ぎ、やがてそれを下級生に分け与えるようになります。私たちは「優しさの循環」と呼んでいますが、初等部育ちのこの優しさこそが、青山学院が目指す「キリスト教信仰に基づく建学の精神」を具現化したものといえるでしょう。

 そして7月、山梨県・清里高原で、初等部の教員ほぼ全員と起居をともにする2泊3日の「なかよしキャンプ」をへて、1年生はゆっくりと、でも確実に青山学院初等部生としての自覚を育(はぐく)んでいくのです。

文科省:医学生臨床経験「機会増」を提言−−医学教育カリキュラム検討会


 文部科学省の「医学教育カリキュラム検討会」(座長、荒川正昭・新潟大名誉教授)は13日、医師免許取得前の医学生も実際の診療に参加する機会を増やすべきだとする提言をまとめた。文科省は提言を受け医学部の基本的教育内容を定めた「モデル・コア・カリキュラム」を3年ぶりに改定し、10年度入学生からの反映を大学に求める。

 文科省は01年、医学部教育を記憶重視から患者中心に改めようとモデル・コア・カリキュラムを策定した。しかし患者の協力を得にくいことや国家試験対策が優先されるなどの事情で、臨床経験不足が指摘されている。

 提言は10年度から大幅に見直される卒業後の臨床研修と一貫性を持った学部教育が必要と指摘。臨床実習の最低単位数を大学設置基準に明記することなどを求めた。

今夏、つくばで「サイエンスキャンプ」


ノーベル賞8人 英語講義
 ノーベル賞受賞者がアジアの若者に最先端の科学を教える「2009アジアサイエンスキャンプ」が8月2〜8日、茨城県つくば市で開かれる。

 台湾、インドネシアに続き、今回が初の国内開催。提唱者の小柴昌俊さん(2002年、物理学賞)は「欧米主導だった基礎科学で、21世紀にはアジアが主体になれるよう人材を育てたい」と意気込んでいる。

 キャンプは小柴さんと李遠哲・台湾中央研究院名誉院長(1986年、化学賞)の提唱で07年にスタート。

 今回は小柴さんが理事長を務める平成基礎科学財団と高エネルギー加速器研究機構、東京大学素粒子物理国際研究センターが共催する。

 参加予定のノーベル賞受賞者は8人。小柴さん、李さんのほか、江崎玲於奈さん(73年、物理学賞)、野依良治さん(01年、化学賞)、田中耕一さん(02年、化学賞)、小林誠さん(08年、物理学賞)、中国系米国人のチェンニン・ヤンさん(57年、物理学賞)、サミュエル・ティンさん(76年、物理学賞)が参加する。

 応募できるのは高校3年生と大学生で、中国、インド、韓国、タイなど約20か国・地域から200人が集まる予定。講義や議論はすべて英語で、受賞者たちの講義を聞き、グループで議論をして理解を深める。今回は受賞者と学生の対話の仲介役として、若手研究者や大学院生も参加する。

 国内募集は約30人。科学に興味があり、議論できる英語力が条件。旅費や宿泊費は主催者負担。5月8日締め切り。詳細はホームページ(http://asc09.kek.jp/ja/)で。

2009年4月14日 (火)

入学式:「新しい世界へ、道筋を示そう」−−東大


 東京大学の入学式が13日、東京都千代田区の日本武道館であった。浜田純一学長は式辞で経済危機に触れ、「こうした時代だからこそ、100年先の日本と世界を見据えた指針が求められる。そのような新しい世界を描き、道筋を提示することができるのが学術であり大学です」と語った。入学者は前年度比9人減の3154人(男2564人、女590人)。

論文の引用回数、東大は世界11位 昨年より順位上げる


 米国に本拠を置く学術情報サービス会社トムソン・ロイターが13日、研究機関ランキングを発表した。国内1位の東京大は世界約4100機関のなかで11位。昨年(12位)より順位をあげた。

 98〜08年に発表された論文の引用回数を研究機関ごとに集計した。国内の2位以下は、京都大(世界30位)、大阪大(34位)、東北大(64位)、科学技術振興機構(80位)、名古屋大(108位)、九州大(120位)、理化学研究所(134位)、北海道大(144位)、東京工業大(165位)の順。

 分野別では、東京大が物理学で世界2位および生物学・生化学で3位、東北大が材料科学で3位で、いずれも昨年と同じだった。

内定取り消し企業に大学が“ブラックリスト”


 学生の内定取り消しが問題となる中、大学側に企業の“ブラックリスト”をつくって対抗する動きが広がっている。取り消しを行った企業の情報を大学間で交換するほか、企業名を学生に知らせるなどして注意を喚起する。

 取り消し企業についての情報を得る機会がなかった学生・大学側にとっては安易な取り消しを抑制するための自衛策だが、インターネットや口コミで情報が一人歩きする可能性もあり、懸念も示されている。

 広島経済大(広島市安佐南区)など広島県内の計12の大学・短大は今年1月、内定取り消しの状況について相互に情報交換。計18人の学生が取り消されたことが確認され、企業名の公開を始めた。なかには卒業間近の4年生の内定を取り消しておきながら、数カ月後には3年生を対象とした採用募集を行っている企業もあり、大学側は「わずかな期間で経営環境が好転したとは考えにくい」と不信感をあらわにする。

 12大学・短大は内定取り消しを行った企業の名を学生側に伝えたり、求人票を学生側に提示しないことなどで同意。さらに広経大は1月末から学生や教職員のみが閲覧できるホームページ(HP)で、学生の内定を取り消した11社の企業名の公開を始めた。

 同様の動きは全国に波及している。

 関西地方の156の大学・短大などが加盟する関西学生就職指導研究会でも、内定取り消しを行った全国の企業44社の情報を加盟校に通知。情報の活用法は各校の判断に委ねており、近畿大(大阪府東大阪市)では4月中をめどに、なんらかの形で企業の情報を学生らに通知することを検討している。また中部、北陸地方でも、中部学生就職連絡協議会連合会の加盟110大学が情報交換。企業名や、内定取り消しの際の対応などの把握に努めている。

 内定取り消しをめぐっては、今年1月の職業安定法施行規則改正に伴い、企業はハローワークに事前通知することが義務づけられた。一方で、そうした企業名の公表について厚生労働省は「1年度内に10人以上の内定を取り消す」ことなどを条件としており、これまで3月末に大阪府と福岡県の2事業所が明らかにされた程度。企業が自主的に情報を公開することはほとんどなく、学生らは内定取り消しについての情報を得る機会が事実上なかった。

 大学側の動きについて広島労働局の担当者は「学生を守るための自衛策」と理解を示す一方、企業の社会的信用を損なうなどの影響を懸念。「公開の結果、企業との関係がこじれて今後の学生の就職活動が難しくなるおそれもある。企業への社会的制裁の側面もあるので、大学側も慎重に対応してほしい」としている。

人気漫画「ドラゴン桜」のモデル、竹岡広信さんの「竹岡式 ルーツで覚える英単語」出版


 「trial」(裁判)、「triumph」(勝利)など、先頭に数字の「3」がついた単語がいくつかある。なぜ「3」が付くのか。理由は古代ローマにさかのぼる−−。駿台予備学校の英語講師で、人気漫画「ドラゴン桜」のモデルとして知られる竹岡広信さんが伝授する英単語の物語「竹岡式 ルーツで覚える英単語」(毎日新聞社、1470円)が出版された。

 竹岡広信さんは高校時代、英語が苦手で単語の暗記に四苦八苦した経験がある。英単語の本を買い、書いて覚えても1週間後にはほとんど忘れている。語源に触れた本もあったが活用できなかった。英単語の苦労は大学に入っても続いたが、英語の力がつくにつれ「良い例文」を探すようになっていたという。そんな時、教えていた生徒から「triumphには、なぜ3が付くんですか」と質問される。

 竹岡さんは、京都大学工学部在学中、父親が主宰する塾で英語を教えたが、教え子全員が志望校に不合格になる苦い経験をしたため、文学部に編入した。

 語源の本を買い集め、「勝利の凱歌(がいか)を3回上げる」説にたどり着いた竹岡さんは、「万歳三唱と同じ。歴史的には間違っているのかもしれないが、とにかくおもしろい」と語源への興味を募らせるようになった。裁判は、古代ローマの三頭政治で裁判が行われていたことから、「tribe」(部族)も古代ローマの3部族が語源と言われるという。

 竹岡さんは「どんな英単語にもドラマがある。語源による学習は覚えやすい上におもしろい。生徒の英語に対する興味を引き出すには最善の方法ではないかと伝えたい」と語る。本書は、毎日新聞の週刊英語学習紙「毎日ウィークリー」に06年6月から連載した「竹岡広信の合格への花道」を元に、一部の例文を書き換えた。

生活保護の子に参考書代・クラブ活動費支援 厚労省


 低所得世帯の子どもが十分な教育を受けられず、貧しさが子どもに引き継がれる「貧困の連鎖」を防ごうと、厚生労働省は、生活保護を受ける家庭の子どもに、参考書の購入費などの学習費用を支援することを決めた。新経済対策として補正予算案に計約63億円を盛り込んだ。

 支援するのは、小学生から高校生までの子どもがいる世帯。小学生は1人あたり月額2560円、中学生は4330円、高校生や専門学校生は5010円を、生活保護費に上乗せする。家庭内学習で使う参考書や辞書などの図書費のほか、クラブ活動費などとして使えるようになる。対象は、07年度調査で18万9680人。

 また、福祉事務所がある全国の自治体に、教師や保育士のOBらを配置。家庭訪問などをして、進学指導のほか、親への支援、引きこもりや不登校児の相談に当たる。

 06年に公表された経済協力開発機構(OECD)の報告書では、日本の子どもの貧困について、「学校教育や塾の費用が高いことを考慮すると、貧しい家庭の子どもは十分な教育を受けられず、それゆえに可能性が阻まれがちで、貧困が世代を超えて引き継がれていく危険にさらされている」と問題点が指摘されている。

浜田学長「タフに成長して」…東大入学式


 東京大の入学式が13日、東京・九段の日本武道館で開かれ、今月1日に就任した浜田純一学長が式辞の中で、「タフな東大生として成長してほしい」と新入生にメッセージを贈った。

 浜田学長は3154人の新入生を前に、「100年先の指針を示し、道筋を提示していくこと」が大学の役割だとし、東大は「これからの世界を担う知の拠点としての役割を果たしていかねばならない」と述べた。

 東大生に求めるタフさについて「知識を伝え、受け取ることができる力、互いに論じ合うことができる力」と説明。「基盤にあるのは人格そのもの。学生生活の中での出会いを通じて、才もあり徳もある人間として成長してほしい」と述べた。

 式典では、東大卒業生で昨年ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(88)からも祝辞が寄せられ、「人はボルトやナットのような規格品ではつまらない。自分は他人と違うことを自負し、互いにそれを評価しなければならない」と激励した。

2009年4月13日 (月)

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子ども事故、ここが危ない 10年分のデータで対策本


 子どもの救急事故や火災について、東京消防庁が過去10年間の事例を分析し、その特徴や対策をまとめた本が近く出版される。日常生活の中に、重大な結果につながる危険が多く潜むことを豊富なデータで示し、警鐘を鳴らす。同庁は「注意すれば未然に防げる事故も少なくない。親や、子どもに接する人たちに読んでほしい」としている。

 本の題名は「あなたの子ども 不慮の事故で 泣かせて いませんか」。98〜07年に同庁管内で救急隊が病院に搬送した事故や消防隊が活動した火災のうち0〜12歳のものを分析した結果を紹介した。

 10年間の総数は約19万6千件。このうち死亡したり入院が必要なけがを負ったりしたケースが約7%の約1万4千件あった。

 本は、(1)「ハイハイのころ」「ヨチヨチのころ」など発達段階ごとの事故の傾向や事例(2)「転倒」「誤飲」など状況別の事例や予防策、応急処置の方法(3)火災の原因や対策――などで構成。イラストやグラフを多用している。

 水におぼれる事故のうち8割はプールや海などでなく家庭で発生し、うち6割は死亡や重傷に至っている▽衣服に火が付いた時は走らず、転がる――など、あまり知られていない統計や助言が豊富だ。応急処置の項は、災害医療が専門の山本保博・東京臨海病院長が全面監修した。

 財団法人東京連合防火協会が発行。購入や問い合わせは同協会(03・3212・4010)へ。

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初の正規国際学校が開校


 インターナショナルスクールとして日本で初めて正規の幼稚園、小学校となる「幕張インターナショナルスクール(MIS)」が11日、千葉市の幕張新都心に開校した。

 学校教育法上、インターナショナルスクールは各種学校や無認可校だが、MISは学習指導要領を柔軟に運用できる構造改革特区の認定を受け、正規の学校として認められたため、進学や転校時の障害がなくなる。

 日本で働く外国人の子供や帰国子女が対象で、教員は日本を含めニュージーランドやカナダなど5カ国から集めた。日本語の授業以外はすべて英語で教え、国際社会で活躍できる人材の育成を目指す。

韓国大統領、教科書問題「慎重対処を」 日韓首脳会談


 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は11日にパタヤで開かれた日韓首脳会談で「歴史認識問題などで両国関係が困難になることがある。誤解を招くことがないよう、慎重に対処してほしい」と述べた。「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した自由社の中学歴史教科書が検定に合格したことを念頭に、日本側の善処を求めたものだ。

 韓国外交通商省はすでに、検定の根本的な修正を求める報道官声明を発表している。李大統領は修正要求には直接触れなかったが、首脳会談で取り上げることで韓国内の世論に配慮した。

バス通学なら上限1時間 小中の設置標準緩和へ


 公立小中学校の統廃合問題などを検討している中教審の作業部会は11日までに、学校を設置する場合の通学区域を距離だけではなく、「通学時間」も考慮して決定できるよう、国が示す標準の改正を求める方針を固めた。近く中間報告をまとめる。

 改正案は、交通や道路網発達で通学可能な範囲が広がったとし、バス利用なら「上限1時間」とする方向。少子化で学校の規模縮小が続く中、設置標準を緩和して学校統廃合を促進させる狙いがある。

