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2009年7月

2009年7月31日 (金)

上智学院と聖母学園合併へ 上智大に看護学科を新設


 上智大を運営する上智学院は30日、聖母大を運営する聖母学園と平成23年4月の合併に向けた協定を29日付で結んだと発表した。上智大は合併後、聖母大の看護学科を継承して学科と専攻を新設し、入学定員も増やす予定。聖母大が実質、吸収される形だ。

 上智大は「同じカトリック系の大学で教育理念が共通しており合併を決めた」と説明。合併に合わせて聖母学園と聖母大は廃止し、在学生は上智大に転籍する予定。聖母学園が持つ看護学校は上智学院が継承する。

 上智学院は学生数約1万1500人の上智大のほか短大や専門学校を運営。聖母大は学生数約180人。

関西の「ブランド」私立高、生徒集め四苦八苦


 私立高校の入学者数が落ち込むなか、連携した有名私大へ一定数の進学枠を持つ関西の私立高校も生徒集めに苦戦している。少子化に加え、不景気による私立離れが影を落とし、今春、定員割れが目立った。夏休みは中3受験生が学力を伸ばし、進路を真剣に考え始める時期。各校は有名私大の「ブランド」力を生かし、地域との連携づくりで巻き返しを図る。

 「早稲田大と一緒になってどんな学校を作るのか伝えきれず、反省しています」

 大阪府茨木市の早稲田摂陵高校で6月30日、学習塾を対象にした入試説明会が開かれた。早稲田大常任理事で、4月から派遣された藁谷友紀(わらがい・ともき)校長が約250人の進路指導担当者らに、こう語った。

 同校は今春、早稲田大の「系属(けいぞく)校」として「摂陵」から校名を変更、毎年40人が同大へ進学できる推薦枠を設けた。旧摂陵高校は大阪府内で中堅の男子校だったが、近年は受験生が減り、08年度には数十人の定員割れが出た。早稲田大との連携は立て直しの切り札になるはずだった。ところが今春、245人の外部募集に対して、出願者は35人。入学者はわずか11人だった。併設中学から内部進学した生徒と合わせても入学者は76人にとどまった。

 私立高校と有名私大との連携が盛んになったのは数年前からだ。少子化のなか、安定して生徒を集めたい大学と、有名私大に推薦で進学できる枠を拡大して受験生を増やしたい高校の利害が一致した。

 しかし今、私立にとっては「冬の時代」だ。08年度の全国の私立高校の入学者は約34万3500人で、前年度より約5千人減った。年々減る傾向にあり、5年前と比べて約1割減だ。特に橋下徹知事が私立高校への助成金を1割カットした大阪府では、府内全94の私立高校の入学者は09年度、4年ぶりに前年度より約1400人減り、過去最低の約2万7800人だった。50校が今春から授業料を値上げしたことも影響した。早稲田摂陵高校も、年間52万円から68万円に引き上げた。

 同校は早稲田大の中竹竜二・ラグビー部監督や飛行ロボットの研究者らを招いて月に1〜2回、一般住民も聴講できる公開講座を開催。藁谷校長は「地域への早稲田ブランドの浸透を、巻き返しの柱に据える」と話す。

 大手塾「第一ゼミナール」を運営するウィザス(大阪市)の稲葉雅也・企画情報室課長は「関西は国公立大志向が強い。京大や東大を狙える学力づくりを目指していることをPRしないと、来年度も苦戦するだろう」とみる。

 立命館大学と提携して今春から「立命館コース」を設けた初芝立命館高校(旧初芝高校、堺市)でも、240人の募集に対して出願者は126人、入学者は96人にとどまった。同コースに入学できれば、大半が立命館大に進める仕組みだが、「変わる初芝の姿をPRしきれなかった」という。来年度入試に向け、秋から近畿各地で説明会を開催するほか、立命館大教授の講義など独自のカリキュラムを設ける予定だ。

 関西学院大の提携校、啓明学院高校(神戸市須磨区)は今春の入学者から、希望者全員が関学に進学できるようにした。しかし、80人の定員に対して入学者は38人だった。受験生の中学時代の成績を、9教科の5段階評価で計37以上を受験資格にするなど基準を高く設けすぎたことが低迷の原因と、入試担当者は分析。「それだけの学力があれば、難関公立高から、国公立大を狙った方が学費も安く済むと判断する保護者が多かったのでは」とみる。しかし、生徒のレベルにはこだわり、受験資格を変えるつもりはないという。

科学五輪、日本躍進のワケ


 数学、物理、化学、生物、情報の各種目で、世界の高校生らが知識と応用力を競う「国際科学五輪」。今年の日本勢は、種目ごとに上位約10%に与えられる金メダルが、既に過去最多の10個に達し、4個にとどまった昨年から一転して活躍が目立つ。

 理数離れが指摘されて久しい日本の子供たち。大躍進の秘密を探った。

 科学五輪の起こりは、1959年にルーマニアで初めて開かれた数学五輪。その後、種目が順次増え、参加国も全世界に広がった。

 今月14〜21日にドイツで開かれた数学五輪。104か国・地域の代表565人の中で、中国の代表とともに2人だけ満点に輝いた副島真さん(東京・筑波大付属駒場高3年)は、「難問として出された問題も易しく感じられました」と大会を振り返る。他のメンバーも好成績で、代表6人のうち5人が金メダルを獲得、昨年の2人を上回った。6人の合計点で争う国別順位も中国に次ぐ2位で、過去最高だった。

 数学以外の種目でも日本代表は好調。茨城県つくば市で行われた生物学五輪では、大月亮太さん(千葉県立船橋高3年)が日本初の金に輝き、国別順位も昨年の14位から過去最高の6位に上昇した。化学五輪でも初めて金2個を獲得。物理五輪も昨年の17位から11位へと順位を上げ、8月の情報五輪の結果を待たずして、金の総数は昨年の2倍以上になっている。

 文部科学省によると、大会支援の予算は各種目とも約2500万円と昨年並み。それでも躍進した理由として、同省担当者が第一に挙げるのが参加者の増加だ。国内選考には5種目で計6968人が挑み、前年より約1500人増えた。生物学五輪の地元開催もあり、大会の認知度が理数好きの高校生の間で格段に上がったことや、国内選考の結果を入試で評価する大学が増えていることが影響していると、担当者はみる。

 さらに今年は、筆記に加えて実験問題も出される物理、化学、生物の対策として、代表の生徒を大学の実験室に出向かせて、想定される実験を行わせるなど、より実践的な準備を重ねた。また、数学では国内の2次選考を通過した約20人を対象に、初めて6泊7日の合宿を実施している。

 物理五輪の国内事務局、物理チャレンジ・オリンピック日本委員会の並木雅俊副委員長(高千穂大教授)は「スポーツでは才能のある子を伸ばすのは当たり前だが、学問の世界でも、優秀な子を伸ばすことの重要性が社会に理解されるようになってきた」と好成績の背景を語る。「根っからの理数好きはまだまだ埋もれているはず。底辺拡大も大切だが、優秀な人材の発掘も必要です」

 未来の天才科学者が教室の片隅で専門書を開いているかもしれない。

2009年7月30日 (木)

保管紙幣の虫干し公開 大阪税関

 大阪税関(大阪市港区)は28日、第二次世界大戦後の引き揚げ者から預かった証券や紙幣などの一部約5千点の「虫干し」を公開した。持ち主や遺族に引き取りを呼び掛けるため、毎年この時期に実施している。

 連合国軍総司令部(GHQ)は終戦後、一定額を超える所持金持ち込みを制限。同税関は舞 鶴港(京 都府)と田辺港(和歌山県)への引き揚げ者から約11万1千件(約5万3千人分)を預かり保管し、制限が解除された昭和28年から返還を始めた。

 昨年までに6万6千件(約2万2千人分)を返したが、昨年返還できたのは18人分にとどまり、約4万5千件(約3万2千人分)が未返還となってい る。

保管紙幣の虫干し公開 大阪税関

 大阪税関(大阪市港区)は28日、第二次世界大戦後の引き揚げ者から預かった証券や紙幣などの一部約5千点の「虫干し」を公開した。持ち主や遺族に引き取りを呼び掛けるため、毎年この時期に実施している。

 連合国軍総司令部(GHQ)は終戦後、一定額を超える所持金持ち込みを制限。同税関は舞 鶴港(京 都府)と田辺港(和歌山県)への引き揚げ者から約11万1千件(約5万3千人分)を預かり保管し、制限が解除された昭和28年から返還を始めた。

 昨年までに6万6千件(約2万2千人分)を返したが、昨年返還できたのは18人分にとどまり、約4万5千件(約3万2千人分)が未返還となってい る。

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公立中学:27%、授業増 夏休み、行事削減も−−新指導要領に備え


 公立中学校の27%で今年度から授業時間を増やしていることが、文部科学省の調査で分かった。

 新学習指導要領(12年度全面実施)で授業時間が増えるのに備え、理数教科を中心に「学力重視」へのシフトを早めているとみられ、夏休みや行事を削り授業に充てているケースも目立つ。

 今年4月1日時点の授業計画を、全国の公立中9930校に尋ねた。68%が「授業時間は変わらない」と回答したが、10%は「今年度から週当たりの授業を増やす」とした。また、20%は「学校行事を見直して授業を増やす」とし、9%は「長期休業を短縮して授業を増やす」と答えた(重複回答あり)。増加時間は年平均で、1年29・8コマ▽2年31・6コマ▽3年29・4コマ(1コマ50分)。

 文科省は今年度からの移行措置期間中、小学校(11年度全面実施)の総授業時間を増やす一方、中学校については「教員の負担増に配慮する」などとし、総授業時間を変えていない。理数教科を段階的に増やし、その間は選択教科などを減らして対応する計画だが、実際には選択教科などを維持する学校も相当数あるとみられる。

 一方、習熟度別授業など「個に応じた指導」を今年度計画しているのは公立小学校の90%、中学校の92%だった。08年度の実施率と比べるとそれぞれ6ポイント、3ポイント下回っている。

 文科省は「授業増への対応が必要となる分、習熟度別授業などに教員を充てられなくなっているのでは」とみている。

2009年7月29日 (水)

校訓活用で報告書 来月全国に配布へ


 校訓を活用した学校づくりを広げるため、文部科学省が設置した有識者による推進会議が28日、報告書をまとめた。校訓を授業や行事を通じて子供と地域住民の意識に浸透させ、校訓が作られた経緯を振り返ることで次世代に引き継ぐ重要性などを指摘している。報告書は活用事例集とともに、8月中をめどに全国の教育委員会と学校に配布され、地域やPTA向けリーフレットも作製される。

公立中学:27%、授業増 夏休み、行事削減も−−新指導要領に備え


 公立中学校の27%で今年度から授業時間を増やしていることが、文部科学省の調査で分かった。

 新学習指導要領(12年度全面実施)で授業時間が増えるのに備え、理数教科を中心に「学力重視」へのシフトを早めているとみられ、夏休みや行事を削り授業に充てているケースも目立つ。

 今年4月1日時点の授業計画を、全国の公立中9930校に尋ねた。68%が「授業時間は変わらない」と回答したが、10%は「今年度から週当たりの授業を増やす」とした。また、20%は「学校行事を見直して授業を増やす」とし、9%は「長期休業を短縮して授業を増やす」と答えた(重複回答あり)。増加時間は年平均で、1年29・8コマ▽2年31・6コマ▽3年29・4コマ(1コマ50分)。

 文科省は今年度からの移行措置期間中、小学校(11年度全面実施)の総授業時間を増やす一方、中学校については「教員の負担増に配慮する」などとし、総授業時間を変えていない。理数教科を段階的に増やし、その間は選択教科などを減らして対応する計画だが、実際には選択教科などを維持する学校も相当数あるとみられる。

 一方、習熟度別授業など「個に応じた指導」を今年度計画しているのは公立小学校の90%、中学校の92%だった。08年度の実施率と比べるとそれぞれ6ポイント、3ポイント下回っている。

 文科省は「授業増への対応が必要となる分、習熟度別授業などに教員を充てられなくなっているのでは」とみている。

月収10万円未満4割 奨学金受ける高校生の母子家庭


 奨学金を受けている高校生をもつ母子家庭の4割は月収が10万円に満たず、貯金の取り崩しなどで懸命に教育費を工面している――。「あしなが育英会」(東京)がアンケートしたところ、こんな現状が浮かんだ。奨学金があっても教育費をまかなえない家庭が半数を超え、3人に1人が通学の交通費にも困っているという。

 アンケートは今月6日に発送、奨学金を受けている高校1年生をもつ母子家庭の母親327人の回答を集計した。

 それによると、働く母親の6月の給料の手取り額は平均11万6千円。10万円未満が39%あり、22%の家庭は支出が収入を上回って赤字だった。収入や奨学金で教育費をまかなえているという家庭は31%にとどまり、「不足している」が52%に及ぶ。具体的に何が不足しているかについては「定期代、通学費」(35%)が最も多かった。

 足りない教育費の工面は、「貯金の取り崩し」(32%)、「親類からの借金」(18%)、「生命保険金の取り崩し」(12%)が多く、「子どものアルバイト代から」(6%)という回答もあった。

 衆院選を前に各党は教育支援策を打ち出しているが、アンケートには「高校までは卒業させてあげたい。授業料をもう少し下げてほしい」「返済義務のない奨学金を大学まで受けられるようにしてほしい」といった訴えが記されていた。「子どもは私立高への進学を断念し、近くの公立へ自転車通学している。夜は10時までアルバイトしていて、卒業後は就職予定。ふびんです」という記述もあった。

小学英語は民間頼み、必修化控えて質が課題


 指導助手が次々と辞める、担任の直接指示に制約も

 2011年度から必修化される小学5、6年生の英語の授業について、文部科学省が全国の公立小学校約2万1000校などを対象に調査を実施したところ、昨年度に小学校で実施された英語授業のうち7割近くで外国語指導助手(ALT)が活用されていたことがわかった。

 生の英語を学ぶ機会が定着してきたことが浮き彫りになった形だが、一方では、簡単に授業を投げ出してしまうALTもいるなど、“質”の問題が浮かび上がっている。

 「また辞めるのか」。7月中旬、埼玉県内の市教育委員会の担当者は、業者から米国人ALTが交代するとの電話連絡を受け、頭を抱えた。4月以降、辞めるのは3人目。1人目は「通勤時間が長い」と小学校に現れず、2人目と3人目は「一身上の都合」などを理由に、1学期の授業だけで、学校から消えた。2学期からは4人目が来る。担当者は「継続性が大事なのにこんなに交代するなんて。児童たちにも説明ができない」と困惑する。

 「人件費を切りつめるから辞めてしまうんだろう」と、埼玉県内のある学校長はうち明ける。この学校のALT派遣を請け負った業者は、入札で、昨年の業者に比べてALT1人あたり31万円も安く落札した。

 文部科学省によると、ALTを活用した小学校の授業のうち、国が仲介する「JETプログラム」によるものが25%で、残りは民間業者への委託など。

 この市の場合、40余りの小中学校にALT約20人を派遣する民間業者と契約を結んだが、校長は「風邪で半日休み、給与とボーナスを両方カットされたALTもいた。なりふり構わぬ業者が増えれば、教育の質は保てなくなる」と危機感を募らせた。

 関係者によると、業者の新規参入が目立つようになったのは、小学校英語の必修化が打ち出された06年ごろから。かつてはJETプログラムで採用したALTを自治体が直接雇用するのが主流だった。

 しかし、自治体側はALTが住むアパートを契約したり、交代要員を確保したりしなければならない。民間業者に委託すれば、こうした手続きは不要になるため、業者を活用する自治体が徐々に増えてきた。

 民間ALTを雇用する場合は、学校側が人事管理をする必要がない「業務委託(請負)」にするケースが多い。この場合、教師がALTに直接指示すると、労働局から違法な「偽装請負」だと指導される可能性もあるため、「目の前のALTに指示してもらうため電話してくる先生もいる」(英語教育関連会社)。偽装請負について、文科省は05年に注意喚起の通知を出したが、契約方法は各自治体に一任。業者の実態についても把握しておらず、「質まで判断しようがない」と説明している。

 JETプログラム JETはThe JapanExchange and Teachingの略。学校で語学指導などを行うため、外国人に教育指導を行った上で各自治体に配置する事業。1人あたりの報酬は年間360万円(税引き後)。

2009年7月28日 (火)

母子家庭8割が生活苦しく 給料減少、教育にも影響


 父親を亡くした母子家庭のうち高校生のいる世帯で、今年6月の母親の平均月給(手取り額)は11万6000円にとどまり、約80%が昨年秋以降、生活が「苦しくなった」と感じていることが27日、あしなが育英会(東京)の調査で分かった。

 奨学金を受けている高校1年の母親計776人のうち42%から回答を得た。結果によると、月給は、前年8月の12万2200円から6200円減少。10〜14万円が最多の33%で、20万円以上は計8%なのに、10万円未満は計39%と家計の厳しさが浮き彫りになった。昨秋以降生活が「楽になった」は1%未満だった。

 教育費不足による影響(複数回答)を聞いたところ「塾に通わせられない」が43%、「学校を続けさせられるか心配」36%、「参考書などを十分に用意できない」34%、「進路を変更した」32%−などが挙がった。

国際化学五輪、日本の高校生が2つの金


 世界64カ国・地域の高校生らが参加した国際化学オリンピックが英国で開かれ、日本の小澤直也さん(東京・駒場東邦高3年)、遠藤健一さん(神奈川・栄光学園高2年)が金メダルを獲得した。中條淳博さん(奈良・東大寺学園高3年)が銀メダル、永澤(えいざわ)彩さん(兵庫・白陵高3年)が銅メダルで、参加した4人全員がメダルをとった。

学校の「いじめ隠し」防止へ文科省が指針


 文部科学省は、児童・生徒の自殺に対し、学校が原因などを調べる背景調査の方法の「指針」を策定する方針を決めた。

 学校側が調査を十分に行わない事例や、いじめが原因であることを把握していたにもかかわらず「原因不明」と報告する「いじめ隠し」が発覚するなど、学校や教育委員会任せの調査には限界があると判断した。学校に詳細な原因調査を実施させることで再発防止につなげる狙いがある。

 文科省は30日に精神科医、臨床心理士、大学教授、現役教員などをメンバーとする「児童生徒の自殺予防に向けた取組に関する検討会」(仮称)を同省内に設置。指針策定に向けた検討を開始し、来年度中に全国の小中高校に指針を示す予定だ。

弁護士や医師など第三者が調査

 指針は「調査の意義」と「具体的な方法論」の2本立てとする。「調査の意義」には、若者の自殺の実態を正確に把握することが、自殺の予防につながることを明記する。方法論は、学校による調査だけでなく弁護士や医師など第三者による調査の有効性を指摘し、人選の方法も盛り込む方向だ。

 北海道滝川市で2005年9月に小学6年女児が自殺し、市教委はいじめを訴える遺書を隠したまま、原因不明の場合などに相当する「その他」と報告。文科省の指示を受けた再調査でいじめが原因と認めた。また、文科省の07年度の「問題行動調査」によると、同省が把握した同年度の自殺者数は158人で、55・7%にあたる88人が「原因不明」と報告された。

2009年7月27日 (月)

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ニート対策あの手この手 幼稚園からキャリア教育!?