 文科省は昭和33年、小学校は通学距離が4キロ程度、中学校は6キロ程度を超えないようにするとの標準を規定した。

 新たに加える通学時間の目安は「徒歩で30分から1時間程度、バスなどを利用する場合は1時間程度を上限とする」との案を検討している。

2009年4月12日 (日)

法科大学院「倍率2倍割ったら定員減を」 中教審提言へ


 法科大学院のあり方を議論する中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別委員会が近くまとめる最終報告に、競争倍率が2倍を割っている大学院について、定員削減を求める趣旨の文言が盛り込まれる見通しとなった。

 10日、特別委の会合が文部科学省内で開かれ、入学者の質を確保するための定員削減を議論するなかで方向がほぼ固まった。競争倍率が低く、入学時の試験の成績が悪くても学生を入学させている大学院があることをふまえた。

 文科省によると、08年度入学生の試験では、倍率が2倍未満の大学院は全体の約3分の1という。

大阪の小学校で意見・感想を文章で表現させる取り組み


算数、音楽でも「言語力」磨く


 自分の考えを表現する「言語力」向上を目指し、大阪市教委は市内の小学校2校で1、2年生を対象に実施した授業の事例集をまとめた。

 すべての教科で児童の意見や感想を文章にして表現させる取り組みを紹介。教師のガイドブックとして活用される。

 言語力に力点を置いた授業は昨年9月、同市立吉野、南両小学校で開始。ワークシートを使うことで、意見や感想を発表する機会が多い国語や道徳だけでなく、算数や生活、音楽、図画工作、体育でも自分の考えを表現できるように工夫している。

 事例集では、算数の場合、教師が「どのように考えて、7のだん(段)の九九を作りますか」と問いかけ、児童らがワークシートに自分の考えをそれぞれに書き込んだケースを紹介。ある児童は「2のだんと5のだんをたして、7のだんになった」と自分で気付いた法則を記入した。

 生活の授業では、児童らがサツマイモ料理の感想を「かたくて切りにくかったです。ホットプレートに水を入れると、ゆげが出て水がはねました」とつづった。音楽では、トライアングルの印象を記すように問われ、「シンデレラで12時になるかねの音」と想像を膨らませた児童もいたという。

 教師に向けては「児童に『まず』『つぎに』と順序を表す言葉を使うよう指導すれば、わかりやすい文章になる」などと助言。ワークシートに書き込ませるタイミングも解説している。

 言語力を巡っては、国際学習到達度調査(PISA)で日本の小中学生の文章表現力の低下傾向が明らかになったのを機に、全国で様々な取り組みが進む。国語とは別に言語力に特化した授業を設けたり、スピーチコンテストを開いたりするケースもあるが、市教委は通常の授業を工夫することで対応することにした。

 今年度は3〜6年生の事例集もまとめる計画。自らも国語の教壇に立った植村雅美・吉野小校長は「自分の考えを発表することへの抵抗が薄れ、友達と意見を交わす児童が増えた。教師側も児童の知らなかった面を発見することがあった」と語る。事例集作りに携わった大阪教育大の土山和久准教授(国語科教育学)は「すべての教科でいったん立ち止まって、じっくり考えることで言語能力が幅広く養える」と話している。

「4月の入学辞退でも授業料返還を」 大阪高裁逆転判決


 私大医学部に合格した元受験生が新年度の4月に入学を辞退したケースで、事前に納めた授業料など800万円を大学側が返さなければならないかが争われた訴訟の控訴審で、大阪高裁(一宮和夫裁判長)は9日、「3月末より後でも、大学に損害が生じないといえる特段の事情があれば例外」と判断し、700万円の返還を大学側に命じた。元受験生の訴えを棄却した昨年9月の一審・大阪地裁判決を変更する逆転判決となった。

 学納金をめぐる06年の最高裁判決は、原則として、入学前の3月末までに入学を辞退すれば、大学は授業料などを返還しなければならないとした。入学金(100万円)の返還請求は、最高裁判決と同様に「入学できる地位を得るための対価」として退けられたが、原告代理人の松丸正弁護士は「救済範囲を一歩広げた。多くの大学に影響を与えるだろう」と評価した。

 訴えていたのは、大阪府内の20代男性。05年秋、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)の医学部の推薦入試に合格したが、別の私大に進むため入学を辞退した。

 高裁判決は、男性が辞退を申し出た06年4月5日の時点では最終の合格者数が確定しておらず、大学側は同7日までは補欠合格者から入学者を補充できたとして「損害は生じていない」と判断した。

 一審判決は「補欠合格で学力水準が低い者の入学を許すことは大学の不利益」とし、男性の訴えを棄却していた。

英語講師はビリー隊長 近畿大、キャンパス汗だく


 ダイエット体操「ビリーズブートキャンプ」の隊長、ビリー・ブランクスさん(53)が10日、近畿大で「1日英語講師」を務め、学生ら約200人が参加した。

 体操しながら英語を「体感」するのが狙い。「ワンモアタイム(もう1回)」「クイック(すばやく)、クイック」――。激しく体を動かす約20分間の熱血指導に学生らは汗だくになり、やや息切れ気味。

 ビリーさんは1月に大阪の女性と再婚。今年中に大阪市内にスタジオを設け、自ら指導する予定だ。小中学生らの体力不足に悩む大阪に活を入れられるか?

生活保護世帯に参考書購入代やクラブ活動費認める方針


 生活保護世帯の子供たちを支援するため、厚生労働省は9日、家庭で学習する際に使う参考書や辞書などの購入費を生活保護費として認める方針を決めた。

 経済的に恵まれていない世帯の子供が教育の機会にも恵まれず、親から子へ「貧困の連鎖」が生じているという指摘を受け、教育費を増額する。これまで生活保護制度では、教材費など学校で使う教育費は支給されていたが、学外の費用は認められていなかった。追加景気対策として提出する2009年度補正予算案に約42億円を盛り込む方針だ。

 支給対象は、生活保護世帯で暮らす小、中、高校の約19万人。認められるのは、〈1〉家庭での学習に使うパソコンソフト、参考書や問題集、机、いすなどの購入費〈2〉文庫本などの図書購入費〈3〉クラブ活動の費用など。額は、小学生が月2560円、中学生は月4330円、高校生は月5010円。全国一律で、7月から支給を始める予定。

「教育資金に」 奈良の男性、大阪府立大基金に7500万円寄付


 大阪府の橋下徹知事が存廃を含め抜本的な改革を検討している大阪府立大学(堺市中区)が、橋下改革の対抗策として3月に創設した「大阪府立大学基金」に、奈良県在住の元会社役員の男性から約7500万円の寄付があったことが10日、分かった。寄付は元役員の個人資産の一部で、教育資金としての活用を希望しているという。府立大は「基金を通じて独自の財源を確保し、大学の存続を図りたい」としている。

 府立大をめぐっては、橋下知事が今年2月、年間約100億円の交付金を出している運営状況について「存在意義が十分理解されていない」と述べ、大阪市立大(大阪市住吉区)との統合も含めた改革を表明。基金の創設は、減額が予想される交付金を補(ほ)填(てん)する狙いもあるとみられ、存廃をめぐり両者の駆け引きが今後も続きそうだ。

 府立大によると、基金は学術奨励などを目的とした寄付金とは異なり、学生の支援など幅広い使途を目的として創設。3月から寄付を募り始めたが、「大学解体も示唆した橋下知事の意向に対抗する狙いもある」(大学関係者)という。

 基金創設初年度の目標額は1億円としているが、元役員は4月に個人資産の一部として保有する約7500万円相当の有価証券を寄付。「勤務先だった会社は府立大の卒業生が多く、工学部の学生の教育資金として役立ててほしい」と説明したという。大学側は当面、運用益を利用することにしている。

 基金に対して他にも11件の寄付申し出があり、総額は10日現在で約7900万円に上る。府立大は今後も卒業生や企業に寄付を呼びかけ、「独自の財源を確保し、大学としての取り組みをアピールしていきたい」として、寄付者の了承が得られれば、金額や氏名を大学のホームページで公開するという。

 府は平成19年度まで教職員の人件費などに充てられる運営費交付金として約120億円を出していたが、昨年度は108億円に減額。今年度は同額だったが、橋下知事は「税金を投入するのにふさわしいかどうか、毎年厳しくチェックする」とさらなる削減もちらつかせている。

 府立大は17年4月、旧府立大と大阪女子大、府立看護大の府立3大学を統合・再編してできた公立大学法人で、学生数は約7900人。

追加経済対策:公立小中学校に電子黒板を配備 文科省方針、情報通信化に4000億円


 文部科学省は9日、政府の追加経済対策として、電子黒板を全国の公立小中学校に1台ずつ配備するほか、コンピューターの台数を増やすなどの「学校ICT(情報通信技術)化」に約4000億円を充てる方針を決めた。また、新学習指導要領の実施に合わせ、約10億円をかけて小学校教員約2万3000人に英語研修も行う。追加経済対策は、教育や科学技術など同省関連だけで2兆円規模となる見込み。

 電子黒板はパソコンを使ってデジタル教材などを映し出し、画面に触れて操作できる。1台約45万円で、既に配備している学校もあるが、公立の全小中学校(約3万2000校)に広げる。また幼稚園と小中高校、特別支援学校などにあるテレビをすべてデジタル化し、教育用・校務用のコンピューターや校内LANの整備も進める。

 小5と小6で新たに始まる英語授業に向けた研修では、各小学校から1人を対象者として約10億円を充てる方針。高校生への授業料減免や、定住外国人の子どもの就学確保などを含め、「新指導要領対応と教育無格差立国の実現」の名目で約800億円を投入することも決めた。私立大学生の授業料減免と就職支援には約150億円の予算を組む方針だ。

「4月の入学辞退でも授業料返還を」 大阪高裁逆転判決


 私大医学部に合格した元受験生が新年度の4月に入学を辞退したケースで、事前に納めた授業料など800万円を大学側が返さなければならないかが争われた訴訟の控訴審で、大阪高裁(一宮和夫裁判長)は9日、「3月末より後でも、大学に損害が生じないといえる特段の事情があれば例外」と判断し、700万円の返還を大学側に命じた。元受験生の訴えを棄却した昨年9月の一審・大阪地裁判決を変更する逆転判決となった。

 学納金をめぐる06年の最高裁判決は、原則として、入学前の3月末までに入学を辞退すれば、大学は授業料などを返還しなければならないとした。入学金(100万円)の返還請求は、最高裁判決と同様に「入学できる地位を得るための対価」として退けられたが、原告代理人の松丸正弁護士は「救済範囲を一歩広げた。多くの大学に影響を与えるだろう」と評価した。

 訴えていたのは、大阪府内の20代男性。05年秋、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)の医学部の推薦入試に合格したが、別の私大に進むため入学を辞退した。

 高裁判決は、男性が辞退を申し出た06年4月5日の時点では最終の合格者数が確定しておらず、大学側は同7日までは補欠合格者から入学者を補充できたとして「損害は生じていない」と判断した。

 一審判決は「補欠合格で学力水準が低い者の入学を許すことは大学の不利益」とし、男性の訴えを棄却していた。

2009年4月11日 (土)

「つくる会」の教科書、検定に合格に韓国


 韓国外交通商省は9日、「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)のメンバーらが執筆した「中学社会 歴史」(自由社)が日本の文部科学省の教科書検定に合格したことに対する声明を出し、「過去の過ちを美化する歴史認識に基づいた教科書が検定を通過したことに強く抗議する」と表明した。

関西私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

関東私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

韓国「過去を美化」 自由社教科書の検定合格に


 韓国政府は9日、日本の教科書検定で自由社(東京)が発行元となる中学・歴史教科書が合格したことについて外交通商省報道官声明を発表、「過去の誤りを美化」しているとして強く抗議するとともに「根本的な是正」を要求した。

 この教科書は、従来の歴史教科書を「自虐的」と批判する学者でつくる「新しい歴史教科書をつくる会」が執筆しており、2001年に検定合格し中韓の強い反発を招いた同会執筆の扶桑社の教科書とほぼ同じ内容。

 報道官によると、同省は在韓日本大使館の公使を呼んで直接抗議を伝達する。韓国メディアも検定合格を強く批判している。

 声明は、「正しい歴史認識」は日韓の未来志向的関係の根幹にかかわる問題と強調。日本の青少年が「歪曲(わいきょく)された一部の教科書を通じ誤った歴史観を持つ」ことへの深い憂慮を示した。

「つくる会」分裂、ほぼ同内容で2冊目合格 教科書検定


 文部科学省は9日、来年度から新たに学校で使われる教科書についての検定結果を発表した。今回申請があり、検定に合格したのは「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した自由社の中学歴史と、東京書籍の高校生物の2冊。同日の教科用図書検定調査審議会の総会で報告された。

 「自虐史観の克服」を掲げる「つくる会」は過去、扶桑社から教科書を出してきたが、会は意見対立で分裂。中心の筆者らは今回、出版社を変えて教科書をつくったが、細かな文章表現まで扶桑社版とほぼ同じ内容になっている。扶桑社も従来通り発行を続けるため、代表執筆者も内容も変わらない2冊が存在する異例の状態となる。

 「つくる会」による扶桑社版の中学歴史教科書は過去、00年度と04年度の検定に合格。今回の自由社版は04年度の改訂版を踏襲しており、章立てや項目の表記もほぼ同じだ。日本の優れた点や公(おおやけ)、天皇に献身する精神に焦点を当てた記述の多さも変わらないが、今回はさらに、戦艦大和や、昭和天皇の発言を紹介するコーナーを追加している。

 申請本には516カ所に検定意見が付き、つくる会側は修正して再申請。さらに136カ所の意見が付いたが、修正して合格した。検定意見の多くは固有名詞の誤記などの単純ミスだが、過去の扶桑社版の検定時に意見がついたものを再度記し、同じように検定意見が付いた個所も複数あった。

 教科書検定はほぼ4年に1度実施され、通常は大量の申請がある。しかし今回は、中学の新学習指導要領の本格実施が12年度に迫っており、それに対応した教科書検定が来年度にあるため、ほとんどの出版社が申請を見送った。東京書籍の高校生物は過去に2回申請し、誤りを多く指摘され不合格になっていたもので、今回、3回目で合格した。

2009年4月10日 (金)

08年度検定に「つくる会」教科書合格


 出版社変更、300か所修正
 文部科学省は9日、2008年度の教科書検定結果を発表した。

 合格したのは2教科2冊で、うち1冊は「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)のメンバーらが執筆した「中学社会 歴史」(自由社)。同会の「新しい歴史教科書」(扶桑社)は以前の検定で、第2次大戦の歴史認識などを巡り物議を醸したが、扶桑社が発行継続を拒んだため、出版社を変えて新たに検定を受け直した。

 同省によると、同会の新教科書の初稿には、旧日本軍が大戦中、敵国捕虜や民間人に対して「不当な殺害や虐待を防ぎきれなかった」との記述があった。しかし同省は、これでは日本が多くの国々に多大な損害を与えたことが伝わらないとの検定意見を付け、「不当な殺害や虐待をおこなって多大な惨禍をのこしている」に修正された。同会は従来の歴史教科書を「自虐史観に基づく」と批判。今回も不適当な記述が300か所近く認められ、いずれも検定で修正されたという。

 今回の初稿は、04年度に検定を受けた扶桑社版の初稿とよく似ており、検定を経た結果、内容・表現のほか、ページ建てまで扶桑社版とほぼ同じになった。新教科書は教育委員会が採択すれば、来年度からの使用が可能になる。

 今回申請が2件にとどまったのは、12年度に中学の新学習指導要領が実施されることに伴い教科書も一新されることから、多くの会社が新たな申請を見合わせたため。合格した他の1冊は高校用の「生物2」(東京書籍)で、今回、不合格となった教科書はなかった。

【教育動向】いよいよ始まる「小学校英語」って?

 新学期から、どの小学校でも高学年で英語(外国語活動)が始まります。保護者の中には、期待とともに、不安を持っていらっしゃるかたも多いのではないでしょうか。実は、学校の先生たちにとっても、そうなのです。ただし、それほど深刻に考える必要はないのかもしれません。小学校英語とは何なのか、改めて整理してみましょう。

 まず注意したいのは、英語は国語・算数・体育などのような「教科」ではありません。教科ではないので、教科書や、教員免許も必要ない、ということになります。ではなぜ、そんな時間を設けたのかというと、これからの国際化時代をにらんで、中学校の前段階として「コミュニケーション能力の素地を養う」(小学校学習指導要領・目標)ことが、「英語が使える日本人」を育成するために必要だ、と文部科学省は考えたのです。

 小学校英語は指導要領上、5・6年生で週1回(年間35時間)行います。同省の調査によると、2007(平成19)年度の段階で何らかの英語活動を実施している小学校は97%、高学年での実施も93〜95%とほとんどの学校に広がっていましたから、一斉に実施することにしたのも、あながち無理ではなかったと言えます。ただし、以前は「国際理解」に関する学習の一環として、どんな内容を行うかは各学校に任されており、その実施時間数も、高学年で年間22時間以下という学校がほぼ4分の3を占めていました。そのため新しい指導要領では、目標や内容を統一するとともに、専門の勉強をしたことがない小学校の先生たちのために「英語ノート(試作版)」などの教材を配って、一定の授業ができるようにしています。

 保護者の中には、小学校全校で英語が始まることで、私立などの中学校入試でも英語が課されるのではないか、と心配されるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。でも、大丈夫です。小学校英語は「教科」ではありません。文科省通知でも、中学校入試の学力検査の範囲は小学校の「各教科の内容」と限定していますから、小学校英語がそのまま入試科目になることはありません。

 では結局、今までの「総合的な学習の時間」などを使って実施していた時と比べて、それほど変わらないのでしょうか?これまで、あいさつや自己紹介などの初歩的な外国語活動は、中学校で行われていました。こうした活動が、新指導要領の下で、すべての小学校高学年に降ろされるわけです。全小学校で実施されるはずですから、中学校に上がれば、さらに充実した英語教育が実施できるだろう、というわけです。

 ですから、小学校の段階では、まずは英語に親しむこと、積極的に英語でコミュニケーションを取ろうとする態度を身に付けることが求められます。一言で言えば「英語好きな子にする」、あるいは「英語嫌いにはしない」ということです。それが、中学校に進んでからの「教科」の勉強につながるのです。

教科書検定:「つくる会」516カ所指摘 大戦表現などに意見−−08年度


 ◇申請2冊が合格

 文部科学省は9日、08年度の教科書検定結果を公表した。「新しい歴史教科書をつくる会」(藤岡信勝会長)が主導し自由社が発行する中学社会科(歴史的分野)の教科書は516カ所の欠陥が指摘されいったん不合格となり、再申請でも136カ所に意見が付いたが、すべて修正して合格した。2年連続不合格だった東京書籍の生物2(高校)は、3回目の申請で合格した。

 ◇iPS細胞登場−−生物2

 08年度検定は主に中学で10年度から使う教科書が対象。中学は新学習指導要領全面実施が12年度に迫り、対応する教科書の検定が10年度に予定されているため、申請は中高合わせて2冊のみで他の教科書会社は見合わせた。

 自由社の教科書は、第二次世界大戦に関する「日本軍も(略)侵攻した地域で、捕虜となった敵国の兵士や非武装の民間人に対しての不当な殺害や虐待を防ぎきれなかった」との記述が「理解し難い表現」と指摘され、「(略)不当な殺害や虐待をおこなって多大な惨禍をのこしている」と修正した。

 また開国後の朝鮮について日本が「近代化を援助した」との記述は「誤解の恐れがある」とされ、「軍制改革を援助した」に修正。日本の南方進出についての記述も「アジア諸国の独立に寄与したかのように誤解する恐れがある」と指摘され、表現を変えた。

 藤岡会長は「確かにそうだと思える指摘がほとんど。史実が正確になり質が向上した」と話している。単純ミスが多かったことについては「コンピューターの誤作動が原因」とした。東京書籍の生物2は132カ所に意見が付きすべて修正した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授に関する記述が初めて教科書に登場した。

 ◇「つくる会」分裂状態 09年度、2冊同時に採択対象

 今回の検定合格で、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史教科書2冊が同時に09年度の採択対象となる見通しとなった。教育現場が混乱する恐れもあるが、背景には会の分裂騒動がある。

 「つくる会」現会長の藤岡信勝・拓殖大教授らが中心となって執筆し、扶桑社から発行された歴史教科書は00、04年度の検定に合格。だが藤岡氏らと元会長の八木秀次・高崎経済大教授らの対立が強まり、07年になって八木氏らが「教科書改善の会」を設立して扶桑社の子会社から新教科書の発行を目指すことになった。

 藤岡氏らは新たに自由社をパートナーに迎え、昨年4月に今回の教科書を検定申請。6月には扶桑社を相手取り、「印税比率で73%の著作権は自分たちにある」として、現行教科書の出版差し止めを求める訴訟を起こした。

 扶桑社版と自由社版では構成やほとんどの記述が同じだが、文部科学省は「外形的に明らかな著作権侵害が認められなければ申請を受理する。『民対民』に口は挟めない」と併存を認める姿勢だ。

 扶桑社版は現在、東京都立の中高一貫校や杉並区立中などで使われており、採択率は0・4%。

 各教育委員会や国私立校の校長は、今夏までに10年度以降に使う教科書を文科省が作成する目録から選ぶが、訴訟で著作権侵害が確定すればどちらかの教科書が発行できなくなる可能性もある。文科省は「発行できなくなれば、教委などに採択替えを求める」としている。

学費滞納の私立高生支援 20万人分480億円の基金


 政府の新経済対策として、文部科学省は8日、高校生を対象にした就学支援を大幅に拡充し、今後3年間で480億円を充てる方針を決めた。景気悪化の影響を見越し、私立高校生の授業料減免のための予算を拡大するほか、奨学金も国公私立を問わず広げる。私立大生の授業料減免についても新たに100億円の予算を組む方針だ。

 日本私立中学高等学校連合会の調査によると、昨年末時点で学費を滞納している私立高校生は2.7%で、9カ月前に比べて3倍に跳ね上がっていた。文科省は、景気の状況がこのまま推移すれば、公的な支援を必要とする生徒が今後3年間で延べ20万人前後増えると試算。経済的な理由で退学者が続出する事態を防ぐため、財政支援を拡充することを決めた。

 私立高生の授業料減免制度は都道府県が主体になっており、07年度は全体の16%に当たる約17万人を対象に約260億円が割かれた。国の支援は保護者が失業した生徒や生活保護世帯の生徒に限っており、都道府県補助分の半額を出しているが、対象者は制度を受けている生徒全体の4%弱、予算は6億数千万円程度にとどまる。

 文科省は今後、支援策の細部を詰めるが、各都道府県に基金を設立してもらった上で、そこに財政支援する方式を検討。できる限り多くの生徒が支援を受けられるようにしたいとしている。

 私大生については、文科省が日本私立学校振興・共済事業団に100億円を出資し、事業団を通じて授業料減免制度を支援する方針だ。日本学生支援機構の奨学金の返済が困難な人が増えているため、返済猶予を認める収入基準も緩める。

大学生の興味「自動車」17位、トップはパソコン


 現役大学生にとって「興味がある製品・サービス」でトップはパソコン、自動車は17位に低迷していることが8日、日本自動車工業会の調査で分かった。

 大学生時代の意識を聞いた40〜50歳代の社会人では1位はファッションで自動車は7位、20〜30歳代はトップが現役学生と同じパソコンだが、自動車は10位と健闘しており、過去に比べて若者の「車離れ」が進んでいることが鮮明になった。

 現役大学生が車の購入をためらう理由では「維持費用がかかる」(54・1%)と金銭面を挙げた人が多く、「環境への負担が大きい」(20・3%)、「費用をかけても得るものが少ない」(7・1%)などの理由も目立った。調査は昨年11月に全国の18〜59歳の男女を対象にインターネットで行い、1600人から回答を得た。

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2009年4月 9日 (木)

「くいだおれ太郎」グッズの売り上げを教育基金に 大阪


 昨年7月に閉店した大阪・道頓堀の食堂「大阪名物くいだおれ」の食品部門の商標を持つ「太郎フーズ」(大阪市北区)が、看板人形「くいだおれ太郎」のイラストをあしらった新商品の売り上げの一部を、大阪府の「大阪教育ゆめ基金」へ寄付することが8日、分かった。大阪の教育の盛り上げに、太郎人形が一役買いそうだ。

 「食育」の分野でくいだおれ太郎を活躍させたいと考えていた同社が、基金を知って、府に協力を申し出た。20日に発売する「くいだおれ太郎プリン」の売上金の一部を寄付するという。3個入り1パック(1050円)につき3円が基金に入ることになり、府教委の担当者は「緊急の課題である学力向上に協力をいただき、非常にありがたい」と話している。

 大阪教育ゆめ基金は、全国学力テストの2年連続の成績低迷を受け、橋下徹知事の肝いりで、国の財源だけに頼らず教育を充実させていくことを目的に昨年12月に設立。これまでに32の事業者などから約900万円の寄付の申し出があった。基金は市町村の学習支援や教員の能力を高める研修などに使われる。

山中教授のiPS特許、2社が初のライセンス契約


 京都大の山中伸弥教授が開発したiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製法の特許について、バイオ関連企業2社が初めてライセンス契約を結び、実用化へ踏み出した。京大から、特許の管理を委託されたiPSアカデミアジャパン(京都市)が8日、発表した。

 2社は、タカラバイオ(大津市)とリプロセル(東京都港区)。タカラバイオは、iPS細胞を作製するための遺伝子を組み込んだ研究材料の販売とiPS細胞作製の受託サービスを行う。

 リプロセルは、iPS細胞から心筋細胞を作って販売するとともに、心筋細胞を使った薬の毒性試験の受託サービスを行う。

 契約に伴う一時金と今後の売上金の一部は、iPSアカデミアジャパンから、京都大学に支払われ、研究資金として活用されるという。金額については非公開。

未来の指導者目指せ


24か国の高校生が「サミット」


 世界の高校生たちが、国際社会が抱える諸問題について話し合う「フューチャー・ワールド・リーダーズ・サミット」が米ワシントンで開かれ、日本から11人が参加した。

 次世代のリーダーを育てようと、米国のNPO「プレジデンシャル・クラスルーム」が毎年開いているもので、今年で40回目。クリントン元大統領が高校時代に参加、その時に聞いたケネディ大統領の講義に感銘を受け、大統領を目指したことでも知られる。

 今年2月、5日間にわたって開かれ、24か国の215人が参加。感染症を含む健康問題、環境、教育、貧困、テロリズム、大量破壊兵器のテーマごとのグループに分かれて討論した。

 解決策をまとめ、最終日の全体会議で採択するなど、進行は本物の国際会議さながら。健康グループの書記として、「途上国の問題解決には先進国の財政援助が必要」との決議案をまとめた神奈川県立横浜国際高2年の北林未菜さん(16)は「多様な意見が聞けてよかった」と振り返った。

 参加者は大学の宿舎で合宿し、グループ討議の合間を縫って国会議事堂や国際機関を見学。そこでも自然発生的に始まった議論が続いた。経済格差がある先進国と途上国、生活習慣や文化も大きく異なる国々の参加者と話し合うには、英語力だけでなく、論理的な説明力も欠かせない。

 洗足学園高(川崎市)3年の石川凛さん(17)は各国の同世代の若者たちと議論するなかで、日本の近・現代史の知識不足を痛感。授業では特に昭和以降の歴史をほとんど学んでおらず、考える機会もあまりなかったため、「なかなか自分の意見を言えなかった」と悔しがる。

 日本からの参加者は活発な議論に圧倒されることも多かったが、横浜国際女学院翠陵高3年の今井杏奈さん(17)は、「日本人は他人の意見をよく聞き、礼儀正しい。宿舎でも身の回りをきちんと整える。日本の良さも再発見した」と感想を話した。

 日本からの参加者を募集する国際教育交流馬場財団(本部・横浜)の遠藤浩事業部長は「最近、男子の参加が少ないのが気になる。男女問わず、世界に挑戦し、日本のリーダーを志す若者がもっと出てほしい」と期待している。

平日に旅行…家族と学校どっちが大事なの?