 幼稚園での「キャリア教育」から、新しい職業学校の創設まで−。文部科学省の中央教育審議会特別部会が、若者がニートやフリーターになることを防ぐために“あの手この手”の対策を模索している。しかし「少子化で大学全入の時代に、新しい学校を作っても…」と、対策案に疑問の声も出ている。

 特別部会が今月まとめた中間報告では、「中学や高校普通科での進路指導が、大学進学を意識したものに偏りがち」と指摘し、勤労観などを養うキャリア教育の重要性を強調した。特に小中学校で充実させるべきだとしている。委員からは「就学前も盛り込むべきだ」と指摘があり、「幼稚園からのキャリア教育」も盛りこまれた。

 キャリア教育を充実させる具体的な方策として特別部会は、「高校普通科で職業に関する教科・科目を増やす」「高校中退者にも進路のカウンセリングを実施する」「キャリア教育を小中学校と高校、大学相互で連携させる」などといった提案をした。

 提案の中には「大学と専門学校の中間に位置する新たな職業学校の創設」も含まれた。全カリキュラムの4、5割を演習型の授業とし、企業へのインターンシップ(就業体験)を義務づけるなど職業教育に特化させた学校をつくろうという構想だ。教員も企業での実務経験を多くするという。

 すでに中間報告に識者からさまざまな反響が寄せられている。「新たな専門学校構想」も反響が大きかった一つで、高校での職業教育に詳しい佐々木享名古屋大名誉教授は「少子化で専門学校も入学者確保が厳しいのに、似た学校をつくれば競合してしまう」と指摘。「大学への補助金を減らしているのに、新しい学校にお金を出す余裕があるのか」と疑問を投げかける。

 一方、「幼稚園からのキャリア教育」については、東京都私立幼稚園連合会が「周囲の状況について認識し始める時期の幼児にとって、いろんな職業が社会にあることを教えるのは、効果的かもしれない」とコメントするなど好意的な声がでている。

 特別部会では年末にも答申を出す方針。

2009年7月26日 (日)

新教育の森:学校に通えない日系ブラジル人 親「派遣切り」で困窮…夢半ば中退、帰国


 昨年秋からの金融不況で日本の製造業も打撃を受け、「派遣切り」は期間従業員の多い日系ブラジル人の生活を困窮させている。家族での来日が多い彼らの失業は、子供の教育問題に直結する。日系人の多く住む地域で何が起きているのか−−。

 ◆一家5人生活できず

 7月11日、中部国際空港(愛知県)出発ロビーで、ブラジルへ帰国する日系ブラジル人のアラウジョ・チアゴ・シルバ君(18)と両親、妹弟の一家が出国手続きに向かおうとしていた。県立大府高校(同県大府市)で5月までクラスメートだった3年生や教諭ら20人以上が一家を囲む。お別れのメッセージやカンパ資金を渡すと、「もう会えないなんて」と泣き出す女子生徒もいた。普段は気さくで冗舌なチアゴ君も「また戻ってくるから」と応えるのが精いっぱいだった。

 チアゴ君一家は01年に来日し、愛知県半田市に住み着いた。父はトヨタ自動車グループの下請け工場で派遣従業員として働いていたが、昨年秋に契約打ち切りを通告され、失業保険の支給も6月で止まった。

 ◆将来は日本語通訳に

 もともと一家は、一番幼い中学1年の弟(13)が高校を卒業するまで日本に住む予定だった。契約打ち切り後、再就職の見込みもなくなり、両親は帰国を急いだ。チアゴ君は「自分だけでも残り、アルバイトをして通学する」と説得したが、両親は「仕事に追われるようでは意味がない」と受け入れなかった。5月に一緒に帰国することを決め、授業料減免を受けて通っていた大府高も中退した。

 帰国までに「一度やってみたかった」と髪を茶色に染めたあどけなさが残るチアゴ君。サンパウロでは働きながら定時制高校に通い、将来は日本語の通訳になって、両国の懸け橋になるのが夢だ。

 取材に対しては「世界中が不景気だから仕方ない」と最後まで「祖国」への恨み節はなかった。「本当は大学へ行きたかった。受験勉強は平等な競争試験だから頑張れと言われていたんですが……」と一度だけ悔しそうな顔を見せたが、「サンパウロに行っても、リベルダージ(日系人街)でアルバイトをして、日本語を忘れないようにする」と、日本にいた8年間の意味をかみしめていた。

 ◇子供急減、ブラジル人学校経営難

 景気が悪化するまで、日本に住むブラジル人は増加の一途をたどっていた。法務省の外国人登録者統計では、かつての移民の子孫が来日したケースがほとんどとみられる「ブラジル人」登録者は増え続け、07年で約32万人。外国人全体に占める割合は97〜07年は15%前後で推移し、それぞれ3割近くの中国、韓国・朝鮮に次ぐ一大コミュニティーとなった。製造業の工場が集まる北関東、自動車メーカーのある愛知県、静岡県などの東海地域に集住地域がある。

 人口4万1916人(6月末現在)のうち、外国人登録者数が6746人で16%を占め、全国的にも外国人割合が多い群馬県大泉町は、4948人のブラジル人が住む国内有数のブラジルタウン。町のあちこちにポルトガル語の看板が目立つ。

 ◆不就学で表情暗く

 町内のブラジル人学校「日伯(にっぱく)学園」でも、200人以上いた生徒が、今年に入ってから急激に減り始め、今は80人になった。学校をやめた生徒のうち、3割がブラジルへ帰国。同じく3割は日本の公立校へ転校し、残りは不就学という。

 戸澤江梨香園長(43)は「公立学校と違って、ここは日系人のアイデンティティーを保つために重要。学校に来られなくなった子にたまに会うと、どんどん表情が暗くなり、大人の顔を見なくなっている。非常に心配だ」と話す。

 ブラジル人学校の経営は苦境に陥っている。文部科学省が昨年12月と今年2月の実態を比較した調査では、全国のブラジル人学校は、90校から86校へ減り、調査に応じた67校に通う子供の数も6373人から3881人へ大幅に減少した。通学をやめた子供の大半が帰国したり、親の雇用環境の改善を待って自宅待機している。

 国内最多の約1万8000人のブラジル人が住む浜松市で今年1〜2月、市内在住のブラジル人約2800人に実施したアンケートでは、「失業中」の回答が47%、「解雇を予告された」も13%に上る。直接雇用が少なく、派遣従業員として日本人以上に不安定な就労実態が浮かぶ。ブラジル人学校の授業料は通常、年間40万円程度と高額で、失業世帯が負担できる額ではない。

 教育基本法は、外国人について義務教育を定めていないが、公立校は希望があれば受け入れている。このため、ブラジル人の子供たちは、集住地域にあるブラジル人学校か、地元の公立学校という選択肢がある。それでも、子供の日本語能力が十分でなかったり、親が「将来、ブラジルに帰る可能性もある」と、ポルトガル語の授業があるブラジル人学校をあえて選ぶケースが多かった。

 ◆「私塾」扱い助成なし

 通常、外国人学校は「各種学校」として都道府県から認可され、助成も受けている。08年段階で、各種学校になっている外国人学校は全国に121校。しかし、朝鮮学校(77校)と、大都市を中心にあるインターナショナルスクール(27校)で大半を占め、ブラジル人などの南米系学校はわずか5校のみ。集住地域がある場合、認可基準を緩和している県もあるが、「日本語で細かい財務書類を出すには専門スタッフが必要。その人件費を出す余裕はない」(ブラジル人学校経営者)という事情もあり、認可校はそれほど増えていない。

 認可されないと「私塾」扱いのままで、行政が救いの手を差し伸べるのは難しい。憲法89条は公金について「公の支配に属さない教育などの事業に対し、これを支出してはならない」と定めているからだ。ブラジル人は来日してからの歴史も浅い。他の外国人学校のように、社会的に成功した卒業生からの寄付などが少ないことも高額な授業料につながっている。授業料収入減少につながる子供の帰国が増えれば、もともと財務基盤の弱い学校はさらに経営難になる悪循環となっている。

 ◇教科書購入費を補助 浜松市が全国初の救済策 総務省、特別交付税で支援

 浜松市の場合、自治体として何らかの救済策が必要と判断し、今年度から全国で初めて、ブラジル人学校の児童・生徒の教科書購入費の補助に踏み切る。市内の南米系学校6校のうち、各種学校として認可されているのは1校のみだが、「学校ではなく、子供を補助対象にすることで法の制約は受けない」(同市国際課)として、南米系学校に通学する児童・生徒745人を対象に、申請のあったものから1人1万円を上限に支給する。総務省もこうした自治体には、定住外国人の生活を守る緊急対策とみなし、今年度から特別交付税で支援する。

 ブラジル人救済のため、7月初旬まで募金活動をしていた「浜松ブラジル人緊急会議」代表の日本語教師、松井一哲(かずのり)さん(40)は「ブラジル人の子供たちは日本語、ポルトガル語とも中途半端なままで、このままでは考える力が身に着かない。教育は生活上、緊急性がないので後回しになってしまうが、放置すれば重大な結果になる。官民の支援が一層必要だ」と訴えている。

工業高校の技術で衛星作り


 全国から公募 5年後打ち上げへ

 「工業高校の生徒たちに衛星作りを通じて、物づくりの自信を持たせたい」――。全国工業高等学校長協会が創立90周年の記念事業として、「工業高校衛星」作りに乗り出した。

 大学や高等専門学校などが小型衛星を作り、ロケットで打ち上げる活動がここ数年盛んになっているが、全国規模で取り組むのは珍しい。同協会に所属する工業高校・工業科は624校で、生徒数は28万人にのぼる。文部科学省宇宙開発利用課では「宇宙開発に興味や関心を持つ若者が一挙に広がるのではないか」と期待を寄せている。

 工業高校は中堅技術者育成が目標。高度経済成長期には人気も高く、製造業を支える人材育成の場になってきた。しかし、最近では少子化、高学歴志向、理工系離れなどから、生徒数減少が続く。

 このため、同協会では、各種技術の検定事業を実施したり、「ロボット相撲全国大会」などのイベントを開催したりして、ものづくりの魅力をアピールしてきた。新たに衛星作りを加え、製作過程で得られた技術や技能などの情報を全国に発信、教材としても活用する予定だ。

 同協会では、重さ3キロから5キロの小型の観測衛星を、5年後にH2Aロケットで打ち上げ、アジアの緑の状況を調査する計画を練っている。

 全国の加盟校から電子回路、アンテナ、ソフトウエアなどの得意技術を公募し、教員の指導のもとで生徒たちが協力して作り上げる。「工業高校の力を社会に見せたい」と同協会では意気込む。

 ただ、様々な技術・技能を持つ教員がいても、衛星全体をとりまとめるのは初めて。このため、15年近くにわたって三菱電機の宇宙機器部門でエンジニアとして活躍した、長野県岩村田高校電気科教諭・村上久美子さんに助っ人を依頼。衛星作りの基礎知識の勉強を開始した。

 村上さんは「工業高校はものづくりは得意だが、衛星はその段階に持っていくまでの全体設計が大事。打ち上げまでに時間がかかるので、その間に生徒の興味をひく目に見える成果を出すことも重要」と、エンジニア時代とはひと味違う“設計条件”に知恵を絞る。工業高校の挑戦は始まったばかりだ。

「新漢検」から「漢熟検」に 別団体が通称見直し


 「新漢検」の通称で、日本漢字能力検定協会(京都市)の「漢検」とは別の漢字検定を実施予定だった日本漢字習熟度検定機構(東京都千代田区)が、通称を「漢熟検」と変更したことが25日、分かった。協会側が「新漢検」の通称を使用しないよう申し入れていた。

 機構によると、6月に「新漢検」の商標登録を出願したが、協会が通称見直しを要請。機構は7月15日付の文書で「競合して事業を展開するものではない」と、名称変更を受け入れる意向を協会に伝えた。

 機構は兵庫県の高校の国語教師OBらが中心となり2月に設立。12月5日に第1回検定の実施を予定している。パンフレットや出版予定の教本については、9月1日までに新たな通称を使用して印刷し直すという。

原爆の子の像で碑前祭 広島


 8月6日の広島原爆の日を前に、広島市の小中学生らが24日、平和記念公園(同市中区)の「原爆の子の像」に集まって碑前祭を開き、あらためて平和を誓った。

 像は被爆10年後に白血病を患い、病床で鶴を折り続けながら12歳で亡くなった佐々木禎子さんをモデルに、同級生らが全国から募金を集め1958年に建立。国内外から平和を願って折り鶴がささげられている。

 碑前祭は、禎子さんが通っていた市立幟町中の生徒でつくる実行委員会の主催で89年から毎年開いている。21回目の今年は、同校を含め29校の児童・生徒が参加。

大阪府の学力テスト公開 塩谷文科相「情報渡さないことも」


 塩谷立文部科学相は24日の閣議後会見で、大阪府教育委員会が全国学力テストの市町村別成績を一部を除き公開すると決めたことに「条例で公開する状況に対抗するのは難しい。個人的には来年から情報を渡さないこともやる必要があるのかなと思う」と述べた。

 一方で「そこまでいくとおかしくなる」とも付け加え、データの公表を目的とせず、結果を踏まえてどう改善するかにつなげるべきだとの考えを強調。「市町村教委が認めていないのに出すことは問題。しっかり話し合ってほしい」と語った。

2009年7月25日 (土)

学期単位で“留学”も 九大と鹿大の法科大学院


 九州大(有川節夫学長)と鹿児島大(吉田浩己学長)は23日、両大学の法科大学院が学生を相互に受け入れる教育連携協定を締結した。特別聴講学生として、3年生前期のカリキュラム全部を相手方の大学で履修して単位を取ることができる。

 両大学によると、科目ごとの制度は各地にあるが、法科大学院で学期単位での互換を認めるのは全国初という。学生寮なども利用でき、最長1年間まで延長可能。法科大学院間で“留学”が実現する形だ。

 有川学長は「普段と違う先生に学ぶことで学生に緊張感が生まれ、教育効果は数十倍に上る」と期待。鹿大の采女博文法科大学院長は「知的財産法など鹿児島大に不足している分野で、深く勉強したい学生を(九大に)送り出したい。多くの学生に切磋琢磨(せっさたくま)し合ってほしい」と話している。

2009年7月24日 (金)

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社会人のための大学院への進学情報


 100年に一度ともいわれる金融危機と経済不況の波が押し寄せ、ビジネスマンを取り巻く環境に厳しさが増している。そんな中、より高度な専門知識を学んでキャリアアップしたり、キャリアチェンジのためのベースを築くために、大学や大学院へ通う社会人が増えている。


 「大学・大学院で人生を変える! 2010年版」(読売新聞社刊、23日発売)では、専門知識の研究だけでなく公認会計士や法律家、税理士、弁理士などの資格も目指せる大学院を特集。それぞれの資格について詳しく解説しているほか、合格率の高い大学院ランキングも紹介している。


 また、法科大学院やビジネススクールなどの授業を実況中継。90分の授業内容をリアルに伝える。「働きながら学べるか」「どんな大学院に行くべきか」といった質問に答えるQ&Aのほか、気になる学費対策など多様な情報を盛り込んでいる。

獣医師育成:課題は公衆衛生教育の充実 文科省専門家会合、16大学点検


 獣医師を育てる大学の教育を見直す文部科学省の専門家会合が22日開かれ、獣医学部・学科を持つ国公私立計16大学についての点検結果が公表された。同会合は報告書で「多くの大学で公衆衛生等の社会的要求が高まっている分野の教育内容に課題がある」と分析し、教育の充実と学生に教える専門家の育成が急務だと指摘した。

 すべての獣医学部・学科で最低限実施するのが望ましい73の履修科目を選び、それらが各大学で十分教育されているか、5段階(上からA〜E)で評価。その結果、公衆衛生に関連する実習科目で、全体的に教育内容の充実度が低いことが判明。例えば環境汚染物質や環境影響評価を学ぶ環境衛生学実習や、牛海綿状脳症(BSE)など人獣共通感染症に関する動物の疾病予防などを学ぶ動物衛生学実習は、計12大学で必要とされる教育内容の6割未満(C〜E)にとどまった。食品添加物や食中毒の検査を学ぶ食品衛生学実習も9大学が同様にC以下で内容が不十分だった。

新入部員歓迎会で飲酒、1年生が溺死 東洋大空手道部


 東洋大学(東京都文京区)の体育会空手道部が今月初旬、埼玉県内の河原で開いた新入部員歓迎会で、全員が酒を飲み、19歳の1年生男子部員が川でおぼれて亡くなっていたことが分かった。大学は「上級生の無理強いはなかった」としているが、警察が関係者に事情を聴いている。

 同大や埼玉県警寄居署によると、空手道部は理工学部などがある川越キャンパス(埼玉県川越市)の体育会に所属。今月5日、同県寄居町の荒川玉淀河川敷で、新入部員歓迎のバーべキュー会を開いた。1〜4年生の部員15人のうち13人が参加し、9人が未成年だった。午前11時ごろに始め、最初に全員でビールで乾杯したという。教授などの監督者はいなかった。

 午後1時ごろ、遊んでいたビーチボールが川に落ちたため、数人で取りに入ったが、うち理工学部1年生の学生(19)が流され、姿が見えなくなった。通報を受けた寄居署員らが捜索し、約20分後に川の中で学生を発見し病院に運んだが、死亡が確認された。同署によると、死因は水死で、血中からアルコールも検出された。

 大学は部員らに事情を聴いたが、「未成年者は最初の乾杯で口をつけただけで、その後はソフトドリンクしか飲んでいない」と説明。飲酒や入水の強制はしていないという。処分について広報課は「まだ学内調査や警察の捜査が続いており、いずれ検討する」としている。

被爆者らが「原爆の日」講演予定の田母神氏に抗議


 田母神俊雄前航 空幕僚長が「ヒロシマの平和を疑う」の演題で8月6日の原爆の日に広島市で予定している講演は「被爆者の心情を逆なでする」として、広島県原爆被害者団体協議会(坪井直理事長)など7団体は22日までに、日程変更を求める抗議文を主催者の日本会議広島に郵送した。

 抗議文は7団体連名で21日付。日本の核武装論を唱える田母神氏は「被爆者を再び生まないために核兵器廃絶を訴える『ヒロシマの心』の自覚に乏しい」と指摘、「講演会は原爆死没者への冒涜(ぼうとく)で、平和を願う人たちへの挑戦とも言うべき暴挙だ」と批判している。

 田母神氏はこれまでの取材に「主催者が変更しない限り、やる。私の意見と合わないから被爆者が一方的にやめろというのは、言論弾圧みたいな話だ」と語っていた。

2009年7月23日 (木)

慶応義塾:小中一貫校、開校時期を延期


 慶応義塾(東京都港区)は21日、横浜市青葉区に11年4月開設を予定していた小中一貫校の開校時期を延期すると発表した。世界的な金融危機の影響で、08年度決算が過去最大の269億円の大幅赤字となったため、大規模事業の見直しを迫られていた。新たな開校時期は未定。

 小中一貫校は慶応義塾創立150周年(08年)記念事業の一環で、横浜市から53億円超で購入した約5ヘクタールの敷地に校舎を新設、1学年120人で開校する計画。

慶応、「第二の幼稚舎」開設を延期 経営不振で見直し


 慶応義塾は21日、横浜市青葉区に計画中の小中一貫校の開設を延期すると発表した。08年度決算が269億円の支出超過に陥った影響で事業の見直しを進めており、同日の評議員会で決めた。

 定員120人の新しい小中一貫校は、慶応義塾創立150年記念事業の目玉の一つ。用地は約54億円で同市から購入済みで、今秋着工し、11年4月に開設予定だった。慶応大までエスカレーター式で進める小学校として人気の慶応幼稚舎(東京都渋谷区)に続く「第2の幼稚舎」として注目されていた。

 ところが、昨年来の金融危機が学校経営を直撃。株式などの含み損がふくらみ、資産運用収入も大幅に減ったことから、記念事業全体を見直すことにしたという。開設の時期や、建設費をどう見直すかは今後の財政状況を見ながら検討するとしている。

 横浜市によると、建設予定地は同市青葉区の東急田園都市線江田駅から徒歩数分の2カ所で計約5ヘクタール。もとは市立小中学校の用地だった。07年に目的を私立学校建設に限定して購入者を公募し、3校の中から慶応義塾が選ばれた。

ゲーム機で英単語学習


理解度をグラフ化 やる気アップ

 携帯ゲーム機を活用した英単語学習に、岡山大学の寺沢孝文教授が取り組んでいる。英単語習得は繰り返し学習がカギ。

 ゲーム機の助けを借り、各単語の理解度を客観的に評価することで、学習の効率アップを目指す取り組みだ。

 使われるのは寺沢教授の特許をもとに作られた任天堂DS用のゲームソフト。大学入試レベルの英単語2170個が難易度で7コースに分類されてお り、学習者が実力に応じてコースを選ぶ。1日100語を約15分かけて学ぶ。

 最大の特徴は、各単語の理解度を客観的に評価する仕組みだ。英単語帳を使う場合、前半に掲載された単語ばかりを繰り返すような偏った学習に陥りが ち。寺沢教授は「各単語の学習間隔がまちまちでは、ある単語が本当に身についているかどうかを正確に判定できない」と語る。よく覚えていても、たまたま最 近学習したばかりだった可能性があるためだ。

 ゲーム機は、同じ単語ばかりが出題されないように、出題間隔を自動調整。各単語が偏りなく出題されるようにスケジュール管理してくれる。このた め、最近学習した効果で覚えたつもりになることを防ぎ、本当の実力が判定できるという。

 画面に表示される英単語を見て、まず、意味や発音が分かるかどうか、「良い」「もう少し」「だめ」「全くだめ」の4段階で自己評価。次に、本当に 意味や発音が正しいか、正解の画面で確認する。自己評価の得点の変化がグラフで表示されるため、学習者のやる気も高まる。

 岡山大法学部2年の細田聡子さん(19)は「英語は苦手だったけど、実力が上がるのがグラフで確認できるので学習を続けやすい」と話す。研究生の 尾添信枝さん(61)は「年をとって忘れっぽくなったと思っていたが、続ければ成果が出る。自信になった」と喜んでいた。

慶応小中一貫、開校を延期


 慶応義塾(東京都港区)は21日、横浜市青葉区に2011年4月に予定していた慶大付属小中一貫校の開校を延期すると発表した。

 慶応義塾広報室によると、開校延期は、昨秋以降の景気低迷で保有していた有価証券の時価評価が下落するなど財政状況が悪化したため。小中一貫校の開校は、08年に迎えた創立150周年の記念事業の一環として07年に発表。用地を取得し、今年10月に着工の予定だった。財政面を考慮して記念事業全体を見直すという。新たな開校時期について同広報室では「可及的速やかに着工することを前提として現在検討中」としている。

2009年7月22日 (水)

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44年ぶり生徒指導の基本書案、ネットいじめ対応策も 文科省


 教育現場が抱える問題に対する生徒指導の方法などをまとめた基本書「生徒指導提要(仮称)」の作成を検討している文部科学省は21日、専門家らによる協議会で、この基本書に盛り込む項目案を提出した。近年、社会問題となっているインターネットによるいじめへの対応策が、項目に盛り込まれたのが特徴。生徒指導用の基本書が作成されるのは44年ぶりだという。

 項目案ではこれまでの基本書にくわえ、携帯電話・インターネットにかかわる課題▽児童虐待への対応▽いじめへの対応▽命の教育と自殺の防止▽発達障害への対応−など計28項目が新たにあげられた。協議会でこの項目案について議論され、平成22年3月までの基本書作成を目指す。

 基本書をめぐっては旧文部省が昭和40年、少年非行の増加を受けて教員向けに「生徒指導の手引き」を作成。校内暴力が問題となった昭和56年に一度、改訂されたが、それ以降は改訂されず、現代の教育問題に対応していないとして大きな課題と なっていた。

同志社大院に「スポーツ健康科学研究科」新設 定員8人


 同志社大は21日、新たな大学院となる「スポーツ健康科学研究科」を来年4月、京田辺キャンパス(京都府京田辺市)に開設すると発表した。修士課程(定員8人)のみで、健康科学、トレーニング科学、スポーツ・マネジメントの3分野を設ける。健康増進やスポーツの発展に貢献できる人材の育成をめざすという。

「小柴教室」高校生32人参加


 ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」の高校生講座「小柴教室」(読売新聞社、NHK共催)が21日、横浜市の横浜サイエンスフロンティア高校で開かれた。

 高校生32人が参加し、ニュートリノ観測施設「カミオカンデ」の原理を使った宇宙線検出器を手作りした。ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊・平成基礎科学財団理事長は「宇宙、人間、素粒子」と題して講演した。

【教え育てる】学習院初等科長 三浦芳雄(みうら・よしお)“学習院の宝物”沼津海浜教育/


 今年も来週初めの26日から4泊5日の日程で、6年生の沼津海浜教育が始まります。明治38年の片瀬海岸から続いている初等科の伝統行事。男子は「あかふん」こと赤い下帯、女子は紺の水着に赤い指導帯姿で、泳力別に10班ほどに分かれて練習に打ち込みます。

 圧巻は4日目に予定している距離泳です。2000メートル、1000メートル、900メートル以下の3グループに分かれて、それぞれの目標に挑戦します。沼津にくるまで長い距離はほとんど泳げなかった児童が、2000メートルを泳ぎ切ることもあります。

 かつての初等科の泳ぎは、平泳ぎや立ち泳ぎを中心とする日本泳法の小堀流を学んでいました。

 しかし、その後の指導には先生方に加えて、学習院游泳会の皆さんの協力が欠かせません。かつてこの海浜教育に参加して泳ぎが大好きになったという初等科卒業生を中心に、今年も大学生から社会人まで約30人の方が手弁当で駆けつけ、児童の安全を守る和船の操船から、海上での飛び込みに使う脚立の設置まで手伝ってくださるのです。

 学習院の沼津游泳場は明治45年、第10代乃木希典(まれすけ)院長によって作られました。木造平屋の3棟の寮は今もほとんど当時のままです。児童は夜、障子で仕切られた畳の部屋で蚊帳(かや)を吊って寝ます。そして先生や大人の先輩たちと“同じ釜の飯”を食べる生活。

 起床から就寝まできちんと組まれたスケジュールの中で、児童は心身を鍛えていきます。指導者への尊敬、共通の目標をもつ友達との連帯感、卒業生の強い母校愛と日本の伝統的な文化や生活への理解。これらが「沼津」を支えています。前科長の中島先生は、沼津は「学習院の宝物」といっていました。

2009年7月21日 (火)

国際数学五輪で高校生5人「金」 物理五輪でも2人


 高校生らの国際数学オリンピックと国際物理オリンピックがそれぞれ、ドイツとメキシコで開かれ、日本から参加の計11人全員がメダルを獲得した。数学に出場した6人では5人が金メダルを獲得した。全員の成績は次の通り。

 【数学】金メダル 今村志郎さん(兵庫・灘高3年)、岸川滉央さん(福岡・久留米大付設高2年)、副島真さん(東京・筑波大付属駒場高3年)、滝聞太基さん(同)、保坂和宏さん(東京・開成高3年)▽銅メダル 石川卓さん(兵庫・北摂三田高3年)

 【物理】金メダル 蘆田祐人さん(神奈川・慶応義塾高3年)、東川翔さん(茨城・水戸第一高3年)▽銀メダル 難波博之さん(岡山・岡山朝日高3年)▽銅メダル 安藤孝志さん(愛知・旭丘高3年)、横田猛さん(福岡・西南学院高3年)

夏休みの宿題


 夏休みの宿題が変わってきている。ドリル帳や作文、図画工作など定番の宿題を出す学校の一方、全国学力テスト上位の秋田では苦手や興味に応じて毎日計画を立てる家庭学習ノートを活用する学校もあり、学力アップの“秘密”のよう。またインターネット上には手軽にできる自由研究や有料で作文を書いてくれるサイトまで登場している。

ドリル帳

 40代後半の記者の場合、小学生時代の夏休みの宿題は、国語、算数、理科、社会4教科のドリル帳のほか、作文や毎日の天気、絵日記、工作…。8月末にあわててやった。

 最近は民間業者の市販ドリル帳を使わなくなった学校もある。秋田県のある中学教頭は「市販ドリルは教科別に工夫され色もきれいだが、学力の高い子にはもの足りず、学力に課題がある子には負担。10年ほど前からか使っておらず、日々の授業を担当する教師がプリントをつくる」という。

秋田の秘密

 全国学力テストでは学校外での学習などと学力との関係も分析され、夏休みの宿題などをきちんと出している学校の学力が高い。秋田県では夏休みの宿題などを出す学校の割合は全国平均より小、中とも10ポイント以上高いという。

 秋田県のある小学校では「特に変わったことはしていない」という一方で、学期中の日頃から大学ノートを家庭学習ノートとし、児童が毎日、漢字や計算練習など自宅で行う計画を記入、宿題として実行している。夏休み中もこのノートを使い、平均で1日2ページぐらい勉強する。

 また別の中学教頭は「夏休みに入る前に担任と生徒が苦手分野など相談し、夏休みの課題の計画を立てる。多すぎても続かない。1日の課題はA4プリント1枚裏表程度。継続が大切だ」と話す。

感動を

 平成10年の学習指導要領改定で導入された総合学習や、パソコンを活用した「調べ学習」の推進などの影響で、ネット上には簡単にできる自由研究や理科実験などを紹介するサイトが目立っている。

 また作文の添削のほか、学年などの項目を記入すれば、“プロ”が400字詰め原稿用紙1枚5000円程度で作文を書いてくれるというものまで登場している。

 TOSS(教育技術法則化運動)代表の向山洋一さんは「インターネットを活用することは悪いことではないが、そのまま印刷して持ってくる子供、それを認めてしまう教師もいる。ネットの情報は(1)公的機関の調査か(2)発表年度は(3)内容を理解しているか−を踏まえ、情報を分析する視点を指導する必要がある」と指摘する。

 向山さんは印象に残っている子供たちの宿題があるという。中学受験を控えた小学生の男子は何度も海岸に通ってウミウシの自由研究をまとめ、母親も海辺で見守った。またある女子児童は旅行で出合ったものや体験をノートに記録。家族5人で東海道を歩いた子もいた。子供がいかに熱中するか、家族との体験も貴重だという。

 向山さんは作文を例に「9割の子は朝からあったことを順に書きがちだが、(1)感動したことを書く(2)感動した頂点のことから書き出す−この2つが秘(ひ)訣(けつ)」とアドバイスする。

民主、来年度から「公立高無償化」 学費分12万円支給


 民主党は、総選挙で政権交代が実現した場合、来年度からすべての国公立高校生の保護者に授業料相当額として年間12万円を支給し、事実上無償化する方針を固めた。私立高生の保護者にも同額を支給し、年収500万円以下なら倍の24万円程度とする。高校進学率が98%まで達する中、学費を公的に負担すべきだと判断したといい、マニフェスト(政権公約)に盛り込む考えだ。

 民主党はかねて高校無償化を主張していたが、不況が深刻になり、高校進学を断念したり、入ったものの中退したりする生徒が増える中、具体案を詰めて優先課題に位置づけた。多くの企業が業績を落とし、収入が減って不安が広がっており、所得制限をかけず支給するよう判断したという。15日の「次の内閣」の会合でも衆院選の主要政策とすることを確認した。

 実現には年間約4500億円の追加予算が必要と試算しており、国の事業の無駄を洗い出し、不要と判断したものを廃止・縮小することで財源の確保は可能としている。

 ただし、同党は一方で、高速道路無料化、ガソリン税などの暫定税率撤廃といった「目玉政策」も来年度から実施する方針だ。これらに7兆円程度を見込んでおり、全体の予算編成の中で本当に財源が確保できるか、現段階では不透明だ。

 他にも、中学生までの子どもがいる家庭に対し、月2万6千円の「子ども手当」を支給する方針で、政権公約では来年度に半額支給からスタートさせるとしているが、その財源確保策として配偶者控除を廃止するため、妻が専業主婦で子どものいない65歳未満の世帯は負担増となる。

 親の年収が400万円以下の学生に生活費相当額の奨学金を貸すなどの奨学金拡充、幼稚園や保育園の無償化推進なども検討しているが、教育・子育て支援は一方で子どものいない世帯の負担増にもつながり、議論になりそうだ。

 同党は他にも、マニフェストの母体となる09年版の党政策集に盛り込む教育政策を固めている。教員の質を高めるため大学の教員養成課程を医歯薬系並みの6年制とし、教育実習を1年間に大幅延長する▽学校の風通しをよくするため保護者や住民らが参加する「学校理事会制度」を創設する――などとしておりマニフェストへ盛り込むことを検討している。

2009年7月20日 (月)

医師不足で医学部入学定員増を発表 文科省


 全国各地で深刻化する医師不足の解消に向けて、文部科学省は17日、平成22年度の大学医学部入学定員を国公私立合わせて最大369人増員すると発表した。増員後の総定員は国公私立79大学で最大計8855人と過去最多となる。

 計画では、各自治体に対し最大7人、全47都道府県で最大計329人▽複数の大学と連携しながら研究医を養成する大学に対し最大計10人▽歯学部と医学部の両学部を持つ14大学(国立11、私立3)のうち、歯学部の入学定員を削減した大学に対し最大計30人−の増員をそれぞれ認定する。

 地域間などで発生する医師数の偏在是正のため、人材を確保するよう求めた政府の「骨太09」を踏まえて増員計画が作成された。

 総定員は31年度までの10年間、同数に設定する。ただ、状況によって毎年、増員数が見直される可能性もあるという。

2009年7月19日 (日)

児童養護施設中学生、塾費用は国・自治体が全額負担


 児童養護施設で暮らす中学生が学習塾に通う費用を国と自治体で全額負担する制度が今年度から始まっている。施設で暮らす中学生の中学卒業時の就職率は8.3%(06年度)と、中学生全体の10倍以上。塾通いを支援することで、高校進学率を伸ばし、その後の自立を促すのが狙いだ。

 厚生労働省によると、07年10月現在、全国564の児童養護施設で3万846人が暮らす。うち、両親がともにいない子は1割弱。6割は親はいるが虐待を受けた子だ。

 高校に進学しないときは、自立援助ホームに移るなどして引き続き生活指導や就労支援を受けられる場合もある。ただ、定員が十分ではなく、中学卒業と同時に自活しなければならない子も多い。

 しかし、就職しても、虐待の影響で精神的に不安定になったり、人間関係につまずいたりと自立の道は険しいという。全国児童養護施設協議会(全養協)の調べでは、04年3月に中学を卒業して就職した子の約3割が、1年以内に職を変えている。

 特に虐待を受けた子にとって、心の傷を癒やし、社会に適応していくためにも高校3年間は必要な時間だとして、全養協は進学のための学習支援の拡充を国に求めてきた。

 補助の対象となる中学生は約7千人いる。通えるのは、英・数・国・理・社の5教科を教える学習塾。入会金や授業料に加え、講習会費、教材費、模擬テスト代、交通費などすべての費用を国と都道府県や指定市など児童養護施設を所管する自治体とで半額ずつ負担する。国は今年度予算として約7300万円を盛り込んでいる。

 都市部では、塾に行かないのはクラスで施設の子だけ、という中学校もあるという。全養協の制度政策部長で二葉学園(東京都調布市)の武藤素明施設長は「学力を伸ばせるだけでなく、友だちと同じように通えるということは大きな自信になる」と話す。

 東京都の少子社会対策部育成支援課によると、6月末現在、都内では8施設から計約100万円の申請があったという。

淫、呪…どうする? 新常用漢字登用で議論白熱


 「常用漢字から『淫』は削除すべきだ」「それは言葉狩りにつながる」−。漢字使用の目安となる常用漢字表(1945字)の見直しを進める文化審議会の漢字小委員会で17日、第1次試案で追加された191字のうち、教育現場から不適切との指摘を受けた「淫」「賭」「呪」「艶」などの漢字の扱いをめぐって議論が白熱した。

 委員の1人が「子供は漢字を文脈の中で理解して覚えるが、教師は『淫』などの字をどう適切に教えればいいのか」と削除を求めると、別の委員がこれに反発。「中高生になればみんな知っている。要は教え方の工夫の問題だ」と切り返し、「規制すれば言葉狩りになる」と語気を強めた。他の委員からも「残すべきだ」とする意見が出された。

新教育の森:小中の壁取り払い、中1ギャップ解消 広島・呉中央学園の一貫教育


 「小中一貫教育」が注目されている。小中の壁を取り払うことで「中1ギャップ」を防ぐのが狙いだ。効果はあるのか? 取り組み開始から10年目を迎えた広島県呉市の市立呉中央学園を訪ねた。

 ◇5〜7年生手厚く…

 「呉中央学園」の視聴覚教室。選択学習で「環境問題」を選んだ小学生と中学生が仲良くパソコンに向かっていた。「『オゾン層』と『地球温暖化』で検索してみようか」。中学生の男子生徒が小学生に声をかけながら、インターネットの画面をスクロールしていく。

 5、6、7年生(中学1年)が合同で学ぶ「中期選択教科」は、学園の小中一貫教育の象徴とも言える授業だ。5、6年生のうちに中学の雰囲気に慣れさせるとともに、中学では最も下の学年になる7年生にリーダーシップを発揮させて、やる気を引き出すのが狙いだ。学園では小学1〜4年を「前期」、5〜7年を「中期」、8、9年(中学2、3年)を「後期」に分けてカリキュラム編成し、小中の境目となる「中期」の教育に最も力を入れている。

 ◆小5から心は不安定

 呉市中心部にある学園の前身の旧二河中と隣接する旧二河小、さらに道路をはさんだ旧五番町小の3校で小中一貫教育の研究が始まったのは00年。全国的に「中高一貫」は注目され始めていたが、「小中一貫」はまだ議論の対象にもならなかった時代だ。当時の呉市では、例えば、暴力や喫煙などの問題行動発生率(98年度)は、小6で1・4%(1954人中28人)だったが、中1になると5・1%(1939人中99人)に増加。旧二河中も時折たばこの吸い殻が見付かる「荒れた学校」の一つだった。

 一方、3校が01年に行ったアンケートでは「周りから大切にされていると思うか」「自分の良いところが分かるか」といった思春期の心の変化を探る質問への答えに、4年生と5年生の間に顕著な差があった。5年生以降、自分に自信が持てず、精神的に不安定になる子供が明らかに増えるのだ。中1で急増する問題行動も、細かく見ると小5段階でわずかだが増加の兆候があり、アンケート結果とも合致した。

 こうした調査も踏まえ、3校の当時の教諭らは、学級担任に優しく見守られた小学校と教科担任制の中学との環境の違いに加え、英語や数学など授業が格段に難しくなることで、潜在的にあった問題行動の芽が中学入学後に表面化し、いじめや不登校なども急増するのではと考えた。今で言う「中1ギャップ」。この解決策として研究が始まったのが小中一貫教育だった。

 ◆当初は教員ら衝突

 具体的には中期選択教科のような合同授業のほかにも、運動会やボランティア活動など小中学生が一緒に学ぶ機会を多く設けた。さらに英語教育を小学5年から始め、5、6年生の英語、算数、国語の授業は、中学の担当教師が小学校の担任と一緒に行うことにした。小学生のうちから教科担任制に慣れさせるとともに、中学の教員を早めに知ることで中学進学時の環境の変化を緩和するのが狙いだ。

 もっとも、軌道に乗るまでには数年がかかった。それまで小中の教員間に交流はほとんどなく、「中1ギャップ」についても、中学側は「小学校で基礎をちゃんと教えてこなかったせいで授業に付いていけなくなったのが原因」、小学校側は「卒業するまでは問題なかった」と互いに責任をなすりつけてきた。

 旧五番町小の当時の校長で、現在は市教委の小中一貫教育校設置推進アドバイザーを務める長岡利生さんは「最初のころは小中の先生が怒鳴り合っていた」と振り返る。他方、小学校の保護者から「中学生の悪影響を受ける」と心配する声が上がるなど、周囲も懐疑的だった。

 しかし、小中の教員が互いの職員室を行き来し、打ち合わせや研究を重ねることで徐々に相互理解が生まれていった。小学校で算数も教える数学教員の羽根誠一教諭(52)は「この子たちが小学校時代に何が苦手だったか分かっているので、どこに気を付けて教えればいいか分かるようになった」と指導法の変化を語る。6年生の萩川稜菜さん(12)も「中学の先生も知っているから気楽。早く中学に行ってクラブ活動をしたい」と笑顔を見せた。

 ◆問題行動の生徒減る

 7年間の研究期間を経て、3校は07年春、旧二河小と旧五番町小を統合した呉中央小と、旧二河中から改名した呉中央中の小中2校による小中一貫校「呉中央学園」として、新たなスタートを切り、5、6年生は中学と同じ敷地に移転。11年春には5〜7年生の教室と小中合同の職員室などが入る新しい校舎も完成する。市内には今春、もう1校小中一貫校が誕生した。

 学園によると、二河中時代の02年度に20人いた中学の不登校生徒数は、05年度以降は1けたで推移。たばこなどの問題行動で指導した生徒の数も3分の1以下に減っているという。

 市教委アドバイザーの長岡さんは「ゼロになったわけではないが確実に落ち着きを取り戻した。小中の教員が切磋琢磨(せっさたくま)し、学校も落ち着いたことで学力も上がっている」と成果を強調した。

 ◇小6→中1、不登校3倍に 増える一貫教育、近隣数校で連携が大半

 小中一貫教育を導入する学校や自治体の狙いは、呉中央学園と同様に「中1ギャップ」の解消だ。例えば、06年度の小学6年生の不登校児童は8164人だったが、この学年が07年度に中学1年生になると、約3倍の2万5120人に膨れ上がった。暴力行為も増え、加害児童生徒数は06年度の小6の1720人から07年度の中1は1万321人と6倍増だ。

 「小中一貫教育」には明確な定義があるわけではない。全国的に有名な東京都品川区の場合は、06年4月に開校した「日野学園」を皮切りに、13年度までに区内6地区に1校ずつ小中学生が同じ校舎で学ぶ施設一体型の小中一貫校を新設。1校当たり50億〜60億円程度かかる巨大事業だ。渋谷区や京都市、奈良市などでも新設計画がある。隣接していた学校同士を一体化した呉中央学園もこのタイプに近い。

 大半の自治体や学校は、既存の中学校と周辺の小学校数校の連携を「小中一貫教育」と呼んでいる。中学校の教員が小学校に出向いて授業をしたり、小中合同行事や合同の教員研修を開くなど工夫はしているが、施設一体型に比べれば当然、頻度は少なく、学校間の距離や担当者の熱意などによって取り組みには大きな差がある。

 文部科学省によると、学習指導要領にはない特別な教育課程を編成して「小中連携」を行っている「特例校」は、今年4月1日現在、19市区町村教委の小学校496校、中学校241校。ただ、特例校に指定されなくても小中一貫教育は可能で、正確な数は把握できていない。今年に入り、大阪市と神戸市が11年度から、横浜市が12年度から市内の全市立小中学校で小中一貫教育を始めると発表するなど、確実に増加傾向にある。

夏休みに新型インフル余波 近畿の公立校、休校分短縮も


 近畿の多くの公立小中高で17日、終業式があった。しかし、新型インフルエンザの影響で5月に約1週間の休校などとなった大阪、兵庫両府県では、終業式を遅らせるところも。夏休みの一部が授業に変更となり、旅行などを予定していた家庭からは戸惑いの声も聞かれた。

 大阪市では17日に市立小中学校の終業式があった。夏休みを短縮し、2学期は8月27日から始める。補えない分は短縮授業の日を平常授業とするなどして対応する。

 大阪市福島区の市立鷺洲小の終業式では、古田豊子校長が「今年はインフルエンザのため8月27日から2学期が始まります。夏休み中も手洗い、うがいの習慣を続けましょう」と話した。1年生の奥出凪津子(なつこ)さん(7)は「夏休みが短くなり、ちょっと悲しいけど、インフルエンザで休んだ分、お勉強もしなくちゃいけないから。休みの間はいっぱいプールで泳ぎたい」と笑顔で話していた。

 兵庫県宝塚市も17日に終業式があったが、2学期の始業式は8月25日。市教委の担当者は「秋以降の新型インフルエンザが心配される中、不足した授業の穴埋めをずるずる先延ばしにはできない。8月中に補っておかないと安心できない」と話す。

 一方で、大阪府茨木市の市立小学校は17日も平常通り、授業をした。終業式は大阪市より1週間遅い24日となる。茨木市立小に5年の長男と2年の長女を通わせる主婦(36)は、7月下旬のキャンプに2人を参加させることにしていたが、登校日と1日重なった。子どもだけで参加する人気の催しで、早々と4月に申し込んでいた。主婦は「夏休みの最初に予定を入れる人は多いので、できれば時期を考えてほしかった」と話す。

 このほか、大阪府貝塚市や兵庫県の伊丹市、市川町などは夏休みを削らず、平時に少しずつコマ数を増やして不足分を解消する。大阪府豊中市も、夏休みの短縮は小学校で1日、中学校で2日にとどめた。神戸市は夏休み中に3日程度の授業日を設けることにしており、時期は学校に委ねた。大阪と兵庫の府県立高校の多くは夏休み中の一部を授業日にする。

生物学五輪、日本初の金…全員が入賞果たす快挙


 世界の高校生が生物分野の知識や実験技術を競う第20回国際生物学オリンピック(読売新聞社など後援)が茨城県つくば市で18日まで開かれ、日本代表4選手のうち、大月亮太選手(千葉・県立船橋高3年)が、日本初の金メダルに輝いた。

 中山敦仁(兵庫・灘高2年)、谷中綾子(東京・桜蔭高2年)、山川真以(同3年)の3選手もそろって銀メダルを獲得、全員が入賞を果たす快挙となった。

2009年7月18日 (土)

通知表:教師の「本音」は マイナスの言葉書けず


 ◇「騒がしい→活発」「反抗的→自立した」

 もうすぐ夏休み。3学期制の学校では通知表が渡される。所見欄に褒め言葉が多いと親としては安心するが、実は先生たちの「あからさまには書けない本音」も隠れているらしい。学校でのわが子の姿を知るには「裏読み術」が必要なようだ。

 「お子さんの言葉遣いについてお話ししたいので、面談にいらしてください」

 数年前の秋、東京都内の女性会社員(41)は娘の担任からの電話に驚いた。娘は当時小学校中学年。親としては面談を受けなくてはならないほど言葉遣いが悪いとは思っていなかった。

 振り返れば確かに、担任が娘の通知表に書いた所見には<言葉遣いや行動が乱暴になる時があるので、注意できると良い>とあった。家庭でも「気をつけようね」と話してはいたが、多少荒っぽいことを言っても「子どもらしく元気な証拠」と深刻には受け止めていなかったという。