 平日に学校を休んで旅行やレジャー施設に連れていくという家庭が増えているそうだ。その賛否を巡ってネット上で意見が飛び交い、話題となった。そこで、平日に学校を休ませて子どもを旅行や遊びに連れて行くことについてどう思うか、ネットユーザーを対象に調査を実施し、20代から40代の男女364名の回答を集計した。

 平日に学校を休ませて子どもを旅行や遊びに行くことについては、「良いと思う」は11.3%、「(その日でなければならない)事情があれば良いと思う」が39.8%、「よくないと思う」は48.9%となり、賛否はほぼ半数に分かれた。

 その理由を自由回答で聞いたところ、「良くない」という『反対派』回答者の意見は、「ルールは守らせるべき」「学業が優先」「親は子供に教育を受けさせる義務がある」など、遊びのために学校を休んでもいいと子どもに思わせてしまうことは教育上良くないという考え方が多い。

 「良いと思う」「事情があれば良いと思う」を合わせた『賛成派』でも、「親が平日しか休めない」場合や、「その日しかできないこと」の場合はやむを得ないという、条件付き肯定の回答が目立つなど、基本は学校優先であるべきという考えが根底にある人も多いようだ。一方で、「家族との交流も大切」「自己責任」「学校ではできない体験になるなら」「平日の方が空いている、安い」など、学校よりも大切なことがある、家庭や親の事情を優先させても問題ない、という考え方も少なくない。また、「自分は休ませてまで遊びに行かないけど、価値観は人それぞれ」といったコメントも見られた。
 ちなみに、回答者自身が子どものときに旅行や遊びで学校を休んだことがあるかとの問いでは、「ある」が11.0%にとどまり、89.0%は「ない」と答えている。大半がそのような経験はないようだ。「ある」と回答した40名のうち、「休んでよかった」「どちらかというと休んでよかった」とする『肯定派』は87.5%。そう思う理由について、自由回答で「40半ばになっても、思い出として残っている」「土日では出会えないような体験や人との出会いがあった」などと肯定的にとらえている。対して『否定派』は、「勉強が遅れる」「出席しなかった時の授業内容が判らなくなった」との経験をあげていた。

 学校に対する考え方やワークスタイルが多様化しているという背景もあり、レジャー目的で学校を休むことへの抵抗感は薄れつつあるといえそうだが、教育上の観点や自身の経験から、あくまで学校を優先すべきという考えも根強く、その賛否は今後も分かれそうだ。

 調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。

「保育所使いたい」 潜在待機児童85万人 厚労省調査


 0〜6歳の子どもがいて、現在は認可保育所を利用していないが、受け入れ先があれば預けたいと考えている家庭が推計で約85万世帯に上ることが、厚生労働省の調査などで分かった。こうした潜在的ニーズを満たすには約85万人分の認可保育所を新たに整備する必要がある。不況で働きに出たいと考えている親が増えており、今後、保育所不足は深刻化しそうだ。

 昨年8月に全国103自治体の就学前児童がいる世帯にアンケートし、約12万2600世帯が回答した。

 0〜2歳の子どもがいる家庭で、現在は認可保育所を利用していないが、「1年以内に働き始め、子どもを認可保育所に預けたい」などと考えている世帯は約2割あった。

 現在の児童数から潜在的ニーズを推計すると、0〜2歳の認可保育所の利用希望人数は約59万人になる。

 同様に、3〜6歳の子どもがいる家庭の希望人数は、約26万人となる計算だ。

 認可保育所に入れない待機児童は都市部を中心に約4万人(08年10月)。低年齢ほど見つけにくく、待機児童の約8割は0〜2歳だ。

 不況で、親が働きに出始めており待機児童も増えている。東京都世田谷区では今年4月に認可保育所に入れなかった児童は1554人と前年より420人増えた。区保育課は「育児休業後に職場に復帰する母親や、家計を支えるために働きに出る母親が増えていることが影響しているのではないか」と話す。

 認可保育所に入れない場合、無認可保育所など認可外施設などを利用していると見られる。認可保育所の保育料は自治体や親の所得によって異なるが、国が示す基準額は月額0〜8万円(3歳未満)。東京都の場合、市町村独自の補助制度もあり月額平均約1万7千円。一方、認可外施設は公費補助が少ないか、まったくないため保育料は割高だ。

 政府は昨年2月、「新待機児童ゼロ作戦」を策定。既存の労働力調査などをもとに推計した潜在ニーズを満たすため、保育所などの受け入れ児童数を17年までに100万人増やす目標を掲げている。

替え玉合格5人の国家資格取り消し


 国土交通省は7日、同省所管の国家資格「建築施工管理技士」と「土木施工管理技士」の検定試験を巡り、2003〜07年度に替え玉受験で合格していたとして5人の資格を3月31日付で取り消したと発表した。

 08年度試験で替え玉受験をしていた7人についても受験自体を無効とした。

 替え玉受験を巡っては、昨年10月、大阪市内の資格学校「建設業技術協会」が08年度の建築施工管理技士の検定試験で、男性受講生の受検申請書を偽造していたことが判明。大阪府警が同協会講師らを有印私文書偽造などの容疑で逮捕していた。同省がほかに替え玉がないか調査したところ、同協会の受講生5人を含む計11人の不正が確認された。

【教え育てる】学習院初等科前科長 中島平三


 学習院初等科の入学式は毎年4月10日。新入生は全員で「今日から、わたしたちは、学習院初等科の1年生です。よい子になります」という誓いの言葉を述べます。昭和40年代初頭から続いていますが、この「よい子」には深い意味があると私は感じています。

 教員たちは「早く学校になじんでくれるように」と願いながら、新入生を迎えます。そこでの「よい子」の第一の条件は、たとえば「はっきりと大きな声であいさつができる」とか「友達や先生と仲よくできる」といったことでしょう。

 しかし、小学校の6年間に子供たちは急速な発育を遂げ、それとともに「よい子」の意味も次第に変わっていきます。言い換えれば成長に合わせて、6学年それなりの「よい子」の姿があるということです。

 昨年末、2学期の終業式に私は児童たちを前にこんな話をしました。

 「この1年、静かに授業を受けられたか、お友達に意地悪などしなかったか、夜更かしなどせずに規則正しい生活を送れたか−など、自分を振り返ってみましょう。当たり前のことを当たり前に行えることが何よりも大切です。当たり前に行えるというのは、人に言われなくても自分から行えるということです」
 初等科開校から間もない明治12年に定められた「学習院学制」に「本院ノ生徒ハ殊ニ行状方正心術誠実ニシテ世間ノ模範トナルヲ要シ…」という一項があります。学習院の生徒は礼儀や行儀を正しく、心構えを誠実にして、社会の手本となるように、といった意味でしょう。それは突き詰めると「人として当たり前のことを当たり前に行う」ということ。「よい子」の誓いの背景にはそんな学習院の歴史があるのです。

ネット利用:日本の親の4割が「子供の責任」


 日本の親の4割が、子供のインターネット利用の責任は子供が持つべきだと考えていることがセキュリティー大手シマンテックの国際調査で分かった。親が許可していないネット利用を発見したことがあるのは3%で、いずれも調査した12カ国中もっとも低く、子供のネット利用に対する「無関心」が浮き彫りになった。

 調査は08年11月と12月にインターネットで実施。日本のほか、米国、カナダ、英国、イタリア、ドイツ、フランス、スウェーデン、中国、インド、オーストラリア、ブラジルの12カ国の大人6427人、子供2614人が回答した。月に1時間以上インターネットを利用している人が対象。大人は18歳以上で、うち8歳から17歳の子供を持つ親が1297人。子供は8歳から17歳。

 ネット利用で、子供たちを保護する責任は「親にある」としたのは、カナダの99%が最多で、12カ国の平均も90%だったが、日本は79%でもっとも少なかった。責任が「セキュリティー企業」「政府」にあるとしたのは、どちらも中国が最多。「子供にある」としたのは日本が40%で最多だった。

 親が許可していない子供のネット利用を発見したことがあるのは、スウェーデンが35%で最多で、12カ国平均では22%。日本は3%にとどまっている。また、そのことで子供をしかった経験があるのも、12カ国平均の34%に対し、日本は12%と低い。

 さらに、子供と安全なネット利用について話し合っている親も、日本は少ない。「話したことがある」のはカナダが87%で最多。12カ国の平均も70%だったが、日本は22%でもっとも少なかった。

 ネットトラブルの相談を受けているインターネット協会の大久保貴世・主幹研究員は「子供は(掲示板などに)書き込むことが大好きだが、母親が使うのは旅行やオークションのサイトなどで、(掲示板などの)危険性をアドバイスできない。トラブルがあって初めて気づく状況だ。『子供のネット利用を監視してもいいのか』と相談を受けることがあるが、中学生までは親が見張るべきだ」と訴える。

 子供がネットを利用している時間は、ブラジルが月に70時間と最多で、スウェーデンの59時間が続く。日本は月に31時間だった。一方、親が考える子供のネット利用時間はすべての国で子供の回答より短く、最も差が大きかったのは英国の25時間、米国の24時間だった。日本の親が考える子供のネット利用時間は13時間で、子供の回答と比べ18時間の差があった。

資金不足のまま開学 健康科学大学、隠すために不正経理


 私立健康科学大学(山梨県富士河口湖町)などを運営する学校法人「第一藍野学院」が、資金不足のまま大学を開学させたことを隠すため、不正経理を繰り返していたことが6日分かった。この日の学院の理事会で、小山英夫理事長が責任を取って辞任。大学事務局は「不適切な会計処理をしてきたのは事実。新体制でやり直したい」としている。

 不正経理は、開学当時から繰り返されており、学院側は8日、経緯について文部科学省に調査報告書を提出する。

 大学関係者によると、学院は02年の開学認可の際、申請書類を文科省に提出。資金計画として開学後4年間の人件費6億5千万円を記載した。しかし、資金が集まらず、工面できなかったという。

 学院側は事実を隠すため、03年度決算で大阪府内の建設業者から、足りなかった6億円を一時的に借り入れて補填(ほてん)した。業者に返済する際、支出先を正直に書くと、資金不足だったことが発覚するため、04年度決算以降も架空の支出を年間2億円程度計上するなどの会計処理を繰り返していたという。

 また、05年度決算で、2億円の使途不明金が明らかになっていた。この2億円についても支出の実態がないことが判明。同様に資金の流れを隠すために、滋賀県内の病院長への「短期貸付金」として架空の計上をしたという。

 一連の不正経理について、開学当時の担当者は「認可の申請書類の変更手続きができないと考え、実際は工面できなかった資金を存在するように見せかけた」と話しているという。同大は03年4月に開学。理学療法学科、作業療法学科、福祉心理学科の3科があり、学生数は965人。

団塊世代向け「教科書」が刊行


数学的思考で馬券分析など


 団塊世代を対象にしたおとなの教科書「学びやぶっく」シリーズが10日から刊行される。教科書出版の老舗・明治書院(東京・新宿区)が企画し、「こくご、さんすう、りか、しゃかい、たいいく、げいじゅつ、せいかつ」と7教科をラインアップ。刊行時には「課外授業」と題した書店イベントも予定している。

 シリーズ第1期は、さんすう「知的な人の馬券術」、せいかつ「蕎麦(そば)打ち道場」など計5冊。一見、定年後の趣味の本と思わせるタイトルだが、数学的な思考で馬券の的中率を分析したり、手打ちソバの普及によって町おこしに取り組んでいる広島県豊平町(現・北広島町)の事例を紹介したり、充実した教養知識が盛り込まれている。

 著者や監修者には、国家公務員、バーテンダーと多彩な職歴を持つ野口卓さんや、ソバ打ち名人として知られる高橋邦弘さんら、個性ある本格派の“教師陣”がズラリと顔を並べた。

 また、教科とは別に「先端の情報を知る」「今までと違う時間を使う(あの時の時間に戻る)」など、四つのテーマを設定。今後、刊行点数が増えるごとに教科別、テーマ別に、関心にあわせて自分なりの“時間割”作りができるようなガイドにしている。

 同社では、団塊世代は「現役志向の強い、こだわりを持つ世代」と分析。1冊読み終わるごとに、1単位を認定する遊び心を持たせて、「さながら学校に通うように書店に通う雰囲気作りを狙う」(松井孝夫・書籍編集部担当部長)としている。

 第1期「蕎麦打ち道場」刊行後の13、14両日には、監修者の高橋さんが東京・武蔵野市の東急吉祥寺店で、ソバ打ちを実演するのに加え、勘所を教授する「課外授業」を行う。おとなの教科書について高橋さんは「単にソバだけでなく、豊平の町おこしについて書かれた勉強になる本。ソバ打ちは、技術が体に染みつくようになってはじめてうまくなる。大人の勉強も持続してほしい」と話している。

 5月以降は毎月20日に刊行。年間20冊を予定している。

2009年4月 8日 (水)

「霞が関支配の典型例」 橋下府知事が「ゆとり教育」批判


 「ゆとり教育」路線を修正した小中学校の新しい学習指導要領が4月から先行実施されることについて、大阪府の橋下徹知事は7日、「ゆとり教育は、保護者が何を求めているかを、霞が関が把握していない典型例」と従前の国の教育施策を批判した。

 新指導要領については歓迎する意向を示したが、「現場が急には対応できないという話も教育委員から聞いている」と指摘。主要教科の授業時間増、小学校での外国語活動導入などの新しい内容に備え「態勢を整えなければならない」とし、「制度変更のはざまの時期に在学している子供たちをどう救うかが行政の課題」と述べた。

 一方、近畿地方整備局の今年度公共事業費の予算配分で、大阪府庁近くに国合同庁舎を建設する事業費が計上されたことに対し、8日に上京し、金子一義国土交通相に意見を具申することについて、「日本という国を霞が関だけでコントロールするのは無理な話。霞が関支配の国から民主的な国に変えていくために意見を述べたい」と説明した。

学生仕送り:私大生、月9万5700円 過去最低に−−08年6月、教職組合調査


 首都圏の私立大・短大生の1カ月の仕送り額平均(08年6月)は前年度比200円減の9万5700円だったことが、東京地区私立大学教職員組合連合の調査で分かった。85年度の調査開始以来最低。仕送りから家賃を引いた生活費も、3万6000円(前年度比700円減)と過去最低を更新。受験から入学までの費用負担を「重い」と感じている親の割合は、過去最高の91・3%(同0・6ポイント増)に達した。

 昨秋以降の世界的な不況の影響は反映されていない。同連合は「家計の教育費負担はもはや限界。09年度は、さらに深刻化するだろう」と話している。

 調査は昨年5〜6月、関東1都4県にある16大学・短大に通う1年生約4800人の保護者を対象に実施。新生活や教材などの出費がかさむ5月ではなく6月の仕送り額を調べたところ、ピークだった94年度(12万4900円)に比べ約23%も減っていた。生活費はピークだった90年度(7万3800円)の半分以下。家賃の平均は5万9700円で、仕送り額に占める割合(62・4%)は過去最高だった。

 一方、世帯年収(税込み)は平均922万9000円(前年度比2・5%減)で、自宅外から通学する世帯の年収は、前年度比4・7%減の915万9000円だった。

志願者殺到の定時制高校 追加入試の5時間後に入学式


 都市部を中心に公立高校定時制の入試に志願者が殺到し、例年にない多くの不合格者を出す事態が起きている。朝日新聞が各都道府県教委に確認したところ、少なくとも18都道府県の計700人以上は定員超が原因で最終的に不合格になっていた。不況で私立が敬遠されたのが原因とみられるが、最多の167人の不合格者を出した大阪府では6日、募集枠を拡大した異例の補欠入試と合格発表、入学式をこの日のうちに一気に敢行した学校もあった。

 6日午後、大阪府内で最初に補欠入試が実施された府立春日丘高校(同府茨木市)では、8人の募集人員に対し、13人が挑んだ。午後1時の試験開始から、合格発表、同6時の入学式まで、5時間余りで一気に進んだ。

 試験は英語、数学、国語の学力検査で計1時間。その後、すぐに採点し、合否判定会議で合格者を選び、あわただしく発表の準備を進めた。

 午後4時、移動式の掲示板が、校舎わきの通路に運ばれ、合格者の受験番号が示された。保護者や友人と一緒に確認に訪れて、自分の番号を見つけ、「よし」「受かってる」と、小さくガッツポーズをする受験者もいた。

 大阪市東淀川区の男性(15)は「むちゃうれしい」と顔をほころばせた。全日制の前期、後期、2次を受験し、「全部滑った」。友人たちが次々と進路を決めていく中、不安で仕方なかったという。私立は親から授業料が高いと反対され、「公立しかないと思っていた」。

 「安心しました」と表情をゆるめた茨木市の女性(15)も4度目の挑戦。2次募集で同校を受験したがダメだった。仕事を休んで駆けつけて来たというパートの母親(38)は「母子家庭で経済的には無理なので、私立は考えられなかった」と明かした。

 その傍らで、肩を落として引き揚げていく男性の姿も。同校の教員が、まだ出願が間に合う別の高校の補欠募集のことを伝えたという。

 発表から2時間後、8人を含む定時制133人の入学式が体育館であった。約2時間前に合格を確認した親子たちも式にのぞみ、定時制の岩井英雅校長から「今年は従来に比べ志願者が急増した。多くの保護者の方々の喜びもひとしおだと思います」と激励を受けた。

 同校のこうした対応は、「補欠合格の子が区別されないようにして、高校生活のスタートを同時に切ってほしい」という配慮からだった。

 ただ、府教委の対応について「終始後手に回った」と指摘する声は少なくない。今春の入試では、私立だけを受ける生徒の割合「専願率」が20.98%と過去最低。公立の志願増を懸念する声が上がり、3月に入ると、定時制の校長らから「定時制があふれかえるのではないか」という指摘が出ていた。

 しかし、府教委が具体的に動き出したのは3月27日夜。同日午後2時から定時制2次の合格発表があった。「受け入れ可能人数を今日の午後9時45分までに返事してください」とのファクスが各校に一斉に送られたという。

漢検「値下げ」無し…6月に今年度第1回試験


 文科省の指導応じず

 公益事業では認められない多額の利益が問題になっている財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市下京区、大久保昇理事長)が、漢字検定の検定料を引き下げないまま、6月に行う今年度第1回試験の受検者を募集していることがわかった。

 協会は2年前に1度、検定料を下げているが、その後、文部科学省から「引き下げ幅が不十分」として、2度にわたって引き下げの指導を受けている。

 漢字検定は年間志願者数が約270万人(2007年度)。協会のホームページによると、今年度、一般向けの検定は、6、11、2月の3回の予定。最初の6月21日の検定について、3月1日から受け付けを開始したが、検定料は1〜10級で5000〜1500円と、据え置いたまま。検定料は前払いで、原則、申し込み後は返還されないという。

2009年4月 7日 (火)

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世界レベルの科学者育成へ 横浜市立理数科高が開校


 世界で活躍する科学者を育てようと、ノーベル賞受賞者ら一流科学者が講義や実験指導などで協力する理数科高校、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高(横浜市鶴見区、佐藤春夫校長)が5日、開校した。

 この日の記念式典には、スーパーアドバイザーとして特別講義を行うノーベル物理学賞受賞の小柴昌俊・東大特別栄誉教授や、中田宏市長らが出席した。

 同校の特徴は実験を中心にした理科教育。「サイエンスリテラシー」と名付けられたカリキュラムでは、生命科学や環境、ナノテク・材料、情報通信の4分野を実験で体験した後、自分で興味を持ったテーマを研究、英語で発表する。

 実験室にはDNA解析機など先端機器がそろい、大学や企業の研究者らも指導する。1期生は難関を突破した237人。教員26人のうち理科は7人で、普通科高校より多いという。

若者自立支援:東京と埼玉の専門学校、「ニート」学科で「自分探しの1年」


 ◇まず「対人関係構築」から

 ニートやフリーター予備軍の若者を対象にした学科が今月、東京都江戸川区とさいたま市の専門学校に新設された。1年課程のカリキュラムを通じて、対人関係を築けるよう導き、就労や就学の意欲を持たせる狙いがあり、「自分探しの1年」がキャッチフレーズ。専門学校が若者の自立支援に乗り出すのは全国でも初めてという。

 新設されたのは、キャリアデザイン・コミュニケーション科(CC科)。東京スポーツ・レクリエーション専門学校(東京都江戸川区、定員40人)と姉妹校の埼玉福祉専門学校(さいたま市、同)に設置される。

 このうち東京のCC科には7日に13人が入学予定。大半が専門学校や大学を中退した若者だという。厚生労働省の調査によると、ニートの若者に共通する特徴として、コミュニケーションに対する苦手意識が挙げられる。人間関係のつまずきが中退につながり、結果、フリーターやニートになってしまうケースも多い。

 CC科ではこうした調査を踏まえ、最初の1カ月間を「対人関係の構築期間」ととらえる。

 1クラス10人前後の少人数制をとり、「イニシアチブゲーム」(仲間作りゲーム)と呼ばれる教育プログラムを導入。「どうしたら狭い台の上に全員が立てるか」といった課題を与えられ、チームで問題解決を図るという具合だ。仲間同士で話し合ううち信頼や友情関係が芽生えるという。

 同校によると、他の学科で仲間作りゲームを試したところ、毎年平均2割の中退者がゼロになった。学科長の伊藤忠男さん(41)は「良好な人間関係が仕事や勉強を続ける上での基礎になる」と強調する。

 キャリア教育に移るのはゴールデンウイーク明け。仲間づくりゲームと並行しながら、他学科や系列校の協力を得て介護やヘアカット、製菓といった実習中心の授業を進め、企業や福祉施設での職業体験を通じて進路を考えさせる。

 運営に協力する若者支援のNPO「コトバノアトリエ」(豊島区)の代表理事、山本繁さん(30)は「対人関係に不安があったり、将来に目標を持たない生徒を無理に進学させても中退してしまう。人よりも1年遠回りすることになるが、次のステップに立つための学校に通わせる意味は大きい」と話している。

iPodで地理も数学もお勉強 埼玉の中学、教材に導入


 米アップル製の携帯音楽プレーヤー「iPod」を使った授業を、埼玉県松伏町の町立松伏第二中学校(金沢勝幸校長、生徒数625人)が始めた。アップルジャパン(東京)から42台を無償で借り、教師が考えた教材を使って授業をする。デジタル世代の生徒には「集中できる」と評判は上々だという。

 訪ねた日、1年4組の5時間目は地理だった。38人の生徒が見つめるiPodの画面には、東北の白地図があった。青森県の部分が点滅すると、3秒後、「青森」と県名が浮かび上がった。50分間の授業のうち、生徒は20分程度、iPodを使っていた。

 以前まで北海道と沖縄しか答えられなかったという伊藤萌さん(13)は「関東地方を中心に16都道府県が分かるようになった。地形が浮かぶと記憶に残る」。伊東龍之介君(13)も「イヤホンをしているので集中でき、頭に入る」と話していた。

 取り入れようと発案したのは、大西久雄教頭(50)ら4人。日ごろの授業でクラス全員に学習のポイントを説明しても、理解できない生徒が少なくない。iPodで音楽を聴いたり、映像を見たりしていた大西教頭らは、授業で使って楽しんで勉強できるようにできないか、と考えた。

 各教科の教諭が教材ソフトを作成。美術なら、水彩画の下書きから色塗りまで各パターンをナレーションで説明。数学の計算問題を解く場合は文字で解き方を解説し、英語では動画を見ながら聞き取りをする。保健体育を除く全教科のソフトを収め、全校17クラスが交代で使いながら学んでいる。

 授業を見学した保護者の中には「集団で学ぶ本来の姿ではない」との声もあったが、大西教頭は「生徒に評判がいいだけでなく、どうやったら興味を持たせられるか、ソフトづくりを通して教師の意識改革にもつながる」と話す。 アップルジャパンによると、同中への無償の貸し出しは特別なケース。貸し出しは新年度の1学期までのため、同中によると、その後はPTAが約40台購入予定という。

渋谷区立中越境問題 「学校選択制」幅広い議論を


 女子バレーボールの強豪とされる渋谷区の区立中学校で、複数の生徒が越境入学していた背景には、少子化と学区制の問題がある。東京23区で、同一区内ならどの学校にも通える「学校選択制」が導入されて久しい。少子化が進む中で、特色を発揮して生徒を集める学校は少なくない。その手段として部活動を打ち出すことがあっていけないわけではない。

 しかし、渋谷区では健康上の理由や転居など、決められた条件以外での越境入学を許可していない。今回のケースは、実際に住んでいない場所に住民登録しており、住民基本台帳法に抵触する可能性すらある。保護者や学校が“脱法的”な行為を子供たちに教えるのは「法に触れなければ何をやってもいい」と言っているようなものだ。ただ一方で、これだけさまざまな教育の自由が認められている時代に、子供たちの能力を伸ばすことを制度が妨げてはならないとも言える。学区制度のより柔軟な運用を含めた幅広い議論をしてもいい時期にきているのではないだろうか。

殺人を題材にした物語で 教諭「命の尊さ教えようと…」−−愛知の私立高


 愛知県豊川市の私立豊川高校(小林康典校長)で、入学前の新1年生を対象に兄妹が老婦人を殺害する物語の感想を求める宿題を出していたことが4日、分かった。相馬三孝教頭は「高校生にふさわしい題材ではなく、配慮が足りなかった」と話している。

 国語科の春休み中の宿題で、両親を亡くした兄妹をふびんに思ってパンを与え続けていた老婦人が、後に兄妹に殺される内容。亡くなった老婦人を踏みつけにする描写もあったという。

 相馬教頭によると、国語教諭が命の尊さを教えようと出題。教諭は「反省している」と話しているという。

「保育園増やせ!」ママやパパ、渋谷でベビーカーデモ


 「保育園を増やせー」「待機児童をなくせー」。ベビーカーを押したパパやママら75人が5日、東京・渋谷の繁華街をデモ行進し、保育施策の充実を訴えた。

 父親の育児を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンが企画した。東京都文京区から参加した保育士の澤田圭司さん(29)は、3歳の上の子が自宅から30分離れた保育園に入れたものの、0歳の下の子はどこにも入れず、「保育ママ」に預けることに。「預かってくれるのは午後5時までなので、妻は勤務をパートに切り替えた。収入的に厳しくなる」と話す。

 台東区の会社員加藤丈晴さん(43)は育児休業を取って昨年11月に復職するつもりだったが、1歳の息子が保育園に入れず、やむなく育休を延長。妻が仕事を休むなどして3カ月間しのぎ、4月にやっと入園できた。「親同士がつながって保育の受け皿づくりに向けて行動しないと」

 厚生労働省の調べでは、認可保育園に入りたくても入れない待機児童は、昨年10月時点で4万184人と前年に比べて9%増えた。不況や共働き世帯の増加を背景に、今春の入園申込数は東京都杉並区で前年比30%増、横浜市で同17%増などで、待機児童数はさらに増える見込みだ。

2009年4月 6日 (月)

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小学校英語 「効果ない」中学校教諭の7割近く


 小学校からの英語教育の導入について、中学校の英語教員の7割近くが、「導入しても、将来、英語を話せるようにはならない」と考えていることが4日、通信教育最大手のベネッセコーポレーション(岡山市)の調査で分かった。新学習指導要領にともない、今年度から5、6年生を対象に先行実施されているが、小、中学校間の認識のギャップが浮かんだ形だ。