 女性は「所見欄の読み方が甘かったのか」と、知り合いの小学校教師に聞いてみた。すると「教師が<注意できると良い>と書くのは、よほど目に余り直してほしいところ。かなりきつい表現だ」とアドバイスされた。女性は言う。「所見を額面通り受け止めていたら、先生の意図を見落としてしまう。親はもっと厳しい目で通知表を読んだ方が良いのかもしれませんね」

 ベネッセ教育研究開発センターが05年、小学生の保護者4432人を対象に行った意識調査では、学習の評価(成績のつけ方)への満足度は「とても満足」「満足」が合わせて60%で、「あまり満足していない」「まったく満足していない」と答えた保護者も32%いた。教師の指導力不足やモンスターペアレントの問題が取りざたされ、学校と保護者の関係が難しくなってきた時代、親の3人に1人が通知表のあり方などに不満を感じていることになる。

 だが先生たちにとって、通知表の作成は難しい仕事だ。

 都内のある男性小学校教師は「大事な課題や改善点は面談で伝えることが基本」と話す。「所見にはマイナスの言葉は書きません。学校でどんな変化が見られたかを保護者に伝え、足りないところがより良くなるよう、励ます言葉を選びます」。例えば<最後までやり通せなかった>という子には、<最後までやり通せるようになると良い>。

 裏を返せば、保護者は<できるようになるといいですね>などと書かれた点は、子どもがまだできていない課題だと意識することが必要になる。

 教育関係者によると、児童・生徒に問題行動があってもソフトな言葉で表すようになってきたのは、個性を重視する教育が取り入れられた90年代以降だ。

 通知表の所見の書き方については、教師向けのマニュアルも出版されている。教師のための情報を発信する「教心ネット」運営責任者で教育コンサルタントの伊藤敏雄さんは「マイナス面は書けないので、言い換えに多くの教師が悩んでいる」と指摘する。

 伊藤さん自身も「書きかえたい言葉一覧、文例集」を作り、ネット上に公開している。例えば、授業中騒がしい子には<活発>や<元気>。口が悪い子には<自分の意見が言える>など。最近では「学校での子どもの姿がわからない」という保護者たちが所見欄を「裏読み」するのにも活用されている という。

 伊藤さんは「行動に問題があっても教師はソフトな言葉でしか示さないので、親は子が学校でうまくやっていると勘違いしてしまう。子どもの学校での姿を把握し、成長につなげてほしい」と話す。

 教師との関係性やクラスの雰囲気などでも、子どもの言動は大きく変わる。通知表は中身に過剰に神経質になるよりも、教師とのコミュニケーション手段と位置づけ、家庭と学校が手を取り合って子を育てていくことに生かしたい。

 ◇教科の評定は絶対評価だが…

 教科ごとの評定についても、受け止め方に悩む保護者は多い。

 公立小中学校では02年度以降、学級や学年全体の順位や割合を考慮して個人成績が決まる「相対評価」から、他との比較ではなく教科ごとの目標や内容に対するそれぞれの到達度で評価する「絶対評価」になった。「A=良い」「B=もう少し」「C=がんばろう」などだが、各評価に人数の枠がないため、目標を達成していればクラス全員をA評定にすることもできる。

 実際は多くの子に「B」がつき、「A」は飛び抜けて理解の進んでいる子、「C」は目標に到達しておらず勉強に真剣に取り組むべき子という。しかし、クラスの多くの子が目標に到達していない場合、教師の基準は甘くなりがちで、本来ならば「C」のところを「B」にしてしまうこともある。「『真ん中なら大丈夫』とのんびりしていると、思わぬ落とし穴が待っていることがある」と指摘する教師もいる。

 ■通知表に書きづらい言葉の言い換え

子どもの様子    通知表での表現

騒がしい      明るい、活発な

頑固な       意志が強い

無口、ぼーっとした 落ち着いた、穏やか

暗い        おとなしい

不まじめ      活動的、行動的

うるさい      活発、元気がいい

怒りっぽい     感受性豊か

落ち着きがない   好奇心旺盛

いいかげん     こだわらない

威張っている    自信に満ちている

口が悪い      自分の意見が言える

反抗的       自立した

不親切       他人に干渉しない

無責任       とらわれない

負けず嫌い     努力家

しつこい      粘り強い

意見が言えない   ひかえめ

甘えん坊      人にかわいがられる

面倒くさがり    物事にとらわれない

ふざける      ユーモアがある

冷たい       冷静

 ※教心ネット「通知表の所見欄、書きかえたい言葉一覧、文例集」(http://www.kyo−sin.net/reframe.htm)を参考に作成

車いす少女入学拒否、町が抗告取り下げへ 和解を示唆


 車いすで生活を送る奈良県下市(しもいち)町の谷口明花(めいか)さん(12)が、希望した町立下市中学への入学を拒否された問題で、町と町教育委員会は16日、仮の入学許可を出すよう義務づけた奈良地裁の決定を不服として大阪高裁へ申し立てた即時抗告を取り下げる、と発表した。町側は「仮決定とはいえ、すでに生徒が入学している事実を重視した。話し合いで円満解決できるよう努力したい」と和解を示唆した。

 明花さんの母の美保さん(45)は「取り下げにほっとしています」と話した。美保さんによると、仮入学が認められた明花さんは3日に初登校してから休むことなく登校しており、「毎日が遠足のように楽しくて仕方がない様子」という。校舎1階の特別支援学級での学習が多いが、朝の読書の時間と下校前のホームルームは、4階にある普通学級に担任に背負われて移動しているという。

 明花さんが町側に入学許可を求めた訴訟は、今月30日に奈良地裁で第1回口頭弁論がある。仮入学はこの訴訟の判決が出るまでの措置で、代理人の西木秀和弁護士は「町が争わないのであれば、こちらから訴えを取り下げる可能性もある」と話している。

2009年7月17日 (金)

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中教審:職業教育特化の新学校 高卒者を対象に−−部会提言


 中央教育審議会の特別部会は15日、実践的な職業教育に特化した新しい種類の高等教育機関の整備を求める中間報告をまとめた。「ニート」など若年無業者の増加や、早期離職率の上昇を防ぐ方策として提案しており、さらに具体的な制度設計を進める。

 想定しているのは、既存の大学や短大、専門学校などとは別の枠組みで設置する学校。高卒者を対象に受け入れ、実務経験のある教員を中心に、各業種で求められる中堅人材を育てる。

 具体的には「実験や実習などの授業を4〜5割程度行う」「企業へのインターンシップを義務づける」などのイメージを示し、卒業までの年数は「2〜3年」または「4年以上」とした。

 対象業種には▽ソフトウエアの設計・開発▽電子制御など技術進歩に対応した自動車整備−−などを例示。既存の専門学校からの移行などを念頭に置いているが、大学など他の教育機関との関係の整理や社会的認知をどう高めるかなど、課題も多い。

 特別部会で関係者のヒアリングを進め、年内をメドに具体案をまとめる。

 また報告は、高校普通科での教育について「社会・職業とのかかわりがあまりにも薄い」と特に問題視。生徒に就業体験の機会を与えることなどの重要性を強調している。

日の丸・君が代訴訟、教職員の請求棄却 横浜地裁


 入学式や卒業式で、日の丸に向かっての起立や君が代の斉唱を強制する通知を神奈川県教育委員会が出したのは、思想・良心の自由を保障した憲法19条に違反するなどとして、県立学校の教職員135人が、県を相手に、起立や斉唱義務がないことの確認を求めた訴訟の判決が16日、横浜地裁であった。吉田健司裁判長(深見敏正裁判長代読)は、起立や斉唱は「式典の出席者にとって通常想定され、期待される儀礼的な行為」で、県教委が起立や斉唱を命じても「原告らの世界観や歴史観を否定するものではない」と指摘。「国旗に向かって起立し国歌を唱和する義務を負う」として訴えを棄却した。原告側は控訴する方針。

淫・呪・艶・賭は「学校現場に不適切」


 常用漢字表(1945字)の見直しを進めている文化審議会の漢字小委員会は、新たに加える予定の191字のうち、教育現場から不適切だと指摘を受けた「淫」「呪」「艶」「賭」など一部の漢字について再検討することを決めた。

 17日に開く小委員会で議論する。

 191字は使用頻度や、漢字とひらがなの交ぜ書きの解消などの観点から今年1月に選ばれた。文化審は「学校で教える漢字は常用漢字すべてではなく、学校現場の判断に委ねるべきだ」という方針から、踏み込んだ議論は行わないとしてきたが、学校などからの反対意見が相次いだため再検討を決めたという。

 文化審は、現在の常用漢字に新たな漢字を加えるほか、使用頻度の低い「勺」など5字を削除するなどして計2131字とする見直し案を作成。2010年秋の内閣告示を目指している。

2009年7月16日 (木)

関西では有名大学ブランド通用せず?


 少子化の荒波の中、有名私大と提携し、ブランド力で生徒を確保しようともくろんだ私立高校が、思わぬ苦境に立たされて方針転換を迫られている。初年度から志願者が定員を大きく下回り、目算が外れたためで、各校は入試の多様化やカリキュラムの充実などで巻き返しを図ろうと懸命だ。だが大阪では橋下徹知事の肝いりで公立高校のハイレベル化が進む上、不況の追い打ちもあり、打開への道のりは険しそうだ。

 今春から私学の雄・早稲田大学の係属校となった早稲田摂陵中学・高校(旧摂陵中・高、大阪府茨木市)。期待された初年度の入試結果は、学校関係者にとって「思いもよらない結果」だった。

 同校では、平成23年度に卒業する1期生で、40人程度が早大に進学できるのが最大のアピールポイントだった。設定した定員は245人だったが、受験者は37人(競争率0・15倍)にとどまり、今春実際に入学したのはわずか17人。昨夏に早大との提携を発表し、秋の入試説明会には前年の2倍以上の参加が集まり“早稲田効果”を実感していただけに、学校側の衝撃は大きかった。

 早大と提携したことで受験関係者が偏差値を10ほど高く評価した影響で敬遠されたことや、昨秋以降の景気低迷が要因とみられるが、「提携発表からのわずかな期間で、早大に進学できるという魅力を十分に発信できなかった」という反省もある。

 大阪府内の大手学習塾の担当者も「早大のブランド力が落ちたのではなく、生かし切れていなかったのでは」と分析。学校側が「早稲田」の看板を得たことに安心しきって、情勢を読み切れなかったのではという見立てだ。

 同校は幅広く生徒を募集しようと、さっそく路線転換を図り、22年度入試から自己推薦方式を採用したり、東京や他地域でも試験を行うことなどを決めた。だが不況で保護者の財布のヒモが固くなる中、学費の高い私学を選び、さらに早大に進学した場合の費用負担を考えると先行きには不透明感が漂う。

 立命館大と提携した初芝立命館高校(旧初芝高、堺市)も、初年度だった今春の入試は、同大学への進学コースでも定員240人に対し入学者は96人だった。竹中宏文校長は「大学が全入時代を迎えた中で、大学に進学できるというだけで生徒を集められる時代ではないと実感した」。同校ではより魅力的な授業や、きめ細やかな指導を行うなど、カリキュラムの充実を進めることで巻き返しを図る。

 ただ別の大手進学塾の担当者は「首都圏と違い、大阪はもともと公立志向が強い。経済状況も不安定な中で、簡単にはブランドに飛びつかない」と話す。

 苦境にあえぐ私学を尻目に、府立高の競争率は年々上昇している。各校で進めている特色作りに加え、不況の影響もあり、21年度の全日制後期入試の競争率(1・23倍)は17年度を0.1ポイント上回った。

 さらに23年度からは、橋下知事が旗振り役となった府立高エリート化構想に基づき、難関大への進学を目指す「進学指導特色校制度」も10校で始動する。「10校の存在は、有名大学への進学をウリにする私立にとって大きな脅威になるはず」と大手塾の担当者。「有名大ブランドの魅力は大きいが、最終的には保護者は安さや近さといった実をとるのでは」と、先行きの厳しさを指摘した。

職業指導:全大学で導入へ 義務化も視野に−−中教審、来年度から


 ◇入社3年内の離職率35.9%

 就職後すぐに離職する若者が増えるなど、学生の職業・勤労観形成が課題になっているとして、中央教育審議会大学分科会は、すべての大学や短大で「職業指導(キャリアガイダンス)」の授業を導入する方向で検討を始めた。科目として義務化するか、各大学に努力義務を課すにとどめるかなど、具体的な制度設計を急ぎ、早ければ来年度からの導入を目指す。

 同分科会の作業部会が「社会人として必要な資質能力を高めるためにも、職業指導を教育課程に位置付けることが必要」と提案し、14日の会議で大筋了承された。

 分科会の委員からは「大学には本来(職業について)何らかの意図を持って入るはず」との意見も出されたが、「将来が見通しにくい社会構造になっている」などとして、入学してから職業意識の形成を図ることや、自分の適性を考えることの必要性を認める意見が大勢を占めた。

 1〜2年次の選択科目などを想定しており、大学設置基準の改正なども視野に議論する。文部科学省によると、既に74%の大学が職業意識に関する何らかの科目を設置済み。分科会では、これらの授業内容を分析した上で、適切な授業のあり方などを探る。厚生労働省のまとめでは、05年の大学卒業者の入社3年以内の離職率は35・9%。

職業教育を重視した高等教育の学校検討へ 中教審


 職業教育のあり方を議論してきた中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は15日の会議で報告案をまとめた。報告では、高校卒業生を対象にする新たな高等教育の学校創設について、現行の大学・短大とは別の学校として検討することが盛り込まれた。今後、さらに具体的な制度設計を詰める。

 報告によると、新たな学校のイメージとして、教育課程は2〜3年、4年以上。職業実践的な演習型授業の割合を重視(全体の4〜5割)し、企業などへのインターンシップを一定期間義務づける。また、実務の知識や経験がある教員を一定割合置くこととしている。

高校授業料減免申請増加 大阪府、不況響く


 公立高校の授業料の支払いが困難な家庭に対する大阪府の減免制度の申請件数が、年3回ある申請機会の今年度1回目だけで、昨年度1年間の総件数とほぼ同数に達したことが14日、分かった。

 ここ数年続いてきた減少傾向が増加に傾いた形で、家計が急激に苦しくなった世帯が増えたことが要因とみられる。府教育委員会は「今後も不況が長引けば申請件数がさらに増える可能性がある」としている。

 減免制度は、主に父母の前年度の住民税が非課税の世帯を対象に適用され、府立全日制だと年額14万4千円、定時制では3万2400円の授業料の支払いが全額または半額免除される。昨年度は2万3315件の申請があり、家計の状況などを審査したうえで2万844件が適用された。

 申請件数は、平成18年度の国の制度改正で生活保護受給世帯が対象から外れたため、近年は減少傾向にある。17年度の3万4612件に対し、18年度は約2割減の2万8496件、19年度は2万5495件。これに伴い全国1番目だった大阪府の減免率は、19年度は鳥取県に次ぐ2番目となった。

 しかし、先月にあった今年度1回目の募集では、申請件数が昨年度の総件数に匹敵する2万3300件に。昨年度同期と比べると1190件の大幅増となった。

 保護者が失業するなどして家計が急激に悪化した生徒が多く申請した結果とみられ、府教委は「昨秋以降の不況の影響が如実に表れた」と分析している。

 不況の進学への影響は大阪府では特に深刻で、今春の入試では私立高校を敬遠する生徒が増加。また、ほぼ定員割れの状態が続いていた公立高夜間課程の2次試験(実施19校)に受験者が殺到、167人が不合格になり、府教委は4月に補欠募集を行うという異例の措置を講じた。

北海道大:「総合」入試新設へ 学部別と2本立て


 北海道大(札幌市北区)は14日、2011年度から従来の学部別入試に加え、文系、理系に大別した総合入試との2本立てとする入試改革を実施する、と発表した。総合入試の合格者は2年進級時に希望学部を選択する。

 総合入試は前期試験のみで、学部別入試と同時に実施。募集人員は文系100人、理系1027人で、前期試験の総募集人員に占める割合は文系19%、理系73%になる。理学、薬学、工学、農学の理系4学部は総合入試に一本化され、学部別入試は後期試験だけとなる。

教員免許更新、大学講習ガラガラ 228講座中止に


 今年度から始まった教員免許更新制で実施される教員向けの講習について、15日現在で39大学が計228の講習の開催を中止したことが文部科学省の調査でわかった。いずれも申し込みがゼロだったり、極端に少なかったりして、大学側が「経営効率が悪い」などと判断したという。受講できなくなった教員は401人おり、代替の講習を探さねばならなくなっている。

 教員免許の更新は10年に1度義務づけられ、今後、全国で毎年約10万人の教員が対象になる予定だ。文科省は制度開始に当たって全国の大学にできるだけ多くの講習を開くよう協力を呼びかけてきた。しかし、各地の受講予定者数に対し、大学側がどれぐらいの講習の数を設けるのが適正か考えず、任せきりで十分に調整しなかったため、こうした状況を招いたとみられる。

 文科省によると、教員免許更新の講習を開く大学は510。このうち、通信制を除くと、教員の新たな知識などを学ぶ「必修」科目の開催は延べ315大学・901講習(定員約11万2400人)、生徒指導などに役立てるための「選択」科目が496大学・8540講習(定員約13万6600人)に及ぶ。

 しかし、全体的に「供給過剰」の状態で、ほぼ日程が固まった5月末の段階で、定員に対する申込者の割合は「必修」が約6割、「選択」が約4割と大幅に定員割れを起こしていた。

 大半の講習は大学、教員ともに比較的余裕がある夏休み期間に設定されており、これからが本番だ。国立の広島大学(広島県東広島市)の場合、8月中に「選択」科目を69講習開く予定だったが、開講の条件を「希望者8人以上」と設定しており、31講習がゼロも含めてこれを下回ったため、中止にしたという。広島県内には免許更新の対象者が年間2千人程度いるとみられるが、受講者側は自宅からの通学の便利さを優先して大学を選ぶなどの傾向があるという。

 ほかにも、群馬大、埼玉大、富山大、長崎大など国立を中心に10講習以上中止した大学が出ている。取り上げるテーマや内容、大学の設備の充実度などで人気、不人気の差が開くケースも目立つという。文科省の担当者は「今後は地域での量的な調整も含め、教育委員会と大学の情報交換をより進めるようお願いしたい」と話した。

     ◇

 〈教員免許更新制〉 幼稚園から高校までの現役の教員が対象。今年4月以降に教員免許を取得した人について10年の有効期限を設定。それ以前に免許を得た人も35歳、45歳、55歳を区切りとし、それぞれ期限までの2年間に大学などで講習を受けることを義務づけた。修了しないと教壇に立てなくなるが、文科省は「普通に受講して最低限の理解が得られたと判断されれば更新される」と説明している。制度をめぐっては「多忙な教員の負担をさらに重くする」といった批判もある。

2009年7月15日 (水)

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初の漫画家養成大学院 京都精華大が来年度から


 京都精華大(京都市左京区)は14日、平成22年度から大学院にマンガ研究科など2研究科を開設すると発表した。大学によると、漫画家や漫画研究者養成のため、大学院に研究科が設置されるのは国内で初めて。

 マンガ研究科では、竹宮恵子さんや板橋しゅうほうさん、篠原ユキオさんらマンガ学部で教える漫画家らが指導する。

 京都精華大には、12年に国内で初めてマンガ学科が誕生。18年に開設したマンガ学部には1〜4年まで計約840人の学生が在籍し、漫画家やアニメーション制作者を目指している。

昨年度の児童虐待、過去最多4万件超す 0歳児が5割弱


 全国の児童相談所が08年度に対応した児童虐待は、過去最多の4万2662件(速報値)に上ると、厚生労働省が14日、発表した。前年度より2023件増えた。子どもの安全確認のため、児童相談所は08年度から強制的に立ち入り調査できるようになったが、相談職員にはためらいもあるとみられ、実施は2件にとどまった。

 児童虐待の件数は、統計をとり始めた90年度から連続して増え続け、10年前の約6倍に。厚労省虐待防止対策室は「虐待そのものが増加しているほか、虐待に対する認識が高まり、通報や相談が増えている」とみている。

 また、07年1月〜08年3月に虐待によって死亡したのは、115件142人。心中・心中未遂を除く73件78人のうち、0歳児が5割弱を占めた。母親に相談相手がいなくて孤立していたり、精神的問題を抱えていたりするケースが目立った。

 昨年4月の改正児童虐待防止法施行により、虐待が疑われる親が知事からの2度の出頭要求に応じない場合は、相談所が裁判所から許可状を取れば、警察の援助を受けて強制的に立ち入り調査できるようになった。

 強制的な立ち入り調査を実施したのは2自治体2件で、子ども計4人を一時保護した。うち1件は子どもを学校に通わせず、自宅アパートからは異臭がしていた。出頭要求などにも応じないため、大家から借りた合鍵で解錠、さらに金属製のドアロックも切断し、子ども3人を一時保護した。

 厚労省虐待防止対策室は「相談所職員のなかには強制的に立ち入り調査することに躊躇(ちゅうちょ)もあると思うが、子どもの安全確認・確保には効果があったと評価している。こうした制度の適用も含め、虐待対策に取り組んでいきたい」と話す。

つくる会「教科書採択で民団の影響排除を」


 在日本大韓民国民団(民団)が自由社の中学歴史教科書を採択しないよう東京都杉並区などの自治体に働きかけているとして、同教科書執筆の中心となった「新しい歴史教科書をつくる会」は14日、文部科学省に対し、全国の教育委員会に採択への影響排除を文書で指導するよう要請した。同会は民団の活動を「内政干渉」とし、実態調査も求めた。

施設入所の子、5割が父母からの虐待経験 厚労省調査


 親と離れて児童養護施設などで暮らす子どものうち、約5割が父母らに虐待された経験があることが13日、厚生労働省の児童養護施設入所児童等調査でわかった。5年ごとの調査で、虐待経験を調べたのは初めて。