 同社のシンクタンクが昨年7〜8月、全国の公立中学校の英語教員約3600人を対象に実施した。

 その結果、調査対象者の地元の小学校で行われている英語教育について、「知っている」と答えたのは48・5%と半数を下回り、小学校の英語教員との交流も「集まる機会がある」(28・6%)、「授業を見に行く」(25・5%)しかなく、小、中学校間でほとんど連携が取れていない実態が目立った。

 さらに、調査対象の約8割は「聞くことに慣れる」と、小学校での英語教育に一定の効果を認めながらも、「中学での英語指導がスムーズになる」と受け止めているのは42・1%で、中学での教育と切り離している。また、「将来、英語を話せる日本人が増える」と考えているのは24・3%しかいなかった。

 一方、調査対象の教員自身の指導法については、4割を超える教員が「英語を好きになるように指導する」ことを大切にしていると答える一方、授業の中心は「音読」「文法の練習問題」「発音練習」などが占めていることが判明。

 「英語の歌を歌う」「スピーチ」といった実践的な授業は4割程度にとどまり、英語の楽しさを伝えたいという思いと試験対策用の指導とのジレンマに悩む姿がうかがわれる。

 ベネッセは「小学校での英語の教育効果を上げるためには、中学校との具体的な連携方法を考える必要がある」と分析している。

学力調査、現方式賛成は3割 65教委、朝日新聞調べ


 21日に3回目が実施される文部科学省の全国学力調査をめぐり、65ある都道府県・政令指定都市の教育委員会に朝日新聞がアンケートしたところ、小6、中3の全員に毎年実施する今の調査を今後も長く続けるべきだと考える教委は21(32%)にとどまることがわかった。簡素化したり、期間を限定したりして見直すべきだとする教委が19(29%)あり、23教委(35%)は考えを示さなかった。

 国の教育政策について教育委員会が実名で答えるアンケートで、ここまで賛成意見が少ないのは異例。国語と算数・数学を出題する調査は毎回50億円以上費やされ、自民党のプロジェクトチームは昨夏、無駄遣いだと結論付けている。教委の回答でも「予算を教員増に回してほしい」といった声が目立ち、今後、さらに議論になりそうだ。

 アンケートは3月中旬に送付。今の調査について「できるだけ長く続けるべきだ」「期限を決めて続けるべきだ」「数年に1回に変えるべきだ」「抽出調査に変えるべきだ」「中止すべきだ」の五つの選択肢で質問した。

 「長く続けるべきだ」と答えたのは21教委で、理由は「継続的にやらないと教育の評価材料にならない」(福岡県)など。これとは別に、2教委は「その他」として「他の学年、教科にも広げるべきだ」(茨城県)、「対象学年、教科を検討すべきだ」(香川県)と答えた。

 しかし、異論は根強い。中止を求める教委はなかったが、「抽出に変えるべきだ」が9、「期限を決めて」「数年に1回」がいずれも7(複数回答)で、計19教委がやり方の変更を求めた。

 こうした教委からは「実態把握は数年に1度の抽出調査で十分。莫大(ばくだい)な予算を教職員の増員などにあてるべきだ」(京都市)、「指導の改善を図るためには5年程度やれば十分」(愛知県)といった声が上がっている。「学校現場が振り回されている」と制度を批判する担当者もいた。

今どきの学生像、授業出るけど議論イヤ…民間調査


通学週4.4日出席率87% 「積極的に質問」2割だけ

 まじめに授業に出るが意欲は薄く、議論を敬遠――。通信教育大手「ベネッセコーポレーション」が大学生にアンケートしたところ、こんな学生像が浮き彫りになった。与えられた課題をこなす授業が中心だった中高時代。その頃の感覚が抜けきっていないのでは、と専門家は指摘する。

 調査は昨年10月、全国の大学生4070人を対象に実施、インターネットを通じて大学生活全般や社会観について尋ねた。それによると、1週間の平均通学日数は4・4日で、授業への出席率は87%。授業で出された課題をきちんとこなしていく学生も87%と高率だった。

 ただ、しっかり予習をして授業に臨んでいる学生は33%にとどまり、授業中に行うグループ討議で進んでまとめ役を買って出るのも27%。クラス全員の前で積極的に質問や発言をするか、という問いに前向きに答えたのは22%にとどまった。

 近年は単位認定に当たり、教員が出席を厳しくとったり、リポートの提出状況を重視したりする傾向にある。これが影響して出席率は上方で推移するものの、積極的に授業に参加しようという意欲は低いことがわかった。

 大学で身に着いたものを例を示して問うたところ、「コンピューターを使っての文書作成」75%、「専門分野の基礎的な知識・技術」71%、「幅広い一般教養」69%――などで、基本的な勉強はこなしていた。これに対し、意欲や熱意が必要な例だと、「データを使って説明する能力」が46%、「外国語会話」が35%にとどまったように低調だった。

 調査では社会観についても質問した。「仕事を通じて社会に貢献することは大切」と考える学生は84%に上ったが、79%が「日本は競争が激しい社会」と感じていた。「日本は努力すれば報われる社会だ」と肯定的にとらえる学生は43%だけ。

 また、自己分析に関する項目では、「過去の失敗を気にする方」が73%だったのに対し、「自分は何事においても積極的」は39%。自信のなさも見え隠れした。

 同志社大の山田礼子教授(高等教育論)は「自分で考えながら主体的にいろんなことに挑戦できるのが大学時代のいいところ。大学側は、高校までに染みついた学生の受け身の姿勢を切り替えるような支援を、もっと行う必要がある」と話している。

ドーハで日本人学校再開 企業進出で邦人増加


 世界第3位の天然ガス埋蔵量を誇るペルシャ湾岸カタールの首都ドーハで4月、日本人学校が再開した。在留邦人減少に伴う二2001年の閉校以来8年ぶりで、関係者によると、いったん閉校した日本人学校が再開するのは世界で初めてという。学校再開で日本企業進出の一層の弾みになることが期待されている。

 学校は小学部と中学部で構成、今月12日の授業開始時には児童、生徒数十人前後を想定している。ドーハの日本大使館に在留届を出している邦人1082人の中で、就学年齢の子供を抱えた駐在員の家族は現地の国際学校に子供を通わせており、国際学校の学期が改まる夏休み以降を機に、一定数の転入も見込まれる。

 カタールでは1990年代後半の原油価格低迷などから経済が冷え込み、日本企業の規模縮小で駐在員数が減少、学校が閉校に追い込まれた。

2009年4月 5日 (日)

車いすの児童、中学校が入学拒む 「バリアフリー不備」


 脳性まひのため車いすで生活する奈良県下市町の女児(12)が地元中学校への進学を希望したところ、同町教育委員会から「バリアフリーに不備がある。県立の養護学校に行ってほしい」と入学を拒まれた。地元小学校に6年間通った女児の両親は4日会見し、「小学校では運動会も遠足も参加し、健常児と同じ環境で成長した。普通学級に通わせて」と訴えた。8日の入学式までに就学できない場合、法的手段を検討するという。

 両親によると、女児は下半身が不自由だが、字も書けて日常会話もでき、小学校では教師1人と介助員2人がサポートした。町立下市中学校への入学を希望したが、校長や医師らでつくる町教委の「就学指導委員会」は2月、「県立養護学校が望ましい」と答申した。町教委の堀光博教育長は、4階建ての同中校舎はエレベーターなどがなく、教科ごとの教室間移動も多いため、設備の整った養護学校の方が女児の能力を伸ばすのに適している、としている。

 女児が養護学校に通わざるを得なくなった場合、バスで30分程度かかるという。

人間関係修復を考えるシンポ


 学校法人東放学園は18日、設立30周年を記念したシンポジウム「コワレかかった“ニッポンの現場”」を、東放学園映画専門大学院大学(東京・渋谷区本町)で開く。

 午後3時から、演劇の基礎訓練にゲーム性を取り入れたドラマケーション体験、午後4時から、劇作家の山崎哲さんらによるシンポジウム。会場との意見交換も予定。定員は、体験30人、シンポ150人。無料。要予約。問い合わせは同学園ドラマケーション普及センター((電)03・3378・7548)。

2009年4月 4日 (土)

ネットやケータイ:いまや日常の道具 「禁止」より「教育」


 東京学芸大は3日、脚本家の倉本聰さん(74)が塾長を務めるNPO法人「富良野自然塾」(北海道富良野市)と連携して、野外体験型の環境授業を今年度から始めると発表した。将来教員となって環境教育を行うことになる学生たちに「環境問題」を肌で感じてもらうのが狙い。

 同塾は閉鎖されたゴルフ場を借りて、06年春に開設。近隣の森から採取してきた種や若苗から育てたエゾマツなどの苗木を、約35ヘクタールの広大なゴルフ場跡地に植林。森を再生する活動をメーンに、子供や若者を対象にしたさまざまな環境教育を行っている。

 学芸大の授業は今年9月に同塾と、道内にある別の野外体験施設で計6日間、集中的に実施。倉本さんや専門家による環境問題などの講義もあるが、大半の授業は野外で行う。1、2年生を中心に全学年が対象で募集は約30人。履修者は2単位取得できる。

 この日、連携の覚書を締結した鷲山恭彦学長は「自然体験がない若い先生に環境教育ができるのだろうか、という疑問からスタートした」と語った。倉本さんも「教員を養成する大学でこそ必要な授業。短期間だが、先生を目指す若い学生たちに環境問題に関心を持ってもらう糸口になれば」と話した。

文科省、米飯給食増を通知 パン業界向け表現に配慮も


 学校給食で米飯を出す目標回数について、文部科学省は、24年前に定めた「週3回程度」から「週3回以上」と改める通知を各都道府県に出した。同省の有識者会議は当初、報告書で「週4回程度」と明記する方向だったが、「給食費が上がる」という意見やパン業界の反対を受け、表現を抑えた。

 3月31日に提出された有識者会議の報告は「週3回未満の実施校については週3回程度、週3回以上の実施校については週4回程度など新たな目標を設定することを促すなど、国としては週3回以上を目標として設定することが適切」という回りくどいもの。これに沿って、通知にも「週4回程度など新たな目標を設定する」と盛り込まれた。

 従来の「週3回程度」という目標が決められたのは85年で、当時の米飯給食の全国平均は週1.9回だった。その後は右肩上がりに増え、07年度の全国平均で週3回が達成された。文科省は、給食の地場産物の比率を高めるためにさらに増やせないかと考え、有識者会議でも、農協関係の委員は「週4に」「いや週5に」と主張した。

 しかし、米飯給食がさほど多くない自治体やパン業界の委員からは「自治体の設備費負担が増え、子どもの給食費が上がる」「給食の安定供給を支えてきたパン食をさらに削るのか」「立ちゆかなくなるパン業者も出る」と「週4回」への反対論が続出。結局、玉虫色の報告書になった。

進入学、悩みと向き合う


環境変化…話を聞こう

 進入学の季節。新しい友だち、新しい先生――期待が高まる一方で、「クラスになじめるか」「友だちと仲良くできるか」と、子どもの人間関係についても心配は尽きない。家庭では子どもの言動をよく観察し、話を聞く姿勢が大切だ。

 東京都内に住む母親(38)は、次女(6)の小学校入学式を来週に控える。長女(10)は小学5年生に進級。通っている公立小学校は、昨年から全学年でクラス替えをするようになった。長女は「クラスが替わるのはさみしい」と話す。一方、引っ込み思案の次女は、1月に買ったランドセルも箱を開けようとしないほど不安な様子。母親は「長女は、新しいクラスになじめるか、次女は、学校に行けるかが心配」と話す。

 「子どもの心のコーチング」の著者で、NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんは、「親が必要以上に心配しないこと。その気持ちは、子どもに伝染する。子どもは親が思うほど不安でないものです」と助言する。

 だが、環境が変わり、友人関係も不安定なこの時期、「口数が少ない」「考え込んでいる」など、いつもと違う様子がないかどうか観察することは大切だ。無理に聞き出そうとせず、子どもが話しやすい環境を作る。低学年なら、抱っこしたり、ひざに乗せて本を読んだりしてスキンシップを。中高学年では、遊びに誘うのもいいだろう。遊びながら、その日の出来事についておしゃべりをする。

 子どもが友人関係の悩みを話しだしたら、「大変だったね」「それは嫌だったよね」と、まず気持ちを受けとめる。そのうえで子どもが解決策を求めてきたら、時間をかけて考えを聞く。親の体験を話してもいい。「子どもが自分で解決しようとする力を奪わないで。人間関係に摩擦はつきもの。それを経験することで、人との付き合い方を学びます」と菅原さんは話す。

 さいたま市では、小学校の多くで全学年クラス替えをしている。市立常盤小学校の杉浦健治校長は、「クラス替えで子どもは友人関係が広がり、新しい学年へ向け、気持ちも切り替えられる」と利点を説明する。

 同市では学期の初め、小学3年以上を対象に「人間関係プログラム」という授業を行っている。コミュニケーション技術を高めることが目的だ。別表は、話の聞き方を学ぶロールプレイング(役割演技)の例。家庭で試すこともできる。

 杉浦校長は、「かつては遊びの中で人との接し方やマナーを自然に身に着けた。それが難しくなった今、相手が不快に思っていることに気付かなかったり、ささいなことに傷ついたりする子もいる。多くの友だちと交わり、相手の気持ちを尊重する力を養ってほしい」と話している。

 話の聞き方を学ぶロールプレイング(2人組)

 1 話し役と聞き役に分かれる

 2 話し役は、あるトピック(日曜日の過ごし方、昨日の夕食など)について1分間話す。聞き役は、「相手が元気の出なくなる話の聞き方」をする

 3 話し役と聞き役を交代し、2を行う

 4 感想を話し合う

 5 話し役は、別のトピックについて1分間話をする。聞き役は、「相手が元気の出る話の聞き方」をする

 6 話し役と聞き役を交代し、5を行う

 7 感想を話し合う

 8 「相手に体を向けて話を聞く」「顔を見ながら話を聞く」「『うんうん』とうなずく」など、相手が元気の出る話の聞き方を確認していく

 (さいたま市教委の「人間関係プログラム」などを参考に作成)

2009年4月 3日 (金)

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【センバツ】大躍進の背景に礼節教育あり 準優勝・花巻東


 優勝は逃したものの、春夏含め、岩手県勢として初めて甲子園で決勝の舞台を踏んだ花巻東。私立高だが、運動部は全国の有望選手を集めるやり方は避け、野球部員もすべて岩手県の中学校出身だ。逆転劇の連続で勝ち進んだ精神力を生み出したのは、同校の「礼節教育」だった。

 花巻東のあいさつは、地元の“名物”だ。学校近くに住む男性は「散歩中、ランニングする野球部員とすれ違うと、驚くほど大きな声で『こんにちは』とあいさつされる。とても気持ちいいが、『練習に集中してね』と言いたくなるほどの勢い」と話す。高齢者に「お元気ですか」と呼び掛ける選手もいる。

 「花巻東」。公立校のような校名だが、生徒数が減っていた地元企業系の2校を統合し、昭和57年に発足した私立校だ。当時を知る関係者は「不良っぽい生徒も目立つ大変な学校だった」と一様に振り返る。

 そこで、教師が「自己改革」を進め、その姿を示すことで生徒を変えていこう−という息の長い学校改革を推し進めた。

 昭和63年から昨年末までの間、理事長を務めた小田島実氏は「早朝から教師が校門に立ち、生徒にあいさつをし続けた。先生の変化に生徒も敏感に反応する。2年半くらいかかったな」。

 礼儀を重んじ、二宮尊徳の勤勉の精神を教育に取り入れており、運動部は率先して取り組んできた。ボランティア団体と一緒に清掃を続けるソフトボール部の活動も有名だ。
 監督を務めた経験もある野球部の伊藤新也副部長は「プロや社会人への夢もかなえさせてやりたいが、まず何よりも、野球を通じて礼儀作法を学ぶことが生きる糧になる、と指導している」と強調する。

 小田島氏も「礼儀は忍耐や根性につながる。無責任な気持ちもなくなると思う」と指摘する。

 準々決勝の南陽工(山口)戦。エース・菊池雄星(ゆうせい)選手の代わりに先発したものの、先制点を許した4番打者の猿川拓朗選手が、自ら同点2ランを放って筋を通した。花巻東の野球への姿勢を象徴する場面だった。

 岩手の期待に応え切れなかった無念さ、悔しさいっぱいの表情で閉会式に臨んだ花巻東ナイン。礼節教育を通して浸透した地元への感謝と熱い思いが、甲子園から東北に優勝旗を持ち帰る“白河越え”の悲願達成につながるか。さらなる成長が注目される。

大学生の社会観:「お金がたくさんあると幸せ」8割 ベネッセ調査


 「友達大好き。お金がたくさんあると幸せ。でも、努力は報われない」。ベネッセコーポレーションが行った「大学生の学習・生活実態調査」によると、友達を求める声が圧倒的で、「お金がたくさんあると幸せだ」と考えている大学生も8割近くに上る一方で、「努力すると報われる」は半数以下にとどまっていることが分かった。

 調査は08年10月、18〜24歳の大学生約4000人にインターネットで実施。学習や生活実態、社会観などを聞いた。価値観については、「いい友達がいると幸せになれる」が92%と高く、同社では、今の若者たちが「群れることに価値観を置いている」とみる。同じ年代への別の調査でも、留学について「留年すると学年が変わって友達と離れてしまう」「彼女と別れたくないので留学したくない」との回答が多いなど、友達関係を重視する傾向が強いという。

 また、「お金がたくさんあると幸せになれる」に賛成の意見が79%ある一方、「日本は努力すれば報われる社会だ」は43%と、斜に構えた見方が多かった。

 同社は06年の「学習基本調査」で小中高校生に同じ質問をしており、「お金がたくさんあると幸せになれる」は、小学生で46%、中学生56%、高校生63%と年齢が上がるにつれ増える傾向がある。逆に、「日本は努力すれば報われる社会だ」と思っている割合は小学生が高く、学校が上がると減る。

 同社では「大学生は就職が近く、ニュースなどからもシビアな現状認識をしているのではないか」という。

英語必修化、半数が不安


 教育出版社の旺文社(東京都新宿区)が昨夏、全国の小学校に英語必修化についてアンケートを行ったところ、半数以上が「課題があり、導入には不安が残る」と答えたことが分かった。

 調査は昨年8月25日〜9月30日に郵送で実施。全国の公立校から無作為に抽出した5000校に調査票を配布した(回収数505校)。

 このうち253校が「課題があり、導入には不安が残る」と回答。何に不安があるかについては91・7%が「指導内容・方法」、73・9%が「指導計画」、71・5%が「教材・教具」だった。また、178校は「課題はあるが、導入の見通しは立っている」と回答した。

入学式:晴れ着ピカピカの1年生−−岩手・大船渡市立綾里小


 岩手県大船渡市立綾里(りょうり)小(鈴木晴紀校長)で1日、一足早い入学式があり、新1年生21人が晴れ着姿で児童の仲間入りをした。

 女児14人は全員が色とりどりの振り袖に袴(はかま)で、男児も羽織袴姿。同小によると、和服に着飾っての入学式は1970年代に始まったが、由来は分からないという。

 担任の先生から1人ずつ名前を呼ばれて「はーい」と元気に手を挙げる我が子の姿に、付き添いの保護者らがうれしそうに目を細めた。

不正のあおり受けた26人を教員採用 大分県教委


 大分県の教員採用汚職事件で、県教育委員会は1日、07、08年度採用試験で不正な得点操作のあおりを受けて不合格とされた26人を小中学校の教員に採用した。08年度試験で不正合格したとされる21人のうち8人も臨時講師として雇用した。この日の臨時会では、教育委員の互選により小矢文則教育長(60)の再任を決めた。

 県教委の救済策により採用された26人は、08年度試験で不正に不合格とされた22人のうち新年度からの採用を希望した4人と、07年度試験で不合格にされた22人。

 臨時講師の8人には、採用取り消し処分をめぐり提訴した元教諭2人も含まれる。8人の

 小矢教育長の任期は4年間。臨時会では本人を除く教育委員5人で再任案を協議し、異論は特に出なかったという。麻生益直委員長は、教員採用で指摘される小矢教育長の口利き疑惑について「大分地検が不起訴処分にしたので疑念は晴れたと思う。不起訴も再任を決める要素の一つになった」と述べた。

 小矢教育長は、県教委事務局の職員約150人への訓示で「事件で教育行政に対する県民の信頼を失った。険しい道のりではあるが、改革を成し遂げ、教育再生を図りたい。みなさんの協力をいただいて、信頼回復に最大限努力していきたい」と述べた。

 08年度試験の不正合格者とされて採用取り消し処分を受け、提訴した元小学校教諭で臨時講師の秦(しん)聖一郎さん(23)は教育長の再任について「知事も教育委員も県民の意見を無視している。あきれて言葉も出ない」と話した。

2009年4月 2日 (木)

三鷹市、「鷹」の字を新常用漢字表試案への追加求める


 文化庁が3月に公表した新常用漢字表の試案を巡り、東京都三鷹市は31日、「鷹」の字を追加するよう求める意見書を同庁に提出した。

 同様の意見書は、山形県白鷹町(しらたかまち)が3月26日に出したほか、北海道鷹栖町と長崎県松浦市(旧鷹島町)も近く提出の予定。同庁は「自治体がそろって意見書を出すのは異例」としており、文化審議会の議論に影響を与える可能性もありそうだ。

 新常用漢字の選定にあたり、「鷹」の字は使用頻度が高いため、1次素案に盛り込まれたが、固有名詞に使われる機会が多いことから、昨年6月に公表された2次素案から除外された。

 三鷹市では同11月、同庁に再考を求めたが試案に復活しなかったため、2007年3月まで「鷹」にちなんだ自治体間で、「ホークスサミット」と名付けて交流を図ってきた白鷹町など3市町に意見書の提出を呼びかけた。

 同市の意見書では「『能ある鷹は爪を隠す』など、鷹の字は古来から多くのことわざや格言に使われ、文化的、教育的にも重要。誰でも読み書きできる漢字であるべき」と主張。江戸時代の名君・上杉鷹山が町内の白鷹山から名前を取ったとされる白鷹町も「我々にとって大切な字」と訴えている。

新学習指導要領スタート ゆとり世代教員「理数」関門


 脱「ゆとり教育」を打ち出した新しい学習指導要領が新学期から先行実施されるが、教える側の若手教員はゆとり教育で学んだ世代。理数では復活する学習内容が多いが、先生自身が小学校時代に習わなかった実験もある。どう分かりやすく教えるか、工夫のしどころだ。


「苦手」6割超す

 3月下旬、東京都新宿区の工学院大学で教員らを対象にした講演や理科実験講習が開かれた。講師は昆虫ロボットなどの研究で知られる同大の三浦宏文学長や「ガリレオ工房」理事長で東京大学特任教授の瀧川洋二氏ら。

 理科の実験や観察は新指導要領で重視され、大学や教育委員会などが主催する講習会が各地で目立っている。こうした講習会に参加するのは理科好きの先生たちが多いが、小学校では文系で理科が苦手という教員も少なくない。

 参加者の教員は「理科で復活する項目では、風で動くおもちゃやニクロム線に電気を通すと発熱する実験など、若い先生たちが小学生時代にやったことがない実験もある」という。

 大学入試で受験科目を減らす弊害から理科が苦手という教員も増えている。科学技術振興機構のアンケートでは教職経験10年未満の教員で理科指導が「苦手」「やや苦手」という割合が6割を超えた。中学教員でも物理が苦手などという理科教員が少なくない。


身近な材料を活用

 瀧川氏はこの日の実験講習で、100円ショップで買える材料を工夫して実演。「先生自身も基礎をよく勉強してほしい」とし、「身近な材料を使った楽しい実験方法はこの20年ぐらいの間に開発が進み、日本は世界でもトップクラスのノウハウがある。実験は予想が立つものでもやっぱり不思議で、『どうして』『学びたい』という動機付けになる。ぜひ授業に生かしてほしい」と話す。

 また八王子市立長池小学校教務主幹の坪池淳教諭は「例えば夏と冬で水溶液の濃度を変えるなど実験には準備段階からコツがいる。団塊の世代の退職でこうした指導法が伝わりにくくなっており、若い世代の先生にどう伝えるか工夫が必要」と話す。

理科の実験について説明する瀧川洋二・東大特任教授(右)=東京都新宿区の工学院大

「3次元」「3けた」鍵

 数学教育に詳しい桜美林大の芳沢光雄教授は、板書で「答え」だけ書き、数式をきちんと書かない教員がいると指摘。マークシート方式の入試の弊害で、穴埋めの答えだけ当たればいいという風潮が広がったことを懸念する。

 また子供たちは、積み木や知恵の輪といった3次元の立体感覚を養う遊びをしなくなり、2次元のパソコン画面やテレビゲームなどに熱中しがちだ。展開図と立体の関係など空間図形の問題は教えるのも学ぶのも苦手になっている。

 芳沢教授は「先生も数学が面白いと思わなければ分かりやすい授業はできない。実際に距離を測るなど体験型の指導を交える工夫がいる」という。

 また「3けたの計算を重視してほしい」と指摘。小学生の学力テストで2けた同士の計算の正答率が8割台に対し、3けたの数が入ると5割台に落ちる例をあげ、「ドミノ倒しでも3つあって連続して倒れる動きが理解できる。3けた同士の計算をおろそかにしては論理的思考ができない」と話している。



新学習指導要領の先行実施で増える内容例(平成21年度から)

【小学】

《算数》台形の面積(5年)文字式(6年)

《理科》風やゴムの働き(3年)

《社会》都道府県名と位置(3、4年)

《英語》あいさつ表現(5、6年)※

【中学】

《数学》不等式、球の表面積と体積(1年)

《理科》力とばねの伸び(1年)遺伝の規則性(3年)

《保健体育》武道・ダンス必修化※

(理数は文科省が補助教材作成。※は学校裁量で先行実施可能)

君が代斉唱不起立:12人を懲戒処分−−都教委発表


 東京都教育委員会は31日、今春の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったとして、特別支援学校「都立あきる野学園」(あきる野市)の根津公子教諭(58)を停職6カ月とするなど計12人を懲戒処分にしたと発表した。

 都教委によると、根津教諭は3月24日の卒業式で君が代斉唱時に起立しなかった。根津教諭への処分は6度目で、停職6カ月は3年連続。処分通知後、記者会見した根津教諭は「日の丸・君が代の強制がおかしいことを、子どもたちに伝えていく」と語った。3月、不起立で処分された教職員らが起こした訴訟で教職員側が敗訴したため免職も予想されており、停職処分にとどまったことに「ほっとしている」と安堵(あんど)した様子だった。都教委は03年10月、入学式や卒業式で起立をして日の丸掲揚や君が代斉唱をするよう定め、従わない場合には服務上の責任が問われると通知している。不起立で処分されたのは、03年度から延べ422人となった。

「教科書調査官」の氏名、初の公表 検定透明化へ文科省


 申請された教科書をチェックして意見書をつくる「教科書調査官」をめぐり、文部科学省は31日、初めて氏名や担当教科、職歴などを公表した。教科書検定の透明化の一つとしており、同省のホームページにも近く掲載する予定だ。

 教科書調査官は文科省の職員だが、膨大な量の教科書をチェックして調査意見書をつくり、検定の審議会委員の決定に大きな影響があるとされる。しかし、ほとんど情報が示されず「国民の目が届かないブラックボックスになっている」との批判が強かった。

 文科省の発表によると、現在の教科書調査官は51人。担当の内訳は、社会16人(日本史4、政治・経済4、世界史3、地理3、倫理2)、理科9人(生物3、物理2、化学2、地学2)、国語5人、外国語3人、数学3人など。直前の職は、大学、短大の助教授や講師、高校教諭などが目立つ。最も長いのは日本史担当の男性で、88年4月から21年調査官を務めている。