 08年2月1日現在、入所や里親委託の児童は全国で4万1602人。03年の前回調査より3284人増え、1970年以降初めて4万人を超えた。このうち育児放棄や暴力など、虐待された経験がある子どもは約2万1千人いた。

 施設別では、心理療法の必要度が高い子どもが入る情緒障害児短期治療施設(入所者1104人)が72%と最多。非行児童のための児童自立支援施設(1995人)は66%、主に2〜18歳が暮らす児童養護施設(3万1593人)は53%、主に0〜1歳を養育する乳児院(3299人)と、里親家庭(3611人)がいずれも32%だった。

 入所や里親委託の直接の理由で最も多いのも「虐待」で、33.9%(前回比5.5ポイント増)。「母の精神疾患」「経済的理由」「母の行方不明」などが続いた。

 また、障害のある子どもは前回より2295人増の1万588人で、4人に1人の割合だった。障害がある場合、養育の負担が大きく、虐待につながる可能性があると指摘されている。

 柏女霊峰(かしわめ・れいほう)・淑徳大教授は「虐待され、心に傷を負った子どもは、周囲の人々と関係をうまく築けなかったり、特定の施設職員を怒らせるような言動をしたりする。特性を踏まえた専門的な援助が必要だ」と話している。

2009年7月13日 (月)

立命大アメフット部員、AVに 「金になる、6本出た」


 立命館大(京都市中京区)のアメリカンフットボール部員だった4年生の男子学生がアダルトビデオに出演し、退部処分になっていたことが同大学への取材でわかった。大学も「学生の本分にもとる」として処分を検討している。

 立命館大広報課によると、同部関係者がインターネット掲示板「2ちゃんねる」に男子学生の出演に関する書き込みがあるのを確認。学生に事情を聴いたところ、「金になるアルバイトとして計6本に出演した」と認めたため、同部は「部員としてあるまじき行為」として6月15日付で退部処分とした。

 同部は1月の日本選手権ライスボウルで3度目の日本一になるなど強豪として知られる。男子学生は準レギュラー選手だったという。

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皆既日食をネット生中継 7小中学校、トカラから世界へ


 22日の皆既日食を、鹿児島県のトカラ列島(十島村)にある全7小中学校がインターネットでライブ中継する。村と鹿児島大学が連携し、高速回線や衛星回線で七つの島を結ぶ。子どもたちが島々の風物を紹介する動画も登場する予定。関係者は「手作りの映像を世界の人に見てもらいたい」と意気込む。

 このサイトは「トカラ皆既日食 7島 中継プロジェクト」(http://eclipse.cc.kagoshima-u.ac.jp/)。日食が始まる直前の22日午前9時半ごろから、1画面に7島の映像を並べてライブ中継する。最北の口之島から最南の宝島まで100キロ以上離れており、各島で時間差がある日食の状況を一目で比較できるという。

 サイトはすでに開設されており、現在は7校の周辺の静止画像を30分ごとに更新しながら配信している。「釣り銭が潤沢にあるわけではないので、現金は千円札で持っていくのがトカラ通」などと、トカラ列島にまつわる豆知識も紹介している。

2009年7月12日 (日)

学生募集停止、私大に淘汰の波 4年制も苦境…18歳人口減り経営困難に


 10年度から学生募集を停止する私立大学が相次いでいる。定員割れによる4年制私大の募集停止や破綻は過去2例しかないが、今年度は株式会社立大を含め、既に5件。「大学淘汰」の時代がついに現実化した。

 郊外の丘に広がる緑豊かなキャンパスは閑散としていた。4月に学生募集停止を発表した三重県松阪市の三重中京大。90年代後半まで2000人以上が通ったが、現在は4学年で計657人。今春の入学者は200人の定員に対し155人だった。4月に入学したばかりの男子学生(19)は「なくなる大学を卒業して就職先があるのか、それが一番心配」と不安を漏らす。

 ◆市の要請で開学したが

 82年、市の要請に応え、県内2番目の私大「松阪大」として開学した。だが、99年に初めて定員割れした後は、毎年のように入学定員を減らしても定員に達しなかった。入学者の大半を占める県内の18歳はピーク時(91年前後)の約3万人から1万人以上減少。05年に現校名に変更するなど打開策も図ったが、名古屋市から特急で1時間以上かかる立地条件では限界がある。

 01年度以降は毎年単年度赤字を計上。好調時の蓄えで5億円余りの繰越金があるが、このまま赤字が続けば数年で底をつく。同時に募集停止する短大は累積赤字が既に約17億円。大学側は「責任を持って在校生を送り出せるうちに決断した」(広報課)と説明し、在校生が卒業する4年後に閉校する方針だ。

 ◆規制緩和で校数増え

 国内の18歳人口は92年の約205万人をピークに減少し続け、09年は約121万人。一方、18歳人口や進学率などを考慮して大学・短大の設置をコントロールしてきた国は、90年代以降徐々に規制を緩和し、03年度には認可制から届け出制に改めた。そうした流れの中で、一足早く淘汰が始まった短大や専門学校などからの参入が相次ぎ、大学進学率が低い地域では地方自治体が誘致する形で新しい大学が誕生。02年末には構造改革特区を利用した株式会社立の大学も容認した。先月18日に募集停止を発表したLEC東京リーガルマインド大(東京都千代田区)もその一つだ。

 ◆47%が定員に満たず

 文部科学省によると、国公立も含め4年制大は89年度の499校から08年度は765校に増えた。一方、日本私立学校振興・共済事業団の調査では、入学定員に達しなかった4年制私大は98年度の8%(35校)から08年度47・1%(266校)と、ほぼ2校に1校に拡大。定員の50%にも満たない大学が29校に上った。また、07年度は4年制大を持つ学校法人の34・5%が赤字で、中でも学生数2000人未満の地方大学は221校中113校(51・1%)が赤字だった。

 大手予備校、河合塾の調査では、首都圏13、関西8の有力21私大で09年度の私立大志願者の49%を占めた。その多くが学部新設などで定員を大幅に増やしており、地方大学との格差はますます広がるばかりだ。

 同事業団は「今後も学生募集を停止する大学がないとは言えない。ただ、無理に募集を続けて在校生がいるうちに経営破綻するケースだけは避けなければならない」(私学情報室)と話している。

 ◇合併、学部転換で生き残り ニーズ見極めないとリスクも

 生き残りをかけた合従連衡も始まっている。08年4月には慶応義塾大(東京都港区)と共立薬科大(同)が経営統合し、1952年の日本医科大と日本獣医畜産大以来56年ぶりに4年制私大を持つ学校法人同士の合併が実現した。

 薬学部は近年の新設ラッシュで定員が増える一方、06年度に4年制から6年制に延長された影響で志願者が減少傾向にあり、共立薬科大側に危機感があった。また、09年4月には、関西学院大(兵庫県西宮市)が定員割れしていた聖和大(同)を吸収合併した。

 生き残り策として、より一般的なのが「学生が集まる」学部への衣替えだ。中でも目立つのが、入学定員の充足率が約110%(08年度)と安定的な看護学部・学科への転換で、来年度の学部設置を文部科学省に申請している16校中7校が計画。この中には美術学科を廃止して参入する芸術系の大学もある。

 こうした「看板の掛け替え」にはリスクも伴う。00年にスタートした介護保険制度を見据えて急増した福祉系学部の場合は、就職先となる福祉現場の過酷な実態が知られるにつれて敬遠され、08年度の入学定員充足率は約92%と前年度より8ポイント近くダウン。再び別の学部に転換する大学も珍しくない。

 私大経営に詳しい東京大大学院の両角亜希子講師(大学経営論)は「学生のニーズに合わせて変えていくことは重要だが、例えば看護学部にしてもその大学がある地域で本当にニーズがあるのかよく見極める必要がある。大学統合も理念や目指す方向性が違うとうまくいかない可能性もある」と指摘している。

 ◇中教審で「適正規模」議論 補助金に激変緩和策検討

 中央教育審議会大学分科会は現在、将来的な大学の「適正規模」を審議している。先月15日にまとめた第1次報告書では、03年度に緩和した大学の設置認可を厳格化するよう求めたほか、生き残りのために大学が統合や連携をする際に国がサポートすることなども提言した。

 中教審の議論を踏まえ、文部科学省は、大学が自主的に定員を減らしても一定期間は削減前の補助金額を受けられるようにする激変緩和策を検討しており、早ければ来年度にも実施する方針だ。


 ◇10年度から学生募集を停止する私立大学◇

大学名            所在地     収容定員 学生数   充足率

三重中京大          三重県松阪市   800 657 82.1%

愛知新城大谷大        愛知県新城市   400 128 32.0%

神戸ファッション造形大    兵庫県明石市   400 165 41.3%

聖トマス大          兵庫県尼崎市  1042 568 54.5%

LEC東京リーガルマインド大 東京都千代田区  700 226 32.3%

 ※発表順。定員・学生数は1〜4年生の合計(通信制は除く)。LEC大は株式会社立大。

大経大ラグビー部活動停止 大麻容疑で逮捕、AV出演も


 大阪経済大(大阪市東淀川区)は10日、ラグビー部員3人が大麻取締法違反(譲り受け)容疑で逮捕されたほか、部員2人がアダルトビデオに出演していたことが分かったとして、同部を無期限活動停止にしたと発表した。

 大学によると、部員2人は「お金がほしくて出た」と話し、ビデオ出演を認めているという。大学は、学生の本分に反したとして2人を厳重注意。ほかにも、卒業した元部員2人が在学中に出演していたことが確認されたという。

 重森曉(あきら)学長は「学生3人が逮捕され、社会の皆さまにご迷惑をかけたことをおわびしたい。ビデオ出演は残念というか遺憾で、良識を欠いたあってはならない行為だ」と話した。

 大学によると、ラグビー部は1938年に創部し、全国大学選手権にも2度出場。現在は関西大学Bリーグに所属し、49人の部員がいる。

「環境」、先生は会社員


 広がる企業の出前授業

 企業の社員が学校に出向いて、環境などをテーマに授業を行う動きが広がっている。学校側も歓迎しており、企業の社会貢献の一つとして根付いていきそうだ。

 「国内で販売されている乾電池は年間21億本。積み重ねると、この教室の約100個分が埋まるんです」。講師の言葉に、児童らは驚いた表情を見せた。

 兵庫県宝塚市の関西学院初等部で2日、4年生を対象に行われた三洋電機の出前授業「電池から地球環境を考えよう!」。講師を務める社員が「普通の電池は1回使ったら、ごみになりますが、充電池なら繰り返し使えます」と説明する。

 児童らは興味深そうに聞き入り、充電池を利用したソーラー充電器を窓際から太陽にかざした。宮園萌花さん(10)は「限られた資源を再利用する大切さを学んだ」と話した。

 同社は2005年から環境教育に取り組み、これまで全国138校で実施してきた。同社教育推進チームの金井優子さん(28)は「地球環境に配慮した、ものづくりへの取り組みを直接伝えたい」と力を込める。

 シャープは太陽光発電をテーマに、ソーラーパネルを使って発光ダイオードを光らせる実験などを学校で実施してきた。気象予報士らでつくるNPO法人「気象キャスターネットワーク」と連携し、地球温暖化などについて解説する取り組みも続けている。

 今月からは、自然観察などを通じて里山の再生について考えてもらおうと、「野外環境教室」を開催する。同社の担当者は「地域に根差した活動を展開することで、社会に貢献していきたい」と語る。

 小学校の総合学習の時間に、使いやすいリモコンを考える授業を行っているのは日立グループ。年齢や障害の有無に関係なく、誰もが使いやすいユニバーサルデザインについて教えており、担当者は「思いやりや助け合いの気持ちを育ててほしい」と願う。

 阿部治・立教大教授(環境教育学)は「現在は大企業が中心となって取り組んでいるが、今後、中小企業や商工会議所など、地元に密着した事業所に広がっていけば、地域の活性化につながるのではないか」と期待する。

2009年7月11日 (土)

子どもの生活時間:お疲れぎみ小学生 半数が「時間を無駄に使っている」 一人で過ごす時間長いと自


 「時間を無駄に使っている」と感じている小学生は半数近いことがベネッセの調査で分かった。時間の使い方の自己評価が低い子供ほど一人で過ごす時間が長く、疲れている傾向も明らかになった。「何も考えずひたすら遊んでいた小学生時代」はもはや過去のもの?

 調査は08年11月10〜14日、全国の小学5年生〜高校2年生に質問紙を郵送する方法で実施し、計約8000人が回答した。

 「放課後の時間を無駄に使っている」と感じているのは小学生47%、中学生64%、高校生69%と、学校を進むにつれて増加し、平均で6割の子どもが感じていた。自分の時間の使い方について100点満点で自己評価してもらったところ、平均は61点。小学生は69点でもっとも高く、中学生で58点、高校生になると54点に低下する。

 一日の生活時間を見ると、時間の使い方の自己評価が0〜40点と低い子どもの「テレビやDVDを見る時間」は「120分」、「一人で過ごす」は「114分」で、自己評価が70点〜100点の子供たちの「103分」(テレビ、DVD)、「74分」(一人で過ごす)に比べ長い。逆に「学習時間」は、自己評価の高い子どもの「100分」に対し、低い子どもは「89分」と短い結果となった。

 普段の生活で「いらいらする」と回答したのは、自己評価が高い子供で50%いたが、低い子どもは69%とはね上がった。「やる気が起きない」は、自己評価が高い子は45%、低い子は83%と大きく差が開いた。

 一日に携帯電話を使う時間は、学年が上になるほど高く、高校生は70分以上。テレビや携帯電話のゲームで遊ぶ時間は、学年差がほとんどなかった。男女では、携帯電話の利用が高校生女子で9割を超え、男子の5割に比べ大幅に多い。ゲームでは逆に男子が女子の2倍になった。

安全な子供の留守番のために


 もうすぐ夏休み。子供が自宅で過ごすのに、保護者がどうしても外出しなければならない場合、「留守番をさせて大丈夫?」という悩みが聞かれる。なるべく安全に留守番させるには、どんな点に気を配ればいいのか。専門家や留守番をさせた経験がある母親らに聞いた。

 ≪親子でルールづくり≫

 東京都江戸川区の母親(40)は6月下旬、乗っていた電車が突然止まり、急遽(きゅうきょ)、小学2年の娘(7)を1人で留守番させることになった。「留守中、誰か来ても玄関に近づかないようにと約束したが、ちゃんとできるかどうか、そんな指示でよかったのか」と不安を感じた。

 サンケイリビング新聞社(東京)が平成17年、中学生以下の子供を持つ女性441人に「子供の生活の中でどこに不安を感じるか」を聞いたインターネット調査で、「留守番中」との答えが32・8%と意外に多かった。これから夏休みを迎えれば、「どうしても」という用事で保護者が外出し、子供が留守番をする事態も想定しておかなければならない。留守番中の安全は、どのような点に注意すべきなのか。

 〈ピンポーン、玄関のチャイムが鳴る。「ママが帰ってきた」とドアに駆け寄り、カギを開けようとする留守番の女の子。のぞき穴から見るとゆうびん屋さんのようだ。果たしてどう対処するのか…〉

 これは、防犯絵本「白いおばけのスー おるすばん、危機一髪!」(フレーベル館)のワンシーン。

 監修したのは警備会社「セコム」(渋谷区)。子供の防犯事情に詳しい同社IS研究所(三鷹市)の舟生岳夫研究員に、安全なお留守番のポイントを聞くと、「これをやれば絶対安全という王道はない。母親が普段いる家庭でも、急な用事に備え、留守番中に子供が勝手に判断しないよう、親子でルールを決めておくことが大切」と強調した。

 ≪駆け込み先も確保≫

 親子で話し合うべき点は大きく3つある。(1)訪問者や電話に対応するのかどうか(2)対応する場合の言い方や手順(3)非常時に、誰にどう連絡を取るのか−だ。

 先の絵本には対応する場合の例として、「だれかがたずねてきたら『どちら様(さま)ですか?』と必(かなら)ずきく」「ドアは開(あ)けない」「知(し)っている人(ひと)でも『お母(かあ)さんはすぐ帰(かえ)ってきます。後(あと)で来(き)てください』と言(い)う」と紹介している。

 しかし、「留守中はピンポンと玄関の呼び鈴が鳴っても出ないように言ってある」(豊島区の自営業、息子が小学4年)など訪問者に対応させないようにしている母親は少なくない。

 子供がうまく対応できない場合はそれも一つの手だが、舟生さんは「空き巣狙いの犯罪者は、電話や呼び鈴で不在を確認することがある。可能なら子供と普段から対応を練習し、玄関は開けずに『お母さんはトイレです。後で出直して』などと対応するほうがいい。対応しない場合は、近隣の信頼できる知人宅をいざというときの駆け込み先とするなど対策が必要」とアドバイスする。

 ■子供の不安取り除いて

 留守番は絵本や童話のモチーフになるほど冒険にも似て、子供をちょっぴり不安な気持ちにさせる。

 なるべく留守番中の不安を減らそうと工夫する人もいる。東京都豊島区の女性会社員(40)は、「風呂場が暗くて怖い」という小学3年の長男(9)のため、出勤前に必ず風呂場の扉を閉めてくるようにし、「おばけに似ている」と怖がる竹製ののれんを外した。何より「もし、帰宅予定の時間を過ぎるなら一本電話をしてあげるといいでしょう」(セコムIS研究所の舟生岳夫さん)。留守番電話にしておき、「お母さんだよ」と合図を送れば電話に出るよう、親子で打ち合わせておけば携帯電話がなくても大丈夫だ。

自民党:給付型奨学金など求め教育改革案


 自民党の文部科学部会と文教制度調査会は9日、経済的に困難な高校・大学生に対する授業料減免や給付型奨学金制度の創設などを盛り込んだ教育改革案を河村建夫官房長官に提出した。

 改革案は、私学助成と国立大学法人運営費交付金の充実や、幼児教育無償化に向けた就園奨励費拡充なども求めている。

「教育予算拡充を」 日教組定期大会が閉幕


 東京都内で開かれていた日教組の定期大会は8日、不況の深刻化で経済的な理由から進学を断念する子どもが増えているとして「公教育の予算を拡充し、すべての子どもたちの学習権を保障する具体的な施策が急務」とする大会宣言を採択し、閉幕した。

 宣言は、日本は教育への公的支出が少なく「『貧困の連鎖』により『格差の固定化』を招いている」と指摘。「政権交代を実現し、社会的セーフティーネットの再構築を進めていく」とした。

 また「市場原理、競争主義に基づく『教育改革』では学力格差が増大する」として、高校の教育費無償化や奨学金制度の見直しを求める特別決議も採択した。

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中3男子、同級生にアイロン押し当てやけど負わす 福岡


 福岡県川崎町の中学3年の男子生徒(15)が、同級生の男子(14)の手足や背中にアイロンを押し当てて、2〜3週間の入院治療が必要なやけどを負わせていたことが9日、わかった。生徒は6日から入院している。田川署は被害者の保護者から相談を受けており、捜査する方針。

 川崎町教育委員会によると、生徒は5日午前、同級生を自宅に誘い、アイロンを同級生の手足や背中など5カ所に押し当てたという。同級生は日曜日だった5日は午前10時まで、家にいるよう親に言われており、生徒もそれを知っていた。生徒は「同級生の親から『うちの子が遊びに来ていないか』という電話があり、ばれているじゃないかと思い、腹が立ってやった」と話しているという。やけどを負った同級生は「お仕置きだと言われた」と説明しているという。町教委は「2人は幼なじみで仲が良く、いじめはなかった。しかし、やけどさせた行為は重い。背景を調べたい」と説明している。

 6日朝、被害者の母親がやけどに気付いて発覚した。

2009年7月10日 (金)

私大「一般入試組」少数派に…「大学の実力」調査


 学力を筆記試験で測る一般入試を受けた新入生の比率が、全国の私立大で今春、44%にとどまったことが読売新聞社の第2回「大学の実力 教育力向上の取り組み」調査でわかった。

 学力のばらつきが大きい新入生への学習支援に苦慮する大学の姿も浮き彫りになった。

一般入試入学 1%台も

 学力試験を経ない新入生が半数に近づき、多様化する学生のサポートに懸命――。少子化で学生確保に悩む私立大学のそんな実態が、読売新聞社の第2回「大学の実力 教育力向上の取り組み」調査で浮かんだ。

 調査は5月、通信制のみの大学などを除く国内の4年制大学730校に実施。529校(国立81校、公立62校、私立386校)から回答を得た。前回も調べた退学率、卒業率などに加え、文部科学省が非公表としている各大学の入試方法別の入学者内訳や、学生への支援の取り組みなどを尋ねた。

私大3割「30%以下」

 今春の入試で、国公立は筆記試験による一般入試の入学者が81%を占めた。これに対し、私立は一般入試が44%。指定校推薦16%、公募制推薦10%、書類審査や面接などで選考する「AO(アドミッション・オフィス)」8%、付属・系列校推薦5%など一般入試以外の入学者は計46%だった。無回答・非公表は10%。

 関係者の間では、大学の学力水準を維持するためには一般入試入学者の比率が最低30%必要という見方がある。この設問に答えた私立大351校の3割強が30%以下で、中には1%台の大学もあった。

 学生の獲得競争を背景に入試の多様化は進んでおり、入学者の学力にばらつきが出ているようだ。調査では、ほとんどの学長が「基礎学力の向上」に力を入れるとコメント。新入生の学力を問う到達度試験や、習熟度別のクラス分けを実施している大学は、国公私立全体で80%を超えた。

高校生:4人に3人、学ぶお金「心配」 埼玉の定時制生徒が呼び掛け1500人調査


 ◇家に負担/参考書買えない…

 高校生の4人に3人が、学業を続ける上で何らかの金銭的な困難を感じていることが、埼玉県の定時制高校生が呼びかけたアンケート調査で分かった。4人に1人は「学費で家族に迷惑をかけて申し訳ない」と回答しており、経済環境の悪化が学ぶ場を直撃している様子が浮かんだ。