 文科省は今後、調査官が書いた意見書や審議会の議事概要なども公表する予定だ。

思考力育成にNIE…高校の研究会が全国大会


 高校でのNIE(教育に新聞を)を考える「全国高等学校NIE研究会」の全国大会が3月28、29日、東京都千代田区の日本プレスセンターで開かれ、新学習指導要領や裁判員制度を題材に研究を深めた。

 同研究会は高校教師を中心にNIEの研究を進める団体で、年1回、全国大会を開いている。

 7回目の今回は、2013年度から実施される高校の新学習指導要領とNIEについて、国立教育政策研究所の谷田部玲生(れいお)総括研究官(1日から桐蔭横浜大教授)が講演した。

 谷田部氏はまず、言語活動の充実を図ることなど、新指導要領のポイントを解説。記事の読み比べや執筆で思考力や表現力をつけられるNIEについて、「教材としてもっと使えるようになる。もう一度教える知識を精査して時間を作り、思考力をNIEで身に着けさせることが重要だ」と訴えた。

 一方、5月に実施が迫った裁判員制度については、読売新聞東京本社の丸山伸一編集委員が講演した。

 丸山編集委員はまず、松本サリン事件などの新聞記事を示しながら、報道の仕方次第では、裁判員になりうる読者に予断や偏見を与える危険性を指摘した。

 裁判で有罪が確定するまで「推定無罪の原則」があるため、読売新聞では、誰から得た情報か可能な限り明示したり、捜査段階の報道が確定的な事実と受け取られないよう断定調の表現を避けている。この点を伝えた上で、「報道の側も予断と偏見を与えないよう努力するので、客観的事実とそれ以外を読み分ける力をつけさせてほしい」と訴えた。

 大会では、話す能力や聞く能力をつける目的で、生徒と新聞記者がそれぞれ教師をインタビューし、記事を書いて違いを学ぶ岡山県立東岡山工業高の事例なども報告された。

 研究会会長の高橋通泰・元お茶の水女子大学付属高校副校長は「谷田部氏の話は、思考力などを養う教材に新聞を使う時のヒントを与えてくれた。全国にNIEの輪を広げていきたい」と話していた。

【教育】塾の勉強法アドバイス


 学習塾に通っても成績が上がらない−などの悩みに応え、塾選びや勉強法をアドバイスする進学教室が現れている。

 中学受験などの個別指導教室や家庭教師派遣事業を行っている「スーパーウェブ」(神戸市、豊永貴士社長)では、個別指導などのほか、インターネットで中学受験に関連する悩みを相談できる教育情報サイト「かしこい塾の使い方」を開設している。

 同社が、大手進学塾に通う小学6年生が1年間に課題として出されるテキストや資料を積み重ねたところ、高さ約1メートル75センチになった。

 大手進学塾のテキストは工夫されているが、入試に出る難問にも対応するためかなり難しい内容も含む。小学生では自分の学力や志望校に応じて取捨選択するのはなかなか難しく、全部やろうとしても手に負えない。難しい課題をやればやるほど逆に不得意科目になってしまう懸念もある。

 同社では運営する個別指導教室で、塾で出される課題をどの順番でどのくらい時間かけてやればいいか、などスケジュール管理を含めて指導。ネットのサイトでは無料相談のコーナーもある。「その子に応じて最大限の効果をあげる指導をしたい」(同社)という。

視覚障害:全盲の中学教諭・新井さん「見えないからこそ、できる教育もある」−−埼玉


 ◇子供たちの声に支えられ、子供たちも変化した1年

 埼玉県長瀞町立長瀞中学校教諭、新井淑則(よしのり)さん(47)は、網膜はく離で視力を失いながら普通中学の教壇に復帰し1年となった。全国視覚障害教師の会(兵庫県)によると、普通中で教える全盲や視野狭窄(きょうさく)の教師は全国にわずか12人。新井さんは「手探りでしたが、子供たちの声に支えられた1年でした」と振り返る。

 教師になって5年目の89年、右目が網膜はく離を起こし、やがて全盲に。「足までなくなったような気になった」。95年から休職し、自室に閉じこもり、布団の中で毎日泣いた。「生きていても仕方がない」と思え、両親や妻子との会話もなくなった。

 こんな夫を、同じ中学教諭の妻真弓さん(45)は、外に連れ出しては社会で働く視覚障害者らに引き合わせた。95%の視野を欠きながら高校教師を続ける男性(60)は、何度も励ましの電話をくれた。新井さんは全盲でも教師を続ける人がいることを知り、再び教壇に立とうと決意した。歩行や点字を訓練し、99年に養護学校に復帰。盲学校を経て1年前、夢をかなえた。

 専門は国語。授業は別の教師とペアで進める。新井さんが点字教科書を使いながら教え、別の教師が挙手した生徒の人数を伝えたり、ノートをのぞいたりして理解度を確かめる。盲導犬は教室の机の下で待っている。

 最初の授業で「私には皆さんの声だけが頼りです」とあいさつした新井さんは、1年で「生徒の変化を感じた」と言う。教室を歩いていると、つまずかないよう荷物を動かしてくれたり、「そこ」「あれ」などの視覚に頼る言葉を使わなくなった。

 高田忠一校長は「生徒と触れ合いながら、働くことや生きることの大切さを身をもって教え、やさしさや思いやりの心を育てている。見えないからこそできる教育」。全国の視覚障害者から「勇気付けられた」という手紙や電話も絶えない。新井さんは「私も先輩の障害者に助けられた。恩返しできたのでしょうか」と話している。

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2009年4月 1日 (水)

習熟度別授業、効果出ない例も 文科省全国調査


 勉強の理解の程度に応じて子どもたちをグループ分けして教える「習熟度別少人数授業」。きめ細かな指導法として各地で導入されているが、勉強が進んでいない子の学力向上につながっていないケースが少なくないことが30日、文部科学省の調査結果でわかった。

 習熟度別授業は各都道府県の3〜9割の学校で導入されているが、専門家は「単にクラスを分ければいいというものではない。個々の状態に応じたていねいな指導が必要だ」と指摘している。

 文科省は、小6、中3を対象に08年4月に実施した全国学力調査をもとに分析。算数・数学の成績が下から4分の1だった子どもから、「全授業の4分の3以上で習熟度別少人数指導を受けた」グループと「習熟度別少人数指導を全く受けていない」グループを抽出し、問題をピックアップして正答率を比べた。

 それによると、習熟度別指導を受けた子の方が、受けていない子より正答率が1ポイント以上高い問題が小学校で14問中5問、中学校では20問中4問あった。ただ、差は最大で3ポイントにとどまり、受けていない子の方が逆に正答率が高い問題も小学校で3問あった。

 都道府県ごとにみると、小学校の算数で、習熟度別の実施校の方が正答率が1ポイント以上高い県が10ある一方で、非実施校の方が1ポイント以上高い県も5あり、それ以外はほとんど差がなかった。

 浅沼茂・東京学芸大教授は「効果が出ている学校を見ると、低学力層は10人くらいのグループにし、教材や教え方も変えている。子ども一人ひとりの性格に合わせて声のかけ方まで工夫している」と指摘する。文科省の担当者も「効果が出るかどうかは、結局、先生がどういう方法で教えているかによるのではないか」と言う。

【教育】新指導要領、教える若手教員はゆとり世代 自分でやったことない理科実験も


 脱「ゆとり教育」を打ち出した新しい学習指導要領が新学期から先行実施されるが、教える側の若手教員はゆとり教育で学んだ世代。理数では復活する学習内容が多いが、先生自身が小学校時代に習わなかった実験もある。どう分かりやすく教えるか、工夫のしどころだ。

 理科苦手

 3月下旬、東京都新宿区の工学院大学で教員らを対象にした講演や理科実験講習が開かれた。講師は昆虫ロボットなどの研究で知られる同大の三浦宏文学長や「ガリレオ工房」理事長で東京大学特任教授の瀧川洋二氏ら。

 理科の実験や観察は新指導要領で重視され、大学や教育委員会などが主催する講習会が各地で目立っている。こうした講習会に参加するのは理科好きの先生たちが多いが、小学校では文系で理科が苦手という教員も少なくない。

 参加者の教員は「理科で復活する項目では、風で動くおもちゃやニクロム線に電気を通すと発熱する実験など、若い先生たちが小学生時代にやったことがない実験もある」という。

 大学入試で受験科目を減らす弊害から理科が苦手という教員も増えている。科学技術振興機構のアンケートでは教職経験10年未満の教員で理科指導が「苦手」「やや苦手」という割合が6割を超えた。中学教員でも物理が苦手などという理科教員が少なくない。
身近な材料で

 瀧川氏はこの日の実験講習で、100円ショップで買える材料を工夫して実演。「先生自身も基礎をよく勉強してほしい」とし、「身近な材料を使った楽しい実験方法はこの20年ぐらいの間に開発が進み、日本は世界でもトップクラスのノウハウがある。実験は予想が立つものでもやっぱり不思議で、『どうして』『学びたい』という動機付けになる。ぜひ授業に生かしてほしい」と話す。

 また八王子市立長池小学校教務主幹の坪池淳教諭は「例えば夏と冬で水溶液の濃度を変えるなど実験には準備段階からコツがいる。団塊の世代の退職でこうした指導法が伝わりにくくなっており、若い世代の先生にどう伝えるか工夫が必要」と話す。

 「3」がカギ

 数学教育に詳しい桜美林大の芳沢光雄教授は、板書で「答え」だけ書き、数式をきちんと書かない教員がいると指摘。マークシート方式の入試の弊害で、穴埋めの答えだけ当たればいいという風潮が広がったことを懸念する。

 また子供たちは、積み木や知恵の輪といった3次元の立体感覚を養う遊びをしなくなり、2次元のパソコン画面やテレビゲームなどに熱中しがちだ。展開図と立体の関係など空間図形の問題は教えるのも学ぶのも苦手になっている。

 芳沢教授は「先生も数学が面白いと思わなければ分かりやすい授業はできない。実際に距離を測るなど体験型の指導を交える工夫がいる」という。

 また「3桁の計算を重視してほしい」と指摘。小学生の学力テストで2桁同士の計算の正答率が8割台に対し、3桁の数が入ると5割台に落ちる例をあげ、「ドミノ倒しでも3つあって連続して倒れる動きが理解できる。3桁同士の計算をおろそかにしては論理的思考ができない」と話す。

 ■新学習指導要領で増える理数の内容例

【小学校】

《算数》台形の面積(5年)文字を用いた式(6年)

《理科》風やゴムの働き(3年)電磁石(5年)月と太陽(6年)

【中学】

《数学》不等式、球の表面積と体積(1年)

《理科》力とばねの伸び(1年)遺伝の規則性(3年)

長崎日大高:白血病で受験断る 感染症防止「対応の自信ない」


 長崎県諫早市の長崎日大高(野上秀文校長)が、一般入試に先立つ特別入試の受験を希望した急性白血病の中3女子生徒(15)に対し、受験を断っていたことが分かった。生徒側は治療で抵抗力が落ちていたことから、感染症を防ぐために別室での受験を希望したが、高校側は受け入れ態勢の不備を理由に挙げたという。同高校などによると、女子生徒の願書は中学校が1月13日に提出し、高校側に「別室での受験で特段の配慮を」と説明した。

 しかし、同高では特別入試の受験者が1742人おり、50ある教室をすべて使う予定だった。保健室での受験も検討したが、インフルエンザにかかった受験生もいたため、14日に「受け入れは不可能」と判断し、願書と受験料を返却した。長崎日大側は「学校として対応できる自信がなかった」と話している。

 女子生徒は結局、長崎県内の別の私立高と公立高校を受験し、いずれも合格した。公立高に今春、入学予定だが、生徒の主治医は「生徒は、受験を断られたことにショックを受けていた」と語った。

 長崎県学事文書課によると、同高からは事前に受験を断る意向が伝えられていたが、同課は「私立高入試に対しては県に指導権限がなく、認めるしかなかった」と説明した。

「授業で吉田松陰」山口県教委が奨励 愛国心条項に対応


 山口県教育委員会は4月から、明治維新に大きな影響を与えた長州藩(現山口県)出身の思想家、吉田松陰を授業などで取り上げることを県内すべての公立小中学校に勧める。改正教育基本法に「愛国心条項」が盛り込まれたことに対応し、今年が松陰の没後150年であることに着目した。都道府県教委が特定の人物を教えるよう全校に奨励するのは珍しい。

 県教委は09年度の新規事業として「ふるさとの先人に学ぶ教育の推進」を掲げ、「松陰の生き方や業績を題材に様々な取り組みを行う」としている。県内全20市町教委の学校教育課長や指導主事らを集めた会議で周知する。義務教育課は「具体的な取り組み方は各校に任せるが、例えば、松陰をテーマとした弁論大会や史跡訪問、カルタ遊びなどが考えられる。朝礼の講話や歌を歌うなどして業績を伝えてもいい」と話している。

 安倍内閣時代の06年に改正された教育基本法には、「教育の目標」の条項に「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」とする「愛国心条項」が加わった。これを反映した改訂学習指導要領が小学校で11年度、中学校で12年度から全面実施されることを踏まえ、県を挙げて取り組むことにしたという。

 山口県からは松陰のほかにも、伊藤博文や高杉晋作ら維新の志士が多数輩出した。詩人の中原中也や金子みすゞも有名だ。松陰だけを特に奨励する理由について、同課は「没後150年で注目されている。高杉や伊藤もいるが、松陰は彼らを教えた人物だ」と説明する。

 尊王攘夷(じょうい)を説いた松陰は戦前の修身教育に利用された歴史がある。田中彰・北大名誉教授の著書「吉田松陰」によると、「忠君愛国」の理想的人間像として鼓吹された。同課は「取り上げる松陰の教えは進取の気質や親を敬う気持ちが中心。天皇や日本に関する思想には触れない」と説明する。「松陰の新しいことにチャレンジする生き方、平等思想は今も大事だ」として、取り組みは10年度以降も続ける方針だ。

 県教職員組合の井上寿幸委員長は「郷土の人物を取り上げることには反対しないが、松陰が偶像化され、評価が絶対のものになるのは感心しない」と話している。

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