 調査は、生徒たちが日本高等学校教職員組合の協力を得て呼び掛け、全国10道府県の公立の全日制、定時制(昼、夜)、通信制の1549人から回答を得た。夜間定時制生徒が815人で、全日制生徒は366人。他は昼間定時制や通信制生徒。経済的な理由で退学する仲間が目立ち始めたことがきっかけでアンケートを思いついたという。

 金銭にかかわる16項目を調査。「学費が高く通い続けられるか不安」は8・7%、「通学費の工面が困難」は7・4%、「参考書が買えない」が4・4%だった。24・7%が、学費で家族に迷惑をかけていると思っていた。

 定時制(夜間)、通信制では20%を超える生徒が授業料を自分でまかなっていた。「奨学金をもらいたい」が12%あったのに対し「もらっている」は3・9%と差が際立った。16の質問に一つも該当しないのは24%にとどまった。

 アンケートを呼び掛けた埼玉県内の定時制3年生の女子生徒(17)は、携帯の製造工場で時給800円で毎日8時間、週6日働き、学費と生活費をまかなっている。女子生徒は「お金がかかって申し訳ないと自分を責める人が私の友人にもおり、切ない。全日制も定時制も、安心して勉強できる環境に変えていきたい」と話している。生徒たちは26日午後1時から埼玉県三郷市の「三郷鷹野文化センター」で集会を開き、アンケート結果について話し合う。問い合わせは同県立小川高校定時制の鈴木敏則教諭(090・1437・9824)。

西淀川虐待事件「女児死亡防げた可能性」 有識者会議


 大阪市西淀川区の小学4年の女児が虐待を受け死亡した事件について、有識者でつくる市児童虐待防止支援委員会(座長=梶谷健二・大阪府臨床心理士会長)は9日、再発防止の提言を市教育委員会に提出した。児童相談所への早期通告などがあれば女児の死亡が防げた可能性があるとしている。

 提言では、小学校の担任教諭らが女児のほおのあざを見つけたものの、定期的に女児の状況を話し合う体制を取っていなかったと指摘。3月に欠席が続き、母親と同居の男から家庭訪問による接触を断られた際、市教委や児童相談所に相談・通告すべきだったとした。教職員が気軽に相談できるような市教委の体制づくりも不十分だとして、これらが実施されていれば「児童の死亡を防ぐことができた可能性がある」と言及した。

 そのうえで、学校は虐待情報を共有する体制をつくり、積極的に関係機関へ相談や通告をする▽一般の教職員が直接利用できる専門的な相談窓口を市教委に設置する▽毎年度当初に管理職研修を行うなど、虐待を早期に発見・防止する対策を求めた。

心つかむ理科授業


 NPO法人 若手の小学教師に伝授

 小学生の興味をひく理科実験の授業を若手教師に伝授する研修を、NPO法人「科学技術振興のための教育改革支援計画」(理事長=大木道則・東京大学名誉教授)が始めた。研修を通じ、理科授業への苦手意識を取り除くのが狙いだ。

 「酸性とアルカリ性、それぞれ濃度の異なる溶液を4種類ずつ作ります」

 6月4日、東京都の八王子市教育センター。市内の小学校で働く、採用2年目の若手教員約20人が、大木さんの指導で、理科実験に取り組んだ。

 慣れない手つきで濃塩酸を蒸留水で薄めたり、水酸化ナトリウムの粉末を上皿てんびんで量ったりしながら、8本の試験管に溶液を作り、酸性かアルカリ性かを判定する試薬「BTB溶液」を加え、試験管ごとの色の違いを調べる。次にすべての試験管にアルミ缶の小さな破片を入れ、泡が出て来るかどうかを観察した。

 「試薬で溶液の色がパッと変わったり、アルミから泡が出たりするのは、小学生が好きそうですね」「ちょっと手順が複雑で、説明の言葉も難しかった。少しアレンジして授業に取り入れたい」。教師たちが口々に感想を語る。「塩酸を自分で薄めるのは、実は生まれて初めてでした」と打ち明ける教師もいた。

 研修が企画された背景には、小学校教師の多くが理科授業に不安を感じている実態がある。科学技術振興機構と国立教育政策研究所が昨年、全国の公立小学校を対象に実施した調査によると、学級担任として理科を教える教師の5割が理科の指導が「苦手」と回答。教師経験10年未満に限ると、「苦手」は6割を超えた。

 大木名誉教授は、理科教育のレベルアップを目指して2004年に活動を開始。全国の小、中、高校に研究者OBらを派遣し、理科の授業や科学クラブの活動を支援してきた。八王子市教育委員会の依頼で、今回初めて教師対象の研修を実施した。今回参加した教員を含め、2年目の小学校教師計80人が数回に分かれて研修を受ける予定だ。

 研修を終えた大木名誉教授は「子どもが自分で実験をして、結果を検討することが大事。その過程には必ず発見があり、興奮がある。研修をぜひ授業に生かしてほしい」と訴えていた。

2009年7月 9日 (木)

「触れる地球」子供たち体感 京都の小学校で初授業


 地球の1千万分の1の大きさで、国ごとの人口や気温、地球温暖化の進行状況などさまざまなデータを知ることができるデジタル地球儀「触れる地球」を使った国内の小学校での初授業が8日、京都市左京区のノートルダム学院小で行われた。参加した4〜6年児童約460人は、考案者の文化人類学者、竹村真一氏の説明のもと、“地球のいま”を体感しながら環境問題などについて学んだ。

 「触れる地球」は竹村氏が平成14年に製作。インターネットにつなぐことで、地球上の自然事象をリアルタイムに知ることができるほか、地震や大気汚染のメカニズム、100年間の温暖化のシミュレーションなどを学ぶことができる。

 国内に5台しかないが、同校がうち1台の所有者でラーメンチェーン「天下一品」を展開する木村勉社長から借り受けた。

 授業は「地球を守る」をテーマに行われ、竹村氏は環境問題のほか、地球の恵みの貴重さなどを説明。子供たちは真剣な表情で地球儀を見つめた。5年生の森田圭一郎君(11)は「楽しかったけれど、温暖化の状況を知るのは怖かった。地球を守りたいと思いました」と話した。

学童保育:広がる地域差 大規模施設分割の動き/「放課後子ども教室」と一体化


 学童保育の地域差が広がっている。元々、自治体の取り組み姿勢に違いがあるのに加え、来年度から児童数71人以上の大規模学童保育への補助金が打ち切られることを巡り、対応が分かれているためだ。学童保育の現状を探った。

 「おやつにするよー。ちゃんと座った班からおやつだよ」。指導員が懸命に呼びかけても、子どもたちは駆け回るのをやめない。

 78人が通うさいたま市見沼区の民設学童保育「春岡・春野小学童保育の会」。けんかして泣き出す子もいれば、窓から外に出ようとする子どももいる。全員が落ち着いておやつの時間になるまで30分もかかった。

 「あちこちで起きる騒ぎを抑えるだけで手いっぱい。おとなしい子たちへの目配りや心のケアまではなかなか難しい」と、指導員の金塚生子さん(29)。同学童保育所では今年12月から近くにもう1カ所の施設を開設し、30〜40人規模の学童保育に分割する予定だ。金塚さんは「いままでは安全確保で精いっぱいだったが、分割でようやく『保育』ができるようになる」と胸をなで下ろす。

 ●国が補助金打ち切り

 「落ち着いて過ごせない」「目が行き届かず事故やトラブルが増える」。大規模学童保育の弊害が指摘されたため、国は07年に、「集団の規模は、おおむね40人程度が望ましく、最大70人までとする」などとするガイドラインを定めた。71人以上の施設への補助金打ち切りは、その誘導策の一つだ。

 さいたま市は国に先んじて06年に独自の運営基準を設け、施設定員を原則10〜50人とし、民設施設も含めて適正規模化を図ってきた。市内の学童保育155カ所中、来年度まで大規模が続く可能性があるのは1カ所のみだ。しかし、同市のように規模適正化を順調に進めている自治体はそう多くない。

 学童保育の全施設が民設民営の横浜市は「市から強く働きかけて施設の分割を進めることはしない。基本的には運営にかかわる保護者らが自主的に考えて行うもの」(市放課後児童育成課)との立場。22カ所の大規模学童保育のうち分割が決まっている施設はほとんどない。同市内の大規模学童保育の指導員は「日常の運営は保護者らで行えても、分割は場所や資金の確保などの問題がからむ。保護者だけでは難しく検討すらできない」と明かす。

 全国学童保育連絡協議会の調査(5月1日現在)によると、大規模学童保育は全国で2137カ所あり、このうち09年度内の分割を決めているのは792カ所。同協議会の真田祐事務局次長は「補助金が打ち切られないようにと、新入生や高学年の入所を制限する可能性もある」と懸念する。

 ●共働きに限定せず

 大規模解消の動きとは無縁の自治体もある。東京都品川区は01年から全児童を対象に空き教室を遊び場として提供する放課後子ども教室「すまいるスクール」の導入を進め、05年に公的学童保育を全廃した。共働き家庭の子どもについては出欠確認をするなど保育の機能を持たせることで、学童保育の代用になると判断した。スクールには100人以上が集まることもあるが、区教育委員会は「学童保育とは異なるので分割は考えていない」(庶務課)という。

 品川区のように学童保育を全廃した自治体はまだ少ないが、国は06年に厚生労働省所管の「放課後児童クラブ(学童保育)」と、文部科学省所管の「放課後子ども教室」の一体化や連携強化を打ち出している。これに沿って、名古屋市や大阪市などで両制度の統合を図る動きも強まっており、自治体の取り組みは多様化している。

 公的学童保育を全廃した川崎市では、父母らが公的補助のない自主運営の学童保育を始めるケースが目立っている。同市の学童保育指導員は「学童保育は家庭に代わる生活の場所を提供するもので、遊び場である放課後子ども教室では対応できない」と話している。

 ◇利用児童数80万人−−保育園卒園児の6割

 学童保育は、働く母の増加などを受けて97年の児童福祉法改正で法制化された。全国学童保育連絡協議会によると、5月1日現在の学童保育数は1万8475カ所で法制化後12年で倍増し、利用児童数も2.4倍の80万人に達した。しかし、保育園を卒園した子どもの6割しか入所しておらず、依然として不足している。

 国は08年、「新待機児童ゼロ作戦」として10年間で利用児童数を145万人増やす目標を掲げたが、この1年間で増えたのは1万4000人にとどまっている。

学生の実名挙げネット中傷 神戸大法科大学院が処分検討


 神戸大学法科大学院(神戸市灘区)の1年生2人に対し、「自殺しろ」などと中傷する書き込みがインターネット掲示板「2ちゃんねる」で複数見つかり、同大学院は内容から同じクラスの学生が書き込んだ可能性があるとみて調査に乗り出すことを決めた。学生がかかわっていれば、処分を検討する。

 同大学院によると、学生2人の実名を挙げて「退学しろ」「自殺に追い込むぞ」「死刑をもってのぞむほかない」などと書かれていた。書き込みは遅くとも5月下旬に始まり、被害を受けた学生の1人が6月末に「ネットでひどい中傷を受けて困っている」と相談して発覚した。相談した学生は、学内で中傷などを受けたことはないと話しているが、7月以降、講義を休んでいるという。

 書き込みは、学生らの出欠状況や服装、講義を受ける様子など同じクラスでなければわからないことに触れていたため、同大学院は3日、学内に「誹謗(ひぼう)中傷の書き込みを繰り返すことのないよう強く警告する」などと掲示。被害学生2人を除くクラスの学生34人に事情を聴くほか、学内のコンピューターからの掲示板へのアクセス履歴を調べることも検討している。

 同大学院の赤坂正浩・実務法律専攻長は「失望している。学生がめざす職の理念と合致しない行動で、怒りを覚える」と話している。

高校無償化、来年度から…民主公約


 政策と財源、工程表に

 民主党が次期衆院選で掲げる政権公約(マニフェスト)の最終案が7日、明らかになった。1人あたり月額2万6000円の「子ども手当」などで「家計の可処分所得の2割増」を実現し、内需主導型経済への転換を目指す内容だ。

 新規の重点政策の必要経費は、衆院議員の任期切れを迎える4年目の時点で年間約16・8兆円だとした。

 財源確保の道筋を示すため、公約には、主要政策の実施時期を明記した工程表を盛り込んだ。それによると、政権獲得後初めての当初予算編成となる2010年度から、ガソリン税暫定税率の廃止と公立高校教育の無償化を完全実施する。子ども手当は10、11年度は半額の1万3000円とし、12年度から2万6000円を支給する。農家に対する戸別所得補償制度は10、11年度に制度設計や法整備を行い、12年度から完全実施する。

 高速道路の無料化は10年度に地方など一部で実施し、順次拡大する。完全実施の時期は「早期を目指す」とし、明示を避けた。

 財源は「税金の無駄づかいの根絶」と、特別会計の余剰金である「埋蔵金」の活用などで捻出(ねんしゅつ)するとした。16・8兆円は、〈1〉ダムや空港整備など公共事業の半減で1・3兆円、国家公務員人件費の2割カットで1・1兆円など、歳出改革で9・1兆円〈2〉埋蔵金の活用や基金の取り崩しで4・3兆円、租税特別措置の見直しで2・7兆円など、歳入改革で7・7兆円――を賄う。消費税率は4年間据え置くと明記した。

小学校塾教材に自虐史観 南京犠牲「十数万人」記述も


 大手学習塾の栄光ゼミナール(本部・東京都渋谷区)の小学5年生の社会科教材で、昭和12年の南京事件を「市民十数万人を虐殺(南京大虐殺)」と記述するなど、自虐史観に偏ったものが使われていることが分かった。塾の教材は教科書検定のようなチェックなしに使われており、識者らは「子供が初めて学ぶ日本史が、日本を悪と強調する10年以上前の教科書の内容で、それを丸暗記させられている」と警鐘を鳴らしている。

 栄光ゼミナールは、首都圏を中心に318拠点で小中高校生向け教室を展開する。同社広報室によると、中学受験指導コースで使われている「私国立中受験新演習小学5年社会下」で、「1937年12月、首都南京を占領した日本軍は、市民十数万人を虐殺(南京大虐殺)し、世界中から非難をあびました」との記述がある。

 千葉県内の教室では、講師が「南京大虐殺」「強制連行」「集団自決」などを正答とする穴埋め問題のプリントを授業で使用。プリントでは、終戦間際のソ連の対日宣戦布告を米英との協定に基づいて行われたとする一方、日ソ中立条約違反だったことには触れない偏った内容となっている。

 同社は「教材は生徒の志望校合格を目的に、文部科学省が認定した教科書の内容を基に、入試問題を参考に作成している。これらの変更がない限りは直ちに修正はしない」としている。

 しかし、小学6年の社会科で登場する日本史で、現行教科書に「南京大虐殺」「強制連行」などの単語はない。「十数万人」についても、文科省幹部の一人は「被害者数についてはさまざまな学説があり、教科書なら検定意見の対象となる」と指摘。「中学入試で近現代史の出題は多くない。塾でここまで詳細に教えようとしているのは、違和感を覚える」とも話す。

 子供が同塾に通っている千葉県在住の男性は、「5年生に歴史を教えるポイントとしてプリント内容が正しいとは思えない。なのに、子供は疑問を抱かずに丸暗記しようとしている」と不安を訴える。

 「新しい歴史教科書をつくる会」会長の藤岡信勝拓殖大教授は「教科書は小学校でも中学校と連動して自虐的な内容が改善されており、教材はその動向に真っ向から反している」と指摘。「教育基本法の下にある学校教育の枠組みの外で、『試験に出るから』という動機付けで偏向教育を塾で行うことは許されない。親は子供が塾で使っている教材に目を光らせる必要がある」と話している。

2009年7月 8日 (水)

学びたいのに:奨学金の課題 読者の反響特集 格差、なくならないのか


 「親だって子に学ばせたい」「お金がないと進学できない社会なのでしょうか」。6月9日から3回にわたり連載した「学びたいのに 奨学金の課題」に多くの体験談や意見が寄せられました。教育費がなぜこうも高いのか、格差はなくならないのか。反響の一部を紹介し、改めて考えました。

 ◇孫を進学させたい=神戸市、主婦(76)

 中学2年生の孫と2人暮らしです。10年前に体の弱い息子が離婚して私が引き取り、2歳のころから育てています。私は足に障害があり働けず、年金と生活保護の生活。孫は念願のバスケット部に入りました。でもこんなにお金がいるなんて知らなかった。ユニホームや靴下代、練習試合も交通費がかかります。生活を切り詰め、何とかやっています。私は孫に「あんたがおるからおばあちゃんは幸せなんやで、元気でいられるんやで」と言います。孫は私の宝。高校にも行かせたいけれど、不安でたまりません。進学への道ができるよう願います。

 ◇親の苦労分かって

 周りの高校生は皆さん恵まれた環境で学校に通っています。共働きのわが家は夫の減収に頭を痛めていますが、息子2人は私立の中高生で、小学生の長女も私立中学を受験します。でも、うちの子たちは「学びたい」のでしょうか。親がどんなに苦労して学校に行かせていることか。一方で連載に登場した子たちは、学びたいのに学べない。公立高校は義務化して国が費用を出すべきだと思います。=東京都世田谷区、看護師、石田美幸さん(44)

 ◇返還考えためらい

 母子家庭で、娘が今春私立大学に入学しました。入学金は親族から借り、娘はアルバイトしています。入学前に母子福祉資金の修学資金貸し付けを利用しようとしたのですが、連帯保証人がいないなどの理由で申請できませんでした。何のための貸し付けか分かりません。

 わが家の経済状況からすれば、大学で4年間過ごすには奨学金なしでは大変です。娘には入学後に申請をしてもらいました。無利子貸与が無理なら有利子貸与をと考えていますが、返還を考えると極力借りたくないのが正直なところです。経済的に困窮した家庭が多い昨今、低利の奨学金を増やし多くの人が恩恵を受けられるようにしてもいいのではないでしょうか。=東京都葛飾区、デパート勤務、女性(45)

 ◇行政の負担拡大を

 府立高校で進路指導を担当しています。昨秋の経済危機の影響もあってか、日本学生支援機構の大学予約奨学金の申請希望者が、昨年の倍近くに達しています。給付ではなく貸与が基本の公的奨学金の申請者や、就学援助・授業料減免を受ける人、生活保護受給世帯などの増加を通じ「進学格差=経済格差」の実態を感じます。本校でも進学が決まり奨学金貸与も内定した生徒が、経済的理由で最終的に断念、フリーターとなりました。無力感を感じさせられました。

 日本では国や行政の教育コストの負担が少なく、競争だけを強化すると格差が拡大するのは明らかです。教育行政を転換すべき時期だと思います。=大阪府池田市、大阪府立高校教諭、田上浩さん(46)

 ◇教育の安全網不備に「胸が痛む」 苦学し東大卒業も…研究の道、断念

 <「子どもの貧困」と、それに対応しきれていない行政のあり方に胸が痛みました>

 こんなメールを寄せた東京都の団体職員、岩崎明日香さん(23)を訪ねた。長崎県出身で6人姉弟の上から2番目。家は経済的に恵まれず、高校、大学と日本学生支援機構の奨学金で学んだという。

 小学4年生の時に父が事業に失敗、一家全員で夜逃げした。借金返済に追われ続けた父ががんで亡くなると、母(46)が6人の子を抱えて働きづめに。清掃業の収入と遺族年金を合わせても年収は300万円にも満たない。勉強好きだった姉(25)が高校進学を断念し、ウエートレスや家庭教師の仕事をかけ持ちして家計を支えた。

 「私は勉強だけしていていいのか」と悩んだが、母も姉も「しっかり勉強して」。東大一本に絞り猛勉強し、現役で合格した。実家から仕送りはもらわずに奨学金と深夜までのアルバイトで生活し、余裕があれば月2万〜3万円を家に送った。

 ぎりぎりの生活を支えたのは夢だった。「大学院に進み、子どものころから好きだった日本文学の研究者になりたい」。そのためにはまた奨学金を借りなければならない。

 しかし、日本学生支援機構は昨年12月、返還を延滞した人の情報を信用情報機関に登録する「ブラックリスト化」を発表。消費者金融の多重債務者と同じように、延滞すればクレジットカードを作ったりローンを組むのが難しくなる。「私を支えてくれた奨学金が、家族を苦しめ続けた『借金』としか見られなくなってしまったの?」。今春の入試直前に、進学をやめた。

 少しして、実家から朗報が届いた。一度は勉強をあきらめた姉が高卒認定を取り、長崎大の夜間コースに入学したという。

 実家にはまだ小学生の弟と妹もいる。教育のセーフティーネットの将来には不安が尽きない。でも「これからは母や姉がしてくれたように、私も弟たちを支えていきたい」。

 ◇カードで寄付OK−−あしなが育英会

 病気や自殺などで親を亡くした遺児の進学を支援する「あしなが育英会」はクレジットカードによる寄付の受け付けを始めた。VISA、JCBなど8社が利用可。ホームページ(http://www.ashinaga.org/index.php)で氏名、連絡先、カード番号などを入力すると、口座から引き落とされる。1回1000円以上20万円以下。問い合わせは同会(電話03・3221・0888)。

教育安心社会の実現に関する懇談会報告


 文部科学省では、現下の厳しい経済状況を受け、意欲と能力がある誰もが安心して教育を受けることができるよう、更なる施策展開を図るために、塩谷文部科学大臣主催による「教育安心社会の実現に関する懇談会」を開催しております。

 これまで4回の議論を重ね、本日、「教育安心社会の実現に関する懇談会報告〜教育費の在り方を考える〜」を取りまとめました。

報告の概要

 取りまとめられた報告書では、「子どもは社会の宝であり、社会の宝である子どもたちの教育は、子どもを持つ家庭や学校、行政だけではなく、社会全体で関わるべきもの」という認識に立ち、教育費負担の軽減の問題にとどまらず、教育安心社会の実現に向けて「質の安心」と「負担の安心」の両面について社会全体で取り組むことの必要性に触れています。また、特に教育費負担の軽減については、具体的な方策の提案がなされました。

私大の就活を支援 文科省が400事業を採択


 文部科学省は7日、学生の就職指導を進める取り組みに補助をする学生支援推進プログラムとして、私立大などの400件を採択したと発表した。

 不況の深刻化で厳しい就職事情の中、就職担当者の増員や説明会の開催など、学校がきめ細かく対応できるようにするのが狙いで、本年度から始めた。

 内訳は大学単独の取り組みが296件、短大84件、高専1件。このほか大学と短大の共同事業が19件ある。いずれも私立校。

 「インターネットを利用した求人情報システムの機能強化」(日本大)、「女性の情報技術者養成」(大妻女子大)などの取り組みが選ばれた。

 大学は2〜3年間、短大・高専は2年間、国が年間800万〜900万円を財政支援する。

非行防げ、夜回り大学生 福岡、兄貴・姉貴目線で声かけ


 少年たちの非行防止に、大学生らが一役買う試みが福岡で始まっている。警察官らと夜の繁華街などに出向き、気さくに少年に声をかける。「大人の視点」には反発する子どもたちも、年代的に兄貴、姉貴分にあたる学生には気を許すのでは、との期待からだ。少年の非行者率の高さが「全国ワースト1」の福岡。これを汚名返上の一手とすることができるのか。

 週末の夜。福岡市東区のゲームセンターに、おそろいの黒いベストを着た大学生10人の姿があった。福岡県警などでつくる県少年補導員連絡協議会が募集した学生サポーターの一団だ。警察官や少年補導員、PTAのメンバーと毎月2回、夜間の街頭補導に加わる。

 この日は夜8時から1時間ほどかけ、ゲームセンターやパチンコ店を巡回した。途中で立ち寄ったJR駅では、階段に座り込む3人の少年の前で足を止めた。学生らと一緒にいた東署員が「いつまでも座ってないで早く帰れよ」と声をかける。少年たちはうなずき、立ち上がった。

 この日の街頭補導で大学生や警察官たちが声をかけた未成年は、計15人。同行した九州産業大4年の坂田誠弥さん(21)は「大人と一緒のチームで回っているから声をかけやすい」。

 学生サポーターの制度は、県警が08年度から始めた。警察官らの街頭補導に同行したり、補導された少年少女の立ち直り支援教室に立ち会ったりする。県警少年健全育成室の田中恭幸室長は「警察官が注意すると反発する子どもたちも、年齢の近い大学生が声をかけると話を聞いてくれやすい」と期待を込める。

 取り組み初年度は、県内7大学から75人が参加。説教する口調になりがちな警察官と反抗する少年の間で、会話の接点になるなど溝を埋める役割を担ったという。今年度は家庭裁判所の調査官や教師を目指す学生ら、120人がサポーターに登録した。

 制度導入の背景には、福岡県内の少年非行者率の高さがある。10〜19歳の少年少女1千人あたりに占める刑法犯少年の人数は14.1人。最も少ない山形の3.5倍で、6年連続で全国ワースト1の記録を更新し続けている。

 県警は、深夜徘徊(はいかい)は喫煙や飲酒などの非行へ発展し、犯罪につながる恐れがあると警戒している。このため街頭補導を強化し、非行の芽を摘もうとしている。

 前年度に引き続き学生サポーターとして活動する福岡大2年の内野敬介さん(20)は「一人でも多くの子どもの声に耳を傾け、子どもとの接し方を学びたい」と意気込む。将来は経験を生かして、教員になりたいという。

2009年7月 7日 (火)

【教育】「体罰を考えるシンポ」厳しさ失った指導に苦言


 ■「親こそが子供の教育の最高責任者」

 「『教育における体罰を考える』シンポジウム」が開かれ、出席者から家庭のしつけや学校の指導に厳しさがなくなっている現状を懸念する意見が相次いだ。

 「教育における体罰条項を考える会」(加瀬英明会長)の主催で、6月26日に東京・六本木で開かれた。

 第1部は東京都知事の石原慎太郎氏とジャーナリストの櫻井よし子さんの対談。櫻井さんは家庭のしつけなど日常生活の中で鍛錬の機会が減っていることを挙げ、「先生も生徒も平等。お父さんは友達のようで物わかりがいい」「敗北に直面したときいかに立ち向かうか、乗り越えるか教えていない」などと指摘した。

 石原氏は「親こそが子供の教育の最高責任者」とし、「子供に我慢を強いることは親しかできない。いまだめなのは子供でなく若い親、若い教師」「自分でやらなければ始まらない」と参加者に家庭教育の自覚を訴えた。

 第2部は識者らパネリスト9人が体罰について持論を展開。初代タイガーマスクの佐山サトル氏は「体罰は礼儀作法を守り、困っている人がいたら助けるなど本当に強い人間をつくることにつながる」、女優の村松英子さんは「怒りのはけ口としての体罰は憎む。親、大人、私たちが子供たち以上に堪える覚悟で」と話したほか、外交評論家の田久保忠衛氏は「学校教育法を『体罰を加えることができる』と書き換えるべき。戦後、社会全体がゆるんでいる。こういうとき体罰が必要」と主張した。

お金の心配せずに受験を――教育ローン、合格前に審査


 信販大手のオリエントコーポレーション(オリコ)は、来春の入学シーズンから、大学の合格が決まる前に、入学資金の融資の可否を審査する教育ローンを始める。合格前の審査は業界初という。所得環境の悪化で、合格してもお金がなくて入学を断念する例が増えており、事前審査のニーズが高まっているという。

 申し込みは、提携先の大学や専門学校が配布するオリコのパンフレットのパスワードや必要事項をオリコのホームページから入力。2〜3日で融資の可否が郵送で通知される。融資額は提携校や利用者次第だが、平均70万〜80万円。融資期間は4年程度、金利は年4.5〜5%だ。すでに約90校と提携済みで、年度内に400校との提携を目指す。

 今年春の入学シーズンでは、金融危機の影響で年収が下がった家庭が多く、合格発表の後、教育ローンの審査に時間がかかって入学金の支払期日に間に合わず、入学を断念する例も出たという。

睡眠文化研究:睡眠の文化研究って? 地域性、習慣に着目の新学問


 ◇「専門的だが身近」関心高く

 人生の3分の1を人は寝て過ごす。不眠症などの悩みは深く、生理学的な研究は進むが、知られていないことも多い。睡眠を文化や生活習慣と関連づけて考える新たな学問「睡眠文化研究」が生まれ、関心を集めている。

 金曜日の夕方の立教大学(東京都)キャンパス。全学共通カリキュラムで今年度から始まった「睡眠の文化を考える」で、豊田由貴夫教授(文化人類学)が各国の「眠り」についてのスライドを見せた。ハンモックで寝る南米、裸で毛皮をまとうイヌイット、床にござを敷くパプアニューギニア……。豊田教授は「例えば食の分野では、以前は生理学や栄養学の研究が多かったが、今は地域的な違いや習慣を考える食文化研究がある。睡眠も文化としてとらえていきたい」と語る。

 「子どもの眠り」をテーマにした講義では、同大コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科の石渡貴之博士が講師を務めた。石渡博士は幼児の生活習慣に関する調査を踏まえ「男子よりも女子の方が遅寝の傾向がみられた。昼間の遊び方の違いが影響している」「都会と農村で大きな差はなかった」などと紹介。眠りに入る前には体温が下がり、その幅が大きいほど深い睡眠になるとして「昼間の運動は夜の体温低下が大きくなるので睡眠に効果的だが、寝る直前の激しい運動は逆効果。お風呂も同じ」と話した。

 学生たちは次々と手を挙げ「寝ると体温が下がるのになぜ寝汗をかくのか」「冬山で遭難して寝ると本当に死ぬのか」などと質問した。文学部1年の斉藤優衣さん(19)は「睡眠は毎日のことだし、早寝早起きの人の方が成績もいいと聞いていて興味があった。教員志望なので、子どもの睡眠と生活の関係を知りたい」。観光学部1年、島村美智さん(56)は「地域や時代ごとの睡眠の違いなどを聞き、多面的に睡眠を考えられるようになった」と話す。

    *

 京都大学も4月から「睡眠文化論」を開講した。担当する重田眞義准教授は「8割以上の学生が常に授業に来る。睡眠行動という日常性に、研究という専門性が重なり、関心を持ちやすいのだろう」と話す。

 睡眠文化研究では、文部科学省も科学研究費を補助している。重田准教授によると、ヨーロッパで社会学者を中心とした研究グループができるなど、国際的にも注目されてきた。一端に触れたい人には「睡眠文化を学ぶ人のために」(世界思想社)がお勧めだ。眠りを深く意識すると、人生の3分の1が豊かになるかもしれない。

2009年7月 6日 (月)

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「学校裏サイト」県教委が監視 三重の全公立中高


 ネットいじめの温床にもなっている「学校裏サイト」を監視する取り組みを、三重県教育委員会が6月から始めた。専門業者に委託し、県内の全公立中学と高校236校に関する裏サイトや自己紹介のプロフに同級生らを誹謗(ひぼう)中傷する書き込みがないかなどをチェック、内容によっては県教委を通じて学校に連絡する一方、サイト運営者に削除を依頼する。県単位のこうした取り組みは東海地方では初めて。

 県教委は、東京のネット関連会社「ガイアックス」に監視を委託。同社が6月15〜29日、県内の24高校についてパソコンや携帯電話のサイトを試しに調査したところ、裏サイトの掲示板が170件、プロフが1193件見つかった。問題がある内容の書き込みは約50件あり、削除を依頼した。

 今年中に、236校についてそれぞれ3回ずつ調べ、問題の多いサイトやプロフは個別チェックを続ける。

 県教委がこれまで把握していた学校裏サイトは約100〜150件。この取り組みを始めたのは、ネット上の情報交換サイトの急増に伴い、いじめのほかにも犯罪や非行につながる書き込みがどれだけあるかも分からない一方、ネットでのいじめが原因で転校する子どもの例も報告されているからだ。

 同社からの報告で実態をつかみ、マナーやモラルの教育にもつなげたい考えだ。

 県教委生徒指導・健康教育室の水谷明弘室長は「従来の出会い系サイトなど有害サイトのフィルタリングだけでは、子どもをネットの危険から守れない。調査をきっかけに、保護者とも連携し、ネット利用のリスクも教えたい」と話している。

 東京都も今年度から学校裏サイトのチェックを民間業者に委託し、監視強化を図っている。

 ネットいじめ対策として愛知県教委は、今年度から専用サイト「i―モラル」を立ち上げた。モラル教育の向上を目指し、各校の取り組みを紹介し、教員の情報交換の場として役立ててもらう狙い。岐阜県は今年度から、県教委、県警などとともにネット利用についてのリーフレットをつくり啓発活動に取り組むという。

 名古屋市教委は昨年9月、学校裏サイトにかかわる講演会を開き、学校と保護者に啓発資料を配布。本格的なサイト監視について「有効かどうかを見定めながら、いずれ検討することになるかもしれない」としている。

平成21年度「目指せスペシャリスト」の新規指定について


 文部科学省では、農業、工業、商業などの専門高校において、将来のスペシャリストの育成に係る教育を重点的に実施し、教育課程等の改善に資する実証的資料を得るため、これらの教育課程等に関する研究開発を行う専門高校等を「目指せスペシャリスト」に指定しており、このたび、平成21年度指定校を決定しましたのでお知らせします。

お問い合わせ先
初等中等教育局
児童生徒課産業教育振興室
産業教育調査官 沓澤 進、産業教育係長 前畑啓太郎
電話番号:03-5235-4111(代表)(内線2904)

2009年7月 5日 (日)

新教育の森:発達障害の子供が落ち着き取り戻す 特別支援教育のいま


 ◇個々のニーズに応じて

 「特別支援教育」の完全実施から2年余りがたった。知的な遅れがない発達障害の子供たちも支援対象になったのが、かつての「特殊教育時代」との大きな違いだ。何がどう変わったのか、現場を訪ねた。

 ◆少しずつ苦手を克服

 長野市郊外の市立三本柳小学校。3時間目、「特別支援室」に5年生の男児がやって来た。知的遅れはないが漢字を書くのが苦手。教室内を歩き回り、授業を妨害してしまうこともある。けれど、特別支援室で担当の吉岡祐子教諭(46)とマンツーマンで向かい合っている間は楽しそうに学習ドリルをこなしている。

 特別支援室は、普段は通常学級で学んでいる学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など、軽度発達障害の子供たちが必要に応じて週に数時間通って来るための部屋だ。この日の4時間目は、対人関係を結ぶのが苦手な「広汎性発達障害」の子供たちを対象にした週1回の「なかよしの時間」だった。

 「あいさつをする時に気をつけることは?」。吉岡教諭が尋ねると、別々の学級から通って来ている3年生の男児3人がわれ先に手を挙げた。「朝友達に会ったら『おはよう』と言う」「相手の目を見てあいさつする」「目上の人にはおじぎをする」

 一見すると、何の問題もないやり取りのようだが、3人は普段の教室ではうまくコミュニケーションがとれず、友達もなかなかできない。毎週通っているのに吉岡教諭の名前も、一緒にあいさつの練習をした他の児童の名前も覚えていない子供がいる。だから「なかよしの時間」は毎回、自己紹介から始まる。少人数グループ活動を通じて少しずつ対人関係を形成していくのが狙いだ。

 ◆「通級」できめ細かく

 同小の特別支援室のように、通常の学級から別の教室に通って個々のニーズに対応した指導をすることを、特別支援教育では「通級指導」と言う。同小では文部科学省の「特別支援教室制度に関する研究校」に指定された06年度にスタート。新設した特別支援室と、知的遅れがある自閉症児らが在籍する情緒障害児学級(特別支援学級の一つ)で、保護者の承諾を得た2〜6年生の計15人を受け入れている。

 特別支援教育が始まる前にはできなかったきめの細かい指導が、少しずつ実を結び始めている。例えば、「集団の中では学習に集中できない」「漢字が読めずに問題の意味が分からない」「頭痛、吐き気を訴え家に帰ると元気になる」などの困難を抱えた高学年の女児のケース。特別支援室での1日1時間の指導を2年前から続け、並行して普段の授業中も支援員を配置してサポート。さらに週に2時間、市内の特別支援学校に通わせた。その結果、読み書き、計算能力は向上し、教室で集中できる時間も長くなった。頭痛や吐き気を訴えることも減ったという。

 ◆理想は「級友と一緒」

 特別支援教育が始まる以前も、授業中に歩き回ったり、突然パニックを起こす子供たちはいた。しかし当時の対応は、担任の手に負えなくなった場合に教頭や校長らが校長室や職員室に連れ出して落ち着くのを待つ、一時しのぎ的な方法しかなかった。同小の特別支援教育で中心的な役割を果たしている情緒障害児学級担任の村田章子教諭(48)は「3年前まで学級崩壊状態のクラスもあったが、かなり落ち着いてきた」という。

 特別支援教育で各学校に配置することが定められた「特別支援教育コーディネーター」を務める村田教諭は、今後の課題は「それぞれの学級で担任が指導できるようになること」だと言う。仮にクラスメートと机を並べたままで個別支援が受けられるのならば、それが理想だ。ただ、そのためには発達障害の専門家ではない通常学級の担任のスキルアップや意識改革も欠かせない。

 同小では週に1回、村田教諭が中心となり校内委員会を開いて担任らとの情報交換を行い、年に数回の研究発表も実施。村田教諭は「3年目になってようやく校内の体制が整ってきたところ。まだまだこれからです」と話した。

 ◇足りない通級指導学級/教員の専門教育は 完全実施から2年、問題点も
 特別支援教育の完全実施から2年余が過ぎたが、教育現場からは依然として制度の不備や人材不足などの問題点を指摘する声が多い。「一人一人のニーズに応じた特別支援教育の実現を目指して」と題して、大阪市で6月21日に開かれた「全国LD親の会公開フォーラム」では、特別支援教育の現状と課題について専門家らから厳しい意見が相次いだ。

 上野一彦・日本LD学会理事長(東京学芸大名誉教授)が指摘したのが、通級指導学級の設置の遅れだ。文部科学省の調査によると、昨年5月1日現在、通級指導を受けている児童生徒は4万9685人(小学生4万6956人、中学生2729人)。このうち自分の学校内にある教室に通っているのが38・4%で、58・8%が他校通級だった。対象者は小中合わせて年間4000人以上のペースで増えているにもかかわらず、国の09年度予算に盛り込まれた通級指導のための人員増は300人にすぎない。

 教員の専門性に関する指摘もあった。柘植雅義・兵庫教育大大学院教授(特別支援教育学)は、英米では日本の「特別支援教育コーディネーター」に当たる人材の大半が大学院で専門教育を受けているのに対し、日本では4%程度にとどまるというデータを示し、「特別支援教育の中核となる人材がこれでいいのか」と問題提起した。

 ◆どうする高校での支援

 大幅に遅れている高校での特別支援教育をどうするかも今後の課題だ。文科省の08年度調査で、生徒への個別指導計画を作成している高校は10・9%にすぎず、小学校(82・3%)、中学校(71・2%)との差は歴然。制度上、高校には通級指導学級がなく、特別支援学級の設置例もほとんどない。

 柘植教授は「個に応じた指導を充実させるには高校でも通級指導が必要。国が行わないのならば都道府県が独自予算を付けてでも実施すべきだ」と訴えた。

公立小中高、敷地内全面禁煙は66% 都道府県で差


 公共の場の禁煙が進むなか、全国の公立小中学校・高校の少なくとも約2万4千校が、敷地内を全面禁煙にしていることが小児科医グループの調べでわかった。全3万6千校の約66%にあたる。05年の文部科学省調査と比べて約20ポイント以上伸び、子どもをたばこから遠ざけようとの教職員の意識は高まっているといえるが、都道府県ごとの実施率は18〜100%とばらつきが目立つ。

 調べたのは、小児科医でつくる日本小児科連絡協議会の「子どもをタバコの害から守る合同委員会」。全都道府県教委に2月からアンケートを始め、33都府県はすべての学校のデータを提供。同委員会は独自に全国約1800の市区町村教委にも直接データ提供を求めたが、43%は回答していない。

 学校内の受動喫煙防止対策は、敷地内全面禁煙▽建物内に限って禁煙▽建物内に喫煙場所を設置し分煙を講じる――の3種類ある。

 同委員会によると、全国の敷地内全面禁煙は全公立小中学・高校3万5938校のうち、65.8%の2万3652校。100%実施は秋田、茨城、福井、静岡、滋賀、和歌山の6県。宮城(96%)、山形、佐賀(90%)、福島、香川、愛媛(89%)が高い一方、分煙を進めている熊本(18%)、高知(25%)などは低かった。政令指定市は18市中、北九州市を除く17市が100%だった。

 学校別では、都道府県教委が所管する高校は89.9%で05年調査の51.4%から大幅に上がったが、市区町村教委が所管する小学校は63.9%、中学校は60.4%にとどまっている。都道府県教委が呼びかける敷地内禁煙に対する市区町村教委の協力度合いが、地域差につながっているとみられる。

 山口県は86.3%で05年調査(11.9%)から大幅に伸びた。07年4月からは県立学校すべてで敷地内を全面禁煙化。毎年、県内の小中学校の実態を調べ、「喫煙防止の生徒指導がしやすくなった」など敷地内禁煙の効果を市町教委に伝え、協力を求めている。

 文部科学省学校健康教育課の担当者は「敷地内禁煙が理想だが、一律というのは難しい。全面禁煙か分煙かは地域や学校の実情に応じて進めてほしい」と話している。

 調査を担当した国立成育医療センターの原田正平医師は、「敷地内禁煙化は子どもへの受動喫煙防止だけでなく、大人が吸う姿を見せないことで、子どもへの『吸わせない』教育につながる」と指摘。「禁煙率の低いところは、さらに啓発活動を進めてほしい」と呼びかけている。

「人の死」考えさせる、臓器移植法改正案も題材に


 「人の死とは何か」。東京都墨田区の都立墨田川高校教諭の白石直樹さん(47)は、生命倫理を育もうと、20年以上も生徒自身に命の問題を考えさせる授業を続けている。

 「人が死ぬってどういうことだろう」。墨田川高校で6月30日に行われた生物の授業。冒頭でそんな疑問を1年生20人に投げかけた白石教諭はまず、「脳死は人の死か」をテーマにした報道番組のビデオを生徒に見せた。

 テレビに映し出されたのは、深夜の救急病院。バイク事故で血だらけになった少年が運ばれてきた。13歳。医師から少年が脳死状態であると告げられ、ぼう然と立ちつくす父親。2週間後の14歳の誕生日に亡くなった少年をみとった父親は「脳死状態であっても、誕生日まで生きてくれてよかった」と語る――。

 白石教諭はビデオを止めると「心臓死」と「脳死」の違いを説明する。「脳死は生物学的に死ではない」と人の死とは認めない識者の意見や、「脳が死んだら人は消滅する。脳死は人の死だ」と、正反対の意見の医師の言葉も紹介した。

 臓器移植法改正案もかっこうの題材になる。「脳死は人の死」を前提に現行では禁止の15歳未満からの臓器提供を可能とするもので、先月、衆院で可決して話題になった。現在は舞台を参院に移して審議されている。そこでは、この改正案とともに、15歳未満の臓器提供などを内閣府に設置する調査会で検討する対案も提出された。子供の脳死判定には問題点も指摘されているからだ。そうした世の動きを説明しつつ白石教諭は「君たちならどのように考えるか」と問いかけた。

 生徒の反応は様々だ。男子生徒の1人は「自分が脳死になったら、死んだと思ってもらってもいい。でも家族が脳死になったら心臓が止まるまで死んだと思いたくない。『脳死は人の死』と一律に法律で決めるのは行き過ぎでは」と語った。

 一方、別の男子生徒は逆の立場。「臓器移植を待つ人は多い。『脳死は人の死』とし、家族の同意だけで移植できるようにするべきではないか」と話した。

 生物を担当する白石教諭がこうした授業を始めたのは23年前。細胞死など「生物学上の死」だけでなく、生命倫理としての「死」を考えさせるのが狙いだった。「簡単に結論の出る問題ではないと思えることが重要。結論を出すのではなく、考えることが大事」と話している。

教育費:「幼児教育の無償化を」 家計負担減へ提言−−文科省懇談会


 教育費の家計負担軽減について議論してきた文部科学省の有識者懇談会は3日、低所得家庭の高校・大学生に対する授業料減免制度拡充や幼児教育無償化などを柱とする提言をまとめた。「子供の教育を社会全体で支えるべきだ」などと訴え、主な施策の実現に年約1兆3473億円が必要と試算した。

 提言は「親の所得格差が子供の進学機会や学力、意欲などの差を生む」と指摘。日本の国内総生産に占める教育予算の割合は3・4%(05年)で、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうちデータが比較できる28カ国で最下位。28カ国の平均(5%)を踏まえ、「充実を本格的に検討する必要がある」とした。

 低所得者層を対象に高校・大学の授業料減免や、奨学金制度拡充などを提案。生活保護世帯(年収200万円未満)は全額免除、低所得世帯(年収350万円未満)は半額免除とし、授業料減免は高校分で約229億円、大学分で1089億円が必要と試算した。

 一方、希望するすべての3〜5歳児の就学前教育(幼稚園、保育所)を無償化すべきだとして、必要額を約7900億円と試算した。

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 ◆文科省有識者懇談会が提言した主な家計負担軽減策と必要額◆

 <幼稚園、保育所>

・3〜5歳児の教育無償化 7900億円

 <小中学校>

・市町村が行う就学援助(学用品など)に充てる地方財政措置の増額      620億円

 <高校>

・低所得家庭(年収350万円未満)の生徒を対象とする授業料の減免     229億円

・奨学金の拡充                              500億円

・私立高生がいる家庭(年収800万円未満)に公立高との授業料差額を支給 1564億円

 <大学・大学院>

・低所得家庭の学生対象の授業料減免          国立58億円、私立1031億円

・私立大生の奨学金受給割合(30%)を米国並みの89%に        1186億円

・大学院生のアシスタントなどとしての雇用を拡充              385億円

2009年7月 4日 (土)

児童ポルノ流通防止へ法整備急務 ネット普及で事態悪化


 リスト化・ブロッキングを検討

 インターネット上に氾濫(はんらん)する児童ポルノの流通防止を図るため、通信事業者や有識者などで構成する協議会が活動を始めている。協議会では児童ポルノが掲載されているウェブサイトのリスト化や、掲載サイトを閲覧できなくする「ブロッキング」の是非について検討。その結果、ブロッキングなどが始まれば一定の効果が期待されるが、法整備を急ぐべきとの指摘もある。

過去最高の摘発

 「児童買春・ポルノ禁止法ができてかなりたつが、児童ポルノをめぐる事態はよくなっていない。むしろインターネットの普及で悪くなっている」

 6月に設立された児童ポルノ流通防止協議会の構成員の一人で、財団法人インターネット協会(東京都港区)の国分明男副理事長は話す。平成20年に全国の警察が摘発した児童ポルノ製造・提供事件は676件で過去最高。12年の170件から4倍近くにも増加した。

 協会が運営する「インターネット・ホットラインセンター」では、ネット上の違法、有害情報について通報を受け付ける。通報で児童ポルノが掲載されたウェブサイトがあった場合、管理者へ削除を要請しているが、一部には応じない管理者もいるのが現状という。また、いったん画像がネットに流通してしまうとコピーされ、流通が続く恐れがある。

 こうした現状を打破するために設立されたのが児童ポルノ流通防止協議会だ。ネット接続事業者や検索エンジンを運営する会社、弁護士らで構成され、児童ポルノを掲載しているウェブサイトのリスト化とブロッキングの2点について検討する。

 リストに関してはどのような基準でリストに掲載するかや、どんな組織でリストを作成、更新していくかなどについて議論。児童ポルノを掲載するウェブサイトへのアクセスをできなくするブロッキングについては、憲法の「表現の自由」との関係もあるため、法的な課題などについて検討する。年内いっぱい話し合いを進め、是非などについて提言をまとめる予定だ。

人への規制も必要?

 通信事業者も加わった児童ポルノ撲滅に向けた動きについて、協議会の構成員の一人で、児童ポルノ問題に取り組む後藤啓二弁護士は「ブロッキングが実現すれば、削除をしなくても児童ポルノを見られなくすることができる。かなりの効果が期待できるのではないか」と評価する。

 一方で、「これで100%ではない」と後藤弁護士。児童ポルノを掲載するウェブサイトを規制できてもダウンロードされるなどして、個人が趣味で児童ポルノを保有する単純所持が法律で禁じられていないからだ。後藤弁護士は「法律で単純所持を禁止しないと愛好者の需要は減らない。すでに持っている人間に対しても規制をかけることが必要ではないか」と語気を強める。

「うれしくて眠れなかった」車いすの明花さん初登校


 車いすで生活を送る奈良県下市(しもいち)町の谷口明花(めいか)さん(12)は3日朝、入学を拒んでいた同町教育委員会が仮入学を認めたことを受け、約3カ月遅れて町立下市中学校に初登校した。セーラー服姿。少し緊張した面持ちだったが、「昨日はうれしくて一睡もできなかった」と笑顔を見せた。ホームルームで「私なりに頑張っていくのでよろしくお願いします」とあいさつし、同級生から大きな拍手を受けた。

 午前8時10分、校舎近くで母親の美保さん(45)が運転する車から降り、車いすでスロープを使って校内に入る様子を、在校生が校舎の窓から身を乗り出し見守った。

 登校が前日に急に決まったためスカートは購入が間に合わず、同級生が冬用を貸してくれた。

 受け入れにあたり、町教委と県教委は、これまで下市中になかった肢体不自由児の特別支援学級を1階に設置。入学を拒否されていた間、自宅で明花さんに勉強を教えていた県立養護学校の女性講師(23)をそのまま配置した。

 下市中によると、明花さんは交流学習時やホームルームでは普通学級の1年A組に参加する。ただ、他生徒と履修状況に差があるとみられるため、1学期中は支援学級での個別学習が中心。明花さんが階段を上り下りする際に必要な介助員2人が集まっておらず、4階の普通学級へ移動する場合は、職員が背負うという。この日は支援学級でこれまでの自宅での履修状況を報告、給食も食べた。6時間目終了後に1年A組のホームルームに加わった。

 町教委は明花さんの仮入学を認めるよう義務づけた奈良地裁の決定を不服として、1日付で大阪高裁に即時抗告。高裁で逆転決定が出れば、入学を取り消す可能性も示唆しているが、この日は「一日も早く中学校生活に慣れ、他の生徒たちと落ち着いた学習活動が送れることを切望します」との談話を出した。

関西私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   灘中学校

偏差値 : 65  
   東大寺学園中学校

   甲陽学院中学校

偏差値 : 63
   洛南高等学校附属中学校

偏差値 : 62
   大阪星光学院中学校

偏差値 : 61
   西大和学園中学校

   神戸女学院中学部

偏差値 : 60
   洛星中学校

関東私立中学(偏差値60以上)


偏差値 : 71
   筑波大学附属駒場中学校

偏差値 : 69
   開成中学校

偏差値 : 67
   麻布中学校

   慶應義塾中等部

   桜蔭中学校

偏差値 : 66
   栄光学園中学校

   駒場東邦中学校

偏差値 : 65
   聖光学院中学校

   女子学院中学校

   筑波大学附属中学校

偏差値 : 64
   慶應義塾普通部

   雙葉中学校

偏差値 : 63
   浦和明の星女子中学校

   慶應義塾湘南藤沢中等部

   渋谷教育学園幕張中学校

   豊島岡女子学園中学校

   武蔵中学校

   桐朋中学校

偏差値 : 62
   フェリス女学院中学校

   白百合学園中学校

   暁星中学校

偏差値 : 61
   浅野中学校

   早稲田中学校

   東京学芸大学附属世田谷中学校

   早稲田実業学校中等部

偏差値 : 60
   明治大学付属明治中学校

   学習院中等科

   東京学芸大学附属小金井中学校

群馬「正論」懇話会で曽野綾子さんが講演

 群馬「正論」懇 話会の第19回講演会が2日、前橋市大友町のマーキュリーホテルで開かれ、作家の曽野綾子さんが「私の生まれた大地」と題して講演した。

 曽野さんは、政情が不安定で衛生環境も劣悪な海外で、ボランティア活動を行う邦人宣教師らを援助してきた経験をもとに、「日本人は命を賭けて仕事することを美しいとも立派とも思わなくなった」と指摘。人間としての生を全うするということは、「人のために死ねるか、自分の命を差し出せるか、ということだ」と述べた。

 一方、日本のマスコミの多くが戦後、差別的とされる言葉を自主規制してきた問題にも触れ、「『悪い』言葉でも残すべきだ。今の新聞は言論統制をやっている。読者が怖くて勇気がない」と語った。

2009年7月 3日 (金)

立体画像:恐竜がよみがえる 国立科学博物館で体験イベント


 東京・上野の国立科学博物館で、恐竜の3D映像を楽しむ体験イベントが開か
れている。現実の空間を映したビデオ映像に3Dコンピューターグラフィックス
を合成する「ミクストリアリティ(複合現実感)」技術を使った試みで、双眼鏡
型のディスプレー「MRスコープ」をのぞくと館内に大型恐竜トリケラトプスの
顔が出現。一緒に記念撮影することもできる。しゃがんで見上げたり、間近まで
近づくこともできるため、訪れた子供たちは興味しんしんだった。

 同イベントは国立科学博物館、放送大学、キヤノンの共同研究の一環で、骨格
標本など博物館の展示物への関心を高め、楽しく学んでもらうことが狙い。トリ
ケラトプスを見るコーナーにある骨の一部を展示した場所を「MRスコープ」で
見ると、トリケラトプスの顔全体が見える仕掛けだ。

 このほか、携帯ゲーム機プレイステーション・ポータブル(PSP)を使った
クイズラリーも体験できる。ラリーでは、合成映像を見て、爬虫(はちゅう)類
と哺乳(ほにゅう)類の違いについての問題などに答えながら館内をめぐる。参
加者個人のPSPでも参加できるという。埼玉県から母親と一緒に来館した小学
2年生の男児は「恐竜が大好き。近くで見られておもしろかった。またやりた
い」と目を輝かせていた。

 「MRスコープ」はキヤノンが開発中で、市販はしていない。右目用と左目用
のビデオカメラを使い、撮影した映像をすぐにコンピューターグラフィックスと
合成。利用者は時間の遅れをほとんど感じることなく、合成映像を見ることがで
きる。

 体験イベントは5日まで。国立科学博物館の地球館地下2階。対象は小学生以上。

学用品や制服代の支援、高校生にも拡大検討 文科省


 経済的に苦しい高校生の支援策として、文部科学省は、学用品代や修学旅行費、制服の購入費など、授業料以外に必要な教育関連費を支援する制度の検討に入る。こうした支援策は従来、小中学校の義務教育期間しかなかったが、高校進学をためらったり、中退したりするケースが増えていることから、具体化を議論することにした。

 高校生の支援をめぐっては、塩谷文科相が設けた有識者の懇談会も新たな仕組みを議論している。義務教育ではないものの、98%の子どもが進学する以上、公的支援の充実が必要との考えからで、文科省は、高校生への支援強化を「政策転換」と位置づけている。7月中に自治体や学校の担当者らによる検討会を設ける考えだ。

 文科省は今回の補正予算で、主に私立高校生の授業料減免などの支援策として3年分486億円を手当てした。しかし、教育現場には「一過性の対応では根本的な解決にならない」として、新たな制度を求める声が強い。文科省は、例えば年収350万円以下など生活保護に準ずる世帯を対象に、義務教育での「就学援助」のような制度や、給付型の奨学金の導入を話し合う。

未成年者の喫煙防止、強化月間スタート


 窓口等での年齢確認を徹底

 日本たばこ協会と全国たばこ販売協同組合連合会は1日、毎年7月を「未成年者喫煙防止強化月間」と定め、たばこ販売店や未成年者が多く集まるネットカフェ、カラオケ店などと協力して未成年者の喫煙防止活動を強化するキャンペーンを開始した。

 これまでたばこ業界では、全国の中学・高校、地域・行政などと連携して喫煙防止の啓発活動を行ってきた。昨年7月には「成人識別たばこ自動販売機(taspo=タスポ)」を導入し、全国の販売機のうち99.5%がタスポ式になるなど、未成年者にタバコを販売しないための環境作りも整ってきた。

 今年度からは、日本フランチャイズチェーン協会、日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会、日本ボランタリー・チェーン協会、日本セルフ・サービス協会、日本カラオケスタジオ協会、日本複合カフェ協会、日本自動販売機工業会の8団体と協力し、特に店頭や受付窓口での年齢確認の徹底や、インターネットカフェなどでの会員制度の導入推進による身分証の確認強化に力を入れていく。

 期間中、強化月間の推進を訴えるポスターやステッカーを店頭などに貼ったり、店員が来店者の目に付きやすいところにバッジを着用するなどして、未成年者へのメッセージ発信も強化する。

2009年7月 2日 (木)

【こども】証券業界 経済・金融の教育を支援


 ■理解深めて自立した消費者に

 証券業界が、子供を対象にした「経済・金融教育」に力を入れている。金融危機の今こそ、経済、金融に対する正確な知識を身に付け、将来の生活設計の役に立ててほしいという考えだ。経済事件が増え、金融商品が複雑化する中、自立心をはぐくむ取り組みとして注目される。

 ◆親子教室

 「会社」の役割を割り当てられた男の子が、「家」の役割を演じる女の子にカードでつくった「お金」を手渡した。「働いてくれたおかげで会社がもうかったから、給料をあげる」と男の子。女の子はもらったお金を使って、カードに描かれたジーンズやジャンパーを買った。

 親子で経済の仕組みを疑似体験する教室が、3、4月に東京証券取引所で開かれ、延べ331人が参加した。小学4年生の女児(9)は「会社が身近に感じられて、お父さんといっぱい話ができそう」と笑顔。30代の母親は「お金の大事さが分かってくれたみたい」と満足そうだった。

 東証OBで講師の大崎正行さんは「先行き不透明感が強まっている今こそ、経済が日常生活と結び付いていることを理解してほしい」。

 証券最大手の野村ホールディングスは、小学校での教育を積極的に支援。学習研究社と組んでつくった「街のけいざい教室」という教材を1200校の小学校に配布した。

 東京都品川区立・清水台小学校では、教室で児童が会社や銀行の役に分かれて経済活動を実感。子供たちは、銀行から借りたお金で、材料を仕入れ、商品を生産。販売して手に入れたお金で借金を返すという、経済の典型的な仕組みなどを勉強する。

 野上裕高教諭は「子供たちが人生を賢く生きるために役立つ授業がしたい」と意欲的だ。

 ◆疑似株券も

 より実践的な手法で、授業を支援するのは大和証券グループ本社。立命館高(京都市)では、学生たちが、疑似的な会社を設立し、エコバッグなどを商店街で販売。1株100円の疑似株券を親らに買ってもらい、1万円の元手を調達。商品の企画、材料購入、製造までを自分たちで手掛ける。

 大和の社員が、この会社の社外取締役として助言。プログラム終了時には、活動報告や「株主総会」も開催。

 盛んになってきた金融教育だが、手法によっては「マネーゲームに奔走する大人を育てることになりかねない」といった慎重な声もある。ファイナンシャルプランナーの木戸一郎氏は「自立した消費者になってもらうことが重要で、短期の利益追求などを強調してはいけない。トラブルに巻き込まれたときにも慌てない冷静な判断力も養ってほしい」と話す。

                   ◇

 ■子供の教育費への貯金、半数が「考えず」

 20代の男女の約半数が、子供の教育費を目的とした預貯金などは特に考えていない−。NPO法人「日本ファイナンシャル・プランナーズ協会」が全国の20〜29歳の男女1万5000人(有効回答者3756人)を対象に行ったライフプランニング意識調査で、こんな結果が出た。

 調査結果によると、46.8%が「子供の教育費に使うことを特定した預貯金などを特に考えていない」と回答。「預貯金などをしている(する予定である)」は39.4%、「していない(する予定はない)」は13.8%だった。

高校生4人「金」へ挑戦


「生物学五輪」12日から日本で

 世界の高校生らが生物学の知識と応用力を競う「第20回国際生物学オリンピック(生物学五輪)」が12日から、茨城県つくば市で開かれる。

 初の地元開催となる今回、日本からは4人が参加。「強化合宿」で知力に磨きをかけ、金メダルの獲得を目指している。

 日本代表は千葉県立船橋高校3年の大月亮太さん(17)、東京都の私立桜蔭高3年の山川真以さん(17)、同校2年の谷中綾子さん(16)、神戸市の私立灘高2年の中山敦仁さん(16)。昨年夏、国内予選を兼ねた「生物チャレンジ」で、全国の小中高校生計2000人の中から選ばれた。

 日本代表の強化合宿に当たる「特別教育」が先月、1泊2日の日程で東京都内で開かれ、補欠に当たる「代表次点」2人を含む計6人が参加した。明治大学農学部の中島春紫(はるし)教授らが講師を務めた。

 「日本でがんの死亡率が増えているのは寿命が延びている証拠でもある」「辛みが揮発しやすい練りワサビが商品化できたのは、シクロデキストリンという環状化合物のお陰」……。

 中島教授が担当した3時間の集中講義のテーマは生物学に限らず、化学、医学、環境問題と幅広い範囲に及んだ。1枚のスライドにかける解説は5分程度。細かい用語解説はなく、次々と話題が変わる。

 こうした講義スタイルを採用した理由について、中島教授は「代表の生徒たちに色々な話題に興味を持たせるのが目的。難しい言葉でも調べて勉強する力があるから大丈夫」と説明した。

 生物学五輪が始まったのは1990年。進化論を提唱したチャールズ・ダーウィンの生誕200年に当たる今年は過去最多の57国・地域から200人以上が参加する。会場の筑波大学では14日に6時間にわたる実験が行われ、16日には筆記試験が5時間かけて行われる。

 本選では例年、生物学系の大学院生でも頭を悩ませるような難問が次々に飛び出す。金メダルを獲得できる人数は成績の上位1割が目安。科学五輪には生物学以外にも、数学、物理、化学などがあるが、日本の金メダルがないのは生物と地学だけだ。

 日本代表の谷中さんは「このチームなら、誰かが金メダルを取る力があるはず」と意気込み、組織委員長の井村裕夫・京大名誉教授は「日本代表が活躍する姿を通じて、他の青少年にも科学の面白さを伝えたい」と話していた。

2009年7月 1日 (水)

明晴学園:日本手話のろう学校、中学部設立へ


 耳の聞こえない子供たちに「日本手話」で授業をする全国唯一の私立ろう学校「明晴学園」(斉藤道雄校長、東京都品川区)が29日、都に中学部設立を申請した。運営資金の募金で、目標額を上回る約3500万円が集まった。

 08年に開校した明晴学園には、幼稚部・小学部合わせて43人が通う。6年生7人の進学先となる中学部設立には3000万円が必要だが、今年2月の時点で389万円しか用意できていなかった。

 聴覚障害者のラグビー支援を通じて、窮状を知った関東ラグビー協会が協力。2〜5月に12試合の会場で、協会所属の各チームが学園の児童と一緒に募金活動をした。カナダ人男性らのチャリティーグループも4〜5月、東京から札幌まで自転車で走りながら、募金を呼びかけた。

 都の私学行政課は都私立学校審議会に諮問し、認められれば中学部の設置を認可する。長谷部倫子教頭は「多くの皆さんのおかげ。本当に感謝しています」と話していた。

就職に強い大学を一挙公開


 企業に求められる人材育成…各大学の取り組み紹介

 金融危機、企業業績の悪化……。世界的な不況が続く中、大学生の就職環境は日ごとに厳しさを増している。

 企業説明会や面接の早期化など採用をめぐる状況も刻々と変化し、学生と大学はその対応に追われている。

 本日発売された「息子・娘を成長させる大学2010年版 就職に強い大学」(読売新聞社刊)では、ここ数年の就職市場の現状、企業が学生に求める能力や資格などを分析。就職に強い学生を育てるための大学の取り組みや指導法などについて詳しく解説している。

 就職率の高い大学ランキングをはじめ、新卒の就職戦線最新リポート、学費&資金プランなど、多彩な情報を盛り込んでいる。

 価格は980円。

携帯電話:「小中学生に持たせないで」 石川県が条例、保護者に努力義務


 石川県議会は29日、小中学生に携帯電話を持たせないよう保護者が努める規定を全国で初めて盛り込んだ「いしかわ子ども総合条例」改正案を38対7の賛成多数で可決した。施行は来年1月。

 最大会派の自民や公明など議員28人が共同提案した。青少年の健全育成などを定めた同条例に「携帯電話の利用制限」との条項を新設。「保護者は、特に小中学校に在学する者には、防災、防犯その他特別な場合を除き、携帯電話端末等を持たせないよう努めるものとする」と加えた。

 財産権や表現の自由に抵触するとの指摘があったものの、討論の中で提案会派の議員は「訓示、目標であり、『憲法違反』は的外れ。世論を喚起したい」と主張した。

 一方、反対会派の議員は「『大きなお世話』との意見が大半。各家庭が選択すべきことだ」と意見を述べた。

 子供の携帯電話を巡っては、文部科学省が今年1月、全国の都道府県教育委員会に対して、小中学校への持ち込みを原則禁止すべきだとの指針を通知している。

 ただし、緊急連絡手段としての持ち込みを保護者が校長に申請した場合は、登校後に学校が預かるなどすれば認められるとした。

 高校についても、授業中の使用禁止などを求めている。

高校生のための環境科学講座


 桜美林大学は、学内で行っている研究成果を紹介して科学の楽しさを体験してもらおうと、7月18、19日に高校生のための環境科学講座「オゾン層と紫外線の科学」を東京都町田市の町田キャンパスで開く。

 オゾンを作ってフロンで破壊する実験や屋外での紫外線測定、コンピューターによる予想推計などを行い、オゾン層破壊と紫外線の関係について説明する。両日とも同じ内容を行う。無料で事前申し込みが必要。同大研究支援課((電)042・797・2812)。

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